第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融政策の継続により、期半ばまでは緩やかな回復基調を見せました。しかしながら、消費税増税後の個人消費低迷の長期化に加え、中国経済の減速に端を発する株安、米国経済の不透明感による円高など、世界経済に逆風が吹きつけ、わが国の景況感を悪化させました。

 このような状況のなかで、それぞれ異なる分野で事業活動を展開する当社グループは、各事業部門において積極的な営業活動とサービスの提供に努めました。当連結会計年度における売上高は210億5千7百万円(前期比104.0%)となりました。また、徹底したコストの削減を図り収益の確保に全力を傾けた結果、利益面におきましては、営業利益は10億5千3百万円(前期比110.4%)、経常利益は11億2百万円(前期比108.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千1百万円(前期比127.0%)となりました。

 

セグメント別の業績は以下のとおりであります。

○放送事業

 放送事業におきまして、ラジオ部門では、タイム収入と制作収入はネット番組のレギュラー落ちや公開録音番組の減少で前期実績を下回り、スポット収入もワイドFM(FM補完放送)の開局を機に新規スポンサーの獲得に努めましたが、レギュラースポットの落込みをカバーするまでには至らず、前期比7.0%減の7億6千5百万円となりました。

 テレビ部門におきましては、ハワイ真珠湾で打ち上げられた長岡花火を取材した特別番組など、単発番組の制作に積極的に取り組んだことでタイム収入、制作収入は前期を大きく上回りました。収益の柱であるスポット収入は、期後半にかけ盛り返しましたが、全体としては、前期比0.1%減の52億3千3百万円となりました。

 その他の部門においては、番組やCMを県外の放送局に積極的にネットセールスすることで増収に繋げたほか、当社の制作力を活かし、佐渡をはじめとする地域活性化に資する記録映像などの受注を増やすなど、多角的な営業展開を図りました。また、当期もプロ野球公式戦開催などの大型イベントに取り組み、前期比28.6%増の8億7千1百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は68億7千万円(前期比2.0%増)となり、営業利益では5億8百万円(前期比3.8%減)となりました。

○情報処理サービス事業

 情報処理サービス事業におきましては、中国経済減速等の影響により民需系で見込んでいた大型案件の受注先送りがありましたが、公共系でマイナンバー対応や県内外の基幹系システムの受注、医療機関向け電子カルテパッケージソフトの販売、学校業務関連機器や公共機関向け機器の導入等を行い、売上を伸ばすことが出来ました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は132億8千1百万円(前期比4.5%増)となり、営業利益では4億5千4百万円(前期比20.9%増)となりました。

○建物サービスその他事業

 建物サービスその他事業におきましては、所有不動産の売却により賃貸料など不動産収入が前期に比べ減少しました。反面、施設管理部門では、オフィスビルなどで大型の設備更新工事を受注したことに加え、ビル管理のみから、オーナーに代わって不動産経営も担うプロパティマネージメント業務も新たに手掛けました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は15億3千4百万円(前期比9.9%増)となり、営業利益では9千1百万円(前期比84.4%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ10億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には、43億6千8百万円となりました。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得た資金は21億4百万円となりました。主な要因といたしましては退職給付に係る負債の減少1億7千8百万円、その他の負債の減少1億2千9百万円、法人税等の支払額1億3千7百万円などによるキャッシュ・アウトはありましたが、税金等調整前当期純利益11億2千2百万円、減価償却費12億3千1百万円、売上債権の減少1億9千4百万円などのキャッシュ・インによるものであります。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は1億7千万円となりました。

 これは、主に無形固定資産の売却による2億3百万円、投資有価証券の売却による1億2百万円などのキャッシュ・インはありましたが、有形固定資産の取得による2億4千7百万円、無形固定資産の取得による8千万円、投資有価証券の取得による1億7千8百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は9億1千7百万円となりました。

 これは、主に長期借入金の借入によるキャッシュ・イン3千万円に対し、短期借入金の減少による7千5百万円、長期借入金の返済による2億5千3百万円、リース債務の返済による5億6千3百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは情報処理サービス事業など若干の例外を除いて、放送事業、建物サービスその事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載しておりません。

 このため、生産、受注及び販売の状況は「1 業績等の概要」における各セグメントの業績にその概要を示しております。

 

3【対処すべき課題】

 わが国経済は、政府の経済政策や日銀による金融政策の継続により、期半ばまでは緩やかな回復基調を見せました。しかし、消費税増税後の個人消費低迷の長期化に加え、中国経済の減速に端を発する株安、米国経済の不透明感により円高、さらに原油を始めとする資源安による新興国経済の低迷など、世界経済には逆風が吹きつけ、わが国の景況感を悪化させています。

 このような状況のなかで、当社グループでは、下記の5点を重要課題として取り組んでまいります。

(1)ラジオの強化

 当社は、ラジオの売上増と制作力の向上を図るため、昨年4月からこれまで営業局内にあったラジオセンターを「ラジオ本部」として独立させ体質改善を図ってきました。これからもラジオ本部内の「営業企画部」と「制作部」をさらに有機的に機能させ、若者をターゲットにした新しい番組の開発や、新潟県内はもとより、「radiko.jp.プレミアム」等で聴取している全国のリスナーに新潟の情報を発信してまいります。

 また、ラジオの強靭化という国の施策にも対応し、昨年11月1日にFM補完放送を開始いたしました。FM補完放送は新潟県内にある世帯の80パーセントをカバーし、災害発生時には重要なライフラインのひとつとして機能します。さらに、FM波という音質の向上に合わせて、音楽系の番組を充実させるなど、今後もその特性を生かした自社制作番組のクオリティを高めてまいります。

 

(2)視聴率向上

 当社はこれまでにも「迅速・正確な報道」「地域社会・地域の教育・文化への貢献」に主眼を置き、報道・情報・教養番組等を制作し発信してきました。今期は当社がトキをテーマに制作した番組が優れた科学番組に贈られる「高柳賞」の優秀賞を受賞したのをはじめ、JNNネットワーク協議会賞では大賞と奨励賞を獲得、民間放送教育協会の番組として放送した作品が文部科学大臣賞を受賞するなど、当社の持つ制作能力が高く評価されました。今後も全国ネット番組の企画制作・セールスや、海外にも展開できる強力なコンテンツをさらに充実、発展させ良質な番組制作を追求してまいります。こうした取り組みがスポット収入の増収に直結する番組視聴率のアップに繋がるものと考えております。

 

(3)収益源の多角的拡大

 放送局を取り巻く環境は、新しいメディアの進出により急激なスピードで変化しております。スマートフォン、タブレット端末等の普及により多メディア化、多チャンネル化が進み、当社の主たる事業である放送事業においてラジオ、テレビの広告収入をいかに拡大、回復させるかが喫緊の課題といえます。放送以外の収入におきましても従来の大型スポーツイベント等に加え、番組やCMの配信ビジネスや、海外向けの番組販売等、映像コンテンツの二次利用、三次利用、デジタル放送による新しいサービスの研究開発等に積極的に取組む所存であります。

 

(4)BSNブランド力の強化

 昭和27年にラジオ局としてスタートした当社は、来年創立65周年を迎えます。放送を通じて公共の福祉、文化の向上、産業と経済の発展に寄与するという経営理念は創業当時から揺らぐことなく不変であります。今後も「地域に最も愛され必要とされる放送局」であり続けるために、聴取者・視聴者に寄り添いながら、その目線に立って地域社会のために尽力してまいりました。これからも放送局の存在意義を十分に活かしながら、地域の期待に応えるとともに、BSNブランドをより一層高めてまいりたいと存じます。

 

(5)情報処理サービス事業の展開

 情報処理サービス事業におきましては、自治体等が使用するシステムを国が提供するなどの動きや、民間企業においても基幹システムへのパッケージやクラウドサービス導入などの動きが進む一方で、ITを利活用したサービス向上や競争力強化への投資や、センサー、ビッグデータやドローン等のデジタル技術を活用した新たなビジネスの創出への投資に重点が移りつつあります。顧客の情報部門だけではなく、トップや現場部門のニーズを確実に捉え、クラウド、モバイルに加えて、こうした幅広い分野への提案を行い、顧客と共に新しいビジネスを創造してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると認識しているものには次のような事項があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 広告手法の構造的変化が業績に及ぼす影響

 当社グループの中核をなす放送事業における収入は国内景気と強く連動しており、特にラジオ・テレビのスポット広告は広告主企業の業績に大きな影響を受けるものであります。

 デフレ経済が長引く中で、スポット広告の出稿削減傾向が続いておりますが、今後、景気の回復に関わらず、広告主企業のマーケティング等の広告手法における構造的な変化がその度合いを強める場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 他メディアとの競合による影響

 デジタル技術の進展により、BSデジタル放送、CSデジタル放送及びケーブルテレビなどのテレビメディアに加え、インターネット広告が伸長するなど、広告媒体の競争はさらに厳しさを増しております。これらメディアとの競合がさらに激化した場合、その動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 放送事業者に対する法的規制の影響

 放送事業は、「電波法」「放送法」等の法令による規制を受けており、当社はこれらを遵守し将来にわたり放送事業を継続してまいりますが、現在進行している放送と通信の在り方等についての法令の改正において規制等に重大な変更があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ネットワーク価値の毀損による影響

 当社は株式会社TBSテレビをキー局とするJNNネットワークの加盟社であり、このネットワークは、ニュース取材、番組、営業面での協力関係など、ローカル放送局としての当社の企業価値を維持するために不可欠の存在であります。このため、株式会社TBSテレビまたは同社を傘下とする株式会社東京放送ホールディングスの業務形態に変化が生じ、ネットワーク価値が毀損された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報処理サービス事業に係わる影響

 当社グループの売り上げに大きな割合を占める情報処理サービス事業においては、システムの安全性や信頼性、情報漏洩対策など社会的責任が重くなる一方、ユーザーからの厳しいコスト削減要請が高まりつつあります。

 今後、これらの懸念要素への対応が十分な効果を上げられず、事業が計画どおり進捗しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は210億5千7百万円(前年同期比4.0%増)となりました。売上高増加の主な要因としては、放送事業において大型イベントを実施したこと及び、情報処理サービス事業においてマイナンバー制度対応や基幹系システムの受注等があったことなどによります。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、売上高の増加により前年同期比10.4%増の10億5千3百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は11億2百万円となり、前連結会計年度に比べ8千8百万円(前年同期比8.7%増)の増益となりました。営業外収益の主なものは受取配当金4千3百万円と賃貸料収入1千1百万円で、営業外費用では支払利息2千5百万円であります。

(特別損益)

 当連結会計年度において、特別利益は事業構造改善引当金戻入益4千9百万円、国庫補助金2千6百万円など7千9百万円の計上となりました。特別損失では特別修繕費5千4百万円など5千8百万円を計上いたしました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は11億2千2百万円(前年同期比20.3%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は3億4千3百万円(前年同期比6.8%増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億8千1百万円(前年同期比27.0%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

(イ)資産

(流動資産)

 前連結会計年度末に比べて、10億2千4百万円増加の105億3千9百万円となりました。

 これは、受取手形及び売掛金で1億9千4百万円減少したものの、現金及び預金で10億3千1百万円、有価証券で1億2千5百万円増加したことが主な要因であります。

(固定資産)

 前連結会計年度末に比べて、5億4千3百万円減少の117億6百万円となりました。これは、有形固定資産で1億2千4百万円、無形固定資産で4億3千9百万円減少したことなどによります。

 この結果、総資産は、222億4千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて4億8千万円増加しております。

 

(ロ)負債

(流動負債)

 前連結会計年度末に比べて、1千8百万円減少の48億3千万円となりました。これは、未払金で9千1百万円、未払法人税等で1億1千4百万円増加したものの、短期借入金で1億4百万円、未払消費税等で1億7千8百万円減少したことなどによります。

(固定負債)

 前連結会計年度末に比べて、3億4百万円減少の18億4千1百万円となりました。これは、長期借入金で1億9千4百万円、事業構造改善引当金で8千5百万円減少したことなどによります。

 この結果、負債合計は、66億7千1百万円となり、前連結会計年度末に比べて3億2千3百万円の減少となりました。

 

(ハ)純資産

(株主資本)

 当連結会計年度末残高は、137億2千5百万円となりました。これは、利益剰余金が6億3千6百万円増加したことによります。

(その他の包括利益累計額)

 当連結会計年度末残高は、2億9千2百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金3億7千万円、退職給付に係る調整累計額△7千7百万円によります。

(非支配株主持分)

 当連結会計年度末の残高は、15億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べて8千7百万円増加しております。この結果、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて8億3百万円増加の155億7千4百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ10億1千6百万円増加し、当連結会計年度末には、43億6千8百万円となりました。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得た資金は21億4百万円となりました。主な要因といたしましては退職給付に係る負債の減少1億7千8百万円、その他の負債の減少1億2千9百万円、法人税等の支払額1億3千7百万円などによるキャッシュ・アウトはありましたが、税金等調整前当期純利益11億2千2百万円、減価償却費12億3千1百万円、売上債権の減少1億9千4百万円などのキャッシュ・インによるものであります。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は1億7千万円となりました。

 これは、主に無形固定資産の売却による2億3百万円、投資有価証券の売却による1億2百万円などのキャッシュ・インはありましたが、有形固定資産の取得による2億4千7百万円、無形固定資産の取得による8千万円、投資有価証券の取得による1億7千8百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は9億1千7百万円となりました。

 これは、主に長期借入金の借入によるキャッシュ・イン3千万円に対し、短期借入金の減少による7千5百万円、長期借入金の返済による2億5千3百万円、リース債務の返済による5億6千3百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標

 

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

61.1

63.0

時価ベースの自己資本比率(%)

17.4

16.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

0.7

0.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

61.3

84.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。