文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
《経営理念》
当グループは、『経営品質の向上』を事業活動の中核にすえ、「お客様の意思を尊重し、お客様にとってより品質の高いロジスティクス・サービスを提供する」ことで豊かな社会の実現に貢献してまいります。
「美しく魅力のある会社 サンリツ」の実現を目指します。
《ビジョン》
オペレーションからソリューションへ
(2)目標とする経営指標
当グループは、経営の主たる指標として、売上高営業利益率を用いております。安定的な成長を維持するためには、確固とした収益基盤づくりが不可欠であるとの認識のもとに、2020年3月期の連結営業利益9億50百万円(連結売上高営業利益率5.8%)を目標として掲げ、その達成を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
この先の我が国の経済は、世界経済の回復を受けて輸出の増加が続き、設備投資、個人消費が堅調に推移することが見込まれる一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動が懸念されます。
物流業界におきましては、世界経済の拡大基調が継続する中で、国際貨物は引き続き堅調な荷動きが見込まれ、国内貨物の総輸出量は前年同期比で小幅ながら増加と予想されます。
このような事業環境の中、当グループは、3ヶ年の中期経営計画の推進に向け、引き続き以下の施策を進めることで、ステークホルダーに責任ある経営を推進してまいります。
① 国内事業
梱包事業の優位性が発揮される付加価値の高い製品群である精密機器・医療機器物流にターゲットを絞り、ビジョンに掲げた「オペレーションからソリューションへ」を実行することで、事業の拡大を図ってまいります。
顧客の工場近辺への当社事業拠点の構築や、顧客工場構内への常駐など「密着した」物流を展開してきた「距離感」を更に生かし、全体最適の視野からの提案により、顧客ニーズを引き出すことで受注の拡大に繋げてまいります。
② 海外事業
海外に進出した日系の精密機械メーカーに対し、日本の梱包技術を展開することで貨物の取扱いを増やすとともに、梱包した製品の国際複合一貫輸送についても、顧客のニーズに合わせたニットワークを構築し対応してまいります。
更に、近年取り組み始めた日本から米国への調達物流にも注力してまいります。
また、これら事業の拡大及び中期経営計画の施策の一つに挙げている「ノンアセット型新拠点の開設」においては、特に産業界全体に及ぶ労働力不足への対応が課題と捉えており、以下の対応に重点的に取り組んでまいります。
A.外国人の受け入れ等多様な人材を採用すると共に、物流業務における省力化、自動化を実現してまいります。
B.作業内容の労働負荷度合いを判定し、シニア労働力の積極的活用を図ってまいります。
C.間接部門の効率化を目的とした業務改革を推進し、人材の有効活用に繋げてまいります。
当連結会計年度において、当グループが投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
当グループが事業活動を展開する主要な市場である国及び地域の経済状況、国内外の経済、景気動向、及び顧客企業の輸出需要の動向等が、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの事業内容は、精密機器、工作機械、無線通信機器、医療機器等の梱包事業、運輸事業、倉庫事業であります。当グループは、新規顧客の開拓及びサービス・品質の向上に努め、事業の拡大を図っておりますが、主要顧客の動向が当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、低価格での原材料等の仕入に努め、原価低減を図っておりますが、梱包事業の原価を構成する木材、段ボール、鉄鋼等の原材料価格の変動及び運輸事業の原価を構成する軽油等が原油価格・為替レートの変動の影響を受け、売上原価の上昇を招く可能性があります。
当グループは、中国・米国地域におきまして、連結子会社により梱包事業・国際物流を軸とした事業展開を行なっております。このため、これら地域の政治的・経済的状況や社会情勢の変化及び政府当局が課す法的規制等によって、当グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当グループの連結財務諸表作成にあたっては、各社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの国内物流拠点は、主要顧客の生産施設及び物流状況にあわせ、東京近郊の関東圏に集中しております。また、本社施設も同様であります。従って、大規模地震を含む自然災害等が関東圏に発生した場合、当グループの事業活動に支障をきたすような被害も受けやすく、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、梱包事業、運輸事業、倉庫事業を中心に物流事業者として培ったノウハウに加え、品質活動、安全な輸送、安全教育等を通じて、物流サービスの品質向上に努めております。
しかしながら、物流事故等の発生による社会的信用低下に伴い事業活動の制限が余儀なくされた場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、コンプライアンス経営を最重要事項として認識し、取り組んでおりますが、当グループの事業分野に応じて、倉庫業法や通関業法、貨物自動車運送事業法、医薬品医療機器等法、労働者派遣法等の法的規制を受けております。それらの法的規制の改定が行われた場合や今後の環境問題に係る規制等が改定された場合は、営業活動の一部が制限され、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、多くの顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理に関する管理体制と教育を強化し情報漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、財務管理、資材管理、運輸管理等をシステム管理しております。当グループでは、基幹システムのバックアップを常時実施し、その被害の防御及び被害を最小限に抑えるべく予防策を講じておりますが、災害やコンピュータウィルス等によりシステムがダウン又は破壊された場合、業務に多大な被害を受け、当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループが保有する資産(土地、建物、保有有価証券等)について、経済環境等の動向により、資産価値が著しく変動した場合、当該資産の売却等に伴う実現損益及び固定資産の減損損失等が、当グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度における日本の経済状況は、アジア向けの輸出が持ち直したことに加え、設備投資が増加したことにより緩やかに回復いたしました。世界経済は、緩やかに回復しているものの、引き続き政治・経済・軍事情勢の変化を受けて不透明感が強まりました。
物流業界におきましては、国内貨物は消費関連、生産関連を中心に小幅ながら増加傾向がみられました。国際貨物はアジア向けの輸出入を中心に堅調に推移いたしました。
このような事業環境の中、当グループは、当連結会計年度から3ヵ年の新中期経営計画をスタートさせ、新ビジョン「オペレーションからソリューションへ」のもと、グループ一丸となって取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高166億23百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益8億17百万円(前年同期比30.3%増)、経常利益7億11百万円(前年同期比48.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億59百万円(前年同期比77.7%増)となりました。
この主要因は、外部環境として、IotやAIの進展に伴い取扱う製品群の物量が増加したこと、内部環境として、これまでのオペレーションの実績と長きにわたり構築してきた信頼をもとに、既存顧客より規模の大きな新規案件を受注できたことが、成果として表れたものと考えております。
また、当グループの経営成績等に重要な影響を与える要因として、取扱う製品群(工作機械、医療機器を含む精密機器)の需給バランスが挙げられます。これらの業界の需給には波があり、特に工作機械はシクリカルな動きをすることから、経営成績等に与える影響も大きいと認識しております。当該年度においては、その波が上向き加減であったこともあり、当グループの成績に良い影響を与えました。
なお、セグメント別の業績は以下のとおりであります。
(1)梱包事業部門
国際航空貨物及び制御システム取扱いにおける新規案件が大きく寄与したほか、工作機械の取扱いが国内外共に
好調に推移したことで、売上高及びセグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高120億86百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益12億32百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
当事業は、輸出梱包及びその付帯業務が主軸であり、取扱う製品群の輸出取扱量がキーとなります。当該年度においては、業界の好調が続き、その取り込みに注力したことが収益を押し上げた要因と分析しております。
(2)運輸事業部門
無線通信機器の取扱いが減少したものの、医療機器及び工作機械並びに国際航空貨物の取扱いが増加したことに
より、売上高及びセグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高24億34百万円(前年同期比10.7%増)、セグメント利益73百万円(前年同期比56.5%増)となりました。
当事業は、トラックによる国内輸送が主軸であり、国内貨物の取扱量がキーとなります。当該年度においては、輸出量増加に伴い、工場から空港または港まで輸送する取扱量が増加したこと、また、運輸事業の統合を図り効率を改善したこと等により、収益改善に繋がったものと分析しております。
(3)倉庫事業部門
前期発生したスポット売上がなくなったことに加え、医療機器の取扱いが減少したものの国際航空貨物取扱いにおける新規案件の開始が寄与したことにより、売上高は前年同期とほぼ同水準となりました。利益面につきましては、前期発生したスポット売上がなくなったこと及び新規案件一部計画未達によりセグメント利益は減少となりました。
この結果、当該部門の業績は、売上高18億19百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益3億30百万円(前年同期比11.4%減)となりました。
当事業は、顧客への倉庫賃貸が主軸であり、貨物保管面積の増減がキーとなります。当該年度においては、増加した輸出貨物を一時的に保管する倉庫面積が増えたこと等が売上増に繋がりましたが、中期経営計画に掲げたノンアセット型倉庫5,000坪のうち2,100坪の契約はしたものの、空きスペースも発生したことから、利益への寄与はできなかったものと分析しております。
(4)賃貸ビル事業部門
フリーレント期間が終了したことにより、売上高及びセグメント利益ともに増加いたしました。
この結果、当該部門の業績は、売上高2億82百万円(前年同期比8.0%増)、セグメント利益1億6百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
当事業は、所有するビルの事務所および共同住宅の賃貸が主軸であり、入居するテナント付けがキーとなります。当該年度においては、全フロア入居の状態を維持できたことが収益に寄与したものと分析しております。
また、当グループは、経営の主たる指標として、売上高営業利益率を用いております。安定的な成長を維持するためには、確固とした収益基盤づくりが不可欠であるとの認識のもとに、2020年3月期の連結営業利益9億50百万円(連結売上高営業利益率5.8%)を目標として掲げ、その達成を目指しております。
当連結会計年度における売上高営業利益率は4.9%(前年同期比0.6ポイント改善)であり、売上高増加に対し、
販売費及び一般管理費の増加を抑制できたことが改善に繋がりました。引き続き当該指標の向上に注力してまいります。
(2)生産、受注及び販売の状況
当グループは顧客先の製品、商品等の梱包、運輸、保管業務を行っており、生産は行っておりません。
当グループは顧客の物流部門の一部を担当しております。
業界の特殊性及び主に顧客先の工場構内での梱包作業を行っているため、当日受注(指示)当日出荷が大部分であり
ます。
その受注金額は下表のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
|
梱包事業 |
12,092,795 |
116.6 |
31,077 |
112.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (千円) |
前年同期比(%) |
|
梱包事業 |
12,086,245 |
116.6 |
|
運輸事業 |
2,434,984 |
110.7 |
|
倉庫事業 |
1,819,988 |
101.0 |
|
賃貸ビル事業 |
282,648 |
108.0 |
|
合計 |
16,623,867 |
113.7 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引は相殺消去しております。
3 総売上高に対する売上実績の10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
当連結会計年度末の財政状況は、総資産195億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億30百万円の増加となりました。主な内容は、以下のとおりであります。
流動資産につきましては、58億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億95百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加2億33百万円、受取手形及び売掛金の増加6億41百万円,原材料及び貯蔵品の増加32百万円及び繰延税金資産の増加47百万円よるものであります。
固定資産につきましては、136億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億65百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産において、建物及び構築物の減少3億65百万円、リース資産の減少1億37百万円及び建設仮勘定の増加2億26百万円、無形固定資産においてソフトウェアの減少29百万円、投資等において、投資有価証券の増加1億55百万円、繰延税金資産の減少62百万円及びその他の減少44百万円によるものであります。
流動負債につきましては、44億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億89百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加1億87百万円、短期借入金の増加1億9百万円、未払法人税等の増加2億31百万円、賞与引当金の増加1億9百万円及びその他流動負債の増加1億28百万円によるものであります。
固定負債につきましては、74億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億69百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少3億75百万円、リース債務の減少1億80百万円及び金利スワップの減少41百万円によるものであります。
純資産につきましては、76億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億10百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加3億70百万円、その他有価証券評価差額金の増加82百万円及び繰延ヘッジ損益の増加28百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の37.4%から38.5%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2億33百万円増加し、当連結会計年度末には16億58百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、11億52百万円(前年同期は6億69百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益7億12百万円、減価償却費6億91百万円、賞与引当金の増加1億9百万円、売上債権の増加6億43百万円、仕入債務の増加1億91百万円、利息の支払額1億24百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、3億13百万円(前年同期は2億53百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億6百万円、差入保証金の差入による支出77百万円、差入保証金の回収による収入1億20百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、6億5百万円(前年同期は13億55百万円の支出)となりました。これは有利子負債の減少5億15百万円、配当金の支払額89百万円によるものであります。
当グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。設備投資などの長期資金につきましては、資金需要が発生した時点で、株主資本はもとより、金融機関からの長期借入やシンジケート・ローンなど、種々の調達方法を検討し対応してまいります。運転資金需要につきましては、営業活動から得られるキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入等により賄っております。
また、当連結会計年度末の流動比率は、連結ベースで130.5%となっており、財務健全性を維持しております。
当面の財務戦略としては、2012年12月に京浜事業所を増床・新築した際の大型シンジケート・ローンで調達した借入の収益返済に重点をおいておりますが、省力化、効率化のためのIT投資も積極的に行っております。今後の資金調達については、事業拡大の機会、当グループの営業活動から得られるキャッシュ・フロー、資産の内容、経済情勢、金融環境などを考慮し、安定的な資金調達をしていきたいと考えております。
該当事項はありません。
当グループにおける研究開発活動は当社が中核となり、主力事業である梱包事業において基本設計から使用管理技術、包装開発品の生産に至るまでの研究開発を行っております。
当連結会計年度における当グループが支出した研究開発費の総額は55百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当グループの研究開発は、包装開発担当部門を主体として行っております。
創業以来、安全、確実で効果的な梱包サービスを積極的に提供することで顧客の信頼確保を図り、業績向上へ繋げることを目的として活動を行っております。
梱包事業では、その取扱製品が多岐に渡るため、様々な包装技術、技法及び材料を採用しております。そのため、研究開発にあたっては、顧客の多様なニーズ及び地球環境保護問題に対応した包装技術・技法の改善、向上が不可欠と考え、常に新包装技術の開発を目指しております。
その結果、顧客の求める作業の効率性や地球環境保護問題対応等、省資源ニーズを的確に判断、吸収し、顧客に満足される包装設計を行い、包装材料の標準化、包装仕様の改善及び梱包コスト削減等の提案を行っております。