第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策を背景として雇用および所得環境は緩やかな回復基調で推移しました。期初は円高進行などによる企業収益への影響や個人消費の低迷により回復ペースが鈍化しましたが、年度後半は円安や株高等もあり、生産・消費に持ち直しの動きが見られました。
 海外経済においては、米国では新政権の政策不透明感があったものの、雇用環境や個人消費を中心に回復基調で推移しました。欧州では英国の欧州連合(EU)離脱問題に起因する政治・経済への影響は限定的なもので、アジアにおいても中国の景気は緩やかに減速したものの、持ち直しの動きも見られました。
 かかる環境下、物流業界におきましては、米国や欧州からの輸入に持ち直しの動きが見られました。またアジアからの輸入はおおむね横ばいで推移しました。
 輸出に関しては全般的に持ち直しました。
 その中で当社取扱いの主要部分を占める食品の輸入は、畜産物は鶏肉・豚肉を中心に増加、水産物はさけを中心に減少、果実・野菜等については増加となりました。
 また、鋼材の国内物流取扱いにおいては堅調に推移しました。
 このような状況の中、当企業集団は「『ありがとう』にありがとう」のコーポレートフィロソフィーの下で、第5次中期経営計画「新たな成長に向けて」の最終年度を迎え、その各施策一つひとつに取り組むとともに積極的な受注活動を展開してまいりました。
 その結果、同中期経営計画最終年度となる当連結会計年度における営業収益は前年同期間比1.3%増の19,557,874千円、経常利益は前年同期間比2.0%増の772,146千円となったものの親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期間比0.3%減の518,279千円となりました。
 なお当連結会計年度を最終年度とする3ヵ年にわたる第5次中期経営計画につきましては、営業利益および経常利益において計画目標を毎期達成することができました。

 

また、掲げました5つの施策についての主な成果は以下のとおりです。
① 物流サプライチェーンの強化
・ 既存協力会社との関係強化および新規協力会社の確保・維持を実現
・ コンテナ運送事業者の関連会社化(丸田運輸倉庫:平成27年10月)
・ 配送中継施設(シャーシプール)の活用による円滑な配送体制を構築
② 派生業務参入
・ 三木インランドデポを竣工・稼働(平成26年12月)し、輸送サービス強化を実現
・ 三木インランドデポを活用したラウンドユースの取り組みに着手
③ 業務改善・効率化・生産性向上
・ 各種業務システムを強化し、適切で的確な情報連携・進捗管理を実現
・ 業務処理手順の見直しにより総労働時間、1人あたり平均労働時間を削減
・ 売上高付加価値率、労働生産性を向上し、労働分配率の低下を実現 
④  働きがいのある職場づくり
・ 社員意識調査や組織サーベイなどのアンケートを実施し、組織活性化に努めた
・ 業績に連動した社員還元を実施し、社員のモチベーション維持に努めた
・ 連携する部署間での問題解決力、情報共有力が向上する組織風土を醸成
⑤  人財への育成・専門性の向上
・ 通関士試験合格者の増加に努めた
   通関士資格取得者増加率 前中期経営計画期末比 33%増(前中計同比 23%増)
・ 通関申告の誤謬率低下を実現
・ 経営幹部層や中間管理職層の教育を重点に外部研修参加や集合研修などを実施

 

 

 セグメント別の営業状況は、次のとおりであります。
 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期間比較については、前年同期間の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
 

[輸出入貨物取扱事業]
 輸出入貨物取扱事業は、営業収益は前年同期間比1.4%増の16,930,617千円となり、セグメント利益は前年同期間比1.9%増の1,382,860千円となりました。
 
[鉄鋼物流事業]
鉄鋼物流事業は、営業収益は前年同期間比2.6%増の1,471,404千円となり、セグメント利益は前年同期間比333.5%増の45,123千円となりました。
 
[その他事業]
 その他事業は、営業収益は前年同期間比1.2%減の1,155,852千円となり、セグメント利益は前年同期間比24.4%減の136,313千円となりました。
 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は投資活動により284,621千円、財務活動により132,974千円減少した一方で、営業活動により466,042千円増加したことから、前連結会計年度末に比較し45,970千円増加し、当連結会計年度末には、1,430,599千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動において増加した資金は466,042千円となりました。
 これは売上債権の増加額259,217千円、法人税等の支払額269,094千円があった一方で、税金等調整前当期純利益780,917千円、減価償却費161,264千円、仕入債務の増加額122,852千円があったことによるものであります。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動において減少した資金は284,621千円となりました。
 これは保険積立金の積立による支出85,044千円、無形固定資産の取得による支出130,762千円、投資有価証券の取得による支出85,908千円があったことによるものであります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動において減少した資金は132,974千円となりました。
 これは配当金の支払額71,060千円があったことによるものであります。
 

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント別営業収益

セグメントの名称

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

増減

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

増減比(%)

輸出入貨物取扱事業

16,701,028

86.5

16,930,617

86.6

229,588

1.4

鉄鋼物流事業

1,434,387

7.4

1,471,404

7.5

37,016

2.6

その他事業

1,169,499

6.1

1,155,852

5.9

△13,646

△1.2

合計

19,304,916

100.0

19,557,874

100.0

252,958

1.3

 

 (注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 輸出入貨物取扱事業における取扱品目別売上高 

取扱品目

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

増減

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

増減比(%)

畜産物

6,795,710

40.7

7,204,622

42.5

408,912

6.0

水産物

3,092,172

18.5

2,911,829

17.2

△180,342

△5.8

農産物

2,237,116

13.4

2,318,212

13.7

81,095

3.6

その他

4,576,030

27.4

4,495,953

26.6

△80,076

△1.7

合計

16,701,028

100.0

16,930,617

100.0

229,588

1.4

 

 

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団が判断したものであります。
 

当企業集団は平成30年3月期を初年度とした3ヵ年の「第6次中期経営計画」変化による進化~Diversification~を策定し、その中期経営計画に則り、計画最終年度の営業収益20,500,000千円、経常利益800,000千円の達成を目指します。
 また、以下の諸施策を着実に実現し、更なる発展に努めてまいります。

 

[第6次中期経営計画の骨子]
 当社のコーポレートフィロソフィーは「『ありがとう』にありがとう」です。
わたしたちはお客様からの「ありがとう」を目指します。
 
(1) 営業力強化
    新たな営業体制により、個(営業担当者)の力と組織力を高め、収益向上を図る
 
(2) 生産性向上
    業務・組織の再配置、人財育成、IT活用による効率化・省力化を図る
 
(3) 事業拡大
    グループ全体で付加価値・新規事業を創出し、事業の拡大を図る

 

 

4 【事業等のリスク】

当企業集団の事業活動等に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりです。
 また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、適時に開示しております。なお、本項には、将来に関する重要事項が含まれておりますが、当該事項は現時点において判断したものであります。
①景気・市場の動向の影響
 当企業集団は港湾運送において食品、鉄鋼・非鉄、化学工業品、機械、日用雑貨等の取扱いを行っておりますが、景気・市場の動向により取扱量が変動し、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。
②食品の輸入停止措置・消費動向の影響
 当企業集団が主力とする食品の輸入貨物の取扱いについては、食品の安全性を確保する見地から関係当局による輸入停止措置がとられることがあり、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入停止措置の如何にかかわらず消費動向によって輸入量が抑制され、それが業績に影響を及ぼす可能性があります。
③原油価格高騰の影響
 当企業集団では原油価格の高騰による燃料油価格の上昇は、取扱貨物の輸送コスト増に繋がる恐れがあります。輸送コストの削減に努めますが、コスト増を吸収できず業績に影響を及ぼす可能性があります。
④取引先などについて
 当企業集団の取引先については十分な審査のうえ取引を行っており、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定債権については個別に回収可能性を勘案し、貸倒引当金を計上しておりますが、取引先企業の倒産・担保価値の下落・その他予期せざる理由により計上時点の貸倒引当金が不足となり、増額せざるを得なくなる可能性があります。
⑤自然災害、事故災害等について
 当企業集団が拠点とする京浜港、阪神港などにおいて、地震、台風、津波その他の自然災害や、火災等の事故災害が発生した場合、それらが業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥停電等について
 当企業集団は、本社においては電源系統を本線・予備線も含めた2回線受電方式および自家発電装置を備えております。
 また各拠点においても停電事故に対する基本的な対策を講じてはおりますが、意図しない大規模停電や電気事業法に基づく計画停電が長期化した場合、業務に支障を来たし、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦地震等について
 当企業集団は、本社においては執務スペースが制震構造となっており、更にシステム室を免震構造にしております。各種サーバー類に関しては一部データセンターを利用しており、自社にあるサーバーに関しては定期的にバックアップデータを他拠点へ送付するようにしてリスク分散を図っております。
 また各拠点を含めて全社に防災グッズを配備することにより、基本的に3日間分の従業員用の食料を確保し、海抜の低い拠点には救命胴衣を配備する事により、緊急措置を図っておりますが、地震等の被害状況によっては業務が出来ず、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧訴訟について
 当企業集団は、法令遵守の徹底に努め、コンプライアンス・リスク管理体制の強化を図っております。
 また、社内の「法令遵守規定」において社会・政治との適正な関係を保つため「反社会的勢力並びに反社会的勢力と関係ある取引先とは取引を行わず、不当な要求に屈しない」旨を規定しており、実際に取引先と取引を行う際は基本的に「反社会的勢力排除に関する覚書」を交わすようにしておりますが、今後の事業活動を遂行するうえで、当社グループの法令違反または過失等の有無にかかわらず、訴訟を提起された場合、その結果によっては業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨株価下落による影響について
 当企業集団は、市場性のある株式及び市場性のない株式を保有しております。
  市場性のある株式については、大幅な株価下落が生じた場合、減損または評価損が発生し、市場性のない株式については、発行会社の実質価額が著しく下落した場合に減損が発生するため、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたっては決算日における資産・負債の数値、収益・費用の数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産及び法人税等調整額等であり、継続的な評価を行っております。
 なお、見積りによる評価については、実績や状況に基づき合理的に評価しておりますが実際の数値は異なる評価となる可能性があります。

 

(2) 財政状態の分析

(資   産)
  当連結会計年度末における総資産は10,983,449千円となり、前連結会計年度に比べ491,289千円増加いたしました。受取手形及び営業未収入金260,249千円、ソフトウェア仮勘定107,000千円、投資有価証券110,092千円の増加が総資産増加の主な要因であります。
 
(負   債)
  当連結会計年度末における負債は5,940,723千円となり、前連結会計年度に比べ20,171千円減少いたしました。支払手形及び営業未払金が122,852千円増加しておりますが、一方、短期および長期借入金が29,515千円、未払消費税等が49,630千円、退職給付に係る負債が62,204千円それぞれ減少しており、それらが負債減少の主な要因であります。
 
(純 資 産)
  当連結会計年度末における純資産は5,042,726千円となり、前連結会計年度に比べ511,461千円増加いたしました。利益剰余金447,097千円、その他有価証券評価差額金33,394千円、退職給付に係る調整累計額37,184千円の増加が純資産増加の主な要因であります。
 
 

 

 

(3) 経営成績の分析

<営業収益及び事業別の概要>

第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績を参照下さい。
 

<営業原価・販売費及び一般管理費>
 営業原価は営業収益の増加に伴い、前連結会計年度より131,373千円増の15,230,264千円となりました。
 販売費及び一般管理費については前連結会計年度より108,999千円増の3,545,161千円となりました。主な要因は退職給付費用において金利低下による期待運用収益の減少、IT環境整備に伴う賃借料の増加等によるものであります。
 

<営業外収益・営業外費用>
 営業外収益については前連結会計年度より13,723千円増の57,119千円となりました。
 主な要因は複合金融商品評価益13,045千円の計上によるものであります。
 営業外費用については前連結会計年度より11,460千円増の67,422千円となりました。
 主な増加要因は、前連結会計年度の複合金融商品評価損19,855千円の計上が減少要因となっているものの、当連結会計年度に長期貸付金に対する貸倒引当金繰入額30,000千円を計上したことによるものであります。
 

<特別利益・特別損失>
 特別利益については前連結会計年度より80,813千円減の9,522千円となりました。
 主な要因は、前連結会計年度に補助金収入25,000千円計上したこと、投資有価証券売却益が55,813千円減少したことによるものであります。
 特別損失については前連結会計年度より11,730千円減の752千円となりました。主な要因は、前連結会計年度に投資有価証券評価損11,811千円を計上したことによるものであります。
 

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況を参照下さい。