第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、物流を総合的にマネジメントできる企業として、国内外のハード、ソフトの増強、人材の育成に努め、グローバル企業としての価値を高めるとともに、企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値の更なる向上を図ってまいります。

 

(2)経営環境

世界経済は、拡大基調の継続が見込まれる一方で、米国を中心とした貿易政策の動向や英国のEU離脱問題、北朝鮮情勢などの不安定要素を含み、予断を許さない状況が続くものと思われます。

当社グループを取り巻く経営環境につきましても、輸出入貨物とも堅調な荷動きが期待される一方、世界経済情勢の変動リスクに加え、国内でも少子高齢化の進展による消費減退や、労働コスト増加による競争力低下などの課題が見込まれ、その先行きに不透明感が増しております。

 

(3)経営戦略、事業上及び財務上の対処すべき課題

①事業基盤の強化

港湾運送事業などの基幹事業を中心に人材・施設・資金の経営資源を集中させることにより、現場力を更に向上させるとともに物流施設の集積と充実による多機能・高品質な物流サービスを創出します。

②営業力強化

人材育成や組織改革、情報ネットワークの活用による提案営業力を強化し、更なる広域からの集貨力強化と新規貨物の創出を図ります。

③M&A等を活用した事業の拡大

国内・海外を問わず、積極的に業務提携や資本参加することで、事業展開の加速や業域の拡大を目指します。

④継続的な成長戦略

経営資源の有効活用の一環として、不動産賃貸事業の拡大など、柔軟な発想による新規事業への幅広い取り組みを強化し、グループ各社の特性を活かした継続的な成長戦略に取り組んでまいります。

⑤グローバル・ロジスティクスの強化

海外事業の強化を図る為、積極的に海外拠点網を整備し、ASEAN諸国のみならず、今後成長が期待できる他地域への進出など海外展開を加速させます。また、海外におけるターミナル事業や3PL事業など上組デザイン物流の構築に取り組んでまいります。

⑥経営基盤の強化

企業として法令の順守並びに安全管理を最重要項目と捉えて実践するとともに、社会に貢献する活動をさらに充実させ、「企業価値の向上」と「企業の社会的責任」を果たします。

また、人材育成に努めるとともに財務基盤の更なる強化、環境に配慮した物流モデルの推進、上組グループ全体の連携体制の強化による災害時にも機能できる物流体制の構築を目指します。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月29日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)輸出入貨物の取扱いにおける影響について

当社グループは世界中の多種多様な輸出入貨物を取扱っていることから、特定の貨物の取扱量の増減によって、経営成績に多大な影響を受けることは少ないと考えられますが、以下のような種々の要因により、貨物取扱量が減少し業績に影響を受ける可能性があります。

①青果物や穀物など食料品の産地における天候不順による生産量の減少

②BSEや新型インフルエンザなどの新たな病原菌の発生による食材や飼料の輸入禁止措置

③緊急輸入制限措置(セーフガード)などの法律又は規制の変更

④テロ、戦争などの要因による社会的混乱

(2)環境問題の影響について

現在、当社グループの主要な事業の一つである自動車運送事業は、CO2や窒素酸化物及び粒子状物質の排出量、安全性など課せられる規制は広範囲にわたっており、今後、これらの規制は変更されることがあり、より厳しくなることが考えられます。

これまで、当社グループはこれらの規制に迅速に対応し遵守してきましたが、今後、新たに追加される規制に対応するために、費用の支出を余儀なくされる可能性があり業績に影響を受けることがあります。

(3)事故及び自然災害などによる影響について

当社グループは、過去の経験などをもとに事故や自然災害による、業績に与える影響を最小限にするため日々対策や研究を重ねております。しかし、作業工程や設備等で発生する事故、大地震などの自然災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はないため、当社グループの主要な事業拠点において、重要な影響を及ぼす災害等が発生した場合、業績に影響を受けることがあります。

(4)退職給付債務による影響について

当社グループの従業員に対する退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。よって、予定給付債務を計算する前提となる数理計算上の前提・仮定に変更があった場合には、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼすものであります。

したがって、今後、割引率が低下した場合、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国を中心に緩やかな回復傾向にはあるものの、英国のEU離脱問題や米中の貿易摩擦など、先行き不透明な状況となっております。

わが国におきましては、公共投資が堅調に推移したほか、企業収益や設備投資が改善するなど、景気は緩やかな回復傾向が続いております。

物流業界におきましては、輸出入貨物ともに堅調な荷動きではあるものの、受注競争の激化や労働力確保の問題など、経営環境は厳しい状態に終始しました。

このような状況下にあって当社グループは、海外におきましては、カンボジア、ミャンマーにおけるターミナルの運営参画によりグローバル・ロジスティクスの強化を図りました。国内におきましては、東京中央防波堤外側ふ頭で新たなコンテナターミナルの営業を開始し、神戸地区に商品センターを新設するなど、国内外において事業基盤の強化を図り、「上組デザイン物流」を推し進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ127億48百万円増加し、3,836億20百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億57百万円増加し、617億12百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ97億90百万円増加し、3,219億7百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、営業収益2,614億20百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益229億80百万円(同1.9%増)、経常利益246億30百万円(同2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益179億2百万円(同9.3%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

国内物流事業は、営業収益2,210億73百万円(同5.7%増)、セグメント利益211億72百万円(同2.2%増)となりました。

国際物流事業は、営業収益321億35百万円(同12.8%増)、セグメント利益14億96百万円(同41.2%増)となりました。

その他の事業は、営業収益208億35百万円(同2.0%増)、セグメント利益3億6百万円(同60.1%減)となりました。

 

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが純収入となり、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローがそれぞれ純支出となりました結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べて、42億29百万円増加の515億78百万円となりました。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は税金等調整前当期純利益255億25百万円、減価償却費124億78百万円、法人税等の支払額70億39百万円などにより、291億43百万円の純収入となりました。

なお、当連結会計年度における純収入額は、前連結会計年度(315億78百万円の純収入)に比べて、売上債権が増加したことなどにより、24億34百万円の減少となりました。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は固定資産の取得による支出134億84百万円、関係会社株式の取得による支出37億79百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入18億67百万円などにより、163億6百万円の純支出となりました。

なお、当連結会計年度における純支出額は、前連結会計年度(177億36百万円の純収入)に比べて、有価証券の売却による収入が減少したことなどにより、340億42百万円の増加となりました。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は自己株式の取得による支出46億70百万円、配当金の支払額39億31百万円により、86億1百万円の純支出となりました。

なお、当連結会計年度における純支出額は、前連結会計年度(82億57百万円の純支出)に比べて、配当金の支払額が増加したことなどにより、3億44百万円の増加となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

セグメント別営業収益は次のとおりであります。

なお、当社グループは物流サービスの提供が主要な事業のため、生産及び受注の状況は記載を省略しております。

 

a.セグメント別営業収益

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比(%)

国内物流事業

(百万円)

221,073

5.7

国際物流事業

(百万円)

32,135

12.8

報告セグメント計

(百万円)

253,208

6.5

その他

(百万円)

20,835

2.0

合計

(百万円)

274,044

6.2

(注)1.金額はセグメント間の取引消去前の数値によっております。

2.営業収益総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

3.記載金額単位未満の端数は切り捨てて表示しております。

4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.セグメント別取扱トン数

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比(%)

国内物流事業

(千トン)

254,169

5.6

国際物流事業

(千トン)

2,916

12.5

報告セグメント計

(千トン)

257,085

5.7

その他

 

 

 

重量建設機工

(千トン)

8,027

4.7

合計

(千トン)

265,112

5.6

(注)1.記載トン数単位未満の端数は切り捨てて表示しております。

2.その他の重量建設機工事業の取扱トン数は、重量貨物運搬の取扱トン数であります。なお、その他の重量建設機工以外の事業については、取扱トン数に該当する指標がないため記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している「重要な会計方針」については、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、有価証券が前連結会計年度末に比べて7億円(100.0%)減少した一方、現金及び預金が42億29百万円(8.9%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて66億23百万円(6.7%)増加の1,057億21百万円となりました。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、無形固定資産が前連結会計年度末に比べて3億35百万円(4.3%)減少した一方、投資有価証券が44億86百万円(14.6%)、有形固定資産が14億55百万円(0.6%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて61億24百万円(2.3%)増加の2,778億99百万円となりました。

また、資産の総額は、前連結会計年度末に比べて127億48百万円(3.4%)増加の3,836億20百万円となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べてその他に含まれる預り金が7億34百万円(52.3%)、支払手形及び営業未払金が6億88百万円(2.7%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて24億82百万円(5.9%)増加の444億87百万円となりました。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、退職給付に係る負債が前連結会計年度末に比べて4億8百万円(2.6%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて4億74百万円(2.8%)増加の172億25百万円となりました。

また、負債の総額は、前連結会計年度末に比べて29億57百万円(5.0%)増加の617億12百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が前連結会計年度末に比べて89億71百万円(3.3%)増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて97億90百万円(3.1%)増加の3,219億7百万円となりました。

また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は、前連結会計年度末に比べて97億84百万円(3.1%)増加の3,218億45百万円となりました。この結果、自己資本比率は83.9%となり、一株当たり純資産額は2,659円83銭となりました。

 

2)経営成績

当連結会計年度における営業収益は、コンテナや穀物の取扱いに加え、国際プロジェクト輸送貨物の取扱いが増加となり、前連結会計年度に比べて6.2%増収の2,614億20百万円となりました。利益面におきましては、外注コストの増加などにより、営業利益は229億80百万円、経常利益は246億30百万円とそれぞれ前連結会計年度に比べて1.9%、2.5%の増益に留まりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の計上などにより、前連結会計年度に比べて9.3%増益の179億2百万円となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

[国内物流事業]

国内物流事業におきましては、船会社のコンテナ事業再編に伴うコンテナ取扱い量増加に加え、穀物及び鉄鋼製品の取扱いが増加したことにより港湾運送関連や倉庫保管関連収益が堅調に推移したため、営業収益は前連結会計年度に比べて5.7%増収の2,210億73百万円、セグメント利益は2.2%増益の211億72百万円となりました。

[国際物流事業]

国際物流事業におきましては、海外発電所向けプロジェクト輸送貨物、国際航空貨物及びNVOCC貨物の取扱いが増加したことにより、営業収益は前連結会計年度に比べて12.8%増収の321億35百万円となり、セグメント利益は41.2%増益の14億96百万円となりました。

[その他]

その他の事業におきましては、重量貨物の運搬据付業務が減少となったものの、物品販売事業、不動産賃貸業及び再生エネルギー事業の取扱いが増加したことにより、営業収益は前連結会計年度に比べて2.0%増収の208億35百万円、セグメント利益は60.1%減益の3億6百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、物流施設等の建設や車両及び荷役機械等の購入を行っており、全額自己資金で賄っております。また、当社グループの資金の流動性は十分な水準を確保しているものと考えております。

なお、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達方法は、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、平成32年3月期を最終年度とする5か年中期経営計画を策定しており、進捗は次のとおりであります。

 

平成32年3月期

(百万円)

平成30年3月期

(百万円)

連結営業収益

300,000

261,420

連結経常利益

30,000

24,630

平成30年3月期をもって中期経営計画の3年目を終え、設備投資効果もあって基幹事業の業績はほぼ計画通りの水準にあり、着実な成長を遂げてまいりました。一方、M&Aによる増収額が未達のため、現状では当初の予定を下回る状況にあります。

残存期間においては、利益率の改善と競争力の強化を模索する一方で、新たな需要を喚起する創貨への取り組みを進めるとともに、M&Aにも継続して取り組んでまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。