第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、企業活動を通じて公共の福祉、文化の向上、産業と経済の発展に寄与することを基本理念としております。この理念のもとに、社会的な責任を果たすことにより、企業価値の向上を図り、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めることを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループの活動の中心である放送業界をめぐる状況は、通信技術の急速な進歩により大きく変化しております。特に、インターネットの普及と技術進歩は放送と通信の垣根を取り払いつつあります。法改正により、番組放送と同時にインターネットで配信する番組ネット同時配信がスタートしようとしております。これまで国から免許を受け、電波を通じて、ラジオ・テレビ放送を行うことで収益源としてきた当社グループにとっても変革を迫られております。

 このような経営環境になか、当社グループでは、下記の4点を経営戦略の重要課題として取り組んでまいります。

① 放送技術の高度化への対応

 衛星放送で、新4K・8Kの高画質放送が始まりました。当社も、4Kカメラを導入し、放送への導入に対応できるようノウハウの蓄積に努めております。また、VR(バーチャルリアリティ)の撮影・編集ができるシステムを導入し、普及を図るとともにビジネスへの利用を模索しております。また、俯瞰映像として利用が欠かせないドローンを導入し、映像の高度化に対応してまいります。

② ラジオリスナー層の拡大

 多メディア化の中で、メディア間競争が激しくなる中、インターネットを通じての配信サービス「radiko.jp」により、いつでも聴けるタイムフリー機能、エリアを越え県外から聴くことができるエリアフリー機能を利用し、多様な聴き方に対応しております。また、ワイドFM(FM補完放送)により、クリアな音質で放送を楽しめるようになっております。

 これにより、AM放送が聴き取りにくい難聴エリアの問題も解消され、災害時に頼りになるメディアとしての機能も強化されております。こうした機能を生かし、ラジオリスナー層の拡大を図ってまいります。

③ テレビ離れへの対応

 広告代理店の調査によりますと、インターネット広告は、2ケタ成長を続けており、地上波テレビ広告費に迫る勢いをみせております。そこには若者を中心としたテレビ離れがあります。そうした年代層に、いかにアプローチしていくかは、大きな課題であります。BSNでは、インターネットをラジオ・テレビと並ぶ情報発信の柱とし、この春から、BSNアプリをスタートいたしました。アプリを視聴者・リスナーとつながる、「届けきる、伝えきる」ツールとして活かしてまいります。

④ グループ戦略への取組み

 ITを含めた様々な事業分野を展開する当社グループでは、それぞれの強みを生かし、グループ会社間の共同事業の推進を図ってまいります。グループとして、2020年までの3か年の中期経営計画〈Vision2020〉を策定いたしました。特にこれまでの数十倍の通信速度となる5Gが、単に放送に留まらず、生活の様々な分野を変えていくものとなる時、グループ各社が得意とする情報×映像×ICTを組み合わせ、ビジネスにつなげていかなければならないと考えております。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等

 当社グループは、目標とする経営指標として売上高営業利益率を重要な指標として認識し、今後も事業の効率化を進め目標の達成に努めてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると認識しているものには次のような事項があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 広告手法の構造的変化が業績に及ぼす影響

 当社グループの中核をなす放送事業における収入は国内景気と強く連動しており、特にラジオ・テレビのスポット広告は広告主企業の業績に大きな影響を受けるものであります。

 デフレ経済が長引く中で、スポット広告の出稿削減傾向が続いておりますが、今後、景気の回復に関わらず、広告主企業のマーケティング等の広告手法における構造的な変化がその度合いを強める場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 他メディアとの競合による影響

 デジタル技術の進展により、BS放送、CS放送及びケーブルテレビなどのテレビメディアに加え、インターネット広告が伸長するなど、広告媒体の競争はさらに厳しさを増しております。これらメディアとの競合がさらに激化した場合、その動向によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 放送事業者に対する法的規制の影響

 放送事業は、「電波法」「放送法」等の法令による規制を受けており、当社はこれらを遵守し将来にわたり放送事業を継続してまいりますが、現在進行している放送と通信の在り方等についての法令の改正において規制等に重大な変更があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ネットワーク価値の毀損による影響

 当社は株式会社TBSテレビをキー局とするJNNネットワークの加盟社であり、このネットワークは、ニュース取材、番組、営業面での協力関係など、ローカル放送局としての当社の企業価値を維持するために不可欠の存在であります。このため、株式会社TBSテレビまたは同社を傘下とする株式会社東京放送ホールディングスの業務形態に変化が生じ、ネットワーク価値が毀損された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報処理サービス事業に係わる影響

 当社グループの売り上げにおいて大きな割合を占める情報処理サービス事業においては、システムの安全性や信頼性、情報漏洩対策など社会的責任が一層重くなる一方、ユーザーから求められるサービス内容も変わりつつあります。

 今後、これらの懸念要素に対し、計画どおり進捗しない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が堅調に推移した上、雇用環境の改善などに伴い国内景気は緩やかな回復が持続しました。その一方、世界経済においては米国と中国の貿易摩擦長期化や不安定な欧州情勢など先行き不透明な状況を払拭できないままで、株式市況などを通じ国内経済への影響も無視できないものとなっています。

 このような状況のなかで、それぞれ異なる分野で事業活動を展開する当社グループは、各事業部門において積極的な営業活動とサービスの提供に努めました。当連結会計年度における売上高は208億7千2百万円(前期比101.2%)となりました。

 また、徹底したコストの削減を図り収益の確保に全力を傾けました。利益面におきましては営業利益は10億1千7百万円(前期比127.1%)、経常利益は10億6千9百万円(前期比122.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億2千8百万円(前期比119.3%)となりました。

 

セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。

○放送事業

 放送事業におきまして、ラジオ部門ではスポット、制作収入は前期を上回ったもののキー局の配分をはじめとしたタイム収入が大幅に落ち込み、前期比0.8%減の7億4千8百万円となりました。

 テレビ部門におきましては、テレビ放送60年を迎えた特別番組や長岡大花火などを編成しましたが、スポット広告市況の伸び悩みにより、前期比1.3%減の50億1百万円となりました。

 その他の部門においては、県外客やインバウンドを見込んだマンガ原画展など、長期にわたって開催するイベントを積極的に取り組み、前期比3.4%増の9億5千9百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は67億9百万円(前期比0.6%減)となり、営業利益では4億2千5百万円(前期比88.3%増)となりました。

○情報処理サービス事業

 情報処理サービス事業におきましては、首都圏での大型開発案件、ならびに公共パッケージ分野が好調に推移したことに加え、IoT、ビッグデータ、RPA等の新分野への取り組みが民間分野の受注を引き上げ、増収増益となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は133億8千3百万円(前期比2.4%増)となり、営業利益では5億7千万円(前期比10.4%増)となりました。

○建物サービスその他事業

 建物サービスその他事業におきましては、不動産収入で所有駐車場の一括賃貸契約により前期と同様の収入となりました。営業部門はSNS広告等の受注により増収となりました。施設管理部門では、管理業務受託先の設備機器保守点検や空調設備の更新工事等を受注したことによりほぼ前期並みとなりました。利益面では原価率の高い業務が多かったことにより仕入原価が増加しました。

 この結果、当期の営業収益は14億3千万円(前期比0.5%減)となり、営業利益は2千万円(前期比63.9%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3億2千万円増加し、当連結会計年度末には、59億5千2百万円となりました。

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得た資金は18億4千9百万円となりました。主な要因といたしましては売上債権の増加2億2千1百万円、退職給付に係る資産の増加1億6千万円、法人税等の支払い2億円などでキャッシュ・アウトはありましたが、税金等調整前当期純利益10億6千8百万円、減価償却費11億1千1百万円、その他の負債の増加1億9千3百万円などのキャッシュ・インによるものであります。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は5億7千8百万円となりました。

 これは、主に有形固定資産の取得による3億9千8百万円、無形固定資産の取得による5千3百万円、投資有価証券の取得による2億1百万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は9億4千9百万円となりました。

 これは、主に短期借入金の減少による6千万円、長期借入金の返済による1億3千6百万円、リース債務の返済による6億9千万円などのキャッシュ・アウトによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

 当社グループは情報処理サービス事業など若干の例外を除いて、放送事業、建物サービスその事業の性質上受注生産形態に馴染まない売上が多いため、生産規模及び受注規模を金額・数量で記載しておりません。

 このため、生産、受注及び販売の実績は「(1)経営成績」における各セグメントの経営成績にその概要を示しております。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は208億7千2百万円(前年同期比1.2%増)となりました。売上高増加の主な要因としては、情報処理サービス事業において首都圏での大型開発案件、ならびに公共パッケージ分野が好調に推移したことに加え、IoT、ビッグデータ、RPA等の新分野への取り組みが民間分野の受注を引き上げたことなどによります。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、売上高の増加により前年同期比27.1%増の10億1千7百万円となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度における経常利益は10億6千9百万円となり、前連結会計年度に比べ1億9千8百万円(前年同期比22.9%増)の増益となりました。営業外収益の主なものは受取配当金5千6百万円と賃貸料収入1千万円で、営業外費用では支払利息1千9百万円であります。

 

(特別損益)

 当連結会計年度において、特別利益は固定資産売却益46万円の計上となりました。特別損失では固定資産除却損1百万円を計上いたしました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は10億6千8百万円(前年同期比16.4%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は3億8百万円(前年同期比15.2%増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は6億2千8百万円(前年同期比19.3%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

(イ)資産

(流動資産)

 前連結会計年度末に比べて、5億7千8百万円増加の118億7千9百万円となりました。これは、有価証券で3千万円減少したものの、受取手形及び売掛金で2億2千万円、現金及び預金で3億2千万円、棚卸資産で6千1百万円増加したことが主な要因であります。

(固定資産)

 前連結会計年度末に比べて、1千7百万円減少の125億1千3百万円となりました。これは、退職給付に係る資産などで投資その他の資産が1億2千8百万円増加したものの、有形固定資産で7千2百万円、無形固定資産で7千4百万円減少したことによります。

 この結果、総資産は、243億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億6千万円増加しております。

(ロ)負債

(流動負債)

 前連結会計年度末に比べて、1億8千4百万円増加の50億1千5百万円となりました。これは、短期借入金で1億6百万円、リース債務で2千6百万円減少したものの、未払金で2億4千5百万円、未払法人税等で7千万円増加したことなどによります。

(固定負債)

 前連結会計年度末に比べて、1億6千7百万円減少の14億7千8百万円となりました。これは、長期借入金で9千万円、リース債務で8千2百万円減少したことなどによります。

 この結果、負債合計は、64億9千4百万円となり、前連結会計年度末に比べて1千7百万円の増加となりました。

(ハ)純資産

(株主資本)

 当連結会計年度末残高は、154億3千万円となりました。これは、利益剰余金が5億7千5百万円増加したことなどによります。

(その他の包括利益累計額)

 当連結会計年度末残高は、5億7千7百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金4億8千5百万円、退職給付に係る調整累計額9千2百万円によります。

(非支配株主持分)

 当連結会計年度末の残高は、18億9千万円となり、前連結会計年度末に比べて1億2千1百万円増加しております。この結果、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5億4千3百万円増加の178億9千8百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標

 

平成30年3月期

平成31年3月期

自己資本比率(%)

65.4

65.6

時価ベースの自己資本比率(%)

23.2

26.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

0.4

0.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

102.6

95.4

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。