第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 「安全・健康・品質・コンプライアンスの徹底は、企業存続の生命線」との前提条件のもと、経営理念「会社はお客様のためにあり 社員とともに会社は栄える」を基盤として、全ての従業員が参画するOne Team経営をテーマに、「もっといい会社・もっといい現場」を目指し、お客様のお困りごとやニーズにお応えすることにより、更なる価値創造を実現します。

 

(2)経営環境及び中長期的な経営戦略等

 世界的な物価上昇や中国経済の減速懸念、米国新政権による関税政策の世界経済への影響等の地政学リスクは更に高まり、国内外ともに先行き不透明な状況が続くと予想されます。このような経営環境の中で当社は、2027年3月期を最終年度とする「中期経営計画2026」の達成に向けて、キムラの強みの実践と発信(キムラブランドの確立)を推進する上での最重要課題である「人財の採用・定着と育成」について、会社方針の重点実施事項に落とし込み、具体的な活動を進めてまいります。

 経営戦略等は以下のとおりです。

 

① 事業戦略・DX戦略

物流サービス事業×情報サービス事業

モビリティサービス事業×情報サービス事業

・物流品質のバラツキを無くし、効率的な事業運営を行っていくための「エリア戦略の推進強化」

・「現場+ITによる拡販戦略」で最適なソリューションを提供

・2024年問題に対するトラックの稼働率向上に向けた取り組み等の「新たな価値創造」

・「豊田通商様との連携強化」を図り、更なる海外進出の検討

・お客様の第二の総務として、「KIBACOを軸としたビジネスの拡大」

・お客様と整備工場、両方のメリットを追求する「唯一無二のカーメンテ」

・車両架装事業をはじめとする「新たな価値創造」

 

② 財務戦略

企業価値向上に向けた取り組み

キャッシュアロケーション

株主還元

・本業での成長に加え資本コストを意識した経営に取り組むことで、更なるPBR向上を目指すとともに、収益性向上と最適な資本構成の追求で、ROE12%以上を目指す

・成長投資と株主還元を戦略的に配分し、事業の成長と資本収益性の向上を図る

・還元方針に則り、配当性向40%を目安に、財務基盤を維持しつつ、還元向上を図る

 

③ ESG戦略

Environment(地球環境のために)

Social(人的資本の拡充)

Governance(ガバナンスの向上)

・環境に配慮した物流資材の開発・提供や車両整備等、事業活動を通じたサービスの提供により、CO₂削減や資源循環等の環境保全に取り組み、企業の責任として、地球温暖化等の環境課題の解決に取り組む

・経営理念を共有した共に働くすべての人々に、成長できる環境、挑戦できる環境の下で、「全員参画によるOne Team経営」を推進することにより、働きがいに満ちた職場づくりに取り組む

・コンプライアンスの徹底やリスクマネジメント活動の推進強化により、リスクの回避・抑制や不祥事の未然防止等に取り組み、開かれた透明性の高い経営を継続することで、ステークホルダーのベストパートナーであり続ける

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、1株当たり当期純利益、ROE(自己資本利益率)であります。具体的な目標値としては、ROE(自己資本利益率)12.0%以上を目指し取り組みを推進しております。なお、ROE(自己資本利益率)につきましては、当社が属している「運輸に付帯するサービス」の業種平均値等を参考に設定しております。

 

 

2025年3月期実績

2027年3月期中期計画

売上高

61,129百万円

70,000百万円

営業利益

4,603百万円

5,300百万円

経常利益

5,117百万円

5,800百万円

親会社株主に帰属する当期純利益

3,300百万円

3,800百万円

1株当たり当期純利益

77.49円

87.90円

ROE(自己資本利益率)

8.47%

12.00%

(注)当社は2025年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 中期経営計画2026の達成に向けて、エリアを軸とした事業部へと組織変更し、引き続き、「全員参画によるOne Team経営」を推進し、人に寄り添い、プラス思考で主体性とスピード感を持った企業風土づくりへの取り組みを進めて参ります。

 

<重点実施事項>

1.人的リソースの確保

 中期経営計画の達成・増収増益の継続に向けた成長にはヒトは不可欠な経営資源であり、目指す姿としては、お客様・従業員・会社の持続的な繁栄を継続することであると認識しております。

 当社の現状として、従業員の高齢化、新卒採用の不足等、労働力の確保に課題を抱えております。この課題解決に向けて、個々ではなく全社の問題として、関係部署が連携して方策に取り組んでまいります。

2.“無から有を生む”人財の育成(未来へのビジョンを持つ者が、挑戦できる仕組みを構築)

 男女を問わず、やりたいことへのビジョンを持ち、それを実現しようとする強い意志を持つ人財を発掘し、そのビジョンを実現する為の手段として成長できる機会を与えサポートする環境が必要と考えております。変化を生み出す次世代人財を早期育成できる仕組みの構築に向けて取り組んでまいります。

3.経営職制度の導入による柔軟な人財配置の実現

 従来の執行役員制度を廃止し、新たに経営職制度を新設することにより、役職に関係なく、情熱を持って、会社の将来を見据えた行動ができる人財を登用するための人事制度へ変革します。

4.「一流の仕事は細部に宿る」一流のアウトプットで勝負

 お客様に弊社の価値を正しくご認識いただくことで、初めてその価値に見合う対価をいただくことができます。一流の仕事を更に研ぎ澄ますことで、お客様との信頼関係を築き、また新たな仕事を生み出してまいります。

 

 なお、各事業別には以下のとおりです。

①物流サービス事業

今後、物流サービス事業が成長するうえで最も重要なのは、事業の強みを理解・実践できる人財の育成と、重要な経営資源である人財の採用と定着であると考えております。人財育成につきましては、若手リーダーの育成が最も重要であり、変化を生み出す次世代人財を早期育成できる仕組みを構築してまいります。採用につきましては、若手を中心とした新たな採用活動への取り組みを進めてまいります。定着率の向上では、職制による作業者一人ひとりへの寄り添い活動、さらには職場環境の改善等を図ってまいります。

また、事業の更なる成長のためには、これまで進めてまいりました「物流サービス+IT」を更に進化させ、高レベルな物流で他社との差別化を図るとともに、顧客提案力の強化を図り、既存のお客様との新たな関係構築、新規顧客の開拓を進めてまいります。

一方、現場運営におきましては、作業者の困り事に対してITを活用した改善、生産管理機能の強化による物量変動への対応(少人化)を推進してまいります。

さらに、物流企業として2024年問題への対応、SDGsへの取り組み、自動化の研究・導入やDXの展開を進め、将来にわたりお客様からも従業員からも選ばれる企業となるよう、活動を進めてまいります。

 

②モビリティサービス事業

車に対する意識や使い方が大きく変わり、自動車ビジネスは大きな変革期を迎えています。昭和33年からお客様の困りごとを解決する理念で始まった車両整備や保険・交通事故削減・車両リース・車両販売・車両管理BPOなどの各種サービスは、今後もお客様のニーズに合わせて変化をしながら「安心・安全」をベースに新しい価値を提供してまいります。事業戦略としては自社整備工場周辺の法人・個人のお客様への「エリア戦略」と、全国に展開する大口法人顧客への「フリート戦略」になります。「エリア戦略」では、お客様それぞれのお困り事やニーズに「徹底的に寄添いワンストップで解決する体制」でお客様の快適なモビリティライフを実現し、既存の事業領域における収益基盤の強化を図ってまいります。

また、「フリート戦略」では、独自開発のクラウド型車両管理システム「KIBACO」を活用した新たなサービスを提供いたします。お客様の「車両・人・組織・行動」のデータを繋げ、今までにない最適な車両管理体制を構築し、お客様の安心・安全・コスト削減を実現しながら新しい事業領域で収益拡大を図ってまいります。

 

③情報サービス事業

「物流+IT」の融合によるソリューション展開を継続的に推進しております。昨年度に引き続き、物流部門と情報部門の連携を一層強化し、既存サービスの高度化と新規市場の開拓に注力してまいります。特に既存のお取引先様との関係については、信頼関係の深化と付加価値の高いサービス提供に努めることで、継続的な満足度向上と当社のポジション強化を図ってまいります。

また、Microsoft365の全社導入が完了したことを契機に、事務業務を含む全社的なDX化を本格的に推進しております。これにより、業務の効率化および柔軟な働き方の実現を通じて、生産性の向上と魅力ある企業への進化を目指してまいります。

加えて、サイバーセキュリティにおいては、情報資産の保護を最重要課題の一つと位置づけ、監視体制の強化、対応能力の高度化を図っております。情報の機密性・完全性・可用性を確保し、日々進化するリスクに対応可能な体制の構築に努めております。

さらに、将来を見据えたIT基盤の強化として、基幹システムの老朽化への対応にも着手いたしました。業務運営の安定性、柔軟性を確保すべく、システム刷新に向けた検討および準備を進め、持続的な企業成長を支える体制を構築してまいります。

 

④人材サービス事業

物流サービス事業と人材サービス事業の連携による相乗効果を通じて、人財を活かしたお客様への価値提供と地域貢献に取り組んでまいります。定着にこだわった採用活動を強化するため、国内子会社ビジネスピープル株式会社との連携を強化してエリア軸でタイムリーかつスピーディーな人財戦略を展開してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、以前よりCSR活動を推進する中で、SDGsに取り組むことの必要性を強く認識し、『持続可能な開発目標(SDGs)の視点を踏まえたCSR活動で、これからも社会・地球の持続可能な発展に貢献する』ことを宣言し、2018年度より重点課題を定め、その課題解決に向けた取り組みを進めてまいりました。当社グループが有する強みやリソースからどんな社会課題に向き合い、どんな価値を提供していくことができるのかについて議論し、併せて国際的な社会課題を網羅しているSDGs169のターゲットを軸として、CSRやESGに関するガイドライン(GRIスタンダード、ISO26000など)などを基に、社会やステークホルダーにとって重要な課題も踏まえた上で、優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として整理しております。

 

 (経営理念)

 会社はお客様のためにあり 社員とともに会社は栄える

 

 (パーパス)

 人を大切にし、人と人のつながりで社会課題を解決し、「夢・豊かさ・安心」な社会を実現する

 

 (マテリアリティ)

社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題

会社の成長を支える土台となる最重要課題

お客様価値

環境

交通安全

働きがい

組織統治

安全・健康

お客様の成功が私たちの成長

地球環境のお困りごと解決への貢献

交通事故という言葉をなくす

どんな人材も輝く人財に

公正で健全な企業活動

安全で健康な職場づくり

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティに関する重点課題の解決に向けた取り組みを積極的かつ自主的に推進していくため、サステナビリティ委員会を開催し、サステナビリティに関わる戦略や方針の達成に向けて、向き合うべき新たな社会課題なども含めて検討し、その内容や対応状況について適宜取締役会に報告しています。

 委員会の推進体制といたしましては、代表取締役社長を全社推進委員長、管理本部を担当する取締役副社長を全社推進責任者、各事業の担当取締役を推進委員長とし、各推進委員長がワーキンググループリーダーを任命しています。推進委員長とグループリーダーが協議のうえ、取り組むべき重点課題を特定するとともに、ワーキンググループのメンバー構成を決定し、全社横断的な活動として推進しております。

 尚、気候変動に関する対応につきましても、サステナビリティ委員会の中で検討を重ね、当社グループの事業活動を通じた環境課題への取り組みとして、統制・推進しております。

 

 

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(2)戦略

 企業価値の創造を通じて取り組むサステナビリティ全般の考え方や方向性を受けて、当社グループは重要課題(マテリアリティ)に基づく、成長戦略やDX戦略、中期経営計画や方針、及びそれらの実行計画について議論し実践していくことで、ステークホルダーの皆様のご要望やご期待にもお応えすることが出来ると考えております。

 

(環境に対する基本的な考え方)

 当社グループは、次世代に地球環境をより良い状態で引き継ぐために「環境方針」を定め、当方針のもとで推進体制を構築し、社会の一員として環境保全に全社をあげて取り組むとともに、それを妨げる事象の未然防止に努めております。

 事業活動や提供するサービス・製品・商品が地球全体の環境に負荷を与えないようCO₂削減や資源循環などの環境保全に取り組み、企業と社会・地球環境が調和的に存続する環境経営に全力で取り組んでまいります。

 

(環境方針)

環境方針

 

キムラユニティーグループは、環境方針を定め地球環境の保全に配慮し、事業活動を通じてその実現に取り組みます。

 

1.当社グループの事業が地球環境に深く関連していることを認識し、グループをあげて環境保全活動を推進する。

2.環境関連法規制及び当社グループが同意するその他の要求事項を遵守するとともに、環境汚染の防止に努める。

3.事業活動にかかわる環境影響を的確に把握し、環境目的・目標を定め、改善活動を行うとともに持続的な環境改善に取り組む。

4.環境に関する教育を実施し、環境対応への意識向上を図る。

 

<気候変動に関するリスクと対応(カーボンニュートラルへの挑戦)>

 当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理的リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するべく、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、当社グループ各部門の事業活動を通じた環境課題への対応を統制・推進しております。気候変動の緩和に向け、環境性能が高い設備への切替えの推進、再生可能エネルギー使用の促進や運用時における省エネ啓蒙、既存物件の改修による環境性能の向上等による「省エネ」に注力し、脱炭素への取り組みを推進しております。

 当社は「2050年までにCO₂排出量ゼロ化」の実現を目指し、これまで培ってきた各事業活動に加え、次世代自動車を見据えた新工法や製品・サービスの開発力を活かし、2050年度までの活動目標を実行計画に落とし込んで活動しております。更に中間の2030年度目標として、CO₂排出量を2018年度比で50%削減することを目標に掲げ、段階的かつ具体的なCO₂削減を進めてまいります。

 

(循環型社会の実現に向けて)

 限りある資源を有効に利用し循環型社会を実現するために、包装材の廃止・スリム化、環境負荷の低い素材の使用、製品材料の使用量低減、徹底的な分別による廃棄物の低減、リサイクルやリユースしやすい製品設計など、資源の有効利用に取り組んでおります。

 

(化学物質管理や環境に関連する法令遵守の徹底)

 製品含有化学物質の管理を強化するため、国内外の製品含有化学物質を対象とする管理手順を定めた「製品含有化学物質管理手順書」を制定し、当社ならびに関係お取引先様における化学物質管理の強化を図り、国内外の関係法令、関係業界基準および顧客要求事項に基づく禁止物質の不使用の徹底に取り組んでおります。

 

<当社グループにおける人財の多様性確保及び人財育成に関する方針>

(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに対する基本的な考え方)

 当社グループは、国籍・性別・年齢・ハンディキャップ・経験や経歴・ライフステージ等にかかわらず、従業員一人ひとりの個性を多様性として生かし、成長しつづけることのできる風土の醸成や仕組みの充実を推進してまいります。また、管理職等の中核人財の登用については、個人の能力や成果を公平・公正に評価し、女性や中途採用社員に関係なく登用しており、海外子会社の幹部においてもローカル社員など、多様なバックグラウンドの人財が活躍できる環境づくりを進めています。

 今後も更に多様性の尊重を促進するとともに、本音で議論できる風通しの良い職場づくりと多様な価値観を受け入れる風土を整え、従業員一人ひとりが意欲的にチャレンジでき、また充実した人生を送ることができるように、ダイバーシティマネジメントに積極的に取り組んでまいります。

 

(女性社員の働きやすさ向上にむけて)

 育児・介護をサポートする環境づくりなどの取り組みをご評価いただき、愛知県からは「あいち女性輝きカンパニー」として、また名古屋市からは「女性の活躍推進企業」、厚生労働大臣から「えるぼし」の認証をいただきました。これからも、女性社員の働きやすさ向上への取り組みを継続的に進めると共に、定着と活躍の拡大を図ってまいります。

 

(女性活躍推進法に基づく行動計画)

 男女ともに全社員が活躍できる雇用環境を整備するための施策(3年間の行動計画)を厚生労働省に提出し、具体的な制度化と運用に向けて、継続して取り組んでおります。

     ・女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供(非正規社員から正社員、エリア正社員への登用)

     ・職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備(育児短時間勤務制度の取得率向上)

 

(次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画)

 社員が仕事と子育てを両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、全ての社員がその能力を十分に発揮できるようにするための施策(3年間の行動計画)を厚生労働省に提出し、具体的な制度化と運用に向けて、継続して取り組んでおります。

・育児短時間勤務制度の拡充等、両立支援制度の整備

・男性社員の積極的な子育て支援を目的とした、休暇制度の整備

 

(人財育成に対する基本的な考え方)

 当社グループは、人的資本の拡充を経営基盤の重要な課題の一つとして捉え、成長戦略を支える人財育成に注力しております。また、社員一人ひとりが達成感を得ながら、グローバルに通用するコア人財やプロフェッショナルな人財などへの、さまざまな成長の機会を提供しております。

 更に、リーダー育成研修や自己参加型研修など教育プログラムの充実や、自己啓発学習補助制度の実施などを通じて、更なる飛躍の源泉となりうる戦略的な人財育成を行っております。

 

(教育、研修体制の充実)

 社員一人ひとりが達成感を得ながら、グローバルに通用するコア人財・プロフェッショナルな人財へと育成するため、階層ごとに体系立てた教育研修制度の充実を図っております。また、業務やキャリアなどに応じて自己啓発を目的にさまざまな通信教育講座を用意し、展開しております。

 

(個々のスキルに応じた教育研修の実施)

 人財育成の目的は、「社員が職務を遂行する上で必要な知識・技能を習得し、自らの能力を向上させ、顧客および社員の各々のニーズを充足させること」としております。

  ※教育研修は以下の方針に基づいて行っております

(1) 厳しい競争時代に打ち勝つことができる、人財を育成する

(2) 教育体系にもとづいて教育研修を、計画的・継続的に実施する

(3) “自ら学ぶ” “学び合う”  職場への企業風土の変革を図り、組織の活性化につなげる

(4) 社員の働きがいや、キャリア形成を支援する

(5) 他の人事制度と密接に連動させ、展開する

 

(3)リスク管理

 激変する経営環境の中で、企業(グループ)価値、株主価値及び顧客価値を最大化する為には、取り巻く環境を適時適切に認識し、様々なリスクに対して的確に対応することが重要と考えております。

 当社グループでは、業態の改革、海外を含む新たな拠点の設置、大型の設備投資、他社とのアライアンスなど、経営上重要な意思決定に関するリスクに対して、関係部門でのリスク分析及び対策検討を行うと共に、必要に応じて外部の関係機関より助言等も受けております。また、品質クレームや職場災害などの事業遂行に関するリスクについては、専任部署及び各部門のスタッフが日常におけるリスク管理に取り組んでおります。

 

(BCP(事業継続計画)への取り組み)

 大規模地震や津波等の自然災害や事故などにより、当社の施設あるいはお客様や取引先様の拠点が被災して事業活動が困難な状況にあっても、商品の供給・サービスの提供に向けて早期の復旧を図り、全てのステークホルダーの利益を守っていくことを目的として、全事業部のBCP(事業継続計画)行動計画書を策定いたしました。

 策定したBCPの初期対応についての有効性を検証するためのBCP机上訓練の実施や、明確化された改善点の対応を進めると共に、活動の定着とレベルアップを図る為に「震災対応マニュアル」(各種手順書を含む)などの全面的な見直しと全社展開を実施しております。

 

(リスク管理体制の確保のために)

 「リスク管理規程」により、リスク管理委員会を定期的に開催し、各事業または部門毎にリスクの調査、評価、対策の策定及び対策状況の確認等を実施し、リスクの把握及び管理を行っております。また、安否確認訓練、避難訓練や衛星携帯電話などを用いた通信訓練等のBCPに関する訓練も継続的に実施しております。

 昨今のサイバーセキュリティー事件の発生状況に鑑み、社内ルールの整備、社員の啓蒙、各種防御システムの整備等、セキュリティー強化のための対策をこれまで以上に強力に推進してまいります。

 

(交通安全に向けた基本的な考え方)

 「車社会に、夢・豊かさ・安心」をスローガンに掲げる当社グループは、1967年(昭和42年)に交通事故削減に特化した事業組織による交通安全・防災サービスを開始し、以来継続的にお客様や地域の安全・安心な車社会に貢献する活動に積極的に取り組んでいます。

 「お客様へのお役立ち」「地域社会への貢献」「環境への配慮」などに繋がる商品・サービスをご提供する中で、常にお客様の身近に寄り添い、車両リース、車両整備、保険代理店などの様々な立場での事業展開を推し進め、お客様の業務運営や自社整備工場を中心とした現場運営によって培ったノウハウから、お客様視点・プロ視点の両視点で展開できるサービスを提供することにより、これからも「安全・安心」を全ての前提としたサービスを展開してまいります。

①歩行者優先の理念と実践行動を世の中に広める

・Respect the law 38(略称: リスペクト 38)プロジェクトの推進

 「横断歩道を渡る歩行者を守る」という道路交通法第38条に対する理念と実践行動を世の中に広めるための取り組みとして“Respect the law 38 プロジェクト”を立ち上げ、「3つの理念」と「8つの行動指針」の理解・浸透活動を展開しています。この様な活動の展開により、交通事故の無い優しい社会の実現を目指してまいります。

②お客様と共に取り組む交通安全活動

・100日間無事故キャンペーンの継続開催

 100日間無事故キャンペーンは、日頃からお世話になっている法人のお客様へ「交通事故防止」へのお役立ち、ご参加いただく皆様と共に「無事故」を目指し、交通事故の無い社会づくりへの貢献を目的として毎年開催し、今年度で13回目を迎えました。2024年9月2日から12月10日までの100日間無事故を目指して活動し、今回は620社(999事業所)の企業の皆様にご参加いただきました。

③交通事故撲滅へのお役立ち

・交通安全・防災サービスの提供

 キムラ交通安全センターでは、「安全運転教育」「運転適性診断」「事故再発防止教育」などの交通防災メニューをお客様に応じた最適なカリキュラムでご提供し、交通事故撲滅にお役立ちできるよう取り組んでいます。

  (安全運転教育)      (運転適性診断)      (事故再発防止教育)

   ・管理、監督者研修     ・運転性格診断       ・再発防止カウンセリング

   ・一般社員研修       ・CRT運転適性検査      ・上司の日常管理アドバイス

   ・新入社員研修       ・視認能力検査       ・再発防止強化研修

④交通事故撲滅に向けた積極的な呼びかけ

・セーフティ・メッセージ

 愛知県警察の交通安全啓発番組『セーフティメッセージ(東海ラジオ放送番組)』の朝1回・夕方2回 の放送を40年以上にわたり提供させていただいています。また、放送されたセーフティメッセージの内容は「交通安全ニュース」として当社のホームページ上にも掲載し、積極的に交通安全を呼びかけています。

 

 

(4)指標及び目標

 当社グループはサステナビリティ実現に向け、気候変動に関するアクションについての具体的な管理指標(KPI)の指標及び目標を次のように設定しております。

 

目標

実績

定量面

・事業活動を通じて、地球環境の保全を取り組むことによりCO₂排出量の低減(2018年度実績:3,639t-CO

 2018年度比にて⇒2030年度: 50%削減

2050年度:100%削減

2024年度実績

※「グリーン電力」及び「FIT非化石証書」の利用により

2,051t-CO₂)   43.6%削減

定性面

・循環型社会に向けた包装仕様の改善による、再生材への転換及び脱プラスチック化の実現

・ゼロエミッション工場化、次世代モビリティのシェアリングサービスの提供等によるモビリシティ構想(地域スマート化構想)への貢献

 

 また、当社グループでは、上記「戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。

指標

目標(いつまでにどこまで)

実績(当連結会計年度)

従業員満足度調査

2026年3月末までに満足度75

未実施

女性管理職比率

2026年4月まで5

2.6

男性育児休業取得率

2026年3月までに取得率50

33.3

男女間賃金格差

2026年3月までに正規労働者格差75

63.9

ストレスチェック結果

2026年3月までに総合健康リスク100

総合健康リスク109

 

3【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、取締役会が決定した「内部統制体制の整備に関する基本方針」に基づき、「リスク管理委員会」を設置しています。リスク管理委員会を中心として、リスクを認識・評価した上で、優先順位を付けて対策を立案・実行し、その改善状況をモニタリングする仕組みを確立しています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)人財の確保及び育成について

当社グループでは、展開する事業の特性上、経営資源の中で「人財」が最も重要な経営資源と位置付けており、優れた人財の採用及び育成を経営の最重要課題と認識しております。当社グループは、新規採用、中途採用を積極的に行うことにより優秀な人財の確保に努めるとともに、教育・研修制度の充実や非正規社員も活躍できる人材育成制度の再編等を推進しております。しかし、必要な人財を継続的に確保するための競争は厳しく、人財を適時確保できない場合、あるいは人財の育成が計画どおりに進捗しない場合には事業展開、業績および成長見通しに大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)安全・品質管理について

当社グループは、リスクマネジメントの一環として、「安全・健康」及び「品質」の確保を重要な経営課題として取組み、SQ管理部(S:Safety[安全] Q:Quality[品質])を中心として開催する「安全健康会議」「全社品質会議」及び各事業所又は各事業本部以下の組織で開催する「安全衛生委員会」「品質委員会」での活動を通して、損失の未然防止及び発生時の管理について対応します。品質管理には万全を期しておりますが、万が一、重大な安全・品質に係る問題が発生した場合は、多額のコストが発生し、当社グループに対する評価に重大な影響を与え、それにより当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)価格競争について

当社グループの展開する各事業に共通して価格の高騰が進んでおり、提供するサービス・製品・商品の高付加価値化、販売価格への転嫁や原価低減といった対応が重要課題となってきております。今後一層の価格の高騰が予想される中で、当社といたしましては、コスト対応力強化や品質・生産性の向上のための施策を展開していく方針ですが、価格高騰が過度に進む場合は、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制について

当社グループは、主力である物流サービス事業では倉庫業法、貨物自動車利用運送業法など物流に関する各種事業法、モビリティサービス事業では道路運送車両法や保険業法、人材サービス事業では労働者派遣法など、さまざまな法令の規制を受けております。当社グループは、法令遵守・企業倫理の徹底は企業活動を行う上での根幹であると認識し、コンプライアンス研修を定期的に開催し、グループ内での法令遵守の周知徹底を図っております。しかし、社会情勢の変化に応じてこれらの法制度の改正、強化などが想定され、その対応により新たな負担の発生や事業展開の変更を求められる場合があります。

 

(5)特定取引先への依存について

当社グループは、トヨタ自動車株式会社に対する売上高が全体の23.8%(2025年3月期、提出会社ベース)、トヨタ自動車グループに対する売上高を含めますと、全体の売上高の40.2%(2025年3月期、提出会社ベース)となっております。当社といたしましては、各事業の拡大及び各事業の有するノウハウを結合した新しい業態の開発を積極的に推進し、国内外に展開していくなど一層努力をしていく方針です。しかし、トヨタ自動車株式会社の発注政策により、当社グループの財政状態及び業績に影響を受ける可能性があります。

 

(6)海外進出について

当社では、米国に1社と中国2社の子会社を、米国、ブラジル、タイ及びメキシコに大手商社との合弁会社7社を展開しております。これら海外への事業進出には、予期しない法律又は規制の変更、不測な政治又は治安混乱、雇用環境の変化、テロ・戦争等といったリスクが内在されており、これらは今後の事業に影響を与える可能性があります。

 

(7)災害等による影響

当社グループの日本国内における主要な事業拠点は愛知県に集中していることから、特に南海トラフ巨大地震等の大規模地震の発生による被害が懸念されるため、BCP(事業継続計画)の策定、建物・設備等の耐震対策等を行うとともに、安否確認訓練、避難訓練や衛星携帯電話を用いた通信訓練等のBCPに関する訓練を実施しております。しかし、南海トラフ巨大地震等の大規模地震が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)情報管理について

当社グループは、事業活動を通じて取引先の個人情報や営業上の機密情報を取り扱うため、情報の取り扱い等に関する規程の整備、従業員への教育、また適切な情報セキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウィルスへの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、システムダウンや一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)固定資産の減損について

 当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産を保有していますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうか四半期毎に減損テストを実施しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っております。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)気候変動に関するリスク

当社グループは、気候変動に伴い発生する風水害等の物理リスクだけでなく、気候変動を抑止するための諸制度や事業環境の変化等の移行リスクに対応するべく、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、当社グループ各部門の事業活動を通じた環境課題への対応を統制・推進しております。

気候変動の緩和に向け、環境性能が高い設備への切替の推進や運用時における省エネ啓蒙、CO排出量ゼロの再生可能エネルギーの導入など、脱炭素の取り組みを推進しております。

しかしながら、想定を超える規制や事業環境の急激な変化等により、建築コストや事業運営コストが高まること等により、当社グループの経営成績および財政状況が影響を受ける可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における我が国経済は、雇用情勢や家計の所得環境の改善等を背景に個人消費が比較的高い伸びとなり、企業業績も緩やかな回復基調で推移しました。また、日経平均株価が一時4万円を超えるなど、経済の回復が見られたものの、物価の上昇傾向が継続しており、先行き不透明な状況のまま推移しました。一方、海外では中国経済の減速や米国の関税政策による海外景気の下振れリスク、原材料価格の上昇や世界的な物価上昇が続き、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

また、当社グループと関係の深い自動車業界においては、認証不正問題の影響等もあり新車販売台数が減少する中、国内では人手不足の問題や資源価格高騰・賃金上昇等予断を許さない状況が続いております。海外においても、中国経済の減速や米国新政権の政策に伴う関税や為替への影響、物価高騰懸念等、依然として先行き不透明な状況であります。

このような環境の中で当社グループにおきましては、2027年3月期を最終年度とする「中期経営計画2026」の達成に向けて、「キムラの強みの実践と発信(キムラブランドの確立)」を推進し、キムラの強みを発揮し、お客様からの信頼を高め、託し続けて頂くための取り組みを展開してまいりました。

当期の業績につきましては、国内包装事業における主要顧客からの受注量の増加等による増収効果はあったものの、米国子会社KIMURA,INC.における受注量の減少等により、売上高は61,129百万円(前期比0.6%減収)となりました。営業利益は、物流サービス事業中心に収益力が改善されてきたことに加え、当社の強みの一つである“情報サービス事業と他事業のサービスの連携”の推進等が展開されてきたことにより、4,603百万円(前期比12.0%増益)、経常利益は、5,117百万円(前期比4.5%増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,300百万円(前期比4.1%増益)となりました。

 

②財政状態

当連結会計年度末の総資産は64,549百万円となり、前連結会計年度末に比較して161百万円の減少となりました。その主な要因は、退職給付に係る資産の増加等により固定資産が427百万円増加した反面、現金及び預金、売掛金の減少等により流動資産が588百万円減少したことによるものであります。

 負債合計は23,378百万円となり、前連結会計年度末に比較して878百万円の減少となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が1,000百万円減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比較して716百万円増加の41,171百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.9ポイント上昇の60.7%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期に比較して367百万円減少の11,605百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、4,844百万円の収入で、前期比696百万円の収入減少となりました。

この主な要因は、リース投資資産の増減額が597百万円減少したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、1,036百万円の支出で、前期比817百万円の支出増加となりました。

この主な要因は、投資その他の資産の支出が増加したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、4,680百万円の支出で、前期比1,854百万円の支出増加となりました。

この主な要因は、自己株式の取得による支出等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。

イ.生産実績

セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

物流サービス事業

包装作業(百万円)

1,179

114.0

 

梱包作業(百万円)

4,097

104.3

 

入出庫作業(百万円)

14,303

107.2

 

その他(包装作業)(百万円)

19,457

98.0

 

鉄製格納器具(百万円)

3,703

72.6

 

木製格納器具(百万円)

390

180.1

 

小計(百万円)

43,131

99.2

モビリティサービス事業

車両整備(百万円)

2,522

99.5

 

メンテナンス作業(百万円)

2,727

112.1

 

小計(百万円)

5,250

105.7

 

ロ.リース契約実行高

セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

モビリティサービス事業

自動車リース(百万円)

6,362

109.5

 

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績を、セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

モビリティサービス事業

車両販売(百万円)

1,539

91.3

 

カー用品販売(百万円)

365

92.2

 

合計(百万円)

1,904

91.5

 

c.受注実績

当社グループが行っております事業は、当日受注(指示)当日出荷(作業)が大部分でありますので、受注実績につきましては記載を省略しております。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。

セグメントの名称

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

物流サービス事業

包装(百万円)

39,041

102.3

格納器具製品(百万円)

4,096

75.9

 

小計(百万円)

43,138

99.0

 

自動車リース(百万円)

6,644

99.0

モビリティサービス事業

車両整備(百万円)

5,250

105.7

車両販売(百万円)

1,721

80.9

カー用品販売(百万円)

201

101.1

保険代理店(手数料)

(百万円)

589

97.1

その他(百万円)

53

100.8

 

小計(百万円)

14,460

98.6

 情報サービス事業

 情報サービス(百万円)

2,358

108.7

 人材サービス事業

 人材派遣サービス(百万円)

1,128

107.4

 その他事業

 売電サービス(百万円)

44

95.1

 

合計(百万円)

61,129

99.4

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

10,853

17.7

11,490

18.8

(注)トヨタ自動車㈱と取引のある主なセグメントは、物流サービス事業であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、(1)①経営成績等の状況に記載のとおりでありますが、当社グループにおいては、世界的な物価上昇や地政学リスク等の厳しい経営環境の中、「中期経営計画2026」の達成のため、当社グループの「強みの実践と発信」(キムラブランドの確立)に向け、他社には真似のできないサービスの提供こそブランド確立の要と位置づけ、お客様の視点に立った職場づくり、商品づくりに努めてまいりました。この取り組みの結果、売上高につきましては、国内事業では増収となりましたが、海外子会社の減収を吸収することができず、グループでは減収となりました。利益面では国内事業での収益改善活動の進展により増益を確保することができました。

また、11月には株主還元の充実ならびに資本効率の向上のため、自己株式の取得を実施し、期末においては1株当たり配当金を前期比4円増配の31.5円(前年度の配当につきましては、株式分割後に置き換えております。)とさせていただくなど、引き続きステークホルダー重視の施策を実施してまいりました。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の状況に関する分析については次のとおりであります。

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産は29,169百万円と前連結会計年度末に比べ588百万円減少いたしました。主な要因は、売上高減収等により、売掛金が減少したこと等によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産は35,380百万円と前連結会計年度末に比べ427百万円増加いたしました。主な要因は、退職給付に係る資産の増加等により投資その他の資産が増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債は13,507百万円と前連結会計年度末に比べ39百万円増加いたしました。主な要因は短期借入金の増加等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債は9,871百万円と前連結会計年度末に比べ917百万円減少いたしました。主な要因は固定負債の社債より流動負債の1年内償還予定の社債への科目の振替によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は41,171百万円と前連結会計年度末に比べ716百万円増加いたしました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少し、利益剰余金及び為替換算調整勘定、自己株式がそれぞれ増加したことによるものであります。

 

経営成績の状況に関する分析については次のとおりであります。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は61,129百万円(前年同期比0.6%減収)となりました。減収の主な要因は、国内包装事業における主要顧客からの受注量の増加等による増収効果はあったものの、米国子会社KIMURA,INC.における受注量の減少等によるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度の売上総利益は12,424百万円(前年同期比3.8%増益)となりました。増益の主な要因は、売上高は減収しましたが、現場第一線での生産性向上の推進等による原価改善によるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は4,603百万円(前年同期比12.0%増益)となりました。増益の主な要因は、売上総利益の増益によるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は5,117百万円(前年同期比4.5%増益)となりました。主な要因は、営業利益の増益によるものであります。

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,200百万円(前年同期比6.9%増益)となりました。主な要因は、経常利益の増益及び投資有価証券売却益の発生等によるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,300百万円(前年同期比4.1%増益)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の増益によるものであります。

 

セグメント別の経営成績に関する分析につきましては、次のとおりであります。

<物流サービス事業>

売上高は、国内包装事業における受注量の増加等はあったものの、中国子会社広州広汽木村進和倉庫有限公司における減収の影響及び米国子会社KIMURA,INC.におけるパレット部門の受注量の減少等により、43,151百万円(前期比1.0%減収)となりました。営業利益は、主要顧客の工場稼働停止等の影響はありましたが、現場第一線における収益力向上の進展等により、4,932百万円(前期比5.2%増益)となりました。

<モビリティサービス事業>

売上高は、車両販売事業における車両販売台数の減少等により、14,507百万円(前期比1.4%減収)となりました。営業利益は車両整備事業の収益改善活動の効果等により、1,019百万円(前期比20.3%増益)となりました。

<情報サービス事業>

売上高は、主要顧客からの受注量の増加等により、2,358百万円(前期比8.7%増収)となりました。営業利益は、主要顧客からの受注量増加や原価率の改善等により、361百万円(前期比59.5%増益)となりました。

<人材サービス事業>

売上高は、市場の人材獲得競争の中、エリア貢献の拡販(中部、関西、関東への展開)実現に向けて積極的な拡販活動や新規顧客の獲得に注力したこと等により、1,815百万円(前期比3.4%増収)となりました。営業利益は中部営業所、関西営業所の派遣人件費増加等により、18百万円(前期比35.6%減益)となりました。

<その他のサービス事業>

売上高は、売電サービスにより、44百万円(前期比4.9%減収)となりました。営業利益は11百万円(前期比16.2%減益)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、(1)②財政状態、③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。自己資本比率は、0.9ポイント上昇し60.7%となっております。

当社グループの財政政策としては、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部留保又は外部借入により資金を調達しており、財政状態及びキャッシュ・フローの現況から資金調達については何ら問題はありませんが、負債の圧縮、総資産の効率化という方針を掲げ、財務構造のさらなる健全化に取り組んでまいります。なお、当連結会計年度末において短期借入金1,162百万円、長期借入金2,000百万円で借入金合計は3,162百万円、1年内償還予定の社債1,000百万円となっております。金融機関との間では当座貸越及び貸出コミットメント契約として5,450百万円を設定し、不測かつ緊急な資金需要にも対応可能な体制をとっております。資金配分の考え方としては、企業体質強化の為の手元資金、積極的な事業展開の為の成長投資資金、継続的な安定配当の為の株主還元資金につきまして、中長期の目標、当期の業績及び配当性向等を総合的に勘案し、フレキシブルでバランスのとれた資金配分を目指しております。株主還元における配当金につきましては、配当性向40%を目標値としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社経営者は、この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える事項について、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。特に、投資の減損、繰延税金資産、貸倒引当金などの重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。将来に生じる実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、当社グループの見積りと異なる可能性があります。

なお、重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」に記載のとおりです。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、主に物流サービス事業分野で研究開発活動を行っており、物流機器・輸送機器の企画、設計、開発、試作を中心に活動するとともに、海外への事業展開を図るための調査、研究を実施しております。
 なお、当連結会計年度の研究開発費は316百万円であり、主に既存製品の改良と物流ノウハウとITを融合した新技術の開発によるものであります。