(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、一部に弱さがみられるものの全般的には緩やかに回復してきております。その一方で米国における経済政策の実現可能性や中国をはじめとするアジア新興国の成長の鈍化、欧州における英国のEU離脱問題等を受け、先行きは不透明な状況となっております。
わが国においては、一部に回復の遅れもみられますが景気は緩やかな回復基調が続いております。
物流業界におきましては、不安定な為替の影響もあり、輸出入貨物ともに低水準な取扱いが継続し、経営環境は厳しい状態に終始しました。
このような状況下にあって当社グループは、穀物の取扱い強化の為、新たに青森県八戸に事業所を開設し、鹿児島県志布志においても定温倉庫を新設しました。また、顧客のニーズに合わせた流通加工用倉庫を神戸港ポートアイランド及び岐阜県各務原に新設し、物流基盤のさらなる強化を図り、「上組デザイン物流」を推し進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における営業収益は、青果物や国際プロジェクト輸送貨物の取扱いが減少となりましたものの、物流施設の増設による穀物や飼料原料の取扱い増加に加え、自動車関連及びコンテナ取扱い量が増加となり、前連結会計年度に比べて1.6%増収の2,462億12百万円となりました。利益面におきましても、営業利益は前連結会計年度に比べて2.5%増益の225億50百万円、経常利益は配当収入や持分法による投資利益が減少したことから0.8%増益の240億35百万円にとどまりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税率等の引き下げなどにより、前連結会計年度に比べて2.3%増益の163億83百万円となりました。
各セグメント別の事業の状況は次のとおりであります。
[国内物流事業]
国内物流事業におきましては、天候不順の影響により輸入青果物の取扱いが減少となったものの、穀物や飼料原料及び自動車関連の取扱いが増加したことに加え、船会社のコンテナ事業再編に伴いコンテナ取扱い量が増加したことなどにより、営業収益は前連結会計年度に比べて4.1%増収の2,091億80百万円、セグメント利益も4.8%増益の207億23百万円となりました。
[国際物流事業]
国際物流事業におきましては、航空貨物やNVOCC貨物の取扱い減少に加えて、プロジェクト輸送貨物が受注の谷間で取扱いが減少したことにより、営業収益は前連結会計年度に比べて13.9%減収の284億92百万円となり、セグメント利益は3.1%減益の10億59百万円となりました。
[その他]
その他の事業におきましては、エネルギー関連設備の運搬業務や不動産賃貸業、再生エネルギー事業の取扱いは増加したものの、建設機工業務や酒類製造販売業及び物品販売事業の取扱いが減少しましたことから、営業収益は前連結会計年度に比べて2.6%減収の204億18百万円、セグメント利益は、前連結会計年度に比べて32.2%減益の7億68百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローがそれぞれ純収入となり、財務活動によるキャッシュ・フローが純支出となりました結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べて、410億51百万円増加の473億48百万円となりました。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は税金等調整前当期純利益239億70百万円、減価償却費118億66百万円、法人税等の支払額75億95百万円などにより、315億78百万円の純収入となりました。
なお、当連結会計年度における純収入額は、前連結会計年度(252億61百万円の純収入)に比べて、法人税等の支払額が減少したことなどにより、63億17百万円の増加となりました。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は有価証券の売却による収入259億99百万円、固定資産の取得による支出161億16百万円、定期預金の純増加額130億円、有価証券の取得による支出50億円などにより、177億36百万円の純収入となりました。
なお、当連結会計年度における純収入額は、前連結会計年度(285億15百万円の純支出)に比べて、有価証券の取得による支出が減少したことなどにより、462億52百万円の増加となりました。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は自己株式の取得による支出50億1百万円、配当金の支払額32億55百万円により、82億57百万円の純支出となりました。
なお、当連結会計年度における純支出額は、前連結会計年度(86億40百万円の純支出)に比べて、自己株式の取得による支出が減少したことなどにより、3億82百万円の減少となりました。
(1)セグメント別営業収益
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内物流事業 |
(百万円) |
209,180 |
4.1 |
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国際物流事業 |
(百万円) |
28,492 |
△13.9 |
|
報告セグメント計 |
(百万円) |
237,673 |
1.6 |
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その他 |
(百万円) |
20,418 |
△2.6 |
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合計 |
(百万円) |
258,091 |
1.2 |
(注)1.金額はセグメント間の取引消去前の数値によっております。
2.営業収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
3.記載金額単位未満の端数は切り捨てて表示しております。
4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)セグメント別取扱トン数
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内物流事業 |
(千トン) |
240,731 |
0.5 |
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国際物流事業 |
(千トン) |
2,590 |
△8.6 |
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報告セグメント計 |
(千トン) |
243,322 |
0.4 |
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その他 |
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重量建設機工 |
(千トン) |
7,663 |
△5.4 |
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合計 |
(千トン) |
250,985 |
0.2 |
(注)1.記載トン数単位未満の端数は切り捨てて表示しております。
2.その他の重量建設機工事業の取扱トン数は、重量貨物運搬の取扱トン数であります。なお、その他の重量建設機工以外の事業については、取扱トン数に該当する指標がないため記載しておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、物流を総合的にマネジメントできる企業として、国内外のハード、ソフトの増強、人材の育成に努め、グローバル企業としての価値を高めるとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値の更なる向上を図ってまいります。
(2)経営環境
米国経済の回復から国内景気も緩やかな改善が期待されますが、米国・欧州における懸念材料もあり、景気を取り巻く環境は、依然として不安定要素を含み、先行き不透明な状況が続くものと思われます。
物流業界におきましても、世界経済の回復基調に応じた荷動きの回復が期待されますが、企業間の受注競争は一層厳しさを増し、グローバル化の一途をたどっております。
(3)経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題
①事業基盤の強化
港湾運送事業などの基幹事業を中心に人材・施設・資金の経営資源を集中させることにより、現場力を更に向上させるとともに物流施設の集積と充実による多機能・高品質な物流サービスを創出します。
②営業力強化
人材育成や組織改革、情報ネットワークの活用による提案営業力を強化し、更なる広域からの集貨力強化と新規貨物の創出を図ります。
③M&A等を活用した事業の拡大
国内・海外を問わず、積極的に業務提携や資本参加することで、事業展開の加速や業域の拡大を目指します。
④継続的な成長戦略
経営資源の有効活用の一環として、不動産賃貸事業の拡大など、柔軟な発想による新規事業への幅広い取り組みを強化し、グループ各社の特性を活かした継続的な成長戦略に取り組んでまいります。
⑤グローバル・ロジスティクスの強化
海外事業の強化を図る為、積極的に海外拠点網を整備し、ASEAN諸国のみならず、今後成長が期待できる他地域への進出など海外展開を加速させます。また、海外におけるターミナル事業や3PL事業など上組デザイン物流の構築に取り組んでまいります。
⑥経営基盤の強化
企業として法令の順守並びに安全管理を最重要項目と捉えて実践するとともに、社会に貢献する活動をさらに充実させ、「企業価値の向上」と「企業の社会的責任」を果たします。
また、人材育成に努めるとともに財務基盤の更なる強化、環境に配慮した物流モデルの推進、上組グループ全体の連携体制の強化による災害時にも機能できる物流体制の構築を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)輸出入貨物の取扱いにおける影響について
当社グループは世界中の多種多様な輸出入貨物を取扱っていることから、特定の貨物の取扱量の増減によって、経営成績に多大な影響を受けることは少ないと考えられますが、以下のような種々の要因により、貨物取扱量が減少し業績に影響を受ける可能性があります。
①青果物や穀物など食料品の産地における天候不順による生産量の減少
②BSEや新型インフルエンザなどの新たな病原菌の発生による食材や飼料の輸入禁止措置
③緊急輸入制限措置(セーフガード)などの法律又は規制の変更
④テロ、戦争などの要因による社会的混乱
(2)環境問題の影響について
現在、当社グループの主要な事業の一つである自動車運送事業は、CO2や窒素酸化物及び粒子状物質の排出量、安全性など課せられる規制は広範囲にわたっており、今後、これらの規制は変更されることがあり、より厳しくなることが考えられます。
これまで、当社グループはこれらの規制に迅速に対応し遵守してきましたが、今後、新たに追加される規制に対応するために、費用の支出を余儀なくされる可能性があり業績に影響を受けることがあります。
(3)事故及び自然災害などによる影響について
当社グループは、過去の経験などをもとに事故や自然災害による、業績に与える影響を最小限にするため日々対策や研究を重ねております。しかし、作業工程や設備等で発生する事故、大地震などの自然災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はないため、当社グループの主要な事業拠点において、重要な影響を及ぼす災害等が発生した場合、業績に影響を受けることがあります。
(4)退職給付債務による影響について
当社グループの従業員に対する退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。よって、予定給付債務を計算する前提となる数理計算上の前提・仮定に変更があった場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすものであります。
したがって、今後、割引率が低下した場合、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、有価証券が前連結会計年度末に比べて225億99百万円(97.0%)減少した一方、現金及び預金が300億51百万円(173.4%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて73億22百万円(8.0%)増加の990億97百万円となりました。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、無形固定資産が前連結会計年度末に比べて4億87百万円(5.9%)減少した一方、有形固定資産が32億77百万円(1.5%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて36億8百万円(1.3%)増加の2,717億75百万円となりました。
また、資産の総額は、前連結会計年度末に比べて109億30百万円(3.0%)増加の3,708億72百万円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、支払手形及び営業未払金が前連結会計年度末に比べて7億23百万円(2.9%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて11億17百万円(2.7%)増加の420億5百万円となりました。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、退職給付に係る負債が前連結会計年度末に比べて2億97百万円(1.9%)減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3億59百万円(2.1%)減少の167億50百万円となりました。
また、負債の総額は、前連結会計年度末に比べて7億57百万円(1.3%)増加の587億55百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、自己株式が前連結会計年度末に比べて50億1百万円(25.9%)増加した一方、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が前連結会計年度末に比べて131億28百万円(5.1%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて101億72百万円(3.4%)増加の3,121億16百万円となりました。
また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は、前連結会計年度末に比べて101億68百万円(3.4%)増加の3,120億60百万円となりました。この結果、自己資本比率は84.1%となり、一株当たり純資産額は1,270円4銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおり、当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが315億78百万円の純収入となり、投資活動によるキャッシュ・フローが有価証券の売却による収入などにより177億36百万円の純収入となりましたが、財務活動によるキャッシュ・フローが自己株式の取得による支出などにより82億57百万円の純支出となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べて、410億51百万円増加の473億48百万円となりました。
(3)経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおり、物流基盤のさらなる強化を図り、「上組デザイン物流」を推し進め、収益拡大に努めてまいりました結果、国内物流事業の営業収益は前連結会計年度に比べ82億83百万円(4.1%)増収の2,091億80百万円、国際物流事業の営業収益は46億11百万円(13.9%)減収の284億92百万円、その他の事業の営業収益は5億37百万円(2.6%)減収の204億18百万円となり、当連結会計年度の営業収益は前連結会計年度に比べて38億12百万円(1.6%)増収の2,462億12百万円となりました。
また、利益面では、営業利益は前連結会計年度に比べて5億39百万円(2.5%)増益の225億50百万円、経常利益は1億84百万円(0.8%)増益の240億35百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は3億65百万円(2.3%)増益の163億83百万円となりました。