第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針および経営環境

当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。

新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、新型コロナウイルス拡大や大規模な災害などの人類を脅かす事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。

当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。新型コロナウイルス拡大や不安定な経済情勢などは、広告市況の悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「メディア事業を中心とした現行ビジネスの回復・成長」と「コンテンツ事業への本格的参入など新たな柱の創出に向けた礎の構築」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。

 

(2)対処すべき課題

当社は、2020年、日本の民間放送では初めてとなる「創立70周年」を迎え、2021年には、CBCラジオが「開局70周年」、CBCテレビが「開局65周年」を迎えました。この70年間、放送メディアは、めざましい進化を遂げながら、人々の生活に欠かせない地域の情報インフラとして、喜怒哀楽の共有をもたらす中心で在り続けました。

そして現在、メディアの多様化に加え、コロナ禍により、環境は激変を続けていますが、「地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という基本方針に変わりはありません。当社グループは、この先、いかなる時代にあっても、地域性や信頼性に基づくコンテンツを制作しつつ、グループ各社の多様性を最大限に発揮して、あらゆるシーンで皆さまのそばにいる存在であり続けたいと考えています。

 

「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」

当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」のキーワードは3つの「R」です。まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていく計画です。

「Reset」というのは、単にコロナ禍以前に戻すという意味ではなく、コロナ禍によって急速に進んだIT化や、一変した人々の生活様式を踏まえ、これまで当たり前と思っていたことを、いま一度見直し、そのうえで立て直しを図ることです。計画初年度となる当連結会計年度は、グループ各社において、この「Reset」を推し進め、利益面でコロナ禍以前の2019年度を上回る数字となるまで回復しました。2022年度からは「Revolution」、そして「Reborn」により、さらなる成長につなげていきます。

〈メディアコンテンツ関連事業〉

当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。

主力のテレビスポット収入は当連結会計年度の売上高が前期比112.1%となり、コロナ禍以前の2019年度の数字に近づくレベルまで回復しました。さらなる成長に向けては、視聴率を上げることでスポットシェアの上昇を目指します。さらに、テレビには報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」があります。この「総合力」を生かして、媒体価値や広告価値の向上に取り組んでいきます。また、ラジオ事業に関しては、地域のリスナーとの近さが、他メディアとの差別化につながる最大の武器であり、財産です。この関係性を生かしつつ、通信も活用しながら、リスナー、スポンサーの期待に応えていきます。

コロナ禍で成長が一気に加速したのが、映像コンテンツ産業です。多様な動画配信サービスが登場し、場所や時間を問わない視聴が当たり前となる中で、視聴者に選ばれるコンテンツを持つことがカギとなります。当社グループは70年間培ってきた制作力を持つメディアとして、コンテンツを軸に、事業領域を拡張していきます。CBCテレビでは、『ゴゴスマ』や『チャント!』などの生情報番組に加え、2022年4月よりゴールデンタイムで『ZOO-1グランプリ』(火曜 19:00~20:00放送)を制作するなど、系列連携に基づくコンテンツ制作も進めています。また、2021年4月にグループ傘下入りした制作会社「ケイマックス」も、他系列の番組制作に加え、CBCテレビ発の全国放送番組『ドーナツトーク』(日曜 23:30~24:00放送)の制作が始まるなど、グループ各社との連携によるコンテンツ制作を進めており、ゆくゆくは、海外も含めた映像マーケットに進出していくことも目指していきます。

そして、加速する技術革新に対応し、美術・デザイン関連事業を統合することにより、グループに新たな価値を付与できる体制を構築することを目的として、新たなグループ会社「CBC Dテック」を設立しました。「Dテック」はグループの放送メディアテクノロジー及びデザイン部門を担うスペシャリスト集団として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」となるための基盤を支える役割を担っていくこととなります。

 

〈不動産関連事業〉

不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらしました。当連結会計年度においては、過去に売却した資産をもとに、税制特例措置を活用しながら、新たな資産への買い替えを行いました。今後は、保有資産の収益率向上により、グループ基盤を支える収益の安定化を目指すとともに、将来に向けた再開発の検討も進めていきます。

 

〈その他〉

その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を生かしたさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究や社内起業提案制度などを活用しながら、戦略的投資を行っていきます。

 

成長を支える基盤の強化
 こうした各事業の成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアルしたCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、コンビニエンスストアや系列局への賃貸など外部利用も行っていきます。また、放送機能の先進化に向けては、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資も必要です。その一方で、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があるため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。

人材面では、コロナ禍を経て「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。

また、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、SDGsの考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。その取り組みの1つとして、カーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を生かしながら、地元企業とともに、木質バイオマス発電の事業化に向けた検討を進めています。

 

 

「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して 
 周年のテーマとして掲げた「未来にワクワクを」という思いは、これから先も変わりません。コロナ禍を経て、新しい環境にあっても、当社グループが地域に貢献し、信頼される存在であり続けるために、SDGsの考え方をもとに、様々な価値の創造、情報発信を進め、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 景況等の影響について

  当社グループの売上の多くは、広告収入に依存しています。特に、大きなウエイトを占めているテレビスポット収入は、国内景気の全体の動きに加え、広告主である各企業の業績や広告出稿に対する動向などとの連動性が強くなっています。このため、景況や広告主の動向によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 当社グループでは、放送事業の広告収入を柱としながらも、不動産関連セグメント他の事業により収益基盤を強化しており、リスクの最小化に努めております。

 

(2) 視聴率、聴取率による影響

  視聴率および聴取率は、スポンサーにとって、CMが、視聴者および聴取者に、いかに到達しているかを示す指標となっています。このため、視聴率や聴取率の変動は、メディアコンテンツ関連部門の売上高に影響を与えることとなります。

テレビにおける視聴率のうち、ゴールデンタイム、プライムタイムと呼ばれる時間帯の多くは、キー局である㈱TBSテレビが制作、編成していますが、こうした番組の視聴率動向によっても、売上高が大きく変動する可能性があります。

当社グループのCBCテレビでは、キー局制作の番組を番組宣伝などにより多くの視聴者に見ていただけるよう努める一方、自社による編成時間帯では、自社制作番組の強化などにより、高い視聴率を獲得できるよう取り組んでおります。

 

(3) 他メディアとの競合について

テレビメディアはその到達率に関して他の追随を許さず、広告メディアとしての優位性を保っていますが、技術の飛躍的な進歩によるメディア、情報デバイスの多様化は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」を生かして、70年間で培ってきた制作力に基づくコンテンツを生み出し、最大のリーチメディアである地上波放送や通信を活用した多様なメディア戦略によって、その価値を最大化し、グループの業容拡大と収益性の最大化を目指してまいります。

 

(4) 大規模災害の発生時や新型コロナウイルス感染症拡大などによる緊急時対応について

  当社の本社がある名古屋市をはじめ、放送サービスエリア内の広い範囲が、東海地震に係る地震防災対策強化地域および東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されています。当社グループでは、本社建物や電波を送り出す瀬戸のデジタルタワーを始めとした放送関連施設について、最大限の地震対策を施しております。

また、当社グループのメディアコンテンツ関連部門は報道機関であることから、大地震をはじめとする大規模な災害や今般の新型コロナウイルス感染症拡大などの緊急時や非常事態においても、放送を続けるばかりでなく、平時以上の情報を提供し続けるという使命を負っております。

当社グループでは、財務基盤を常に強化し続けることで、広告収入が一定期間大幅に減少したり、全く無くなったりした場合でも放送事業を継続できるよう備えております。また、こうした有事の際の放送事業継続にあたっては、BCPに則り、対応マニュアル発動、テレワーク等勤務体制の変更、番組収録体制の工夫等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進してまいります。

 

 

(5) 有価証券等の保有について

  当社グループが保有する有価証券は、政策保有目的の株式など当社の企業価値向上を目的として中長期的に保有しているものですが、これらについては大幅な株式市況の下落や投資先の実質価額の著しい下落があった場合には、多額の評価損が計上され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

  当社は、放送法が定める認定放送持株会社として放送法ならびに関係の法令に規制されております。また、当社グループの主たる事業である放送事業は、電波法や放送法等の法令に規制されております。当社は1951年8月に放送法に基づく放送免許を取得して以来、同法による免許の有効期間である5年ごとに更新を続け、その後、2013年4月にラジオ放送免許を株式会社CBCラジオに、2014年4月にテレビ放送免許を株式会社CBCテレビに、それぞれ承継し、当社は2014年4月に認定放送持株会社化して現在に至っております。

 いずれの会社も、将来において、電波法、放送法等の法令による規制に重大な変更があった場合や、それらの法令に抵触する決定を受けた場合には、当社グループの事業活動や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

経常利益
(百万円)

親会社株主に帰属する
当期純利益
(百万円)

2021年3月

28,157

433

861

619

2022年3月

32,757

1,814

2,204

1,313

増減率(%)

16.3

318.9

156.0

112.1

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況の中、一部には持ち直しの動きもみられましたが、感染症の再拡大に加え、原油価格や原材料価格の上昇、ウクライナ情勢の影響もあり、不安定な状況となりました。

一方、当社グループの業績に影響を与える広告市況につきましては、当期間を通じて回復基調で推移しました。

このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、327億57百万円(前期比16.3%増)となりました。利益面では、営業利益は18億14百万円(前期比318.9%増)、経常利益は22億4百万円(前期比156.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億13百万円(前期比112.1%増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

メディアコンテンツ関連

不動産関連

その他

売上高
(百万円)

営業利益又は
営業損失(△)
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益
(百万円)

売上高
(百万円)

営業利益又は
営業損失(△)
(百万円)

2021年3月

25,248

△544

1,734

1,059

1,174

△82

2022年3月

30,053

888

1,714

871

989

53

増減率(%)

19.0

△1.2

△17.8

△15.7

 

(注)売上高については、セグメント間の取引を相殺消去しております。

 

〈メディアコンテンツ関連〉

当連結会計年度より、従来「放送関連」としておりました報告セグメントの名称を「メディアコンテンツ関連」に変更しております。

当セグメントは、当社、㈱CBCテレビ、㈱CBCラジオ、㈱CBCクリエイション、㈱CBCコミュニケーションズ、㈱ケイマックスならびにCBC共同技術美術設立準備㈱(現 ㈱CBC Dテック)で構成されます。

当期を初年度とする「中期経営計画2021-2023」では、メディアコンテンツ関連セグメントの目標として、放送広告収入の面でコロナ禍からの早期回復やシェア拡大と、映像コンテンツ事業への本格的参入の体制整備を掲げました。

当期における「メディアコンテンツ関連」の売上高は、コロナ禍からの経済回復を背景に広告収入が持ち直したことから、大きく回復いたしました。

テレビ事業のタイム収入は、2年ぶりに開催した男子ゴルフトーナメント『中日クラウンズ』のセールスなどを要因に増加しました。また、スポット収入は、20業種中15業種において出稿が増加するなど、前期に比べて大幅に回復しました。

テレビ番組においては、成長戦略の柱として位置付けている平日午後帯に引き続き注力しました。全国24局39都道府県まで放送エリアを拡大している情報生ワイド番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(月~金曜 13:55~15:49放送)は、収益に貢献しており、また報道情報番組『チャント!』(月~金曜 15:49~19:00放送)においては、視聴者目線にこだわった番組作りを進めた結果、視聴シェアを伸ばすなど、地域における存在感を強めています。

なお当期の年間視聴率は、全日帯(6:00~24:00)が5.7%、ゴールデンタイム(19:00~22:00)が8.4%、プライムタイム(19:00~23:00)が8.3%となりました。

また、開局70周年を迎えたラジオ事業においては、特別番組セールス等を積み上げ、売上の増加に寄与しました。恒例の『CBCラジオ夏まつり』(7月)や、『CBCラジオ秋まつり』(11月)はコロナ禍を考慮して、放送とネット配信を組み合わせて実施、収益の向上につなげました。

ラジオ番組では、『つボイノリオの聞けば聞くほど』(月~金曜 9:00~11:55放送)が、中京圏個人聴取率調査において、全番組ランキングで1位(6月・12月調査)を獲得し、『北野誠のズバリ』(月~金曜 13:00~16:00放送)も、同時間帯で1位(6月調査)になるなど、好調を持続しました。

当社グループが「中期経営計画2021-2023」で掲げているもうひとつの目標である、映像コンテンツ事業への本格的参入の体制整備の面では、放送に加え、配信分野にも強みを持つ東京の映像コンテンツ制作会社㈱ケイマックスをグループに迎え、大きな一歩を踏み出しました。

YouTubeにおいても、テレビで培った制作力を生かして積極的にコンテンツを展開し、登録者数が10万人に到達するチャンネルを複数生み出すなど、新しい道を開発し、収益向上に貢献しています。

イベント部門では、コロナ禍での感染防止対策を徹底した運営を行いました。なかでも、ミュージカル『17 AGAIN』(7月)や『ゴッホ展~響きあう魂 ヘレーネとフィンセント~』(2022年2月~4月)が、多くの来場者を集めました。

 

このような事業活動等を展開した結果、「メディアコンテンツ関連」の売上高は300億53百万円(前期比19.0%増)、営業利益は8億88百万円(前期は5億44百万円の営業損失)となりました。

 

〈不動産関連〉

当セグメントは、当社と㈱千代田会館ならびに㈱CBCビップスで構成されます。

「不動産関連」は、当社保有の不動産における賃貸収入(金融商品会計上の賃貸収入)が減少したことなどから、売上高は17億14百万円(前期比1.2%減)となりました。

利益面では、環境対策などの一時的な費用の増加などにより、営業利益は8億71百万円(前期比17.8%減)となりました。

 

〈その他〉

ゴルフ場事業を営む㈱南山カントリークラブ、保険代理業などを営む㈱CBCビップスならびにタクシー業を営む文化交通㈱で構成される「その他」は、「収益認識に関する会計基準」等を適用した影響により、売上高は9億89百万円(前期比15.7%減)となりましたが、ゴルフ場事業における来場者数が新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった前期に比べて増加したことなどにより、営業利益は53百万円(前期は82百万円の営業損失)となりました。

 

 

 

② 財政状態の状況

  (a)資産の部

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて23億68百万円増加し、762億97百万円となりました。

主な増加要因として、設備投資やのれんの計上などにより有形及び無形固定資産が69億16百万円増加しております。また、主な減少要因として、固定資産の購入や企業結合に伴う支払、配当金の支払などにより現金及び預金が33億11百万円、流動資産の「その他」が11億38百万円、保有株式の時価下落などにより投資有価証券が4億43百万円、それぞれ減少しております。

 

  (b)負債の部

当連結会計年度末における負債は12億97百万円増加し、163億61百万円となりました。

これは、退職給付に係る負債が4億72百万円減少した一方で、未払費用が8億74百万円、未払法人税等が7億40百万円、契約負債が4億円それぞれ増加したことなどによるものです。

 

    (c)純資産の部

当連結会計年度末における純資産は10億70百万円増加し、599億35百万円となりました。

これは、保有株式の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が2億84百万円減少した一方で、退職給付に係る調整累計額が7億40百万円、利益剰余金が5億28百万円それぞれ増加したことによるものです。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 

2021年3月

2022年3月

増減額

(百万円)

(百万円)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,347

4,510

2,162

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,368

△8,405

△7,036

財務活動によるキャッシュ・フロー

△955

△516

438

現金及び現金同等物の増減額

23

△4,411

△4,435

現金及び現金同等物の期首残高

16,760

16,784

23

現金及び現金同等物の期末残高

16,784

12,373

△4,411

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて44億11百万円減少し、123億73百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は45億10百万円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上21億92百万円、減価償却費の計上14億31百万円、退職給付に係る負債の増加額6億56百万円およびその他の負債の増加額6億39百万円です。また主な減少要因は、法人税等の支払額5億3百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は84億5百万円となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出75億4百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に伴う支出12億57百万円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は5億16百万円となりました。これは、配当金の支払額3億97百万円などによるものです。

 

 ④ 販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

メディアコンテンツ関連

30,053

19.0

不動産関連

1,714

△1.2

報告セグメント計

31,768

17.7

その他

989

△15.7

合計

32,757

16.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

6,759

24.0

7,868

24.0

㈱博報堂DY
メディアパートナーズ

5,043

17.9

5,376

16.4

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(a)当連結会計年度の経営成績の分析

 (売上高および営業利益)

当社グループは当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」を策定いたしました。策定にあたり、当計画期間を、「100年企業」グループに向けて、まずはコロナ禍を乗り越え、10年先にあたる2030年における各社の姿を見据えて、既存の事業を「回復させ、成長させる」一方、これまで播いてきた「将来の種を育て」「新たな種播きを進める」3年間と位置付け、取り組んでまいりました。

計画初年度となる当連結会計年度は、3期ぶりの増収、連結営業利益も5期ぶりの増益となりました。当社グループの中核をなすメディアコンテンツ関連セグメントを中心に、各事業がコロナ禍前のレベルに近づくまで回復してきております。主力の放送事業においては、多メディア化が進む中、テレビ・ラジオの広告費全体としてはさらなる大きな成長は見込み辛くなってきておりますが、放送コンテンツを一層強化することによって、視聴率や聴取率を伸ばし、シェア拡大による成長を目指します。その一方で、長年培ってきたコンテンツ制作力を最大限に生かして、市場成長性、収益性ともに上昇傾向にある映像コンテンツ産業にも注力し、新たな種播きを進めながら、事業の拡張にも取り組みます。メディアコンテンツグループとして、現業ビジネスの価値最大化とコンテンツのデジタル展開を両輪に、中長期的な収益を確保していくことを目指してまいります。

そして、グループの成長を支える体制と基盤も常に強化し続けていく必要があります。コロナ禍においても不動産関連セグメントは安定的な収益をもたらしました。今後も、保有資産の収益率向上により、主力のメディアコンテンツ関連事業を支え、グループの持続的成長を促進していこうと考えております。

2022年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症の再拡大や不安定な海外情勢などによる先行きの不透明さは残りますが、まずは地域住民の生命、生活、財産の維持に全力を尽くすことが最優先です。その上で、「中期経営計画2021-2023」に基づき、現行ビジネスを回復から成長につなげる一方、次世代に向けた新たな収益の柱を創出することにより、今後いかなる状況においても、地域の情報インフラとして存在し続けていくことを目指してまいります。

なお、上記事項を含むセグメント別の売上高および営業利益の詳細については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 (経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の減少などにより、前期比48百万円(9.7%)減4億48百万円となりました。一方で、営業外費用は、前期比10百万円(15.8%)減57百万円となりました。この結果、経常利益は前期比13億43百万円(156.0%)増22億4百万円となりました。

 

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は、前期は遊休土地等の固定資産売却益を計上しましたが、当期はありませんでした。特別損失は、当期は固定資産除却損の計上などがありましたが、前期比2億46百万円(95.2%)減の12百万円となりました。

税金費用は、税金等調整前当期純利益の増益により、前期比3億9百万円(55.2%)増8億69百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6億94百万円(112.1%)増13億13百万円となりました。

 

(b)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況の分析

 「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  資本の財源及び資金の流動性

  当社グループの主な資金需要は、テレビやラジオの放送における番組制作や送出に係る費用のほか、多額を要する放送設備の更新と社屋関係へのインフラ投資、持続的な成長を維持するための事業展開に向けた投資が見込まれております。また、株主還元等については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。

  当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資ならびに株主還元等に要する資金を調達することが可能と考えております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は123億73百万円となっております。

 

 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、経営者による見積りを要する主な会計方針およびその見積り要素は下記のとおりです。

なお、この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(a)固定資産の減損

当社グループは、減損の兆候が認められた場合には事業計画に基づく将来キャッシュ・フロー及び不動産鑑定評価額等から関連する経費を差し引いた正味売却価額を用いて、減損損失の認識の要否を判定しております。今後、経営環境の悪化により将来キャッシュ・フローが減額された場合や保有資産の市場価額が下落した場合には、回収可能価額が低下し損失が発生する可能性があります。

 

(b)投資の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、また余資運用目的で有価証券および投資有価証券を所有しております。この中には市場価格のある公開会社への投資と、市場価格のない非公開会社への投資が含まれております。今後、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損が計上されることになります。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。

 

(c)繰延税金資産

当社グループは、課税所得の将来見積額や一時差異等のスケジューリングの結果に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化により課税所得の見積りが減額となった場合には繰延税金資産を取り崩す必要が生じる可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度において、当社グループで特筆すべき研究開発活動は行っておりません。