第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、海外旅行において知的満足や精神的な喜びを強く求める円熟層を対象に、世界160ヶ国以上を舞台に、当社独自の海外旅行企画を販売しております。そうした円熟層のニーズに応えるため、自然、文化、芸術、人間という知的テーマを強く打ち出した旅行商品の品揃えと、訓練された添乗サービス、コミッション目当てに免税店へ立ち寄ることなく観光時間を充実させるなど、上質なツアー運営を目指しています。そのようにありきたりでない旅行商品の販売で強みを発揮し当社のファンを拡大するため、それを担う「人材」の知力とサービス力を高めることが最大の経営課題であり、当社は、知恵の共有のためIT技術を積極的に活用したり、学習や教育のモチベーションに力を入れています。

 人づくりのために、当社グループは経営における公正(フェア)さと透明性と説明責任を重視し、特に、人の評価に関して、その姿勢を徹底します。

 公正さと透明性と説明責任は、従業員に対してだけでなく、当社グループの企業活動に関わる全ての人々に対して果たされるべきものであり、そのことを重要な経営方針として、当社は企業活動を推進いたします。

 

(2)経営環境

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済社会活動が大きく制限される状況となり、企業収益、個人消費とも急速に低下し、現状においても先行きの不透明な状況にあります。

 当社グループにおきましては、3月25日付で外務省より、全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航はやめて下さい。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。

 今後の動向については、海外旅行は、国内外の新型コロナウイルス感染症拡大の収束状況を見守り、海外旅行催行再開に備えます。また、従来主力事業の位置づけになかった国内旅行部門に一部資源を投下するとともに、国のGoToトラベル事業を活用し、安心・安全な旅を提供してまいります。こうした環境を踏まえ、経営資源の有効活用を図りながら、営業収益の確保に取り組んで参ります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 インターネットを通じた航空券販売や、航空券販売における旅行会社の手数料の減少など、旅行会社の淘汰や、旅行会社同士の合併などによって、旅行業は急激な変化を余儀なくされます。しかしその変化の本質は、仲介業者としての旅行会社の役割が消失するということであり、旅行会社が旅行商品をプロデュースする役割が無くなるということではありませんし、そのニーズも依然として強くあります。

 すなわち、誰でもできるチケットの仲介業ではなく、その会社にしかできない専門領域を持ち、その強みで顧客の信頼を勝ち取ることによって、旅行業界内において勝ち残り組の立場を築けると考えます。

 当社グループとしてはその考えのもと、知的・精神的円熟層というコアターゲットの支持を集めながら、その層の顧客を着実に拡大していくことを中長期的な会社の経営戦略の中心に置いています。

 経営指標としては、「営業収益」及び「営業利益」に着目しております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当連結会計年度の営業収益は前連結会計年度の5,727百万円を大幅に下回る2,347百万円となり、営業利益は前連結会計年度の150百万円から当連結会計年度は267百万円の営業損失となりました。海外旅行が、従前の、通常に近い形で海外旅行が可能となる時期を2022年前半と仮定しており、当社グループの営業収益及び営業利益の回復にも時間がかかる見通しです。引き続き営業収益及び営業利益の回復に努めてまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、2020年3月25日付で外務省より、全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航はやめて下さい。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。外務省の危険情報「レベル2」の制限解除の時期によっては当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、かかる状況に対応するため、営業時間の短縮、一部業務の休業、雇用調整助成金等の公的制度の活用、役員報酬総額の削減、給与の一部見直し、広告費の抑制などによる販売費及び一般管理費の削減を図りました。加えて、従来主力事業の位置づけになかった国内旅行部門での収益確保のために社内資源の一部を投下いたしました。

 これらの対応策を実施した結果、当社の資金繰りに関しましては、当連結会計年度末の現金及び預金残高から旅行前受金残高を控除して1,474百万円の残高となっております。他方、当連結会計年度の販売費及び一般管理費の総額は696百万円であり、借入金残高もないことから、当面の資金繰りについては問題ないと判断しております。

 顧客の支持を確固たるものとして継続するために、引き続き顧客との綿密なコミュニケーションに努め、知的好奇心や精神的喜びに応える旅づくりを通じて上質なサービスを提供し続けるよう努めます。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。当社はこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施していく方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)海外の政治情勢、戦争、紛争、テロ事件、自然災害等の影響

 当社は海外旅行の企画・販売を事業としており、海外諸地域の安全性が損なわれる事態が生じた際、当初計画していた旅行の催行取り止め等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該事象の程度によっては、顧客心理への悪影響から海外旅行需要自体の低下により、大幅な収益の減少に見舞われ、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(2)外国為替相場の変動の影響

 当社は、海外旅行の販売に伴い、仕入原価の約半分を占める地上費について外貨支払の割合が高いために、外国為替相場の変動が業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 商品の価格決定にあたっては、価格決定時の為替相場に応じた設定を行うとともに、取扱予想外貨に基づく為替予約を行う形をとっておりますが、予想を超える大幅な為替相場の変動が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(3)新型コロナウイルス感染症拡大の影響

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大をうけて、2020年3月度においては急激な売上・利益の減少の傾向となりましたが、3月25日付で外務省より全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航は止めてください。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。

 現在のところ海外旅行の催行再開については、確定的な計画を立てることが困難な環境下にあります。

 外務省の危険情報「レベル2」の制限解除の時期によっては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策等については、次の「(4)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載しております。

(4)継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社は、2020年3月25日付で外務省より、全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航はやめて下さい。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。外務省の危険情報「レベル2」の制限解除の時期によっては当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能があります。

 これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しておりますが、かかる状況に対応するため、営業時間の短縮、一部業務の休業、雇用調整助成金等の公的制度の活用、役員報酬総額の削減、給与の一部見直し、広告費の抑制などによる販売費及び一般管理費の削減を図りました。加えて、従来主力事業の位置づけになかった国内旅行部門での収益確保のために社内資源の一部を投下いたしました。

 これらの対応策を実施した結果、当社の資金繰りに関しましては、当連結会計年度末の現金及び預金残高から旅行前受金残高を控除して1,474百万円の残高となっております。他方、当連結会計年度の販売費及び一般管理費の総額は696百万円であり、借入金残高もないことから、当面の資金繰りについては問題ないと判断しております。

 以上より、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調が続く一方で、消費税率引き上げによる消費マインドへの影響も懸念され、また通商問題や海外経済の不確実性による日本国内への景気下押しリスクも抱えております。さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済社会活動が大きく制限される状況となり、企業収益、個人消費とも急速に低下し、現状においても先行きの不透明な状況にあります。

 当社グループにおきましては、2月度の段階までは計画対比で順調な売上・利益の推移が続いておりましたが、新型コロナウイルスの世界での感染拡大の影響から海外旅行の催行が困難な環境下となり、3月度に売上・利益が大幅に減少し、当連結会計年度の営業収益は2,347百万円(前期比41.0%)、経常損失は61百万円(前期は経常利益167百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失が70百万円(前期は129百万円の利益)となりました。

 

②財政状態の状況
 当連結会計年度末における資産合計は2,216百万円(前期比35.0%減)、負債合計は242百万円(前期比81.8%減)、純資産合計は1,974百万円(前期比5.3%減)となっております。自己資本比率は89.1%であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純損失が61百万円となり、営業未収入金が250百万円減少し、旅行前払金が157百万円減少、営業未払金が128百万円減少、旅行前受金が874百万円減少並びに配当金の支払による支出40百万円等の要因により、当連結会計年度末1,552百万円(前期比34.5%減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、791百万円(前年同期比-%)となりました。
これは、税金等調整前当期純損失並びに営業未収入金の減少、旅行前払金の減少、営業未払金の減少及び旅行前受金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、7百万円(前年同期比-%)となりました。
これは主に、無形固定資産の取得による支出、保険積立金の解約による収入等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、40百万円(前年同期比50.2%)となりました。
これは配当金の支払等によるものです。

 

④仕入及び販売の実績

 当社グループは、旅行業を主たる事業としているため、生産及び受注の実績の記載は該当がありません。従って、仕入実績及び販売実績等についての区分記載を行っております。

(ⅰ)仕入実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

航空運賃

852,511

40.5

地上費

934,527

40.2

その他

131,163

53.8

合計

1,918,202

41.1

 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年3月25日以降、海外旅行の催行が事実上不可能となったことによるものです。

(ⅱ)販売実績

a.商品販売売上高は、次のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

旅行業

2,338,781

41.0

その他売上

8,806

39.0

合計

2,347,587

41.0

 (注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.その他売上は保険料手数料の収入であります。

    3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響により2020年3月25日以降、海外旅行の催行が事実上不可能となったことによるものです。

 

b.添乗員付主催旅行の渡航先別旅行者数による販売実績は次のとおりであります。

行先

人数(人)

前年同期比(%)

ヨーロッパA(南欧)

820

54.8

ヨーロッパB(西欧)

210

22.5

ヨーロッパC(東欧・ロシア)

261

23.1

イスラム諸国

788

60.4

アフリカ

375

46.3

中南米

420

43.4

北米

17

16.7

インド

164

44.6

アジア

219

46.8

中国

70

23.4

シルクロード

151

21.2

オセアニア

77

24.2

その他

779

54.3

合計

4,351

42.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 財政状態については、事業の特徴として、営業収益については旅行代金について前受金の形で入金されます。資金については、事前の入金を前提としていることから、無借金経営を継続しており、借入金残高はありません。同時に顧客よりの預り金の性質を有していることに鑑み、前受金相当の資金につきましては、価値変動リスクにさらすことなく、現金及び現金同等物として保有することを基本方針としております。また、米国同時多発テロ事件に見られますように、世界情勢の影響によるリスク等の存在する点から、自己資本の充実及び内部留保の確保による経営の安定性についても留意を払っております。

 経営成績については、当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善を背景とする緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、経済社会活動が大きく制限される状況となり、企業収益、個人消費とも急速に低下し、現状においても先行きの不透明な状況にあります。
 当社グループにおきましては、3月25日付で外務省より、全世界に対しての危険情報「レベル2(不要不急の渡航はやめて下さい。)」の発出がなされるに至り、日本からの海外旅行の催行が不可能な状況になりました。
 第3四半期以降は、営業の休業を行い、また第4四半期以降は、従来主力事業の位置づけになかった国内旅行部門での収益確保のために社内資源の一部を投下いたしました。当面は国内旅行に経営資源を投下し、引き続き営業収益の確保に努める方針です。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 資本の財源につきましては、外部からの借入金はなく、100%自己資金で賄っております。

 資金の流動性につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響について正確な予測が立てられない状況ではありますが、「2事業等のリスク (4)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、現時点では十分な手許資金を確保しており、当面の資金繰りについては問題ないと判断しております。引き続き安定的な資金確保に努めてまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。

 連結財務諸表の作成にあたり、その作成時点で入手している情報及び合理的と判断する一定の見積もりが必要な項目があります。特に次の項目については、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が、実績と乖離する場合等、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(固定資産の減損)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候のある資産または資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フロー総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定における回収可能価額の見積りにあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提条件と実際の結果が異なった場合又はその前提条件に変化が生じた場合には、新たに減損処理が生じる可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件と実際の結果が異なった場合又はその前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

4【経営上の重要な契約等】

(1)IATAとの旅客代理店契約

 IATA(国際航空運送協会)公認旅客代理店として1995年5月認可(期限は認可取消になるまで有効)を受け、旅客代理店契約(PASSENGER SALES AGENCY)を結んでおります。

(注) IATA(国際航空運送協会)について

1945年に設立され、主に国際線を運行している航空会社が加盟している民間機関です。

本部は、カナダのモントリオールとスイスのジュネーブにあり、IATA公認代理店向けの諸施策の決定や精算事務は、ジュネーブで行われています。

IATAの権限は、運賃の取り決め、運送条件の取り決め、代理店対策、運行上の取り決め及び運賃決裁などがあります。

IATAの公認代理店の許可を受けることにより自社で国際航空券が発券できます。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。