第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当面の対処すべき課題の内容と具体的な取組状況等

当社グループを取り巻く環境の変化は、一段と加速しております。少子高齢化や人口減少によって、国内市場の伸びが鈍化する中、デバイスの高機能化などによって、スマートフォンやタブレット端末で手軽に動画コンテンツを楽しむことが当たり前になるなど、視聴環境は多様化してきております。さらに、こうしたライフスタイルの変化に合わせるように、広告の手法、ならびに広告主のニーズも多様化しつつあります。

こうした状況の中、当社グループは、昨年2月に「グループ中期経営計画2020」を策定し、新たな目標に向かってグループ一丸となって取り組んでいくことを決定いたしました。計画では、放送と通信の融合の時代、そして、ポスト2020年東京オリンピック・パラリンピックの時代を見据えて、以下の3点を重点目標に掲げ、皆様に愛され、信頼されるメディア・グループへの進化を目指しております。

(1)TBSテレビの競争力向上

(2)TBSシナジーを生む総合メディアの多様化に向けた戦略的投資

(3)TBSグループが果たすべき社会的責任の遂行

 

「グループ中期経営計画2020」における主な取り組みは、次のとおりです。

1つ目の「TBSテレビの競争力向上」については、世帯視聴率で、ゴールデン帯、プライム帯ともに、前年を0.1ポイント上回る数字を達成いたしました。中でもゴールデン帯で、10%の二桁の数字を獲得したのは、2011年度以来7年ぶりで、ドラマやバラエティを中心に多くの視聴者から、支持をいただきました。また、コンテンツとしても、「ブラックペアン」や「義母と娘のブルース」「大恋愛」などTBSならではの魅力ある番組を多く創出できたと考えております。

報道機関としての取り組みとしては、どこよりも早く、正確な情報を提供するべく、地上波放送とデジタルメディアの一体運用を実現し、24時間365日ニュースを発信できる体制を整えました。今年2月に発生した北海道胆振東部地震では、「一人でも多くの人の命を守る」という使命のもと、在京民放局では一番に一報を伝え、さらに、デジタルでも積極的に対応し、ライブ配信やツイッターなどで原発の状況、電力や交通情報などを次々と速報しました。

 

2つ目の「戦略的投資」につきましては、今年1月に「赤坂エンタテインメント・シティ構想」を発表いたしました。これは、新たなエンタテインメント施設や、最先端の文化発信機能を拡充し、赤坂を「世界最高の感動体験を届ける街にする」というプロジェクトです。この構想の実現に向け、三菱地所と「国際新赤坂ビル」の再開発を共同で行う事業協定を締結いたしました。今後、この再開発エリアに、次世代エンタテインメントの発信拠点を構築する計画を進めていきます。

また、新たな事業領域拡大に向けて、ロケーション型VR・MRといったデジタル映像領域に取り組む「Tyffon(ティフォン)」に出資いたしました。この分野は、当社事業との親和性が高く、またXR技術は、成長領域として世界規模で期待されており、引き続き注力する分野と考えております。

当社としては、今後も、総合メディアグループとしての発展を目指し、さらに翼を広げ、進化を続けてまいります。

 

3つ目の「社会的責任の遂行」につきましては、昨年9月に、再生可能エネルギー事業に取り組んでいる「みんな電力」と業務提携契約を締結し、昨年12月よりTBSラジオの戸田送信所の電力を100%再生可能エネルギーに切り替えました。これに合わせて、ラジオ番組と連携した「クリーン・パワー・キャンペーン」を実施し、リスナーと共に、身の回りの環境について考え、行動する取り組みを行いました。また、2020東京オリンピック・パラリンピックのテーマである「共生社会の実現」に向けて、パラアスリートの挑戦や可能性を伝える番組を制作し、「炎の体育会TV」などで放送しました。さらに、昨年5月には、日本障がい者スポーツ協会との共催で「共生スポーツ祭り」を開催し、パラスポーツの振興に努めました。

今後も、放送事業者として、より高い社会的責任を果たすべく、様々な施策に取り組んでまいります。

 

中期経営計画のこうした取り組みの結果として、2020年度の達成目標を、連結売上高4,000億円、連結営業利益250億円、売上高営業利益率を6.3%としており、この目標に向けて邁進しているところです。

今後も良質なコンテンツの提供に努めてまいりますとともに、さらなる成長と企業価値の拡大を目指し、株主の皆様のご期待にお応えしてまいりたいと存じます。

 

 

(2)会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、2007年2月28日開催の当社取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます)を整備しましたが、当社グループの新たな中期経営計画「グループ中期経営計画2020」の策定と実行に伴い、2018年4月3日の同取締役会において、当該中期経営計画に関わる部分について、以下のとおり改定を行いました

 

イ 基本方針の内容

当社は、上場企業として市場経済の発展に寄与すべき責務を負うと同時に、有限希少の電波を預かる放送事業者を傘下に持つ認定放送持株会社として、高い公共的使命を与えられている企業であります。その企業としての性格は、当社が制定した「TBSグループ行動憲章」の「Ⅱ.行動憲章」に、「私たちは、表現の自由を貫き、社会・文化に貢献する公平・公正・正確な情報の発信に努め、報道機関としての使命を果たします。」、「私たちは、社会とのつながりや自然との共生を大切に考え、あらゆる事業分野や個人活動を通じて、積極的な社会貢献とよりよい地球環境の実現に努めます。」と掲げているとおりであり、とりわけ災害・緊急時等には、わが国の基幹メディアとして、一瞬の遅滞も許されることなく社会のライフラインの機能を果たすべき放送事業者を傘下に持つ認定放送持株会社として、社会的に重大な役割を与えられております。

また、地上デジタル放送の本格化や多メディア時代を迎えて、放送事業は、番組制作・企画開発力とその質の一層の向上を問われております。

これらの社会的使命、社会的役割を実現し、放送事業としての競争力の鍵である番組制作・企画開発力とその質を絶えず向上させていくうえで、従業員や関係職員等当社並びに当社の子会社及び関連会社が有する人材が重要な経営資源として位置づけられるのは勿論のこと、業務委託先や取引先その他当社の番組やコンテンツを支える人々との長期の信頼関係も、経営資源として極めて重要な役割を果たしており、これらは当社の企業価値の源泉を構成するものにほかなりません。

したがいまして、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益を最大化していくためには、中長期的な観点から、このような当社の企業価値を生み出す源泉を育て、強化していくことが最も重要であって、当社の財務及び事業の方針は、このような認識を基礎として決定される必要があります。

もとより、当社は、上場企業として、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の最大化に資する形で当社株式の大量取得行為が行われることや当該行為に向けた提案がなされることを否定するものではありません。しかしながら、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者が、上記のような当社の企業価値の源泉とその中長期的な強化の必要性についての認識を共有せず、上述した当社の企業価値を生み出す源泉を中長期的に見て毀損するおそれがある場合、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の最大化に反する結果につながりかねないものと考えられます。

以上のような観点から、当社といたしましては、放送法及び電波法の趣旨にも鑑み、特定の者またはグループ(及びこれらと所定の関係を有する者)が当社の総株主の議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式を取得すること等により(かかる場合における特定の者またはグループ及びこれらと所定の関係を有する者を併せて以下「買収者等」といいます)、上述したような当社の企業価値の源泉が中長期的に見て毀損されるおそれがある場合等、当社の企業価値または株主の皆様共同の利益の最大化が阻害されるおそれが存する場合には、かかる買収者等は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び当社の定款によって許容される限度において、場合により、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の確保及びその最大化に向けた相当な措置を講じることとしています。

なお、認定放送持株会社制度は、放送事業者にも持株会社制度の利用を認めることにより、マスメディア集中排除原則の趣旨を維持しつつ、放送事業者の経営のより一層の効率化を可能にする新たな経営基盤を提供するものですが、放送の多元性・多様性及び地域性を確保する趣旨から、法律上議決権比率が33%を超える株主に関しては当該超過分の議決権の保有が制限されており、当社の株主の皆様につきましても、当社が認定放送持株会社に移行いたしました結果、かかる制限が既に適用されております。

しかしながら、当社は、認定放送持株会社への移行後も、従前同様、放送の不偏不党を堅持しながら、分野に応じて最適な業務提携先と最適な提携を実現し、全体として多彩な業務提携先との間で全方位の関係を構築する、いわゆる全方位型業務提携を提携方針としておりますところ、この観点からは、持株比率が20%を超える株主が出現することは、これにより上記提携方針を維持した場合を上回る利益が見込まれる場合でない限り、依然として当社の企業価値、株主の皆様共同の利益にとって好ましくない事態であると考えられます。かかる趣旨から、当社といたしましては、認定放送持株会社への移行による議決権保有制限制度の適用に拘わらず、今後も、基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みを維持することとし、また、この度、当社グループの新しい中期経営計画として、2018年2月8日に「グループ中期経営計画2020」を策定し、その実現に取り組んでまいります。

 

ロ 「グループ中期経営計画2020」の実行による企業価値向上及び株主共同の利益最大化に向けた取組み

当社グループは、今後とも、テレビ・ラジオの放送を通じて国民の知る権利に奉仕し、広く愛される良質な娯楽を提供していく所存です。その一方、デジタル・コンテンツ・ビジネスのリーディングカンパニーとしてさらなる飛躍を目指すため、当社グループの中期経営計画「V!up」プランを策定して、2006年度よりその遂行に取り組み、2014年度に至る上記中期経営計画を「グループ経営計画2014」として改定して遂行し、デジタルデバイスの発展・進化や、経済環境の変化を受けて、2013年5月10日に「グループ中期経営計画2015」を策定し、2016年5月11日には、これを引き継ぐ形で「グループ中期経営計画2018」を策定しました。さらに、放送と通信の融合の時代、ポスト2020年東京オリンピック・パラリンピックの時代を見据え、TBSグループの基盤を一層強化するため、2018年2月8日に「グループ中期経営計画2020」を策定しております。

当社グループは、「グループ中期経営計画2020」の遂行を通じて、「TBSテレビの競争力向上、最強・最良コンテンツを創出」、「TBSシナジーを生む総合メディアの多様化と挑戦」、及び「TBSグループが果たすべき社会的責任の遂行」という3つのアプローチによって、放送と通信の融合の時代、また、ポスト2020年東京オリンピック・パラリンピックの時代を見据えた、当社グループならではの「TBSクオリティ」の確立を目指し、もって当社及び当社グループの企業価値と株主の皆様共同の利益の最大化を目指すとともに、株主の皆様の負託に応えてまいる所存です。

 

ハ 基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取組みの概要

当社は、2007年2月28日開催の当社取締役会の決議により、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2005年5月18日付けで公表いたしました「当社株式にかかる買収提案への対応方針」について、その実質を維持しつつ株主の皆様の意思をさらに重視する形で改定(以下、改定後の対応方針を「本プラン」といいます)を行い、2007年6月28日開催の当社第80期定時株主総会(以下「2007年株主総会決議」といいます)において、本プランとその継続につき、同総会に出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数によるご賛同をもって株主の皆様のご承認をいただいております。本プランにつきましては、その後、当社が2009年4月1日付けで認定放送持株会社に移行したこと、さらには会社法及び金融商品取引法の改正及び施行等の法的環境の変化を踏まえ、当社企業価値評価特別委員会(以下「特別委員会」といいます)の現任委員全員の同意を得て、2007年株主総会決議の枠内で、本プランについて所要の最小限の範囲で一部修正を行っております。現行の本プランの内容は以下のとおりです。

 

1. 本プランの概要

(a) 本プランの発動にかかる手続

(ⅰ)本プランの手続の対象となる行為

当社は、以下の①ないし③のいずれかに該当する行為(以下「大規模買付行為等」といいます)が行われた場合を本プランの適用対象とし、これらの行為を行う方針を有する者(当該方針を有するものと当社取締役会が特別委員会の勧告にもとづき合理的に判断した者を含み、当社取締役会が予め承認をした場合を除きます)が現れた場合に、本プランに定めた手続を開始するものといたします。

大規模買付行為等に対する対応措置の内容は、下記(ⅳ)のとおりですが、本プランは、上記の方針を有する者が現れた場合に当然にかかる対応措置を発動するものではなく、当該者に対してかかる対応措置を発動するか否かは、あくまで下記(ⅱ)、(ⅲ)及び(ⅴ)ないし(ⅶ)の手続に従って決せられることとなります

当社が発行者である株券等についての、買付け等の後における公開買付者グループの株券等所有割合の合計が20%以上となることを目的とする公開買付け

当社が発行者である株券等についての、大規模買付者グループの、買付け等の後における株券等保有割合が20%以上となるような買付け等

当社が発行者である株券等についての公開買付けまたは買付け等の実施にかかわらず、大規模買付者グループと、当該大規模買付者グループとの当社の株券等にかかる株券等保有割合の合計が20%以上となるような当社の他の株主との間で、当該他の株主が当該大規模買付者グループに属するいずれかの者の共同保有者に該当するに至るような合意その他の行為、または当該大規模買付者グループの中核を成す当社の株主と当該他の株主との間にその一方が他方を実質的に支配しもしくはそれらの者が共同ないし協調して行動する関係を樹立する行為

 

以下、公開買付者グループ及び大規模買付者グループと、上記③において定める「他の株主」とを併せて、「買収者グループ」といいます。

 

(ⅱ)買収者グループに対する情報提供の要求等

大規模買付行為等を行う買収者グループは、当社取締役会が別途認めた場合を除いて、当該大規模買付行為等の開始または実行に先立ち、当社に対して、下記の各号に定める情報(以下「本必要情報」といいます)とそれらに加えて、取締役会評価期間(下記(ⅲ)に定義されます)及び当該期間における検討の結果下記(ⅵ)に従い当社取締役会が株主総会の招集を決議した場合にはそのときからさらに21日間の待機期間において当社株券等の買付け等を行わないこと、並びに本プランに定める手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した書面を提出していただきます。

特別委員会は、提出された情報が本必要情報として不十分であると判断した場合には、同グループに対し、適宜回答期限(原則として60日といたします)を定めたうえ、追加的に情報を提供するよう求めることがあります。

 

買収者グループの概要

大規模買付行為等の目的、方法及び内容

大規模買付行為等を行うに際しての第三者との間における意思連絡の有無並びに意思連絡が存する場合にはその相手方名及びその概要、並びに当該意思連絡の具体的な態様及び内容

大規模買付行為等にかかる買付けの対価の算定根拠及びその算定経緯

大規模買付行為等にかかる買付けのための資金の裏付け

大規模買付行為等の完了後に意図されている当社及び当社グループの経営方針、事業計画、財務計画、資金計画、投資計画、資本政策、配当政策及び番組編成方針等その他大規模買付行為等の完了後における当社及び当社グループの役員、従業員、取引先、顧客、業務提携先その他の当社及び当社グループにかかる利害関係者の処遇方針

反社会的勢力ないしテロ関連組織との関連性の有無及びこれらに対する対処方針

当社の認定放送持株会社としての、及びTBSテレビの放送事業者としての公共的使命に対する考え方

その他当社取締役会または特別委員会が合理的に必要と判断する情報

 

(ⅲ)取締役会及び特別委員会による検討等

当社取締役会及び特別委員会は、買収者グループが開示した大規模買付行為等の内容に応じた下記①または②の期間を、当社取締役会による評価、検討、意見形成、代替案立案及び買収者グループとの交渉のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として設定いたします。

 

対価を現金のみとする公開買付けによる当社の全ての株券等の買付けが行われる場合:60日間

上記①を除く大規模買付行為等が行われる場合:90日間

 

当社取締役会は、取締役会評価期間内において、買収者グループから提供された本必要情報にもとづき、当社の企業価値及び株主の皆様共同の利益の最大化の観点から、買収者グループの大規模買付行為等に関する提案等の評価、検討、意見形成、代替案立案及び買収者グループとの交渉を行うものといたします。

また、特別委員会も上記と並行して買収者グループからの提案等の評価及び検討等を行いますが、特別委員会がかかる評価及び検討等を行うに当たっては、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある専門家の助言を得ることができるものといたします。なお、かかる費用は当社が負担するものといたします。

また、特別委員会は、買収者グループが本プランに定められた手続に従うことなく大規模買付行為等を開始したものと認める場合には、引き続き本必要情報の提出を求めて同グループと協議・交渉等を行うべき特段の事情がある場合を除き、当社取締役会に対して、本新株予約権の無償割当て等の下記(ⅳ)で定める所要の対応措置を発動することを勧告できるものといたします。この場合、当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、特別委員会の上記勧告を最大限尊重のうえ、本新株予約権の無償割当て等の下記(ⅳ)で定める所要の対応措置を発動することといたします。

 

(ⅳ)対応措置の具体的内容

当社が本プランにもとづき発動する大規模買付行為等に対する対応措置は、原則として、本新株予約権の無償割当てによるものといたします。但し、会社法その他の法令及び当社の定款上認められるその他の対応措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対応措置が用いられることもあるものといたします。

大規模買付行為等に対する対応措置として本新株予約権の無償割当てをする場合の概要は、下記「3.本新株予約権の無償割当ての概要」に記載のとおりですが、実際に本新株予約権の無償割当てをする場合には、

 

例外事由該当者(下記「3.本新株予約権の無償割当ての概要」の(c)において定義されます)による権利行使は認められないとの条件や、

新株予約権者が例外事由該当者に当たるか否かにより異なる対価で当社がその本新株予約権を取得できる旨を定めた取得条項(例外事由該当者以外の新株予約権者が保有する本新株予約権については、これを当社がその普通株式と引換えに取得する一方、例外事由該当者に該当する新株予約権者が保有する本新株予約権については、当社が適当と認める場合には、これを本新株予約権に代わる新たな新株予約権その他の財産と引換えに取得することができる旨を定めた条項)、または

当社が本新株予約権の一部を取得することとするときに、例外事由該当者以外の新株予約権者が所有する本新株予約権のみを取得することができる旨を定めた取得条項

 

等、大規模買付行為等に対する対応措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件、取得条項等を設けることがあり得ます。

 

(ⅴ)対応措置の不発動の勧告

特別委員会は、買収者グループによる大規模買付行為等ないしその提案内容の検討と、同グループとの協議・交渉等の結果、同委員会の現任委員の全員一致によって、当社が定めるガイドラインに照らし、買収者グループが総体として濫用的買収者に該当しないと判断した場合には、取締役会評価期間の終了の有無を問わず、当社取締役会に対して、本新株予約権の無償割当て等の対応措置を発動すべきでない旨の勧告を行います。

本新株予約権の無償割当てその他の対応措置について、特別委員会から不発動の勧告がなされた場合には、当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、当該勧告に従って、本新株予約権の無償割当てその他の対応措置を発動しない旨の決議を行うものといたします。

 

(ⅵ)株主総会の開催

特別委員会は、買収者グループによる大規模買付行為等ないしその提案の内容の検討、同グループとの協議・交渉等の結果、同委員会がその現任委員の全員一致により上記(ⅴ)の勧告を行うべき旨の判断に至らなかった場合には、本新株予約権の無償割当ての実施及びその取得条項の発動その他の対応措置の発動につき株主総会に諮るべきである旨を当社取締役会に勧告するものといたします。その場合、当社取締役会は、本新株予約権の無償割当てを行うこと及びその取得条項の発動その他の対応措置の発動についての承認を議案とする株主総会の招集手続を速やかに実施するものといたします。

当該株主総会の決議は、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数によって決するものといたします。当該株主総会の結果は、その決議後速やかに開示するものといたします。

 

(ⅶ)取締役会の決議

当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り特別委員会の勧告(上記(ⅲ)にもとづく対応措置発動の勧告または上記(ⅴ)にもとづく対応措置不発動の勧告)を最大限尊重し、または上記株主総会の決議に従って、本新株予約権の無償割当て及びその取得条項の発動その他の対応措置の発動または不発動に関する会社法上の機関としての決議を本プラン所定の手続に従って遅滞なく行うものといたします。

なお、買収者グループは、当社取締役会が本プラン所定の手続に従って本新株予約権の無償割当てその他の対応措置を発動しない旨の決議を行った後でなければ、大規模買付行為等を実行してはならないものとさせていただきます。

 

(b) 本プランの有効期間、廃止及び変更

本プランは、2019年4月以降最初に開催される定時株主総会において本プランを廃止する旨の決議がなされない限り、さらに3年間自動的に更新されるものとし、その後も同様とされているものであります。

但し、本プランは、有効期間内であっても当社取締役会もしくは当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議がなされた場合または特別委員会が全員一致で本プランを廃止する旨決議した場合には、その時点で廃止されるものといたします。

また、当社取締役会は、有効期間の満了前であっても、特別委員会の現任委員の過半数かつ外部有識者委員の過半数の同意による承認を得たうえで、本プランを株主総会の承認の範囲内で修正しまたは変更する場合があります。

 

2. 企業価値評価特別委員会の概要

特別委員会は、本プランにもとづき当社取締役会から諮問を受けた事項及びその他につき当社の企業価値最大化を実現する方策としての適性を検討し、その結果を勧告する当社取締役会の社外諮問機関であります。一方、当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重のうえ、対応方針にもとづく事前対応及び対応措置に関し必要となる事項についての最終判断を行うこととしております。また、当社監査役会は、当社取締役会及び特別委員会の判断過程を監督することとしております。

特別委員会は、当社またはTBSテレビ社外取締役のうちから1ないし2名、社外監査役のうちから1ないし2名、及び弁護士・会計士・投資銀行業務経験者・経営者としての実績や会社法に通じた学識経験者等社外の有識者から3ないし4名をもって構成することとしており、各委員の任期は2年です。

 

3. 本新株予約権の無償割当ての概要

(a)割当対象株主

取締役会で定める基準日(上記「1.本プランの概要」(a)(ⅰ)柱書所定の事由発生後の日とされます)における最終の株主名簿に記載または記録された株主に対し、その所有株式(但し、当社の有する当社普通株式を除きます)1株につき1個の割合で新株予約権の無償割当てをします。

 

(b)新株予約権の目的である株式の種類及び数

新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の行使により交付される当社普通株式は1株以内で取締役会が定める数とします。

 

(c)新株予約権の行使条件

新株予約権の行使条件は取締役会において定めるものとします(なお、買収者グループに属する者であって取締役会が所定の手続に従って定めた者(以下「例外事由該当者」といいます)による権利行使は認められないとの行使条件を付すこともあり得ます)。

 

(d)当社による新株予約権の取得

(ⅰ)当社は、取締役会において定める一定の事由が生じることまたは一定の日が到来することのいずれかを条件として、新株予約権の全部または例外事由該当者以外の新株予約権者が所有する新株予約権のみを取得することができる旨の取得条項を取締役会決議により付すことがあり得ます。

(ⅱ)前項の取得条項を付す場合には、例外事由該当者以外の新株予約権者が所有する新株予約権を取得するときは、これと引換えに、当該新株予約権者に対して当該新株予約権1個につき1株以内で取締役会が予め定める数の当社普通株式を交付するものとします。他方、例外事由該当者に当たる新株予約権者が所有する新株予約権を取得するときは、これと引換えに、当該新株予約権者に対して当該新株予約権1個につき当該新株予約権に代わる新たな新株予約権またはその他の財産を交付するものとすることがあり得ます。

(ⅲ)上記(ⅰ)の取得条項にもとづく新株予約権の取得により、例外事由該当者に当たらない外国人等が当社の議決権の割合の20%以上を保有することとなる場合には、当該外国人等に取得の対価として付与される当社普通株式のうち、当社の議決権の割合の20%以上に相当するものについては、株式に代えて上記新株予約権1個につき当該新株予約権に代わる新たな新株予約権またはその他の財産を、それぞれの外国人等の持株割合に按分比例して交付するものとします。

 

ニ 上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

本プランは、当社企業価値及び株主の皆様共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2005年5月18日開催の当社取締役会で決定した「当社株式にかかる買収提案への対応方針」につき、2007年2月28日開催の当社取締役会において、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして新たに位置付けるとともに内容の一部改定を行い、2007年株主総会決議において株主の皆様のご承認をいただいているものであり、2009年4月3日開催の当社取締役会の決議により行った所要の最小限の範囲での一部修正も、2007年株主総会決議の枠内にとどまるものですので、基本方針に沿うものと判断しております。

なお、本プランは、会社法をはじめとする企業法制、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」、並びに東京証券取引所が2006年3月7日に発表した「買収防衛策の導入に係る上場制度の整備等に伴う株券上場審査基準等の一部改正について」及び同取引所の諸規則等に則り、株主の皆様の権利内容やその行使、当社株式が上場されている市場への影響等について十分な検討を重ねて整備したものであり、対応措置の発動に際しては、原則として株主総会を開催し株主の皆様の意思を確認するものであること、判断の公正性・客観性を担保するため、当社取締役会の諮問機関として、独立性の高い社外取締役及び社外監査役並びに社外有識者からなる特別委員会を設置し、対応措置の発動または不発動等の判断に際してはその勧告を得たうえでこれを最大限尊重すべきこととされているものであること、本プランが1回の株主総会決議を通じて廃止可能となるよう手当てされていること等から、企業価値及び株主の皆様共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないものと判断しております。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は、以下の通りであります。必ずしも事業のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)国内景気変動

当社グループの売上のうち、重要な要素であるテレビ収入は、実質GDPなどの指標にも表れる国内景気や広告主である企業の業績との連動性が強く、場合によっては急激に下降局面に入ることもあります。当社グループは慎重に景気の動向を見極め、コスト低減などの方策もとってきましたが、なお経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)メディア間の競争およびコンテンツの獲得

テレビを中心とした映像・音声の伝送メディアは、従来型の放送、すなわち地上波、衛星(BS及びCS)、ケーブルに加えて、インターネット上のブロードバンド配信サービスの普及が進展するなど多様化し、メディア間の競争も本格化しております。そうした中で、当社グループは、総合メディアグループとして持続的な成長を促進するべく、「グループ中期経営計画2020」を策定し、競争力の強化に努めておりますが、競争相手及び競合するサービスが増えて、競争が更に激化することが予想されます。

また、スポーツコンテンツの放送権料が高騰する傾向にある一方で、優良なコンテンツの獲得をめぐる同業者間・メディア間の獲得競争も激化しております。今後、当社グループは一層強いコンテンツを生み出すことでリスクを回避してまいりますが、これら競争の激化はリスクの拡大と認識しており、なお当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)投資有価証券の時価評価

当連結会計年度の純資産の部におけるその他有価証券評価差額金は、前連結会計年度より約198億円減少いたしました。投資有価証券の時価評価額の増減はキャッシュ・フローに直接影響するものではありませんが、その増減に大きな変動があった場合には、当社の財政状態を示す指標に影響を及ぼす可能性があります

 

(4)個人情報の取り扱いについて

当社グループは、番組の出演者、観覧者、雑貨販売事業、通信販売事業、インターネット上の会員サービスなどにおいて個人情報を保有しております。当該個人情報の取り扱いにつきましては、十分な注意を払い、対策を講じておりますが、万が一個人情報の漏洩や不正アクセス、不正利用などの事態が発生した場合は、当社グループに対する信頼性の低下により、その業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)法的規制の影響

当社は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、電波法、放送法等の法令に規制されております。放送法は、放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議会の設置などを定めています。また、電波法は、電波の公平かつ能率的な利用を確保し、公共の福祉を増進することを目的とし、無線局の免許制度を定め、放送局の免許の有効期間等も定めています。当社グループのテレビ放送については、1955年1月に免許を受けて以来、同法による免許の有効期間である5年毎に免許の更新を続け、その後、2009年4月1日に認定放送持株会社化した当社に代わって、子会社である株式会社TBSテレビが同日免許を承継して現在に至っております。ラジオ放送の免許については、1951年12月に免許を受けて以来同様に更新を続け、2001年10月に子会社である株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ(現 株式会社TBSラジオ)がこれを承継して現在に至っております。

いずれの会社も、テレビおよびラジオの放送局に関する電波法、放送法等の法令による現在の規制等に将来重大な変更があった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、外国人等が直接間接に占める議決権を合計した割合が当社の議決権の5分の1以上を占めることとなるときは、放送法の規定に従い、外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載または記録することを拒むことができるとされております。また、放送法および放送法施行規則の規定により、一の者が有し、または有するものとみなされる当社株式の保有割合の合計が、当社総株主の議決権に占める割合の33%を超えることとなるときは、当該超過部分の議決権を有しないとされております。

一方、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合には、その割合を6ヶ月ごとに公告することも、放送法によって定められておりますが、本年3月末日時点において、当社は公告すべき状況にはございません。その他、当社グループは、放送関連および放送外の不動産賃貸事業、雑貨販売事業、通信販売事業、ビューティ&ウェルネス事業、飲食事業等を含む多様な企業群からなり、それぞれ、大規模小売店舗立地法、薬事法、特定商取引法、個人情報保護法、食品衛生法などの関係法令や、表示、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法など、事業ごとにさまざまな法規制を受けております。当社グループでは、コンプライアンス(法令遵守)と倫理的行動に万全を期しておりますが、法制度の改廃等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、輸出や生産の一部に弱さも見られる他、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響により、先行き不透明な状況が続いております。

こうした環境下、「2018年日本の広告費」(暦年、㈱電通発表)によりますと、日本の総広告費は6兆5,300億円(前年比2.2%増)と7年連続のプラス成長となりましたが、そのうちの地上波テレビ広告費は1兆7,848億円(同1.8%減)、衛星メディア関連は1,275億円(同1.9%減)、ラジオ広告費は1,278億円(同0.9%減)となりました。

このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、スポット広告市況の低迷に起因するスポット収入の微減収があった一方で、大型単発セールス等によるタイム収入の増収や無料動画配信の広告収入を含むコンテンツ収入の伸長、大ヒット商品の好調が続くスタイリングライフグループの増収などにより、3,663億5千3百万円(前年比1.2%増)となりました。

売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、大型スポーツ単発に係る放送権料の増加、増収に伴う費用の増加などにより、3,477億8千万円(前年比1.3%増)となりました。

この結果、営業利益は185億7千2百万円(前年比1.2%減)となりました。また、経常利益は受取配当金の増加などにより288億3千5百万円(同7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益に投資有価証券売却益が計上されたことなどにより252億5百万円(同46.7%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

◇放送事業

㈱TBSテレビは、当連結会計年度のタイム収入が879億円(前年比1.8%増)、スポット収入が836億6百万円(同0.1%減)、国内番販や、無料動画配信の広告収入を含むコンテンツ収入が108億2千9百万円(同4.8%増)となりました。タイム収入については、視聴率向上を背景にレギュラーセールスが伸長したことに加え、「2018 FIFA ワールドカップ ロシア」、「アジア大会2018 ジャカルタ」、「2018世界バレー」などのスポーツ単発セールスや年末年始セールスが好調に推移したことで増収となりました。スポット収入については、広告主の関東地区投下量が、1・2月を除いて前連結会計年度を下回る低調の中、第4四半期に前年比10.1%増の売上を記録しましたが、通年ではわずかに前年実績に届かず減収となりました。5局シェアは19.1%と前連結会計年度よりも0.4ポイントの増加となりました。コンテンツ収入は、無料動画配信の広告出稿の伸長などで増収となりました。

㈱BS-TBSは、当連結会計年度で売上高163億9千9百万円(前年比2.3%減)となりました。収入面では、1社枠の復調やセールス枠の増加などでタイムレギュラーが伸長し、ショッピング番組も堅調に推移しましたが、スポーツコンテンツの消滅などによるタイム単発の不調と、事業収入における前連結会計年度の大型コンサートの反動減が響いて、トータルで減収となりました。

㈱TBSラジオは、当連結会計年度で売上高97億8千5百万円(前年比6.6%減)となりました。広告市況の落ち込みにより減収となりました。

この結果、放送事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6億8千4百万円増収2,183億1千7百万円(前年比0.3%増)となりました。また、費用面においては、大型スポーツ単発に係る放送権料の増加、BS4K放送開始に伴う費用の増加、設備更新による減価償却費の増加などがありました。㈱TBSテレビでは働き方改革に伴う人件費の減少もあり増益を確保しましたが、他の子会社の収支悪化の影響などにより、同セグメントにおける営業利益は1億2千8百万円減益となる31億7千2百万円(同3.9%減)となりました。

 

◇映像・文化事業

㈱TBSテレビの事業部門の当連結会計年度の売上高につきましては、14億9千6百万円減収282億3千1百万円(前年比5.0%減)となりました。催事では、箱根の「星の王子さまミュージアム」で過去最高の年間動員記録を達成し、国立西洋美術館にて開催した「ルーベンス展〜バロックの誕生」が33万人を超える動員を記録するなど、好調に推移しました。一方興行では、アジア初の360度シアターである「IHIステージアラウンド東京」において、「髑髏城の七人」シリーズに続く「新感線☆RS『メタルマクベス』」や「BOUM!BOUM!BOUM! 香取慎吾NIPPON初個展」など、話題作を上演しましたが、企画入れ替えによる公演数の減少や「髑髏城の七人」シリーズの反動減により減収となりました。映画では、9月公開の「コーヒーが冷めないうちに」(出演:有村架純ほか、監督:塚原あゆ子)、11月公開の「スマホを落としただけなのに」(出演:北川景子ほか、監督:中田秀夫)、2月公開の「七つの会議」(出演:野村萬斎ほか、監督:福澤克雄)がヒットしたものの、前連結会計年度の収入実績には届きませんでした。海外事業では、「SASUKE」などのフォーマット販売が好調でしたが、アニメやドラマの番販が不調であったため、減収となりました。CS事業では、千葉ロッテマリーンズの中継終了やプラットフォーム加入者の減少に伴い大幅な減収となりました。

スタイリングライフグループは、当連結会計年度で売上高718億9千6百万円(前年比2.6%増)となりました。大ヒット商品を中心に好調が続く化粧品事業が牽引し、また、中核の小売事業「プラザスタイルカンパニー」も、化粧品や衣料雑貨等の販売が好調に推移していることから増収となりました。

その他、新規連結子会社による増収効果などもあり、映像・文化事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ33億1千3百万円増収1,317億6千7百万円(前年比2.6%増)となりました。また、費用面において、増収に伴う費用の増加などがありましたが、営業利益は7千5百万円増益となる76億2千6百万円(同1.0%増)となりました。

 

◇不動産事業

赤坂Bizタワーが引き続き高い稼働を維持しており、さらに当連結会計年度より当社敷地に隣接するビル「ザ・へクサゴン」の収入が加わったことなどにより、不動産事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4億円増収162億6千8百万円(前年比2.5%増)となりました。また、費用面において修繕費などが増加したことにより、営業利益は1億6千7百万円減益となる77億8千7百万円(同2.1%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は720億3千3百万円で、前連結会計年度末に比べて90億9千5百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、352億1千5百万円の収入になりました(前年同期は355億3千6百万円の収入)。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益400億6百万円、減価償却費148億9千7百万円など、一方、主な減額要因は、法人税等の支払額117億8千5百万円の支出などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、215億8千8百万円の支出となりました(前年同期は140億2千8百万円の支出)。主な内訳は、投資有価証券の売却による収入143億3百万円、有形固定資産の取得による支出270億7千4百万円、無形固定資産の取得による支出22億8千6百万円、投資有価証券の取得による支出38億5百万円、関係会社株式の取得による支出42億5千4百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、243億8千7百万円の支出となりました(前年同期は77億3千万円の支出)。主な内訳は、長期借入金の返済による支出182億9千4百万円、配当金の支払額54億1千5百万円などであります。

 

③ 販売の実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

放送事業

218,317

0.3

映像・文化事業

131,767

2.6

不動産事業

16,268

2.5

合計

366,353

1.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

102,102

28.2

104,309

28.5

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

53,236

14.7

53,749

14.7

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、見積り及び仮定設定が決算数値に大きく影響を与えることを考慮し、当社グループでは特に貸倒債権、投資、賞与、退職金、偶発債務や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して慎重に評価及び測定を行っております。経営陣は発生した事象に関して、過去の実績や状況等様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を決算数値に反映させております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a.貸倒引当金

当社グループは、債務者の支払不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当てが必要となる可能性があります。

 

b.投資の減損

当社グループは、所有する有価証券、投資有価証券及び出資金の投資価値が著しく下落し、回復の見込みがないと判断した場合、これらにつきまして評価損を計上しております。将来の株式市場の低迷または投資先の財政状態の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

c.繰延税金資産

当社グループでは、繰延税金資産の算定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断しております。

 

d.退職給付債務及び費用

当社グループの従業員退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出し、また、一部の子会社については簡便法を採用して当社グループの連結財務諸表に計上しております。

割引率は、主として安全性の高い長期の債券の市場利回りを基準に算出しております。なお、年金資産の長期期待運用収益率は2.9%としております。

数理計算上の差異は主として発生年度の翌連結会計年度に償却しておりますが、スタイリングライフグループにおいては、数理計算上の差異及び過去勤務費用を従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(11~13年)で償却しております。

 

e.固定資産の減損

事業用資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、減損の計上が必要となる可能性があります。

当連結会計年度におきましては、固定資産の減損損失3億9千万円を計上しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高及び営業利益

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」にて記載したとおりです。

 

b.経常利益

営業外収益は117億7千4百万円で、28億7千8百万円の増加となりました。受取配当金が22億5千1百万円増加、持分法による投資利益が3億9千1百万円減少しております。営業外費用は15億1千1百万円で、7億3千8百万円の増加となりました。持分法による投資損失が7億2百万円増加支払利息が1億5千1百万円減少しております。

この結果、当連結会計年度における経常利益は288億3千5百万円で、19億1千1百万円7.1%の増益となりました。

 

c.親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益は128億4千9百万円で、118億6千万円の増加となりました。投資有価証券売却益128億4千9百万円を計上しました。

特別損失は16億7千8百万円で、12億1百万円の増加となりました。組織再編関連費用12億5千6百万円、減損損失3億9千万円等を計上しました。

この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は252億5百万円で、80億2千2百万円46.7%の増益となりました。

 

③ 財政状態に関する分析

当連結会計年度末における資産合計は7,984億8千1百万円で、前連結会計年度末に比べて232億5千5百万円の減少となりました。有形固定資産が土地の取得等により158億3百万円増加した一方、現金及び預金が95億5千7百万円減少、保有する株式の含み益の減少等により投資有価証券が249億4千6百万円減少したことなどによります。

負債合計は1,971億8千9百万円で、前連結会計年度末に比べて235億9千6百万円の減少となりました。未払金が16億1千5百万円増加、未払法人税等が20億3百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が16億6千5百万円減少、長期借入金(1年内返済予定分含む)が返済により182億円減少、保有する株式の含み益の減少等により繰延税金負債が91億2千1百万円減少したことなどによります。

純資産合計は6,012億9千1百万円で、前連結会計年度末に比べて3億4千万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払いにより、利益剰余金が差し引き192億3千4百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が198億6千5百万円減少したことなどによります。

この結果、自己資本比率は73.2%、1株当たりの純資産は3,347円03銭となっております。

 

④ 流動性および資金の源泉

a.キャッシュ・フロー

「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。

 

b.資金調達の状況

当連結会計年度におきまして、当社グループは次のとおり資金調達いたしました。

当連結会計年度末における当社グループの有利子負債は、短期借入金8千万円、長期借入金30億円(1年内返済予定分含み、リース債務を除く)となっております。

また、当社は、事業資金の機動的な確保を目的として、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計300億円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高なし、借入未実行残高300億円)。

このほか、資金の効率化を図るため、売掛債権の一部流動化を実施しております。

4【経営上の重要な契約等】

(1)建物賃貸借契約

契約会社名

相手方の名称

契約締結年月

契約内容

株式会社東京放送
ホールディングス
(当社)

三井不動産株式会社

2008年1月

赤坂サカスにおける業務棟の一括賃貸借、テナントへの転貸借及び運営管理業務一切

 

(2)事業協定

契約会社名

相手方の名称

契約締結年月

契約内容

株式会社東京放送
ホールディングス
(当社)

三菱地所株式会社

2019年1月

東京都港区赤坂所在の国際新赤坂ビル及び隣接する建物の将来的な建替えに向けた事業協定

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、公共の電波を用いて国民に高品位で多様なサービスを提供するとともに次世代のデジタル放送の実用化に貢献すべく、新しい番組制作、伝送、放送技術等の研究開発を行っております。

報告セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

放送事業

主な研究開発活動は、①仮想ファイル技術を利用したスポーツ編集・時差送出システムの開発、②高速ファイル転送技術を活用した報道素材ファイル交換システムの開発、③音声認識AI技術を用いた素材音声文字起こし業務支援システムの開発などであります。特に①については、シンプルな機器構成に独自開発したソフトウェアを組み合わせ、近年ますます高まる即時編集・即時オンエアのニーズに的確に応えた研究開発案件であり、昨年の各種大型スポーツ番組で広く活用されたものであります。

研究開発費の金額は、29百万円であります。

 

映像・文化事業

現代女性のための理想的なスキンケアの研究に取り組んでおり、消費者ニーズ、市場性等と他社との差異化の観点から製品コンセプトを企画し、企画された製品コンセプトをもとに製品開発を行っております。基礎研究においては主に新規原料の開発等を行っております。また、先端的な研究を効率的に応用できるように外部研究機関との共同研究も行っております。

研究開発費の金額は、155百万円であります。

 

不動産事業

特に研究開発活動は行っておりません。