第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、海外旅行において知的満足や精神的な喜びを強く求める円熟層を対象に、世界160ヶ国以上を舞台に、当社独自の海外旅行企画を販売しております。そうした円熟層のニーズに応えるため、自然、文化、芸術、人間という知的テーマを強く打ち出した旅行商品の品揃えと、訓練された添乗サービス、コミッション目当てに免税店へ立ち寄ることなく観光時間を充実させるなど、上質なツアー運営を目指しています。そのようにありきたりでない旅行商品の販売で強みを発揮し当社のファンを拡大するため、それを担う「人材」の知力とサービス力を高めることが最大の経営課題であり、当社は、知恵の共有のためIT技術を積極的に活用したり、学習や教育のモチベーションに力を入れています。

 人づくりのために、当社グループは経営における公正(フェア)さと透明性と説明責任を重視し、特に、人の評価に関して、その姿勢を徹底します。

 公正さと透明性と説明責任は、従業員に対してだけでなく、当社グループの企業活動に関わる全ての人々に対して果たされるべきものであり、そのことを重要な経営方針として、当社は企業活動を推進いたします。

 

(2)経営環境

 海外旅行におきましては、ISIL(いわゆる「イスラム国」)の過激な活動の情報から、欧州・中東等での地政学的リスクの認識による需要減少の影響下にあります。

 当連結会計年度においては、前連結会計年度比では緩やかな需要回復の傾向が見えましたが、今後の動向については依然として楽観できない状況が続くものと思われます。こうした環境を踏まえ、安心安全を保てる地域を中心にしながら、営業収益改善へ取り組んで参ります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 インターネットを通じた航空券販売や、航空券販売における旅行会社の手数料の減少など、旅行会社の淘汰や、旅行会社同士の合併などによって、旅行業は急激な変化を余儀なくされます。しかしその変化の本質は、仲介業者としての旅行会社の役割が消失するということであり、旅行会社が旅行商品をプロデュースする役割が無くなるということではありませんし、そのニーズも依然として強くあります。

 すなわち、誰でもできるチケットの仲介業ではなく、その会社にしかできない専門領域を持ち、その強みで顧客の信頼を勝ち取ることによって、旅行業界内において勝ち残り組の立場を築けると考えます。

 当社グループとしてはその考えのもと、知的・精神的円熟層というコアターゲットの支持を集めながら、その層の顧客を着実に拡大していくことを中長期的な会社の経営戦略の中心に置いています。

 経営指標としては、「営業収益」及び「営業利益」に着目しており、引き続き業容の拡大に努め、さらなる利益の向上を目指しております。

 

(4)会社の対処すべき課題

 海外旅行需要については、海外情勢不安による不透明さが残りますが、継続して営業収益の確保に努めます。為替変動により直面した粗利益の減少につきましては、価格転嫁の進行によりこの問題を解消してきました。当社は、従来から確保してきたリピーター層を中心とする顧客基盤を基礎として業績の進展に努めます。引き続き安全性の高い地域を中心とする積極的な販促活動・宣伝効果を狙った戦略を通じて業容の拡大に努めていきます。同時に、顧客の支持を確固たるものとして継続するために、引き続き顧客との綿密なコミュニケーションに努め、知的好奇心や精神的喜びに応える旅づくりを通じて上質なサービスを提供し続けるよう努めます。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。当社はこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施していく方針であります。

(1)海外の政治情勢、戦争、紛争、テロ事件、自然災害等の影響

 当社は海外旅行の企画・販売を事業としており、海外諸地域の安全性が損なわれる事態が生じた際、当初計画していた旅行の催行取り止め等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該事象の程度によっては、顧客心理への悪影響から海外旅行需要自体の低下により、大幅な収益の減少に見舞われ、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2)外国為替相場の変動の影響

 当社は、海外旅行の販売に伴い、仕入原価の約半分を占める地上費について外貨支払の割合が高いために、外国為替相場の変動が業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 商品の価格決定にあたっては、価格決定時の為替相場に応じた設定を行うとともに、取扱予想外貨に基づく為替予約を行う形をとっておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調の動きが見られたものの、通商問題の動向等、海外経済の不確実性による日本国内への景気下押しリスクも抱えております。

 当社グループにおきましては、ISIL(いわゆる「イスラム国」)の過激な活動の情報から、欧州・中東等での地政学的リスクの高まりによる営業収益の減少の影響を受けております。当連結会計年度については、前連結会計年度比ではその影響が縮減しつつあり、緩やかな需要回復の傾向となっております。一方で、当連結会計年度中には、ゴールデンウィークが史上初めて10連休になったことによる需要喚起の効果が大きく、当該期間においては当社グループにおいても特需効果が見られました。収益の増加があるとともに、為替動向の推移もあり、増収増益が集中的に発生いたしました。

 その結果、当連結会計年度の営業収益は57億27百万円(前期比105.8%)、経常利益は167百万円(前期比2186.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益が129百万円(前期比2359.2%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が167,058千円となり、営業未収入金が56,747千円増加し、旅行前払金が9,105千円減少、営業未払金が74,268千円減少、旅行前受金が98,713千円増加並びに配当金の支払による支出81,060千円等の要因により、当連結会計年度末2,371,625千円(前期比3.3%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、166,416千円(前年同期比-%)となりました。

 これは、税金等調整前当期純利益並びに営業未収入金の増加、旅行前払金の減少、営業未払金の減少及び旅行前受金の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、6,817千円(前年同期比-%)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、81,060千円(前年同期比99.9%)となりました。

 これは配当金の支払によるものです。

仕入及び販売の実績

 当社グループは、旅行業を主たる事業としているため、生産及び受注の実績の記載は該当がありません。従って、仕入実績及び販売実績等についての区分記載を行っております。

(1)仕入実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

航空運賃

2,103,985

111.0

地上費

2,321,819

98.5

その他

243,830

100.2

合計

4,669,634

103.9

 (注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)販売実績

a.商品販売売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

旅行業

5,704,995

105.8

その他売上

22,594

101.6

合計

5,727,590

105.8

 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.その他売上は保険料手数料の収入であります。

b.添乗員付主催旅行の渡航先別旅行者数による販売実績は次のとおりであります。

行先

人数(人)

前年同期比(%)

ヨーロッパA(南欧)

1,495

99.8

ヨーロッパB(西欧)

933

90.1

ヨーロッパC(東欧・ロシア)

1,130

112.1

イスラム諸国

1,305

123.2

アフリカ

810

116.4

中南米

968

98.1

北米

102

59.3

インド

368

96.8

アジア

468

71.5

中国

299

134.1

シルクロード

713

115.2

オセアニア

318

98.1

その他

1,434

108.4

合計

10,343

103.6

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態

 当連結会計年度末における資産合計は3,411,973千円(前期比2.9%増)、負債合計は1,326,635千円(前期比4.9%増)、純資産合計は2,085,337千円(前期比1.6%増)となっております。自己資本比率は61.1%であります。

 事業の特徴として、営業収益については旅行代金について前受金の形で入金されます。資金については、事前の入金を前提としていることから、無借金経営を継続しており、借入金残高はありません。同時に顧客よりの預り金の性質を有していることに鑑み、前受金相当の資金につきましては、価値変動リスクにさらすことなく、現金及び現金同等物として保有することを基本方針としております。また、米国同時多発テロ事件に見られますように、世界情勢の影響によるリスク等の存在する点から、自己資本の充実及び内部留保の確保による経営の安定性についても留意を払っております。

(2)経営成績

 当連結会計年度においては、営業収益5,727,590千円(前期比5.8%増)、経常利益167,058千円(前期比2086.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益129,070千円(前期比2259.2%増)となりました。

 当社グループにおきましては、ISIL(いわゆる「イスラム国」)の過激な活動の情報の影響を受け、欧州・中東等での地政学的リスクの高まりによる営業収益減少に直面しております。一方、当連結会計年度においては、対前年同期比での緩やかな需要回復の傾向となっています。大型のテロ事件の発生等では短期的需要減少は大きなものとなりますが、取扱国160ヶ国以上の商品ラインナップにより、その影響を受けても安全安心な地域の販売に注力し、引き続き営業収益の確保に努める方針です。

(3)キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フロー全般の状況につきましては、税金等調整前当期純利益の発生及び営業未収入金の増加、旅行前払金の減少並びに営業未払金の減少、旅行前受金の増加、配当金の支払等により前期比3.3%増の2,371,625千円が当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高となりました。現金及び現金同等物より、旅行前受金を差し引いた、実質の資金残高につきましては、1,418,824千円(前期比98.4%)と安定しており、無借金経営を継続しております。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 2 事業等のリスクに記載の通りであります。

4【経営上の重要な契約等】

(1)IATAとの旅客代理店契約

 IATA(国際航空運送協会)公認旅客代理店として1995年5月認可(期限は認可取消になるまで有効)を受け、旅客代理店契約(PASSENGER SALES AGENCY)を結んでおります。

(注) IATA(国際航空運送協会)について

1945年に設立され、主に国際線を運行している航空会社が加盟している民間機関です。

本部は、カナダのモントリオールとスイスのジュネーブにあり、IATA公認代理店向けの諸施策の決定や精算事務は、ジュネーブで行われています。

IATAの権限は、運賃の取り決め、運送条件の取り決め、代理店対策、運行上の取り決め及び運賃決裁などがあります。

IATAの公認代理店の許可を受けることにより自社で国際航空券が発券できます。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。