第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針 

 当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念にしております。このため、放送事業を中心とする公共性の高い企業グループとして、長期にわたり安定した経営基盤を確保していくことが重要な経営目標となります。
 放送局を取り巻く環境は、メディア、情報デバイスの多様化によって大きく変容してきていますが、大規模な自然災害が相次いだここ数年、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値が改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、今後ますます高まっていくものと考えています。こうしたメディア環境を踏まえ、当社グループは、これからも地域を代表する放送局、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしい放送サービスを提供してまいります。
 

 

(2)目標とする経営指標

当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っています。しかし、広告市況に関わらず、当社グループは放送事業者としての使命を全うするため、様々な事業環境の変化に柔軟に対応しつつ、安定した経営基盤を確保していくことが重要であると考えています。このため、当社グループは、中長期的な視点でグループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、総合力による競争優位性を確保するとともに、企業価値を増大させていくことを目標としてまいります。

 

(3)対処すべき課題

平成は、情報通信のテクノロジーが大きく進展する一方、「災害の時代」とも言われ、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめ、さまざまな天災が各地に大きな被害をもたらしました。昨年の北海道胆振東部地震の際には北海道全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生し、地元の放送局では、予備電源により放送を送出し続けるとともに、インターネットで同時配信も行い、多くの道民がラジオやワンセグ、スマートフォンなどで情報を得ました。その一方で問題となったのは、インターネット上における不確かな情報やデマの拡散です。災害はその被害の大きさとともに、信頼ある地域情報の重要性を改めて浮き彫りにしました。

令和という新たな時代を迎え、グループを取り巻く環境変化はさらに加速していくことが予想されます。その中で、これまで通り、放送という公共性の高い事業を中核に、地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与するという社会的使命を確実に果たしていくためには、6年目を迎えた認定放送持株会社を中心とする「Webフォーメーション」体制を更に進化させ、グループ全体の基盤をより強化し、将来にわたって成長エンジンを回し続けていく必要があると考えます。

 

「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2018-2020」

当社および当社グループは、昨年、当事業年度を初年度とする「中期経営計画2018-2020」を策定しました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、主力であるテレビ・ラジオの放送を中心に既存の事業を更に強化しつつ、グループ全体で将来の種を播き、成長の可能性を見出す3年間と位置付けました。計画最終年度の2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、その後も2025年の大阪万博、2026年のアジア大会、2027年のリニア開通など、2020年代は国際イベントや大型事業が目白押しとなるため、将来に向けて足元をしっかりと固めつつ、備えを進めていく重要な期間となります。

当計画における重点目標としては、成長戦略の3本柱「映像」「情報」「ICT」を軸に、「現行ビジネスの強化」「新規事業の創出、拡張」「成長を支える基盤の強化」の3点を掲げ、グループの成長を促進させていきます。

 

現行ビジネスの強化

「現行ビジネスの強化」とは、すなわち放送を中心とした現行ビジネスの売上、利益を最大化することです。当事業年度は放送関連セグメントが2期連続の減収となりました。その要因として、テレビ、ラジオの広告収入と景気動向との連動性が弱まっているという見方もありますが、少子高齢化と人口の減少、メディア・デバイスの多様化などの環境変化が複合的に影響を及ぼしている可能性もあります。しかし、逆の見方をすれば、そのメディアの多様化により、テレビやラジオの生み出すコンテンツも、現行の視聴率や聴取率で示されている以上の到達度や影響度を持っていると考えられます。また、テレビやラジオの広告は、インターネット広告と比較して、データをもとにした媒体価値がわかりにくいという指摘もあるため、新たなデータ指標に基づく価値を提供し、データ利活用の仕組みを構築することにより、媒体価値をより確固たるものとしていきたいと考えています。
 テレビ視聴率に関してはタイムシフト視聴を加えた総合視聴率の計測が始まりました。CBCテレビでは、2019年4月より、平日午後帯で新番組『チャント!』を開始し、スポンサーのニーズに応えた、より幅広い視聴者層の獲得を目指していきます。CBCラジオでは、シニア世代を中心とした終活イベントや、若年層リスナーをターゲットに男性声優がパーソナリティを務める番組編成など、ターゲットをより明確にした番組やイベントの開発を進めており、スポンサーとリスナーを直接つなぐマネタイズモデルとして育ちつつあります。また、インターネットラジオのradikoを活用したターゲティング広告配信も始めており、リスナーと広告ターゲットを結び付けた取り組みを今後さらに加速させていきます。
 さらに、リスナーの拡大に向けては、全国のラジオ局と連携し、radiko(インターネット)とFM放送(FM波)の両方でラジオを聴ける「ハイブリッドラジオ」を搭載したスマートフォン「ラジスマ」の普及に努めています。そして、独自の取り組みとして、昨年11月より、FMラジオチューナーを搭載した格安スマートフォン「CBCスマホ」のサービス事業も開始し、CBCラジオの媒体価値向上、リスナーの獲得につなげていこうと考えています。
 不動産事業では、名古屋駅前エリアの不動産をはじめ、アピタ長久手店や千代田会館など、保有する不動産資産の価値の最大化を図るとともに、安定収益の確保に努めていきます。

 

新規事業の創出、拡張

「新規事業の創出、拡張」とは、将来成長が見込まれる分野にリソースを投入し、新しい収益の柱を創出していくことです。
 その1つは「放送事業を強化する総合的メディアデザインの構築」です。メディアの多様化や高度化が進む中、有料動画配信プラットフォームへ参画するなど、次世代のプラットフォーム並びにコンテンツ流通における新たなビジネスモデルについて検討し、ラジオ、テレビの価値の最大化につなげていこうと考えています。

もう1つは「次世代に向けた戦略的投資、新規事業の開拓」です。放送関連分野だけではなく、「ICT」分野を中心に検討を行い、高度な技術や知見を有するさまざまな企業とのオープンイノベーションによる連携や協業も進めながら、事業拡大に取り組んでいます。当事業年度においては、駐車場シェアリングエコノミーサービスを運営する「akippa」や、有人宇宙機開発を進めている地元企業の「PDエアロスペース」に出資を行いました。また、前述した格安スマートフォン「CBCスマホ」事業のほか、海外向けにアニメ、漫画、ゲームといった日本のサブカルチャーコンテンツを提供する「Tokyo Otaku Mode」にも参画するなど、新たな事業分野での取り組みも推進しています。 
 いずれの取り組みも、グループとして、コンテンツの活用やビジネス領域の拡大、地域活性化への貢献などに結び付けていくことを目指しており、人口減少や産業構造の変化が進む中、将来的には新たな事業ポートフォリオの構築も進めながら、事業の多角化、グループの持続的成長の促進を図っていきます。

 

成長を支える基盤の強化
 「成長を支える基盤の強化」とは、グループ各社が日々、今日を超えるパフォーマンスを発揮するため、「インフラ整備」と「次世代人材の開発・育成」を行っていくことです。当社グループは報道機関として、いかなる状況においても放送を継続するために、その関連施設に対しては最大限の対策を継続して施す必要があり、また、大規模な災害時などにおいては、主要な収入である広告を一定期間放送することなく、情報を提供し続けるという使命も負っています。こうした使命を果たすためにも、体制と基盤は常に強化し続けていかなければなりません。
 「インフラ整備」として、当事業年度においては、まず、CBC会館のリニューアル工事に向けた検討に着手しました。当社グループの表玄関としての機能を生かしつつ、放送スタジオについては4Kに対応した更新を進めるなど、新たな放送施設としての整備を進めていきます。放送事業を基軸としたグループの将来成長のためには、テクノロジーの進展に合わせた機動的な設備投資が不可欠であり、そのためには、安定的な資金の確保とともに強固な財務基盤を維持していくことが重要と考えます。
 「次世代人材の開発・育成」としては、職員のICTリテラシー向上を図り、オープンイノベーションにより新たな価値を創造できる人材育成に取り組む一方、職員の「新しい働き方」についても整備を進めています。

 

「100年企業」へ向かって 
 当社は来年、創立70周年を迎えます。新たな時代を迎え、取り巻く環境はますます変化することが予想されますが、上記目標及び課題に対処していくことこそが、報道機関、情報インフラとしての使命を果たしつつ、企業としての成長につながっていくものと確信しています。
 民間放送のパイオニアとして歴史を先導してきた当社グループは、「100年企業」を目指し、大きな変革を飛躍のチャンスとして事業領域を広げ、未来に向かって持続的に成長することで、あらゆるステークホルダーの皆さまに最大の満足を提供できる存在であり続けたいと考えています。
 

 

 

 

     なお、会社の支配に関する基本方針は、次のとおりです。

 当社および当社グループは、テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を制作し、地域社会や文化に貢献することを経営の基本理念にしています。テレビやラジオは、公共性の高いメディアであり、通信技術の進展に伴ってメディアが多様化しても、基幹メディアの地位を維持していくものと考えています。このため、中長期的な視点に立って、安定的に経営を継続していくことが重要であり、それが、ひいては企業価値、株主価値の向上につながるものと確信しています。

 当社は、こうした経営の基本理念を支持する者が、「会社の財務および事業の方針の決定を支配する者」であることが望ましいと考えています。

  なお、当社では、株式に対する大規模な買収行為がなされた場合に備えた具体的な枠組み(いわゆる「買収防衛策」)は定めていません。

 

 

2 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景況等の影響について

  当社グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 視聴率、聴取率による影響

  視聴率、聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者、リスナーにいかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率、聴取率の変動は、放送関連部門の売上高に影響を与えることになります。

テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。

 

(3) 他メディアとの競合について

技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、視聴者・聴取者の動向や企業の広告出稿に影響を与える可能性があります。
 リーチ、フリクエンシーでは他の追随を許さないテレビは、広告メディアとして圧倒的な優位性を保っていますが、今後、メディア間での競争が激化し、視聴者の動向や広告メディアとしての価値が変化した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響が出る可能性があります。

 

(4) 大規模災害の発生や災害放送、緊急時放送について

  当社の本社のある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。

  当社グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。

しかしながら、予想を上回る大地震の発生により、放送関連施設が大きな被害を受けることで、正常な放送を送り出すことができなくなるおそれがあります。

また、当社グループの放送関連部門は、報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や大事故、大事件などが発生した場合、一定期間において、当社グループの主要な収入である広告の放送を行うことなく、テレビ、ラジオの放送を通じて、国民に情報を提供いたします。

さらに、いわゆる「有事法制」における非常時においても、広告の放送を行わないこともあります。

こうした場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 年金債務について

  当社グループの年金資産の時価が大きく変動した場合や、年金資産の運用利回りが変動した場合、業績に大きな影響が出る可能性があります。また、金利環境の変動などの要因により、退職給付債務等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 有価証券等の保有について

  当社グループが保有する有価証券について、大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額が著しく下落した場合に、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)

2018年3月期

33,937

2,779

3,187

1,971

2019年3月期

34,046

2,418

2,829

1,693

増減率(%)

0.3

△13.0

△11.2

△14.1

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資の増加や雇用情勢の改善を背景に堅調に推移したものの、通商問題への懸念や海外経済の不確実性による影響もあって、先行き不透明な状況となっております。また、当社グループに影響を与えるテレビの広告市況につきましては、停滞気味に推移しました。
このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、340億46百万円(前期比0.3%増)となりました。利益面では、営業利益は24億18百万円(前期比13.0%減)、経常利益は28億29百万円(前期比11.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億93百万円(前期比14.1%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

放送関連

不動産関連

その他

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

2018年3月期

30,750

1,644

1,725

1,068

1,460

89

2019年3月期

30,709

1,229

1,747

1,076

1,590

112

増減率(%)

△0.1

△25.3

1.2

0.7

8.9

25.2

 

(注)売上高については、セグメント間の取引を相殺消去しております。

 

〈放送関連〉

当セグメントは、当社、㈱CBCテレビ、㈱CBCラジオ、㈱CBCクリエイションならびに㈱CBCコミュニケーションズで構成されます。

CBCグループの中核をなすテレビ事業については、当期の年間平均視聴率は、全日帯(6:00~24:00)が7.4%、ゴールデンタイム(19:00~22:00)が11.9%、プライムタイム(19:00~23:00)が11.8%と、いずれも前期に引き続き2位となりました。

ローカルの枠を超えて全国への展開を目指す情報生ワイド番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(月~金曜 13:55~15:57放送)は、昨年10月に北海道地区、さらに今年4月からは岩手、富山、熊本地区で放送が始まり、これで放送エリアは1都1道18県に拡大しました。

また、情報生ワイド番組『なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ』(土曜 9:25~11:30放送)は、11年連続で視聴率同時間帯1位となりました。

報道情報番組『イッポウ』(月~金曜16:50~19:00放送)は、「家族 つなぐ」をモットーに「最新ニュース」から「身近な生活情報」まできめ細かくお伝えしました。昨年の大雨や台風の報道では、テレビ放送と併せインターネットでもライブ配信し、より詳細な災害情報を伝えるとともに、メディアの多様化への取り組みも推し進めました。

また、今年4月からは『チャント!』(月~金曜15:49~19:00放送)をスタートさせ、『イッポウ』の視聴者を維持しつつ、更なる視聴者層の拡大を目指します。

一方、ラジオ事業は、「トークって近い」というメッセージのもと、リスナーに最も近く、地域に寄り添った番組を展開し、6月と12月の中京圏ラジオ個人聴取率調査(12才~74才)で総合1位を獲得しました。恒例の『CBCラジオ夏まつり2018』(7月)や、2年目となる『春の終活文化祭~シニアにYELL!~』(3月)などのイベントも盛況を博しました。また、ドキュメンタリー『最期への覚悟』が、第55回ギャラクシー賞ラジオ部門において、CBC制作の番組では初めてとなる大賞を受賞しました。

 

 

このほか、CBCのメディア価値向上につながる企画・イベントにも取り組みました。明治期の皇室を彩った調度品などを展示した展覧会『明治150年記念 華ひらく皇室文化 明治宮廷を彩る技と美』(4月~5月)は大きな話題を呼び、その後、秋田、京都、東京の各地でも開催されました。また、男子ゴルフの『第59回中日クラウンズ』(4月)、名古屋を代表するクラシックの祭典『第41回名古屋国際音楽祭』(4月~7月)をはじめとしたさまざまなイベントを実施し、いずれも多くの来場者を集めました。

 

このような事業活動等を展開した結果、テレビのタイム収入やイベント収入が増加し、さらに『ゴゴスマ』の放送エリア拡大に伴う番組販売収入も増加しました。しかし、その一方で、名古屋地区へのスポット投下量が前期を下回る状況の下、テレビスポット収入が減少したことから、「放送関連」の売上高は307億9百万円(前期比0.1%減)となりました。

利益面では、テレビのタイム収入の増加による増益効果はあったものの、利益率の高いテレビスポットの減収により、営業利益は12億29百万円(前期比25.3%減)となりました。

 

 

〈不動産関連〉

当セグメントは、当社と㈱千代田会館ならびに㈱CBCビップスで構成されます。
「不動産関連」は、東京及び名古屋駅エリアの賃貸ビルにおける収入が増加となったことから、売上高は17億47百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面では、東京の賃貸ビルにおいて修繕費が増加したものの、増収効果により営業利益は10億76百万円(前期比0.7%増)となりました。

 

〈その他〉

ゴルフ場事業を営む㈱南山カントリークラブ、保険代理業などを営む㈱CBCビップスならびにタクシー業を営む文化交通㈱で構成される「その他」は、売上高が15億90百万円(前期比8.9%増)、営業利益は1億12百万円(前期比25.2%増)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

  (a)資産の部

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて3億76百万円減少し、712億65百万円となりました。 

主な減少要因として、保有株式の時価下落などに伴い投資有価証券が8億22百万円減少しております。また、主な増加要因として、現金及び預金が5億42百万円増加しております。

 

  (b)負債の部

当連結会計年度末における負債は3億63百万円減少し、158億15百万円となりました。
 固定資産取得に伴う未払金が増えたため流動負債の「その他」が4億92百万円増加しましたが、一方で保有株式の時価下落などに伴い繰延税金負債が4億81百万円、長期預り保証金が4億57百万円それぞれ減少したことなどにより、負債全体では減少となりました。

 

    (c)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は13百万円減少し、554億49百万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益と配当金の支払いとの差額により利益剰余金が10億86百万円増加しましたが、一方で保有株式の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が10億78百万円、退職給付に係る調整累計額が42百万円それぞれ減少したことにより、純資産全体では減少となりました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 

2018年3月期

2019年3月期

増減額

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,340

2,853

512

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,445

△1,118

1,326

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,125

△1,091

33

現金及び現金同等物の増減額

△1,229

642

1,872

現金及び現金同等物の期首残高

13,010

11,781

△1,229

現金及び現金同等物の期末残高

11,781

12,424

642

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて6億42百万円増加し、124億24百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は28億53百万円となりました。これは、法人税等の支払額が13億85百万円あった一方で、税金等調整前当期純利益27億83百万円や減価償却費12億80百万円をそれぞれ計上し、さらに法人税等の還付額が3億3百万円あったことなどによるものです。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は11億18百万円となりました。これは、有価証券の償還による収入が2億円あった一方で、投資有価証券の取得による支出が8億72百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が5億50百万円それぞれあったことなどによるものです。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は10億91百万円となりました。これは、配当金の支払額6億5百万円や預り保証金の返還による支出5億8百万円があったことによるものです。

 

 

 ④ 販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

放送関連

30,709

△0.1

不動産関連

1,747

1.2

報告セグメント計

32,456

△0.1

その他

1,590

8.9

合計

34,046

0.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2018年3月31日)

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

8,838

26.0

 8,355

24.5

㈱博報堂DY
メディアパートナーズ

6,677

19.7

 7,047

20.7

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、特に貸倒引当金、投資の減損、繰延税金資産および退職給付費用に関する見積りおよび判断が連結財務諸表の作成に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

    (a)貸倒引当金

当社グループは、得意先への売掛金等の一般債権について、支払不能時に発生する損失見積額を、過去の貸倒実績率に基づき、貸倒引当金に計上しております。また、相手先の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には個別に回収可能性を見積り、追加引当を行っております。さらに、当社グループは預託金方式のゴルフ会員権を所有しております。このゴルフ会員権は、下記「(b)投資の減損」で減損の対象になった際に、時価が額面金額を下回った場合、時価と額面との差額の全額を貸倒引当金として計上しております。

 

(b)投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、また余資運用目的で有価証券および投資有価証券を所有しております。この中には市場価額のある公開会社への投資と、時価の決定が困難な非公開会社への投資が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。

 

(c)繰延税金資産

当社グループでは、繰延税金資産の判定に当たって慎重な判断を行い、評価性引当額を計上することによって実現可能性の高い金額への修正を行っております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得と継続的な税務計画を慎重に判断し、いわゆるスケジューリング不能と判断された場合にはこれを実現できないものとし、繰延税金資産の調整額として費用に計上しております。

 

(d)退職給付費用

当社グループでは、従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。また、一部の子会社については簡便法を採用しております。
 当社グループの年金制度において、割引率は優良社債の市場利回りを基準に算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針および市場動向等を考慮して決定しております。

 

 

 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 (a)当連結会計年度の経営成績の分析

  (売上高および営業利益)

当社および当社グループは昨年、「中期経営計画2018-2020」を策定しました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、主力であるテレビ・ラジオの放送を中心に既存の事業を更に強化しつつ、グループ全体で将来の種を播き、成長の可能性を見出す3年間と位置付けました。

計画初年度となる当連結会計年度は、当社グループの中核をなす「放送関連」セグメントが減収となりました。これは主に主力であるテレビスポット収入の落ち込みによるものです。地域性と信頼性に基づくコンテンツ制作力をいっそう強化するとともに、データ利活用の仕組みを構築することにより、媒体価値をより確固たるものにしていきたいと考えています。また、次世代のプラットフォーム並びにコンテンツ流通における新たなビジネスモデルについても検討を進め、コンテンツ価値の最大化を目指していきます。

そして、グループの成長を支えるため、体制と基盤も常に強化し続けていく必要があります。当連結会計年度においても「不動産関連」セグメント及び「その他」は増収増益となっていますが、今後もビジネス領域の拡大や事業の多角化により、グループの持続的成長を促進していこうと考えています。

この結果、当連結会計年度は、営業利益は減益とはなりましたが、売上高については4期連続の増収となりました。2019年度は、利益率の高いスポット収入の落ち込みを取り戻しつつ、次世代に向けた新たな事業領域の創出を目指すことにより、計画最終年度にあたる2020年度において「売上高営業利益率8%以上を目安として連結売上高375億円を達成する」という目標に向けて礎を築く重要な期間となります。

なお、上記事項を含むセグメント別の売上高および営業利益の詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」並びに「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 (経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、前期比5百万円(1.2%)減4億46百万円と、ほぼ前期並みとなりました。一方で、営業外費用は、支払利息の減少などにより、前期比8百万円(18.7%)減35百万円となりました。この結果、経常利益は前期比3億58百万円(11.2%)減28億29百万円となりました。

 

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、CGコードに基づき、政策保有株式の一部見直しを行ったことにより、投資有価証券売却益を計上し、前期比27百万円増となりました。特別損失は、前期比33百万円(83.1%)増の73百万円となりました。

税金費用は、税金等調整前当期純利益の減益により、前期比85百万円(7.4%)減10億58百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2億78百万円(14.1%)減16億93百万円となり、前期を下回りました。

  

 

(b) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

  

(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループの主な資金需要は、テレビやラジオの放送における番組制作や送出に係る費用のほか、多額を要する放送設備の更新と社屋関係へのインフラ投資、持続的な成長を維持するための事業展開に向けた投資が見込まれております。

  当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資に要する資金を調達することが可能と考えております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は124億24百万円となっております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループで特筆すべき研究開発活動は行っておりません。