(1)概況
当社は、前連結会計年度より連結決算日を12月31日から3月31日に変更しております。これに伴い、前連結会計年度は平成28年1月1日から平成28年3月31日までの3ヶ月間となりましたので、前連結会計年度との比較は記載しておりません。
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調のもと、企業収益や雇用環境等に改善が見られましたが、先行きの不透明感もあり個人消費の回復には至りませんでした。
旅行業界におきましては、海外旅行は引き続きテロの不安が払しょくされず、ヨーロッパ方面を中心に低調に推移しました。国内旅行は4月に熊本地震に見舞われた九州地区のほか、東日本地域で台風被害が相次いだこともあり前年を下回る結果となりました。一方訪日旅行は、平成28年の訪日外国人数が2,403万人となるなど引き続き堅調に推移しました。
このような情勢のもと、当社グループは、昨年4月から近畿日本ツーリストの「ホリデイ」と「クラブツーリズムの旅」のヨーロッパ商品の造成を一元化するなど、両社の統合シナジーの最大化を図るとともに、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、成長領域と位置付ける「スポーツ事業」、「訪日旅行事業」および「地域誘客交流事業」に注力し、事業シフトならびに新たな収益源の開発を推し進めました。
まず、スポーツ事業においては、近畿日本ツーリスト株式会社がリオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック大会の観戦ツアー国内取扱指定旅行会社として選手団、関係者のチャーター輸送等に携わったほか、パラリンピック選手の体調管理を支援する「ハイパフォーマンスセンター」の運営を受託するなど、オフィシャルパートナーを務める東京2020オリンピック・パラリンピック大会に繋がる営業活動を展開いたしました。訪日旅行事業においては、訪日旅行者向け旅行予約サイト「YOKOSO Japan Tour & Hotel」の販売商品を拡充したほか、海外OTA(Online Travel Agent、オンライン専門旅行会社)との連携を強化し、取扱額を拡大いたしました。また、地域誘客交流事業では、青森県弘前市と「ひろさき地方創生パートナー企業協定」を締結するなど、地方創生に向けた地域の取組みに積極的に参画いたしました。
しかしながら、これらの諸施策を含め各事業において鋭意積極的な営業活動に努めましたが、当連結会計年度の業績は海外におけるテロや熊本地震等の影響に加え、国内外OTAの事業拡大や民泊利用の広がりなどの大きな環境変化を受け、特に個人旅行事業が低調に推移したため、連結売上高は3,960億4百万円、連結営業利益は29億68百万円、連結経常利益は30億45百万円と厳しい結果となりました。これに伴い、個人旅行事業に関わるソフトウエア等の減損損失として38億45百万円を特別損失に計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は13億29百万円となりました。
当社グループの個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の販売の状況は、次のとおりです。
① 個人旅行事業
近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社は、国内旅行商品「メイト」および海外旅行商品「ホリデイ」において、日本ならびに世界各国の歴史、伝統文化、自然に触れる旅など心地良さを追求した高品質な旅行を充実いたしました。また、総合旅行会社ならではのおすすめ旅行を拡充するため10月に「首都圏旅のおすすめ企画センター」を開設したほか、人気アニメとのコラボレーション企画など多様なお客さまニーズにお応えする商品を造成・販売いたしました。このほか店頭では、社員一人ひとりがお得意様を作っていくことを目指す「My個客」運動や、旅先の情報に詳しい専門スタッフがテレビ電話でお客さまに応対する「旅のコンシェルジュ」、旅のプロが作ったモデルコースを素早く検索できる「Qティ」等により、お客さまのリピート率向上を図りました。
クラブツーリズム株式会社は、日本最大のクルーズ客船である「飛鳥Ⅱ」のチャータークルーズをはじめとする高付加価値商品や、通常では乗車できない新幹線検査車両「ドクターイエロー」の見学ツアーなど企画力に富んだ旅行商品、さらには登山やハイキング、写真撮影等趣味に特化したテーマ性の高い旅行商品を展開し、他社との差別化を図りました。また、業界トップクラスのバス旅行事業では、昨年10月から最先端の安全機能と、洗面台付き化粧室、電動リクライニングシートなど様々な快適機能を併せ持つ「新型クラブツーリズム号」を8台導入し、今後も拡大の予定であります。
伸長が顕著な訪日旅行では、海外OTAとの連携強化や商品拡充、訪日外国人向けスマートフォンアプリの導入により販売を拡大いたしました。
しかしながら、海外におけるテロや熊本地震に加え、貸切バスの仕入料金の値上りによるバス旅行離れもあり、当連結会計年度の業績については、下記のとおりの結果となりました。
個人旅行事業連結売上高 2,200億68百万円
個人旅行事業連結営業利益 6億94百万円
② 団体旅行事業
近畿日本ツーリスト株式会社は、法人、団体等への提案型営業に注力し、MICE(Meeting、Incentive、Convention・Congress、Event・Exhibition)市場等の積極的な開拓に努めました。スポーツ事業では、リオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピック大会関連の送客のほか、東京マラソンやフィギュアスケートの国際大会等数々のスポーツイベントに海外現地法人と協力して多数の外国人参加者を招致いたしました。
また、地域誘客交流事業では、近畿日本ツーリスト株式会社が運営を受託した「信州上田真田丸大河ドラマ館」が好評を博しました。このほか、「全国名月サミット」への協賛等、地域が抱える様々な課題に「観光」の視点から積極的に参画し、ビジネスチャンスの拡大に努めました。
当連結会計年度の業績については、下記のとおりの結果となりました。
団体旅行事業連結売上高 994億14百万円
団体旅行事業連結営業利益 8億75百万円
③ その他
北海道、東北、中国四国、九州の各地域旅行会社におきましては、北海道では大型の台風に、九州では熊本地震に見舞われましたが、グループ内での連携強化とノウハウ共有により、優良顧客の獲得に努めてまいりました。また、地域密着のきめ細かな営業活動の推進により、地域のお客さまのニーズに応えてまいりました。
当連結会計年度の業績については、下記のとおりの結果となりました。
その他連結売上高 762億41百万円
その他連結営業利益 9億29百万円
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比較して6億33百万円増加し652億38百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は25億40百万円の増加(前連結会計年度は13億27百万円の減少)となりました。これは主に仕入債務の増加による影響で34億24百万円、旅行前受金の増加による影響で26億3百万円それぞれ増加したものの、売上債権の増加による影響で27億93百万円、旅行前払金の増加による影響で27億40百万円それぞれ減少したこと、また、税金等調整前当期純損失を5億95百万円計上したものの、減価償却費18億27百万円および減損損失38億45百万円等の非資金取引などにより資金の内部留保効果が働いたためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は21億25百万円の減少(前連結会計年度は2億56百万円の増加)となりました。これは主に固定資産の売却による収入で13億13百万円が増加したものの、固定資産の取得による支出で36億81百万円減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は2億52百万円の増加(前連結会計年度は1百万円の減少)となりました。これは主に株式の発行による収入で2億46百万円が増加したためであります。
当社グループは、受注生産形態をとらない商品が多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における個人旅行事業、団体旅行事業およびその他の区分別の販売の状況に関連付けて記載しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客さまからの信頼を事業活動の原点に据え、お客さまに愛される会社であり続けることを目指して、他社グループにはない旅行事業のビジネスモデルを構築し、当社グループ全体の企業価値を高めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループの最優先課題は、安定的に利益を出すことのできる体質の構築であり、営業利益を重視しておりますが、同時に安定性や効率性を計る指標として、自己資本比率および株主資本利益率を定めております。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
今後につきましては、企業収益の改善もあり、景気は緩やかに回復していくことが期待されますが、国内の人手不足、欧州、米国をはじめとする世界経済の懸念材料や地政学リスクもあり、先行き予断を許さない状況が続くものと予想されます。
旅行業界におきましては、政府が観光立国実現のために実施する様々な政策の効果に加え、東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催に向けた動きやコト消費の広がり等により、旅行市場全体の拡大は今後も続くものと見込まれます。しかしながら一方で、少子高齢化の進行、国内外のOTAの事業拡大のほか、訪日旅行者の増加に伴う航空座席等の仕入環境の変容、さらには民泊の拡大など急激な環境変化が進んでおります。
このような中、当社グループは本年4月27日に公表いたしました事業構造改革を確実に実行し、グループ全体ならびに各社に関わる情報収集や事業戦略の策定および事業推進機能を集中・強化するとともに、分社化により地域や専門分野に応じた営業体制を確立し、意思決定の迅速化を図ることで持続的な成長を果たします。
具体的には、本年10月1日と来年4月1日の2回に分けて、近畿日本ツーリスト株式会社および近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社を会社分割する方法により、両社の事業を統合のうえ、首都圏、関東、中部、関西の「地域旅行会社」、ならびに東京地区の法人需要を深耕する会社に再編いたします。これにより、地域のマーケットに応じた営業体制を確立し、団体旅行、個人旅行の区別なく、お客さまの視点に立った営業活動を展開いたします。なお、北海道、東北、中国四国、九州の各地域では、先行して「地域旅行会社」に移行しており、それぞれ地域に密着した営業活動で着実に業績を向上しております。
また、成長マーケットへの専門特化を図るため、同じく両社を会社分割する方法により、訪日旅行専門会社およびインターネット販売専門会社を設立いたします。両社には、グループ各社に分散していたそれぞれの専門人材、ノウハウを集結させ、外部から専門家を招聘することにより、成長分野での競争力を一層強化いたします。
以上の再編により、当社グループは事業の分散化を推し進め、地域に密着した営業体制と成長マーケットへの専門特化を図りますが、同時に各社の事業を統括する機能を当社に集約し、グループの事業戦略策定機能・事業推進機能を強化してまいります。これにより、当社は各社の営業情報を直接収集し、グループ横断的な事業戦略を強力に推し進めるとともに、後方業務の集約化による経営の効率化、仕入等におけるスケールメリットの拡大を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の変動要因について
景況悪化による個人消費の落ち込み、天候、市場環境の変化などに起因し、取扱人員や売上高に影響を受けることがあり、当社グループの経営成績が変動することがあります。
(2)インターネットを活用した直販化の進展による影響
航空会社・宿泊施設等や異業種のインターネットによる直販化の進展により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)海外旅行に潜在するリスク
現代は国際テロ、新興感染症の集団発生など、これまでと違ったリスクが発生しております。これらの影響により海外旅行が減少し、当社グループの経営成績が変動することがあります。
(4)オンライン端末の故障による影響
旅行に係わる予約・発券等については、オンライン端末に依存している部分が多く、予期せぬ故障により、お客さまとの信頼関係に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報管理について
当社グループはお客さまの個人情報を保有しております。個人情報保護に関しては、近畿日本ツーリスト株式会社をはじめグループ5社において、個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001)の認証を受け、適切に対応しております。その他のグループ会社においても、同様に厳格に管理しておりますが、万が一この個人情報が漏洩したとき、これらが社会問題化し信用の低下を招いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報セキュリティに関するリスク
当社では、情報セキュリティ対策を専門に行う部署として情報セキュリティ対策室を設置し、社内規程を整備のうえ必要な措置を講じることによって、グループ全体の情報セキュリティ向上に努めておりますが、万が一第三者によるサイバー攻撃などにより情報システムにトラブルが発生した場合、保管データの改竄が行われた場合、個人情報の漏えいが発生した場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自然災害に関するリスク
わが国は、頻度や程度を予測することが難しい地震、台風、豪雨、噴火といった自然災害の影響を受けやすい環境にあります。また、他国においても同様の自然災害が起こる可能性があります。予想を超える重大な自然災害が発生し、旅行実施が困難な状況となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替変動による影響について
当社グループの海外旅行における地上費(ホテル代等)取引は、大半が米ドルをはじめとする外国通貨による決済となっております。地上費取引における契約時と決済時の為替変動による外国為替リスクに対しては、原則として先物為替予約を用いてヘッジしておりますが、今後の外国為替の変動により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)公的規制に関するリスク
当社グループでは、事業活動を展開する各国において、様々な公的規制を受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)他社との提携関係におけるリスク
当社グループはお客さまのニーズの変化に対応して様々な商品・サービスを提供するため、必要に応じて他社と提携をおこなっております。他社との提携は双方の経営資源を有効に活用し、タイムリーに新商品等を開発するうえで有効な手段であると当社グループは考えております。しかしながら、財政状態やその他の理由により、当事者間で利害の不一致が生じた場合には、提携を維持できなくなる可能性があります。当社グループが既存の提携を維持できなくなった場合や将来において必要な提携を確立できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)退職給付費用に関するリスク
日本の株式市場が今後低迷した場合には、当社グループの年金資産の価値が減少する可能性があります。かかる株式市場の低迷により、追加的な年金資産の積み増しが必要になったり、年金に関する費用が増加したりする可能性があります。同様に、金利その他の数理計算上の前提に変化が生じた場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟に関するリスク
当社グループは事業に関して訴訟を提起される可能性があります。訴訟の内容によっては、多額な支払が要求されたり、事業活動が制限される可能性があります。重大な訴訟は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)有価証券の時価変動リスク
当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動は、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)事業運営に関するリスク
運営リスクは当社グループの事業に内在しているものであり、例えば、事業中断、情報システムのトラブル、法令違反、ヒューマンエラー、従業員による不正、外部の者による詐欺等様々なリスクが考えられます。これらの出来事により、当社グループの社会的評価が低下し、または、事業の運営効率が阻害されるといった損失が発生する可能性があります。当社グループの経営陣はこのリスクを管理し、一定程度に抑えるよう努力しておりますが、これらの管理手法にもかかわらず、当社グループが損失を被る可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は連結財務諸表に基づいたものであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、有価証券、減価償却資産、貸倒引当金、繰延税金資産、退職給付に係る資産、賞与引当金および旅行券等引換引当金等の計上について見積りを行っております。
なお、見積りについては、過去の実績等に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
主なものとしては下記のとおりであります。
① 退職給付に係る資産
当社グループの退職給付に係る資産について、従業員の退職給付費用および退職給付債務は数理計算上で設定されている前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は、割引率、昇給指数、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などの重要な見積りが含まれております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または、前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用および債務に影響を及ぼします。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積もっているため、税制改正や経営環境の変化等により課税所得の見積りが大きく変動した場合等には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、個人・グループ・団体の国内旅行・海外旅行の企画・販売をはじめ、海外からの訪日旅行を取扱っており、国内海外の安全性が損なわれる事態(自然災害、国際テロ、紛争および新興感染症等)が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
また、景況悪化による個人消費の落ち込み、天候や休日の日並びの良否、市場環境の変化などに起因し、営業収益に影響を与える可能性があります。
(3)財政状態の分析
(資産および負債)
当連結会計年度末の資産合計は、主に受取手形及び営業未収金および旅行前払金が増加したものの、ソフトウエアなどの減少により1,288億90百万円となり、前連結会計年度末に比較して46億20百万円(3.7%)の増加となりました。一方、負債合計は、主に営業未払金、旅行前受金などの増加により1,043億72百万円となり、前連結会計年度末に比較して38億87百万円(3.9%)の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失を計上したものの、その他の包括利益累計額の増加により245億17百万円となり、前連結会計年度末に比較して7億32百万円(3.1%)の増加となりました。
この結果、自己資本比率は19.0%で前連結会計年度末から0.1ポイント減少し、一株当たり純資産は89.39円で前連結会計年度末から2.02円の増加となりました。
(4)経営成績の分析
当社は、前連結会計年度より連結決算日を12月31日から3月31日に変更しております。これにより、前連結会計年度は平成28年1月1日から平成28年3月31日までの3ヶ月決算となっているため、前期増減の比較分析は行っておりません。
(売上高と営業損益)
当連結会計年度の売上高と営業損益は、近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの統合シナジーの最大化を図るとともに、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画に基づき、成長領域と位置付ける「スポーツ事業」、「訪日旅行事業」および「地域誘客交流事業」に注力し、事業シフトならびに新たな収益源の開発を推し進めました。しかしながら、海外におけるテロや熊本地震の影響に加え、国内外OTAの事業拡大等の大きな変化を受けたことにより、特に個人旅行事業が低調に推移したため、当連結会計年度は、売上高は3,960億4百万円、営業利益は29億68百万円と厳しい結果となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益および営業外費用の純額は76百万円の収益超過となり、当連結会計年度の経常損益は30億45百万円の利益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度の特別利益および特別損失の純額は、特別利益として2億87百万円の固定資産売却益を計上した一方で、特別損失として38億45百万円の減損損失等を計上したことにより36億41百万円の損失超過となりました。
また、当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税は8億49百万円、法人税等調整額は△1億12百万円であり、非支配株主に帰属する当期純損失を差し引いた当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は13億29百万円の損失となりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループのキャッシュ・フローの分析は「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。