第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における世界経済は、米国、欧州においては景気は回復基調にあるものの、アジアにおいては減速傾向が継続しました。わが国においては、中国経済の減速により景気は停滞感が強まり、不安定な状況で推移しました。

物流業界におきましても、輸出入貨物とも低水準な取扱いが継続し、経営環境は厳しい状態に終始しました。

このような状況下にあって当社グループは、海外においてはインドネシア、ミャンマーの物流倉庫が稼働し、マレーシア、メキシコにも子会社を設立するなど、三国間輸送を含めた物流ネットワークの充実を図るとともに、国内においては神戸、八代および鹿島の物流施設の稼働を開始させました。これにより国内外の物流基盤のさらなる強化を図り、顧客のニーズを取り込んだ「上組デザイン物流」を推し進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度における営業収益は、コンテナや飼料原料、鉄鋼関連貨物等の取扱いが減少しましたので、前連結会計年度に比べて0.2%減収の2,423億99百万円となりました。また、減収に伴い、外注作業費をはじめとするコストの低減に努めた結果、営業原価は前連結会計年度に比べて0.4%の減少となり、営業総利益においては、わずかながらも増益を確保いたしました。一方、利益面におきましては、基幹情報システムの新規構築による運営費用の増加等により、営業利益は前連結会計年度に比べて1.6%減益の220億10百万円、経常利益は配当収入が増加したことにより0.9%増益の238億50百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は法人税率等の引下げがありましたので、前連結会計年度に比べて7.1%増益の160億18百万円となりました。

 

各セグメント別の事業の状況は次のとおりであります。

 

[国内物流事業]

国内物流事業におきましては、政府や日銀の景気刺激策にもかかわらず、国内景気の停滞感からコンテナや飼料原料、鉄鋼原料、鉄鋼製品の輸入貨物を中心に運送関連や倉庫保管関連収益が伸び悩み、営業収益は前連結会計年度に比べて1.0%減収の2,008億96百万円、セグメント利益も1.9%減益の197億79百万円となりました。

[国際物流事業]

国際物流事業におきましては、大型プラント貨物や海外進出メーカーの一貫輸送取扱いが堅調であり、営業収益は前連結会計年度に比べて2.4%増収の331億4百万円となりましたが、セグメント利益は企業間競争の激化に加え、輸送費を含む外注コストの増大等により19.7%減益の10億94百万円となりました。

[その他]

その他の事業におきましては、エネルギー関連設備の取扱い増加に加えて、不動産賃貸施設の供用開始等により、営業収益は前連結会計年度に比べて8.2%増収の209億56百万円、セグメント利益は、受注の谷間で減益を余儀なくされた前連結会計年度に比べて34.6%増益の11億33百万円となりました。

 

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが純収入となり、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローがそれぞれ純支出となりました結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べて、118億76百万円減少の62億96百万円となりました。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は税金等調整前当期純利益242億38百万円、減価償却費112億10百万円、法人税等の支払額94億7百万円などにより、252億61百万円の純収入となりました。

なお、当連結会計年度における純収入額は、前連結会計年度(260億15百万円の純収入)に比べて、法人税等の支払額が増加したことなどにより、7億54百万円の減少となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は有価証券の取得による支出689億99百万円、有価証券の売却による収入669億99百万円、固定資産の取得による支出234億2百万円、定期預金の純増加額40億円などにより、285億15百万円の純支出となりました。

なお、当連結会計年度における純支出額は、前連結会計年度(238億59百万円の純支出)に比べて、有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、46億55百万円の増加となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は自己株式の取得による支出53億19百万円、配当金の支払額33億20百万円により、86億40百万円の純支出となりました。

なお、当連結会計年度における純支出額は、前連結会計年度(54億85百万円の純支出)に比べて、自己株式の取得による支出が増加したことなどにより、31億54百万円の増加となりました。

 

 

2【営業実績】

(1)セグメント別営業収益

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

国内物流事業

(百万円)

200,896

△1.0

国際物流事業

(百万円)

33,104

2.4

報告セグメント計

(百万円)

234,001

△0.5

その他

(百万円)

20,956

8.2

合計

(百万円)

254,957

0.2

(注)1.金額はセグメント間の取引消去前の数値によっております。

2.営業収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

3.記載金額単位未満の端数は切り捨てて表示しております。

4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)セグメント別取扱トン数

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

国内物流事業

(千トン)

239,467

△3.8

国際物流事業

(千トン)

2,836

△1.5

報告セグメント計

(千トン)

242,303

△3.8

その他

 

 

 

重量建設機工

(千トン)

8,100

7.3

合計

(千トン)

250,404

△3.4

(注)1.記載トン数単位未満の端数は切り捨てて表示しております。

2.その他の重量建設機工事業の取扱トン数は、重量貨物運搬の取扱トン数であります。なお、その他の重量建設機工以外の事業については、取扱トン数に該当する指標がないため記載しておりません。

3【対処すべき課題】

当社グループは、物流を総合的にマネジメントできる企業として、国内外のハード、ソフトの増強、人材の育成に努め、グローバル企業としての価値を高めるとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値の更なる向上を図ってまいります。

 

また、世界経済情勢の変化と、我が国の製造業の動向やTPPの進捗などの経営環境の変化を踏まえ、以下の6つを重要な課題として取り組んでまいります。

 

①事業基盤の強化

港湾運送事業などの基幹事業を中心に人材・施設・資金の経営資源を集中させることにより、現場力を更に向上させるとともに物流施設の集積と充実による多機能・高品質な物流サービスを創出します。

 

②営業力強化

人材育成や組織改革、情報ネットワークの活用による提案営業力を強化し、更なる広域からの集貨力強化と新規貨物の創出を図ります。

 

③M&A等を活用した事業の拡大

国内・海外を問わず、積極的に業務提携や資本参加することで、事業展開の加速や業域の拡大を目指します。

 

④継続的な成長戦略

経営資源の有効活用の一環として、不動産賃貸事業の拡大など、柔軟な発想による新規事業への幅広い取り組みを強化し、グループ各社の特性を活かした継続的な成長戦略に取り組んでまいります。

 

⑤グローバル・ロジスティクスの強化

海外事業の強化を図る為、積極的に海外拠点網を整備し、ASEAN諸国のみならず、今後成長が期待できる他地域への進出など海外展開を加速させます。また、海外におけるターミナル事業や3PL事業など上組デザイン物流の構築に取り組んでまいります。

 

⑥経営基盤の強化

企業として法令の順守並びに安全管理を最重要項目と捉えて実践するとともに、社会に貢献する活動をさらに充実させ、「企業価値の向上」と「企業の社会的責任」を果たします。

また、人材育成に努めるとともに財務基盤の更なる強化、環境に配慮した物流モデルの推進、上組グループ全体の連携体制の強化による災害時にも機能できる物流体制の構築を目指します。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)輸出入貨物の取扱いにおける影響について

当社グループは世界中の多種多様な輸出入貨物を取扱っていることから、特定の貨物の取扱量の増減によって、経営成績に多大な影響を受けることは少ないと考えられますが、以下のような種々の要因により、貨物取扱量が減少し業績に影響を受ける可能性があります。

①青果物や穀物など食料品の産地における天候不順による生産量の減少

②BSEや新型インフルエンザなどの新たな病原菌の発生による食材や飼料の輸入禁止措置

③緊急輸入制限措置(セーフガード)などの法律又は規制の変更

④テロ、戦争などの要因による社会的混乱

(2)環境問題の影響について

現在、当社グループの主要な事業の一つである自動車運送事業は、CO2や窒素酸化物及び粒子状物質の排出量、安全性など課せられる規制は広範囲にわたっており、今後、これらの規制は変更されることがあり、より厳しくなることが考えられます。

これまで、当社グループはこれらの規制に迅速に対応し遵守してきましたが、今後、新たに追加される規制に対応するために、費用の支出を余儀なくされる可能性があり業績に影響を受けることがあります。

(3)事故及び自然災害などによる影響について

当社グループは、過去の経験などをもとに事故や自然災害による、業績に与える影響を最小限にするため日々対策や研究を重ねております。しかし、作業工程や設備等で発生する事故、大地震などの自然災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はないため、当社グループの主要な事業拠点において、重要な影響を及ぼす災害等が発生した場合、業績に影響を受けることがあります。

(4)退職給付債務による影響について

当社グループの従業員に対する退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。よって、予定給付債務を計算する前提となる数理計算上の前提・仮定に変更があった場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすものであります。

したがって、今後、割引率が低下した場合、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、有価証券が前連結会計年度末に比べて46億99百万円(16.8%)減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて51億34百万円(5.3%)減少の917億75百万円となりました。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、投資有価証券が前連結会計年度末に比べて36億36百万円(11.4%)減少した一方、有形固定資産が147億50百万円(7.1%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて112億11百万円(4.4%)増加の2,681億66百万円となりました。

また、資産の総額は、前連結会計年度末に比べて60億76百万円(1.7%)増加の3,599億42百万円となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、その他に含まれる未払金が前連結会計年度末に比べて15億38百万円(35.0%)増加した一方、未払法人税等が13億30百万円(25.3%)減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4百万円(0.0%)減少の408億88百万円となりました。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、退職給付に係る負債が前連結会計年度末に比べて17億80百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて21億6百万円(14.0%)増加の171億9百万円となりました。

また、負債の総額は、前連結会計年度末に比べて21億1百万円(3.8%)増加の579億97百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、その他有価証券評価差額金が前連結会計年度末に比べて24億56百万円(35.1%)減少したほか、自己株式が前連結会計年度末に比べて53億19百万円(37.9%)増加した一方、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が前連結会計年度末に比べて127億6百万円(5.1%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて39億75百万円(1.3%)増加の3,019億44百万円となりました。

また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は、前連結会計年度末に比べて39億72百万円(1.3%)増加の3,018億91百万円となりました。この結果、自己資本比率は83.9%となり、一株当たり純資産額は1,205円57銭となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況  1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおり、当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが252億61百万円の純収入となりましたが、投資活動によるキャッシュ・フローが有価証券の取得による支出などにより285億15百万円の純支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローが自己株式の取得による支出などにより86億40百万円の純支出となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度に比べて、118億76百万円減少の62億96百万円となりました。

 

(3)経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2  事業の状況  1業績等の概要  (1)業績」に記載のとおり、国内外の物流基盤のさらなる強化を図り、顧客のニーズを取り込んだ「上組デザイン物流」を推し進め、収益拡大に努めてまいりました結果、国内物流事業の営業収益は前連結会計年度に比べ19億37百万円(1.0%)減収の2,008億96百万円、国際物流事業の営業収益は7億78百万円(2.4%)増収の331億4百万円、その他の事業の営業収益は15億84百万円(8.2%)増収の209億56百万円となり、当連結会計年度の営業収益は前連結会計年度に比べて4億62百万円(0.2%)減収の2,423億99百万円となりました。

また、利益面では、営業利益は前連結会計年度に比べて3億53百万円(1.6%)減益の220億10百万円、経常利益は2億10百万円(0.9%)増益の238億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億56百万円(7.1%)増益の160億18百万円となりました。