(1)業績
① 概況
■業界動向と当社の状況
日本の情報通信市場は、携帯電話からスマートフォンやタブレット等の「スマートデバイス」への移行が進む中、携帯電話事業者が提供するサービス等の同質化やMVNO各社による格安SIMサービス等の普及が進んでいます。また、通信事業者は新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大しており、各社の事業戦略は異業種との競争も見据えた大きな転換期にあります。さらに、総務省による「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」を踏まえた携帯電話事業者への要請及びガイドラインの施行等の制度面の変化、IoTや人工知能(AI)等のテクノロジーの発展もあり、情報通信市場全般の事業環境は新たな局面を迎えています。
このような状況の下、当社は、お客さまにお選びいただける企業となるため、「お客さま視点」と「革新」をキーワードに、お客さまの期待を超える「お客さま体験価値を提供するビジネスへの変革」を目指しています。
国内では、非通信領域において成長軸を確立するために、通信企業からライフデザイン企業への変革を目指しています。従来の通信サービスに加え、コンテンツ・決済・物販・エネルギー・金融サービス等を「ライフデザイン」として総合的に提供することで、auのお客さま基盤上に非通信領域での新たな経済圏である「au経済圏」を最大化していきます。本年1月には、株式会社ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」)との協業で運営してきた「auショッピングモール」と、DeNAが運営してきた「DeNAショッピング」を統合し、新ブランド「Wowma!」として提供を開始しました。
通信領域においては、スマートフォン・タブレットの普及やIoTに対する取り組みの強化、様々なデバイスの連携による新たな体験価値の創造等への取り組みを本格的に推進することで、「au通信ARPA(Average Revenue Per Account)」と「付加価値ARPA」の拡大を図り、「auのお客さま数×総合ARPA」を最大化していきます。また、UQコミュニケーションズ株式会社や株式会社ジュピターテレコム、本年1月に完全子会社化したビッグローブ株式会社(以下「ビッグローブ」)においてMVNO事業を推進しており、今後はau+MVNOベースでの「モバイルID数」の拡大を図ってまいります。
海外では、連結子会社のKDDI Summit Global Myanmar Co., Ltd.がミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)と共同で行っているミャンマー通信事業を当社のグローバル事業における柱となるように注力していくとともに、昨年3月に連結子会社化したモンゴル国内携帯電話契約者シェアNo.1の総合通信事業者MobiCom Corporation LLC(以下「モビコム」)について、昨年5月に導入したLTEを契機に、さらなる成長を目指しています。また、新興国での事業に加え、データセンターをはじめとした法人向けICTビジネスにおいても、継続して基盤強化を行い、グローバル事業の拡大を図っています。
■連結業績
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 自 2015年4月1日 至 2016年3月31日 |
2017年3月期 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 |
比較増減
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増減率(%)
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売上高 |
4,466,135 |
4,748,259 |
282,124 |
6.3 |
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売上原価 |
2,540,338 |
2,669,678 |
129,340 |
5.1 |
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売上総利益 |
1,925,797 |
2,078,582 |
152,785 |
7.9 |
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販売費及び一般管理費 |
1,107,573 |
1,173,562 |
65,989 |
6.0 |
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その他の損益(△損失) |
9,188 |
5,202 |
△3,986 |
△43.4 |
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持分法による投資利益 |
5,170 |
2,755 |
△2,416 |
△46.7 |
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営業利益 |
832,583 |
912,976 |
80,394 |
9.7 |
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|
金融損益(△損失) |
△17,789 |
△11,562 |
6,227 |
- |
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その他の営業外損益 |
3,616 |
△5,517 |
△9,133 |
- |
|
|
税引前当期利益 |
818,410 |
895,897 |
77,487 |
9.5 |
|
|
法人所得税費用 |
251,495 |
253,282 |
1,787 |
0.7 |
|
|
当期利益 |
566,914 |
642,615 |
75,701 |
13.4 |
|
|
親会社の所有者 |
494,878 |
546,658 |
51,780 |
10.5 |
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|
非支配持分 |
72,036 |
95,957 |
23,921 |
33.2 |
当期の売上高は、モバイル通信料収入や「auでんき」の提供開始に伴う電力小売販売収入の増加に加え、昨年3月に連結子会社化したジュピターショップチャンネル株式会社(以下「ショップチャンネル」)の影響等により、4,748,259百万円(前年同期比 6.3%増)となりました。
営業利益は、電力小売販売原価や減損損失の増加に加え、ショップチャンネルの連結子会社化に伴う費用の増加があったものの、端末販売原価や販売手数料等の減少により912,976百万円(同 9.7%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加等により、546,658百万円(同 10.5%増)となりました。
② セグメント別の状況
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パーソナルセグメント |
パーソナルセグメントでは、国内における個人のお客さまを対象に、モバイル・固定通信サービスを中心に提供しています。主に「au」ブランドによるモバイル通信サービスの提供、様々な種類のスマートフォン・タブレット等マルチデバイスの販売に加え、固定通信では、インターネット、電話、TVサービスが快適にご利用いただける「auひかり」ブランドのFTTHサービスや、CATVサービス等を提供しています。また、当社グループが提供するマルチネットワークにWi-Fiを有機的に組み合わせることで、高品質な社会インフラを効率的に作り上げ、シームレスな通信環境を提供しています。
当期は、通信領域において、引き続きauケータイ・スマートフォン等と固定通信サービスのご契約により毎月のau携帯電話のご利用料金が割引になる「auスマートバリュー」を軸としたモバイル・FTTH・CATVサービスの拡販と提携事業者の拡大に努め、拡大するMVNO市場においては、連結子会社のUQコミュニケーションズ株式会社によるau回線を利用したUQ mobile(MVNO)サービスを中心に、お客さま数の拡大を目指しました。
非通信領域においては、「ライフデザイン企業」への変革を目指し、お客さまとauをつなぐ最大のタッチポイントであるauショップを活用した物販サービス「au WALLET Market」の拡大に加え、「auでんき」の提供、「au STAR」会員専用ポイント交換サイトの提供等「au経済圏」の最大化に取り組みました。
パーソナルセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 自 2015年4月1日 至 2016年3月31日 |
2017年3月期 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 |
比較増減
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増減率 (%) |
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売上高 |
3,503,255 |
3,632,969 |
129,715 |
3.7 |
|
営業利益 |
656,584 |
711,087 |
54,503 |
8.3 |
当期の売上高は、モバイル通信料収入の増加に加え、「auでんき」や「au WALLET Market」などのライフデザイン事業の収入の増加等により、3,632,969百万円(前年同期比 3.7%増)となりました。
営業利益は、電力小売販売原価や減損損失等が増加したものの、端末販売原価や販売手数料等の減少により、711,087百万円(同 8.3%増)となりました。
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バリューセグメント |
バリューセグメントでは、「ライフデザイン企業」への変革を目指し、「au経済圏の最大化」と「新規事業領域でのビジネス拡大」に向け、コンテンツ・決済等の付加価値サービスを提供し、様々な取り組みを推進しています。
当期は、コマース事業・金融事業の強化により、流通総額・付加価値ARPAの拡大に努めました。auかんたん決済の拡充に加え、本年1月には、DeNAとの協業で運営してきた「auショッピングモール」と、DeNAが運営してきた「DeNAショッピング」を統合し、新ブランド「Wowma!」としてリニューアルしました。
また、IoTの急速な普及に備え、クラウド関連事業に強みを持つアイレット株式会社を連結子会社化、さらにデータ分析分野の強化を目的に、アクセンチュア株式会社との合弁を前提に株式会社ARISE analyticsを設立しました。今後、クラウド開発とデータ分析をKDDIグループの強みとして、様々なパートナー企業との協業ビジネスを推進していきます。
その他、「auスマートパス」の上位サービスとして、「auスマートパスプレミアム」を開始しました。曜日毎に異なる特典がある「auエブリディ」や、端末破損時の「復旧サポート」により、「おトク」「安心」をさらに強化することで、お客さま体験価値向上に努めています。
バリューセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 自 2015年4月1日 至 2016年3月31日 |
2017年3月期 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 |
比較増減
|
増減率 (%) |
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|
||||
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||||
|
売上高 |
271,763 |
451,058 |
179,295 |
66.0 |
|
営業利益 |
73,028 |
95,894 |
22,866 |
31.3 |
当期の売上高は、ショップチャンネルの連結子会社化の影響や「auスマートパス」等の利用の増加により、451,058百万円(前年同期比 66.0%増)となりました。
営業利益は、ショップチャンネルの連結子会社化に伴う費用が増加したものの、売上高の増加により、95,894百万円(同 31.3%増)となりました。
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ビジネスセグメント |
ビジネスセグメントでは、大企業から中小企業まで幅広い法人のお客さまを対象に、スマートフォン・タブレット等のモバイル端末の提供や、ネットワーク・アプリケーション・クラウド型サービス等の多様な法人向けソリューションを提供しています。また、中小企業のお客さまについては、連結子会社のKDDIまとめてオフィスグループによる地域に密着したサポート体制を全国規模で構築しています。
当期は、法人のお客さまに対するIoTクラウドサービス・IoT向け回線サービスの提供や、トヨタ自動車株式会社と共同で、「つながるクルマ」に必要なグローバル通信プラットフォームの構築を推進する等、モノとインターネットがつながる、IoT時代の到来を踏まえ、KDDIグループの総力をあげてその取り組みを強化しました。
今後も、法人のお客さまのビジネスの発展・拡大に一層貢献し、お客さまから真の事業パートナーとしてお選びいただけることを目指して、事業の変革に取り組んでいきます。
ビジネスセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 自 2015年4月1日 至 2016年3月31日 |
2017年3月期 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 |
比較増減
|
増減率 (%) |
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||||
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||||
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売上高 |
632,032 |
637,334 |
5,301 |
0.8 |
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営業利益 |
61,436 |
72,099 |
10,663 |
17.4 |
当期の売上高は、通信料収入が減少しているものの、ITアウトソース等のソリューション売上や端末販売収入等の増加により、637,334百万円(前年同期比 0.8%増)となりました。
営業利益は、ソリューション機器原価や販売手数料等が増加したものの、通信設備使用料等の減少により、72,099百万円(同 17.4%増)となりました。
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グローバルセグメント |
グローバルセグメントでは、ミャンマーをはじめとする新興国等におけるコンシューマビジネスに積極的に取り組むとともに、法人のお客さまに対しては、接続性の高いデータセンター「TELEHOUSE」を核としたICTソリューションをワンストップで提供しています。さらに、世界600以上の通信事業者との間で音声及びデータビジネスを展開しています。
当期は、成長の柱として、コンシューマビジネスを中心に規模拡大を追求するとともに、ICTソリューションビジネスや通信事業者との音声及びデータビジネスで堅実かつ安定的な成長に取り組んできました。ミャンマー通信事業においては、通信ネットワークのエリア拡大に加え、昨年10月に一部の屋内エリアで2.1GHz帯での4G LTEサービスを開始しました。また、TELEHOUSE EUROPEは、英国ロンドン市内で、最新技術を導入した新しいデータセンター「TELEHOUSE LONDON Docklands North Two」を昨年11月に全面開業しました。
グローバルセグメントにおける、当期の業績概要等は以下のとおりです。
■業 績
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 自 2015年4月1日 至 2016年3月31日 |
2017年3月期 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 |
比較増減
|
増減率 (%) |
|
|
||||
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売上高 |
294,409 |
277,204 |
△17,205 |
△5.8 |
|
営業利益 |
32,145 |
24,157 |
△7,988 |
△24.9 |
当期の売上高は、円高の影響に加え、前年より継続実施している米国コンシューマ事業での採算性の低い事業の整理による収入減少等により、277,204百万円(前年同期比 5.8%減)となりました。
営業利益は、売上高の減少等により、24,157百万円(同 24.9%減)となりました。
*社名及び商品名は、それぞれ各社の登録商標または商標です。
(2)キャッシュ・フローの状況
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 |
2017年3月期 |
比較増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
884,538 |
1,161,074 |
276,536 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△667,917 |
△637,225 |
30,692 |
|
フリー・キャッシュ・フロー ※ |
216,621 |
523,849 |
307,228 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△299,003 |
△485,784 |
△186,781 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△1,848 |
△3,545 |
△1,697 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△84,230 |
34,520 |
118,751 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
276,317 |
192,087 |
△84,230 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
192,087 |
226,607 |
34,520 |
※ フリー・キャッシュ・フローは「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計であります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益895,897百万円、減価償却費及び償却費545,194百万円、法人所得税の支払256,066百万円、営業債権及びその他の債権の増加171,903百万円等により1,161,074百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出338,749百万円、無形資産の取得による支出180,823百万円、子会社の支配獲得による支出61,711百万円等により637,225百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払185,430百万円、自己株式の取得による支出100,000百万円、社債償還及び長期借入返済による支出74,963百万円等により、485,784百万円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較し、34,520百万円増加し、226,607百万円となりました。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
a.連結の範囲
ワイヤレスブロードバンドサービスを行っているUQコミュニケーションズ(株)(以下「UQ」)については、議決権の32.3%を所有しているため、日本基準においては持分法を適用しておりました。一方、当社はUQの筆頭株主であること、UQの取締役会の構成員の過半数であり、代表権は当社からの取締役が有していること、また、UQの事業活動は当社に大きく依存していることから、当社は取締役会等を通じてUQにパワーを有しております。よって、IFRSの適用にあたり、UQ設立当初から実質的に支配していると判定し、子会社として連結しております。
上記の影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて資産合計が101,090百万円増加、負債合計が4,340百万円増加、資本合計が96,750百万円増加しております。また、売上高が39,654百万円増加、営業利益が49,268百万円増加しております。
b.収益認識
当社グループが携帯端末の代理店に対して支払う手数料のうち、携帯端末の販売に関する部分について、日本基準では発生時に費用として認識しておりましたが、IFRSでは携帯端末の販売時点で、手数料の将来発生見込額を収益から控除しております。なお、これに伴い、期末の棚卸資産の評価にあたって、IFRSでは、手数料の将来発生見込額を正味実現可能価額の金額に反映させております。
この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて売上高が123,503百万円減少し、売上原価、販売費及び一般管理費が129,291百万円減少しております。
c.のれん(関連会社に対する投資を含む)
当社グループは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的にのれんを償却しておりましたが、IFRSではのれんを償却せずに毎期減損テストを行っております。同様に、持分法で会計処理されている投資に関連するのれんは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しておりましたが、IFRSでは規則的な償却はせずにのれんを含む関連会社に対する投資全体について、減損している客観的証拠がある場合、減損テストを実施しています。
この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が26,180百万円減少しております。
d.有形固定資産の減価償却
有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、日本基準では主として定率法を採用しておりましたが、IFRSでは減価償却方法の見直しを行い、定額法を採用しております。
この影響により、当連結会計年度において、IFRSでは日本基準に比べて売上原価、販売費及び一般管理費が10,666百万円増加しております。
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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パーソナル |
3,632,969 |
3.7 |
|
バリュー |
451,058 |
66.0 |
|
ビジネス |
637,334 |
0.8 |
|
グローバル |
277,204 |
△5.8 |
|
その他 |
176,513 |
1.8 |
|
セグメント間の内部売上高 |
△426,818 |
- |
|
合計 |
4,748,259 |
6.3 |
(注)1.金額は外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高の合計であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
・信頼性の高いネットワーク、付加価値の高い商品・サービスの提供を通じ、世界中の人々に感動、安心、幸せ、感謝の笑顔をお届けできるような企業を目指してまいります。
・全てのステークホルダーの皆さまの満足度を高めるTCS(トータル・カスタマー・サティスファクション)活動を推進してまいります。
・キャッシュ・フローを重視し、株主・投資家の皆さまにとって魅力ある企業となるべく努力してまいります。
・効率的な設備投資と各種経費削減の徹底等により、財務体質の健全化に努めてまいります。
・情報管理・コンプライアンス遵守を徹底し、リスク管理体制の整備強化を推進してまいります。
・地球環境との調和を重視し、人間性あふれる豊かな社会をつくるため、省エネルギー・省資源、リサイクル、グリーン購入等、積極的に環境保全活動に取り組んでまいります。
・安全で快適な情報通信サービスの提供を通じ、あらゆる社会経済活動を支えていくことをCSR活動の基本とし、豊かなコミュニケーション社会の発展に積極的に貢献してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
通信業界においては、競合各社によるモバイルと固定通信のセット型割引サービスの販売開始等もあり市場の同質化が進む一方で、MVNO各社による格安SIMサービス等の普及が拡大する等、事業環境が大きく変化しております。また、競争軸も、これまでの通信分野から、その周辺、さらには通信以外の分野も含む広い領域にシフトしており、従来の通信会社に加え異業種との競争の時代に入っております。今後、あらゆる産業分野がかかわるIoTが進展すると、この動きはより一層加速すると思われます。
このような事業環境の変化に迅速に対応しながら、持続的な成長を実現していくため、以下のとおり2016年度からの3年間における新たな中期目標を策定しております。
■事業運営方針
「お客様体験価値を提供するビジネスへの変革」
あらゆるお客様接点において、お客様の期待を超える体験価値を提供するビジネスへと変革してまいります。
■事業戦略
「国内通信事業の持続的成長」に加えて、新たな成長軸の確立に向けて「au経済圏の最大化」と「グローバル事業の積極展開」を目指してまいります。
■財務目標(目標とする経営指標)
持続的な利益成長と株主還元強化の両立を目指してまいります。
2016年度から2018年度に向けての中期目標は以下のとおりです。
(利益成長目標)
・連結営業利益 CAGR(年平均成長率) 7%
・au経済圏流通総額 2兆円超
・成長に向けたM&A 3年間累計 5,000億円規模
(株主還元目標)
・配当性向は、従来の「30%超」から「35%超」へ
・成長投資とのバランスにより、自己株式取得を実施
・自己株式数は、発行済株式総数の5%を目安とし、超過分は消却。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは新たな事業戦略に沿って、持続的な成長に向けた課題への取り組みを以下のとおり進めてまいります。
■国内通信事業の持続的成長
当社の事業基盤である国内通信事業においては、「ID×ARPA」の最大化による持続的成長を目指してまいります。「ID×ARPA」の最大化に向けては、「au」に加え、au回線を中心としたMVNOの活用により、当社グループの「モバイルID数」の増加を目指してまいります。主力サービスの「au」においては、お客様の体験価値向上を通じて、「au」をお客様から選んでいただけるブランドに高めてまいります。
■au経済圏の最大化
従来の通信サービスに加え、コンテンツ・決済・物販・エネルギー・金融サービス等を「ライフデザイン」として総合的に提供することで、国内通信事業の基盤を生かしながら、相乗効果を発揮し、「au経済圏」の拡大を目指してまいります。
当社は「au WALLET Market」や「Wowma!」等において、物販サービスを実施しておりますが、強みであるお客様基盤とauショップ等のお客様接点を生かし、さらに各サービスとの連携を強化してまいります。「auでんき」等エネルギービジネスへの参入や、金融事業の確立等もあわせ、WALLETポイントをベースとする「au経済圏」の循環モデルを構築してまいります。
■グローバル事業の積極展開
ミャンマーやモンゴル等、新興国の通信事業においては、当社がこれまで国内外で培った事業経験と技術力を生かし、同国の経済や産業の発展及び国民生活の向上に貢献するとともに、当社のグローバル事業における柱となるよう注力してまいります。
また、データセンターをはじめとした法人向けICTビジネスにおいても、継続して基盤強化を行い、グローバル事業の拡大を図ってまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、現時点では必ずしもリスクとして認識されない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、当社は、これらのリスクによる問題発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適時適切な対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意ください。
(1)他の事業者や他の技術との競争、市場や事業環境の急激な変化
日本の情報通信市場は、携帯電話からスマートフォンやタブレット等の「スマートデバイス」への移行が進む中、携帯電話事業者が提供するサービス等の同質化やMVNO各社による格安SIMサービス等の普及が進んでおります。また、通信事業者は新たな収益の確保に向けて通信以外のサービスへ事業領域を拡大しており、各社の事業戦略は異業種との競争も見据えた大きな転換期にあります。さらに、総務省による「スマートフォンの料金負担の軽減及び端末販売の適正化に関する取組方針」を踏まえた携帯電話事業者への要請及びガイドラインの施行等の制度面の変化、IoTや人工知能(AI)等のテクノロジーの発展もあり、情報通信市場全般の事業環境は新たな局面を迎えています。
このような状況の下、他の事業者や他の技術との競争、市場や事業環境の急激な変化により、主に以下の事項に不確実性が存在し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループの期待通りの需要が存在するかどうか
・当社グループの期待通りに契約数を維持拡大できるかどうか
・新規事業への参入等により期待通りの収入をあげられるかどうか
・競争激化に伴う料金値下げによる通信料収入の低下、販売コミッションやお客様維持コストの増大
・契約者のサービス利用頻度が下がることによる通信料収入の低下
・不測の事態が発生した場合であってもネットワーク及びコンテンツの品質等がお客様の満足度を維持できるかどうか
・他の事業者と比較して、常により魅力のある端末やコンテンツ等の商品、サービスを提供できるかどうか
・物販事業拡大に伴う商品不具合への対応
・端末の高機能化等に伴う端末価格の上昇、販売コミッションの増加
・迷惑メール、主にスマートフォンのセキュリティ脆弱性がもたらす脅威によるお客様満足度の低下や防止対応コストの増加
・新周波数対応による基地局建設やデータトラフィック急増に伴うネットワークコストの増加
・当社の必要に応じた周波数を獲得できるかどうか
・新たな高速データ無線技術による競争激化
・通信方式、端末、ネットワーク、ソフトウェア等における特定技術への依存による影響
・無料通話アプリ等の拡大に伴う音声通話料収入の縮小
・他の電気通信事業者との接続料金値上げの可能性
・異業種との提携、通信と電力等のその他商品とのセット販売、MVNO事業者の新規参入、他事業者の事業領域の拡大等の事業環境の変化に伴う競争の激化
(2)通信の秘密及び顧客情報(個人情報・法人情報)の保護
当社は電気通信事業者として通信の秘密の保護を遵守するとともに、顧客情報保護に関して、情報セキュリティ委員会を設置して内部からの情報漏洩防止、及び外部ネットワークからの不正侵入の防止に関わる全社的対応策の策定及び実施に取り組んでおります。
また、「KDDI行動指針」の制定、「KDDIセキュリティポリシー」及び「KDDIプライバシーポリシー」の制定、「顧客情報保護ハンドブック」の配布、企業倫理委員会の設置等、KDDIグループとしてコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。
さらに、顧客情報を管理している顧客情報システムの利用権限の管理、利用監視の強化、アクセスログの保存、社内データの持ち出しや業務パソコンから外部メモリーへのコピーの禁止等、技術的、組織的、人的の観点から各種安全管理措置を強化しております。
これらの啓発活動として、当社全社員に対しては継続的に通信の秘密及び顧客情報の保護に関する教育を行い、また、業務委託先、特に販売店であるauショップに対しても、店舗業務の改善、監査、並びに教育を徹底し、管理強化を図っております。
ただし、将来において情報の漏洩が発生しないという保証はありません。情報の漏洩が発生した場合、当社グ ループのブランドイメージや信頼性の失墜、莫大な補償を伴う可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に通信の秘密及び顧客情報保護体制の整備のため、更なるコストが増加する可能性があります。
(3)自然災害・事故等
当社グループは音声通信、データ通信等のサービスを提供するために、国内外の通信ネットワークシステム及び通信機器等に依存しております。当社グループは自然災害・事故等によるサービスの停止、中断等のリスクを可能な限り低減するため、ネットワークの信頼性向上とサービス停止の防止対策に取り組んでおります。しかし、ネットワークシステムや通信機器の障害などによるサービスの停止や大規模な誤請求・誤課金、販売代理店の閉鎖や物流の停止に伴う商品・サービスの提供機会損失等が発生した場合、当社グループのブランドイメージや信頼性の失墜、顧客満足度の低下により財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのサービスの提供が停止する主な事由として以下のものが考えられます。
・地震及び津波、台風、洪水等の自然災害やそれに伴う有害物質の飛散等の2次災害
・感染症の流行
・戦争、テロ、事故その他不測の事態
・電力不足、停電
・コンピューターウィルス、サイバーアタック、ハッキング
・オペレーションシステムのハード、ソフトの不具合
・通信機器等の製品やサービスに係る欠陥
(4)電気通信等に関する法規制、政策決定等
電気通信をはじめ、電気事業や金融事業等に関する法律、規制の改廃または政策決定等が、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループのブランドイメージや信頼性に悪影響を与える社会的問題を含め、こうした法規制や政策決定等に対して当社グループは適切に対応していると考えておりますが、将来において適切な対応ができなかった場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の競争政策の在り方について、総務省等における様々な審議会や研究会や意見募集等を通じて、他の電気通信事業者等との公正競争を有効に機能させるための措置の必要性を訴えておりますが、この取り組みに関わらず結果として当社の競争優位性が相対的に損なわれた場合にも、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
電気通信等に関する法律、規制の改廃または政策決定や当社グループの競争優位性等の観点で、主に以下の不確実性が存在しています。
・事業者間接続料金の算定方式、会計制度の見直し
・指定電気通信設備制度、禁止行為規制の見直し
・ユニバーサルサービス制度の見直し
・MVNO等による移動通信事業への新規事業者参入
・電波利用ルールの見直し
・NTT東・西の固定電話網のIP網への移行に関するルール
・NTT東・西、NTTグループの事業の在り方に関する規制
・消費者保護に関するルールの見直し
・有害サイトの増加等によるインターネットに対する規制
・携帯電話の利用に対する規制
・携帯電話の料金その他の提供条件に関するルール
・インターネットのサービス品質計測及び広告表示に関するルール
・電気小売の自由化に関するルール
・電波の健康への影響に関する規制
(5)公的規制
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障、さまざまな政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止法、特許、消費者、租税、為替、環境、労働、金融等の法規制の適用を受けております。これらの規制が強化された場合や当社グループ及び業務委託先等において規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限され、コストの増加につながる可能性があります。
(6)訴訟・特許
当社グループの商品、技術またはサービスに関して、知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする訴訟が提訴され、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保・育成
当社グループは、技術革新に即応すべく全社をあげて人材育成に注力しておりますが、期待通りの効果が出るまで一定の期間を要することがあります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。
(8)退職給付関係
当社グループは、確定給付企業年金制度(基金型)及び退職一時金制度(社内積立)を設けており、なお、連結子会社の一部においては確定拠出年金制度を設けております。定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用方針、運用機関の見直しを行っておりますが、今後、当社グループの年金資産の運用利回り低下により年金資産の時価が下落した場合、または、退職給付債務を計算する上での前提条件(割引率、人員構成、昇給率等)が大幅に変更になった場合に損失が発生する可能性があります。
(9)減損会計
当社グループは、当連結会計年度において、通信設備の一部を含む稼働率が低下している資産及び遊休資産等について減損損失を計上しております。なお、将来において、保有する固定資産等の使用状況等によっては、さらに損失が発生する可能性があります。
(10)電気通信業界の再編及び当社グループの事業再編
国内外における電気通信業界の再編は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に当社グループにおいて事業の再編を行う可能性もありますが、この再編が当社グループに好影響を与えるかどうかの保証はありません。
当社は、2016年12月8日開催の取締役会において、日本産業パートナーズ株式会社などから、ビッグローブ株式会社の株式の100%を保有する特別目的会社の全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.企業結合」に記載しております。
当社グループは、ネットワークインフラ、プラットフォーム、端末・アプリケーションの各重点技術分野において、実用的な研究開発と先端的・長期的な研究開発の両面で、研究開発を進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、15,381百万円となりました。なお、当社グループの行っております研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。
研究開発活動の主なトピックスをご紹介します。
1.ネットワークインフラ技術
次世代の移動通信システムである「5G」(以下「5G」)や、今後一層の増加が予想されるデータトラヒックを効率よく通信するためのネットワーク技術に関連する研究開発を推進しています。
5Gでは、高速・大容量・低遅延の通信を実現するため、それらに必要な周波数帯域を確保しやすい高周波数帯の利用が見込まれています。高周波数帯の電波は、低周波数帯と比較して弱まりやすいため電波の方向を絞って遠くまで飛ばす「ビームフォーミング」技術を活用します。しかし、ビームフォーミングにより、ビーム幅が狭くなるため、通信端末の位置を補足し接続すべき基地局を切り替えるハンドオーバーが課題となり、通信端末の位置を正確に把握する技術が必要となります。
2017年2月に、東京都内にて、5Gの周波数帯候補の一つである28GHz帯を用いたハンドオーバーの実証実験を行いました。市街地や高速道路を走行する車とビームフォーミングで通信する複数基地局との間でのハンドオーバーに成功し、走行中において、最大3.7Gbpsのスループットを達成しました。
また、5Gの通信を実現するためには、無線技術だけでなくそれを支えるネットワーク技術や光ファイバー伝送技術の革新も不可欠です。2016年10月に、光ファイバー通信の周波数利用効率を著しく向上する技術を開発し、伝送容量の拡大を実現しました。
従来から、1本の光ファイバーに複数のコア(光信号の伝搬路)を設けて異なる信号を多重伝送するマルチコアファイバーと1つのコアで複数の光信号を多重伝送するマルチモードファイバーを組み合せた「マルチコア・マルチモードファイバー」を用いて、光ファイバー通信の伝送容量拡大を図ってまいりましたが、今回は送受信する光信号に64値直交振幅変調(64QAM)方式を適用することで大幅な改善を実現しました。
今回の実験では、モード依存損失等化技術と新規に開発した光増幅器を組合せて用いることで、64値直交振幅変調(64QAM)方式の課題である雑音の影響を抑え、マルチコア・マルチモードファイバーで64QAM伝送を実現しました。実測で周波数利用効率947bit/s/Hzという、これまでの4相位相変調(QPSK)方式に比較し、周波数利用効率を2倍に向上する伝送実験に成功しました。
2.プラットフォーム技術
ビッグデータを利活用する際のプライバシー情報管理に関する研究開発や、IoT普及時の具体的なサービス提供に必要となる技術の実証実験に取り組んでおります。
その背景として世界的にICTを駆使して、エネルギー・下水道・交通・行政サービスといった生活インフラを効率的に整備・運用するスマートシティの実現に向けた動きが広がっていることがあります。スマートシティの実現には、IoTやビッグデータの活用が不可欠ですが、十分な量のデータ収集や最適な解析手法の構築にかかるコストやプライバシーへの考慮をはじめとする様々な問題が障壁となっています。これらの解消には、既存システムの利活用、データや解析機能の共有、データへのアクセス権付与と適切な開示を行うことが求められます。更に国際間でデータや解析手法を共有する場合には、国家間のプライバシー法制度の違いも考慮することが求められます。
こうした課題を解決し、IoTやビッグデータを活用して生成・蓄積された世界中の付加価値の高い情報の利活用を可能とするものとして、iKaaS(intelligent Knowledge-as-a-Service)プラットフォームの研究開発を進めています。
KDDI総合研究所は、2017年2月より日欧の研究機関と共同で、iKaaSプラットフォームの実用性を検証するため、仙台市の特定地域の屋内外に設置されたセンサー等から取得したデータを利活用する実証実験を開始しました。取得した各種センサーデータ、環境データや気象関連データなど様々なデータを、iKaaSプラットフォームを介してプライバシーなどに配慮しつつ統合して処理することで、仙台市の特定地域の発電量・消費電力を予想し、エネルギーマネージメントの効率化につなげることを目指しています。
IoTの進展に関し、インフラ整備、人材育成など多面的な課題が挙げられています。また、市場・ビジネスモデルの確立も大きな課題として認識されており、自治体やICT各社を中心に多くの実証実験が行われております。KDDI総合研究所では、新しい効率的な漁業モデルの実証とそれに必要なフィールド技術の確立を目指し、一般社団法人東松島みらいとし機構(以下「HOPE」)と、各種センサー、カメラ、通信機能などを搭載したスマートブイを用い、定置網漁業の効率化をめざした実証実験を行いました。
HOPE、KDDI総合研究所等が共同開発したスマートブイを、2016年10月から12月にかけて宮城県石巻湾漁場に設置し、水温や塩分濃度など各種データの取得と解析、漁獲量推定アルゴリズムの検討を進めました。今後は、本実験で得られたデータを用いて、漁業者の出航計画の策定、各種データの関係性の予測、ビジネスモデルなどの検証を行っていく予定です。
3.端末・アプリケーション技術
VR(バーチャルリアリティ)技術は、人気家庭用ゲーム機にも搭載されるなど、本格的な普及期を迎えています。一方で、体験できる場所やコンテンツは、まだアミューズメント施設や一部のゲーム等に限られています。当社は、より幅広いお客さまにVRの体験をいただくことができるよう、カラオケ店での実証事業を行いました。本実証事業は、カラオケ店舗内で、アーティストのライブや握手会などの交流イベントを、その場に居るかのように体験できるものです。なお、本実証事業に使用したVRコンテンツの一部では、今まで研究開発を進めてきたお客さまが自由な視点で映像を視聴できる「自由視点映像」技術をVR映像に応用した「自由視点VR」技術により制作しました。
また、シニアやスマートフォン初心者の方でも安心してスマートフォンをご利用いただけるように、利用者の操作習熟度や記憶定着度に応じて音声・吹き出し・イラストで操作のアドバイスを行う「文字入力アシスト機能」を開発しました。これは、スマートフォン操作中のつまずきを検出し、文字入力に慣れるまで、操作を画面表示や音声でアドバイスする機能です。更に、お客さまの操作習熟度と記憶定着度を推定する仕組みにより、操作に慣れてくるとアドバイス頻度が減っていく一方、しばらく使わずお客さまが忘れていそうな操作には再度アドバイスを提示できるようにし、どなたにも快適かつ長期にわたり利用可能な機能を実現しました。
本機能は、当社が2016年8月より提供しているシニア向けスマートフォン「BASIO2」に搭載されています。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
(2)経営成績の分析
(売上高)
モバイル通信料収入や「auでんき」の提供開始に伴う電力小売販売収入の増加に加え、昨年3月に連結子会社化したショップチャンネルの影響等により、4,748,259百万円(前年同期比 6.3%増)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
電力小売販売原価や減損損失の増加に加え、ショップチャンネルの連結子会社化に伴う費用の増加があったものの、端末販売原価や販売手数料等の減少により、3,843,239百万円(同 5.4%増)となりました。なお、減損損失の詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 8.有形固定資産、のれん及び無形資産の減損」をご参照ください。
(その他の損益)
雑支出の増加等により、5,202百万円の利益(同 43.4%減)となりました。内訳につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 27.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。
(持分法による投資利益)
モビコムが前連結会計年度末に持分法適用会社から連結子会社になった影響等により前年の水準を下回り、2,755百万円(同 46.7%減)となりました。
(営業利益)
以上の結果、営業利益は912,976百万円(同 9.7%増)となりました。なお、営業利益率は、19.2%(同 0.6ポイント増)となりました。
(金融損益)
前連結会計年度は、支払利息13,325百万円、為替差損5,796百万円の計上等により、17,789百万円の損失となりましたが、当連結会計年度は、支払利息10,872百万円、為替差損2,128百万円の計上等により、11,562百万円の損失となりました。
(その他の営業外損益)
前連結会計年度は、段階取得差益3,196百万円、持分変動利益420百万円の計上により、3,616百万円の利益となりましたが、当連結会計年度は、関係会社株式売却損5,535百万円、持分変動利益18百万円の計上により、5,517百万円の損失となりました。
(法人所得税費用)
課税所得の増加等の影響により253,282百万円(同 0.7%増)となりました。なお、2017年3月期の法人税等負担率は28.3%となりました。法人所得税費用に関する詳細については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 16.繰延税金及び法人所得税」をご参照ください。
(非支配持分に帰属する当期利益)
主にUQコミュニケーションズ株式会社の利益増加やショップチャンネルの連結子会社化の影響により、95,957百万円(同 33.2%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
上記の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は546,658百万円(同 10.5%増)となりました。
なお、報告セグメントの売上と営業利益の概況については、「1.業績等の概要」に記載しております。
(3)財政状態の分析
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(単位:百万円) |
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2016年3月期 |
2017年3月期 |
比較増減 |
増減率 (%) |
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非流動資産 |
4,141,220 |
4,297,800 |
156,580 |
3.8 |
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流動資産 |
1,739,403 |
1,966,025 |
226,623 |
13.0 |
|
資産合計 |
5,880,623 |
6,263,826 |
383,203 |
6.5 |
|
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非流動負債 |
1,375,219 |
1,333,201 |
△42,018 |
△3.1 |
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流動負債 |
958,548 |
1,081,491 |
122,943 |
12.8 |
|
負債合計 |
2,333,767 |
2,414,692 |
80,925 |
3.5 |
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|
資本合計 |
3,546,856 |
3,849,133 |
302,278 |
8.5 |
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(資産)
非流動資産は、有形固定資産が減少したものの、その他の長期金融資産の増加等により4,297,800百万円(前期末比 3.8%増)となりました。
流動資産は、営業債権及びその他の債権の増加等により、1,966,025百万円(同 13.0%増)となりました。
(負債)
非流動負債は、長期借入金の返済や社債の償還等により1,333,201百万円(同 3.1%減)となりました。
流動負債は、営業債務及びその他の債務の増加等により1,081,491百万円(同 12.8%増)となりました。
なお、有利子負債残高は、前連結会計年度末から83,637百万円減少し、1,151,650百万円となりました。
(資本)
資本は、利益剰余金の増加等により、3,849,133百万円(同 8.5%増)となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末を0.5ポイント上回る56.7%となりました。
また、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は、前連結会計年度末の0.37倍から、0.32倍へ低下しました。
(4)資本の源泉及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益895,897百万円、減価償却費及び償却費545,194百万円、法人所得税の支払256,066百万円、営業債権及びその他の債権の増加171,903百万円等により1,161,074百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出338,749百万円、無形資産の取得による支出180,823百万円、子会社の支配獲得による支出61,711百万円等により637,225百万円の支出となりました。
(フリー・キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較し307,228百万円増加し、523,849百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払185,430百万円、自己株式の取得による支出100,000百万円、社債償還及び長期借入返済による支出74,963百万円等により、485,784百万円の支出となりました。
②流動性
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物の残高は226,607百万円と、前連結会計年度末と比較し、34,520百万円増加しました。これらのいわゆる手元流動性残高につきましては、当社グループの財務状況及び金融環境に応じて変動しております。
なお、流動性リスクとその管理方法につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 31.金融商品」に記載しております。