第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

当連結会計年度における日本の経済状況は、雇用環境は引き続き改善がみられたものの、株価の下落や為替の円高進行等、大幅な変動を背景として個人消費が伸び悩み、期待されていた景気の回復に停滞が感じられるようになりました。世界経済は、中国並びに新興国の景気減速や地政学リスクの高まりなど不透明感が強まり、景気の回復基調は緩やかなものに留まりました。

物流業界におきましては、国内貨物は公共投資の落ち込みにより、建設関連貨物を中心に低調な荷動きとなりました。国際貨物は世界経済の減速が鮮明となったことを受け、中国及びアジア新興国向け貨物を中心に減少いたしました。

このような事業環境の中、当社は、電力変換装置の取扱額が増加いたしましたが、国際海上貨物における工作機械の取扱額が大幅に減少したことにより、売上高は減少いたしました。一方利益面におきましては、人員配置の効率化や倉庫稼働率を高水準で維持できたこと等により、梱包事業部門及び倉庫事業部門の原価率が改善し、営業利益は増加いたしました。

国内連結子会社におきましては、梱包部門における新規業務の開始及び商品販売部門における特需の影響により、売上高は増加いたしましたが、主要顧客における単価見直し等の影響により、営業利益は減少いたしました。

中国連結子会社におきましては、事業領域・体制の見直しの一環として、昨年5月に中国華南地区の子会社2社を譲渡した影響により、売上高は減少いたしましたが、赤字体質からの改善が進み、事業の収益力は向上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高156億47百万円(前年同期比12.2%減)、営業利益7億69百万円(前年同期比36.0%増)、経常利益6億27百万円(前年同期比62.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億5百万円(前年同期比140.8%増)となりました。 

 

セグメントの業績は次のとおりです。

(1) 梱包事業部門

電力変換装置の取扱額が増加したものの、国際海上貨物における工作機械の取扱額の減少及び中国子会社譲渡の影響により、売上高は大幅に減少いたしました。
 この結果、当該部門の業績は、売上高109億74百万円(前年同期比16.4%減)、セグメント利益10億43百万円(前年同期比27.7%増)となりました。

 

(2) 運輸事業部門

医療機器関連の3PL分野の取扱額が減少したことにより、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
 この結果、当該部門の業績は、売上高24億86百万円(前年同期比7.9%減)、セグメント利益78百万円(前年同期比7.0%減)となりました。

 

(3) 倉庫事業部門

電力変換装置の取扱額が好調に推移したことに加え、倉庫稼働率を高水準で維持できたことにより、売上高及びセグメント利益ともに増加いたしました。
 この結果、当該部門の業績は、売上高19億14百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益3億61百万円(前年同期比18.3%増)となりました。

 

(4) 賃貸ビル事業部門

本社ビルにおける不動産管理会社の契約を前期に変更した影響及び空室率の上昇により、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
 この結果、当該部門の業績は、売上高2億71百万円(前年同期比14.4%減)、セグメント利益82百万円(前年同期比46.0%減)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当グループは顧客先の製品、商品等の梱包、運輸、保管業務を行っており、生産は行っておりません。

 

(2) 受注状況

当グループは顧客の物流部門の一部を担当しております。

業界の特殊性及び主に顧客先の工場構内での梱包作業を行っているため、当日受注(指示)当日出荷が大部分であります。

その受注金額は下表のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前年同期比
(%)

受注残高
(千円)

前年同期比
(%)

梱包事業

10,978,336

83.7

18,580

123.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(千円)

前年同期比(%)

梱包事業

10,974,847

83.6

運輸事業

2,486,361

92.1

倉庫事業

1,914,275

113.8

賃貸ビル事業

271,768

85.6

合計

15,647,252

87.8

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 セグメント間の取引は相殺消去しております。

3 総売上高に対する売上実績の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の我が国経済は、緩やかながら回復基調にあるものの、円高・株安が急速に進んだことに加え、世界経済の先行き不透明感が強まるなか、停滞感の残る推移が続くものと思われます。

このような経営環境の変化に対処すべく、当グループは、顧客からの信用・信頼向上につながる業務品質の向上に努め、以下の項目について重点的に対応することで、ステークホルダーに責任のある経営を推進してまいります。

(1) 重点品目の取扱い拡大

工作機械等の大型精密機器及び医療機器取扱いを重点品目に定め、既存顧客の深耕を進めるとともに、営業体制を強化し新規開拓に注力することで、事業拡大を図ってまいります。

 

(2) 国際物流の強化

中国及び米国の海外拠点において梱包事業を含む国際複合一貫輸送の取扱いに注力し、当グループの特長を活かした国内外一体の物流展開を行ってまいります。

 

(3) 業務品質の継続的な向上及び人材育成

持続的な事業の拡大を実現するためには、人材の成長が必要不可欠であり、計画的・効率的・継続的な人材育成が重要であると考えています。
 階層別研修の計画的な実施のほか、当社の強みである梱包技術/包装設計や医療機器取扱いに関する専門教育を充実させ、技術力の底上げに取り組むことにより、当グループ全体の提案力強化及び業務品質向上を図ってまいります。
 また、今後の事業展開に向けた戦略的な人材の採用やグローバル人材の育成を行ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当連結会計年度において、当グループが投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

(1) 一般的な景気動向によるリスク

当グループが事業活動を展開する主要な市場である国及び地域の経済状況、国内外の経済、景気動向、及び顧客企業の輸出需要の動向等が、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定顧客への依存度によるリスク

当グループの事業内容は、半導体及び精密機器、工作機械、無線通信機器、医療機器等の梱包事業、運輸事業、倉庫事業であります。当グループは、新規顧客の開拓及びサービス・品質の向上に努め、事業の拡大を図っておりますが、主要顧客の動向が当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料価格等の変動によるリスク

当グループは、低価格での原材料等の仕入に努め、原価低減を図っておりますが、梱包事業の原価を構成する木材、段ボール、鉄鋼等の原材料価格の変動及び運輸事業の原価を構成する軽油等が原油価格・為替レートの変動の影響を受け、売上原価の上昇を招く可能性があります。

 

(4) 海外での事業展開におけるリスク

当グループは、中国・米国地域におきまして、連結子会社により梱包事業・国際物流を軸とした事業展開を行なっております。このため、これら地域の政治的・経済的状況や社会情勢の変化及び政府当局が課す法的規制等によって、当グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当グループの連結財務諸表作成にあたっては、各社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害等に関するリスク

当グループの国内物流拠点は、主要顧客の生産施設及び物流状況にあわせ、東京近郊の関東圏に集中しております。また、本社施設も同様であります。従って、大規模地震を含む自然災害等が関東圏に発生した場合、当グループの事業活動に支障をきたすような被害も受けやすく、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 物流事故に関するリスク

当グループは、梱包事業、運輸事業、倉庫事業を中心に物流事業者として培ったノウハウに加え、品質活動、安全な輸送、安全教育等を通じて、物流サービスの品質向上に努めております。
 しかしながら、物流事故等の発生による社会的信用低下に伴い事業活動の制限が余儀なくされた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 法的規制のリスク

当グループでは、コンプライアンス経営を最重要事項として認識し、取り組んでおりますが、当グループの事業分野に応じて、倉庫業法や通関業法、貨物自動車運送事業法、医薬品医療機器等法、労働者派遣法等の法的規制を受けております。それらの法的規制の改定が行われた場合や今後の環境問題に係る規制等が改定された場合は、営業活動の一部が制限され、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 顧客情報の管理に関するリスク

当グループは、多くの顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理に関する管理体制と教育を強化し情報漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) システムダウンによる影響のリスク

当グループでは、財務管理、資材管理、運輸管理等をシステム管理しております。当グループでは、基幹システムのバックアップを常時実施し、その被害の防御及び被害を最小限に抑えるべく予防策を講じておりますが、災害やコンピュータウィルス等によりシステムがダウン又は破壊された場合、業務に多大な被害を受け、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 資産価値の変動に関するリスク

当グループが保有する資産(土地、建物、保有有価証券等)について、経済環境等の動向により、資産価値が著しく変動した場合、当該資産の売却等に伴う実現損益及び固定資産の減損損失等が、当グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当グループにおける研究開発活動は当社が中核となり、主力事業である梱包事業において基本設計から使用管理技術、製品生産に至るまでの研究開発を行っております。

当連結会計年度における当グループが支出した研究開発費の総額は75百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

梱包事業関連

当グループの研究開発は、国内事業本部包装開発部を主体として行っております。
 創業以来、安全、確実で効果的な梱包サービスを積極的に提供することで顧客の信頼確保を図り、業績向上へつなげることを目的として活動を行っております。

梱包事業では、その取扱製品が多岐に渡るため、様々な包装技術、技法及び材料を採用しております。そのため、研究開発にあたっては、顧客の多様なニーズ及び地球環境保護問題に対応した包装技術・技法の改善、向上が不可欠と考え、常に新包装技術の開発を目指しております。

また、消費者市場へ展開する狙いをもって包装技術を利用した製品の設計開発を行なっております。

その結果、顧客の求める作業の効率性や地球環境保護問題対応等、省資源ニーズを的確に判断、吸収し、顧客に満足される包装設計を行い、包装材料の標準化、包装仕様の改善及び、梱包コスト削減等の提案を行っております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

① 資産

当連結会計年度末の総資産は、202億69百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億53百万円の減少となりました。

流動資産につきましては、58億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億48百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少92百万円、受取手形及び売掛金の減少5億10百万円及び繰延税金資産の減少42百万円によるものであります。
 固定資産につきましては、144億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産において、建物及び構築物の減少3億59百万円、リース資産の増加41百万円、投資等において、投資有価証券の減少93百万円、繰延税金資産の増加15百万円等によるものであります。

② 負債

当連結会計年度末の負債合計は、132億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億30百万円減少いたしました。

流動負債につきましては、41億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億93百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少3億98百万円、短期借入金の減少2億79百万円、リース債務の増加48百万円及び未払法人税等の増加67百万円によるものであります。
 固定負債につきましては、90億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億37百万円減少いたしました。これは主に、社債の減少1億7百万円、長期借入金の減少3億30百万円、退職給付に係る負債の増加64百万円及び金利スワップの増加21百万円によるものであります。

③ 純資産

純資産につきましては、70億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ22百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の増加2億9百万円、その他有価証券評価差額金の減少85百万円、退職給付に係る調整累計額の減少30百万円及び為替換算調整勘定の減少1億2百万円によるものであります。
 
 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の32.7%から34.3%となりました。

 

 

(2) 経営成績

① 売上高

売上高につきましては、前連結会計年度に比べ21億83百万円減少し、156億47百万円となりました。これは主に、電力変換装置の取扱額が増加したものの、国際海上貨物における工作機械の取扱額が大幅に減少したことに加え、中国子会社譲渡の影響によるものであります。
 なお、梱包事業部門の売上高は109億74百万円、運輸事業部門の売上高は24億86百万円、倉庫事業部門の売上高は19億14百万円、賃貸ビル事業部門の売上高は2億71百万円となりました。

 

② 営業利益

営業利益につきましては、前連結会計年度に比べ2億3百万円増加し、7億69百万円となりました。これは主に、人員配置の効率化や、倉庫稼働率が高水準で維持できたことによるものであります。
 なお、梱包事業部門のセグメント利益は10億43百万円、運輸事業部門のセグメント利益は78百万円、倉庫事業部門のセグメント利益は3億61百万円、賃貸ビル事業部門のセグメント利益は82百万円となりました。

 

③ 経常利益

経常利益につきましては、前連結会計年度に比べ2億42百万円増加し、6億27百万円となりました。これは主に、営業利益の増加要因のほか、支払利息の減少24百万円等によるものであります。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ1億78百万円増加し、3億5百万円となりました。これは主に、営業利益の増加要因に加え、固定資産売却益の増加68百万円、法人税、住民税及び事業税の増加1億29百万円等によるものであります。

 

また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ29円77銭増加し、50円90銭となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より92百万円減少し、当連結会計年度末には23億84百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、12億62百万円(前年同期は12億99百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6億68百万円、減価償却費7億54百万円、売上債権の減少3億65百万円、仕入債務の減少2億28百万円、利息の支払額1億68百万円及び法人税等の支払額2億33百万円によるものであります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、3億14百万円(前年同期は1億37百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億58百万円、有形固定資産の売却による収入95百万円、無形固定資産の取得による支出80百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出1億44百万円によるものであります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、10億27百万円(前年同期は19億3百万円の支出)となりました。これは主に、有利子負債の減少9億31百万円及び配当金の支払額96百万円によるものであります。