第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)概況

当連結会計年度のわが国経済は、個人消費が総じて底堅く、企業収益の改善も見られるなど、緩やかな回復基調のうちに推移しました。

旅行業界におきましては、円安や相次ぐテロなどの影響を受け海外旅行は減少傾向となりましたが、国内旅行は北陸新幹線の開業により盛況な北陸地方のほか、京阪神や東京地区も好調を維持するなど、堅調に推移しました。また、訪日外国人数は3年連続で過去最高を更新し、出国日本人数を上まわることとなりました。

このような情勢のもと、当社は引き続き近畿日本ツーリストのブランド力、広範な販売ネットワークとクラブツーリズムの優れたマーケティング力や商品企画力など、それぞれの強みを活用することにより生まれる統合シナジーの最大化を図ってまいりました。

具体的には、近畿日本ツーリスト店頭でのクラブツーリズム旅行商品の販売や各種講座の実施のほか、チャーター便の共同販売、宿泊・交通機関の共同仕入などに取り組みました。また、オリジナルのグループ共同イベントとして、「ふくしまミュージック花火2015」、「超・恐竜体験!!ディノ ア ライブin福井かつやま恐竜の森」、「水郷柳河おもてなしお堀めぐり」などを開催したほか、クラブツーリズムのオリジナルイベント「月見のおわら」などへの近畿日本ツーリストによる送客も昨年、一昨年を上まわる成果を上げ、新たな顧客獲得につなげました。

これらにより、連結売上高は4,249億30百万円(前期比2.0%減)となり、前年を下まわりましたものの、諸経費の削減を含めた収益性の向上に努めた結果、連結営業利益は63億94百万円(前期比89.3%増)、連結経常利益は66億68百万円(前期比62.7%増)、連結当期純利益は43億40百万円(前期 当期純損失12億54百万円)となりました。

 

当社グループの個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の販売の状況は、次のとおりです。

 

① 個人旅行事業

近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社は、国内旅行商品「メイト」および海外旅行商品「ホリデイ」において、お客さまの多様なニーズに対応するとともに、日本ならびに世界各国の歴史、伝統文化や自然、食に触れる旅、海外スポーツイベントなどこだわりとオリジナリティに富んだテーマ旅行など、お客さまに感動体験をご提供する高品質・高付加価値旅行商品の充実を図りました。また、近畿日本ツーリストの創立60周年を記念し、各種のキャンペーンや企画商品の販売に取り組んだほか、記念事業として「学んでから旅する歴史講座」を開催し好評を博しました。加えてWeb宿泊予約サービス「e宿」(いーやど)の開設1周年を記念して、「ウルトラ宿泊キャンペーン」を実施するなど、Web販売の強化に努めました。さらに店舗においては、ますます多様化・高度化するお客さまのご要望に的確に対応しご満足いただけるよう、テレビ電話による旅行先のご案内システム「旅のコンシェルジュ」を導入し、旅先の情報に詳しい専門スタッフによる情報提供を開始しました。

クラブツーリズム株式会社は、プレミアム客船「ダイヤモンドプリンセス」でめぐる「新緑の日本列島と済州島クルーズ」等の高付加価値商品や、「47都道府県日本一周バスの旅22日間」などの話題性のある企画商品のほか、趣味に特化した「テーマのある旅」、また参加形態に合わせた「おひとり参加限定の旅」など、同社の強みである独創的な商品企画力でお客さまの満足度を高め、他社との差別化を図りました。また、4月には永年取り組んできたバリアフリー旅行の実績と経験をもとに、従前の「バリアフリー旅行センター」を拡充して「ユニバーサルデザイン旅行センター」を開設し、高齢者の方にも安心して楽しんでいただける「誰にでもやさしい旅」を提供しました。さらに、新規事業として6月には主にシニア層を対象とした家事代行サービス「ぐっと楽(らっく)」を開始し、7月には“大人の交流ベース”をコンセプトとした新感覚のフィットネスクラブ「Terras(テラス)」1号店を東京都東久留米市にオープンしました。また、2月と9月にはクラブツーリズム商品の魅力を訴求したテレビコマーシャルを放映し、ブランドの認知度を高めました。

このほか、訪日旅行事業においては、伸長著しい訪日客の需要を取り込むため、「訪日FITセンター」が中心となって海外の旅行会社との連携を拡大するとともに、宿泊機関や日帰りツアー等Webでの販売コンテンツ拡充に取り組みました。

なお、前期と比較し国内は北陸新幹線の開業など観光素材に恵まれ、比較的堅調だったものの、海外が円安や相次ぐテロなどの影響を受けて減少傾向が著しく売上高は微減となりました。しかしながら各種経費の節減や利益率の向上が奏功し、営業利益は前期を大きく上回りました。

 

   個人旅行事業連結売上高           2,457億5百万円(前期比  2.0%減)

   個人旅行事業連結営業利益            36億86百万円(前期比 122.8%増)

② 団体旅行事業

近畿日本ツーリスト株式会社は、大都市における法人・団体等への提案型営業に注力し、成長分野であるMICE(Meeting、Incentive、Convention・Congress、Event・Exhibition)市場の深耕に努め、「2015年ミラノ国際博覧会」への送客をはじめ企業や学校を中心に成果を上げることができました。特にスポーツ関連事業において積極的な営業活動を展開した結果、「東京マラソン2015」や「春の高校バレー」などで前年を上まわる取扱実績を確保したほか、本年開催予定のリオデジャネイロオリンピックの応援ツアー等を実施する指定旅行会社に選定されました。加えて、政府の推進する地方創生に呼応して、地域の魅力を掘り起こし活性化につなげていく地域誘客交流事業に取り組み、関東甲信越や関西の自治体からプレミアム商品券をはじめとする消費喚起型事業の企画を受託したほか、諏訪湖花火大会等を自治体との協働により開催いたしました。

また、全国の道の駅への観光客誘致、地域の特産品の販売支援等を目的とする「道の駅元気プロジェクト」を異業種企業との連携により開始したほか、ウェアラブル端末のスマートグラスで江戸城天守閣などの歴史的建造物を再現する次世代型観光「スマートツーリズム」を実施し、大きな反響を呼びました。

なお、前期と比較しソチオリンピックやワールドカップブラジル大会等の大型イベントの反動減により売上高、営業利益ともに減少しました。

 

団体旅行事業連結売上高           1,014億90百万円(前期比  3.9%減)

団体旅行事業連結営業利益            17億66百万円(前期比  0.6%減)

 

③ その他

北海道、東北、中国四国、九州の各地域旅行会社におきましては、地域に根差したお客さま目線での営業活動
で多様化するニーズにきめ細かく応えるとともに、グループ内での連携強化とノウハウ共有を進め、需要の取込み
に努めました。
 なお、前期と比較し国内が比較的堅調に推移したことなどにより売上高、営業利益ともに増加しました。


その他連結売上高               774億71百万円(前期比  0.8%増)
その他連結営業利益               5億92百万円(前期比 42.2%増)

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して80億
45百万円増加し657億35百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動による資金は74億24百万円の増加(前期は38億75百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整
前当期純利益を65億62百万円計上したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動による資金は5億61百万円の増加(前期は11億47百万円の減少)となりました。これは主に固定資産の
取得による支出で11億84百万円が減少したものの、定期預金の払戻による収入で14億89百万円増加したためであり
ます。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動による資金は86百万円の増加(前期は49百万円の増加)となりました。これは主に株式の発行による収
入で105百万円が増加したためであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、受注生産形態をとらない商品が多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の販売の状況に関連付けて記載しております。

3【対処すべき課題】

今後につきましては、雇用や所得環境の改善が進む中、緩やかな回復基調が続くことが期待されますが、相次ぐ
テロの脅威に加え、米国の利上げや中国経済の減速等に伴う海外経済の下振れ懸念もあり、景気は予断を許さないも
のと予想されます。

旅行業界におきましては、国内旅行は北海道新幹線の開業や伊勢志摩サミットの開催などもあり、比較的堅調に
推移するものと思われますが、海外旅行については一部の地域でテロの影響による旅行心理の冷込みが懸念されま
す。

このような中、当社グループはこのほど策定した平成30年度を最終年度とする新しい中期経営計画に基づき、時
代に即応したビジネスモデルを追求し、様々な事業機会を的確に捉えてまいります。具体的には、東京オリンピッ
ク・パラリンピックの開催に向け今後さらなる拡大が期待できるスポーツ関連事業、訪日外国人数が本年2,000万人
を超えると言われる訪日旅行事業、そして政府の重要課題である地方創生を後押しする地域誘客交流事業の3分野を
当社グループの成長分野と捉え、注力してまいります。

個人旅行事業におきましては、近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社では、「現地に行く」、「現物を見る」、
「現実を知る」の三現主義を商品開発に生かすとともに、店頭におけるお客さまサービスのさらなる向上を図るた
め、テレビ電話による旅行先のご案内システム「旅のコンシェルジュ」を増設するほか、人気のモデルコースをデー
タベース化し、お客さまのお問い合わせに即座に回答できる体制を構築してまいります。加えて「e宿」(いーや
ど)の拡充やWeb専用商品の展開などにより、引き続きWeb販売比率の向上に取り組んでまいります。クラブツ
ーリズム株式会社では、お客さまに感動をもたらす品質重視の姿勢を堅持し、既存会員のロイヤリティを高める一方
で、テーマ性の高い旅行商品や旅行業以外の新規事業の拡充により、新規顧客の拡大に努めます。

このほか、近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社とクラブツーリズム株式会社の統合シナジー創出の一環とし
て、本年4月から「ホリデイ」の一部商品の企画催行を両社共同で行う仕組みを構築し、近畿日本ツーリストのブラ
ンド力とクラブツーリズムの商品企画力を共に生かした営業活動により、全体利益の拡大を図ってまいります。

団体旅行事業におきましては、引き続き企業、学校、官公庁、自治体、公益法人などのお客さまを対象に、近畿
日本ツーリスト株式会社が持つ高い専門性とホスピタリティでお客さまのニーズを先取りする提案型営業を展開して
まいります。殊に本年開催されるリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックにおいては、他社に先駆けた営業
活動により、関連需要の獲得に向けグループを挙げて取り組んでまいります。さらに、成長事業として海外の企業、
団体等のお客さまをお招きする訪日旅行事業と地域の活性化に貢献する地域誘客交流事業に注力し、市場拡大につな
げてまいります。

当社におきましては、以上の施策を迅速かつ確実に実行し、グループ全体の業績向上を図るとともに、コンプラ
イアンスの徹底、内部統制の強化を図り、コーポレートガバナンスの向上に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の変動要因について

 景況悪化による個人消費の落ち込み、天候、市場環境の変化などに起因し、取扱人員や売上高に影響を受けることがあり、当社グループの経営成績が変動することがあります。

(2)インターネットを活用した直販化の進展による影響

 航空会社・宿泊施設等や異業種のインターネットによる直販化の進展により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外旅行に潜在するリスク

 現代は国際テロ、新興感染症の集団発生など、これまでと違ったリスクが発生しております。これらの影響により海外旅行が減少し、当社グループの経営成績が変動することがあります。

(4)オンライン端末の故障による影響

 旅行に係わる予約・発券等については、オンライン端末に依存している部分が多く、予期せぬ故障により、お客さまとの信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。

(5)個人情報管理について

 当社グループはお客さまの個人情報を保有しております。個人情報保護に関しては、近畿日本ツーリスト株式会社をはじめグループ4社において、個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001)の認証を受け、適切に対応しております。その他のグループ会社においても、同様に厳格に管理しておりますが、万が一この個人情報が漏洩したとき、これらが社会問題化し信用の低下を招いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)自然災害に関するリスク

 わが国は、頻度や程度を予測することが難しい地震、台風、豪雨、噴火といった自然災害の影響を受けやすい環境にあります。また、他国においても同様の自然災害が起こる可能性があります。予想を超える重大な自然災害が発生し、旅行実施が困難な状況となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)為替変動による影響について

 当社グループの海外旅行における地上費(ホテル代等)取引は、大半が米ドルをはじめとする外国通貨による決済となっております。地上費取引における契約時と決済時の為替変動による外国為替リスクに対しては、原則として先物為替予約を用いてヘッジしておりますが、今後の外国為替の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)公的規制に関するリスク

 当社グループでは、事業活動を展開する各国において、様々な公的規制を受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)他社との提携関係におけるリスク

 当社グループはお客さまのニーズの変化に対応して様々な商品・サービスを提供するため、必要に応じて他社と提携をおこなっております。他社との提携は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新商品等を開発するうえで有効な手段であると当社グループは考えております。しかしながら、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。当社グループが既存の提携を維持できなくなった場合や将来において必要な提携を確立できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)退職給付費用に関するリスク

 日本の株式市場が今後低迷した場合には、当社グループの年金資産の価値が減少する可能性があります。かかる株式市場の低迷により、追加的な年金資産の積み増しが必要になったり、年金に関する費用が増加したりする可能性があります。同様に、金利その他の数理計算上の前提に変化が生じた場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)訴訟に関するリスク

 当社グループは事業に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟の内容によっては、多額な支払が要求されたり、事業活動が制限される可能性があります。重大な訴訟は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)有価証券の時価変動リスク

 当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動は、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(13)事業運営に関するリスク

 運営リスクは当社グループの事業に内在しているものであり、例えば、事業中断、情報システムのトラブル、法令違反、ヒューマンエラー、従業員による不正、外部の者による詐欺等様々なリスクが考えられます。これらの出来事により、当社グループの社会的評価が低下し、または、事業の運営効率が阻害されるといった損失が発生する可能性があります。当社グループの経営陣はこのリスクを管理し、一定程度に抑えるよう努力しておりますが、これらの管理手法にもかかわらず、当社グループが損失を被る可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は連結財務諸表に基づいたものであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、有価証券、減価償却資産、貸倒引当金、繰延税金資産、賞与引当金、退職給付に係る負債および旅行券等引換引当金等の計上について見積りを行っております。

 なお、見積りについては、過去の実績等に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 

 主なものとしては下記のとおりであります。

① 退職給付に係る負債

 当社グループの退職給付に係る負債について、従業員の退職給付費用および退職給付債務は数理計算上で設定されている前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は、割引率、昇給指数、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などの重要な見積りが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または、前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用および債務に影響を及ぼします。

② 繰延税金資産

当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積もっているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。

 

(2)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループは、個人・グループ・団体の国内旅行・海外旅行の企画・販売をはじめ、海外からの訪日旅行を取扱っており、国内海外の安全性が損なわれる事態(自然災害、国際テロ、紛争および新興感染症等)が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、景況悪化による個人消費の落ち込み、天候や休日の日並びの良否、市場環境の変化などに起因し、営業収益に影響を与える可能性があります。

(3)財政状態の分析

(資産および負債)

 当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金、団体前払金、為替予約およびソフトウェアなどは減少したものの、主に預け金の増加により1,256億79百万円となり、前連結会計年度末に比較して16億34百万円(1.3%)の増加となりました。一方、負債合計は、主に営業未払金、未精算旅行券、団体前受金および退職給付に係る負債の減少により988億93百万円となり、前連結会計年度末に比較して14億47百万円(1.4%)の減少となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、その他の包括利益累計額が減少したものの、当期純利益の計上により267億86百万円となり、前連結会計年度末に比較して30億82百万円(13.0%)の増加となりました。

 この結果、自己資本比率は21.2%で前連結会計年度末から2.1%増加し、1株当たり純資産は98.41円で前連結会計年度末から10.84円の増加となりました。

 

(4)経営成績の分析

(売上高と営業利益)

 当連結会計年度の売上高と営業利益は、近畿日本ツーリストのブランドや広範なネットワークと、クラブツーリズムの優れたマーケティング力や商品企画力など、それぞれの強みを活用することにより生まれる統合シナジーの具体化を図ってまいりましたが、円安やテロの脅威等の影響が夏場以降も続いたことにより海外旅行が低調に推移した結果、売上高は4,249億30百万円で前連結会計年度に比較して85億2百万円(2.0%)の減少となりましたが、売上総利益率の改善や継続して諸経費の削減に努めたことなどにより、営業利益は63億94百万円で前連結会計年度に比較して30億17百万円(89.3%)の増益となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益および営業外費用の純額は2億74百万円の収益超過となり、為替差損の発生などにより前連結会計年度に比較して4億46百万円の減益となりました。その結果、当連結会計年度の経常利益は66億68百万円となり前連結会計年度に比較して25億70百万円(62.7%)の増益となりました。

(当期純損益)

 当連結会計年度の特別利益および特別損失の純額は、特別利益として1億36百万円の関係会社株式売却益を計上した一方で、特別損失として1億11百万円の固定資産除却損、80百万円の減損損失を計上したことなどにより1億6百万円の損失超過となりましたが、前連結会計年度は25億38百万円の減損損失が計上されていたことから、前連結会計年度に比較して26億26百万円の損失減少となりました。

 また、当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は11億51百万円、法人税等調整額は10億80百万円であり、少数株主損失は10百万円となりました。

 その結果、当連結会計年度の当期純利益は43億40百万円となり、前連結会計年度に比較して55億95百万円(前連結会計年度の当期純損失は12億54百万円)の増益となりました。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループのキャッシュ・フローの分析は「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。