第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針および経営環境

当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。

新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、人類が経験したことのないような事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。

当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。昨年来の新型コロナウイルス拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、今回新たに策定した「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「テレビ事業を中心とした現行ビジネスの立て直し」と「コンテンツ事業への参入など新たな柱の創出」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。

 

(2)対処すべき課題

「100年企業」への歩みに向けてあと30年となる今年、当社グループは「メディアコンテンツグループ」へと進化します。

新型コロナウイルスという脅威が世界経済を停滞させ、人々の生活様式を一変させました。創立から70年を経た今、私たちは大きな変革を求められています。この70年間で築いてきた制作力に基づいた「コンテンツ」を軸に、放送、そして、様々な「メディア」に領域を拡大していくことが必要です。

2050年においても成長し続ける「100年企業」グループを目指して、「CBCグループは地域で最も信頼されるメディア企業グループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という原点に立ち返り、グループ各社がそれぞれの存在意義を再確認し、デジタル活用によりグループの多様性を最大限に発揮し、社会的使命を担う企業グループを目指していきます。

 

「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」

当社グループは、2021年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」を策定しました。策定にあたり本計画期間について、10年先にあたる2030年における各社の姿を見据えた上で、まずはコロナ禍を乗り越え、既存の事業を「回復させ、成長させる」。さらに、これまで播いてきた「将来の種を育て」「新たな種播きを進める」期間と位置付けています。

まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていきます。

 

 

〈メディアコンテンツ関連事業〉

当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。

放送関連事業では、メディア環境の変化と新型コロナウイルスによる影響を見極め、どう対応していくのかが課題です。メディアの多様化が進む中、テレビのスポット市場は成熟期を迎えています。こうした中でも、番組視聴率を上げることでスポットシェアを上げる、すなわち売上を伸ばすことが可能となります。さらに、テレビの持つ広告効果は、他メディアと比較しても、その優位性は大きく、それをデータ利活用によって見える化することにより、効果の再認識につなげ、さらには最大化することが可能です。

また、ラジオ事業に関しては、「radiko」を含むデジタル音声広告市場が成長傾向にある中、従来の放送収入やイベント収入に加えて、この市場をとらえるべく、さらなるコンテンツ制作力を蓄えた上で、放送と通信の両サービスの提供により、リスナー・スポンサーの期待に応えていきます。

コロナ禍で一気に成長が加速したのが、映像コンテンツ産業です。当社グループも70年間培ってきたコンテンツ制作力を持つメディアとして、市場成長性、収益性とも上昇傾向にある映像コンテンツ産業に注力し、事業領域を拡張していきます。映像コンテンツ制作会社「ケイマックス」のグループ傘下入りは、こうした流れへの対応の足掛かりであり、コンテンツを軸に、海外も含めた映像マーケットに進出していくことを目指します。

ローカル局は「メディア」として放送波を負託されていることと、信頼と歴史に基づく「コンテンツ」制作力が強みです。大きく変化する産業構造に対応し、現行ビジネスの価値最大化とコンテンツのデジタル展開を進めることにより、「メディアコンテンツグループ」として持続的な成長を果たしていこうと考えています。

 

〈不動産関連事業〉

不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらした一方、保有資産の「選択と集中」戦略に基づき、前中期経営計画期間において、遊休地および老朽化した物件の売却などを行いました。本計画期間においては、成長性のある物件の調査を進め、新たな収益物件を取得するなど、新たなポートフォリオ構築によりグループ基盤を支える収益の安定化を目指していきます。

 

〈その他〉

その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を活かしたグループのさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ全体あるいはグループ各社の事業拡大に向けて、各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究を進めながら、戦略的投資を行っていきます。

 

成長を支える基盤の強化
 こうした各事業の回復・成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアル工事を進めているCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、外部利用の可能性についても検討を進め、有効活用を目指していきます。また、放送機能の先進化に向けても、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資を行うことが必要となります。さらに、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があり、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。

人材面では、コロナ禍による「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。あわせて、グループ機能の最適化や、それに合わせたグループ要員計画の策定に関しても検討を進めていきます。

 

地域を代表するメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、創立70周年で掲げた「未来にワクワクを」というテーマに基づき、「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。また、世界的に機運の高まるカーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を活かしながら、グループ会社や地元企業などとの共創により、地域社会への貢献を目指していきます。

 

地域ナンバーワン「メディアコンテンツグループ」を目指して 
 新型コロナウイルス感染症拡大という状況の中、1年余りにわたって、最前線で対応しておられる医療従事者の皆さまをはじめ、それぞれ収束に向けて、対応をしてこられました全ての方々に、心からの敬意と感謝を表します。こうした状況下で、私たちは「メディア」として、正しい情報をいち早く、わかりやすく届け、地域の方々の生命、生活を守るという社会的役割を担っていることを、これまで以上に意識するようになりました。そして、コロナ禍で在宅時間が増える中、人々の心、気持ちを豊かにする「コンテンツ」の提供も当社の大切な役割であると再認識しました。

当社グループは、地域の情報インフラとして、皆さまの生命・財産を守り、皆さまの心を豊かにする映像コンテンツの提供を通じて、今こそ存在意義を発揮する時と考えています。地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」を目指して、グループ一丸となって様々な価値の創造、情報発信を進め、民放初の「100年企業」に向けて、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景況等の影響について

  当社グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、放送事業の広告収入を柱としながらも、不動産関連セグメント他の事業により収益基盤を強化しており、リスクの最小化に努めております。

 

(2) 視聴率、聴取率による影響

  視聴率および聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者および聴取者に、いかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率や聴取率の変動は、放送関連部門の売上高に影響を与えることとなります。

テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。

当社グループのCBCテレビでは、キー局制作の番組を番組宣伝などにより多くの視聴者に見ていただけるよう努める一方、自社による編成時間帯では、自社制作番組の強化などにより、高い視聴率を獲得できるよう取り組んでおります。

 

(3) 他メディアとの競合について

テレビメディアはその到達率に関して他の追随を許さず、広告メディアとしての優位性を保っていますが、技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、70年間で培ってきた制作力に基づくコンテンツを生み出し、最大のリーチメディアである地上波放送や通信を活用した多様なメディア戦略によって、その価値を最大化し、グループの業容拡大と収益性の最大化を目指してまいります。

 

(4) 大規模災害の発生時や新型コロナウイルス感染症拡大などによる緊急時対応について

  当社の本社がある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。当社グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。

また、当社グループの放送関連部門は報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や今般の新型コロナウイルス感染症拡大などの緊急時や非常事態においても、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っております。

当社グループでは、財務基盤を常に強化し続けることで、広告収入が一定期間大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも放送事業を継続できるよう備えております。また、こうした有事の際の放送事業継続にあたっては、BCPに則り、対応マニュアル発動、テレワーク等勤務体制の変更、番組収録体制の工夫等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。

 

 

 (5)新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響について

 新型コロナウイルス感染症拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。事業を取り巻く環境については依然として先行き不透明な面もあり、今後、感染の再拡大や長期化が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  当社グループでは、引き続きコストコントロールを徹底することで業績への影響が最小となるよう対策を行ってまいります。

 

(6) 有価証券等の保有について

  当社グループが保有する有価証券は、政策保有目的の株式など当社の企業価値向上を目的として中長期的に保有しているものですが、これらについては大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額の著しい下落があった場合には、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)

2020年3月

33,094

1,582

2,003

2,483

2021年3月

28,157

433

861

619

増減率(%)

△14.9

△72.6

△57.0

△75.1

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により非常に厳しい状況となりました。個人消費には持ち直しがみられるものの、企業収益は大幅に減少しました。また、当社グループに影響を与えるテレビの広告市況につきましても昨年秋以降から回復傾向を見せたものの、全体としては厳しいものとなりました。

このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、281億57百万円(前期比14.9%減)となりました。利益面では、営業利益は4億33百万円(前期比72.6%減)、経常利益は8億61百万円(前期比57.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億19百万円(前期比75.1%減)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

放送関連

不動産関連

その他

売上高
(百万円)

営業利益又は
営業損失(△)
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益又は
営業損失(△)
(百万円)

2020年3月

29,750

429

1,758

1,053

1,586

99

2021年3月

25,248

△544

1,734

1,059

1,174

△82

増減率(%)

△15.1

△1.3

0.6

△26.0

 

(注)売上高については、セグメント間の取引を相殺消去しております。

 

〈放送関連〉

当セグメントは、当社、㈱CBCテレビ、㈱CBCラジオ、㈱CBCクリエイションならびに㈱CBCコミュニケーションズで構成されます。

CBCグループの中核をなす放送関連セグメントでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、広告収入が大きく落ち込み、またイベントなども中止を余儀なくされるなど、非常に厳しい状況となりました。

緊急事態宣言が発出されるなど未曽有の状況となった新型コロナウイルスの感染拡大に対して、最新情報を迅速かつ正確に伝えるという、報道機関として重要な役割を果たすことを第一とし、感染防止の啓発につながる有益な情報の発信にも尽力しました。

テレビ事業においては、成長戦略の柱として位置付けている平日午後帯の情報生ワイド番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(月~金曜 13:55~15:49放送)、報道情報番組『チャント!』(月~金曜 15:49~19:00放送)で、より幅広い視聴者層の獲得を目指して、生活者目線にこだわり生放送の特性を生かした番組作りを進めた結果、ファミリー層による視聴が伸びました。また、放送エリアの更なる拡大を目指した『ゴゴスマ』は、当期中に、関西地区や福岡地区などにも放送エリアを広げ24局39都道府県へと拡大、収益向上に寄与しました。

このほか、週末の情報生ワイド番組『なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ』(土曜 9:25~11:30放送)は、13年連続で同時間帯視聴率1位となるなど地域を代表する情報番組として定着しています。

なお、当期の年間視聴率は、全日帯(6:00~24:00)が6.4%、ゴールデンタイム(19:00~22:00)が9.5%、プライムタイム(19:00~23:00)が9.5%となりました。

ラジオ事業においては、声優やアイドルをパーソナリティに起用した番組を放送し、ターゲットをより明確にした番組編成を行いました。また、毎年7月に実施している『CBCラジオ夏まつり』をはじめ、『CBCラジオネットで秋まつり』(11月)、『CBCラジオネットで春の終活文化祭~シニアにYELL!~』(3月)を、コロナ禍を考慮しオンラインで開催、インターネットと放送を融合させた手法を生み出し、新たなビジネスモデルを確立させるとともに、収益の向上につなげました。

 

聴取率では中京圏個人聴取率調査において、『つボイノリオの聞けば聞くほど』(月~金曜 9:00~11:55放送)が、年2回(6月・12月)の調査ともに、全番組ランキングで1位を獲得しました。また、『北野誠のズバリサタデー』(土曜 9:00~11:40放送)は、年2回の調査ともに、同時間帯1位を獲得しました。

テレビ・ラジオを支えるコンテンツ制作力は、当期も高い評価を得ました。2020年日本民間放送連盟賞では、登場人物が2人だけという大胆な設定で、現代社会が抱える課題を表現した『スナイパー時村正義の働き方改革』が、テレビドラマ番組部門で最優秀を受賞したほか、『伊勢湾台風特別番組 あの日から60年 その命を、守りたい』がラジオ教養番組部門で、『若狭敬一のスポ音~エンジョイホーム テレトーク』がラジオ生ワイド番組部門で、それぞれ優秀を受賞しました。

事業部門は、新型コロナウイルスの感染拡大で、男子ゴルフトーナメント『中日クラウンズ』をはじめ、8月までは全てのイベントが中止・延期となりましたが、9月のクラシックコンサートから催事を再開し、観覧人数の縮小を含めた徹底的な感染拡大防止策を講じてイベントを実施しました。

また、当社は、昨年12月、創立70周年を迎えましたが、その周年プロジェクトの一環として、「未来にワクワクを」をテーマに掲げ、様々な特別番組を放送しました。テレビでは、防災やエネルギー問題について家族で考えられるような番組を、またラジオでは、CBCに縁が深い出演者が、CBCの昔と今を語り合う記念番組を放送しました。

 

このような事業活動等を展開いたしましたが、当期は新型コロナウイルス感染症の影響による広告市況の急激な悪化などにより、当社グループの売上の中心となるテレビスポット収入やテレビタイム収入が大幅に減少したほか、主催イベントの中止・延期によりイベント収入も大幅に減少したことから、「放送関連」の売上高は252億48百万円(前期比15.1%減)となりました。

利益面では、主にテレビスポット収入の減少が影響し、5億44百万円の営業損失(前期は4億29百万円の営業利益)となりました。

 

〈不動産関連〉

当セグメントは、当社と㈱千代田会館ならびに㈱CBCビップスで構成されます。

「不動産関連」は、堅調に推移し、売上高は17億34百万円(前期比1.3%減)となりました。

利益面では、前期は賃貸物件の大規模修繕を実施しましたが、当期はなかったことから、営業利益は10億59百万円(前期比0.6%増)となりました。

 

〈その他〉

ゴルフ場事業を営む㈱南山カントリークラブ、保険代理業などを営む㈱CBCビップスならびにタクシー業を営む文化交通㈱で構成される「その他」は、新型コロナウイルス感染症の影響によりゴルフ場の来場者およびタクシー利用者が減少したことや、物品販売収入の減少もあり、売上高が11億74百万円(前期比26.0%減)、営業損失は82百万円(前期は99百万円の営業利益)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

  (a)資産の部

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて24億94百万円増加し、739億28百万円となりました。

主な増加要因として、保有株式の時価上昇などに伴い投資有価証券が22億65百万円、設備投資により有形及び無形固定資産が12億51百万円それぞれ増加しております。また、主な減少要因として、現金及び預金が6億77百万円、繰延税金資産が5億66百万円それぞれ減少しております。

 

  (b)負債の部

当連結会計年度末における負債は8億55百万円減少し、150億63百万円となりました。

保有株式の時価上昇に伴い繰延税金負債が9億93百万円増加しましたが、退職給付に係る負債が13億2百万円、未払費用が2億8百万円それぞれ減少したことなどにより、負債全体でも減少となりました。

 

    (c)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は33億49百万円増加し、588億64百万円となりました。これは、保有株式の時価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が19億53百万円、退職給付に係る調整累計額が13億76百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 

2020年3月

2021年3月

増減額

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,188

2,347

△840

投資活動によるキャッシュ・フロー

2,126

△1,368

△3,495

財務活動によるキャッシュ・フロー

△978

△955

23

現金及び現金同等物の増減額

4,336

23

△4,312

現金及び現金同等物の期首残高

12,424

16,760

4,336

現金及び現金同等物の期末残高

16,760

16,784

23

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて23百万円増加し、167億84百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は23億47百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上12億20百万円、減価償却費の計上13億92百万円、退職給付に係る負債の増加額7億97百万円および法人税等の還付額1億89百万円です。また主な減少要因は、法人税等の支払額8億23百万円です。

なお、固定資産売却益6億19百万円は投資活動により発生した損益であることから、営業活動によるキャッシュ・フローから控除されています。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は13億68百万円となりました。主な減少要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出27億93百万円および投資有価証券の取得による支出5億22百万円です。また、主な増加要因は、有形及び無形固定資産の売却による収入7億19百万円、投資有価証券の償還による収入6億99百万円、有価証券の償還による収入2億円および信託受益権の償還による収入(純額)1億99百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は9億55百万円となりました。これは、配当金の支払額5億80百万円や預り保証金の返還による支出3億70百万円があったことによるものです。

 

 ④ 販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

放送関連

25,248

△15.1

不動産関連

1,734

△1.3

報告セグメント計

26,983

△14.4

その他

1,174

△26.0

合計

28,157

△14.9

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

7,843

23.7

6,759

24.0

㈱博報堂DY
メディアパートナーズ

6,123

18.5

5,043

17.9

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(a)当連結会計年度の経営成績の分析

 (売上高および営業利益)

当社グループは3年前に「中期経営計画2018-2020」を策定いたしました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」となる2050年においても成長し続けるグループとなるために、主力であるテレビ・ラジオの放送を中心に既存の事業を更に強化しつつ、グループ全体で将来の種を播き、成長の可能性を見出す3年間と位置付け、取り組んでまいりました。

放送関連事業においては新番組や新規イベントの開発、その他各事業においても新商材の開拓や新規事業への投資など、新たな種播きを進め、成果を出し始めた取り組みも出てきております。しかしながら、計画3年目となる当連結会計年度は2期連続の減収、営業利益も4期連続の減益となりました。これは主に当社グループの中核をなす「放送関連」セグメント、特に主力であるテレビスポット収入の落ち込みによるものです。まずは、この落ち込みが「メディア環境の変化」によるものか、「新型コロナウイルスの影響」によるものかを的確に見極め、視聴率上昇によるシェア拡大を目指します。その一方で、長年培ってきたコンテンツ制作力を最大限に生かして、市場成長性、収益性ともに上昇傾向にある映像コンテンツ産業にも注力し、事業の拡張にも取り組みます。メディアコンテンツグループとして、現業ビジネスの価値最大化とコンテンツのデジタル展開を両輪に、中長期的な収益を確保していくことを目指してまいります。

そして、グループの成長を支えるため、体制と基盤も常に強化し続けていく必要があります。当連結会計年度においても「不動産関連」セグメントは増益となりましたが、今後も新たな不動産ポートフォリオ構築や事業領域の拡大、多角化により、主力の放送事業を支え、グループの持続的成長を促進していこうと考えております。

2021年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大による先行きの不透明さは残りますが、まずは地域住民の生命、生活、財産の維持に全力を尽くすことが最優先です。その上で、新たに策定した「中期経営計画2021-2023」に基づき、現行ビジネスの回復・成長を進めつつ、これまで播いてきた種を育て、次なる種播きを進め、次世代に向けた新たな収益の柱を創出することにより、今後いかなる状況においても、地域の情報インフラとして存在し続けていくことを目指してまいります。

なお、上記事項を含むセグメント別の売上高および営業利益の詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 (経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う損失に関連してグループ各社が補助金収入を受けたことなどにより、前期比35百万円(7.7%)増4億96百万円となりました。一方で、営業外費用は、前期比27百万円(69.3%)増67百万円となりました。この結果、経常利益は前期比11億41百万円(57.0%)減8億61百万円となりました。

 

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、遊休土地等の固定資産売却益を計上しましたが、前期は多額の固定資産売却益を計上していたため、前期比21億55百万円(77.7%)減の6億17百万円となりました。特別損失は、投資有価証券評価損の計上などがありましたが前期比20百万円(7.3%)減の2億58百万円となりました。

税金費用は、税金等調整前当期純利益の減益により、前期比9億27百万円(62.3%)減5億59百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比18億63百万円(75.1%)減6億19百万円となりました。

 

(b)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの主な資金需要は、テレビやラジオの放送における番組制作や送出に係る費用のほか、多額を要する放送設備の更新と社屋関係へのインフラ投資、持続的な成長を維持するための事業展開に向けた投資が見込まれております。また、株主還元等については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

  当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資ならびに株主還元等に要する資金を調達することが可能と考えております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は167億84百万円となっております。

 

 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積もり及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に係る当連結会計年度の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

 

(a)固定資産の減損

当社グループは、減損の兆候が認められた場合には事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー及び不動産鑑定評価額等から関連する経費を差し引いた正味売却価額を用いて、減損損失の認識の要否を判定しております。今後、経営環境の悪化により将来キャッシュ・フローが減額された場合や保有資産の市場価額が下落した場合には、回収可能価額が低下し損失が発生する可能性があります。

 

(b)投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、また余資運用目的で有価証券および投資有価証券を所有しております。この中には市場価格のある公開会社への投資と、市場価格のない非公開会社への投資が含まれております。今後、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損が計上されることになります。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。

 

(c)繰延税金資産

当社グループは、課税所得の将来見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化により課税所得の見積りが減額となった場合には繰延税金資産を取り崩す必要が生じる可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

  当社は、2020年10月15日開催の取締役会決議に基づき、2021年4月1日付で株式会社ケイマックスの発行済株式の

 80%を取得し子会社化するための株式譲渡契約を締結し、同日付で同社は当社の連結子会社となりました。

なお詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」をご参照下さい。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループで特筆すべき研究開発活動は行っておりません。