(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は、緩やかな回復基調の下、企業収益の拡大や雇用情勢の改善が続きましたが、個人消費は一部に持ち直しの動きが見られたものの、力強さに欠ける展開となりました。
旅行業界におきましては、海外旅行は、ハワイやアジア方面が好調を維持し、ヨーロッパ方面や中国方面も回復基調で推移いたしました。一方、ミクロネシアなど一部の地域では地政学リスクの影響を受ける結果となりました。国内旅行は、沖縄や京阪神方面が比較的堅調に推移しましたが、秋口以降、週末に台風が相次いだこともあり、全体として伸び悩みました。訪日旅行は航空路線の拡充やクルーズ船の寄港増加などが寄与し、平成29年の訪日外国人客数は過去最多を更新して2,869万人となりました。
このような情勢の下、当社グループは、激変する事業環境に即応し持続的な成長を図るため、近畿日本ツーリスト株式会社および近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社の会社分割により、組織および権限の「集中と分散」を図る事業構造改革を推し進めるとともに、中期経営計画で定めた事業方針に従い、スポーツ事業、訪日旅行事業および地域交流事業の成長領域に注力し、収益の拡大を図りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における連結売上高は3,180億60百万円(前年同期比2.6%増)となり、連結営業利益は42億71百万円(前年同期比29.8%増)、連結経常利益は43億65百万円(前年同期比32.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は25億28百万円(前年同期比33.7%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりです。
① 個人旅行事業
近畿日本ツーリスト個人旅行株式会社、株式会社近畿日本ツーリスト中部および株式会社近畿日本ツーリスト関西の個人旅行事業では、国内旅行商品「メイト」は、お手頃価格のWeb商品の拡販を図る一方で、JR西日本の寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」を貸切にしたオリジナルツアーを実施するなどプレミアム商品の拡充を図り、お客さまの多様なニーズへの対応を強化いたしました。海外旅行商品「ホリデイ」は、ヨーロッパ方面を中心にクラブツーリズム株式会社との共同催行ツアーを拡充し、販売の拡大に努めました。
クラブツーリズム株式会社では、同社の最上級ブランド「ロイヤル・グランステージ」の「ロイヤルクルーザー四季の華」バスツアーで、全19席総革張り、木目調の内装と眺望に優れた大きな窓を装備する最高級車両「碧号」の運行を開始し、さらにワンランク上のバス旅行の訴求に努めたほか、普段旅客列車が運行しない都会の貨物線を巡るツアーなど、オリジナリティに富んだテーマ性の高い商品を拡充し、他社との差別化を図りました。また、車いすでスキーを楽しめる「デュアルスキー」体験ツアーなどバリアフリーツアーの拡充を図りました。
訪日旅行においては、株式会社KNT-CTグローバルトラベルが運営する訪日旅行サイト「YOKOSO Japan Tour & Hotel」のサイトデザインをリニューアルしたほか、お客さま一人ひとりの閲覧履歴等を反映するマイページ機能を追加するなど、サイトの利便性を高め、さらなる需要の獲得に努めました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、下記のとおりとなりました。
個人旅行事業連結売上高 1,772億4百万円(前年同期比 4.1%増)
個人旅行事業連結営業利益 22億60百万円(前年同期比 182.8%増)
② 団体旅行事業
近畿日本ツーリスト株式会社、株式会社近畿日本ツーリスト中部および株式会社近畿日本ツーリスト関西の団体旅行事業では、法人、団体顧客への提案型営業に注力し、MICE(Meeting、Incentive、Convention・Congress、Event・Exhibition)市場等の積極的な開拓に努めました。スポーツ事業では、平昌2018冬季オリンピック・パラリンピックの観戦ツアー指定旅行会社として、選手家族や後援組織の応援ツアーなど各種ツアーの受注を拡大したほか、東京2020オリンピック・パラリンピックのスポンサー企業が顧客に行う様々なホスピタリティ・プログラムの運営業務の受託や競技団体の事前合宿の受注に注力いたしました。また、世界文化遺産の国宝姫路城の管理運営業務を受託するなど、総合旅行会社のノウハウや観光施設の運営実績を活かした地域交流事業の販売拡大を図りました。
しかしながら、当第3四半期連結累計期間の業績については、前年の8月から9月に行われたリオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピックなど国際イベントの反動減もあり、下記のとおりとなりました。
団体旅行事業連結売上高 798億34百万円(前年同期比 1.1%減)
団体旅行事業連結営業利益 9億13百万円(前年同期比 30.4%減)
③ その他
北海道、東北、中国四国、九州の国内地域旅行会社においては、人気アニメとタイアップしたツアーの販売や訪日旅行客の誘致に力を注いだほか、グループ会社間で連携した企画提案に加え、地域密着のきめ細かな営業活動を推し進め、需要の開拓に努めました。また、東京2020オリンピック・パラリンピックを見据え、自治体などによる平昌2018冬季オリンピック・パラリンピック現地視察ツアーの受注や、選手・競技団体の事前合宿受注に向けた営業活動に積極的に取り組みました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、下記のとおりとなりました。
その他連結売上高 608億71百万円(前年同期比 3.3%増)
その他連結営業利益 9億63百万円(前年同期比 17.7%増)
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、流動資産で主に預け金が増加した一方で、現金及び預金や営業未収金の減少などにより56億72百万円(5.0%)の減少、固定資産で無形固定資産や投資有価証券が増加した一方で、繰延税金資産の減少などにより7億43百万円(4.6%)の増加となった結果、49億29百万円(3.8%)減少し1,239億61百万円(前連結会計年度末は1,288億90百万円)となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ、流動負債で主に営業未払金および旅行前受金が減少したことにより65億94百万円(6.6%)の減少、固定負債で主に繰延税金負債が減少したことにより11億34百万円(25.4%)の減少となった結果、77億29百万円(7.4%)減少し966億43百万円(前連結会計年度末は1,043億72百万円)となりました。また、純資産は、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上およびその他の包括利益累計額の増加により、前連結会計年度末に比べ27億99百万円(11.4%)増加し273億17百万円(前連結会計年度末は245億17百万円)となりました。
この結果、自己資本比率は22.0%で前連結会計年度末から3.0ポイント増加しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。