文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループが、革新を続け持続的成長を果たすために、企業理念を「『人』と『絆』を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」とし、当社グループが長い歴史の中で築いてきた信頼と信用、その根幹をなすすべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを示しております。そして、その使命を果たすことを皆様にお約束するために、ブランドメッセージを「私たちの約束:期待を超えなければ、仕事ではない」とし、その「私たちの約束」を具現化するため、全従業員の行動指針として「私たちの覚悟」を定めております。
また、2022年5月には、2030年ビジョンとして「技術で、人が、高みを目指す」と定めました。事業環境が大きく変化し、将来の予測が難しい時代にあっても、当社グループの永続的な企業価値の向上には人の成長が不可欠であることに変わりありません。一人ひとりが能力を磨き、真価を遺憾なく発揮できる環境を整えると同時に、当社グループの現場に長年蓄積されたノウハウをはじめとする有形・無形の財産である幅広い技術を活用し、業務改善・改革に取り組み、その過程で従業員一人ひとりが成長する。このような循環を作りだしてまいりたいと考えております。
そして、「高み」を目指すための3つの指針を下記の通り示し、これらを具現化していくことにより、2030年ビジョンを実現してまいります。
なお、2030年ビジョンの財務目標は下表の通り、営業利益250億円、ROE10%以上とし、売上高4,500億円は実現に向けたガイドラインと位置付けております。これは、売上高に偏った成長を追うのではなく、幅広い技術の活用をはじめとした創意工夫により、お客様や社会の困りごとを解決し、高い利益成長を図っていくことを意図しております。加えて、サステナビリティの観点から「環境」「人」「技術」の非財務目標を掲げております。
従業員全員が2030年ビジョンを共有することで、一人ひとりが成長意欲を持ち、活躍できる風土づくりを進めることで、目標達成に邁進してまいります。
2030年ビジョン[2031年3月期経営目標]
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財務目標 |
売上高※ |
4,500億円 |
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営業利益 |
250億円 |
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ROE |
10%以上 |
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非財務目標 |
環境 |
CO2排出量35%削減(2019年3月期比) |
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人 |
経営戦略に基づく人材育成の推進 従業員の働き甲斐(エンゲージメント)の向上 |
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技術 |
技術革新・DXによる自動化・省力化 労働環境改善による「安全」の絶えざる追求 |
※売上高はガイドラインとする。
(2)中期的な会社の経営戦略・対処すべき課題
2023年3月期の当社を取り巻く環境は、新型コロナウイルスの影響が徐々に緩和し、経済活動の正常化が進む一方で、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻の長期化によるエネルギー価格の上昇や諸外国のインフレ進行と円安による輸入価格上昇を主とした物価高で消費が減退する等、厳しい経営環境のもと推移いたしました。しかしながら、継続した適正単価の収受や効率化の取り組み、部門間連携による事業間シナジーの創出等により、空港関連が依然として厳しいなかにおいても、売上高は3,118億円、営業利益132億円、ROE7.1%となりました。
当社グループでは2030年ビジョンの実現に向け、2023年3月期~2025年3月期までを対象期間とする中期経営計画を進めており、初年度としては、一定の成果が見られたものと捉えております。しかしながら、事業環境が大きく変化し、将来の予測が難しい時代にあって、従来の延長線上の取り組みのみでは2030年ビジョンの実現は容易ではありません。また、2024年4月より適用されるドライバー・建設業の時間外労働時間の上限規制適用等もあり、人手不足という課題は、中長期的な国内生産年齢人口の減少等と相まってさらに深刻化するものと考えております。また、AI、IoT、ビッグデータ、ロボットの活用に代表される技術革新の進展により長期的にあらゆる業界において自動化・省人化が進んでいくと考えられ、当社グループの業務においても新技術を取り入れながら業務を改革・革新することが急務であると捉えております。このような課題に対し、当社グループはこれらを脅威ではなく機会として捉え、新たな領域拡大に繋げることが不可欠と考えております。
そのため、中期経営計画では、「人と技術のシナジーで時代とともに変化する『期待を超える価値』を創造しよう」という基本方針を定め、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現すべく、次の4つの重点事項を定めました。これらの取り組みを引き続き進め、中期経営計画の確実な達成を目指します。
重点事項
① 革新への挑戦
注力事業における挑戦(含M&A)、技術の活用とDX並びに協業による挑戦、人的資本強化
② 安全・安心の追求
より安全・安心な職場環境・社会の実現、安全人づくり
③ サステナビリティの追求
全員参加で豊かな社会の実現
④ 収益力の向上
革新への挑戦による収益性・効率性の向上、収益の改善継続
主要目標と進捗
中期経営計画では、従来の売上高・営業利益といった事業規模や成長性を示す指標、自己資本当期純利益率(ROE)といった資本効率性を示す指標に加えて、2030年ビジョンと同様に「環境」「人」「技術」といった非財務目標を掲げ、進捗をモニタリングしております。
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2023年3月期 (実績) |
2024年3月期 (予想) |
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財務目標 |
売上高 |
3,118億円 |
3,210億円 |
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営業利益 |
132億円 |
140億円 |
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ROE |
7.1% |
6.9% |
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非財務目標 |
環境 |
164,924t-CO2 (2019年3月期比 CO2排出量17%削減) |
174,439t-CO2 (2019年3月期比 CO2排出量12%削減) |
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人 |
・タレントマネジメントシステム導入による人材情報の可視化 ・外部調査機関を通じたエンゲージメントサーベイの実施 |
・注力事業への人材配分の実現と経営人材育成制度の始動 ・戦略委員会との連携による人材戦略策定 ・エンゲージメントサーベイスコアの向上 |
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技術 |
1.新技術導入による現場改善 ①現場への技術導入実績件数:19件 ②現場への技術導入に向けたPoC件数:55件 ③技研ICでの技術検証件数:13件 2.デジタル技術を活用した現場改善 ①新統合WMS導入実績件数:1件 ②事業現場業務の生産性向上実績件数:7件 ③MOVE導入実績件数:3件 3.全社改善活動の推進 ①本社安全品質活動報告会事例件数:8件 ②支店安全品質活動報告会件数:79件 ③コーポレート部門改善報告会事例件数:6件 |
1.新技術導入による現場改善 ①現場への技術導入実績件数:25件 ②現場への技術導入に向けたPoC件数:35件 ③技研ICでの技術検証件数:12件 2.デジタル技術を活用した現場改善 ①新統合WMS導入実績件数:4件 ②事業現場業務の生産性向上実績件数:10件 ③MOVE導入実績件数:5件 3.全社改善活動の推進 (①②③とも継続指標) |
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2025年3月期 (計画) |
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財務目標 |
売上高 |
3,320億円 |
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営業利益 |
160億円 |
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ROE |
8.0% |
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非財務目標 |
環境 |
CO2排出量20%削減(2019年3月期比) |
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人 |
・経営戦略に基づく人材育成の推進 ・従業員の働き甲斐(エンゲージメント)の向上 |
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技術 |
・技術革新・DXによる自動化・省力化 ・労働環境改善による「安全」の絶えざる追求 |
財務方針
中期経営計画においては、2030年ビジョンの達成と企業価値の持続的な向上を目指し、成長投資に加え、技術革新・DX投資、M&A、荷役機器更新等の一定の投資が必要と考えておりますが、投資判断にあたっては、資本コストを踏まえたNPVとROICを基準に審議を行った上で、戦略との整合性を勘案し判断しております。
投資枠としては、営業CF450~500億円(3ヵ年累計)を前提にその枠内での設備投資・M&A・株主還元を計画しております。
また、財務規律については、投資余力・最適資本構成・株主還元余力のバランスを考慮した以下の各項目を維持し、財務健全性を確保してまいります。
・DEレシオ0.8倍以下
・自己資本比率40%以上
・格付けA-以上
株主還元については、下記の方針により、安定的な株主還元を目指してまいります。
・2023年3月期は1株当たり配当金水準(年36円)に復帰。
・以降は原則その水準の維持向上に努める。
・事業環境及び財務状況に応じ機動的な自己株式取得も今後検討の選択肢とする。
なお、2023年3月期の1株当たり年間配当金につきましては、2022年3月期対比で13円増額の1株当たり42円とさせていただきました。今後も創出したキャッシュは、財務規律を維持する前提のもと、将来に向けた成長投資に振り向けるとともに、安定配当と収益拡大による増配を目指すことで株主還元の充実を実現してまいります。
(収益力向上に向けた取り組み)
これまで当社グループは業界ごとに事業部門が分かれ、お客さま第一の体制を敷いてまいりました。お客さまからの信頼醸成、深耕化等に強みを発揮する一方、事業間のシナジーを十分に発揮出来ていないこと等、課題もありました。このような中、コロナ禍を乗り越える過程で多くの部門間連携が進み、収益改善はもとより多くの学びを得て、改めて部門間連携の重要性を認識いたしました。今後はこれまで以上に、お客さまの成長や社会の発展に貢献できるよう、業界やお客さまの枠を越えて、技術やノウハウの共有をはじめ事業の横串を通し、より付加価値の高いサービスを提供してまいりたいと考えております。
そのため、2023年4月より取締役会の諮問委員会として、新たに請負並びにロジスティクスの戦略委員会を立ち上げました。既存事業の延長線上だけでなく、中長期的な環境変化を見据えたうえで請負並びにロジスティクスの将来像を描き、限られた経営資源をどのように配分していくかを検討してまいります。この取り組みにより、付加価値の高いサービスの提供や新たなビジネスの獲得による利益率の向上にも努めてまいります。
また、合わせて規模・地域・業種を勘案し、現在18ある支店を11支店とする再編を実施しました。この再編により、現場力をはじめとする支店運営力を高めると同時に、より機動的な判断と一事業にとらわれない全体最適の視点で事業を運営してまいります。
(資本効率向上に向けた取り組み)
持続的な発展のためには、限られた経営資源を効率的に活用することが不可欠です。当社グループは、資本効率の向上を図るため、ROICを活用し、資本コストを意識した経営に取り組んでおります。取り組みにあたっては、全事業を基盤事業、改善事業、注力事業の3つに分類し、各事業の位置づけに応じた戦略の立案・実行・見直しを進めるとともに、全社最適の観点から事業ポートフォリオの見直しを進めてまいります。そして、実効性を高めるために、投資回収に関しては投資判断から投資後モニタリングにいたる仕組みを強化し、半期ごとの取締役会への報告と戦略の見直しを行い、確実な投資回収を行うよう取り組みを行っております。また、前中期経営計画より継続している不採算事業の収益改善(投下資本10億円以上の大規模拠点について、ROICの視点で対象を選定)については、引き続き取り組みを進めております。2023年2月には埼玉県越谷市に冷凍・冷蔵倉庫を開設し、近郊の定温流通センター3拠点の業務をお客さまの業種・業態に応じて再編することで、定温物流サービスを強化し収益改善を進めております。足下では電気代等の高騰により、計画策定時点と比較し、コスト高とはなっておりますが、計画達成に向け着実に取り組みを進めてまいります。
このような取り組みにより、2023年3月期のROICは4.3%となり、前連結会計年度比0.9ポイントの向上となりました。引き続き2025年3月期での5%達成に向け取り組みを進めてまいります。
(当社グループの事業ポートフォリオ)
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分類 |
分野 |
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基盤事業 |
鉄鋼関連、食品(食品)関連、食品プロダクツ関連、生活(生活)関連 |
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改善事業 |
生活(物流)関連、食品(定温)関連、国際関連 |
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注力事業 |
空港関連、エンジニアリング関連、メディカル関連、インド事業 |
※2024年3月期より環境・エンジニアリング関連をエンジニアリング関連に名称変更いたします。
(空港関連と鉄鋼関連の取り組み)
当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減するよう努めておりますが、依然としてコロナ影響が顕著な空港関連、業界の構造変化による影響が大きい鉄鋼関連については、特に重要課題であると認識し、それぞれ下記の通り取り組みを進めております。
① 空港関連の見通しと対応
2023年3月期につきましては、2022年10月以降水際対策の緩和もあり、徐々に回復傾向にありましたが、当社の空港毎のサービス内容を勘案すると、アジア太平洋、特に中国便の回復状況の影響を受けやすいため、低水準で推移いたしました。しかしながら、すでに日本を含め各国の入国制限の緩和も進んでおり、2024年3月期につきましては、より一層の復便が進み、日本全体での国際旅客便就航率の回復状況をコロナ前の2019年と比較して年平均60%と見込み、予想を策定しております。そのようななかで、回復傾向にある需要に対応するため、2020年より継続しておりました社内外への応援・出向に関しては、原則2023年3月末までとし、順次帰任のうえ教育を進めております。そのため、復便状況いかんにより教育実施等に伴う一時的なコストの先行や作業効率の悪化による収益改善の鈍化がみられることが考えられますが、今後急激に回復する需要を取りこぼすことなく応え続ける体制を構築することは、サービス提供領域の拡大や新たな国内・海外空港への進出に向けた重要な布石であると考えております。
また、2023年4月より空港関連の国内関係会社11社をホールディングス化し、営業力の強化と空港プロフェッショナル人材の育成を図ることで、2030年に向け成長を加速させてまいります。加えて、恒久的な人手不足への対応、DXの推進、脱炭素等の課題解決も併せて行ってまいります。
② 鉄鋼関連の見通しと対応
鉄鋼関連においては、2021年の和歌山第1高炉休止に続き、鹿島第3高炉が2025年3月期末をめどに休止予定となっており、この影響は、徐々に顕在化し、大きくは2026年3月期に顕在化するものと見込んでおります。これに対し、鹿島第3高炉休止を見据えた準備と休止までの安定操業の完遂という両面で対応を進めております。具体的には、休止前後の生産体制に応じた要員の適正配置、それに向けた資格の取得や、当社グループ各部門との連携強化による新規・深耕化を進めております。加えて、DX推進やドローン活用による作業の効率化等の取り組みを進め、顧客への提供サービスをより高度化することでパートナーシップを強化してまいります。
(環境に関する取り組み)
当社グループでは、CO2排出量を2031年3月期までに35%削減、2050年にはカーボンニュートラルの実現を目標に掲げております。そのようななかで、中期経営計画の最終年度2025年3月期には20%の削減を目標に掲げ、自社契約電力の再生可能エネルギー由来の電力100%導入並びに省資源・省エネルギー化に取り組んでおり、2023年3月期末では、17%の削減となっております。引き続き、上記取り組みを進めると同時に、事業活動を通じた環境負荷低減が実現できるよう、新技術の導入や生産性の向上にも取り組んでまいります。
また、Scope3については、今後集計・目標設定に向けて取り組んでまいります。
※削減目標はすべて2019年3月期比。対象範囲は単体及び国内連結会社のScope1.2
(人に関する取り組み)
当社グループの強みの源泉である「人」の成長こそが、持続的な企業価値向上を実現するうえで不可欠であると考えております。2030年ビジョンでは、教育・訓練等、人への投資を通じ、人の能力を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげていこうとする「人的資本経営」に取り組んでおります。この中期経営計画においては、経営戦略に基づく人材育成を推進するとともに、生産性と相関関係にあるエンゲージメント向上の取り組みを進めております。2023年3月期には社員一人ひとりのウェルビーイング(幸せを感じる状態)の実現に向けて、当社の現在のありのままの姿を可視化するため、ウェルビーイング・サーベイを初めて実施いたしました。今後も継続的なウェルビーイング・サーベイの実施により、課題を抽出し、課題に応じた施策の実行により、PDCAを構築し、人的資本をより強化してまいります。
また、人権問題についても、新たに人権方針を定め、今後はこの方針に基づきながら、ビジネスパートナーと一体になって取り組みを進めてまいります。
(技術に関する取り組み)
2030年ビジョンでも示している通り、当社グループの価値の源泉である「人」が、さらなる付加価値を生み出すカギは「技術」であると考えております。この「技術」は新技術・DX等のデジタル技術と従業員個人や現場にあるアナログ技術(改善活動、安全な環境づくり、品質等)との組み合わせを含む幅広い「無形資産」であると定義しております。
そのため、中期経営計画では「新技術による現場革新」「DXによる事業革新」「新技術による安全性向上」の強化を進めております。属人的になりがちな経験、知恵、ノウハウの共有化を進めると同時に、今後は新技術やDXを活用することで、当社ならではのサービス提供を目指しております。具体的には、「技術」を社内で容易に水平展開できるよう、実際に各現場で導入された事例、あるいはその効果を「技術ライブラリー」で見える化し、全ての従業員が新しいアイデアの創出に活用することで、付加価値創出を強化してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、お客様、地域社会の皆様と共に、143年の歴史を歩んでまいりました。2030年、またその先を見据えた際にも、「社会基盤の革新」という創業以来の理念を大切に、ひたむきに取り組むことで、さらに豊かな企業価値を創出し、ステークホルダーの皆様と共有してまいります。そのためには、近年ますます重要視されているサステナビリティ・ESG課題に焦点を当て経営としての取り組みを強化し、サステナブルな社会構築との調和を図りながら発展していくことが不可欠であり、SDGsの多面的な目標に対して貢献を果たしてまいります。
①ガバナンス
サステナビリティ委員会は取締役会の諮問機関として、取締役会からの諮問に対する答申の他、サステナビリティに関する個別の課題についての討議を行い、その内容を取締役会へ定期的に報告することとしております。また、本委員会の傘下には機能別に5つの部会と2つのワーキング・グループ(WG)を設けており、各部会・WGが策定した年次計画、運用状況などは本委員会に定期的に報告し、評価を受けることとしております。さらに、各部会には社外有識者1名を招くなど、公正性・客観性の確保にも努めております。
②戦略
当社グループの2030年ビジョンでは「技術で、人が、高みを目指す」を「私たちの目標」に掲げ、その実現に向けて2023年3月期より3か年の中期経営計画を策定しております。その中で中長期的な非財務目標として「環境」「人」「技術」の3項目を以下のとおり設定しております。
環境:カーボンニュートラルの実現を目指し、循環型社会の形成に貢献してまいります。
人 :経営戦略に基づく人材育成を推進し、持続的成長に向けた人的資本経営を推進してまいります。
技術:技術革新・DXによる自動化・省力化と、技術を活用した安全・安心な労働環境づくりに努めてまいります。
詳細は「
なお「環境」「人」「技術」につきましては、サステナビリティ委員会にて重要な検討事項としてモニタリングをしており、引き続き取り組みの推進を図ります。今後はこれら3項目の非財務目標に限らず、ステークホルダーへのヒアリングやサステナビリティに関する国際基準と照らし合わせ、幅広く情報収集・分析することで重要課題を過不足なく抽出し、企業価値向上を目指すという観点で関係が深いマテリアリティを特定いたします。そして経営戦略に組み込み、事業活動の持続可能性を高めてまいります。
③リスク管理
「リスクマネジメント規程」により、事業上のリスク管理に関する基本方針や体制を定め、リスクマネジメント部会を設置して、企業価値を毀損させる可能性のあるリスクの発現や、危機の発生を予防・抑制する活動を継続的に展開し、実効性のあるリスク管理体制の運用を図ります。
リスクマネジメント部会においては、事業上のリスクを①事業継続リスク、②資産保全リスク、③業務運営リスクの3つのカテゴリーに分類するとともに、2つの管理レベル(全社リスクと部門リスク)を設け、カテゴリーと管理レベルに応じて適正なリスク管理を実施します。
「事業継続計画(BCP)」に関して、危機対応マニュアルの整備や「危機管理基準」を制定し、大災害や大事故、不祥事等の不測の事態が発生した時でも事業の継続や早期の復旧・再開ができる体制を構築します。
④指標及び目標
サステナビリティに関する目標は、グループ非財務指標として当社の2030年ビジョン、また中期経営計画に織り込まれております。詳細は、「
(2)気候変動
当社グループは気候変動が地球環境や人類、企業活動に影響を与える重要な課題であると認識しており、持続可能で豊かな社会の実現に貢献するためにも、地球温暖化の緩和に向けた活動を積極的に推進しております。当社グループは2022年6月にTCFDへの賛同を表明いたしました。
①ガバナンス
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「サステナビリティ委員会」を取締役会の諮問機関として設置し、取締役会からの諮問に対する答申の他、気候変動に係る事項を含むサステナビリティに関する課題についての討議を行い、その内容を取締役会へ定期的に報告することとしております。 本委員会の傘下には機能別に5つの部会を設けており、そのうち「環境部会」にて毎四半期、各本部の環境データをもとに本部ごとの環境取り組み状況について情報共有し、それぞれの課題に対する具体的な解決策を議論しております。また、同部会には社外有識者1名を招聘しており、公正性・客観性の確保に努めております。 |
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②戦略
気候変動の顕在化による事業上のリスクや機会を特定するとともに中長期戦略を策定しております。下表は特定したリスクと機会の概要であります。
③リスク管理
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全社にわたるリスク情報は、気候関連リスクは「環境部会」で、その他のリスクは、各部会からの情報を集約する形で「リスクマネジメント部会」(部会長:全社のリスクマネジメント担当)で把握・管理しております。気候関連リスクについては、環境部会傘下の「環境小部会」でリスクの低減、洗い替え・更新などを継続的に実施しており、同内容は環境部会に報告後、リスクマネジメント部会にも報告しております。 |
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④指標及び目標
カーボンニュートラル実現に向け、まずは2025年3月期末までに、自社契約電力の再生可能エネルギー由来の電力100%導入を目指しております。
その他、業務連絡車のEV代替・太陽光パネル設置、各種省エネ施策等CO2排出量削減に資する取り組みも行ってまいります。
(3)人的資本
当社グループの経営課題と経営戦略においては「人」に関するテーマが大きなウエイトを占めております。それは、当社グループの強みの源泉である「人」の成長こそが、持続的な企業価値向上につながることを表しております。2030年ビジョンでは、教育・訓練など人への投資を通じて、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげていこうとする「人的資本経営」に取り組んでまいります。最先端技術の導入、デジタル化、脱炭素化、働き方の変化や価値観の多様化など、これまでの常識を超えたイノベーションを起こすために、高い専門性や多様な視点で新たな発想を生み出せる人材を育成するために人への投資を強化し、持続的に企業価値を押し上げてまいります。
①戦略
人材育成については、当社グループ統合報告書に記載のとおり経営戦略を支える上で最も注力すべき経営課題の一つであると考えております。専門職に対してはすべての職場において不可欠となる「安全と品質」をベースとしたプロフェッショナルな知識・技術の習得のための様々な教育充実を図ってまいります。総合職に対しては「当社グループの永続的発展に積極的に貢献し、広い視野と良識、強い責任感をもった社員を育成する」、「業務遂行に必要な知識・技能を習得させ、優れた創造力と合理的判断力、実行力、指導力を有する社員を育成する」という方針に沿って次世代経営人材の育成を促進しております。
また、社内環境整備については、当社グループ統合報告書に記載のとおり、多様な従業員が活躍できる風土醸成を目指し、海外人材の採用や、女性活躍の推進、障がい者の雇用等、さまざまな取り組みを進めております。
②指標及び目標
人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容、並びに当該指標を用いた実績及び目標は以下のとおりであります。
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開示事項 |
対象 |
23年3月期 (実績) |
24年3月期 (予想) |
25年3月期 (計画) |
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研修費用 |
全労働者計 |
5.3億円 |
5.8億円 |
6.6億円 |
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研修時間 |
全労働者計 |
17.0時間/人 |
17.5時間/人 |
18.0時間/人 |
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サーベイ結果 良好度(偏差値) 注意度(偏差値) モラール(0~7の平均値) |
専門職(管理監督者) 総合職 |
良好度 49 注意度 47 モラール 4.34 |
良好度 51 注意度 45 モラール 4.50 |
良好度 53 注意度 43 モラール 4.70 |
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3年以内離職率 |
専門職 総合職 上記計 |
22.9% 13.3% 21.8% |
20.6% 12.0% 19.6% |
18.5% 10.8% 17.7% |
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障がい者雇用率 |
全労働者計 |
2.84% |
2.90% |
2.95% |
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育休取得啓発セミナー開催回数 |
総合職 |
2回 |
4回 |
4回 |
(注)1.上記指標の各数値はすべて提出会社を対象に算出したものであります。
2.サーベイ結果につきましては、2022年11月にパーソル総合研究所によるウェルビーイングサーベイを実施した結果であります。
(1)良好度および注意度は、パーソル社の全国平均に対する当社スコアの偏差値であります。
・良好度:社員のはたらく幸せ実感(高偏差値ほど良好)
・注意度:社員のはたらく不幸せ実感(低偏差値ほど良好)
(2)モラールは、組織の状態(集団の士気)を7段階評価で測定した当社の平均値であります。
3.障がい者雇用率は、障がい者雇用納付金の算出方法である4月から翌年3月の1年間における障がい者の延べ人数により算出しております。
当社グループの事業及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
1.経済動向について
当社グループは、主として国内の製造業や流通・小売・サービス業等を顧客基盤として、生産や物流等にかかる各種アウトソーシングに関する事業を展開しており、景気動向、消費動向及び各種業界の業況等の変動により影響を受けております。
2.顧客企業等の動向について
当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減させる方針を有しております。2023年3月期においても前期に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による航空旅客便大幅減少の影響を受けましたが、鉄鋼・食品をはじめとした単価改定・需要増等によりマイナス影響を緩和しております。しかしながら、鉄鋼業界向け売上高が当社連結売上高の約15%を、飲料・食品業界向けが約26%を、それぞれ占めており、引き続き、これらの業界動向等に影響を受けやすい構造にあります。
また、業界動向に加えて、当社グループの主要な顧客企業において、生産調整や物流需要の減少、業界再編や海外移転の進展、その他経営戦略の変更により事業拠点の閉鎖・縮小又は取引関係に重大な変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
3.自然災害、感染症等について
当社グループが事業を展開する地域における大規模な地震や台風等による自然災害や、自社又は顧客企業の事業所施設における火災等による災害の発生、また新型ウイルスなどの疾病の発生・流行等が生じた場合に、その被災状況や感染状況によっては事業活動が困難となり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画(BCP)の整備、非常時を想定した訓練等を実施しております。
新型ウイルスなどの疾病の発生・流行等のリスクについては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により顕在化いたしました。一例として、空港関連においては、各国の水際対策の強化に伴う航空便の減便による影響は、依然として残っております。今後、復便が進むにつれ、影響は軽減するものと思われますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大前の2019年までの回復には一定程度の時間を要すると考えております。そのため、複合ソリューション事業における空港関連を中心に当社グループの経営成績及び財政状況への影響は、今後も注視してまいります。
また、当社グループは気候変動が地球環境や人類、企業活動に影響を与える重要な課題であると認識しており、持続可能で豊かな社会の実現に貢献するためにも、地球温暖化の緩和に向けた活動を積極的に推進しております。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
4.競合について
当社グループの事業は、主として業務請負及び貨物運送・倉庫業務を展開しており、顧客企業の事業活動の一部を請負う形態であります。これら業務においては、受注にかかる競合他社との価格競争が生じていることに加えて、顧客企業自身の業務効率化・コスト削減等を目的とした内製化の可能性があります。
当社グループは、様々な現場での業務経験やノウハウと、徹底的な現場目線による課題の改善・改革提案力に基づき、業務オペレーションの効率化、業務品質の向上、顧客ニーズを踏まえた柔軟なサービスの提供を行っております。これらの事業活動を通じ、顧客企業からの評価向上及びリレーションの強化を図り、差別化による受託業務拡大を推進しております。しかしながら今後において、当社グループのサービスの優位性が低下した場合や、競合等により請負単価が想定以上に低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.人材の育成・確保について
当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務の請負を行っており、各業務に関して専門的な知識を有する人材を育成し、確保する必要があります。また、顧客企業の季節変動を含む業務の繁閑に対して、外注企業の活用を含めた柔軟な人員配置を行う必要があります。
当社グループでは積極的な採用活動を進めるとともに、人材育成のための社内研修の充実を図ることで、必要な人材の確保に努めております。しかしながら、国内においては構造的な労働力人口の減少等に起因し、労働集約型産業を中心に中長期的な人手不足が想定されております。これに伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の負担が増加する可能性があるほか、今後必要な人材の育成及び確保ができなかった場合又は適切な人員配置等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、適法性のみならず業務遂行上必要な人員を確保する観点からも、労働環境の適正化及び管理並びに適正な外注管理等による業務運営の円滑化に努めておりますが、当社グループ又は外注先等の従業員並びに関連する労働組合との間で何らかの問題や調整事項等が生じた場合には、業務運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、問題等の発生に対して、弁護士等専門家や行政機関等の関与のもと早期に解決を図っていく方針でありますが、結果として費用増加等が生じる可能性があり、これらに起因して経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6.当社グループの設備投資等について
当社グループは、新規顧客企業の獲得並びに既存顧客企業との取引拡大等を目的として、物流拠点の整備、車両運搬具及び機械装置を中心に設備投資を実施しており、また、顧客企業の事業拠点内に受託業務遂行のための専用設備等を保有する場合があります。設備投資は、将来見込まれる受注業務等を考慮して実施しておりますが、実際の受託業務での収益が想定を下回った場合には、減価償却負担等の増加による利益圧迫等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの各事業において、経済環境や事業環境の変化、顧客企業との取引関係の変化等により、事業所等における採算性が低下し損失計上が継続した場合には、保有資産等にかかる減損損失を認識する必要があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.受託業務におけるトラブル等について
当社グループは、顧客企業からの受託業務において多種多様な業務工程を担当しており、顧客製品の品質等に影響を及ぼす重要工程も一部含まれております。請負業務については、業務管理全般にわたる責任が受託企業にあり、個々の業務において、労務管理をはじめ、顧客企業の製品の生産量、納期、品質、更には設備、資材管理の領域まで責任を負っており、当社グループは、顧客企業の要求水準を達成するため適切な業務手順を遵守した業務運営に努めております。
しかしながら、受託業務において、当社グループの何らかの瑕疵に起因した品質低下、操業遅延や停止等によるトラブル等の発生により、顧客企業の事業活動に重大な支障が発生する又は多額の損失が発生する様な事象が生じた場合、当社グループの信頼性低下や損害賠償請求の発生、取引解消等に発展し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
8.事故及び労働災害について
当社グループの事業は、トラック、フォークリフト及び大型機械の操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を最重要課題として捉え、安全及び衛生管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意をはらう様に努めております。
しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これら事故等について、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9.技術革新について
当社グループは、多種多様な業務請負を行っておりますが、人工知能やロボット技術等の進歩により生産工程や物流現場等の自動化・省力化が進むことで、当社グループが従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社グループでは、顧客の生産・物流現場等に固有のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな請負の形を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
10.資金調達について
当社グループは、事業資金を金融機関からの借入又は社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、金融市場の混乱等により金融機関の融資圧縮等が生じた場合や、格付会社による当社格付の引下げ等が生じた場合には、当社グループの資金調達において、必要な資金調達に支障が生じること等により事業展開の制約要因となる可能性があり、また、これらに起因して当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
11.法的規制等について
①許認可等について
当社グループは、事業運営等に際して多種多様な法的規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりであります。
当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由によりこれら許認可等が停止又は取消となった場合又は法的規制の見直しや新たな制定等により規制強化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
主要事業許認可
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許認可の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
当社グループの対象事業 |
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労働者派遣業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
港湾労働者派遣事業 |
労働者派遣法 |
厚生労働省 |
国際物流事業 |
|
一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運 送事業法 |
国土交通省 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
貨物利用運送事業 (第一種、第二種) |
貨物利用運送 事業法 |
国土交通省 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
建設業 |
建設業法 |
国土交通省 |
複合ソリューション事業 国際物流事業 |
|
産業廃棄物収集運搬業 |
廃棄物処理法 |
環境省 |
複合ソリューション事業 |
|
産業廃棄物処分業 |
廃棄物処理法 |
環境省 |
複合ソリューション事業 |
|
保税蔵置場 |
関税法 |
財務省 |
複合ソリューション事業 国内物流事業 国際物流事業 |
|
特定航空貨物利用運送事業者 |
航空法 |
国土交通省 |
国際物流事業 |
|
特定航空運送代理店業者 |
航空法 |
国土交通省 |
国際物流事業 |
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航空運送代理店業 |
航空法 |
国土交通省 |
国内物流事業 国際物流事業 |
|
通関業 |
通関業法 |
財務省 |
国際物流事業 |
|
海上運送事業 |
海上運送法 |
国土交通省 |
国際物流事業 |
|
港湾運送事業 |
港湾運送事業法 |
国土交通省 |
国際物流事業 |
②コンプライアンスについて
当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制について、留意する必要があります。
当社グループは、請負・派遣適正化及び下請法については、社内規則・マニュアル・チェックリスト等の整備・運用及び管理の徹底を図るとともに、全事業所を対象とした定期調査を実施し、当該法令順守の推進・維持を含む適切な業務運営が遂行されるように努めております。また、労働関連法令については、業務請負という特性から当社グループの業務量は顧客企業の生産活動等に左右され、突発的な業務量増大等に起因して従業員の労働時間増加が生じる場合があり、適切な人員配置等を推進するとともに、労使間協定の締結及び遵守並びに労働時間の適切な管理の徹底等により、法令及び協定等の遵守を推進しております。
しかしながら、これらの管理不備による不正や違反等により行政処分等が生じた場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③環境規制について
当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車輌)は、国及び自治体による自動車NOx・PM法及び環境条例等の対象となります。当社グループは、かかる環境規制が定める基準適合車を使用する等、これら規制を順守するために必要な取り組みを行っております。しかしながら、将来において更なる規制強化が生じた場合は対策のための費用増加等が生じる可能性や、対応が困難となる場合には事業における制約要因となる可能性があり、これらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
12.燃料費及び電力料金等の変動について
当社グループにおいて使用する輸送用車輌及び船舶等の燃料費は、原油価格の変動により影響を受けております。今後において、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。また、当社グループが業務において使用する冷凍冷蔵倉庫をはじめとする倉庫・物流設備等は相応の電力を消費することから、電力料金引き上げ等が生じた場合には費用増加が生じる可能性があります。
当社グループは、これらコスト増加が生じた場合には、顧客企業との協議等により適正な業務単価の維持を図っていく方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
13.海外への事業展開について
当社グループは、国内における事業展開に加えて、アジアや北米などを中心とした地域に拠点を設け、グローバル展開する日系企業及び現地企業を対象とした海外展開強化を推進しております。これら事業展開においては、各地域において法律・規制、為替、社会・政治及び経済動向等の影響を受けております。また、債権回収、取引先との関係構築・拡大、従業員の管理等の点において、海外の商習慣・文化に関する障害に直面する可能性があります。さらに、海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性もあります。
当社グループは、海外進出に際して各地域における法令・政情・経済情勢その他にかかる調査等によるリスクの把握及び対応に努めておりますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
14.M&A、事業提携について
当社グループは、今後の業容拡大においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや事業提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際し、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。
15.顧客情報の管理について
当社グループは、業務請負等を通じて、顧客企業の経営上の機密情報や個人情報等の様々な重要情報を取り扱っております。当社グループにおける情報管理は、社内規程の整備・運用及び定期的な研修等により周知徹底を図っておりますが、何らかの要因により外部漏洩やデータ喪失等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
16.訴訟等について
当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。事業に関わる各種法令を遵守するとともに、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。
17.退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて算出されております。しかしながら、年金資産の時価の下落、金利環境の変動等により、退職給付費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の段階的な緩和に伴い、経済活動は徐々に正常化に向け進む一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源・エネルギー価格高騰や継続的な円安、諸外国におけるインフレの進行などによる物価高騰、コロナ禍による生活様式変容による消費減退など、先行きは極めて不透明な状況で推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは2025年3月期を最終年度とする中期経営計画をスタートし、「人と技術のシナジーで時代とともに変化する『期待を超える価値』を創造しよう」という基本方針のもと取り組みを進めてまいりました。事業環境変化による影響に対しては、適正単価の収受を始めとする収益改善等の取り組みを継続し、着実に成果が出ているものと捉えております。2023年2月には当新設倉庫を含む近郊3拠点の冷凍倉庫の業務の再編を目的に埼玉県越谷市において新冷凍・冷蔵倉庫を稼働させました。これは、首都圏における冷凍・チルド食品の需要増への対応強化に加え、顧客ニーズへの最適化と運営効率化による収益力向上を図るものです。
また、空港関連については、2022年10月以降水際対策の緩和により、徐々に回復傾向にあり、今後より一層の復便が進むものと考えております。そのようななか、引き続き人材教育や人材確保など復便や増便に向けた体制の整備に努めるとともに、受託領域拡大にも取り組んでまいります。
当連結会計年度における経営成績については、得意先の生産は概ね堅調に推移したことや主に生産請負作業での単価アップに加えて、空港関連での国内・国際旅客便の復便等での取扱量増加、各国経済状況の回復に伴う取扱量の増加、大型案件の受注等の増収要因があったため、作業の終了や一部得意先の減産、下半期の欧州向け航空貨物の需要減退・運賃の相場下落があったものの、売上高は3,118億40百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。
利益については、燃料価格や電気・ガス料金の高騰はあったものの、増収の効果に加え、本年度4月よりスタートした「新中期経営計画2023年3月期~2025年3月期」の基本方針である収益力の向上に取組み、適正単価の収受、業務効率化等を進めた結果、営業利益は132億43百万円(同28.7%増)、経常利益は142億81百万円(同20.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は83億1百万円(同3.9%増)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。なお、セグメント利益は一般管理費控除前の営業利益であります。
①複合ソリューション事業
鉄鋼関連における生産請負作業での単価アップや大口スポット作業の獲得、空港関連における国内・国際旅客便の復便や受託領域の拡大、環境・エンジニアリング関連における大型工事の受注、食品プロダクツ関連における得意先増産や新拠点の稼働、それに伴う倉庫・輸送取扱量の増加の一方、震災復興作業の終了、食品関連における一部得意先の減産もあり、売上高は1,888億73百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。
利益は、燃料価格や電気・ガス料金の高騰はあったものの、増収効果に加え、適正単価の収受及び徹底した業務効率化により収益改善に努め、129億91百万円(同27.1%増)となりました。
②国内物流事業
食品関連における定温貨物の取扱量の増加や生活関連における食料品や通販物流センターの取扱量の増加により、売上高は526億88百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。
利益は、電気料金や燃料価格の高騰、新規業務立上等による一時費用の発生はあったものの、増収効果に加え適正単価の収受及び業務効率化等により収益改善に努めた結果、30億46百万円(同2.1%増)となりました。
③国際物流事業
ベトナム・アメリカ・インド等の経済回復に伴う取扱量の増加、大型案件の獲得があったため、下半期の欧州向け航空貨物の需要減退・運賃の相場下落があったものの、売上高は702億61百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。
利益は、取扱量の増加等により35億54百万円(同8.7%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(総資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は2,660億22百万円であり、前連結会計年度末に比べ82億57百万円増加しました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,322億54百万円であり、前連結会計年度末に比べ83億54百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が102億88百万円増加したこと、貯蔵品が2億51百万円増加したこと、受取手形、売掛金及び契約資産が21億27百万円減少したこと等によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,337億67百万円であり、前連結会計年度末に比べ96百万円減少しました。主な要因は、建物及び構築物が14億3百万円減少したこと、機械装置及び運搬具が4億10百万円増加したこと、無形固定資産その他が3億69百万円増加したこと、投資有価証券が3億20百万円増加したこと、投資その他の資産その他が3億4百万円増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計の残高は1,422億28百万円であり、前連結会計年度末に比べ22億44百万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は525億26百万円であり、前連結会計年度末に比べ15億15百万円増加しました。主な要因は、短期借入金が16億87百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が12億48百万円増加したこと、未払法人税等が7億84百万円増加したこと、支払手形及び買掛金が25億8百万円減少したこと等によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は897億1百万円であり、前連結会計年度末に比べ37億60百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が33億69百万円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,237億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ105億2百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が66億70百万円増加したこと、為替換算調整勘定が27億57百万円増加したこと等によるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは187億93百万円の収入(前連結会計年度比20億43百万円の収入増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が137億64百万円あったこと、減価償却費が80億36百万円あったこと、法人税等の支払額が49億89百万円あったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは58億46百万円の支出(前連結会計年度比5億78百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が45億49百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が12億54百万円あったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは35億47百万円の支出(前連結会計年度比118億93百万円の支出減)となりました。これは、配当金の支払額が19億6百万円あったこと、ファイナンス・リース債務の返済による支出が7億52百万円あったこと等によるものであります。
これらの結果に為替変動による増加額5億52百万円等を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より99億52百万円増加し、675億80百万円となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績及び受注実績
当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
複合ソリューション事業 |
188,873 |
104.2 |
|
国内物流事業 |
52,688 |
101.8 |
|
国際物流事業 |
70,261 |
102.9 |
|
報告セグメント計 |
311,824 |
103.4 |
|
その他 |
15 |
- |
|
合計 |
311,840 |
103.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日本製鉄株式会社 |
33,146 |
11.0 |
36,865 |
11.8 |
経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)経営成績
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(3)財政状態
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(4)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。
運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。
設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。
財務政策
当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。
なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。
一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。
(7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めています。2022年4月よりスタートした中期経営計画(期間:3年間 2023年3月期~2025年3月期)においては、前中期経営計画、2020年2月からの構造改革、及び2022年3月期方針での成果をもとに、「人と技術のシナジーで時代とともに変化する『期待を超える価値』を創造しよう」を基本方針に掲げ、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画における目標指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本効率性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。
重要な記載事項はありません。
重要な記載事項はありません。