当連結会計年度における日本の経済状況は、個人消費及び設備投資に足踏み感が見られましたが、企業収益の回復や雇用環境の改善を背景として、緩やかながら景気拡大が続きました。世界経済は、全体として回復基調を維持しているものの、政治・経済・軍事情勢の変化を受けて不透明感が強まりました。
物流業界におきましては、国内貨物は消費関連貨物を中心に増加傾向が見られました。国際貨物は当期下期より中国向けの輸出入貨物を中心に回復いたしました。
このような事業環境の中、当社は半導体製造装置の取扱額が増加したものの、無線通信機器の取扱額が減少したことで売上高が減少いたしました。利益面におきましては、売上高減少の影響及び一般管理費の増加により営業利益が減少いたしました。
国内連結子会社におきましては、主要顧客の製品取扱額の減少に加え、その他顧客において前期に発生した特需の反動により売上高は減少いたしました。営業利益におきましては、人件費等の原価削減に努めた結果、前年同期とほぼ同水準となりました。
中国連結子会社におきましては、前期に華南地区の子会社2社を譲渡したことに加え、当期華東地区において、包装資材の企画設計・販売から梱包を含む国際物流業への事業再構築を進めたことで、売上高は減少いたしましたが、赤字体質からの改善が進み、事業の収益力は向上いたしました。
米国連結子会社におきましては、スチール梱包業務の本格稼働に加え、調達物流への取組みに努めた結果、売上高、営業利益ともに増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高146億26百万円(前年同期比6.5%減)、営業利益6億27百万円(前年同期比18.4%減)、経常利益4億78百万円(前年同期比23.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億58百万円(前年同期比15.3%減)となりました。
なお、中国華東地区の子会社再編により、特別損失として関係会社株式売却損90百万円、特別利益として関係会社株式清算益3百万円を計上しております。
セグメントの業績は次のとおりです。
無線通信機器の取扱額減少により売上高は減少いたしましたが、中国再編の影響及び半導体製造装置の取扱額増加により、セグメント利益は前年同期とほぼ同水準となりました。
この結果、当該部門の業績は、売上高103億62百万円(前年同期比5.6%減)、セグメント利益10億41百万円(前年同期比0.2%減)となりました。
無線通信機器の取扱額が減少した結果、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高22億円(前年同期比11.5%減)、セグメント利益46百万円(前年同期比40.7%減)となりました。
工作機械保管額の減少により売上高は減少いたしましたが、事業所閉鎖に伴う原状回復費用が前期3月に発生した影響により、セグメント利益は増加いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高18億2百万円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益3億72百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
フリーレント期間の設定及び修繕費用等の発生により、売上高及びセグメント利益ともに減少いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高2億61百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益77百万円(前年同期比6.1%減)となりました。
当グループは顧客先の製品、商品等の梱包、運輸、保管業務を行っており、生産は行っておりません。
当グループは顧客の物流部門の一部を担当しております。
業界の特殊性及び主に顧客先の工場構内での梱包作業を行っているため、当日受注(指示)当日出荷が大部分であります。
その受注金額は下表のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
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梱包事業 |
10,371,420 |
94.5 |
27,527 |
148.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (千円) |
前年同期比(%) |
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梱包事業 |
10,362,473 |
94.4 |
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運輸事業 |
2,200,059 |
88.5 |
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倉庫事業 |
1,802,339 |
94.2 |
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賃貸ビル事業 |
261,793 |
96.3 |
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合計 |
14,626,665 |
93.5 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引は相殺消去しております。
3 総売上高に対する売上実績の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
《経営理念》
当グループは、『経営品質の向上』を事業活動の中核にすえ、「お客様の意思を尊重し、お客様にとってより品質の高いロジスティクス・サービスを提供する」ことで豊かな社会の実現に貢献してまいります。
「美しく魅力のある会社 サンリツ」の実現を目指します。
《ビジョン》
オペレーションからソリューションへ
(2)目標とする経営指標
当グループは、経営の主たる指標として、売上高営業利益率を用いております。安定的な成長を維持するためには、確固とした収益基盤づくりが不可欠であるとの認識のもとに、平成32年3月期の連結営業利益9億50百万円(連結売上高営業利益率5.8%)を目標として掲げ、その達成を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
この先の我が国の経済は、世界経済の回復や経済政策に伴う公共投資の執行などにより、企業生産活動の持ち直しが持続するほか、雇用・所得環境も緩やかながら回復が見込まれ、引き続き国内景気の回復が続くことが期待される一方で、世界的な保護主義の広がりや地政学リスクの高まりなどがリスクとして懸念されています。
当グループを取り巻く環境は、世界経済の持ち直しを受け、アジア向けを中心に輸出貨物の増加が見込まれるものの、国内貨物の総輸送量は前年比で小幅な動きに留まるものと予想されます。
このような経営環境の変化に対処すべく、当グループは、新たに掲げたビジョンのもと、平成32年3月期を最終年度とする3か年の中期経営計画を策定いたしました。
① 国内事業
精密機械/医療機器の取扱いをターゲットに、立地を考慮したノンアセット型新拠点を開設し、高度な庫内オペレーションと組み合わせたソリューション営業を展開することで、事業の拡大を図ってまいります。
② 海外事業
当社の強みである梱包技術を海外にも展開し、かつ顧客に合わせたカスタムメイドの国際輸送ネットワーク構築を進めてまいります。
③ 組織体制
提案強化に向け、ソリューション営業に特化した統括部門を設置することで効果的かつ効率的な新規顧客開拓を進めてまいります。また、取扱製品群別に営業ターゲットを明確化した統括部門を設置することで、事業ごとのシナジーを活かした顧客開拓を進めてまいります。
当連結会計年度において、当グループが投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
当グループが事業活動を展開する主要な市場である国及び地域の経済状況、国内外の経済、景気動向、及び顧客企業の輸出需要の動向等が、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの事業内容は、半導体及び精密機器、工作機械、無線通信機器、医療機器等の梱包事業、運輸事業、倉庫事業であります。当グループは、新規顧客の開拓及びサービス・品質の向上に努め、事業の拡大を図っておりますが、主要顧客の動向が当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、低価格での原材料等の仕入に努め、原価低減を図っておりますが、梱包事業の原価を構成する木材、段ボール、鉄鋼等の原材料価格の変動及び運輸事業の原価を構成する軽油等が原油価格・為替レートの変動の影響を受け、売上原価の上昇を招く可能性があります。
当グループは、中国・米国地域におきまして、連結子会社により梱包事業・国際物流を軸とした事業展開を行なっております。このため、これら地域の政治的・経済的状況や社会情勢の変化及び政府当局が課す法的規制等によって、当グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当グループの連結財務諸表作成にあたっては、各社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの国内物流拠点は、主要顧客の生産施設及び物流状況にあわせ、東京近郊の関東圏に集中しております。また、本社施設も同様であります。従って、大規模地震を含む自然災害等が関東圏に発生した場合、当グループの事業活動に支障をきたすような被害も受けやすく、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、梱包事業、運輸事業、倉庫事業を中心に物流事業者として培ったノウハウに加え、品質活動、安全な輸送、安全教育等を通じて、物流サービスの品質向上に努めております。
しかしながら、物流事故等の発生による社会的信用低下に伴い事業活動の制限が余儀なくされた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、コンプライアンス経営を最重要事項として認識し、取り組んでおりますが、当グループの事業分野に応じて、倉庫業法や通関業法、貨物自動車運送事業法、医薬品医療機器等法、労働者派遣法等の法的規制を受けております。それらの法的規制の改定が行われた場合や今後の環境問題に係る規制等が改定された場合は、営業活動の一部が制限され、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、多くの顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理に関する管理体制と教育を強化し情報漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、財務管理、資材管理、運輸管理等をシステム管理しております。当グループでは、基幹システムのバックアップを常時実施し、その被害の防御及び被害を最小限に抑えるべく予防策を講じておりますが、災害やコンピュータウィルス等によりシステムがダウン又は破壊された場合、業務に多大な被害を受け、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループが保有する資産(土地、建物、保有有価証券等)について、経済環境等の動向により、資産価値が著しく変動した場合、当該資産の売却等に伴う実現損益及び固定資産の減損損失等が、当グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、平成28年5月23日開催の取締役会において、連結子会社である蘇州新南包装制品有限公司の出資持分の一部を「蘇州玖得奇電子科技有限公司」へ譲渡することを決議し、平成28年7月12日付で出資持分の一部譲渡を実行いたしました。
なお、詳細については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当グループにおける研究開発活動は当社が中核となり、主力事業である梱包事業において基本設計から使用管理技術、製品生産に至るまでの研究開発を行っております。
当連結会計年度における当グループが支出した研究開発費の総額は59百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当グループの研究開発は、包装開発担当部門を主体として行っております。
創業以来、安全、確実で効果的な梱包サービスを積極的に提供することで顧客の信頼確保を図り、業績向上へつなげることを目的として活動を行っております。
梱包事業では、その取扱製品が多岐に渡るため、様々な包装技術、技法及び材料を採用しております。そのため、研究開発にあたっては、顧客の多様なニーズ及び地球環境保護問題に対応した包装技術・技法の改善、向上が不可欠と考え、常に新包装技術の開発を目指しております。
また、消費者市場へ展開する狙いをもって包装技術を利用した製品の設計開発を行なっております。
その結果、顧客の求める作業の効率性や地球環境保護問題対応等、省資源ニーズを的確に判断、吸収し、顧客に満足される包装設計を行い、包装材料の標準化、包装仕様の改善及び、梱包コスト削減等の提案を行っております。
当連結会計年度末の財政状況は、総資産188億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億45百万円の減少となりました。主な内容は、以下のとおりであります。
流動資産につきましては、48億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億67百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金の減少9億60百万円、受取手形及び売掛金の増加44百万円及びたな卸資産の減少28百万円によるものであります。
固定資産につきましては、139億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億78百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産において、建物及び構築物の減少2億49百万円、リース資産の減少2億33百万円、投資等において、投資有価証券の増加69百万円によるものであります。
流動負債につきましては、37億円となり、前連結会計年度末に比べ4億67百万円減少いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少1億55百万円、1年内償還予定の社債の減少1億7百万円、未払法人税等の減少1億61百万円によるものであります。
固定負債につきましては、79億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億62百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少7億85百万円、リース債務の減少2億46百万円及び金利スワップの減少55百万円によるものであります。
純資産につきましては、71億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ83百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加1億44百万円、自己株式の取得による減少2億5百万円、その他有価証券評価差額金の増加47百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の34.3%から37.4%となりました。
売上高につきましては、前連結会計年度に比べ10億20百万円減少し、146億26百万円となりました。これは主に、半導体製造装置の取扱額が増加したものの、無線通信機器の取扱額が減少したこと及び中国子会社再編の影響によるものであります。
なお、梱包事業部門の売上高は103億62百万円、運輸事業部門の売上高は22億円、倉庫事業部門の売上高は18億2百万円、賃貸ビル事業部門の売上高は2億61百万円となりました。
営業利益につきましては、前連結会計年度に比べ1億41百万円減少し、6億27百万円となりました。これは主に、売上高減少の影響及び一般管理費の増加によるものであります。
なお、梱包事業部門のセグメント利益は10億41百万円、運輸事業部門のセグメント利益は46百万円、倉庫事業部門のセグメント利益は3億72百万円、賃貸ビル事業部門のセグメント利益は77百万円となりました。
経常利益につきましては、前連結会計年度に比べ1億49百万円減少し、4億78百万円となりました。これは主に、営業利益の減少要因のほか、支払手数料の増加24百万円等によるものであります。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ46百万円減少し、2億58百万円となりました。これは主に、営業利益の減少要因に加え、固定資産売却益の減少69百万円、関係会社株式売却損の増加62百万円等によるものであります。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ5円87銭減少し、45円03銭となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より9億60百万円減少し、当連結会計年度末には14億24百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、6億69百万円(前年同期は12億62百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3億89百万円、減価償却費7億24百万円、関係会社株式売却損90百万円、売上債権の増加1億3百万円、利息の支払額1億48百万円及び法人税等の支払額3億22百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、2億53百万円(前年同期は3億14百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億68百万円、無形固定資産の取得による支出45百万円、差入保証金の回収による収入11百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出39百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、13億55百万円(前年同期は10億27百万円の支出)となりました。これは有利子負債の減少10億41百万円、自己株式の取得による支出2億5百万円及び配当金の支払額1億8百万円によるものであります。