第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)

平成28年3月期

33,375

2,077

3,683

2,298

平成29年3月期

33,850

2,805

3,152

2,051

増減率(%)

1.4

35.0

△14.4

△10.8

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されたものの、政府の経済政策等による雇用情勢や所得環境の改善から、緩やかな回復基調が続きました。また、当社グループの業績に影響を与えるテレビの広告市況につきましては、総じて堅調に推移しました。 
 このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、338億50百万円と前期比1.4%の増収、営業利益は28億5百万円と前期比35.0%の増益となりましたが、営業外収益において、前期には一時的な受取配当金が発生したことから、その反動減により、経常利益は31億52百万円と前期比14.4%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は20億51百万円と前期比10.8%の減益となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

放送関連

不動産関連

その他

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

平成28年3月期

30,464

1,085

1,489

873

1,420

118

平成29年3月期

30,848

1,731

1,581

973

1,420

123

増減率(%)

1.3

59.6

6.2

11.5

0.0

3.8

 

(注)売上高については、セグメント間の取引を相殺消去しております。

 

〈放送関連〉

 当セグメントは、当社、㈱CBCテレビ、㈱CBCラジオ、㈱CBCクリエイションならびに㈱シー・ウェーブで構成されます。

 「放送関連」は、クロスメディア収入やイベント収入が減少した一方で、テレビスポット収入やラジオスポット収入が増加したことにより、売上高は308億48百万円(前期比1.3%増)となりました。特にテレビスポット収入は、名古屋地区投下量が前期を上回る中、好調な視聴率が後押しとなり、地区投下量の増加率を上回る水準で推移しました。
 利益面では、テレビ、ラジオのスポット収入増加が寄与し、営業利益は17億31百万円(前期比59.6%増)となりました。

  

CBCグループの中核をなすテレビ事業は、視聴率向上とともに、東海エリアや全国への情報発信で地上波放送のプレゼンスを高めることを目指しました。当期の年間平均視聴率は、全日帯(6:00~24:00)が7.9%(前期比+0.7ポイント)の2位、ゴールデンタイム(19:00~22:00)が11.8%(前期比+0.5ポイント)の2位、プライムタイム(19:00~23:00)が11.7%(前期比+0.5ポイント)の3位と、いずれも前期を上回りました。
 テレビ開局60周年事業として「60サンキュー!」プロジェクト(4月~3月)を展開しました。視聴者から寄せられた60の企画を番組作りやイベントに生かし、地域に根ざした、地域の情報インフラとして地域社会に貢献しました。
 レギュラー番組では、報道情報番組『イッポウ』(月~金曜 16:52~19:00放送)が前期に引き続いて年間平均視聴率が同時間帯1位を記録、情報生ワイド番組『なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ』(土曜 9:25~11:30放送)は前期を超える9.5%を獲得して9年連続で同時間帯1位となり、全日帯の高視聴率に貢献しています。また、情報生ワイド番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(月~金曜 13:55~15:58放送)も、年間平均視聴率は東海地区で5.5%(前期比+1.5ポイント)、放送開始2年目を迎えた関東地区でも3.4%(前期比+1.2ポイント)と伸ばしています。放送エリアは昨年4月からの仙台地区に続いて、今年4月からは山陰地区にも広がり、ローカルの枠を越えた全国に通用する情報番組の新たな形を構築しています。
 その一方で、放送事業を取り巻く環境は、メディアの多様化、若年層を中心にしたテレビの見られ方や、コンテンツに対するニーズの変化などの課題を抱えています。民放公式テレビポータル「TVer」に『旅ずきんちゃん』などを配信したほか、動画サービス「LINE LIVE」を使った放送と通信のコラボレーション、「Yahoo!ニュース」へのニュース提供を新たに始め、様々な伝送路を使って番組や情報を提供し、接触機会を増やすとともにコンテンツの価値を最大化するよう取り組みました。
 さらに、4K・8K放送に対応するため、当社グループは、伊勢神宮の1年を4Kカメラで撮影した特別番組『伊勢神宮・命あふるる神々の森 五十鈴川を行く』を制作し、地上波で放送しました(11月)。放送に先駆けて伊勢志摩サミットの会場でも紹介し、国内外から高い評価を得ました。
 また、恒例の男子ゴルフ『第57回中日クラウンズ』(4月~5月)や『第39回名古屋国際音楽祭』(5月~7月)をはじめ、50年前に当社がザ・ビートルズを招聘したことにちなんだ『ザ・ビートルズ来日50周年記念コンサート「THE TRIBUTE」』(6月)や『リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンド』(10月)、『ゴッホとゴーギャン展』(1月~3月)などを開局60周年事業として開催しました。加えて、『フランケンシュタイン』(2月)などのミュージカルにも取り組みました。 
 
 ラジオ事業は、地域に密着した身近なパーソナルメディアとして、「地域No.1ラジオ局」を目指しました。その結果、6月と12月の2回行なわれた中京圏ラジオ個人聴取率調査(12才~74才)では、総合・平日・日曜平均で1位を獲得しました。
 CBCラジオ開局65周年として『ドリームマッチ』を制作、つボイノリオと山下達郎など、CBCラジオと全国の人気パーソナリティがラジオをテーマに語り合う魅力あふれる対話番組を実現させました。また、有害鳥獣駆除の実態や狩猟者の心の葛藤を描いたドキュメンタリー『贄の森』が、第42回放送文化基金賞において、テレビ・ラジオを通じて初めてとなる最優秀賞を受賞しました。また、『開局65周年 CBCラジオ夏まつり2016』(7月)が23万3千人を動員するなど、イベントを通しても、ラジオの魅力をアピールしました。
 ラジオを聴いたことがない若年層にもラジオを認知させていくための新たな取り組みとして、BOYS AND MENらが「LINE LIVE」で放送と同時に動画配信をする『LINE LIVE×(コラボ)』を実施しました。また「radiko」では過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできる「タイムフリー聴取機能」が始まりました。
 さらに、ローカルラジオ局初の試みとして番組情報サイト「RadiChubu(ラジチューブ)」を開設しました。これは、番組の音声を文字に起こし、その最後に「radikoタイムフリー」のリンクを貼った記事を「RadiChubu」などで配信するもので、読んだ人が後から音声としても聴くことができる仕組みです。この「音声コンテンツの記事化」により、新しい番組の認知向上・拡散に挑戦しています。
 
 また、グループ各社を蜘蛛の巣状につなげ、相互にリソースを活用する「Webフォーメーション」体制をいかして、新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。その一例として、当期も三河山間地域誘客促進事業「山里の魅力創造社」プロジェクトを展開しました。CBCクリエイションが奥三河の魅力を伝える番組やイベントを企画、CBCテレビで『旅MAX~山里の魅力創造社』(10月~2月)などを放送しました。

 

〈不動産関連〉

 当セグメントは、当社と㈱千代田会館ならびに㈱CBCビップスで構成されます。

 「不動産関連」は、東京の賃貸ビルにおいてテナントからの賃料収入が増加したことから、売上高は15億81百万円(前期比6.2%増)となりました。
 利益面では、増収効果に加え、減価償却費が減少したことから、営業利益は9億73百万円(前期比11.5%増)となりました。
  なお、3月には、不動産賃貸事業における収益の拡大と、当社グループの成長に向けた新たな事業拠点を持つことを目的として、名古屋駅エリアに位置する不動産を取得しました。

 

〈その他〉

 ゴルフ場事業を営む㈱南山カントリークラブ、保険代理業などを営む㈱CBCビップスならびにタクシー業を営む文化交通㈱で構成される「その他」は、売上高が前期から微増となる14億20百万円、営業利益は1億23百万円(前期比3.8%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

平成28年3月期

平成29年3月期

増減額

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,772

3,982

1,209

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,241

△5,055

△3,814

財務活動によるキャッシュ・フロー

△849

△1,085

△236

現金及び現金同等物の増減額

682

△2,158

△2,840

現金及び現金同等物の期首残高

14,486

15,168

682

現金及び現金同等物の期末残高

15,168

13,010

△2,158

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて21億58百万円減少し、130億10百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は39億82百万円となりました。これは、法人税等の支払額が13億27百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益31億55百万円や減価償却費11億30百万円を計上し、さらに退職給付に係る負債の増加額が4億56百万円、売上債権の減少額が2億34百万円、その他の資産の減少額が2億24百万円となったことなどによるものです。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は50億55百万円となりました。これは、信託受益権の償還による収入10億円があった一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出56億45百万円や投資有価証券の取得による支出5億62百万円があったことなどによるものです。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は10億85百万円となりました。これは、配当金の支払額6億85百万円や預り保証金の返還による支出4億78百万円があったことによるものです。

 

 

2 【販売の状況】

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

放送関連

30,848

1.3

不動産関連

1,581

6.2

報告セグメント計

32,430

1.5

その他

1,420

0.0

合計

33,850

1.4

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

8,984

26.9

9,009

26.6

㈱博報堂DY
メディアパートナーズ

6,130

18.4

6,546

19.3

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念にしております。このため、放送事業を中心とする公共性の高い企業グループとして、長期にわたり安定した経営基盤を確保していくことを重要な経営目標としています。
 放送局を取り巻く環境は、メディア、情報デバイスの多様化によって大きく変容してきていますが、地上放送が最強のメディアであり続けるために、我々は、地域を代表する放送局として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしい放送サービスを提供してまいります。
 また、当社グループ全体としても、業容の最適化と収益性の最大化を推進することで、総合力による競争優位性を確保してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの中核をなす放送事業は、景気動向や広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っています。また、放送事業を取り巻く環境はメディアの多様化とともに、大きく変化してきています。このため、特定の経営指標を掲げることは困難な面もありますが、様々な事業環境の変化に柔軟に対応していくことが重要であると考えています。今後とも中長期的な視野に立って、グループ全体として企業価値を増大させていくことを目標としてまいります。

 

(3)対処すべき課題

当社グループの当事業年度は、9月にCBCラジオが全国民放に先駆けて開局65周年、12月にはCBCテレビが開局60周年を迎えました。当社は今年12月に創立67周年を迎え、「100年企業」への歩みに向けては、ちょうど3分の2を経過することとなります。当社および当社グループは、テレビ、ラジオの放送事業を中核に、地域の情報インフラとしての機能を発揮し、地域社会に貢献することを経営の基本理念にしています。
 放送を取り巻くメディア環境は、技術革新とともに今後ますます変化することが予想されますが、民間放送のパイオニアとして歴史を先導してきた当社グループは、これからも時代をリードし、地域の皆さまに信頼され、欠かせない存在であり続けていきたいと考えています。

 

変化に対応するグループ戦略

当社グループの中核である放送事業に関しては、「少子高齢化と人口の減少」や「メディアの多様化、高度化」によって、「若者のテレビ・ラジオ離れ」が進んでいるという声が聞かれます。若年層のテレビ受像機による視聴時間が短くなっているというデータもありますが、コンテンツそのものに対する欲求自体が低下している現象とは捉えていません。また、少子高齢化が進めば、若年層向けの市場が縮小に向かうという予測もありますが、逆に見れば、高齢層向けの市場は今後、拡大するという見方もできます。重要なのは、こうした環境の変化に対応していくことです。これまでも生活者のライフスタイルの変化やテクノロジーの進展が起きるたびに、テレビ、ラジオは進化を遂げてきました。コンテンツを日々生み出している当社グループとしては、強みであるコンテンツ制作力を一層強化し、様々な視聴者層、聴取者層に対する出口戦略を構築することで、さらにビジネス拡大の可能性が拡がっていくものと考えています。

 

「次世代メディア推進会議」の発足

グループ各社の「Webフォーメーション」体制も4年目を迎えました。グループの持続的成長に向けては、「映像」「情報」「ICT」を3本柱に、地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与することを目指しています。そのメディアにおいては、4K・8Kの高精細映像技術をはじめ、IoT、VR、AIといったテクノロジー分野が、想像を超えたスピードで進化しています。また、コンテンツ分野においては、NetflixやAmazonといったOTT(Over The Top)と呼ばれる新たな動画配信事業者が台頭し、インターネットによる映像配信サービスが急速に拡大してきています。
 こうした状況下で、将来にわたって成長を続けていく道を検討するため、7月に「次世代メディア推進会議」を設置しました。地域のメディア企業グループとして、これから活用していくプラットフォームの可能性および、そこに乗せるコンテンツのあり方を検証し、そして、そこから生まれる新たなビジネスモデルについて、将来に向けての検討を進めています。
 その一環として、昨年実施した「伊勢神宮4Kプロジェクト」では、地上波の放送だけではなく、イベント事業やケーブルテレビ(4K放送)でもコンテンツを展開しました。同じコンテンツであっても、様々な出口を活用することで、エリアを越えた発信や、放送に限定しない素材の活用策及びマネタイズ化を探っていきたいと考えています。

 

テレビコンテンツの価値向上

コンテンツの価値向上の手段として今や「ICT」の活用は不可欠です。CBCテレビにおいても既にコンテンツのインターネット配信や海外への展開など、放送以外のコンテンツ供給も進めていますが、圧倒的な到達率を誇るテレビに、タイムシフト視聴への対応や、双方向性、拡散力のあるインターネットを組み合わせていくことで、テレビメディアやテレビコンテンツの価値を更に高め、新たなイノベーションにつなげていくことが必要と考えています。
 一方、ローカル局として、信頼ある放送を通じて、地域社会に貢献していくこともまた、欠かせない取り組みです。『イッポウ』や『花咲かタイムズ』は同時間帯1位を継続し、エリアを代表するブランドを確立してきました。『ゴゴスマ』は、関東地区、仙台地区に続いて、今年4月からは山陰地区でも放送が始まるなど、エリアをさらに拡大することで、ローカルから発信する生情報番組の新たな形を構築し、全国に支持されるコンテンツとして、さらに成長していくことを目指していきます。

 

ラジオの新たな展開

ラジオの基本姿勢は、テレビ以上に地域との接点を強め、より身近なパーソナルメディアとしての存在を維持し続けることです。ラジオは、通信との親和性が高いこともあり、テレビよりも先行する形で通信を活用した取り組みを進めています。「radiko」においては、エリアフリー、タイムフリー、シェアラジオという新たな展開が始まりました。また、CBCラジオでは、今年3月より「ラジチューブ」を立ち上げ、音声の記事化によるネットでの拡散を図るサービスを開始しました。さらに、次世代に向けては、CBCラジオがイニシアティブを取る形で、スマートフォンにおける放送と通信のハイブリッドラジオの実現に向けた働きかけを行っています。これまで通り、地域に寄り添った番組やイベントを継続しつつ、通信も活用してラジオメディアの有用性をアピールし、媒体価値の向上とリスナー層の拡大を図っていきます。

 

成長を促進するための基盤強化

中核の放送事業を支える基盤の強化も重要な取り組みです。3月に取得した名古屋駅エリアの不動産は現状、オフィスを中心としたテナントビルとして稼働していますが、将来的には再開発を行う計画で、発展著しい名駅地区に事業拠点を拡げることにより、収益拡大を図り、経営基盤を一層強化させていきたいと考えています。また、CBC西別館も今年夏の竣工に向け、工事が進んでいます。完成後は、グループ会社3社を集めることで、Webフォーメーションの目的でもある、グループ会社間の連携強化を図りたいと考えています。その他の保有する資産に関しても収益の最大化や新たな収益物件の開発を推し進め、経営基盤の強化に努めていきます。
 また、人材面では、グループ内での人的交流による活性化や女性や高齢者が活躍できる体制、制度の構築を進めることにより、グループ全体の競争力強化を図っていく考えです。「働き方改革」についても、グループ各社がそれぞれの事業環境にあわせて健康的で働きがいのある職場を守り、向上させていくよう、あらためて業務を分析し、人事制度を含めた働き方の改善を検討しています。

 

次世代に向けて

東京オリンピックが開催される2020年が、メディアにとっても大きな節目の年になると言われています。そして、景気の反動減が懸念される五輪後も、当地区は2026年のアジア大会、2027年のリニア開通などが予定されており、潜在需要は持続すると思っています。
 当社グループは、オリンピックの先も見据えて、「個で強く、協調してなお強い」グループ会社体制を基盤にして、「情報」「映像」「ICT」をテーマに新しいサービスやビジネスの種を播き、その芽を大きく育てていこうと考えています。
 民放第一声から刻み続けた歴史と伝統を聖火のごとく次の世代につないでいくため、新しい収益構造の創出による成長戦略の推進、グループ内外の資源活用と連携強化による収益機会の拡大という目標を実現し、今後いかなる環境変化が起きても、それに対応できる磐石なグループ体制を構築し、あらゆるステークホルダーの皆さまに最大の満足を提供できるよう、弛まぬ努力を続けていきます。

 

      なお、会社の支配に関する基本方針は、次のとおりです。

 当社および当社グループは、テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を制作し、地域社会や文化に貢献することを経営の基本理念にしています。テレビやラジオは、公共性の高いメディアであり、通信技術の進展に伴ってメディアが多様化しても、基幹メディアの地位を維持していくものと考えています。このため、中長期的な視点に立って、安定的に経営を継続していくことが重要であり、それが、ひいては企業価値、株主価値の向上につながるものと確信しています。

 当社は、こうした経営の基本理念を支持する者が、「会社の財務および事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えています。

  なお、当社では、株式に対する大規模な買収行為がなされた場合に備えた具体的な枠組み(いわゆる「買収防衛策」)は定めていません。

 

 

4 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景況等の影響について

  当社グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 視聴率、聴取率による影響

  視聴率、聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者、リスナーにいかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率、聴取率の変動は、放送関連部門の売上高に影響を与えることになります。

テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。

 

(3) 他メディアとの競合について

技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、視聴者・聴取者の動向や企業の広告出稿に影響を与える可能性があります。
 リーチ、フリクエンシーでは他の追随を許さないテレビは、広告メディアとして圧倒的な優位性を保っていますが、今後、メディア間での競争が激化し、視聴者の動向や広告メディアとしての価値が変化した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響が出る可能性があります。

 

(4) 大規模災害の発生や災害放送、緊急時放送について

  当社の本社のある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。

  当社グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。

しかしながら、予想を上回る大地震の発生により、放送関連施設が大きな被害を受けることで、正常な放送を送り出すことができなくなるおそれがあります。

また、当社グループの放送関連部門は、報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や大事故、大事件などが発生した場合、一定期間において、当社グループの主要な収入である広告の放送を行うことなく、テレビ、ラジオの放送を通じて、国民に情報を提供いたします。

さらに、いわゆる「有事法制」における非常時においても、広告の放送を行わないこともあります。

こうした場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 年金債務について

  当社グループの年金資産の時価が大きく変動した場合や、年金資産の運用利回りが変動した場合、業績に大きな影響が出る可能性があります。また、金利環境の変動などの要因により、退職給付債務等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 有価証券等の保有について

  当社グループが保有する有価証券について、大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額が著しく下落した場合に、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループで特筆すべき研究開発活動は行っておりません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、特に貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産および退職給付費用に関する見積りおよび判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

①貸倒引当金

当社グループは、得意先への売掛金等の一般債権について、支払不能時に発生する損失見積額を、過去の貸倒実績率に基づき、貸倒引当金に計上しております。また、相手先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には個別に回収可能性を見積り、追加引当を行っております。さらに、当社グループは預託金方式のゴルフ会員権を所有しております。このゴルフ会員権は、下記「②投資の減損」で減損の対象になった際に、時価が額面金額を下回った場合、時価と額面との差額の全額を貸倒引当金として計上しております。

 

②投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、また余資運用目的で有価証券および投資有価証券を所有しております。この中には市場価額のある公開会社への投資と、時価の決定が困難な非公開会社への投資が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。

 

③繰延税金資産

当社グループでは、繰延税金資産の判定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断し、いわゆるスケジューリング不能と判断された場合にはこれを実現できないものとし、繰延税金資産の調整額として費用に計上しております。

 

④退職給付費用

当社グループでは、従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。また、一部の子会社については簡便法を採用しております。
 当社グループの年金制度において、割引率は優良社債の市場利回りを基準に算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針および市場動向等を考慮して決定しております。

 

 

 (2) 経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度の当社グループ全体の売上高は、前期比4億75百万円(1.4%)増338億50百万円となりました。
 セグメント別の状況は次のとおりです。

当社グループの中心となる「放送関連」は、前期比3億83百万円(1.3%)増308億48百万円となりました。これは主に、テレビスポット収入やラジオスポット収入が増加したことによるものです。特にテレビスポット収入は、名古屋地区投下量が前期を上回る中、好調な視聴率が後押しとなり、地区投下量の増加率を上回る水準で推移しました。

「不動産関連」は、東京の賃貸ビルにおいて新規テナントの入居により賃料収入が増加したことから、前期比91百万円(6.2%)増15億81百万円となりました。

「その他」は、前期から微増となる14億20百万円となりました。

 

②売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、主にテレビ番組費の減少により前期比5億54百万円(3.0%)減177億41百万円となりました。また、販売費及び一般管理費は、増収に伴う代理店手数料の増加などにより前期比3億2百万円(2.3%)増133億4百万円となりました。

 

③営業利益

営業利益は、前期比7億27百万円(35.0%)増28億5百万円となりました。

セグメント別では、「放送関連」は前期比6億46百万円(59.6%)増17億31百万円となりました。また、「不動産関連」は前期比1億円(11.5%)増9億73百万円、「その他」は前期比4百万円(3.8%)増1億23百万円となりました。

 

④営業外損益

営業外収益は、前期比12億89百万円(76.3%)減4億1百万円となりました。これは、前期には一時的な受取配当金が発生したことから、その反動減によるものです。

また、営業外費用は、前期比30百万円(36.4%)減53百万円となりました。

 

⑤経常利益

経常利益は、前期比5億30百万円(14.4%)減31億52百万円となりました。

 

⑥特別損益

特別利益は、前期比32百万円(169.9%)増51百万円となりました。これは主に、補助金収入51百万円があったことによるものです。

また、特別損失は、前期比41百万円(46.2%)減48百万円となりました。これは主に、固定資産除却損が前期に比べて減少したことによるものです。

 

⑦税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前期比4億56百万円(12.6%)減31億55百万円となりました。

 

⑧税金費用

税金費用は、前期比2億30百万円(17.7%)減10億74百万円となりました。内訳としては、法人税、住民税及び事業税が12億95百万円となり、法人税等調整額が△2億20百万円となりました。

 

⑨親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2億47百万円(10.8%)減20億51百万円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 財政状態の分析

  ①資産の部

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて34億95百万円増加し、716億93百万円となりました。
 主な増加要因として、不動産の取得やテレビ放送送出設備の更新などにより有形固定資産が45億55百万円、保有株式の時価上昇などに伴い投資有価証券が20億78百万円それぞれ増加しております。また主な減少要因として、現金及び預金が21億4百万円、有価証券が5億54百万円、流動資産の「その他」が4億95百万円それぞれ減少しております。

 

    ②負債の部

当連結会計年度末における負債は5億99百万円増加し、188億86百万円となりました。
 これは、長期預り保証金が3億63百万円減少した一方で、保有株式の時価上昇に伴い繰延税金負債が5億7百万円、流動負債の「その他」が5億1百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

    ③純資産の部

当連結会計年度末における純資産は28億95百万円増加し、528億6百万円となりました。
 これは、親会社株主に帰属する当期純利益と配当金の支払いとの差額により利益剰余金が13億65百万円、保有株式の時価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が12億19百万円、退職給付に係る調整累計額が2億87百万円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

    ①キャッシュ・フローの状況

  「1  業績等の概要  (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

    ②資金需要及び財務政策

  当社グループの主な資金需要は、テレビやラジオの放送における番組制作や送出に係る費用の他、現在計画中である本社地区の再開発や、放送設備の更新等に係る支出が見込まれております。

  当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資に要する資金を調達することが可能と考えております。