第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国の経済は「一部に改善の遅れもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」と内閣府の月例経済報告に記されており、企業の業況判断は「緩やかに改善している。」とされています。

こうした状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、放送事業、制作事業、映像音楽事業、生活情報事業が減収となりましたが、広告事業、都市開発事業、その他事業が増収となり、全体では前年同期比2.1%増収の6,539億76百万円となりました。

営業利益は、広告事業、都市開発事業が増益となりましたが、放送事業、制作事業、映像音楽事業、生活情報事業、その他事業が減益となり、前年同期比8.5%減益の223億19百万円、経常利益は前年同期比6.2%減益の303億80百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は㈱仙台放送の連結子会社化による負ののれん発生益を特別利益に計上したことなどが加味されて、前年同期比20.0%増益の273億96百万円となりました。

 

報告セグメントの業績の状況は以下の通りです。

 

売 上 高

セグメント利益

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

(百万円)

(百万円)

(%)

(百万円)

(百万円)

(%)

放送事業

318,980

312,721

△2.0

8,073

6,830

△15.4

制作事業

50,834

49,292

△3.0

2,093

1,819

△13.1

映像音楽事業

50,104

48,071

△4.1

2,365

1,071

△54.7

生活情報事業

135,556

130,694

△3.6

1,223

952

△22.1

広告事業

42,797

45,476

6.3

361

384

6.6

都市開発事業

82,668

102,501

24.0

9,441

10,968

16.2

その他事業

26,066

29,221

12.1

541

245

△54.7

調整額

△66,436

△64,003

294

47

合  計

640,572

653,976

2.1

24,394

22,319

△8.5

 

 

(放送事業)

㈱フジテレビジョンの放送事業収入の核となる放送収入については、上期は大型スポーツ番組が貢献したもののレギュラー番組の視聴率が伸び悩んだことなどにより、売上を伸ばすことができませんでした。下期も10月改編による新番組の視聴率が苦戦して、放送収入は2,014億98百万円で前年同期比5.7%の減収となりました。

全国放送を対象とするネットタイムセールスでは、単発番組においては5月から6月にかけて放送された「2016リオデジャネイロオリンピック バレーボール世界最終予選」、8月の「リオデジャネイロオリンピック2016」関連番組、12月の「全日本フィギュアスケート選手権2016」、3月の「世界フィギュアスケート選手権2017」などが売上に貢献したものの、苦戦が続くレギュラー番組の売上減を補うに至りませんでした。その結果、ネットタイムセールスの売上高は、876億35百万円で前年同期比7.6%の減収となりました。

関東地区への放送を対象とするローカルタイムセールスは、単発番組に支えられながらも、セールス区分の変更による売り枠の減少の影響により、売上高は130億37百万円で前年同期比6.9%の減収となりました。

スポットセールスについては、リオデジャネイロオリンピックの影響があった8月を除くと市況は概ね堅調に推移したものの、視聴率の低迷により売上を伸ばすことができずに、通期で前年を下回りました。

業種別では、「化粧品・トイレタリー」、「食品」が前年を上回りましたが、「情報・通信・放送」、「事務・精密・光学機器」、「アルコール飲料」などは前年を下回りました。その結果、スポットセールスの売上高は、1,008億26百万円で前年同期比3.8%の減収となりました。

放送事業収入のその他放送事業については、国内番組販売収入が前年に及ばなかったものの、埼玉西武ライオンズ戦の中継などにより加入者収入が大幅に伸びたCS放送収入や海外番組販売収入が増収となったため、売上高は335億57百万円で前年同期比0.5%の増収でした。

その他事業収入では、映画事業において「ワンピース フィルム ゴールド」(興行収入51.8億円)、「暗殺教室~卒業編~」(興行収入35.2億円)などのヒット作がありましたが、「HERO」など話題作が続いた前年を超えることができず減収となりました。イベント事業においては、シルク・ドゥ・ソレイユの新作「トーテム」が貢献し大幅な増収となりました。MD事業は「トーテム」などの飲食・物販が貢献したものの、番組関連商品が伸び悩み減収となりました。ビデオ事業では、市況の冷え込みに加えて、主力のドラマでヒット作に恵まれず、前年を超えることができませんでした。新サービスや積極的な会員獲得策が奏功して売上を伸ばした「FOD(フジテレビオンデマンド)」が牽引するデジタル事業は、㈱フジゲームスを分社化したことにより減収となりました。その結果、その他事業全体の売上高は、454億93百万円で前年同期比6.6%の増収となりました。

費用面では、その他事業原価が増収により増加しましたが、放送事業原価、販売費及び一般管理費とも前年度より費用を抑制することができたため、営業費用全体で前年以下に抑えることができました。

㈱ビーエスフジは、タイム収入では「プライムニュース」や通販番組が貢献し、スポット収入も過去最高を記録したため、売上高、営業利益は過去最高を記録し、4期連続で増収増益となりました。

㈱ニッポン放送は、スポット収入が増収だったもののタイム収入の減収を補えず放送収入は減収でしたが、イベント事業が好調だったことから売上高全体では増収となりました。利益面では、平成27年12月に本放送を開始したFM補完放送費用が当期は通年分の負担となったことで販売費及び一般管理費が増加したため減益となりました。

平成28年12月に連結子会社化した㈱仙台放送は、売上、営業利益に貢献しました。

以上の結果、放送事業全体の売上高は3,127億21百万円と前年同期比2.0%の減収、セグメント利益は68億30百万円と同15.4%の減益となりました。

 

放送事業の売上高内訳

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

(百万円)

(百万円)

(%)

㈱フジテレビジョン

 

 

 

 放送事業収入

247,014

235,056

△4.8

   放送収入

213,626

201,498

△5.7

    ネットタイム

94,826

87,635

△7.6

    ローカルタイム

14,001

13,037

△6.9

    スポット

104,797

100,826

△3.8

   その他放送事業収入

33,388

33,557

0.5

    番組販売収入

17,909

17,593

△1.8

    その他

15,478

15,964

3.1

 その他事業収入

42,693

45,493

6.6

小 計

289,708

280,550

△3.2

㈱ビーエスフジ

16,761

17,722

5.7

㈱ニッポン放送

14,475

14,566

0.6

セグメント内消去等

(1,964)

(117)

合 計

318,980

312,721

△2.0

 

 

(制作事業)

制作事業は、番組等の受注数、受注単価の減少により、全体の売上高が492億92百万円と前年同期比3.0%の減収となりました。セグメント利益は、18億19百万円と同13.1%の減益となりました。

 

(映像音楽事業)

㈱ポニーキャニオンは、イベントコンサートのチケット収入やグッズ収入、アニメ作品の海外ライセンス収入が好調でしたが、音楽部門、映像部門の不振が響き、減収減益となりました。

㈱フジパシフィックミュージックは、映像制作収入は減収でしたが、著作権使用料収入、原盤使用料収入が前年同期並を確保、マネージメント収入等も貢献し、増収増益となりました。

以上の結果、映像音楽事業全体の売上高は480億71百万円と前年同期比4.1%の減収、セグメント利益は同54.7%減益の10億71百万円となりました。

 

(生活情報事業)

㈱ディノス・セシールのディノス事業は、テレビ通販は堅調に推移しましたが、カタログ通販が苦戦し、売上高全体では減収となりました。セシール事業もカタログ事業が秋以降に伸び悩み、売上高は減収となりました。この結果、㈱ディノス・セシール全体として減収減益となりました。

㈱サンケイリビング新聞社は、リビング新聞やシティリビングの広告収入等が伸び悩み売上高全体では減収となりましたが、コスト削減により前期の営業損失から利益を確保しました。

以上の結果、生活情報事業全体の売上高は1,306億94百万円と前年同期比3.6%の減収、セグメント利益は同22.1%減益の9億52百万円となりました。

 

(広告事業)

広告事業は、ラジオ広告、屋外看板、WEB広告が好調に推移し増収増益となりました。

以上の結果、広告事業全体の売上高は、過去最高を記録し454億76百万円で前年同期比6.3%の増収、セグメント利益は3億84百万円と同6.6%の増益となりました。

 

(都市開発事業)

㈱サンケイビルは、主力のビル事業が堅調に推移し、資産開発事業において保有ビルの売却や土地販売収入の寄与により大幅に増収、住宅事業も販売戸数が増加したことなどから売上高全体で大幅増収となり、利益面でも増益となりました。なお、売上高、営業利益とも過去最高を記録しました。㈱グランビスタホテル&リゾートは、一部ホテルが耐震工事や改修工事で休業したため減収減益となりました。

以上の結果、都市開発事業全体の売上高は1,025億1百万円と前年同期比24.0%の増収となり、セグメント利益は109億68百万円と同16.2%の増益となりました。

 

(その他事業)

㈱フジミックは、システム開発・運用保守等の受注減により減収減益となりました。㈱扶桑社は、書籍でヒット作に恵まれ、別冊ムックも好調で増収増益となりました。

以上の結果、その他事業全体の売上高は292億21百万円と前年同期比12.1%の増収、セグメント利益は2億45百万円と同54.7%の減益となりました。

 

持分法適用会社では、当第3四半期まで持分法適用会社であった㈱仙台放送を含めたフジテレビ系列局11社、㈱WOWOW、伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱が持分法による投資利益に貢献しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当期における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、483億23百万円の収入となり、前期比219億49百万円(83.2%)の収入増加となりました。これは、たな卸資産の増減額が152億95百万円の収入増加、法人税等の支払額が48億60百万円の減少、利息及び配当金の受取額が21億20百万円の増加となったこと等によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、398億87百万円の支出となり、前期比60億49百万円(17.9%)の支出増加となりました。これは、有価証券の取得による支出が145億78百万円減少し、有形固定資産の取得による支出が125億82百万円減少した一方で、有価証券の売却及び償還による収入が282億19百万円減少したことや、投資有価証券の売却及び償還による収入が87億67百万円減少したこと等によります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、20億25百万円の支出となり、229億59百万円の収入であった前期に比べ、249億84百万円の収入減少となりました。これは、社債の発行による収入が199億22百万円増加し、長期借入金の返済による支出が189億76百万円減少した一方で、長期借入れによる収入が459億26百万円減少し、社債の償還による支出が200億円増加したこと等によります。

現金及び現金同等物の当期末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加5億70百万円等を加味した結果、781億61百万円となり、前期末に比べ67億32百万円(9.4%)の増加となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

放送事業

312,721

△2.0

制作事業

49,292

△3.0

映像音楽事業

48,071

△4.1

生活情報事業

130,694

△3.6

広告事業

45,476

6.3

都市開発事業

102,501

24.0

その他事業

29,221

12.1

調整額

△64,003

653,976

2.1

 

(注) 1  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱電通

112,291

17.5

107,596

16.5

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

74,666

11.7

68,848

10.5

 

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、放送の公共的使命と社会的責任を常に認識し、広く支持されるコンテンツの制作・提供を目指すとともに、放送事業を中心にしながら、制作・映像音楽・生活情報・広告・都市開発など様々な事業を通じて、国民・視聴者の皆様の豊かな生活の実現に貢献することを経営の基本方針としております。

当社では今後も、事業環境の変化に対応しながら、各事業の強化及び新たな収益基盤の開拓を進めることで、グループ全体の成長を図り、株主・投資家の皆様からの信頼と期待に応えてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、株主への利益の配分を重視するとともに、売上高営業利益率の向上等を図りながら、グループ全体の利益の拡大を目指してまいります。中核子会社である㈱フジテレビジョンにおいては、放送収入の獲得等において重要な指標である視聴率の向上に努め、収益の拡大に取り組んでまいります。

また、当社では、企業価値の継続的な向上を図る視点から、株主資本の効率的な活用に努めてまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社は認定放送持株会社体制のもと、地上波テレビ放送事業を中心に、多様なメディア関連事業を展開しております。

当社では、新たな経営体制のもと、引き続き強固な事業ポートフォリオの構築を目指し、グループの中核である㈱フジテレビジョンの早期の業績回復に努めるとともに、グループ各事業の強化及び新たな収益基盤の開拓を進め、グループ全体として持続的な成長を目指してまいります。

 

① 放送事業・コンテンツ関連事業の収益拡大

当社グループの中核であり、連結業績を牽引すべき㈱フジテレビジョンは放送収入の減少等から利益水準が低下しており、同社の早期の業績回復が重要な経営課題であると認識しております。この度、㈱フジテレビジョンにおいても体制を新たにして視聴率の改善に向けた番組編成・制作に注力するとともに、各事業及び費用面においても見直しを進め、一刻も早い業績回復に取り組んでまいります。

また、テクノロジーの進化や視聴スタイルの多様化が進む中、技術の革新をビジネスに取り込み、新たな収益の機会を積極的に獲得していくことが重要であると考えております。

成長分野と位置付けている配信事業では、「FOD(フジテレビオンデマンド)」が収益に貢献する事業に成長しております。昨年新たに定額制サービス「FODプレミアム」を開始したほか、グループの制作力を基にオリジナルコンテンツの拡充などを進め、さらなる事業の成長を図ってまいります。同時に、当社グループでは、外部の複数の配信プラットフォームからも番組制作やコンテンツ提供の依頼を受け、新たな収益を獲得しております。

放送分野においても、本年1月に㈱ビーエスフジが最新の放送技術である超高精細のBS4K放送の業務認定を受け、平成30年の放送開始に向けた準備を進めております。

視聴デバイスの進歩やサービスの拡大により、コンテンツに対する需要は一層高まっており、当社グループでは、新しい技術を積極的に取り入れ、あらゆるウインドウに向けたコンテンツ制作力をグループ全体で強化してまいります。

 

② 強固な事業ポートフォリオの構築

当社グループは、㈱フジテレビジョンにおける地上波テレビ広告収入を収益の中心としながら、その変動に大きく左右されずに、それぞれの事業が収益の柱となり、相互に補完し合う強固で安定した事業ポートフォリオの構築を目指しております。

中核の㈱フジテレビジョンの利益水準が低迷しておりますが、そのほかの子会社全体で高い水準の営業利益を維持すべく、一層の収益拡大を図ってまいります。堅調な都市開発・観光を始めとする成長分野においてさらなる収益基盤の拡大を図るとともに、経営環境の変化への早急な対応が必要な事業においては速やかに変革等を進め、グループ全体で一段の成長を目指してまいります。

 

③ 新たな収益基盤の開拓

当社グループはさらなる成長を目指し、新たな事業の開発及びM&A等により、収益基盤の一層の拡大・強化に努めてまいります。

堅調な都市開発事業では、㈱サンケイビルとその子会社である㈱グランビスタホテル&リゾートを中心に、需要の拡大に向け計画的にホテル開業を進めるなど観光事業の一段の成長に向けた取り組みを進めております。観光及びMICE/IRは我が国の成長戦略において期待されている分野であり、当社グループにおいても取り組んでまいります。

昨年4月に㈱フジテレビジョンから分社設立した㈱フジゲームスは、スマートフォン向けゲームの開発を進めており、本年中に大型タイトルのリリースを計画しております。ライツビジネスなどゲーム周辺領域を含め、将来当社グループの収益の柱の1つとなるようゲーム事業の拡大を目指してまいります。

このほか、経営成績が良好な㈱仙台放送を連結子会社とし、将来に向けた同社の経営基盤の一層の安定・強化を図るとともに、当社グループの収益基盤の拡大を図るなど、グループの成長に向けた様々な取り組みを進めております。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 放送事業における広告収入への依存について

①景気変動による影響について

放送事業は当社グル-プの中核事業であり、売上高の多くはCM枠の販売による広告収入で構成されています。

今後、様々な要因により国内経済が悪化した場合、国内の総広告費が減少することなどにより、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

②視聴率について

テレビ放送事業において、番組の視聴率は視聴者からの支持を測る重要な指標の一つであり、CM枠の販売価格を決定する上でも重要な要素となっています。

当社グループのテレビ放送事業における視聴率が低下した場合には、当社グル-プの広告収入が減少し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 放送事業における番組に関する著作権等について

当社グループが放送する番組については、文芸(原作・脚本)、音楽、美術の著作物や出演者、番組で使用されたレコードの著作隣接権が含まれており、放送以外の配信、DVDの発売やマーチャンダイジングなどの二次利用をする場合には、新たに許諾を得る必要があります。

このため、権利者との契約で制限されている場合や、権利者から使用条件などの同意が得られなかった場合などには、番組の二次利用をすることができない可能性があります。

 

(3) 放送事業におけるスポーツ放送権の取得及び契約更新について

当社グループの放送事業では、各種スポーツ主催団体等と、放送権の新規取得や更新に向けた交渉を行い、期間や条件等に関して様々な契約を締結しております。これらのスポーツ放送権の新規取得及び契約更新に際しては、放送権料が上昇する可能性があります。

スポーツ放送権の新規取得及び契約更新ができなかった場合や、契約更新時の契約金負担が増加した場合は、スポーツ番組の放送に影響が生じ、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 放送事業におけるテレビ放送事業の競合について

①地上テレビ放送事業における競合について

当社グループの地上テレビ放送事業では、他の放送事業者と視聴率の獲得において競合しています。視聴率は広告主との契約の獲得や、CM枠の販売価格を決定する上で重要な要素の一つであり、視聴率の維持・向上が実現できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

②BS放送事業及びCS放送事業における競合について

BS放送事業では順調に受信機の普及が進み、㈱ビーエスフジの広告媒体としての価値は向上しております。一方で他のBS放送事業者等との競争の中で、同社の媒体価値の維持・向上が実現できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

CS放送事業では㈱フジテレビジョンが3チャンネルの有料放送を行っております。有料放送の視聴者数はCS放送事業の収入を決定する重要な要素の一つとなっていることから、視聴者数の維持・向上が実現できない場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

③スマートフォンやタブレットを通じたサービスとの競合について

スマートフォンやタブレット型端末の普及が進み、インターネットなど通信の機能を通じた動画配信等の新しいサービスが広く展開されてきています。当社グループはこうした新しいデジタル領域においても積極的に事業展開を進め収益の獲得を図っております。一方でこうしたメディアの多様化により、テレビ放送の視聴時間が減少し媒体価値が低下した場合には、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(5) フジネットワークシステム(FNS)との提携関係について

放送事業会社は、放送法により一定の放送対象エリアが定められております。従って、当社グループが全国規模で地上放送を提供するためには、全国の各放送エリアの放送局と提携関係を維持する必要があり、㈱フジテレビジョンは同社をキー局として各地の系列局と全国放送ネットワークであるフジネットワークシステム(FNS)を形成しております。何らかの理由により系列局がFNSを離脱した場合、㈱フジテレビジョンは当該地方での放送エリアを失い、全国規模の広告媒体としての価値が低下して当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(6) 放送機材及び放送施設について

当社グループの放送事業において、番組を放送するために使用している放送機材及び放送施設には障害が発生する可能性があります。放送設備に障害が発生した場合でも、バックアップ用放送設備または放送用リース設備の代替システムの利用等により放送を継続してまいりますが、仮に放送が実施できない事態が生じた場合、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。

 

(7) 映画の製作事業について

当社グループは、映画の製作又は出資を行っております。映画の興行は必ず成功するという保証はなく、観客を十分に動員できなかった場合、またDVD販売などの二次利用収入が十分に得られなかった場合、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) イベント事業について

当社グループは、音楽コンサート、演劇、美術展、スポーツイベント、社屋周辺イベントなどのイベント事業に取り組んでおります。来場者を十分に確保できなかった場合、また物販などの収入が十分に得られなかった場合には投資に見合う回収ができない可能性があり、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 映像音楽事業について

映像音楽事業の㈱ポニーキャニオンは、主に映像・音楽ソフト等パッケージの製造・販売を行っております。同社は、アニメ作品等の開発段階から中心的に参画し幅広く権利を獲得することを目指すなど収益源の多様化を図っておりますが、パッケージ市場が著しく縮小した場合、同社の収益性が悪化し、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 生活情報事業について

生活情報事業の㈱ディノス・セシールは、主にカタログやテレビ、インターネットを利用した通信販売の事業を展開しております。通信販売事業は他の小売業と同様に個人消費の動向や、商品の仕入れ価格、製造原価、配送費、為替の変動等の影響を受けるため、景気の低迷や、コストが上昇するような状況になった場合、同社の収益性が低下し、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 都市開発事業について

都市開発事業の㈱サンケイビルはオフィスビルの賃貸等を行うビル事業をはじめ、住宅の開発・販売や商業施設等の運営など、都市生活空間を創造し提供する事業を展開しております。

㈱サンケイビルの中核事業であるビル事業・住宅事業・資産開発事業は、国内経済情勢と連動性が強い不動産市況の動向によっては、空室の発生・賃料水準の低下及び販売価格の下落により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、㈱グランビスタホテル&リゾートを中心とするホテル・リゾート事業では、国内景気の悪化や国際情勢の変化その他の様々な要因により利用客が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、都市開発事業では、事業を営むにあたり、不動産等に関する各種関連法制の規制を受けるとともに、各種関連税制の規定に従っております。将来、関連する法制及び税制の変更によっては、業務遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 広告事業について

広告事業の㈱クオラスは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット等の広告に関する事業を展開しております。様々な要因によって国内経済が悪化した場合、国内の総広告費が減少することなどにより、同社の収益性が低下し、当社グル-プの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 設備投資及び投融資等について

当社グル-プは、持続的な成長を促進していくために、適切な設備投資及び投融資を継続し、当社グループ事業の強化を図る方針ですが、投資額に見合う十分な利益を確保することができない可能性もあります。

 

(14) 当社グループ事業に対する法的規制について

①認定放送持株会社に対する法的規制について

当社は、放送法に基づく認定放送持株会社として総務大臣の認定を受けております。

認定放送持株会社の認定には放送法で定める要件に適合する必要があり、当該要件に適合しなくなった場合は、認定を取り消される可能性があります。

仮に認定の取消しを受けた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

②放送事業に対する法的規制について

当社グループの中核事業である放送事業では、放送法・電波法に基づく放送免許又は認定を受け、事業を行っております。

仮に法令に基づく放送免許若しくは認定の取消し等の処分を受けた場合又は再免許を受けることができなかった場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 大規模な災害が発生した場合の影響について

当社グループの主要な収入である広告収入は景気動向と連動性があり、大規模な災害が発生し、日本経済へ影響を及ぼす場合には、広告収入が影響を受けることがあります。

また、放送事業者は、放送法で、災害が発生した場合又はそのおそれがある場合に予防又は被害軽減のための放送を義務付けられており、大規模な災害が発生した場合には、予定されていた番組の放送を取りやめ、緊急に報道特別番組等を放送することがあります。このような場合、CM放送やテレビ通販番組を休止することがあり、放送事業や通信販売事業において収入が減少することがあります。

このほか、イベントや映画における興行の中止や減少、通信販売事業、映像音楽事業などにおける商品等の製造、調達や流通への被害、都市開発事業における保有・開発資産の毀損等により、収入が十分に得られないことがあります。これらの結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 個人情報の取り扱いに関するリスク

当社及び当社グループは、視聴者情報、番組出演者情報、通信販売事業の顧客情報などのデータベースを管理・運営しております。当該データベースにおける顧客等の個人情報につきましては、社内でのアクセス権限の設定など取扱いには十分な注意を払っております。しかしながら、外部からの不正なアクセスや想定していない事態によって個人情報の外部流出等が発生した場合には、当社グル-プの業績及び企業としての社会的信用に悪影響を与える可能性があります。

 

(17) 外国人等の取得した株式の取扱等について

放送法では、①日本国籍を有しない人又は②外国政府若しくはその代表者が業務を執行する役員である場合のほか、①若しくは②に掲げる者又は③外国の法人若しくは団体(以下、「外国人等」)が、法令の定めるところにより直接・間接出資を併せて議決権の5分の1以上を占める場合は、認定放送持株会社の認定を取り消すこととされております。

このため、放送法では、このような状態に至る場合には、外国人等からの株式の名義書換請求等による株主名簿への記載・記録を拒否し、又は、外国人等の議決権行使を制限することができるとされております。

なお、外国人等の有する議決権の割合が100分の15に達した場合には、放送法の規定により、その割合を6か月ごとに公告いたします。

 

5 【経営上の重要な契約等】

本社建物の賃貸借契約について

当社は当社が所有する本社建物を、連結子会社である㈱フジテレビジョンに賃貸する賃貸借契約を締結しております。契約の概要は以下の通りです。

 

契約会社名:㈱フジ・メディア・ホールディングス

契約相手方:㈱フジテレビジョン(連結子会社)

賃貸借物件:フジテレビ本社ビル

契約期間 :平成20年10月1日から10年間、期間満了以降は3年毎に自動更新

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、技術的な研究開発を戦略的事業の一環として捉え、番組制作や放送/配信の技術面での優位性を確保し、魅力的なサービスに発展させるため積極的な研究開発を行うとともに、広くICT分野の発展への貢献を目指した活動を行っています。

 

(放送事業)

放送事業における研究開発活動は主に、テレビ放送事業を行う㈱フジテレビジョンに係るものであります。当連結会計年度における成果は次の通りであります。

ネット技術等の技術革新とスマートフォンやタブレットの普及により、いわゆるプレイスシフト、デバイスシフト、タイムシフトと言われるように動画視聴形態は多様化してきております。また4K・8K(超高精細度テレビジョン放送)や高ダイナミックレンジ映像、ロスレス音声(可逆圧縮音声)など高品質技術も進化し続けており、このような状況を見据えて調査・研究・サービス開発に取り組んで参りました。

WEBの標準化を世界的に議論するW3C(World Wide Web Consortium)やIPTVフォーラムの標準化活動に積極的に参加し、放送と通信の連携サービスを実現する共通基盤であるHybridcastの技術仕様や運用規定の策定に貢献してきました。特に、放送とインターネット配信映像の連携技術の開発に継続して注力し、平成27年12月に放送した『4Kランドスケープ』という番組で、放送と同時に4K品質のインターネット配信映像を同期再生する実証実験を行いました。また、その第2弾として平成28年11月に放送した『Oh!江戸東京名所図会』という番組で、テレビ受信機に設定されている郵便番号を利用して視聴地域ごとに4K品質の別々のCMを配信し、本編と連続再生する実証実験に成功しました。

その他、データ放送を利用して視聴データの取得実証実験も実施しました。今後は、視聴データの利活用も推進し、視聴率向上や収益拡大に向けた新たなビジネス展開も検討して参ります。

4K・8K超高精細度テレビジョン放送に関しては、平成28年のBS試験放送、平成30年の実用放送に向けて、A-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)にて、放送サービスの運用条件と受信機仕様の審議に参画、平成27年12月に公開された運用規定の策定など標準化に貢献しました。また、4K品質を活かした番組制作にも積極的に取り組み、「TimeTrip日本の海岸線~伊能忠敬の軌跡~」、「TimeTrip長崎の教会群」、技術検証として「フジサンケイレディースゴルフ」や「東京六大学野球」のHDRデモ映像やライブ制作を行いました。

また、今般、使用周波数が1.2GHz/2.3GHz帯に移行されることとなった映像・音声伝送無線装置用の受信アンテナを新規に開発しました。実運用では東京マラソンや出雲駅伝などのロードレース、フジサンケイクラシックのゴルフ中継など、ワイヤレスカメラやラジオマイクを使用する様々な環境下において、番組素材の安定した伝送を実現してきました。

今後も、4K・8Kなど番組品質の向上にむけた技術開発や、Hybridcastによる放送とWEB連携サービスの開発など、トレンドを見据え多方面から調査研究を行い、設備構築や番組制作、ビジネス開発に寄与して参ります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は1億42百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における経営成績は以下の通りであります。

①売上高

当連結会計年度の売上高は、放送事業、制作事業、映像音楽事業、生活情報事業が減収となりましたが、広告事業、都市開発事業、その他事業が増収となり、全体では前年同期比2.1%増収の6,539億76百万円となりました。

放送事業は、前年同期に比べ62億58百万円(2.0%)減収の3,127億21百万円となりました。

このうち㈱フジテレビジョンは、2,805億50百万円で前年同期比3.2%の減収となりました。放送収入は、上期の大型スポーツ番組が貢献したものの、レギュラー番組や10月改編による新番組の視聴率が伸び悩んだことなどにより、2,014億98百万円で前年同期比5.7%の減収となりました。その他放送事業収入は、海外番組販売収入や加入者が増加したCS放送収入が増収となり、335億57百万円で前年同期比0.5%の増収となりました。また、その他事業収入は、ヒット作はあったものの前年には及ばなかった映画事業や、㈱フジゲームスを分社化したデジタル事業などが減収となった一方で、シルク・ドゥ・ソレイユの新作「トーテム」が貢献したイベント事業が増収となり、454億93百万円で前年同期比6.6%の増収となりました。

㈱ビーエスフジは、タイム収入では「プライムニュース」や通販番組が貢献し、スポット収入も過去最高を記録したため、売上高は過去最高を記録しました。

㈱ニッポン放送は、スポット収入が増収だったもののタイム収入の減収を補えず放送収入は減収でしたが、イベント事業が好調だったことから増収となりました。

平成28年12月に連結子会社化した㈱仙台放送は、売上高に貢献しました。

制作事業は、番組等の受注数、受注単価の減少により、前年同期に比べ15億42百万円(3.0%)減収の492億92百万円となりました。

映像音楽事業は、前年同期に比べ20億32百万円(4.1%)減収の480億71万円となりました。㈱ポニーキャニオンは、イベントコンサートのチケット収入やグッズ収入、アニメ作品の海外ライセンス収入が好調でしたが、音楽部門、映像部門の不振が響き、減収となりました。㈱フジパシフィックミュージックは、映像制作収入は減収でしたが、著作権使用料収入、原盤使用料収入が前年同期並を確保、マネージメント収入等も貢献し、増収となりました。

 生活情報事業は、前年同期に比べ48億62百万円(3.6%)減収の1,306億94百万円となりました。㈱ディノス・セシールのディノス事業では、テレビ通販は堅調に推移しましたが、カタログ通販が苦戦し、減収となりました。また、セシール事業もカタログ事業が秋以降に伸び悩み、減収となりました。この結果、㈱ディノス・セシール全体として減収となりました。㈱サンケイリビング新聞社は、リビング新聞やシティリビングの広告収入等が伸び悩み、減収となりました。

広告事業は、前年同期に比べ26億78百万円(6.3%)増収の454億76百万円となり、過去最高の売上高を記録しました。ラジオ広告、屋外看板、WEB広告が好調に推移し増収となりました。

都市開発事業は、前年同期に比べ198億33百万円(24.0%)増収の1,025億1百万円となりました。㈱サンケイビルは主力のビル事業が堅調に推移し、資産開発事業において保有ビルの売却や土地販売収入の寄与により大幅に増収、住宅事業も販売戸数が増加したことなどから全体で大幅増収となり、売上高は過去最高を記録しました。㈱グランビスタホテル&リゾートは、一部ホテルが耐震工事や改修工事で休業したため減収となりました。

その他事業は、前年同期に比べ31億55百万円(12.1%)増収の292億21百万円となりました。㈱フジミックは、システムの受注減により減収となりました。㈱扶桑社は、書籍でヒット作に恵まれ、別冊ムックも好調で増収となりました。

 

②売上原価、販売費及び一般管理費

  売上原価は、前年同期比182億91百万円(4.2%)増加し4,575億9百万円となりました。販売費及び一般管理費は、28億12百万円(1.6%)減少し1,741億47百万円となりました。

 営業費用全体では、増収となりました広告事業、都市開発事業やその他事業を除く各セグメントでは、コストコントロールや減収等の影響により減少しましたが、増収による費用の増加が上回り、154億79百万円(2.5%)の増加となりました。

 

③営業利益

以上の結果、営業利益は前年同期の243億94百万円に比べて20億75百万円(8.5%)減少し、223億19百万円となりました。

 

④営業外収益及び営業外費用

営業外損益は、営業外収益が前年同期比3億94百万円(3.6%)減少し105億47百万円、営業外費用が前年同期比4億49百万円(15.3%)減少し24億86百万円となりました。

営業外収益は、持分法による投資利益が前年度に発生した新規持分法適用関連会社に係る負ののれん発生益の反動により減少となりました。

営業外費用は、支払利息や投資事業組合運用損が減少しました。

 

⑤経常利益

以上の結果、経常利益は前年同期の324億円に比べて20億20百万円(6.2%)減少し、303億80百万円となりました。

 

⑥特別利益及び特別損失

特別損益は、特別利益が前年同期比53億19百万円増加の57億28百万円、特別損失が前年同期比6億24百万円(23.6%)増加の32億76百万円となりました。

特別利益は、固定資産売却益の増加や、新規連結子会社に係る負ののれん発生益の計上により増加となりました。

特別損失は、その他に含まれる投資有価証券評価損等が減少した一方、新規連結子会社に係る段階取得に係る差損の計上により増加となりました。

 

⑦税金等調整前当期純利益

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前年同期の301億57百万円に比べて26億74百万円(8.9%)増加し、328億31百万円となりました。

 

⑧法人税等及び法人税等調整額(税金費用)

税金費用は、前年同期比20億19百万円(28.5%)減少し50億71百万円となりました。税金等調整前当期純利益に対する税金費用の負担率は前期の23.5%から15.4%になりました。

 

⑨非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期比1億33百万円(57.7%)増加し3億63百万円となりました。

 

⑩親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期の228億35百万円に比べて45億60百円(20.0%)増加し、273億96百万円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①資産、負債及び純資産

当期末の総資産は1兆1,851億99百万円となり、前期末比487億92百万円(4.3%)の増加となりました。

流動資産は3,921億33百万円で、前期末比61億22百万円(1.6%)増加となりました。これは、受取手形及び売掛金が68億90百万円減少した一方で、現金及び預金が135億36百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は7,929億83百万円で、前期末比426億96百万円(5.7%)の増加となりました。これは、投資有価証券が339億11百万円、土地が68億81百万円、建設仮勘定が63億28百万円増加したこと等によります。

負債は5,031億36百万円で、前期末比51億13百万円(1.0%)の増加となりました。これは社債(一年内償還予定も含む)が100億円減少した一方で、長期借入金が191億78百万円、固定負債の繰延税金負債が73億94百万円増加したこと等によります。

純資産は6,820億62百万円で、前期末比436億79百万円(6.8%)増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益273億96百万円を計上し、その他有価証券評価差額金が162億64百万円、非支配株主持分が56億21百万円、退職給付に係る調整累計額が43億98百万円増加した一方で、利益剰余金が配当により93億67百万円減少したこと等によります。

 

②キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、483億23百万円の収入となり、前期比219億49百万円(83.2%)の収入増加となりました。これは、たな卸資産の増減額が152億95百万円の収入増加、法人税等の支払額が48億60百万円の減少、利息及び配当金の受取額が21億20百万円の増加となったこと等によります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、398億87百万円の支出となり、前期比60億49百万円(17.9%)の支出増加となりました。これは、有価証券の取得による支出が145億78百万円減少し、有形固定資産の取得による支出が125億82百万円減少した一方で、有価証券の売却及び償還による収入が282億19百万円減少したことや、投資有価証券の売却及び償還による収入が87億67百万円減少したこと等によります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、20億25百万円の支出となり、229億59百万円の収入であった前期に比べ、249億84百万円の収入減少となりました。これは、社債の発行による収入が199億22百万円増加し、長期借入金の返済による支出が189億76百万円減少した一方で、長期借入れによる収入が459億26百万円減少し、社債の償還による支出が200億円増加したこと等によります。

現金及び現金同等物の当期末残高は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加5億70百万円等を加味した結果、781億61百万円となり、前期末に比べ67億32百万円(9.4%)の増加となりました。

 

③資金需要

 当社グループの主な資金需要は、放映権の取得費用、番組制作のための人件費、外注費、通信販売商品の仕入れ、著作権等の使用料、新規不動産の取得並びに開発費、既存ビルの設備改修のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは代理店に対する手数料、宣伝広告費、人件費等であります。加えて、コンテンツ制作力の増強を図るための放送用設備・機器等の購入や、メディア戦略強化のための投資資金及びグループの資本政策に伴う株式の取得資金等が必要となります。

 

④財務政策

当社グループは現在、運転資金、設備投資及び投融資に要する資金につきましては、内部資金、借入れ又は社債により資金を調達しております。

当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金、設備投資及び投融資に要する資金を調達することが可能と考えております。