第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 (1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、海外景気の下振れが懸念される中で弱さもみられますが、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果などにより、企業収益は改善傾向にあるなど、緩やかな景気回復基調で推移しました。

こうした経済環境の中、平成27年の日本の総広告費(暦年、㈱電通調べ)は、6兆1,710億円(前年比100.3%)と4年連続で前年実績を上回りましたが、このうち地上波テレビ関連の広告費は1兆8,088億円(前年比98.6%)となりました。また、地上波の視聴率動向につきましては、在京キー局間の平成27年の年間平均視聴率(平成26年12月29日~平成28年1月3日)及び年度平均視聴率(平成27年3月30日~平成28年4月3日)において、当社グループは、全日帯(6~24時)、ゴールデン帯(19~22時)、プライム帯(19~23時)の3部門全てでトップとなり、年間・年度ともに2年連続で「視聴率三冠王」を獲得することができました。

このような状況のもと、当連結会計年度における当社グループの連結売上高は主たる事業であるコンテンツビジネス事業におきまして、地上波テレビ広告収入が好調な視聴率を背景に伸長したことや、動画配信を始めとするコンテンツ販売収入、出資映画・美術展による興行収入、パッケージメディア販売などの物品販売収入がいずれも増収になったことに加え、生活・健康関連事業において、平成26年12月25日付で連結子会社化した㈱ティップネスによる施設利用料収入が通期にわたり計上されたことなどにより、前連結会計年度に比べ522億8千3百万円(+14.4%)増収の4,147億8千万円となりました。

一方、売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、コンテンツビジネス事業の増収に伴う費用の増加や生活・健康関連事業への参入などにより、前連結会計年度に比べ414億8千7百万円(+13.0%)増加の3,616億2百万円となりました。

この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ107億9千5百万円(+25.5%)増益の531億7千8百万円、経常利益は90億9千5百万円(+18.7%)増益の577億9千1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は64億1千6百万円(+21.1%)増益の368億8千3百万円となりました。

なお、当社グループは、平成24年度から平成27年度(当連結会計年度)を計画期間とする中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画 2012-2015 Next60」を策定し、その中で掲げた6つの中期経営目標を達成することにより、連結売上高4,000億円、連結経常利益500億円(経常利益率12.5%)以上の経営成績を目指しておりましたが、当連結会計年度においてこの数値目標を達成することができました。

セグメントの業績は次のとおりです。

 

 

①コンテンツビジネス事業

地上波テレビ広告収入のうちタイム収入につきましては、前期の大型単発番組「2014 FIFA ワールドカップ ブラジル」の反動減がありましたが、レギュラー番組枠での収入の増加や「FIFA クラブワールドカップ ジャパン2015」「ラグビーワールドカップ2015」などの単発番組による収入などにより、前連結会計年度に比べ29億6千5百万円(+2.6%)増収の1,183億5千3百万円となりました。また、スポット収入につきましては、スポット広告費の地区投下量はほぼ前年並みだったものの、好調な視聴率を背景に在京キー局間におけるシェアが大きく伸びたため、前連結会計年度に比べ67億1千7百万円(+5.5%)増収の1,294億7千7百万円となりました。この結果、地上波テレビ広告収入は前連結会計年度に比べ96億8千3百万円(+4.1%)増収の2,478億3千万円となりました。

BS・CS広告収入につきましては、BS放送の単発番組による収入の増加などがあり、前連結会計年度に比べ2億6千4百万円(+1.9%)増収の145億4千万円となりました。

コンテンツ販売収入につきましては、定額制動画配信サービス「Hulu」の会員数の増加の影響などにより、前連結会計年度に比べ54億7百万円(+11.6%)増収の520億8千7百万円となりました。

物品販売収入につきましては、音楽CD販売の増加や幹事映画「バケモノの子」のDVD/BD発売などにより、前連結会計年度に比べ53億3千6百万円(+18.6%)増収の340億4百万円となりました。

興行収入につきましては、映画事業において幹事映画「バケモノの子」「ヒロイン失格」などがヒットしたことや、イベント事業において美術展「モネ展」「ルーヴル美術館展」が好評を博したことなどにより、前連結会計年度に比べ39億1千9百万円(+42.1%)増収の132億3千7百万円となりました。

この結果、コンテンツビジネス事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ252億3千7百万円(+7.2%)増収の3,739億7千万円となり、営業利益につきましては、前連結会計年度に比べ99億7百万円(+25.5%)増益の487億9千7百万円となりました。

 

②生活・健康関連事業

平成26年12月25日付で連結子会社化した㈱ティップネスによる施設利用料収入、物品販売収入などが通期にわたり計上されたことにより、生活・健康関連事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ277億9千4百万円(+324.5%)増収の363億6千万円となり、営業利益は11億9千6百万円(前連結会計年度は営業損失1億3千1百万円)となりました。

 

③不動産賃貸事業

汐留及び麹町地区のテナント賃貸収入を始めとする不動産賃貸事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ4億8千7百万円(△4.7%)減収の98億8千8百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ2億9千1百万円(△7.3%)減益の37億2千3百万円となりました。

 

 

 (2)キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、407億6千1百万円となりました(前連結会計年度は332億3千6百万円の資金の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益557億9千8百万円や減価償却費116億4千1百万円を計上した一方で、法人税等の支払い236億5百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、268億2千万円となりました(前連結会計年度は179億4千1百万円の資金の減少)。これは主に、投資有価証券の取得による支出447億7千万円や有形固定資産の取得による支出202億6千9百万円があった一方で、投資有価証券の償還による収入409億5千9百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、配当金の支払い等により112億7千5百万円となりました(前連結会計年度は62億4千2百万円の資金の減少)。


    以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より26億6千6百万円増加し、

   992億4百万円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)制作(生産)の状況

当社グループの主たる事業であるコンテンツビジネス事業の大きな柱はテレビ放送であり、地上波を中心として放送された番組の広告収入を始め、様々な媒体を通じてコンテンツのマルチユースによる収入の拡大を図っております。

当連結会計年度における地上波テレビ放送の番組制作費は、966億8千7百万円(日本テレビ放送網㈱の数値)となり、前期比6億6千4百万円(+0.7%)の増加となりました。

①地上波レギュラー番組

  当連結会計年度において、地上波テレビ放送では、以下のタイムテーブルで、レギュラー番組を制作し放送いたしました。

0102010_001.png

(注)上記タイムテーブルは平成28年1月~3月現在のものであり、前連結会計年度のものと異なる部分があります。当連結

会計年度に行われた主な番組改編の概要は次ページの(地上波のプライム帯レギュラー番組の改編)をご参照下さい。

(プロ野球・巨人軍公式戦)

当社グループにおけるコンテンツビジネス事業の主力コンテンツにプロ野球・巨人軍公式戦中継があります。当連結会計年度においては、地上波・BS及びCS放送を合わせ76試合(前連結会計年度は77試合)の中継放送を行いました。なお、プロ野球・巨人軍公式戦の地上波中継放送が行われた場合は、前項に記載しておりますタイムテーブルのレギュラー番組がプロ野球・巨人軍公式戦に入れ替わることになります。

(地上波のプライム帯レギュラー番組の改編)

当連結会計年度の第1四半期におきましては、日曜22時30分にドラマ枠を新設し、「ワイルド・ヒーローズ」を編成しました。既存のドラマ枠につきましては、水曜22時に「Dr.倫太郎」を、土曜21時に「ドS刑事」を編成いたしました。

第2四半期におきましては、ドラマ枠につきまして、水曜22時に「花咲舞が黙ってない」を、土曜21時に「ど根性ガエル」を、日曜22時30分に「デスノート」を編成いたしました。

第3四半期におきましては、金曜19時に「沸騰ワード10」を編成いたしました。ドラマ枠につきましては、水曜22時に「偽装の夫婦」を、土曜21時に「掟上今日子の備忘録」を、日曜22時30分に「エンジェル・ハート」を編成いたしました。

第4四半期におきましては、ドラマ枠につきまして、水曜22時に「ヒガンバナ~警視庁捜査七課~」を、土曜21時に「怪盗 山猫」を、日曜22時30分に「臨床犯罪学者 火村英生の推理」を編成いたしました。

 

②地上波単発番組

前連結会計年度及び当連結会計年度における地上波テレビ放送の主な大型単発番組は以下のとおりです。

(前連結会計年度)

 

(当連結会計年度)

放送月

番組名

 

放送月

番組名

5月

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ

 

5月

ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ

5月

キリンチャレンジカップサッカー2014

         日本代表×キプロス代表

 

7月

THE MUSIC DAY 音楽は太陽だ。

6月~7月

2014FIFAワールドカップ ブラジル

 

8月

24時間テレビ38「愛は地球を救う」

   つなぐ~時を超えて笑顔を~

7月

THE MUSIC DAY 音楽のちから

 

9月~10月

ラグビーワールドカップ2015 イングランド

8月

24時間テレビ37「愛は地球を救う」

   小さなキセキ、大きなキセキ

 

11月

FIFAワールドカップ ロシア アジア2次予選

         カンボジア代表×日本代表

9月

ライオンスペシャル第34回全国高等学校クイズ選手権

 

11月

LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ

10月

Dramatic Game 1844 クライマックスシリーズ

             ファイナルステージ

 

12月

FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2015

11月

2014 SUZUKI 日米野球

 

12月

ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!

              大晦日年越しSP!

11月

LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ

 

1月

★SAPPORO新春スポーツスペシャル

第92回東京箱根間往復大学駅伝競走

12月

TOYOTAプレゼンツFIFAクラブワールドカップ

              モロッコ 2014

 

 

 

12月

NNN衆院選特別番組・ZERO×選挙2014

 

 

 

12月

ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!

              大晦日年越しSP!

 

 

 

1月

★SAPPORO新春スポーツスペシャル

第91回東京箱根間往復大学駅伝競走

 

 

 

 

(2)受注の状況

当社グループの主たる事業であるコンテンツビジネス事業の事業形態は、「受注」という概念にそぐわないため記載を省略しております。

 

(3)販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月 1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

コンテンツビジネス事業(百万円)

373,554

107.2

生活・健康関連事業(百万円)

36,357

424.4

不動産賃貸事業(百万円)

2,848

80.3

  報告セグメント計(百万円)

412,760

114.5

その他(百万円)

2,020

105.6

合計(百万円)

414,780

114.4

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

    2.「生活・健康関連事業」の販売実績の前年同期比は、大幅な増加となっております。その要因は、平成26年12月25日付で連結子会社化した㈱ティップネスの販売実績が、当連結会計年度において通期にわたり計上されたことによるものです。

    3.当社グループは、主要な顧客である広告主に対し、広告代理店を通じてテレビ広告枠の販売などを行っております。最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合を広告代理店別に示すと次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月 1日

 至 平成27年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 平成27年4月 1日

 至 平成28年3月31日)

 

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱電通

131,688

36.3

139,314

33.6

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

68,723

19.0

73,388

17.7

    4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの対処すべき課題について

当社グループは、地上波テレビの媒体力と地上波テレビ放送で培ったコンテンツ制作力をコアコンピタンスとし、それらを最大限活用して事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、少子高齢化で日本国内の市場の伸びが期待できない中、インターネットやスマートフォンの普及などを受けてコンテンツの視聴環境や広告の手法は多様化し、テレビが広告媒体としてこれまでのように優越的地位を保ち続けることは困難になってきたと認識しています。

このような認識のもと、当社グループでは、報道機関としての社会的責任を果たし、新たなメディア・コンテンツと生活・文化を生み出す“豊かな時を提供する企業”であり続けることを将来のあるべき姿と捉えています。そしてすべての社員が連帯してグループの成長を追求し、環境の変化に先んじて対応することで、“ファーストチョイス日テレ”として生活者やクライアントから選ばれ続けることを目指しています。

10年後に向けては、メディア・コンテンツ事業と生活・健康関連事業を核として、事業ポートフォリオの多様化と海外展開を進めるとともに、あらゆるメディアに向けて、それぞれのメディア特性・ニーズに応じたコンテンツを創造・発信することによって、広告収入のみならず非広告収入を拡大してまいります。また、動画配信事業と海外事業を収益の柱の一つに育成し、インターネット企業、グローバル企業としてのプレゼンスの確立を目標としています。

こうした中、当社グループは10年後のあるべき姿を見据えながら、今般、平成28年度(2016年度)から平成30年度(2018年度)を計画期間とする中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画 2016-2018 Change65」を策定しました。

中期経営目標は、次のとおりです。


 ①人々を豊かにするコンテンツを創造・発信する最強の制作集団

1. 様々なメディアを通して正しく、速く、分かりやすくニュースを発信し、より信頼される報道機関

となります。

2. 地上波視聴率は世帯&コアターゲット注1で5冠王注2を達成し、地上波テレビ広告収入は在京局で

シェアトップを継続します。

3. “ネットファースト層”注3にも支持されるコンテンツを創造し、インターネット動画配信事業の成長

を加速します。

4. BS放送の接触率と営業売上で民放系BS社トップを獲得します。

5. コンテンツを様々なメディアに展開し収益を最大化します。

6. メディア環境の変化を見据えて、最新技術を積極的に研究し活用します。

注1 コアターゲット視聴率:当社グループにおけるオリジナルの指標で、個人全体のうち男女13~49歳の視聴率

注2 5冠王:「全日」「ゴールデン」「プライム」に加え、当社グループのオリジナル指標である「プラチナ(23:00~25:00)」

「ノンプライム(6:00~19:00/23:00~24:00)」合計5つの時間帯すべてで、視聴率トップを獲得すること

注3 ネットファースト層:若者を中心とした、インターネットと親和性が高くテレビメディア・テレビコンテンツとの接触が少ない層

 

 ② 継続的成長を目指した事業の“破壊と創造”

1. 手がけるべき事業領域を再確認し、大胆な組織の見直しと人材の確保でビジネスモデルを改革します。

2. 総額500億円の新規事業(戦略的投資を含む)投資枠を再設定し、事業ポートフォリオの多様化を

進めます。

3. 生活・健康関連事業は、グループ間のシナジーを追求するとともに新たなサービスを創出します。

 

 ③ 海外における確固たるポジションの獲得

1. 成長が期待されるアジア等で、現地に根差した事業を推進します。

2. 各国のニーズを的確に捉え、コンテンツと制作力のグローバル展開を加速します。

 

 ④ 地域・個人に寄り添った社会貢献

 

 ⑤ 働く人すべてが能力を高め挑戦できる環境の醸成

1. 働く人すべての能力の開発と向上に努め、日本テレビグループの人材力を強化し最大限活用します。

2. 多様な人材を採用・育成するとともに、チャレンジを支援する制度と企業文化を作り上げます。

 

これらの目標を達成することにより、企業価値の拡大を図り、平成30年度(2018年度)に、連結売上高4,600億円、連結営業利益550億円(営業利益率12.0%)、連結経常利益600億円(経常利益率13.0%)以上を目指します。

当社グループは、一丸となって、中期経営計画の目標達成に向け「改革と挑戦」を続けてまいります。

 

 

(2)株式会社の支配に関する基本方針について

①基本方針の内容の概要

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

しかし、株式の大量買付の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。また、当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

②基本方針の実現のための取組みの内容の概要

ア.基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社は、平成24年10月1日付で認定放送持株会社体制へ移行し、新体制の下、平成24年度(2012年度)から平成27年度(2015年度)を計画期間とする中期経営計画「日本テレビグループ中期経営計画 2012-2015 Next60」に基づき、平成27年度(2015年度)に、連結売上高4,000億円、連結経常利益500億円(経常利益率12.5%)以上を達成することを目指してまいりました。そして、ゴール年度である平成27年度(2015年度)決算において、上記目標を達成することができました。

今般、さらなる企業価値の向上を図るため、平成28年度(2016年度)から平成30年度(2018年度)を計画期間とする新たな中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画 2016-2018 Change65」を策定いたしました。

日本テレビグループは、報道機関としての社会的責任を果たし、新たなメディア・コンテンツと生活・文化を生み出す“豊かな時を提供する企業”であり続けることを将来のあるべき姿と捉えます。

その上で、2016-2018中期経営目標として、(a)人々を豊かにするコンテンツを創造・発信する最強の制作集団、(b)継続的成長を目指した事業の“破壊と創造”、(c)海外における確固たるポジションの獲得、(d)地域・個人に寄り添った社会貢献、及び(e) 働く人すべてが能力を高め挑戦できる環境の醸成を掲げています。

これらの目標を達成することにより、企業価値の拡大を図り、平成30年度(2018年度)に、連結売上高4,600億円、連結営業利益550億円(営業利益率12.0%)、連結経常利益600億円(経常利益率13.0%)以上を目指します。当社グループは、一丸となって、中期経営計画の目標達成に向け「改革と挑戦」を続けてまいります。

また、当社は、上記諸施策の実行に向けた体制を整備するべく、社外からの経営監視機能を強化し、経営の健全性及び意思決定プロセスの透明性を高めるため、取締役全12名のうち5名を社外取締役としております。また、経営陣の株主の皆様に対する責任をより一層明確化するため、取締役の任期を1年としております。当社は、これらの取組みに加え、今後も引き続きコーポレート・ガバナンスの更なる強化を図っていく予定です。

 

イ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため

の取組みの内容の概要

当社は、平成28年5月13日開催の取締役会及び同年6月29日開催の第83期定時株主総会において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を更新することを決議いたしました(以下更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。

本プランは、当社株式の大量取得行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等により、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。

本プランは、(ⅰ)当社株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得若しくは(ⅱ)当社株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けのいずれかに該当する当社株券等の買付その他の取得又はこれらに類似する行為(これらの提案を含みます。)(以下「買付等」といいます。)がなされる場合を原則として適用対象とします。買付等を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)には、予め本プランに定められる手続に従っていただくこととします。

買付者等には、当該買付等に先立ち、当社に対して、意向表明書、及び、当社所定の情報等を記載した書面(以下「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。

企業価値評価独立委員会(独立性のある社外取締役等から構成される委員会で、取締役の恣意的判断を排し、本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行うことが予定されています。)は、買付者等から買付説明書等が提出されたと合理的に認めた場合、当社取締役会に対しても、適宜回答期限を定めた上(原則として60日を上限とします。)、買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案等を提供するよう要求することができます。

企業価値評価独立委員会は、買付者等及び当社取締役会からの情報等を受領したと合理的に認めた時点から原則として最長60日が経過するまでの間、買付等の内容の検討、買付者等と当社取締役会の経営方針・事業計画等に関する情報収集・比較検討、代替案の検討、当該買付者等との協議・交渉等を行います。

企業価値評価独立委員会は、買付者等による買付等が、本プランに定められた手続に従わない買付等である場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合等で、本プラン所定の要件に該当するとき、差別的行使条件及び差別的取得条項が付された新株予約権の無償割当てその他の法令及び当社定款の下でとりうる適切な施策を実施することを勧告します。なお、企業価値評価独立委員会は、一定の場合に、当該実施に関して株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことができます。

当社取締役会は、企業価値評価独立委員会の上記勧告を最大限尊重して上記新株予約権の無償割当て等の実施又は不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行います。但し、企業価値評価独立委員会が上記新株予約権の無償割当て等を実施するに際して、株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合等には、当社取締役会は株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することができるものとします。

本プランの有効期間は、原則として、第83期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。

 

③上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

経営方針、コーポレート・ガバナンスの強化等といった各施策は、上記②ア記載のとおり、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。

また、本プランは、上記②イ記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。

特に、本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足していること、株主総会において株主の承認を得て更新されたものであること、一定の場合に、本プランの発動の是非について株主総会に付議されることがあること、独立性のある社外取締役等のみによって構成される企業価値評価独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず企業価値評価独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、その内容として本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、企業価値評価独立委員会は当社の費用で専門家の助言を得ることができるとされていること、本プランの有効期間が3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性が担保されております。

従って、これらの各取組みは、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

当社グループに関するリスク要因を以下に記載しています。これらのリスク要因は多くの将来に関する事項を含んでいますが、全て当連結会計年度末現在において判断したものです。

当社グループは、これらのリスクの存在を認識した上で、その回避及び顕在化した場合の対応に努める方針です。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1)テレビ放送事業に関連するリスク

①テレビ広告収入への依存とテレビ放送の媒体価値について

 当社グループの主たる事業であるコンテンツビジネス事業は、テレビ広告枠の販売によるテレビ広告収入に依存しており、当連結会計年度におけるテレビ広告収入は総売上高の63.3%を占めています。

 一般に、広告市況は、経済のマクロ動向と連動する傾向があります。また、スマートフォンやタブレット端末等の普及により、広告媒体の多様化が進んでおります。

 当社グループといたしましては、今後もテレビ放送の媒体価値は最強であり続けると認識しており、その媒体価値の更なる向上に邁進するとともに、新たな収益源の開発を模索してまいりますが、今後の日本経済のマクロ動向や広告市場の動向は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②地上波テレビ放送の視聴率について

 テレビ広告収入に大きな影響を及ぼすのが視聴率動向です。当社グループは、人々のニーズを的確にとらえ、最も視聴され共感されるコンテンツの制作を目指しています。地上波の平成27年の年間平均視聴率及び年度平均視聴率は、全日帯、ゴールデン帯、プライム帯を含む5つの時間帯でトップとなり、年間・年度ともに「視聴率5冠王」を獲得することができました。今後も、高いレベルでの「5冠王」を維持・継続することを目指し、引き続き良質なコンテンツを開発していきます。しかしながら、タイムテーブル全般で視聴率の大幅な低下があった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③他メディアとの競合について

 平成24年3月に地上波アナログ放送が全国で終了し、デジタル放送へ完全移行しましたが、この間、BS放送及びCS放送も視聴できる3波共用受像機が順調に普及しました。また、インターネットや携帯電話の通信環境の整備とともにパソコン、スマートフォン、タブレット等の端末が広く普及してきており、これらの端末に向けた動画配信サービスが加入者を増やしております。こうしたデジタルメディアの普及は多くの人々の関心を引きつけ、広告価値を徐々に高めています。

 当社グループは、デジタルメディアの多様化に対して、3波協業を一層推し進めて対応するべく、平成24年10月1日の認定放送持株会社化に伴い、「BS日テレ」を放送する㈱BS日本及び「日テレプラス」等を放送する㈱シーエス日本(現・㈱CS日本)を完全子会社としました。また、インターネットメディアへの取組みとして、従来の「日テレオンデマンド」に加え、平成26年4月に、アメリカの動画配信会社「Hulu,LLC」の日本市場向け事業を承継し、定額制動画配信事業に参入し、同事業の運営会社HJホールディングス合同会社を当社グループの子会社としています。

 一方で、こうしたメディアの多様化は地上波放送の視聴時間を減少させ、結果としてその広告価値を下げる可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

④4K等、高精細映像サービスへの取組みについて

 デジタルメディアの普及に加え、より高精細・高臨場感の映像サービスを視聴者に提供することができる4K・8K放送は、総務省のロードマップでは、「平成28年度にBS衛星波にて4K・8Kの試験放送を開始」、「平成30年にはBS衛星波等で4K・8Kの実用放送開始」と示されています。当社グループでは、高精細映像に適したコンテンツや設備等の研究・開発に着手し、国民のニーズに応える放送事業者としての使命のもと準備を進めております。

 しかしながら、4K・8K放送の実現には、専用のチャンネル(周波数)割当てやメーカー・放送局等での放送機器の研究・開発が必要となります。また、4K・8Kに対応する放送機器導入には多額の設備投資が予想されます。これらの投資の回収には、専用の受像機の普及が不可欠であり、付加価値の高いコンテンツ放送に対して、相応の広告収入が得られる必要があります。これらの条件が整わない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤テレビ放映権料の高騰について

 コンテンツビジネス事業を主たる事業とする当社グループは、オリンピックやサッカーワールドカップ等、全国民が注目するスポーツイベントの放送をテレビ放送事業者の使命として行ってまいりました。しかしながら、近年これらのスポーツイベントの放映権料が高騰する中、高額なテレビ放映権料に見合う広告収入の確保は年々困難になっており、その採算性は悪化する傾向にあります。

 当社グループといたしましては、今後も、国民に娯楽を提供するという放送事業者としての使命を全うすべく、スポーツイベントのテレビ放送に携わっていく所存ですが、テレビ放映権料の高騰は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥著作権等の知的所有権について

 当社グループの制作するテレビ番組は、原作者、脚本家、音楽の作詞・作曲者、レコード製作者、実演家等多くの人々(以下、「著作権者等」という。)の知的・文化的な創作活動の成果としての著作権や著作隣接権(以下、「著作権等」という。)が密接に組み合わされた創作物です。著作権法は、その第1条においてこれらの創作活動を行う著作権者等の権利を定め、その公正な利用に留意しつつ、著作権者等の権利の保護を図り、文化の発展に寄与することを目的としています。

 当社グループは制作したテレビ番組を、地上波放送やBS・CS等の衛星放送に加え、ケーブルテレビやインターネット等によるコンテンツ配信、DVD/BD等によるパッケージ化、番組キャラクター等のマーチャンダイジングや出版化等によりマルチユース利用しており、その際、様々な著作権者等の権利に十分配慮しつつ展開しております。

 しかしながら、当社グループの制作するテレビ番組は、原則的に地上波放送や衛星放送を前提として著作権者等から著作権等の利用を許諾されており、これら以外への利用を前提とした権利取得が十分に行われていないテレビ番組が存在します。このため、テレビ番組をインターネット等の新たなメディアでマルチユース利用する場合や、海外展開をしていく上で、予め著作権者等の許諾を得たり、放送と並行して、あるいは放送後に著作権者等の許諾を再度取得することが必要不可欠となります。これらの権利処理には多くの時間と費用が必要となる可能性があります。また、万が一、当社グループが著作権者等に対し、不適切な対応を行った場合には、放送の差し止め要請や損害賠償請求を受ける可能性があります。このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑦コンテンツの違法コピーについて

 デジタル放送では番組をコピーしても画質が劣化しないことから、違法な複製が行われると放送事業者や著作権者等に不利益をもたらします。デジタル放送ではB-CASカード等の機能を活用して、無制限な複製を防止しています。また、パッケージメディア販売においても、その製品にはコピー防止機能が施されています。しかし、防止機能を解くプログラムソフトが頒布される等、違法コピーを完全に防止することは困難なことから、海賊版パッケージメディアの販売等の違法行為や、インターネット上の動画投稿サイト等への違法アップロード等が広がった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧災害等の発生による影響について

 当社グループは、災害の発生時における、放送の社会的使命を強く認識しております。また、放送法は「暴風、豪雨、洪水、地震、大規模な火事その他による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合には、その発生を予防し、又はその被害を軽減するために役立つ放送をするようにしなければならない」と災害時の放送を義務付けております。

 大規模災害が発生し、上記に従い報道特別番組等を放送する場合には、事前に予定されているCM放送を休止することがあります。また、当社グループの放送設備が被災し、テレビ放送自体に支障が生じる可能性があります。当社グループといたしましては、テレビ放送の継続性を担保するために、災害時の事業継続計画の策定など万全を期しておりますが、そのような事態に至った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑨海外における合弁事業について

 当社グループは、平成23年5月、当社グループのテレビ番組フォーマットを活用したドラマ・バラエティ等のテレビ番組を制作し、台湾及び中国のテレビ局へ販売することを目的として、台湾の大手ケーブルテレビ局である中天電視股份有限公司と合弁会社「黒剣電視節目製作股份有限公司」を台湾に設立いたしました。

 また、当社グループは平成27年4月に、Sony Pictures Television Networks(米国)とシンガポールに合弁会社「GEM Media Networks Asia Pte.Ltd.」を設立し、平成27年10月1日より、東南アジア、香港などを対象とした有料放送新チャンネル「GEM」の放送を開始いたしました。

 いずれの合弁事業も現地のコンテンツマーケットに詳しい合弁相手との協力のもと事業を展開してまいりますが、計画通りに番組の制作・販売や放送ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)テレビ放送以外の事業に関連するリスク

①映画事業について

 当社グループは、積極的に映画事業に取り組んでおり、年間10本前後の作品に出資を行っています。映画ビジネスへの出資に関しては、その企画段階において、慎重に収支のシミュレーションを行った上で、投資判断を行っております。しかしながら、実際の映画の興行収入や劇場公開後の二次利用収入等が、シミュレーション通りの収益を確保する保証はなく、当初計画した収益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②イベント事業について

 当社グループは、美術展、演劇、音楽ライブ等のイベント事業に積極的に取り組んでおります。これらイベント事業への出資に関しては、過去の実績やプロモーション効果も含め、その企画段階において慎重に収支のシミュレーションを行った上で投資判断を行っております。しかしながら、実際のイベントのチケット販売収入や関連グッズなどの物品販売収入等がシミュレーション通りの収益を確保する保証はなく、当初計画した収益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

③通販事業について

 当社グループは、収益基盤の拡大のため積極的に通販事業に取り組んでおります。商品の選定には万全のチェック体制をもって慎重に取り組んでおりますが、当社グループが販売した商品に何らかの瑕疵又は欠陥等があった場合に返品や交換等の義務が生じる等、当初計画した収益を確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業について

 当社グループは、平成17年10月、日本初となるテレビ局主導のインターネット動画配信事業をスタートさせ、平成22年12月には、現在のTVOD(Transactional Video On Demand:都度課金制動画配信)によるインターネット有料動画配信サービスである「日テレオンデマンド」を立ち上げ、ドラマやアニメ、バラエティ、スポーツ等の番組コンテンツの配信を行っております。平成26年4月には、アメリカの動画配信会社「Hulu,LLC」の日本市場向け事業を承継し、新たにSVOD(Subscription Video On Demand:定額制動画配信)による配信事業に参入しました。現時点においてSVOD事業は成長過程にあり、今後の動画配信市場の拡大と、それに伴う会員数の拡大という目標に向け、Huluの知名度アップに向けたプロモーション、幅広い年齢層、趣味嗜好に合わせたコンテンツの充実を図る方針です。しかしながら、SVOD事業は定額制であるため、会員数が想定通りに伸びない場合には収入が増加しない可能性があります。また、これらVOD事業はネットワークインフラや端末の高機能化等により、市場を取り巻く環境が大きく変容する場合があります。これらにより、投下資本の回収が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑤ラジオ放送事業について

 当社グループの非連結子会社である㈱アール・エフ・ラジオ日本は、AMラジオ放送事業を行っております。ラジオ放送の広告市場が年々縮小している環境のなか、同社は2期連続の営業赤字となったことに加え、放送用設備の減損損失を計上し、当連結会計年度末時点で債務超過の状態となっております。当社グループといたしましては、聴取者保護の観点から、同社の経営再建を目指して支援を行ってまいりますが、ラジオ放送を取り巻く事業環境の更なる悪化等により同社の経営再建が不調に終わった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑥太陽光発電事業について

 当社グループは、平成26年より太陽光発電事業をスタートさせています。クリーンエネルギーの創生は、環境に配慮した発電事業として社会的に意義のあるものであり、電力会社と固定価格買取保証の契約を締結することなどにより、長期安定的に収益を計上できるものと考えております。しかしながら、「再生可能エネルギー固定価格買取制度」の価格見直しや合理的な理由を前提とした電力会社から事業者への出力抑制の要請等で、契約どおりに買い取りが行われないような状況が発生した場合や、設備トラブルや天候不順・天変地異等により発電量が大幅に低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 なお、平成28年4月に発生した「熊本地震」の影響につきましては、当事業の中核をなす予定の発電所を熊本県阿蘇地方の北側で建設中でありましたが、本地震により工事を一時中断しております。当社グループといたしましては、地元の復旧・復興を第一に考える形で、本建設工事の再開を検討してまいります。

 

⑦生活・健康関連事業について

 当社グループは、平成26年12月に総合スポーツクラブ事業を営む㈱ティップネスの発行済株式の全てを取得し、連結子会社化したことを契機に、「生活・健康関連事業」セグメントを新設いたしました。スポーツ施設の運営において、同業他社や他のスポーツ関連サービス等との競合により会員を計画どおりに確保できない場合や、価格競争により平均単価が低下した場合には、安定的な収益が得られない可能性があります。また、新規出店やリニューアルなどにより、規模に応じた投資を要するため、会員の確保が計画どおりに進まない場合には投下資本の回収が困難になる可能性があります。これらの結果、のれんの減損リスクが発生するなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

⑧麹町再開発事業について

 当社グループは、汐留及び麹町地区において不動産賃貸事業を行っております。このうち所有する麹町地区不動産(東京都千代田区二番町及び四番町)において、旧本社ビルのある二番町地区にスタジオ棟の建設を開始するなど、麹町再開発事業を着実に進めております。しかしながら、震災復興や平成32年の東京オリンピック・パラリンピック開催等に伴う建設費の高騰の影響が麹町再開発事業にも及んだ場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)当社グループの保有資産に関するリスク

①固定資産の減損会計について

 当社グループが所有する汐留本社ビル「日本テレビタワー」は、コンテンツビジネス事業及び不動産賃貸事業の共用資産です。当連結会計年度末における「日本テレビタワー」の帳簿価額は1,319億6千6百万円(建物及び構築物と土地の合計額)であり、当社グループの総資産の17.1%を占める重要な資産です。

 当社グループは、当連結会計年度末現在、「日本テレビタワー」に関して減損の兆候は認識しておらず、将来における回収可能性はあるものと認識しています。しかしながら、将来において、経営環境の著しい悪化等により当社グループの収益性や営業キャッシュ・フローの大幅な悪化が見込まれた場合には、「日本テレビタワー」に対して減損損失を計上する必要があるため、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②保有有価証券について

 当社グループは、事業上の結びつき又は資金運用を目的とし、複数の会社・組合等に投資を行っています。一方で、当社グループは、保有有価証券等の評価に当たり、会計基準に則した社内ルールを設定し、減損処理等の必要な措置を適宜施し、投資先企業の業績や市場での取引価額が当社グループの業績に適切に反映されるよう厳格に運用しています。

 新規の投資案件に関しては、リスク及びリターンを充分に考慮し、投資判断を行っています。また、保有している有価証券等につきましても、投資先との関係、取引状況、協業機会、シナジー効果及び市場の動向や投資先企業の業績を絶えずチェックし、最大限の収益獲得に努めています。しかしながら、これらの投資先企業の業績や市場動向を確実に予想することは困難であり、将来的に当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)法的規制等に関するリスク

①認定放送持株会社に対する法的規制について

 認定放送持株会社は、放送法による認定を受けることで、複数の地上波放送局とBS放送局及びCS放送局を子会社として保有することが認められています。当社は日本テレビ放送網㈱、㈱BS日本、㈱CS日本を子会社とする認定放送持株会社として認定を受けています。今後、認定放送持株会社の資産に関する基準等、放送法で定める基準を満たさなくなった場合には、認定の取り消し(放送法第166条)を受ける可能性があります。仮に認定の取り消しを受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

②テレビ放送事業者に対する法的規制について

 当社グループの主たる事業であるコンテンツビジネス事業におけるテレビ放送は、「放送法」及び「電波法」等の法令による規制を受けています。

 このうち、放送法は放送の健全な発展を図ることを目的とし、番組編集の自由や放送番組審議機関の設置、BS・CS放送等の衛星基幹放送の業務の認定に関する基準等を定めています。また、電波法は電波の公平且つ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的としています。電波法第4条は電波を送信する「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。」、電波法第13条では「免許の有効期間は、免許の日から起算して五年を超えない範囲内において総務省令で定める。」など、地上基幹放送の免許を定めています。当社グループのテレビ放送事業については、当社が昭和27年7月31日に我が国初のテレビ放送免許を取得し、それ以来、放送局の再免許を受けてきました。平成24年10月1日には認定放送持株会社化した当社に代わって、子会社の日本テレビ放送網㈱が同日免許を承継し、現在に至っております。また、㈱BS日本、㈱CS日本につきましてはそれぞれ衛星基幹放送の業務の認定を受けており、放送法等の法令による規制を受けています。

 所定の事態が生じた場合における総務大臣の権限として、衛星基幹放送に関しては放送法の「業務の停止」(第174条)や「認定の取り消し等」(第103条、第104条)、地上基幹放送に関しては電波法の「電波の発射の停止」(第72条)や「無線局の免許の取り消し等」(第75条、第76条)を、定めております。将来にわたるテレビ放送事業の継続は、当社グループの存立をも左右する問題であり、当社グループといたしましては、そのような事態が生じることのないよう常に心がけ、放送の社会的使命を果たしていく所存です。しかしながら、仮に放送事業の免許や認定の取り消し等を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

③情報資産保護の取り組みについて

 当社グループは、業務に関連して保有する全ての情報を重要な資産ととらえ、その保護の取り組みを強化するために平成27年6月に「情報保護推進事務局」と「サイバーセキュリティ推進事務局」を当社及び当社の連結子会社である日本テレビ放送網㈱に新設いたしました。2つの事務局を軸にして情報資産保護に関する全社的なルールを構築して社内への周知・徹底を図るとともに、標的型攻撃への対処法を始めとした複数の研修を実施するなど情報セキュリティの高度化を進めております。

また、当社グループは、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)に基づき、個人情報保護に係る義務等を遵守することも情報資産保護の一環と認識しています。当社グループが保有する個人情報は、テレビ放送事業における番組出演者情報や視聴者情報、通販事業やVOD事業、生活・健康関連事業における顧客情報などで、個人情報保護に関する規程及び体制の整備や役員及び従業員に対する教育の徹底等により、個人情報保護に万全を期しております。

 しかしながら、日本テレビ放送網㈱のホームページに平成28年4月20日午後、不正アクセスがあり、一部番組の応募フォームなどから投稿された視聴者の氏名や住所、メールアドレスなどの個人情報約43万件が外部に流出した可能性があります。同社は翌21日にこの事実を公表するとともに、外部の情報セキュリティ専門家を含めた社内調査委員会を設置し原因究明を進めています。

 当社グループといたしましては、今後、さらに高度なセキュリティ対策を講じてまいりますが、これらの対策を超える新たなハッキングその他の不正なアクセス、コンピュータウィルスへの感染、あるいは意図せぬ何らかの人為的な誤処理等により、顧客情報等の個人情報が紛失・漏洩した場合、顧客の経済的損害に対する損害賠償等が発生する可能性があります。加えて、当社グループが社会的信用を失うことによる事業環境の悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

④コンプライアンスについて

 当社グループの社員や協力スタッフによる不祥事、放送事故、不適切な内容の放送、番組制作過程でのトラブル、開示情報における瑕疵、下請代金支払遅延等防止法(以下、「下請法」という。)のもとで起こり得るトラブル等、当社グループが責任を持って防止すべき分野は多岐に亘っています。

 当社グループは、内部監査部門の機能強化、「日本テレビ・コンプライアンス憲章」の制定等による危機管理対策を実施しています。また、代表取締役を委員長とする「内部統制委員会」及び「危機管理委員会」を設置し、「内部統制委員会」において全社的なリスク管理を行い、「危機管理委員会」において新たに生じた危機について迅速に対処しています。

 下請法への対応につきましては、担当部署を設置して定期的な研修を行う等、それぞれ十分な配慮を注ぐと共に、リスクの回避を図っています。

 この他、当社グループでは「インサイダー取引防止規程」の見直しを適宜行い、「自社株取引の事前届出制度」「取引先・取材先等株式の短期売買の禁止」「当社及び他社の内部情報管理」等についての規定を定め、当社グループ役職員等への研修実施により、意識の徹底を図っています。

 このように当社グループは不祥事やトラブルへの対策を可能な限り講じていますが、それでもなお不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5)当社株式の取得及び保有に関するリスク

①外国人等が取得した株式の取扱い等について

 当社は、放送法で定める外国人等((ⅰ)日本の国籍を有しない人、(ⅱ)外国政府又はその代表者、(ⅲ)外国の法人又は団体、(ⅳ)前記(ⅰ)から(ⅲ)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体)(以下「外国人等」という。)の有する当社の議決権について、(ⅰ)から(ⅲ)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合とこれらの者により上記(ⅳ)に掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省令で定める割合とを合計した割合が20%以上となる場合には、放送法によって認定放送持株会社の認定が取り消されることとなります。
 なお、そうした状態に至るときには、放送法第161条第1項及び同条第2項が準用する同法第116条第2項に基づいて、外国人等の氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することを拒むことができ、また、同法第161条第2項が準用する同法第116条第3項によりその議決権行使は制限されることとなります。

 

②当社株式の大量買付について

 株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社は、平成28年5月13日開催の取締役会、及び同年6月29日開催の第83期定時株主総会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号に規定されるものをいう。)に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(会社法施行規則第118条第3号ロ(2))として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)に所要の修正を行った上でこれを更新いたしました。
 当社では、グループとして企業価値の確保・向上に努めておりますが、特に、認定放送持株会社である当社の企業価値の源泉は、傘下の子会社、関連会社を含む当社グループが有する卓越したコンテンツ制作力にあります。こうしたコンテンツ制作力の根幹にあるのは、主に、「優秀な人材の確保・育成」「コンテンツ制作に携わる外部の関係者との信頼関係の維持」「ネットワーク各社との協力・信頼関係の維持」「中長期的な視野に立って高品質のコンテンツを作り上げることを推奨する企業文化の維持」「安定した業績及び財務体質の維持」「傘下に複数の放送事業者を持つ認定放送持株会社としての公共的使命を全うすること」等です。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになり、経営に大きな影響を与えるリスクがあります

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  当社グループは公共の資源である電波を預かる放送事業者として、多様化する視聴者ニーズに応えるため、4K・8Kなど最新のコンテンツ制作技術やハイブリッドキャストなどの放送通信連携サービスに関する技術など、幅広く新技術の研究開発に取り組んでおります。当社グループの研究開発は、主に日本テレビ放送網㈱の技術統括局技術開発部において高度な専門性を有する研究スタッフにより日々行われております。

 

コンテンツビジネス事業の研究開発項目は、以下の4つを主要テーマとしております。

  ①放送システムに関する研究開発

(4Kスタジオや4Kマスターの研究、リアルタイム字幕制作システムの開発など)

  ②番組制作に関する研究開発

(4K・8K番組制作技術の研究、バーチャルスタジオ用カメラトラッキング技術、マルチコプターの放送利用に関する研究、全天周動画ライブ配信システムの研究など)

  ③IP技術の放送応用に関する研究開発

(IPネットワークによる番組素材伝送、番組コンテンツのファイル化及びメタデータの活用に関する研究など)

  ④新しいビジネス展開に向けた研究開発

(テレビを利用した分散コンピューティング技術の開発、多機能ロボットとテレビの連携に関する研究、自由視点による楽器演奏視聴及び練習装置の開発など)

 

 当連結会計年度におけるコンテンツビジネス事業の研究開発費は2億5千5百万円であり、主な研究開発の成果は以下のとおりです。

①平成30年開始予定の4K・8K実用放送に備えて4Kスタジオや4Kマスター構築検討のための実験環境整備を行い、HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)映像などの新しい技術に関する研究を進めております。また、次世代放送推進フォーラム(現放送サービス高度化推進協会)技術委員会規格検討ワーキンググループで行われている運用規定のドラフティング作業に積極的に従事し、次世代放送の技術的推進に貢献しております。

②スポーツ番組などの生放送での字幕制作を行うためのリアルタイム字幕制作設備の更新にあたり、「わんこそば方式」と呼ばれる日本テレビ独自のシステムをさらに改良したものを開発し、番組字幕付与率の向上に寄与しております。

③ハイブリッドキャスト2.0によって実現した、放送と連動したMPEG‐DASH方式による4K動画の同時視聴についての研究を進め、ハイブリッドキャストの新たな活用法として技術展示会(デジテク2016)で紹介しました。

④メーカーと共同で、4K映像の圧縮伸長による画質劣化をリアルタイムに定量的な評価を行う装置を開発いたしました。この装置は、HEVC特有の画質劣化の検出や、HDR、広色域に特有な注視点の変化も考慮し、画質主観評価との相関を高めており、関連する技術についての特許を申請しております。

⑤ハイブリッドキャストを利用した分散コンピューティング技術を開発いたしました。この技術は、テレビ受信機の計算資源を通信回線経由で集約し、膨大な計算量を必要とする課題の実行を可能とする技術であり、関連する技術については特許を申請しております。

 

 これらの研究開発と共に、特許取得や放送機器メーカーなどとの共同開発契約に係る業務を行っております。これまでに開発した機器には、メーカー・ベンダーを通じて販売されているものが多数あり、平成27年度はそれらによる3百万円の技術供与収入を得ています。また、当連結会計年度におきまして、新たに8件の特許出願を行っております。なお、「2次元コード画像表示方式、データ放送システム及びプログラム」、「放送システム、および放送方式」、「送信所特定装置、送信所特定方法、及びプログラム」の3件が特許登録となりました。

 

 社外からの評価としては、以下のように各方面から高い評価をいただきました。

  ①「第91回箱根駅伝」におけるコース解説CG映像に用いた「フォトグラメトリー技術を用いた3DCGモデル生成手法のOA利用」が第68回映画テレビ技術協会 映像技術賞 OAGを受賞

  ②「放送事業者用連絡無線音声改善技術の開発」が2015年度 民放連盟賞 技術部門賞、第41回放送文化基金賞 個人グループ部門/放送技術を受賞

 

 なお、生活・健康関連事業及び不動産賃貸事業に係る研究開発活動は行っておりません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

以下は、本有価証券報告書における「事業の状況」及び「経理の状況」などに記載している当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する情報の考察及び分析です。この考察及び分析には、将来のリスクや不確実性などを伴う将来の予測に関する記載を含んでおり、実際の結果は予測と異なる可能性があります。このような不確実性に関する要素は「第2[事業の状況]4[事業等のリスク]」に記載しておりますが、これに限定されるものではありません。なお、将来の予測に関する事項は全て、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

  (1)経営成績の分析

①営業損益

 売上高は、前連結会計年度に比べ522億8千3百万円(+14.4%)増収の4,147億8千万円となりました。また、売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前連結会計年度に比べ414億8千7百万円(+13.0%)増加の3,616億2百万円となり、この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ107億9千5百万円(+25.5%)増益の531億7千8百万円となりました。

 

ア.コンテンツビジネス事業

(売上高)                       (営業利益)

0102010_002.png

 コンテンツビジネス事業の売上高は、地上波テレビ広告収入が好調な視聴率を背景に伸長したことや、動画配信を始めとするコンテンツ販売収入、出資映画・美術展による興行収入、パッケージメディア販売などの物品販売収入がいずれも増収になったことから、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ252億3千7百万円(+7.2%)増収の3,739億7千万円となりました。営業費用は、コンテンツビジネス事業の増収に伴い費用が増加したことから、前連結会計年度に比べ153億2千9百万円(+4.9%)増加の3,251億7千2百万円となりました。この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ99億7百万円(+25.5%)増益の487億9千7百万円となりました。

 

<日本テレビ(地上波)の年度平均視聴率及び在京キー局5社における順位>

 

平成25年度

平成25年4月 1日~

平成26年3月30日

平成26年度

平成26年3月31日~

平成27年3月29日

平成27年度

平成27年3月30日~

平成28年4月 3日

全日帯

(6:00~24:00)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.1%

1位

 

8.6%

1位

 

8.5%

1位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プライム帯

(19:00~23:00)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.0%

2位

 

12.7%

1位

 

12.2%

1位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールデン帯

(19:00~22:00)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12.1%

1位

 

12.8%

1位

 

12.4%

1位

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(㈱ビデオリサーチ調べ:関東地区世帯視聴率)

<日本の地上波テレビ広告費(暦年)>

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イ.生活・健康関連事業

(売上高)                       (営業利益)

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 平成26年12月25日付で連結子会社化した㈱ティップネスによる施設利用料収入、物品販売収入などが通期にわたり計上されたことにより、生活・健康関連事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ277億9千4百万円(+324.5%)増収の363億6千万円となり、営業利益は11億9千6百万円(前連結会計年度は営業損失1億3千1百万円)となりました。

 

ウ.不動産賃貸事業

 (売上高)                        (営業利益)

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 汐留及び麹町地区のテナント賃貸収入を始めとする不動産賃貸事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前連結会計年度に比べ4億8千7百万円(△4.7%)減収の98億8千8百万円となり、営業利益は前連結会計年度に比べ2億9千1百万円(△7.3%)減益の37億2千3百万円となりました。

 

 なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」に記載しております。

 

②営業外損益及び経常利益

当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益が減少したことなどにより、54億7千万円(△20.3%)となりました。また、営業外費用は、支払利息が増加したことなどにより、8億5千7百万円(+56.3%)となりました。

この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ90億9千5百万円(+18.7%)増益の577億9千1百万円となりました。

 

③特別損益及び税金等調整前当期純利益

当連結会計年度における特別利益は、受取補償金9億2千2百万円を計上したことなどにより、9億6千7百万円となりました。また、特別損失は、減損損失23億2千1百万円を計上したことなどにより、29億6千万円となりました。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ80億5千8百万円(+16.9%)増益の557億9千8百万円となりました。

 

④税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、187億4千2百万円(+6.2%)、非支配株主に帰属する当期純利益は1億7千2百万円となりました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ64億1千6百万円(+21.1%)増益の368億8千3百万円となりました。

(2)財政状態の分析

①資産の部

流動資産は、公社債の償還による有価証券の減少や、未収還付法人税の計上によるその他流動資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ6億4千万円増加し、2,609億1千9百万円となりました。

固定資産は、麹町新スタジオ棟着工による建設仮勘定の増加や、公社債の購入による投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末に比べ140億9千6百万円増加し、5,089億4千3百万円となりました。

上記の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ147億3千7百万円増加し、7,698億6千3百万円となりました。

②負債の部

流動負債は、設備関連の未払金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ48億3千1百万円減少し、949億3千万円となりました。

固定負債は、保有する投資有価証券の時価が下落したことに伴う繰延税金負債の減少などにより、前連結会計年度末に比べ51億3千万円減少し、717億5千5百万円となりました。

以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ99億6千2百万円減少し、1,666億8千6百万円となりました。

③純資産の部

純資産は、当連結会計年度において、保有する投資有価証券の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が減少した一方、株主配当による純資産の減少を上回る親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ246億9千9百万円増加し、6,031億7千7百万円となりました。

なお、主要な自己資本比率の推移は下記のとおりであります。

 

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

80.0

79.6

75.3

77.0

時価ベースの自己資本比率(%)

60.0

66.3

67.2

61.2

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における、現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末に比べ26億6千6百万円増加し、992億4百万円となりました。詳細につきましては、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

なお、主要なキャッシュ・フロー指標の推移は下記のとおりであります。

 

 

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

4.8

4.8

84.2

61.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

3,841.6

4,834.3

191.9

66.9

 

②財務政策

当社グループ及びメディア・コンテンツビジネス業界を取り巻く諸環境や金融情勢等を総合的に勘案し、それぞれの時点において最も有利で最適と考えられる資金調達を行う方針です。

 

(4)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成には、予想される将来のキャッシュ・フローや経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告されている数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。しかしながら、実際の結果は見積りに内在する不確定要素により、経営者による見積りと異なる結果となる場合があります。

経営者による見積りを要する主な会計方針及びそこに内在する見積り要素は下記のとおりであります。

ⅰ)債権の回収可能性を見積もることにより、その回収可能額を評価する貸倒引当金

ⅱ) 将来における回収可能性を見積もることにより評価するたな卸資産、番組勘定

ⅲ) 将来の課税所得発生の可能性を見積もることにより評価する繰延税金資産

ⅳ) 従業員の将来における退職給付債務を、長期的な金利水準、将来の給付水準、退職率等といった様々な不確定要素を見積もることにより認識する退職給付に係る負債

ⅴ) 固定資産の将来における回収可能性を見積もることにより評価する減損会計の適用