文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
2020年春、当社グループは企業理念を刷新致しました。
「TBSグループは、時代を超えて世界の人々に愛されるコンテンツとサービスを創り出し、多様な価値観が尊重され、希望にあふれる社会の実現に貢献してまいります。」
この理念を実現していく上で、当社グループの全員が常に心の中にとどめておくべき未来への志、お客様への大切な約束であるブランドプロミスも併せて制定致しました。
「最高の〝時″で、明日の世界をつくる。」
当社グループが、さまざまなフィールドで心揺さぶる”時間”をお届けし、社会を動かす起点となることを目指す。その未来への決意を表明したものです。
我々は、この企業理念及びブランドプロミスをあらゆる経営活動の指針とし、新しいことにチャレンジしつつ、公正・迅速な報道と愛されるコンテンツの提供に努めるとともに、さらなる企業価値の向上を目指し、株主の皆様のご期待にお応えしてまいりたいと存じます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、企業価値を生み出す源泉としての指標である「売上高」と、本業の中で効率よく利益を生み出す指標としての「営業利益」を重要な経営指標としております。当連結会計年度の売上高は3,256億8千2百万円(前年比8.7%減)、営業利益108億4千1百万円(同17.3%減)でした。2021年度を初年度とする「TBSグループ 中期経営計画2023」では、「コロナ禍からの回復と成長への種まき」に取り組む期間とし、2023年度の目標を連結売上高3,700億円、同営業利益185億円としております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題と当社グループの経営戦略など
少子高齢化、ライフスタイルの多様化、またデジタル化など当社を取り巻く環境は大きく変化しております。さらに昨年から新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループの事業は多大な影響を受けてきました。
予測が難しく変化が続く経営環境においても、社会に求められる企業として持続的に企業価値を向上していくことが、当社グループの最大の課題であると認識しております。こうした課題に対して、従来の積み上げ型ではなく、長期的な視点に立って将来の目指す姿からバックキャスティングする方法で取り組むべく、2030年の目指す姿である「TBSグループ VISION2030」を策定しました。そして、その実現に向けた第1フェイズとして、2021年度から2023年度を対象とした「TBSグループ 中期経営計画2023」を策定いたしました。
<「TBSグループ VISION2030」の概要>
キーコンセプトは、
「放送の枠を超え コンテンツを無限に拡げよう あらゆる「最高の“時”」へ」。
当社グループにとって最大の武器は“コンテンツ創造”の力であります。ライフスタイルの多様化、インターネットの台頭などメディア環境が激変していく中で今まで以上に人々の“信頼”に応え、心や生活を豊かにする素晴らしいコンテンツを“創り”、さらに放送の枠を超えて“拡げる”(届ける)。「心揺さぶるもの」すべてをコンテンツと定義し、その価値を最大化するコンテンツグループを当社グループは目指します。
具体的には、オリジナルIP(知的財産)開発を推進し、クリエイティブを強化していきます。そして、創ったコンテンツを無限に広げる拡張戦略として「EDGE」を推進します。
EDGE: Expand Digital Global Experience
配信を強化してデジタルコンテンツを開拓し(Digital)、海外市場へのさらなる飛躍を追求し(Global)、ライブエンタテインメントやライフスタイルを“体験する”事業の拡大(Experience)へ当社リソースを集中していきます。
「VISION2030の達成で、放送事業以外の収益を飛躍的に拡大
TBSグループ VISION2030で、拡張戦略「EDGE」によって、成長事業領域・放送事業以外がグループ売上の60%を占めるまで拡大することにより、グループの成長をめざすとしています。
とはいえ、放送事業はこの成長の土台であり、放送事業の価値向上を目指すことに変わりはありません。これからの放送事業は、これまで培った価値“信頼”をさらに深化させ、広告媒体の機能を超えて価値共創ハブとなり、パートナーと新たな価値を提案すること、また、データマーケティング推進によるメディアパワーの進化を目指していきます。
公共的・社会的使命をもつメディアを包含するグループならではのESG経営として、私たちが暮らす地球に(E)、社会や働く仲間に(S)、責任企業として(G)「最高の”時”」を提供するため様々な施策を講じていきます。私たちはコンテンツを通じて、全てのステークホルダーとともに、多様な価値観が尊重される、幸福で持続可能な社会を共創してまいります。
<「TBSグループ 中期経営計画2023」の概要>
「TBSグループ 中期経営計画2023」は、「TBSグループ VISION 2030」が視野におく期間(2021年度~2030年度)のフェイズ1にあたり、テーマは「回復と種まき」としました。コロナショックからの回復と成長戦略による収益拡大を推進しつつVISION2030へ向けた成長の種をまきます。
「VISION2030」における中期経営計画2023
「TBSグループ 中期経営計画2023」全体像
まず、当中期経営計画期間の喫緊の課題として、コア事業である放送の変革に取り組みます。
次世代の視聴者獲得のため、新ファミリーコア(男女4~49歳の個人視聴率)を重点ターゲットとしつつ、リーチの最大化も目指します。また、データ連携の強化でメディア価値の訴求・説明と提案をしていきます。
そして、社会課題や夢をテーマに大型番組横断の展開を推進、信頼とリーチをもとに提供価値を再構築していきます。
全国系列の効率化・競争力向上のため、系列全社共同で経営基盤の強化策を推進します。
成長戦略としては、「VISION2030」に掲げたコンテンツの拡張戦略「EDGE」の具体化として、まず、Digital領域で、配信強化とデジタルコンテンツの開拓を推進します。動画配信の利用を毎期伸長して収益拡大しつつ、ニュースのリーチ拡張、デジタルコンテンツビジネスの新規開発も追求します。
そして、Global領域では海外市場へのさらなる飛躍をめざし、販路再構築とフォーマットビジネスの拡充、世界市場を前提としたグローバル流通コンテンツの制作、その他の海外パートナーとの新規ビジネス開発を、アライアンスの拡充やM&Aも活用して推進します。
さらに、Experience領域では、ライブエンタテインメント〝体験する″事業の拡大へ、アジア初上陸となる「ハリー・ポッターと呪いの子」ロングラン公演を開始するほか、オリジナル企画の開発とマルチユース展開、さらに赤坂エンタテインメント・シティ計画の実現に向け、サカスエリアで観覧機能付きスタジオの開設等を進めます。
この他、ライフスタイル事業は、スタイリングライフグループのPLAZAの構造改革による収益力の再生をベースに、新たな成長軌道を目指します。さらに、知育・教育領域の体験価値事業の開発に取り組みます。
これらを支え、推進する経営基盤としては、コーポレートブランドの強化と、グループ再編による組織強化を継続してまいります。
また、成長ドライバーとして、戦略的投資、デジタルテクノロジーによる競争力・成長力の実装、及び、独創性を持つ挑戦志向の人材による組織力の向上を図ります。
当社らしいESG経営としては、メディアの社会的使命と責任を遂行するため、事実を公正、正確に伝え、信頼できる情報を発信、また、社会課題を問い、ひとりひとりを動かし社会を動かす起点となるよう取り組みます。2030年のSDGs達成へ貢献するため、さまざまなパートナーと共に取り組みます。
「TBSグループ 中期経営計画2023」では上記のような取り組みの結果として、2023年度の定量目標を、連結売上高3,700億円、連結営業利益185億円、売上高営業利益率5.0%としております。セグメント別では、メディア・コンテンツ事業が、放送収入の回復と配信事業の拡大、ライブエンタテインメントの回復によって、売上高2,905億円、セグメント利益90億円、ライフスタイル事業は、スタイリングライフグループの業績回復により、売上高635億円、利益22億円、不動産・その他事業は売上高160億円、利益73億円を目標といたします。
業績としては、コロナ禍からの回復を進める期間となりますが、同時に新しいTBSグループの姿への成長を実現するための種まきを実行します。
政策保有株の売却による資金や営業キャッシュ・フロー等をもとに、1,000億円以上の成長投資に果断に取り組み、中長期的な利益拡大、及び資本効率の向上をめざします。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事項は、以下の通りであります。必ずしも事業のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から開示しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
なお、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅したものではありませんのでご留意ください。
<メディア・コンテンツ事業に関するリスク>
(1)地上テレビ広告収入への依存と国内景気変動について
当社グループの売上の大きな割合を占める地上波テレビ収入は、広告主である企業の業績やその購買者である消費者心理と強く連動しており、新型コロナウイルス感染症拡大等に起因する景気の不透明感から、広告主である企業は、広告費を固定費から変動費にシフトする動きを加速させています。こうした広告主のマインド変化が続く場合には、中長期的には、従来型のビジネスモデルに影響を及ぼす可能性があります。
また、2019年にデジタル広告が地上波テレビ広告収入を上回り、地上波テレビ広告がコロナ禍の影響を大きく受けた2020年においてもデジタル広告市場は拡大を続けました。引き続き拡大が見込まれるデジタル広告ビジネスと競争していくためには、地上波テレビの価値を再定義し、広告主にとって魅力のある商品開発を行っていくことが課題であると認識しています。
当社は、これら広告主である企業のマインドシフト及びデジタルを含めた広告市場の競争の激化はリスクの拡大と認識しており、日付・ポジションがCM1本から指定でき、より柔軟な広告出稿が可能なSAS(スマート・アド・セールス)といった商品の展開や、既存の広告の価値向上の施策など、広告主のニーズに対応可能な商品やセールス手法の開発に取り組んでいます。
当社は、引き続き、従来のセールス手法の枠を超えて、新しい取り組みを積極的に展開し、売上の拡大を目指してまいりますが、今後の経済動向等に起因して、広告市場、及び、地上波テレビ広告市場が大幅に縮小した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)メディア間の競争およびコンテンツの獲得について
テレビを中心とした映像・音声の伝送メディアは、従来型の放送、すなわち地上波、衛星(BS及びCS)、ケーブルテレビに加えて、インターネット上の配信サービスの普及が進展するなど多様化し、メディア間の競争も本格化しております。そうした中で、当社グループは、持続的な成長を促進するべく(「TBSグループ VISION2030」「TBSグループ 中期経営計画2023」を策定し)、競争力の強化に努めておりますが、更なる可処分時間の奪い合いが激しくなることが予想されます。当社グループでは、無料見逃し配信サービスとして「TBS FREE」、民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」を利用した動画配信を提供しているほか、㈱テレビ東京ホールディングス等と共に、有料動画配信サービス「Paravi」(パラビ)を運営しており、これら配信ビジネスの拡大に向けて、2020年7月からデジタル部門を統合した「DXビジネス局」を新設しました。配信ビジネスは、コロナ禍での巣ごもり需要を背景に、ドラマを中心としたコンテンツ配信が大きく伸長しており、無料動画配信・有料動画配信共に大幅な増収となりました。
また、スポーツコンテンツについては、放送権料が高騰する傾向にあり、優良なコンテンツの獲得をめぐるメディア間の獲得競争も激化しております。
今後、当社グループは一層強いコンテンツを生み出し、最適なウインドウコントロールを行うことで、利益を最大化し、リスクを回避してまいりますが、今後、競争環境が厳しく、事業が計画通りに伸長しない場合など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)映画、イベント事業について
当社グループは、映画の企画製作や出資、そして東京都内に2つの劇場を所有し、演劇などの企画製作や出資を積極的に行っており、これらの企画製作及び出資は収支のシミュレーションを十分に行った上で実施しております。しかし、昨年から続く新型コロナウイルス感染症拡大のケースのように、予期せぬ社会状況の変化で事業収入が計画を下回る場合もあり、出資に見合う回収が出来ずに、当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)著作権等の知的財産権について
当社グループの制作するテレビ番組等のコンテンツは、原作者、脚本家、音楽の作詞・作曲家、レコード製作者、実演家等多くの著作権者等の方々の知的創作活動の成果として著作権や著作隣接権が密接に組み合わされた創造物であります。当社グループはコンテンツを地上波放送以外にも、BS・CS等の衛星放送はじめ配信やパッケージなどにマルチユース展開しております。この際には、様々な著作権者等の権利に十分配慮しながら展開しておりますが、権利者からの使用許諾が得られなかった場合や、万一、著作権者等に対して不適切な対応を取った場合には、放送の差し止めや損害賠償請求などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)設備投資について
当社放送事業・配信事業を支える基幹設備につきまして、従来の特定用途に限定される専用の機器から汎用装置へ転換を進めています。これはコストの低廉化が見込める一方で、基幹となる機器のライフサイクルの短期化及びソフトウェア開発を基軸とした機能確保を必要としています。このため、ハードディスク等の記憶媒体の破損による重要なデータの喪失、あるいは開発したソフトウェアの予期せぬ障害による業務の中断等の可能性があります。
また規模が大きいソフトウェアの開発は精緻な仕様の確定に時間が掛かり、開発コストの予期せぬ増大につながるリスクが想定されます。
(6)テクノロジー、システム、セキュリティについて
当社グループは、地上波及び衛星放送事業における基幹システムの更新・改修に加え、動画配信事業におけるシステムの開発、5Gといった新しいテクノロジーへの対応を行っております。そして、次世代技術を含めた開発・新規投資を行っています。
近年の技術革新のスピードや消費者ニーズの変化はとても速く、開発・投資した技術やシステムが当初の予想を超えて陳腐化する等、当初計画値以上の再投資が必要になる場合、さらに投資額に見合った増収あるいは業務の効率化が見込めない場合には、固定資産の減損及び減価償却費の増加等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、近年ではサイバー攻撃の手口が高度化・巧妙化していることから、各種システムのセキュリティリスクは年々高まっています。当社グループとしても専門のセキュリティ対応チーム(TBS-CSIRT)を設置し、様々なセキュリティ対策を講じていますが、これらを超える新たなセキュリティ上の脅威が発覚し、その対策として多額の投資が発生した場合、あるいは個人情報の漏洩をはじめとするリスクが顕在化した場合には、サイバーセキュリティ保険での対応をしているものの当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
<ライフスタイル事業に関するリスク>
(7)消費者のライフスタイルの変化とコスト構造について
ライフスタイル事業については、生活に密着した化粧品、雑貨小物、衣料、食料品などを、店舗、カタログ通販などを通して、調達から販売までを担って、消費者に届けるビジネスを行っております。消費者の嗜好や購買行動の変化、流通コストや生産コストの高騰等に加えて、新型コロナウイルス感染症拡大の中、緊急事態宣言発出等による店舗の休業や営業時間の短縮、インバウンド需要の消失などにより収益機会を逃し、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
<不動産・その他事業に関するリスク>
(8)賃貸等不動産市況について
当社グループは港区赤坂を中心に不動産開発を行い、賃貸等不動産を保有しております。新型コロナウイルス感染症拡大により、保有施設の休館や営業時間の短縮に伴うテナント家賃減免等の影響が生じ、収益性の悪化が現実となっております。今後、テナントたる企業の収益悪化や在宅勤務はじめ勤務形態の変化によるオフィスの縮小や退去、それに伴う空室リスクが顕在化することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<その他の事業リスク>
(9)投資有価証券の時価評価について
当連結会計年度の純資産の部におけるその他有価証券評価差額金は時価の変動などにより、前連結会計年度より約1,826億円増加いたしました。投資有価証券の時価評価額の増減はキャッシュ・フローに直接影響するものではありませんが、その増減に大きな変動があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態を示す指標に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&Aやスタートアップ企業への投資など、保有する時価の無い投資有価証券は連結会計年度末に適切な評価を行っておりますが、投資企業の業績悪化や伸長が計画通りに進まない場合には、減損処理などによって当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報等の取り扱いについて
当社グループは、番組の出演者、観覧者、雑貨販売業者、通信販売事業、インターネット上の会員サービスなどにおいて個人情報を保有し、その他各種データを含めて、社内のデータベースや外部のクラウドサービスを利用して保管しております。これら個人情報等の取り扱いにつきましては、十分な注意を払い、また、高度なセキュリティ対策を講じておりますが、昨今のサイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、万が一個人情報の漏洩や不正アクセス、不正利用などの事態が発生した場合は、当社グループに対する信頼性の低下や損害賠償の責任により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)法的規制の影響
当社は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、電波法、放送法等の法令に規制されております。放送法は放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議会の設置などを定めています。また、電波法は、電波の公平かつ能率的な利用を確保し、公共の福祉を増進することを目的とし、無線局の免許制度を定め、放送局の免許の有効期間も定めています。当社グループの地上テレビ放送については、1955年1月に免許を受けて以来、同法による免許の有効期間である5年毎に免許の更新を続け、その後、2009年4月1日に認定放送持株会社化した当社に代わって、子会社である㈱TBSテレビが同日免許を承継して現在に至っております。ラジオ放送の免許については、1951年12月に免許を受けて以来同様に更新を続け、2001年10月に子会社である㈱TBSラジオ&コミュニケーションズ(現 ㈱TBSラジオ)がこれを承継して現在に至っております。また、㈱BS-TBS、㈱CS-TBSは衛星基幹放送の業務の認定を受けて現在に至っております。
いずれの会社も、電波法、放送法等の法令による規制等に将来重大な変更があった場合や、それら法令に抵触する決定を受けた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、放送法に定める外国人等が直接間接に占める議決権の割合が当社の議決権の5分の1以上を占めることとなるときは、放送法の規定に従い、外国人等が取得した当社株式について、株主名簿に記載または記録することを拒むことができるとされております。また、放送法及び放送法施行規則の規定により、一の者が有し、または有するものとみなされる当社株式の保有割合の合計が、当社総株主の議決権に占める割合の33%を超えることとなるときは、当該超過部分の議決権を有しないとされております。
その他、当社グループは、放送関連及び放送外の不動産賃貸事業、雑貨販売事業、通信販売事業、ビューティ&ウェルネス事業を含む多様な企業群からなり、それぞれ、大規模小売店舗立地法、薬機法、特定商取引法、個人情報保護法などの関係法令や、表示、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準や税法など、事業ごとにさまざまな法規制を受けております。当社グループではコンプライアンス(法令遵守)と倫理的行動に万全を期しておりますが、法制度の改廃などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)新型コロナウイルス感染症拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に関連し、当社グループの各セグメントの事業活動に影響が生じています。メディア・コンテンツ事業セグメントにおいては、経済活動の停滞により広告収入が大きく減少したほか、番組の制作中止、スポーツ等放送イベントの中止・延期、及び主催イベントの中止・延期などで事業に大きな影響を受けました。またライフスタイル事業セグメントにおいても、店舗での営業の制限などさまざまな影響が出ました。当社グループでは当該感染症の影響については、事業遂行上の大きなリスクとして認識しており、感染防止策の徹底など、その影響を最小限にとどめるよう取り組みを続けます。しかしながら、予想以上に感染症の影響が長期化または更に拡大した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)気候変動・災害等の影響について
放送事業者は、放送法により災害が発生した場合またはそのおそれがある場合には、その発生の予防または被害軽減のための放送を行うことが義務付けられております。気候変動の影響が懸念される大規模な災害等が発生した場合には緊急に報道特別番組を放送することにより、事前に予定されているCM放送の休止などにより収入が減少することがあります。それ以外にも自然災害や大規模災害等が発生した場合には、景気動向と連動した広告収入の中長期的な減少、放送設備等の被災による放送運行への影響などにより十分な収入が得られず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)プラザスタイル事業に関するのれんについて
当社連結貸借対照表には、ライフスタイル事業セグメントにおける株式会社スタイリングライフ・ホールディングスのプラザスタイル事業に関するのれんが計上されておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大による来店客数の減少などに起因し、当該事業から生ずる営業損益が継続してマイナスとなる見込みがある等の場合、減損の兆候に該当し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により大きな影響を受け、4月に発出された緊急事態宣言以降、景況は急速に悪化しました。5月の緊急事態宣言解除後は、政府の経済対策の効果により持ち直しの動きも見られましたが、1月に感染が再拡大し、2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、依然として先行きの不透明な状態が続いております。
こうした環境下、「2020年日本の広告費」(暦年、㈱電通発表)によりますと、日本の総広告費は6兆1,594億円(前年比11.2%減)と、東日本大震災の2011年以来、9年ぶりのマイナス成長となりました。そのうちの地上波テレビ広告費は1兆5,386億円(同11.3%減)、衛星メディア関連は1,173億円(同7.4%減)、ラジオ広告費は1,066億円(同15.4%減)となりました。一方、インターネット広告費は、2兆2,290億円(同5.9%増)と、前年を上回りました。
また、テレビ広告市況はスポット広告費の関東地区投下量が前年比86.4%と大変厳しい状況で推移いたしました。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、タイム・スポット収入の大幅な減収、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うイベントの中止、延期、入場制限による興行収入の減収などにより、3,256億8千2百万円(前年比8.7%減)となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前年度の大型スポーツ単発に係る制作費や放送権料の反動減や広告代理店手数料の減少などにより、3,148億4千万円(前年比8.4%減)となりました。
この結果、営業利益は108億4千1百万円(前年比17.3%減)となりました。また、経常利益は受取配当金の減少などにより192億3千3百万円(同9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益に投資有価証券売却益が計上されたことなどにより280億7千2百万円(同7.0%減)となりました。
◇メディア・コンテンツ事業セグメント
メディア・コンテンツ事業セグメントの当連結会計年度の売上高は2,537億7千8百万円(前年比6.1%減)、営業利益は、28億8千1百万円(同19.6%増)となりました。
㈱TBSテレビのテレビ部門の当連結会計年度の売上高につきましては、139億3千6百万円減収の1,681億4千7百万円(前年比7.7%減)となりました。このうち、タイム収入が784億6千7百万円(同10.0%減)、スポット収入が698億7千9百万円(同11.9%減)、国内番販や無料動画配信での広告収入を含むコンテンツ収入が158億7千万円(同45.7%増)となりました。タイム収入については、前年度の「世界陸上2019 ドーハ」の反動に加え、新型コロナウイルス感染症による「東京オリンピック2020」の延期を筆頭に、スポーツ番組を中心とした大型単発の中止・延期が相次ぎ、さらにレギュラーセールスも低調に推移したことにより大幅な減収となりました。スポットセールスについては、5局シェアは19.7%と前年比で0.4ポイント増加したものの、広告主の関東地区投下量が前年比13.6%減と大変厳しい市況となり、前年を割り込む結果となりました。コンテンツ収入については、緊急事態宣言発出以降の生活スタイルの変容により高まった巣ごもり需要を捉え、無料動画配信収入、有料動画配信収入共に大幅な増収となりました。
㈱TBSテレビの事業部門の当連結会計年度の売上高につきましては、68億6千2百万円減収の184億4千1百万円(前年比27.1%減)となりました。
催事・興行では、緊急事態宣言解除後も新型コロナウイルス感染症対策のための入場制限を継続したため、大幅な減収となりました。映画事業においては「糸」と日向坂46ドキュメンタリー「3年目のデビュー」がロングラン公演となりましたが、前年同期の収入規模には至らず減収となりました。海外事業では、アジア市場を中心に市況の改善の動きが一部でみられるものの、依然として厳しい市況が続いており減収となりました。
メディア事業は、CS事業が各プラットフォームからのチャンネル単価の改善により増収となりましたが、配信事業をテレビ部門に移管したため減収となりました。ライセンス事業はショッピング番組やDVD販売が好調に推移し、「MIU404」など高視聴率ドラマの関連商品のヒットなどがあり増収となりました。
㈱BS-TBSの当連結会計年度の売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響によるスポーツ単発番組の減少や、レギュラーセールスの不振により、14億7千5百万円減収の153億7千4百万円(前年比8.8%減)となりました。
㈱TBSラジオの当連結会計年度の売上高につきましては、厳しいラジオ広告市況の中、10億7千4百万円減収の84億9千2百万円(前年比11.2%減)となりました。
費用面において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う番組収録の中止や延期による制作費の大幅な減少に加え、事業部門もイベント・公演中止により費用が減少しました。
以上の結果、同セグメントにおける営業利益は4億7千1百万円増益となる28億8千1百万円(前年比19.6%増)となりました。
◇ライフスタイル事業セグメント
ライフスタイル事業セグメントの当連結会計年度の売上高は、559億8千3百万円(前年比20.0%減)、営業利益は2億8千1百万円(同89.8%減)となりました。
スタイリングライフグループでは、通信販売事業の㈱ライトアップショッピングクラブが巣ごもり需要拡大により増収増益となりましたが、中核の小売事業「プラザスタイルカンパニー」の店舗における臨時休業や時短営業の影響が大きく、大幅な減収減益となりました。
◇不動産・その他事業セグメント
不動産・その他事業セグメントの当連結会計年度の売上高は159億2千万円(前年比3.6%減)、営業利益76億7千9百万円(同3.3%減)となりました。
収入面では、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う赤坂Bizタワーの稼働低下により、減収となりました。費用面では、営業時間短縮により費用が抑制されたものの、減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,160億6千1百万円で、前連結会計年度末に比べて310億2百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、227億1千3百万円の収入になりました(前年同期は214億6百万円の収入)。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益441億7千6百万円、減価償却費147億5千1百万円、利息及び配当金の受取額88億7千2百万円など、一方、主な減額要因は、投資有価証券売却益297億5千1百万円、法人税等の支払額140億6千2百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、86億1千8百万円の支出となりました(前年同期は59億6千2百万円の収入)。主な内訳は、投資有価証券の売却による収入330億5千万円、有形固定資産の取得による支出388億1千4百万円、関係会社株式の取得による支出30億2千6百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、168億9千8百万円の収入となりました(前年同期は142億2百万円の支出)。主な内訳は、長期借入れによる収入270億円、長期借入金の返済による支出12億円、自己株式取得による支出26億5百万円、配当金の支払額54億9千1百万円などであります。
③ 販売の実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
メディア・コンテンツ事業 |
253,778 |
△6.1 |
|
ライフスタイル事業 |
55,983 |
△20.0 |
|
不動産・その他事業 |
15,920 |
△3.6 |
|
合計 |
325,682 |
△8.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱電通 |
100,030 |
28.0 |
86,236 |
26.5 |
|
㈱博報堂DYメディアパートナーズ |
51,948 |
14.6 |
46,055 |
14.1 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高及び営業利益
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」にて記載したとおりです。
b.経常利益
営業外収益は94億3千1百万円で、2億8千1百万円の減少となりました。受取配当金が1億7千8百万円減少したことが主な要因です。営業外費用は10億3千9百万円で、5億2百万円の減少となりました。持分法による投資損失が5億5千9百万円減少したことが主な要因です。
この結果、当連結会計年度における経常利益は192億3千3百万円で、20億4千1百万円、9.6%の減益となりました。
c.親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は307億6千6百万円で、34億1百万円の増加となりました。投資有価証券売却益297億5千7百万円などを計上しました。
特別損失は58億2千3百万円で、40億5千1百万円の増加となりました。減損損失27億6千9百万円、感染症拡大に伴う損失15億3千2百万円、組織再編関連費用6億4千5百万円などを計上しました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は280億7千2百万円で、21億1百万円、7.0%の減益となりました。
② 財政状態に関する分析
当連結会計年度末における資産合計は1兆1,002億2千3百万円で、前連結会計年度末に比べて3,171億9千9百万円の増加となりました。現金及び預金が307億2百万円増加、有形固定資産が土地の増加等により212億1千3百万円増加、保有する株式の含み益の増加等により投資有価証券が2,666億1千5百万円の増加したことなどによります。
負債合計は3,053億3千8百万円で、前連結会計年度末に比べて1,142億4千5百万円の増加となりました。未払金が20億7千1百万円の減少した一方で、未払法人税等が58億9千1百万円増加、借入の実施及び返済に伴い長期借入金(1年内返済予定分含む)が258億円増加、保有する株式の時価の上昇に伴い繰延税金負債が837億3千1百万円の増加したことなどによります。
純資産合計は7,948億8千4百万円で、前連結会計年度末に比べて2,029億5千3百万円の増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払いにより、利益剰余金が差し引き225億7千2百万円増加, その他有価証券評価差額金が1,826億9百万円増加したことなどによります。
この結果、自己資本比率は71.0%、1株当たりの純資産は4,575円61銭となっております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは前年を13億円上回り、投資有価証券の売却収入330億円計上した他、長期借入れによる収入270億円がありました。また、有形固定資産の取得による支出388億円を計上し、手元資金は310億円増加しました。短期的な設備投資や戦略的投資は、現在のところ手元資金と通年の営業キャッシュ・フローで賄える見込みです。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
(1)建物賃貸借契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結年月 |
契約内容 |
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株式会社TBS |
三井不動産株式会社 |
2008年1月 |
赤坂サカスにおける業務棟の一括賃貸借、テナントへの転貸借及び運営管理業務一切 |
(2)事業協定
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結年月 |
契約内容 |
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株式会社TBS |
三菱地所株式会社 |
2019年1月 |
東京都港区赤坂所在の国際新赤坂ビル及び隣接する建物の将来的な建替えに向けた事業協定 |
当社グループは、公共の電波を用いて国民に高品位で多様なサービスを提供するとともに次世代のデジタル放送の実用化に貢献すべく、新しい番組制作、伝送、放送技術等の研究開発を行っております。
報告セグメント別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
メディア・コンテンツ事業
主な研究開発活動は、①会議システム開発フレームワークを利用したリモート出演システムの開発、②空中写真測量を活用した3D・CG化システムと閲覧WEBアプリケーションの開発、③音声認識AI技術とタッチパネル操作を用いた生放送字幕システムの開発などであります。特に①については、番組でのリモート出演においてリアルタイムで柔軟性の高い演出を可能とするものであり、ウィズコロナ、ポストコロナ時代の新しいエンタテインメントのあり方も見据えたシステムとして、今後も大いに活用が期待できるものであります。
研究開発費の金額は、
ライフスタイル事業
現代女性のための理想的なスキンケアの研究に取り組んでおり、消費者ニーズ、市場性等と他社との差異化の観点から製品コンセプトを企画し、企画された製品コンセプトをもとに製品開発を行っております。基礎研究においては主に新規原料の開発等を行っております。また、先端的な研究を効率的に応用できるように外部研究機関との共同研究も行っております。
研究開発費の金額は
不動産・その他事業
特に研究開発活動は行っておりません。