(1)業績
当連結会計年度における経営環境は、地政学的リスクや、英国のEU離脱問題などを受けた欧州の不透明感に加え、急激な為替変動などで混沌とする世界経済の中、国内においては4月に発生した熊本地震の影響により一部弱さが見られたものの、景気は緩やかな回復傾向が続きました。旅行市場において、海外旅行は欧州で発生したテロ事件の影響が依然として強く残りましたが、円高基調や燃油サーチャージがゼロとなるなど、市場環境の変化から、日本人出国者数は前期を上回る結果となりました。国内旅行は、熊本地震や相次ぐ台風・天候不良の影響もあり、弱含みで推移いたしました。一方で訪日旅行においては、訪日外国人旅行客数が平成28年1月から10月までの累計期間で初の2,000万人を突破するなど、過去最高を更新し、引き続き好調に推移いたしました。
このような環境の中、当社グループは、お客様への「安全」と「安心」を第一に考え、国内外のネットワークを活用した情報やサービスの提供、品質のさらなる向上に取り組みました。また、新たな価値創造へ向けた様々な挑戦を続け、未来を見据えたスピーディな事業展開に努めてまいりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメント区分を変更しており、以下の前期比較については、変更後のセグメント区分に組替えた数値と比較しております。詳細は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
(旅行事業)
商品の展開は、テロ事件発生以降大幅に減少した欧州行きの観光需要復活を目的として、フランス観光開発機構や航空会社とのフランス応援キャンペーンを行うなど、需要の喚起を図りました。また、旅の情報誌である月刊誌「旅通信」は、掲載するシニアマーケット向けの旅行商品の拡充も行い、媒体を通じてのご予約数の増加に繋げました。
国内における店舗展開は、九州専門店を東京・名古屋・大阪・福岡に出店し、熊本地震からの復興の一助となるようツアーの送客、物販に力を入れたほか、バリ島専門店や沖縄専門店など、専門性の高い商品やサービスの提供を一層強化いたしました。また、営業所にVR(仮想現実)等の最新技術を積極的に導入し、旅行喚起へも注力いたしました。
企業様向けサービスや団体旅行の分野では、海外・国内旅行とも報奨旅行や社員旅行等の受注が増加いたしました。また、訪日旅行における大型団体案件の受注も増加し、順調に推移いたしました。
国内旅行事業の分野では、引き続き沖縄向けの旅行商品を強化いたしました。今夏にはH.I.S.専用のビーチパーク「OKINAWA Beach Park」を沖縄県豊見城市の豊崎美らSunビーチ内にオープンし、県内初の50mウォーターロングスライダーなどを展開し、他社にはない優位性のある商品を展開いたしました。また、国内でも人気が高まる体験型プランの強化として、国内最大規模のアクティビティ予約サイト運営会社である株式会社アクティビティジャパンをグループ会社化いたしました。
訪日旅行事業では、消費行動の変化に伴い、FIT型の個人向けパッケージツアーの増加がみられたことから、日帰りツアーやパーツ販売の強化、WEBサイトリニューアルなど個人旅行への対応を進め、訪日旅客専用のツーリストインフォメーションセンターを全国で35拠点設置するなどサポート体制を強化いたしました。また、復興庁との東北復興案件として仙台空港にインフォメーションカウンターを設置し、神奈川県とのインバウンド観光推進事業など、省庁や地方自治体との連携も図ってまいりました。
海外事業につきましては、引き続き、東南アジアにおいて各地での旅行博への積極的な出展に加え、多店舗展開を促進し、ローカルマーケットにおける認知度向上に努めました。各営業拠点は、公的機関の世界会議関連の手配の受注をはじめとして、現地拠点の強みを活かした営業活動を展開いたしました。その他、営業拠点のグローバルな拡充にも努め、日本の旅行会社として初出店となるアディスアベバ(エチオピア)やサマルカンド(ウズベキスタン)にツアーデスクを開設し、平成28年10月末の時点で、当社グループの営業拠点数は、国内295拠点、海外66カ国141都市230拠点へと拡大しております。
以上のような各種施策を展開した結果、当連結会計年度における旅行事業は、燃油サーチャージの減額や度重なる各国でのテロ事件発生による欧州旅行の需要減少などにより、売上高は4,657億72百万円(前期比97.8%)となりました。また、営業利益につきましては、欧州旅行の減速や熊本地震による国内旅行の鈍化などにより、90億38百万円(同72.1%)となりました。
(ハウステンボスグループ)
ハウステンボス(長崎県佐世保市)は、「花の王国」「光の王国」「音楽とショーの王国」「ゲームの王国」「健康と美の王国」の5つの王国における様々なイベントで体験価値の向上に努め、平成28年3月には「変なホテル」2期棟が開業するなど、上半期(平成27年10月1日から平成28年3月31日まで)は、前事業年度の大型団体特需の反動や平成28年1月の観測史上最多となる大雪の影響を受けながらも、ほぼ前年同期並の営業業績となりました。
平成28年7月には、第6番目の王国となる「ロボットの王国」が誕生し、ご家族連れ(夏休み期間中の主なお客様層)を中心とした多くのお客様に、親しみ深いロボットから最先端のロボットまでを展示・体感できる日本初の複合施設を、楽しんでいただくことができました。また、夏シーズン恒例で好評の「水の王国」は、「海上ウォーターパーク」の新設、夜間の「ナイトプール」営業などにバーションアップし、いずれもお客様のこの時期の新たな来場目的の一つにまでなりました。
さらに、特別企画として夏休み期間中に初めて開催した大阪城場外イベント「大阪城ウォーターパーク」(大阪府大阪市)は、15万人のお客様にご来場いただくなど、こちらも活況のうちに営業期間を終えています。
しかしながら、このような積極的な営業施策も、熊本地震(平成28年4月中旬に発生)の風評被害による影響を完全には挽回しきれず、ハウステンボスの入場者総数は289万4千人(前期比93.1%)に留まりました。
なお、「変なホテル」は、世界中から高い注目と関心を集めており、平成28年11月には、「世界初のロボットがスタッフとして働いたホテル」として、ギネス世界記録に認定され、変化し続けるホテルとして、東京ディズニーリゾート®に隣接する舞浜(千葉県浦安市)やラグーナテンボス(愛知県蒲郡市)で、平成29年春から夏にかけて順次開業の予定であり、海外への進出も計画されています。
ラグーナテンボス(愛知県蒲郡市)では、ハウステンボス歌劇団が毎日公演する「アートシアター」や、全シーズンを通して様々な花を楽しめるエリア「フラワーラグーン」が誕生するなど、新たなお客様層の取り込みにも注力し、来場者数の増加施策の実施に努めてまいりました。
このほか、平成28年4月に電力小売事業に参入したHTBエナジー株式会社は、当連結会計年度より連結対象会社となり、親会社であるハウステンボス株式会社をはじめ、グループ全体で営業の推進及び販売体制の強化支援を図っております。
以上の結果、ハウステンボスグループは売上高318億63百万円(前期比97.8%)、営業利益74億85百万円(同81.7%)となりました。
(ホテル事業)
ウォーターマークホテル札幌において、訪日客をはじめとした団体予約が好調に推移したことに加え、グアムリーフ&オリーブスパリゾート(グアム)では、韓国・台湾からの宿泊者数増加策が功を奏し平均客室単価が上昇いたしました。その他各ホテルにおいても収益性向上に努めた結果、売上高66億9百万円(前期比102.8%)、営業利益5億56百万円(同161.1%)は共に過去最高となり好調に推移いたしました。
(運輸事業)
国際チャーター便専門会社のASIA ATLANTIC AIRLINES CO., LTD.は、バンコクとプーケット(タイ)から瀋陽(中国)への定期便の運航を週4便で開始し、このほかにも、訪日需要の高いタイのお客様向けにバンコク(タイ)-千歳(北海道)線を定期チャーターで運航するなど、需要に合わせた営業施策を実施した結果、売上高は33億25百万円(前期比121.0%)となり、営業損失は8億34百万円(前期は営業損失11億1百万円)に留めることができました。
(九州産交グループ)
九州産交グループでは、引き続きお客様本位のサービスの提供に努めてまいりました。しかしながら、熊本地震により路線・高速バス運行の一部変更・運休などの影響を受け、桜町再開発事業(熊本県熊本市の中心市街地におけるホテル、マンション、商業施設、駐車場等の複合施設の建設)の本格スタートによる交通センター事業及びホテル事業が休止となった結果、売上高202億48百万円(前期比86.4%)、営業利益89百万円(同8.6%)となりました。
以上のような各セグメント別の事業の経過及び成果を総合し、当連結会計年度の連結業績は、売上高は5,237億5百万円(前期比97.4%)、営業利益は142億74百万円(同71.5%)、経常利益は、為替変動の影響により86億48百万円(同38.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億67百万円(同2.5%)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ165億11百万円増加し、1,298億42百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは51億49百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは154億40百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは301億81百万円の増加でありました。
各キャッシュ・フローの状況についての詳細は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により資金は51億49百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益51億7百万円の計上、非資金項目である減価償却費(65億44百万円)、為替差損(36億16百万円)、減損損失(35億41百万円)、及び旅行前受金の増加(37億4百万円)により資金が増加し、一方で法人税等の支払(72億29百万円)、売上債権の増加(65億26百万円)、旅行前払金の増加(29億11百万円)により資金が減少したことによるものです。
また、前連結会計年度において、営業活動により資金は125億97百万円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益222億円の計上、旅行前払金の減少(14億23百万円)により資金が増加し、一方で法人税等の支払(119億83百万円)により資金が減少したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ74億47百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により資金は154億40百万円の減少となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(573億92百万円)、有形及び無形固定資産の取得による支出(133億9百万円)、関係会社株式の取得による支出(16億96百万円)、貸付けによる支出(16億32百万円)、投資有価証券の取得による支出(12億34百万円)が、定期預金の払戻による収入(497億32百万円)、有価証券の償還による収入(133億45百万円)を上回ったことによるものです。
また、前連結会計年度において、投資活動により資金は281億77百万円の減少となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(537億32百万円)、有形及び無形固定資産の取得による支出(153億45百万円)、貸付けによる支出(74億29百万円)、関係会社株式の取得による支出(56億60百万円)が、定期預金の払戻による収入(546億21百万円)を上回ったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ127億36百万円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により資金は301億81百万円の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入(634億65百万円)により資金が増加し、一方で長期借入金の返済による支出(216億73百万円)、自己株式の取得による支出(117億91百万円)により資金が減少したことによるものです。
また、前連結会計年度において、財務活動により資金は162億53百万円の増加となりました。これは主に、長期借入れによる収入(130億65百万円)により資金が増加したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ139億28百万円の増加となりました。
(1)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年11月1日 至 平成28年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
旅行事業(百万円) |
387,266 |
97.8 |
|
ハウステンボスグループ(百万円) |
6,357 |
104.3 |
|
ホテル事業(百万円) |
2,850 |
98.8 |
|
運輸事業(百万円) |
3,823 |
109.9 |
|
九州産交グループ(百万円) |
18,363 |
88.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
418,661 |
97.5 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
418,661 |
97.5 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は生産形態をとっていないため、生産状況にかわって仕入実績について記載しております。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より、経営管理区分を見直し、当社グループの企業活動の実態に即したより適切な経営情報の開示を行うため、報告セグメント区分を従来の「テーマパーク事業」から「ハウステンボスグループ」に変更いたしました。これに伴い、HTBクルーズ株式会社及びTEN BOSCH CRUISE PANAMA S.A.を「運輸事業」から「ハウステンボスグループ」に変更し、また、当連結会計年度より連結の範囲に含めたHTBエナジー株式会社を「ハウステンボスグループ」に追加しております。
なお、前年同期比の数値については、変更後のセグメントに組み替えて算出しております。
(2)受注状況
当社グループは受注形態をとっていないため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年11月1日 至 平成28年10月31日) |
前年同期比(%) |
|
旅行事業(百万円) |
465,536 |
97.8 |
|
ハウステンボスグループ(百万円) |
30,283 |
97.7 |
|
ホテル事業(百万円) |
5,563 |
102.2 |
|
運輸事業(百万円) |
2,045 |
118.6 |
|
九州産交グループ(百万円) |
20,230 |
86.4 |
|
報告セグメント計(百万円) |
523,660 |
97.4 |
|
その他(百万円) |
45 |
100.3 |
|
合計(百万円) |
523,705 |
97.4 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当社グループは、取扱高(販売価格)を売上高として計上しております。
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度より、経営管理区分を見直し、当社グループの企業活動の実態に即したより適切な経営情報の開示を行うため、報告セグメント区分を従来の「テーマパーク事業」から「ハウステンボスグループ」に変更いたしました。これに伴い、HTBクルーズ株式会社及びTEN BOSCH CRUISE PANAMA S.A.を「運輸事業」から「ハウステンボスグループ」に変更し、また、当連結会計年度より連結の範囲に含めたHTBエナジー株式会社を「ハウステンボスグループ」に追加しております。
なお、前年同期比の数値については、変更後のセグメントに組み替えて算出しております。
当社グループを取り巻く環境は、国内外の旅行各社や直販化が進むサプライヤー、インターネットを中心としたオンライントラベルエージェントの台頭、新しい旅行関連サービスの拡大など、より一層競争は激しくなるものと思われます。そのような中、当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりです。
○顧客満足の追求と安全・安心な商品の提供
世界中で信頼され、お客様からご支持いただけるグローバル企業になるために、快適で安全・安心なサービスの提供が不可欠であると考えております。当社グループの持つ世界ネットワークやインフラを最大限に活用し、新たな体験価値の創造や、充実したサービスの提供を図ることで、今後も、安全、安心、高品質な商品やサービス、情報の提供に努めてまいります。また、国内外においてサービスレベルの向上を図ることで、世界中のお客様に喜ばれ、ご支持いただけるよう取り組んでまいります。
○効率化・合理化
市場環境の急速な変化に伴い、今後のビジネスモデルの進化に合わせたスピードある対応が必要となってまいります。当社グループといたしましては、専門性の追求や成長市場への進出など、常に効率化・合理化を重視し、経営に努めてまいります。
○人材の育成
展開の加速が見込まれるグローバルでのオンライン事業や、さまざまな新しいサービスの台頭による新領域との競合など、当社グループの事業領域においても更なる変化と拡大が見込まれます。当社グループといたしましては、今後の新しい事業領域への進出と、企業としての持続的な発展のために、未来の人材育成・確保は必要不可決と考えており、積極的に推し進めてまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応について最大限の努力をする所存であります。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年1月27日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。
① 事業展開の地域性
当社グループにおける事業の種類別売上高は旅行事業が88.9%を占めております。また、所在地別の売上高は日本に集中しており、91.0%を占めております。従って、日本における旅行事業の環境変化によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 燃油特別付加運賃の変動
当社グループの売上高において当社が占める割合は73.6%であり、その区分別の販売実績のうちで海外旅行が85.8%を占めております。現在は原油価格の変動に伴い、海外旅行代金とは別に燃油特別付加運賃をお客様にご負担いただいております。この燃油特別付加運賃の著しい上昇があった場合は、旅行総需要が停滞してしまう可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ アジア行きの旅行者動向、訪日観光客の動向
当社の日本発方面別海外旅行取扱人数は、アジア方面の占める割合が59.4%(売上に占める割合は36.4%)と最も高くなっており、当該方面における外部環境の変化(例えば、テロの発生、感染症の流行、自然災害など)が、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、アジア地域からの訪日観光客の急増に伴い航空座席の仕入確保が難しくなる場合も同様の影響が考えられます。
④ 競合各社との競争
当社グループの旅行事業は、国内外の旅行各社や直販化が進むサプライヤー、オンライントラベルエージェント、新しい旅行関連サービスの拡大など、引き続き厳しい競争状態にあります。今後の価格競争の展開によっては、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 航空会社による正規公示運賃のコミッションカット
当社グループでは、航空会社が直接消費者へ販売している正規公示運賃による航空券販売も取り扱っております。各航空会社は、これらの航空券販売に対する旅行会社へのコミッションの減額、あるいは廃止を進めており、その動向は当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有価証券等保有資産価値の変動
当社グループは、上場及び非上場の株式及び債券等を保有しております。このため、時価を有する有価証券については株式市況及び債券市況の動向により、また時価のない有価証券については投資先会社の財政状態の動向により、売却損や評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 為替レートの変動
当社グループは、外貨建の取引を行っており、これに伴って外貨建の収益・費用及び資産・負債が発生しております。為替レートの変動による影響を軽減すべく為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の財務諸表を邦貨換算しているために、為替レートが変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 日本を含む世界的な感染症の発生及び蔓延
日本を含めて世界的に感染症が発生・蔓延し、旅行に対する意欲の急激な減退が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 航空機運航について
当社グループの運航便において航空機事故が生じた場合には、お客様の信頼や社会的評価の失墜、航空需要の低迷、航空機運航にかかる損害賠償請求等が生じることにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、他社において航空機事故が発生した場合も、同様に航空需要が低迷することが想定され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 食品の安全性
当社グループでは、企画旅行、オプショナルツアーにおける手配・斡旋基準及び品質管理基準マニュアルを策定し、飲食店の選定など十分注意を払っております。その他、当社グループの事業セグメントにおいて飲食店の営業を行っており、同様に食品の安全性に十分留意しております。食品の安全性に対する関心が高まる中、食中毒など品質衛生問題が発生した場合、信用の失墜などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 天候の影響
当社グループでは、ハウステンボス(佐世保市)及びラグーナテンボス(蒲郡市)の二つのテーマパークを営んでおります。事業の性質上、悪天候(台風や集中豪雨など)が長期化した場合は、来場者数が一時的に減少することが想定され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ システム障害
当社グループでは、予約手配などの業務にコンピューターシステムを活用しております。通信ネットワークやプログラムの不具合、またコンピューター・ウィルスなどによる重大な障害が生じた場合、当社グループの業務に重大な支障をきたす可能性があります。また、障害の規模によってはお客様へのサービス提供の中断や修復費用が増加するなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 個人情報
当社グループでは、各事業セグメントにおいて個人情報を保有しておりますが、個人情報漏洩防止に関して個人情報保護に関する法令を遵守すると共に、個人情報保護方針を定め、個人情報の取扱いには細心の注意を払っております。何らかの原因により大規模な個人情報漏洩事故が発生した場合、当社グループの信用失墜や、損害賠償費用が発生する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 外部環境の変化
当社グループにおける事業を取り巻く環境として、テロや戦争などによる世界情勢の変化や、自然災害による観光インフラへの被害、急激な為替相場の変動による世界情勢の混乱などがありますが、これらが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ コンプライアンス
当社グループは、日本国内はもとより、海外の現地拠点が所在する国においても、様々な法令・規則・商慣習・社会的道徳などの下で事業活動を行っており、その遵守に努めております。しかしながら、予期しない新たな規制の導入、執行当局の方針の変更、理解や解釈の相違などの何らかの原因により、コンプライアンス違反と判断される事態が生ずる可能性があります。このようなコンプライアンス違反と判断される事態が生じた場合、法的手続き対応費用の発生や、ブランドイメージが毀損することなどにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、IATA(国際航空運送協会)公認旅客代理店として平成2年12月31日認可(期限は認可取消しになるまで有効)を受け、旅客代理店契約(PASSENGER SALES AGENCY AGREEMENT)を結んでおります。
(注)IATA(国際航空運送協会)について
1945年に設立され、主に国際線を運航している航空会社が加盟している民間機関です。本部は、カナダのモントリオールと、スイスのジュネーブにあり、IATA公認代理店向けの諸施策の決定や精算事務はジュネーブで行われています。
IATAの権限は、運賃の取り決め、運送条件の取り決め、代理店対策、運航上の取り決め及び運賃決済などがあります。
IATAの公認代理店の認可を受けることで自社で国際線航空券が発券できます。
該当事項はありません。
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債等の計上について見積り計算を行っており、これらの見積りについては過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,335億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ205億52百万円の増加となりました。
主な要因といたしましては、長期借入れによる収入が、自己株式の取得による支出を上回ったこと等により、現金及び預金が増加したこと(前期末比226億95百万円増)が挙げられます。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、986億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億45百万円の増加となりました。
主な要因といたしましては、有形固定資産の増加(前期末比15億29百万円増)、無形固定資産の増加(前期末比5億53百万円増)が挙げられます。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、1,028億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ201億88百万円の減少となりました。
主な要因といたしましては、1年内返済予定の長期借入金の減少(前期末比209億31百万円減)が挙げられます。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、1,344億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ631億78百万円の増加となりました。
主な要因といたしましては、長期借入金の増加(前期末比627億23百万円増)が挙げられます。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産の残高は、951億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ188億50百万円の減少となりました。
主な要因といたしましては、為替換算調整勘定の減少(前期末比66億23百万円減)及び自己株式を117億63百万円取得したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、5,237億5百万円となり、前連結会計年度に比べ137億50百万円の減少(前期比97.4%)となりました。報告セグメントごとの売上高については、旅行事業は4,657億72百万円(同97.8%)、ハウステンボスグループは318億63百万円(同97.8%)、ホテル事業は66億9百万円(同102.8%)、運輸事業は33億25百万円(同121.0%)、九州産交グループは202億48百万円(同86.4%)となりました。
なお、当連結会計年度より報告セグメント区分を変更しており、上記の前期比較については、変更後のセグメント区分に組替えた数値と比較しております。詳細は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」をご参照ください。また、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。
② 営業費用
当連結会計年度の営業費用は、5,094億30百万円となり、前連結会計年度に比べ80億55百万円の減少(前期比98.4%)となりました。
そのうち、売上原価は4,186億61百万円となり、前連結会計年度に比べ105億40百万円の減少(同97.5%)となりました。
また、販売費及び一般管理費は907億69百万円となり、前連結会計年度に比べ24億85百万円の増加(同102.8%)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、前連結会計年度より0.9ポイント上昇し17.3%となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、142億74百万円となり、前連結会計年度に比べ56億95百万円の減少(前期比71.5%)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より1.0ポイント低下し2.7%となりました。
④ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、86億48百万円となり、前連結会計年度に比べ140億36百万円の減少(前期比38.1%)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より2.6ポイント低下し1.7%となりました。
主な営業外収益として、受取利息(16億93百万円)、また営業外費用として、為替差損(67億98百万円)、持分法による投資損失(7億51百万円)が挙げられます。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、51億7百万円となり、前連結会計年度に比べ170億93百万円の減少(前期比23.0%)となりました。
特別損失として、連結子会社TEN BOSCH CRUISE PANAMA S.A.が所有している船舶について減損損失(35億41百万円)を計上しております。
また、当連結会計年度の法人税等は38億1百万円となり、前連結会計年度に比べ43億73百万円の減少(同46.5%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2億67百万円となり、前連結会計年度に比べ106億23百万円の減少(同2.5%)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。