文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業活動を通じて公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に寄与することを基本理念としております。この理念のもとに、社会的な責任を果たすことにより、企業価値の向上を図り、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めることを経営の基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループの活動の中心である放送業界をめぐる状況は、通信技術の急速な進歩により大きく変化しております。特に、インターネットの普及拡大は放送と通信の垣根を取り払い、テレビ放送の同時配信が間近に迫っております。広告媒体として、ラジオ・テレビ放送を収益源としてきた当社グループにとっても変革を迫られております。
このような経営環境になか、当社グループでは、下記の6点を経営戦略の重要課題として取り組んでまいります。
① 放送・映像技術の高度化への対応
今年中に衛星放送で、新4K・8Kの高画質放送が始まります。来るべき時代に向け、当社も、4Kカメラを導入し、本格的な放送への導入に対応できるようノウハウの蓄積に努めております。また、VR(ヴァーチャルリアリティ)への対応として、撮影・編集ができるシステムを導入し、普及を図るとともにビジネスへの利用を模索しているほか、俯瞰映像として利用が欠かせないドローンを導入するなど、映像の高度化に対応してまいります。
② ラジオの強化
当社は、ラジオ業界全体の景況が改善しない中で、「営業力の強化」を目指し、営業局にラジオ営業部を設け、ラジオ独自の企画提案を図ってまいりました。また、ワイドFM(FM補完)中継局を整備し、新潟県内にある世帯の80パーセントをカバーし、災害発生時には重要なライフラインのひとつとして機能しております。さらに、FM波という音質の向上に合わせて、音楽系の番組を充実させるなど、今後もその特性を生かした自社制作番組のクオリティを高めてまいります。
スマートフォンの普及によりラジオの聴き方が一層多様化する中、「radiko.jp」「ラジオクラウド」などのアプリの利用により全国でBSNラジオを楽しめるようになりました。県外から寄せられるメッセージや問い合わせが増えている現状も踏まえ、今後も媒体価値を高めるために番組内容の充実や向上、聴取機会の拡大に努めラジオ新時代を作って行く所存であります。
③ 視聴率向上
当社はこれまでにも「迅速・正確な報道」「地域社会・地域の教育・文化への貢献」に主眼を置き、報道・情報・教養番組等を制作し発信してきました。7年目を迎えた自社制作のゴールデンタイムレギュラー番組「BSN水曜見ナイト」では、新潟出身のタレントなども起用し、より楽しい番組作りに努め、安定した視聴率で、県民の支持を得ることができました。同じくレギュラー番組として昨年4月から、土曜12時から2時間生放送「土曜ランチTVなじラテ。」をスタートさせ、より多くの新潟の話題を県民の皆様にお届けする機会を増やし、ローカル局としての情報発信に努めました。
また、今年度からは、CBCテレビから午後の情報ワイド番組「ゴゴスマ」を編成しており、新潟の情報などを関東地区などに発信するチャンスが増える事になります。今後も、キー局であるTBSテレビやCBCテレビとの連携を深め、新潟の話題と魅力などを東京・全国に情報発信するよう努めてまいります。こうした取り組みがスポット収入の増収に直結する番組視聴率のアップに繋がるものと考えております。
④ 収益源の多角的拡大
放送局を取り巻く環境は、新しいメディアの進出により急激なスピードで変化しております。スマートフォン、タブレット端末等の普及により多メディア化、多チャンネル化が進み、当社の主たる事業である放送事業においてラジオ、テレビが広告媒体としてこれまでのような優越的地位を保ち続けることが、困難になってきました。こうした変化に対応するため、今年4月からは、自由に動ける改革のエンジンとなるように「経営戦略室」を立ち上げ、新たな収入となる新規事業の開拓に取り組んでまいります。
⑤ BSNブランド力の強化
昨年、創立65周年特別番組として「ドナルド・キーン95歳 心の旅」を企画し、日本文化研究者で、文化勲章受章者のキーン氏並びに柏崎市ゆかりの古浄瑠璃のロンドン公演に密着、知の巨人ともいえるキーン氏の原点ともいえるケンブリッジ時代の邂逅の旅にも同行し、11月に2時間のドキュメンタリー番組を県内ゴールデンタイム並びにBS-TBSで全国放送し、好評を得ました。また、昨年4月の燕市を皮切りに、県内の特定の市町村を毎月ピックアップして、地場産業や特産品、観光名所など多彩な話題を1週間に渡って紹介する企画「ニイガタぞっこんウィーク」をスタートさせ、新潟の放送局として、地元の魅力の再発見にも力を入れております。放送を通じて公共の福祉、文化の向上、産業と経済の発展に寄与するという経営理念は創業当時から揺らぐことなく不変であります。今後も「地域に必要とされる放送局」であり続けるために、聴取者・視聴者の視点に立って地域社会のために尽力してまいります。これからも放送局の存在意義を十分に活かしながら、地域の期待に応えるとともに、BSNブランドをより一層高めてまいりたいと存じます。
⑥ 情報処理サービス事業の展開
情報処理サービス事業におきましては、従来行ってきた顧客に合わせた個別システム開発や、制度変更のたびのソフトウェア保守サポートといったサービス形態は減少の一途をたどり、システムの共通化・標準化によるパッケージソフトやSaaS導入への切替えが加速するとともに、AI、IoTやビッグデータを活用した新たなサービス提供が求められています。また、公共、民間を問わず、新しい動きを取り入れたサービスによる差別化、利便性向上、競争力強化へと顧客の関心が向いています。こうしたなかで、顧客と地域社会から愛され、信頼される技術集団として、豊かな未来創りに貢献してまいります。
また、これまで3Kと揶揄されることの多かったIT業界も、「働き方改革」の方針に沿った従業員に対する心身両面でのサポートを考慮した健康経営が求められております。変化を好機ととらえ、自らを変え、新たに挑戦し、経営課題である高収益成長と利益率の向上を図ってまいります。
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社グループは、目標とする経営指標として売上高営業利益率を重要な指標として認識し、今後も事業の効率化を進め目標の達成に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると認識しているものには次のような事項があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 広告手法の構造的変化が業績に及ぼす影響
当社グループの中核をなす放送事業における収入は国内景気と強く連動しており、特にラジオ・テレビのスポット広告は広告主企業の業績に大きな影響を受けるものであります。
デフレ経済が長引く中で、スポット広告の出稿削減傾向が続いておりますが、今後、景気の回復に関わらず、広告主企業のマーケティング等の広告手法における構造的な変化がその度合いを強める場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 他メディアとの競合による影響
デジタル技術の進展により、BSデジタル放送、CSデジタル放送及びケーブルテレビなどのテレビメディアに加え、インターネット広告が伸長するなど、広告媒体の競争はさらに厳しさを増しております。これらメディアとの競合がさらに激化した場合、その動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 放送事業者に対する法的規制の影響
放送事業は、「電波法」「放送法」等の法令による規制を受けており、当社はこれらを遵守し将来にわたり放送事業を継続してまいりますが、現在進行している放送と通信の在り方等についての法令の改正において規制等に重大な変更があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ネットワーク価値の毀損による影響
当社は株式会社TBSテレビをキー局とするJNNネットワークの加盟社であり、このネットワークは、ニュース取材、番組、営業面での協力関係など、ローカル放送局としての当社の企業価値を維持するために不可欠の存在であります。このため、株式会社TBSテレビまたは同社を傘下とする株式会社東京放送ホールディングスの業務形態に変化が生じ、ネットワーク価値が毀損された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報処理サービス事業に係わる影響
当社グループの売り上げにおいて大きな割合を占める情報処理サービス事業においては、システムの安全性や信頼性、情報漏洩対策など社会的責任が一層重くなる一方、ユーザーからの厳しいコスト削減要請が高まりつつあります。
今後、これらの懸念要素に対し、確実な体制整備を伴う新規事業が計画どおり進捗しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が堅調に推移し、雇用情勢の改善が続くなど国内景気は緩やかな回復が持続しました。その一方で、国際情勢の不安定化や、米国株式市場の下落に端を発した円高の進行などが企業業績を悪化させるなど、先行きの不透明感は払拭されないままとなっています。
このような状況のなかで、それぞれ異なる分野で事業活動を展開する当社グループは、各事業部門において積極的な営業活動とサービスの提供に努めました。当連結会計年度における売上高は206億2千9百万円(前期比93.7%)となりました。
また、徹底したコストの削減を図り収益の確保に全力を傾けましたが、利益面におきましては、営業利益は8億円(前期比72.5%)、経常利益は8億7千万円(前期比74.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億2千6百万円(前期比73.7%)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
○放送事業
放送事業におきまして、ラジオ部門では新たな番組開発、創立65周年の記念番組を制作し、タイム収入、制作収入が前期を上回り、前期比1.3%増の7億5千4百万円となりました。
テレビ部門におきましては、土曜日に自社制作の「土曜ランチTV なじラテ。」をレギュラー番組として編成するなどしましたが、スポット広告市況の落ち込みにより、前期比4.8%減の50億6千8百万円となりました。
その他の部門においては、「大トリックアート展」や創立65周年を記念した各種イベントを実施しました。また、海外への番組販売などコンテンツ事業に積極的に取り組み、前期比1.5%増の9億2千7百万円となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は67億5千1百万円(前期比3.4%減)となり、営業利益では2億2千6百万円(前期比57.3%減)となりました。
○情報処理サービス事業
情報処理サービス事業におきましては、公共分野においては次年度以降の継続案件となる公共団体の導入も新規にありましたが、前期にあった県内教育系大型機器販売案件や大規模医療機関向け機器の導入案件を賄えず減収となりました。営業利益については、生産性向上を図り経費節減に努めたことにより増益となりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は130億7千1百万円(前期比7.6%減)となり、営業利益では5億1千6百万円(前期比6.9%増)となりました。
○建物サービスその他事業
建物サービスその他事業におきましては、不動産収入で所有駐車場の一括賃貸契約により前期と同様の収入となりました。営業部門の保険収入では、契約法人の火災保険が五年契約で更新されたことにより増収となりました。施設管理部門では、管理受託先の電気設備・消防設備更新工事、テナント入替に伴う原状回復工事などを受注したことによる増収要因はありましたが、前期末において解約となった施設管理業務の減収分をカバー出来ずに減収となりました。
この結果、当期の営業収益は14億3千7百万円(前期比8.1%減)となり、営業利益は5千7百万円(前期比40.1%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9億4千万円増加し、当連結会計年度末には、56億3千2百万円となりました。
(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得た資金は20億2百万円となりました。主な要因といたしましては役員退職慰労引当金の減少2億1千1百万円、法人税等の支払2億5千4百万円などによるキャッシュ・アウトはありましたが、税金等調整前当期純利益9億1千7百万円、減価償却費10億4千6百万円、売上債権の減少4億3千万円、その他の負債の増加3億1千8百万円などのキャッシュ・インによるものであります。
(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は1億2千7百万円となりました。
これは、主に定期預金の払戻による1億8千4百万円、有価証券の売却による1億2千万円、無形固定資産の売却による9千3百万円などのキャッシュ・インはありましたが、定期預金の預入による2億3千3百万円、有形固定資産の取得による1億9千3百万円、無形固定資産の取得による6千3百万円、投資有価証券の取得による6千6百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。
(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は9億3千4百万円となりました。
これは、主に短期借入金の減少による9千2百万円、長期借入金の返済による1億3千4百万円、リース債務の返済による6億3千8百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。
生産、受注及び販売の実績
当社グループは情報処理サービス事業など若干の例外を除いて、放送事業、建物サービスその事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載しておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績は「(1)業績」における各セグメントの業績にその概要を示しております。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は206億2千9百万円(前年同期比6.3%減)となりました。売上高減少の主な要因としては、放送事業において主力のテレビスポット収入が落ち込んだことや、情報処理サービス事業において前期にあった基幹系システムの受注等を賄えなかったことなどによります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、売上高の減少により前年同期比27.5%減の8億円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は8億7千万円となり、前連結会計年度に比べ2億9千1百万円(前年同期比25.1%減)の減益となりました。営業外収益の主なものは受取配当金5千8百万円と賃貸料収入1千3百万円で、営業外費用では支払利息1千9百万円であります。
(特別損益)
当連結会計年度において、特別利益は投資有価証券売却益5千万円など5千万円の計上となりました。特別損失では固定資産除却損2百万円など2百万円を計上いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は9億1千7百万円(前年同期比20.8%減)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は2億6千7百万円(前年同期比19.2%減)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は5億2千6百万円(前年同期比26.3%減)となりました。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(イ)資産
(流動資産)
前連結会計年度末に比べて、5億4千8百万円増加の115億5千7百万円となりました。
これは、受取手形及び売掛金で4億3千万円減少したものの、現金及び預金で9億8千9百万円増加したことが主な要因であります。
(固定資産)
前連結会計年度末に比べて、1億4千3百万円増加の122億7千5百万円となりました。これは、有形固定資産で3百万円、無形固定資産で1億1千8百万円減少したものの、退職給付に係る資産の増加などで投資その他の資産で2億6千5百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、238億3千2百万円となり、前連結会計年度末に比べて6億9千2百万円増加しております。
(ロ)負債
(流動負債)
前連結会計年度末に比べて、9百万円減少の48億3千1百万円となりました。これは、リース債務で1億1千9百万円増加したものの、未払金で1千4百万円、短期借入金で1億1千2百万円減少したことなどによります。
(固定負債)
前連結会計年度末に比べて、1億4百万円減少の16億4千5百万円となりました。これは、リース債務で7千7百万円、その他の固定負債で1億3千6百万円増加したものの、長期借入金で1億1千4百万円、役員退職慰労引当金で2億1千1百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、64億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億1千3百万円の減少となりました。
(ハ)純資産
(株主資本)
当連結会計年度末残高は、148億5千4百万円となりました。これは、利益剰余金が4億6千6百万円増加したことなどによります。
(その他の包括利益累計額)
当連結会計年度末残高は、7億3千1百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金6億9千6百万円、退職給付に係る調整累計額3千5百万円によります。
(非支配株主持分)
当連結会計年度末の残高は、17億6千8百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億1千3百万円増加しております。この結果、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて8億6百万円増加の173億5千5百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標
|
|
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
64.4 |
65.4 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
19.4 |
23.2 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
0.5 |
0.4 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
84.6 |
102.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
該当事項はありません。
該当事項はありません。