文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来、①お客様への最適な物流方法を提案する「提案力」、②中国を中心とした海外拠点の確かな「ネットワーク」、③物流情報をタイムリーに提供できる「オペレーティング」の3つをキーワードに、お客様の多様な物流ニーズにお応えしてまいりました。
このキーワードをもとに、当社グループでは次の4つを経営基本方針として掲げております。
1.常にお客様の立場を考えたサービスを提供するために、他社に先駆けたより良い貨物輸送サービスを研究開発します。
2.拠点網を拡大し、よりお客様に密着したサービスを提供できる、ワールドワイドな総合物流企業を目指します。
3.創造力豊かで世界に挑戦する勇気ある人材を育成します。
4.人間性を尊重し、風通しの良い魅力ある職場を作ります。
当社グループは、この基本方針のもと、企業倫理を尊重しながら、顧客・株主・従業員にとって存在価値のある企業グループとして、社会や経済の発展に貢献するとともに持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループは、経営方針に基づき安定的かつ持続的な成長と利益の確保を経営目標としており、営業収益、営業利益及び経常利益においては、成長率を重要な経営指標と捉え、これらの向上を重視した経営に取り組んでまいります。
当社グループは、国際物流事業において、より良い貨物輸送サービスを展開し、お客様に密着したサービスを提供できるワールドワイドな総合物流企業を目指しております。
物流業界におきましては、近年、人手不足がさらに深刻化し、物流コストも上昇傾向にある中、顧客の物流ニーズの多様化・高度化が進んでおり、より高いレベルでの物流の効率化・合理化が求められております。これらを背景に、フォワーダー間においても、今後も継続してサービス及び価格双方の面で厳しい競争が続くものと予想され、厳しい経営環境が続くものと予想されます。
このような環境の下、当社グループでは、様々な顧客ニーズに適応した提案型営業を展開し、国際貨物輸送、通関や配送のみならず、検品・検針といった加工業務等も加えた受注の獲得を目指してまいります。
当社グループは、中国から日本への輸入貨物の取扱い、アパレルや日用雑貨の貨物集荷を得意としておりますが、東南アジアから日本への輸入貨物や日本からの輸出貨物の集荷にも注力し、また、その営業活動を未だ取扱いの少ない他の業種へも拡げてまいります。これらに加え、日本を介さない三国間輸送の獲得に向けての営業強化も図り、更なる取扱高の増加と収益の拡大に取り組んでまいります。
さらに、当社グループがワールドワイドな総合物流企業へと成長するために、日本・中国・東南アジアといった自社拠点間や北米等を結ぶ物流ネットワークをより強固なものとし、海外拠点網の拡大と構築を進め、更なる事業基盤の強化と収益基盤の拡充を図ってまいります。
そして、輸出貨物輸送、航空貨物輸送、通関、保管業務、配送業務等それぞれに得意分野を持つ企業との提携も視野に入れながら、これらの事業提携を通じて、総合的な物流サービスの展開を推進していくことも中長期的な戦略として掲げ、持続的成長と企業価値の向上に努めてまいります。
(4)会社の対処すべき課題
グローバル化した今日の企業活動の中で、当社グループの主な事業である国際貨物輸送事業は、社会的、経済的に重要で、大きな役割と責任を負っていると考えております。
すなわち、当社グループがお客様の支持を得て事業を伸展することは、当社グループの企業価値の増大に結びつくだけではなく、結果としてかかる社会的使命と責任を果たすことにつながるものであると認識し、特に以下の項目を対処すべき課題として掲げて、積極的に取り組んでおります。
①事業基盤の強化と拡大
物流に対するお客様のニーズが多様化・高度化する近年、物流の効率化や合理化、物流コストの削減、納期の短縮等のニーズに応えるべく、当社グループは、国際貨物輸送だけでなく、通関や配送等までを一貫して受注する提案を行っております。また、日新運輸の子会社化により、検品・検針といった加工業務から始まり、国際貨物輸送、通関や配送までをグループが一貫して請け負える事業環境が整いました。
当社グループは、企業の成長を更に加速させるべく、この事業環境を活かし、顧客のニーズを的確に捉えた物流提案を積極的に行い、アパレル製品や雑貨類に留まらず、輸送実績の少ない業種への営業活動にも精力的に行い、国際貨物輸送の取扱高の増加と業績の拡大に取り組んでまいります。
加えて、東南アジアから日本への輸入貨物や日本からの輸出貨物の集荷、日本を介さない三国間輸送の獲得に向けての営業活動も強化し、中国、東南アジアの現地法人や各国の代理店との連携も深め、グローバル物流体制の基盤強化も図ってまいります。
また、独自での海外営業戦力の充実と海外拠点網の拡充を図るとともに、今後当社グループが注力すべき分野に精通した企業との提携等も視野に入れ、事業規模の拡大を図ってまいります。
そして、収益性の改善に向けて社内体制やインフラの整備、効率化によるコスト削減等にも取り組み、安定的な収益の維持と確保に努めてまいります。
当社グループは、持続的な事業の拡大を実現していくためには、企業の成長に応じた人材の確保及び育成が重要課題であると考えております。
現在、あらゆる業種での人手不足が大きな問題となっており、物流業界においても、需要に対して人手不足が顕著であり、採用競争も激しさを増す中、人材の確保が困難な状況となっております。特に国際貨物輸送サービスでは、日本国内及び世界各国の物流事情に精通した知識と経験を持つ人材が必要不可欠であり、今後の事業の拡大及び海外展開を加速させる上で、人材確保と育成は、重要な経営課題であり、また当社グループの成長を支える重要な要素であると認識しております。
人材の採用については、即戦力の人材確保を目的とした中途採用及び将来を担う社員の育成と組織の活性化を目的とした新卒採用を行っております。また、人材育成においても、採用後の新入社員研修、中途採用研修、外部の専門研修、階層別研修、海外研修なども充実させることで、確保した人材の早期戦力化と定着化を図ってまいります。
当社グループにとって、最も重要な経営資源は人材であり、事業の安定的かつ持続的成長のために、より適正な人事評価制度の導入や社員の給与体系などの待遇改善も実施し、従業員のモチベーションを維持向上させる仕組みづくりに取り組んでまいります。
当社グループは、持続的な企業価値の向上と成長を維持するために、内部管理体制の充実と強化が必要不可欠であると認識しております。
当社グループでは、業務拡大に伴う組織体制の見直しと整備を逐次実施するとともに、内部管理体制を強化しコーポレート・ガバナンスの浸透に取り組んでおります。
今後もこの内部管理体制を有効に機能させることが企業価値を更に高め、効率的かつ健全な企業経営を実現するものと認識し、より一層透明性の高い経営を目指し、相互牽制の効いた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は、次の通りであります。これらの中には、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、投資判断上で重要と考えられる事項についても記載しております。
なお、当社グループは、これらのリスク要因を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に、全力で努めてまいる所存でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、これらの記載のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、不確実性を内包しており、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではなく、実際の結果と異なる場合があります。
当社グループが展開する国際貨物輸送事業における主要な業務は、日中間の海上コンテナ輸送の取扱いであります。そのため、中国における政治的・経済的な混乱の発生、中国政府の政策変更、人民元の為替動向、反日運動の発生等の影響により、日中間の国際物流環境に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、中国以外の地域とのコンテナ輸送等も展開しており、中国情勢の変化だけではなく、グローバル化に伴う次のようなリスクが存在しております。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
1. 事業や投資に係る許認可、税制、通商制限等
2. 戦争、暴動、テロ、ストライキ、その他の要因による社会的混乱
3. 移転価格税制等の国際税務リスク
4. 急激な為替レートの変動
なお、当社グループは、新たに海外進出する際には、現地の政情や経済情勢、並びに当社グループの取引先が当該国と潜在的に持つ貨物量を勘案するほか、考えられる限りのリスクを把握し、対処するよう努めておりますが、予期せぬカントリーリスクが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの行う国際貨物輸送事業において、その運賃収入及び運賃仕入の一部は米ドル建てであるため、為替レートの変動により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外連結子会社における営業収益、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しております。従って、円換算時の為替レートにより、これらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、為替レートの変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの行う国際貨物輸送事業は、輸送手段(船舶・自動車等)を所有、運行せず、取引先の要望に応じて、船会社等の実運送業者のサービスを活用して貨物輸送を行い、取引先(荷主)に対して輸送責任を負う貨物利用運送事業者として、「貨物利用運送事業法」の規制を受けております。当社グループでは「貨物利用運送事業法」に基づき、国土交通大臣より「第一種貨物利用運送事業」の登録及び「第二種貨物利用運送事業」の許可を受けております。当該登録及び許可には期限の定めはありませんが、貨物利用運送事業に関し不正な行為を行った場合などの事由により、期間を定めた事業の全部もしくは一部の停止、あるいは、登録・許可が取り消される可能性があります。
また、当社グループでは貨物輸送に附帯する業務として通関業を行っており、所轄地税関長より「通関業法」に基づく通関業の許可を受けております。当該許可についても期限の定めはありませんが、関税法や通関業法などに違反した場合は、許可が取り消される可能性があります。
当社グループでは中国においても、「無船承運(NVOCC)業務営業許可」を受けており、有効期限は次の通りで現在まで継続対応しておりますが、不正な行為を行った場合には、許可が取り消される可能性があります。
本書提出日現在、当社グループにはこれらの登録・許可の取消し事由に該当する事実はありませんが、将来何らかの理由により、登録・許可の取消し等の事態が発生した場合、当社グループの経営及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、船舶・自動車等を持たず、取引先から受託した貨物の輸送を実運送業者(船会社・自動車運送業者等)に委託しております。このため、燃油価格の上昇や船腹・車両不足等により実運送業者の輸送運賃が上昇した場合、当社グループの仕入コストも上昇いたします。このような場合、通常は販売価格に転嫁し、取引先にご負担頂いておりますが、何らかの事由により販売価格への転嫁ができなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国際貨物輸送事業者として培ったノウハウを持って、取引先の貨物が安全かつ確実に輸送されるよう細心の注意を払っていると共に、輸送事故等の発生に備え、B/L保険等に加入しております。ただし、発生する特殊な事故のケースでは、保険等で補償されない場合もあり、このような場合には、社会的信用の低下や補償費用等が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開する国際貨物輸送事業においては、国内外の物流事業に精通した人材の確保、育成が必要不可欠であります。経営計画に基づいた事業の拡大のために、企業の成長に応じた人材の中途採用を現在も継続しており、人材紹介会社を積極的に活用すると共に、社内での社員研修の内容の充実も図っております。しかしながら、このような物流事業に精通した人材の確保や予定通りの研修育成が実施出来なかった場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上高は、繊維・雑貨関連の企業への依存が相対的に高くなっております。当社グループとしては幅広い企業と取引しており、特定した企業への依存度は低いものの、これら特定する業種への景気の悪化等で、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、取引先は特定した先に集中することなく、多数の取引先に分散されており、且つ当社の中心的な業務である国際貨物輸送の基本的な取引はキャッシュオンデリバリーで、相対的に売上債権の回収リスクは低いものの、最近では一貫輸送の営業強化の関係から通関業務の受託が増加し、必然的に売上債権が増加しております。さらに通関業の商習慣として、輸入する取引先が負担する商品の輸入関税等の立替も発生することが多く、立替金も増加傾向にあります。当社グループでは、これら売上債権や立替金の増加に対し、細心の注意を払った与信管理を行い、取引先によっては、取引信用保険やファクタリングを活用して、リスクヘッジを行っております。ただし、これらヘッジを行ったとしても、信用リスクが顕在化し、保険等で補填が出来ず、貸倒が発生することも考えられます。これら貸倒が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、船舶等による日中間の国際貨物輸送を主な業務としております。このため、これらの地域で起こる地震・台風等の自然災害によっては、当社グループが委託する実運送業者の貨物輸送に支障を来たすことがあります。このような場合、取引先への輸送サービスが停止し、売上高の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが展開する国際貨物輸送事業は、国際間の物流量の影響を受けるため、国内外の景気動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、常に同業他社との競争、競合状態にあります。当社グループでは独自の輸送サービスの開発や価格競争力の強化に努めておりますが、新規参入業者の増加等で価格競争は激化の傾向にあり、独自の優位性を確保出来なかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは経理業務・国際貨物輸送業務等に関して、情報システムを活用しております。当社グループでは、業容の拡大に伴い、情報システムの強化を行っており、システム障害に備えてデータの定期的なバックアップを行っております。しかしながら、何らかのトラブルによりこれらの情報システムに障害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、取引先・個人等の情報を取扱っており、コンプライアンスや取引先・個人情報管理の徹底など、社内教育を通じて情報管理体制の強化に努めております。しかしながら、情報の外部漏洩やデータ喪失等が発生した場合、当社グループの社会的信用の低下や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、より高度な付加価値サービスの提供や事業基盤の拡大及び補強のために、事業戦略の一環として他企業との戦略的事業提携を行う可能性があります。戦略的事業提携につきましては、事前の十分な検討やデューデリジェンスを行いますが、提携後の事業計画が当初の計画通りに進捗しない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業業績や雇用環境等の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、米中貿易摩擦の長期化など不確実な経済情勢の影響から、先行きは不透明な状況となっております。
また、当社グループの事業環境としては、消費税率の引き上げによる在庫調整や暖冬による冬物商品の売れ行きが低調であったことから、国際貨物の荷動きが鈍く、加えて新型コロナウイルス感染症の影響から物流の停滞や混乱が生じ、厳しい状況が続いております。
当連結会計年度において、当社は2019年3月1日を効力発生日とし、当社を株式交換完全親会社、日新運輸株式会社(以下「日新運輸」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換を行いました。この株式交換により、日新運輸並びに同社の日本、中国及びミャンマーのそれぞれの子会社が当社グループに加わったことで、国内外における当社グループの事業規模と拠点網は拡大しました。
さらに、従来の当社グループの主力事業である国際貨物輸送や通関業務、配送に加え、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務までを当社グループで請け負える環境が整い、顧客へより充実したサービスの提供が可能となりました。
これらの効果やグループシナジー創出に向けての取り組みに注力したこと、並びに従来からの一貫輸送の提案型営業も精力的に行ったことで、当社グループの主力である中国や東南アジアから日本への輸入海上輸送の取扱いは増加し、収益の拡大へと繋がりました。
また、国内外での輸送における仕入コストが上昇基調にある中、販売価格への転嫁等にも取り組み、安定した利益確保に努めてまいりました。一方で、販売費及び一般管理費では、日新運輸の子会社化に伴って、取得原価の配分(PPA)により認識した顧客関連資産の償却やのれん償却額が新たに発生し、加えて人員の増加及び人事制度の再構築による人件費の上昇等により、各費目で増加しました。しかしながら、グループで可能な限りコストを削減すべく検討を重ねることで、利益の創出を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度における営業収益は45,003百万円(前年同期比62.0%増)と前年同期を大きく上回り、営業利益は1,575百万円(前年同期比2.1%増)となりました。また、経常利益は、日新運輸の子会社化に伴う持分法による投資利益等の計上により営業外収益が増加したことで、1,947百万円(前年同期比14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,325百万円(前年同期比13.5%増)といずれも前年同期を上回ることとなりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
なお、2019年3月1日を効力発生日とする株式交換により当社グループに加わった日新運輸及びニッシントランスコンソリデーター株式会社は報告セグメントの「日本」に含めており、日一新国際物流(上海)有限公司、暖新国際貿易(上海)有限公司は「中国」に、NISSHIN (MYANMAR) CO., LTD.は報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」にそれぞれ含めております。
また、連結子会社であった「AIT LOGISTICS (THAILAND)LIMITED」は清算のため、当連結会計年度より連結の範囲から除外したことに伴い、報告セグメントの「タイ」を廃止しております。
(日本)
消費税率の引き上げ等に伴う在庫調整や暖冬による国際貨物の荷動きの鈍化等のマイナス要因はありましたが、日新運輸との企業結合の効果が寄与し、主に中国から日本への輸入貨物の取扱量が増加することとなりました。また、一貫輸送の獲得に向けての営業活動にも注力し、その結果、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で251,836TEU(前年同期比21.7%増)、輸出入合計で267,916TEU(前年同期比22.6%増)、通関受注件数は146,058件(前年同期比68.7%増)と前年同期を大きく上回りました。
さらに、販売価格及び利益の改善に向け、海上輸送の運賃や上昇している日本国内の配送料金の価格転嫁にも取り組んでまいりました。
以上のことから、日本における営業収益は35,443百万円(前年同期比61.4%増)となり、セグメント利益は、取得原価の配分(PPA)により認識した顧客関連資産の償却やのれん償却額を含む販売費及び一般管理費の増加により1,072百万円(前年同期比22.4%増)となりました。
(中国)
日本向け貨物の取扱量が増加したことで、中国国内での輸送関連の収益機会も増し、更に日新運輸との企業結合で中国国内での検品・検針・加工業務における収益も加わったことで、事業規模は拡大しました。
以上のことから、中国における営業収益は8,432百万円(前年同期62.4%増)となり、セグメント利益は、取得原価の配分(PPA)により認識した顧客関連資産の償却やのれん償却額を含む販売費及び一般管理費の増加が影響し、410百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
(その他)
米国、台湾現地法人及びベトナム合弁会社それぞれで貨物の取扱量も増加し、加えてミャンマーでの収益も加わり、営業収益は1,127百万円(前年同期は営業収益543百万円)、セグメント利益は92百万円(前年同期はセグメント利益21百万円)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
資産、負債及び純資産の状況は、2019年3月1日付の株式交換により日新運輸を完全子会社化したことに伴い、大幅に変動しております。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12,430百万円増加し20,644百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ7,727百万円増加し15,452百万円となりました。これは主に日新運輸を完全子会社化したことに伴って、現金及び預金が5,971百万円、受取手形及び売掛金が1,175百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ4,702百万円増加し5,191百万円となりました。これは主に日新運輸を完全子会社化したことに伴って、顧客関連資産が2,368百万円、のれんが979百万円、投資有価証券が604百万円、機械装置及び運搬具が265百万円、建物及び構築物が153百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ6,669百万円増加し8,928百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ5,615百万円増加し7,391百万円となりました。これは主に日新運輸を完全子会社化したことに伴って、短期借入金が4,347百万円、買掛金が568百万円、賞与引当金が195百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,053百万円増加し1,537百万円となりました。これは主に日新運輸を完全子会社化したことに伴って、繰延税金負債が624百万円、退職給付に係る負債が201百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ5,761百万円増加し11,715百万円となりました。これは主に日新運輸との株式交換に伴う新株発行により資本剰余金が5,053百万円、日新運輸を完全子会社化したことに伴って非支配株主持分が345百万円増加したことによるものです。また、親会社株主に帰属する当期純利益1,325百万円を計上した一方で、剰余金の配当により774百万円が減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,523百万円増加し、株式交換による現金及び現金同等物の増加額4,451百万円と合わせ、10,812百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次のとおりであります。
営業活動の結果、獲得した資金は2,218百万円(前年同期比729百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を1,955百万円計上したことのほか、売上債権の減少937百万円、減価償却費495百万円、利息及び配当金の受取額309百万円、立替金の減少293百万円、のれん償却額116百万円等の資金の増加要因に対し、預り金の減少901百万円、法人税等の支払額469百万円、持分法による投資利益217百万円等の資金の減少要因によるものであります。
投資活動の結果、支出した資金は160百万円(前年同期は271百万円の獲得)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,343百万円、有形固定資産の取得による支出147百万円、無形固定資産の取得による支出111百万円、差入保証金の差入による支出83百万円等の資金の減少要因に対し、定期預金の払戻による収入1,342百万円の資金の増加要因によるものであります。
財務活動の結果、支出した資金は487百万円(前年同期比222百万円減)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出4,026百万円、配当金の支払774百万円、自己株式の取得による支出144百万円等による資金の減少要因に対し、短期借入れによる収入4,473百万円等の資金の増加要因によるものであります。
④生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、国際貨物輸送サービスの提供をしております。従って、サービスの性格上、生産実績を定義することが困難であるため生産実績の記載は省略しております。
生産実績と同様の理由により、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありませんので、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.「その他」には、米国、台湾、ベトナム及びミャンマーの現地法人を含めております。なお、米国の現地法人である「AIT International of America,Inc.」は2020年2月29日をもって営業を終了し、現在清算手続中であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金等の各引当金や退職給付に係る負債の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。
(営業利益)
当連結会計年度における営業原価は、営業収益と同様に日新運輸の子会社化による増加に加え、国内外での輸送における仕入コストも上昇基調にあり、36,857百万円(前年同期比57.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費では、日新運輸の子会社化によりグループの規模は拡大し、人員が増加したことに加え、人事制度の再構築による人件費の上昇等もあって、各費目で増加しました。また、取得原価の配分(PPA)により認識した顧客関連資産の償却やのれん償却額が新たに発生することとなりました。
しかしながら、グループで可能な限りコストを削減すべく検討を重ねることで、利益の創出を図ってまいりました。
この結果、営業利益は1,575百万円(前年同期比2.1%増)と前年同期を上回る結果となりました。
(経常利益)
営業外収益では、日新運輸の子会社化に伴い、持分法による投資利益217百万円を新たに計上したことで、前連結会計年度に比べ216百万円の増加となりました。営業外費用は、支払利息等の計上を含め、5百万円となりました。
この結果、経常利益は1,947百万円(前年同期比14.3%増)と前年同期を上回る結果となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、関係会社株式売却益20百万円等が発生し、特別損失では、固定資産除却損11百万円等が発生しました。法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は、592百万円となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,325百万円(前年同期比13.5%増)と前年同期を上回る結果となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。
c. キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
主な資金需要につきましては、運転資金として、国際貨物輸送に係る営業原価、及び販売費及び一般管理費等であります。また、設備資金として、基幹システムの刷新或いは改修に係る費用等があります。
これら資金需要及び事業規模と業容の拡大を図るためのM&Aに係る資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応してまいります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
当社は、2018年10月10日開催の取締役会にて、株式会社日立物流(以下、「日立物流」といいます。)との間で資本業務提携を行うことを決議し、同日、両社間で資本業務提携契約を締結しております。
該当事項はありません。