文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、放送の公共的使命と社会的責任を常に認識し、放送を中心とした様々な事業を通じて視聴者・利用者をはじめとする国民の皆様の豊かな生活に貢献することを経営の基本方針としております。引き続き、事業環境の変化に的確に対応し、将来に向けた成長を図るために、グループ一丸となって収益力の向上に取り組んでまいります。
㈱フジテレビジョンは、収益の源泉であるコンテンツの強化に経営資源を最大限投下できるよう固定費の見直しなど体質強化に努めてきました。当期は、ゴールデン・プライムタイムの年度視聴率が前期に続き上昇し、スポット収入の東京地区におけるシェアも向上しています。さらに今後は、地上波テレビの広告収入だけでなく、配信等を含めコンテンツから得られる収益を最大化できるようなタイムテーブルの整備と、番組コンテンツの開発、運用を一層強化してまいります。
インターネットでの動画配信や音楽配信、動画広告は飛躍的に拡大し、視聴者のコンテンツへの接触方法も多様化が進んでいます。すでにFOD(フジテレビオンデマンド)が有料会員数を伸ばし収益に貢献する事業に成長していますが、社内に専門組織を新設し、将来のメディア戦略や配信等の新たなビジネスモデルの検討を全社的な体制で進めています。放送と配信がシームレスにつながる新たな視聴スタイルの提案や、データマーケティング、広告配信技術の活用など、利用者の目線に立ったサービスと、広告主のニーズに応えるビジネスモデルによって、新たな収益の柱に成長させていくことを目指し、投資の拡大も含め検討を進めていく方針です。
当社グループでは映画事業が安定して多くの劇場用映画作品を製作する体制が確立され、多数のヒット作を生み出しています。劇場用映画は興行のみならず、有料配信、パッケージ販売、海外ビジネス、そして自社での放送など多くの収益獲得機会が得られ、劇場公開の数年先まで安定した収益をもたらしています。このように放送番組に限らず、多彩な有力コンテンツを生み出すクリエイティブの力、それを様々な形で収益に結び付ける知見が、当社グループのメディア・コンテンツ事業の強みとなっています。
㈱ポニーキャニオンでは、長年主力としてきたCDやDVDなどパッケージ販売の市場縮小に対応して、中期的に収益源の多様化やアーティストの発掘、コンテンツ制作などに取り組んできました。こうした構造的な事業改革が功を奏して当期は大きなヒット作を生み出し、配信、ライブ、さらにパッケージでも高い収益を獲得して同社の業績は大幅に向上しています。
引き続きメディア・コンテンツ事業では、事業環境に応じた改革を中期的に進めるとともに、㈱フジテレビジョンを中心にグループ各社の事業の連動を促し、セグメントが一体となった効率的な運用によって、収益力・経営基盤の強化を図っていきます。また総合コンテンツ・ファクトリーとして、強力なコンテンツ制作力を元に、外部向けのプロダクション機能とコンテンツホルダーとしての収益拡大を推進していきます。
都市開発分野では、資産開発事業の強化とともに、高機能オフィスビルの開発等によるビル賃貸事業の安定的な成長、住宅事業における賃貸事業の強化を進めます。2019年3月に上場した「サンケイリアルエステート投資法人」(REIT)を通じ、資産循環型ビジネスを強化し、さらなる戦略投資の拡大により成長を図っていきます。
観光分野では、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を最小限に抑えつつ、事態収束後の観光需要の再拡大を見据えながら、新規施設の計画的な開業を進めていきます。
さらにグループ全体の持続的な成長に向けて新規分野を獲得・育成していくため、財務の健全性を考慮しながら必要に応じて外部資金の活用と投資の拡大を検討します。引き続き、安定した強固な財務基盤に基づく経営を目指し、グループ構造と事業ポートフォリオの最適化を図ります。
今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループの各事業も大きな影響を受けています。その中で当社グループは、従業員並びに出演者やスタッフ、関係者及び各事業の顧客の安全を最優先に考えながら、メディア・コンテンツ事業においては、引き続き国民のライフラインとしてのメディアの責任を果たしていくとともに、魅力あるエンタテインメントコンテンツをお届けしていきたいと考えております。都市開発・観光事業では、各地域の事業環境の把握に努め、オフィスビルやホテルなどの運営を状況に応じて最良の方法で進めていきます。そして当社グループ全体で新型コロナウイルスの感染拡大防止に最大限の協力をしていくとともに、事態の収束後にはさらなる成長を実現・加速できるようグループの改革を継続してまいります。
また当社は、取締役会の監督機能をさらに強化し、より適切なガバナンス体制の実現を図ることを目的として、監査等委員会設置会社に移行いたしました。監査等委員会設置会社への移行に合わせて、取締役の3分の1以上を独立社外取締役とし、ガバナンス体制の充実を図ります。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要リスクは、以下の通りであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社では、「グループのコンプライアンス及びリスクの管理等に関する規程」(以下「グループコンプライアンス等規程」という)等に基づき、当社グループの代表取締役社長を構成メンバーとする「グループのコンプライアンス及びリスクの管理に関する委員会」を組織化すること等により、グループ経営に重要な影響を与えるリスクに対して適切な管理を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのメディア・コンテンツ事業の中核である放送事業の売上高の多くはCM枠の販売による広告収入で構成されています。今後、景気変動のほか大規模災害や新型コロナウイルス等感染症の拡大その他の様々な要因に基づき国内景気が悪化するなどして国内の総広告費が減少した場合、CM枠の販売価格を決定する上で重要な要素である視聴率が低下した場合、そのほか当社グループの他のメディア及びコンテンツ関連事業において景気悪化等の影響が波及した場合には、当社グル-プの業績等に負の影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに関して、当社グループでは、㈱フジテレビジョンを中心に収益力を強化するメディア・コンテンツ事業と、投資を拡大し中長期的に一層の成長を目指す都市開発・観光事業をグループの二つの柱と位置付け、さらに新規分野の開拓を目指す方針としております。
当方針に基づき、当社グループは一つの事業に頼ることなく、多種多様な事業を展開し、強固な事業ポートフォリオを構築することで、安定的に互いのビジネスを補完しあい、バランスのよい成長を目指しております。
昨今、インターネットでの動画配信や音楽配信、動画広告が飛躍的に拡大し、視聴者のコンテンツへの接触方法も多様化が進んでいます。こうしたメディアの多様化により、視聴者による既存のメディアへの視聴時間が減少し、媒体価値が低下した場合には、当社グル-プの業績等に負の影響が生じる可能性があります。
当該リスクに関して、当社グループでは、配信関連事業の拡大について大きな経営課題と認識しており、将来のメディア戦略や配信等の新たなビジネスモデルを検討の上、推進していく方針としております。専門組織を新設し、放送と配信がシームレスにつながる新たな視聴スタイルの提案や、データマーケティング、広告配信技術の活用など、利用者の目線に立ったサービスと、広告主のニーズに応えるビジネスモデルの構築によって、新たな収益の柱に成長させていくことを目指し、投資の拡大も含め検討を進めていきます。
都市開発・観光事業は、景気変動のほか大規模災害や新型コロナウイルス等の感染症の拡大その他の様々な要因に基づく景気動向の影響を受けやすく、中でも中核事業であるビル事業・資産開発事業・住宅事業は、国内経済情勢と連動した不動産市況の動向によっては、空室の発生・賃料水準の下落及び販売価格の下落により当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。
また、観光事業においても、景気の悪化等によるインバウンドを含む旅行・観光需要の減少、国際情勢の変化等により利用客が減少し、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。
当該リスクに関して、当社グループでは、本事業に加えて、㈱フジテレビジョンを中心に収益力を強化するメディア・コンテンツ事業をグループの二つの柱と位置付け、さらに新規分野の開拓を目指す方針としており、事業ポートフォリオとしてのバランスのよい成長を目指していきます。また、本事業の中核であるビル事業・資産開発事業・住宅事業では、一定の財務規律のもとで、資産の開発や売却、さらにはREITを活用した保有資産リスクの分散化など経営環境に応じた保有資産の見直し等によりリスクを適切にコントロールしております。
当社グル-プは、持続的な成長を促進していくために、適切な設備投資及び投資を継続し、当社グループ事業の強化を図る方針ですが、投資額に見合う十分な利益を確保することができない可能性もあります。
当該リスクに関して、当社グループでは、設備投資及び投資について専門部局をメンバーとする会議体や専門部署等を配するなどして、専門的見地から検討を進めることとしております。なお、大型の出資・投資案件については、経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を確保し、慎重かつ多角的に検討する仕組みとしております。
当社は、放送法に基づく認定放送持株会社として総務大臣の認定を受けております。認定放送持株会社の認定には放送法で定める要件に適合する必要があり、当該要件に適合しなくなった場合は、認定を取り消される可能性があります。また、当社グループの中核事業である放送事業では、放送法・電波法に基づく放送免許又は認定を受け、事業を行っております。
仮に法令に基づく認定若しくは放送免許の取消し等の処分を受けた場合又は再免許を受けることができなかった場合は、当社グループの業績等に負の影響を及ぼす可能性があります。
当社グループ事業に対する法的規制に関するリスクについて、当社グループでは、要件や認定条件への適合状況の確認や、グループコンプライアンス等規程に基づき、グループ経営に重要な影響を与える法的な問題及びリスクへの対応を図っており、取締役及び使用人等の法令順守について適切な体制を構築しております。
また、当社では内部監査規程に基づき、当社の内部監査部門が、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。
大規模災害等により、当社グループの中核である放送事業において、番組を放送するために使用している放送機材及び放送施設に障害が発生した場合や、その他イベントや映画における興行の中止や減少、通信販売事業、映像音楽事業などにおける商品等の製造、調達や流通への被害、都市開発・観光事業における保有・開発資産の毀損等が発生した場合には、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。
当該リスクに関して、当社グループでは、放送設備等に障害が発生した場合でも、バックアップ用放送設備または放送用リース設備の代替システムの利用等により放送を継続する仕組みを備えております。ただし、既存対応では対処しきれない自然災害が発生した場合等は、放送を長期間停止するリスクが想定されます。
なお、当社グループでは、年に数回、安否回答確認訓練やBCP訓練を定期的に開催し、平常時から防災意識の向上と連絡体制の確認に努めております。
当社グループは、視聴者情報、番組出演情報、通信販売事業ほか各事業における顧客情報などのデータベースを管理・運営しておりますが、当該情報が外部から不正にアクセスされた場合や、個人情報の外部流出等が発生した場合には、当社グループの業績及び企業としての社会的信用に悪影響を与える可能性があります。
当該リスクに関して、当社グループでは、データベースにおける顧客等の個人情報について社内でのアクセス権限を設定するなどその取扱いには十分な注意を払い、セキュリティの強化に努めております。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により、当社グループの各セグメントの事業活動に影響が生じています。メディア・コンテンツ事業では、広告市況の悪化により広告収入が減少しているほか、主催イベントの延期・中止、劇場映画の公開延期などの影響を受けています。都市開発・観光事業では、インバウンドを含む観光需要の減少、国内の移動制限等によりホテルやレジャー施設等を営業休止とするなどの影響を受けています。当社グループでは、当該感染症の影響について事業遂行上の主要なリスクとして認識しており、感染防止策を図りつつ適宜営業活動を再開していくなど、今後の感染状況を注視しながら、最小限の影響にとどめるよう努めてまいります。
また、その他にも当社グループの従業員に新型コロナウイルスの感染が拡大した場合、一時的に当社グループ事業の活動に支障が生じ、当社グループの業績等に負の影響が生じる可能性があります。当社グループではこれらのリスクに対応するため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。
特に当社グループの中核である放送事業において、㈱フジテレビジョンでは、本年2月に社長を本部長とする新型コロナウイルス感染対策本部を設置し、以後、在宅勤務、出張制限、毎日の検温のほか職場環境ガイドラインの策定・実践など、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底や、感染者が発生した場合のBCP対策を整備し、新型コロナウイルスの影響の極小化を図っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
政府の月例経済報告によると、当連結会計年度の我が国の経済は「先行きについては、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が続くと見込まれる。また、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」と記されており、企業の業況判断は「感染症の影響により、悪化している」とされています。
当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の影響により、広告収入の減少や観光需要の低下、イベントの中止・延期など少なからず影響を受けましたが、当連結会計年度につきましては、それまで業績が好調に推移してきたことや、営業努力により収益への影響を限定的に抑えることができました。
こうした状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、メディア・コンテンツ事業、都市開発・観光事業がともに減収となり、全体では前年同期比5.6%減収の631,482百万円となりました。
営業利益も、メディア・コンテンツ事業、都市開発・観光事業がともに減益となり、前年同期比24.1%減益の26,341百万円となりました。経常利益は前年同期比17.0%減益の34,854百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は厚生年金基金代行返上益を特別利益に計上したことで前年同期比74.8%増益の41,307百万円となりました。
報告セグメントの業績の状況は以下の通りであります。
当社グループの中核子会社である㈱フジテレビジョンの放送収入は、前期の「2018 FIFA ワールドカップロシア」の反動減や、レギュラー番組のセールスに苦戦したことから、212,980百万円で前年同期比2.5%の減収となりました。
主力の放送事業のうち、全国放送を対象とするネットタイムセールスは「FIVB ワールドカップバレーボール2019」、「FNS27時間テレビ」、「サザエさん放送50周年記念アニメ&ドラマ」などが貢献したものの、レギュラー番組の減収を補うことはできませんでした。その結果、ネットタイムセールスの売上高は78,848百万円で前年同期比2.0%の減収となりました。
関東地区への放送を対象とするローカルタイムセールスは、セールス区分の変更などもあり、売上高は、12,319百万円で前年同期比7.3%の減収となりました。
スポットセールスは、すべての月でシェアを伸ばしたものの広告市況が低迷した影響から通期では前年を下回りました。業種別では「情報・通信・放送」、「エネルギー・機械」が前年を上回る一方、「化粧品・トイレタリー」、「自動車・関連品」などが前年を下回りました。その結果、売上高は89,547百万円で前年同期比3.2%の減収となりました。
その他事業では、映画事業において、劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」、「記憶にございません!」、「翔んで埼玉」の配給収入や、「万引き家族」、「マスカレード・ホテル」等の二次利用収入などが貢献し増収となりました。デジタル事業も「FOD(フジテレビオンデマンド)」が引き続き好調で、前年の売上を上回ることができました。イベント事業においてはシルク・ドゥ・ソレイユの大型作品「キュリオス」の前期との規模差により減収となりました。その結果、その他事業の売上高は42,543百万円で前年同期比14.0%の減収となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響で、3月にカナダで予定されていた「世界フィギュアスケート選手権2020」が中止となり放送を見送ったほか、イベント事業においても2月および3月に東京で予定されていた「東芝グランドコンサート2020」等が中止となりました。
以上により、㈱フジテレビジョン全体の売上高は、前年同期比4.6%減収の255,523百万円となりました。営業利益は前年同期比29.9%減益の7,160百万円となりました。
㈱ビーエスフジは、放送事業収入ではスポット収入が好調だったものの、タイム収入が伸び悩み、放送事業収入全体で減収となりました。利益面では、BS4K放送費用も増加したことで減益となりました。
㈱ニッポン放送は、ラジオリビング事業が増収となりましたが、放送収入が苦戦し減収となったものの、費用削減等により増益となりました。
㈱ポニーキャニオンは、音楽部門でのヒットに加えて、継続的に進めてきた収益源の多様化が功を奏して、配信、イベント、グッズ等も好調で増収増益となりました。
㈱フジパシフィックミュージックは、著作権使用料収入やマネージメント収入が好調で増収増益となりました。
㈱ディノス・セシールのディノス事業は、テレビ通販で美容健康商材を中心に引き続き好調を維持し増収となりましたが、セシール事業は、カタログ通販が伸び悩み減収となりました。その結果、㈱ディノス・セシール全体としては減収減益となりました。
㈱クオラスは、WEB広告、イベントから派生するグッズ販売などが好調で増収となりましたが、テレビ広告等の減収や、3月以降イベント中止に伴う損失計上などにより、減益となりました。
㈱フジゲームスは、新規タイトルや既存タイトルの課金収入が苦戦し、減収となり、営業損失を計上しました。
以上の結果、メディア・コンテンツ事業全体の売上高は、前年同期比2.1%減収の515,334百万円となり、セグメント利益は同18.0%減益の13,924百万円となりました。
㈱サンケイビルは、ビル事業が減収となったほか、資産開発事業においてサンケイリアルエステート投資法人(REIT)への保有物件売却件数等が前期に比べ減少したことにより、減収減益となりました。
㈱グランビスタホテル&リゾートは、新型コロナウイルス感染症の影響で、インバウンドを含む旅行・観光需要の減少を受けて減収となり、営業損失を計上しました。
以上の結果、都市開発・観光事業全体の売上高は、前年同期比19.4%減収の110,749百万円となり、セグメント利益は同24.0%減益の13,706百万円となりました。
その他事業全体の売上高は前年同期比1.4%増収の19,335百万円、セグメント利益は同7.2%増益の595百万円となりました。
持分法適用会社では、フジテレビ系列局、伊藤忠・フジ・パートナーズ㈱、日本映画放送㈱、㈱WOWOW、㈱産業経済新聞社が持分法による投資利益に貢献しました。
当期末の総資産は1,254,613百万円となり、前期末比35,871百万円(2.8%)減少しました。
流動資産は424,033百万円で、前期末比16,426百万円(4.0%)増加しました。これは主に、有価証券が9,763百万円減少した一方で、たな卸資産が26,971百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は830,346百万円で、前期末比51,972百万円(5.9%)減少しました。これは主に、投資有価証券が上場株式の時価の下落等により44,230百万円、土地が8,131百万円減少したこと等によります。
負債は509,038百万円で、前期末比38,097百万円(7.0%)減少しました。
流動負債は166,085百万円で、前期末比24,697百万円(12.9%)減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が6,819百万円、未払法人税等が5,309百万円、「その他」に含まれる未払費用が3,011百万円減少したこと等によります。
固定負債は342,953百万円で、前期末比13,400百万円(3.8%)減少しました。これは、長期借入金が25,766百万円増加した一方で、主に厚生年金基金代行返上により退職給付に係る負債が27,912百万円減少し、上場株式の含み益の減少等により繰延税金負債が12,848百万円減少したこと等によります。
純資産は745,574百万円で、前期末比2,226百万円(0.3%)増加しました。これは、剰余金の配当を10,304百万円行い、その他有価証券評価差額金が31,328百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益41,307百万円を計上したことや、退職給付に係る調整累計額が6,207百万円増加したこと等によります。
当期における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,854百万円の収入となり、前期比86,786百万円(83.7%)の収入減少となりました。これは、税金等調整前当期純利益が20,477百万円増加した一方で、たな卸資産の増減額が49,449百万円の収入減少、退職給付に係る負債の増減額が18,122百万円の支出増加、仕入債務の増減額が13,867百万円の収入減少となったこと等によります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、33,907百万円の支出となり、前期比65,478百万円(65.9%)の支出減少となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が33,042百万円減少し、有価証券の売却及び償還による収入が24,608百万円増加し、投資有価証券の売却及び償還による収入が23,498百万円増加したこと等によります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,388百万円の収入となり、7,310百万円の支出だった前期と比べ、15,699百万円の収入増加となりました。これは、短期借入金の純増減額が24,500百万円の収入減少となった一方で、長期借入れによる収入が23,247百万円増加し、長期借入金の返済による支出が18,700百万円減少したこと等によります。
連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額1,114百万円を加味したこと等の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、79,970百万円となり、前期末に比べ9,929百万円(11.0%)の減少となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※ 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期の指標については遡及適用後の数値を記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識等については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。当社では、2018年5月に中期経営計画を公表しました。計画2年目である当連結会計年度は、㈱フジテレビジョンにおいて映画事業が前期に続き好調だったほか、㈱ポニーキャニオンが音楽部門でのヒット等で増益となるなど、当社グループが目指す多彩なコンテンツからの収益の拡大に向けて当社グループの強みを発揮することができましたが、新型コロナウイルス感染症による影響やスポット広告市場全体の落ち込み等により、以下の通り、中期経営計画における当連結会計年度の目標数値を下回りました。
新型コロナウイルスの感染拡大により現状は中期経営計画において前提とした経営環境と大きく異なっています。その中で当社グループは、従業員並びに出演者やスタッフ、関係者及び各事業の顧客の安全を最優先に考えながら、グループ全体で新型コロナウイルスの感染拡大防止に最大限の協力をしていくとともに、事態の収束後にはさらなる成長を実現・加速できるようグループの改革を継続していきます。
(単位:百万円)
営業利益のセグメント別内訳 (単位:百万円)
メディア・コンテンツ事業の経営成績等の状況に関する認識については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。
当連結会計年度は、中核子会社である㈱フジテレビジョンにおいて、収益の源泉であるコンテンツの強化に経営資源を最大限投下できるよう固定費の見直しなど体質強化を進めてきた中で、ゴールデン・プライムタイムの年度視聴率が前期に続き上昇し、スポット収入の東京地区におけるシェアも向上したほか、前期に続いてヒット作が続き好調な映画事業が収益に貢献しました。しかしながら、スポット市場全体の落ち込みが大きく、また、新型コロナウイルス感染症による広告収入やイベント興行等への影響もあり、減収減益となりました。そのほか、㈱ポニーキャニオンにおいて、構造的な事業改革を進めてきた中で音楽部門での大きなヒット等で増収増益となりましたが、メディア・コンテンツ事業全体では減収減益となり、セグメントの営業利益は中期経営計画における当連結会計年度の目標数値を下回りました。
メディア・コンテンツ事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞により、広告収入が減少しているほか、主催イベントの延期・中止、劇場映画の公開延期などの影響を受けています。当社グループでは今後の感染状況を注視しながら事業を遂行していくとともに、引き続き事業環境に応じた改革を中期的に進めるとともに、㈱フジテレビジョンを中心にグループ各社の事業の連動を促し、セグメントが一体となった効率的な運用によって、収益力・経営基盤の強化を図っていきます。また、強力なコンテンツ制作力をもとに、外部向けのプロダクション機能とコンテンツホルダーとしての収益拡大を推進していきます。
都市開発・観光事業の経営成績等の状況に関する認識については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。
当連結会計年度は、㈱グランビスタホテル&リゾートにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、減収営業損失となりました。㈱サンケイビルは、前期からは減収減益となりましたが、ビル賃貸事業やサンケイリアルエステート投資法人(REIT)等を通じた資産循環型ビジネスが引き続き好調に推移しました。その結果、都市開発・観光事業全体で減収減益となりましたが、セグメントの営業利益は中期経営計画における当連結会計年度の目標数値を上回りました。
都市開発・観光事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大によりインバウンドを含む観光需要の減少、国内の移動制限等を受けホテルやレジャー施設等を営業休止とするなどの影響を受けています。当社グループでは、各地域の事業環境の把握に努め、感染防止策を図りつつ適宜営業活動を再開していくなど、今後の感染状況を注視しながら事業を遂行していきます。当社グループでは、都市開発・観光事業をグループの柱の一つと位置づけており、引き続き、都市開発分野では、財務の健全性を確保しながら戦略投資を拡大していきます。また、観光分野では、感染症による影響を最小限に抑えつつ、事態収束後の観光需要の再拡大を見据えながら、新規施設の計画的な開業を進めていきます。
その他事業の経営成績等の状況に関する認識等については、(1)経営成績等の状況の概要に記載の通りです。
当社グループは、グループ各社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指すため、健全な財務体質と資本効率の向上を両立させながら、成長分野への投資を推進し、株主還元の充実を図っていくことを財務戦略の基本方針としています。
メディア・コンテンツ事業の中核をなす㈱フジテレビジョンは、大規模災害や疾病等の事業上のリスクにより大幅な収入減が長期間生じた際にも、社会的なインフラとして放送を継続する役割を担っており、それを可能とする強固な財務体質と十分な手元流動性を確保しております。併せて都市開発・観光事業では、2020年初頭に発生した新型コロナウィルス感染症の終息後を見据えて、REITを通じた戦略投資や観光需要回復に向けた成長投資への資金確保が必要になると考えております。
2018年5月に公表した中期経営計画をベースに、自己資本比率、有利子負債残高、ROE等の指標を注視して、一定の財務健全性を確保しながら資本効率を高め、グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
当社グループの資金需要は、営業活動に関わる支出として、放映権の取得費用、番組制作のための人件費、外注費、著作権等の使用料、通信販売商品の仕入、新規不動産の取得ならび開発費、既存ビルの設備改修ほか、販売費及び一般管理費(代理店手数料、宣伝広告費、人件費等)があります。
また投資活動に関わる支出として、コンテンツ制作力の増強を図るための放送用設備・機器等の設備投資、メディア戦略強化のための投資資金、グループの資本政策に伴う株式の取得資金等があります。
当社グループの事業活動を維持し拡大していくためには資金の安定的な確保が求められますが、そのために内部資金を中心に外部資金も有効に活用しております。効率的な投資を可能にするために現在20,000百万円の社債を発行しておりますが、更に機動的な資金調達をすべく50,000百万円の社債発行登録枠を確保しております。また都市開発・観光事業では建物及び土地の調達にあたり、一定の財務規律の下、金融機関からの借入を活用しています。併せて安定的な外部資金調達を図るために、格付投資情報センターより格付を取得しており、本報告書提出時点でシングルAプラス(安定的)となっております。当社グループは強固な財務体質を有しており、さらに営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力が高いことから、当社グループの成長を維持するための運転資金、設備投資及び投融資に要する資金を調達することは可能と認識しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えている会計上の見積りに係る項目は、以下の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響についての考え方は、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)に記載しております。
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の検討にあたり、各課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積もり、回収可能性がないと判断した部分については評価性引当額を計上しております。将来の課税所得の見積りは、当連結会計年度末時点で予測可能な合理的な将来課税所得見込額とタックスプランニングに基づいておりますが、今後の業績の変動により見積りと実績が乖離する可能性があります。この場合、繰延税金資産の取崩等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社及び一部の連結子会社では確定給付型の退職金制度を採用しており、退職給付債務算定において原則法を採用しています。退職給付債務算定における数理計算は、割引率、退職率、死亡率、予想昇給率などの計算基礎に基づいており、割引率は安全性の高い債券の利回りを基礎として決定しております。また、年金資産の長期期待運用収益率は、年金資産が退職給付の支払に充てられるまでの時期、保有している年金資産のポートフォリオ、過去の運用実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。これらの前提条件の見積りと実績の差異は、数理計算上の差異として計上され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
なお、当社及び一部の連結子会社が加入するフジ厚生年金基金は、厚生年金基金の代行部分について過去分返上の認可を受けており、当連結会計年度において厚生年金基金代行返上益18,832百万円を計上しております。
固定資産の減損損失計上の検討において、メディア・コンテンツ事業では主として管理会計上の区分を基準として資産のグルーピングを行い、都市開発・観光事業においては原則として個別の物件ごとに、または管理会計上の事業所区分別にグルーピングを行っております。各事業セグメントでは、回収可能価額の算定にあたり、当連結会計年度末時点で予測可能な合理的な将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等を見積もっておりますが、今後の業績や事業環境の変動により見積りと実績が乖離する可能性があります。この場合、追加の減損損失計上が必要になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
当社は当社が所有する本社建物を、連結子会社である㈱フジテレビジョンに賃貸する賃貸借契約を締結しております。契約の概要は以下の通りです。
契約会社名:㈱フジ・メディア・ホールディングス
契約相手方:㈱フジテレビジョン(連結子会社)
賃貸借物件:フジテレビ本社ビル
契約期間 :2018年10月1日から2年間、期間満了以降は3年毎に自動更新
当社グループでは、研究開発を戦略的事業の一環として捉え、放送・配信や番組制作の各分野において、技術的優位性を確保し、魅力的なサービスに発展させるため、先進技術の導入に積極的に取り組んでおります。また、これらの活動を通じ、広くICT分野の発展に貢献しています。
(メディア・コンテンツ事業)
メディア・コンテンツ事業における研究開発活動は主に、テレビ放送事業を行う㈱フジテレビジョンに係るものであります。当連結会計年度における成果は次の通りであります。
インターネット技術等の技術革新とスマートフォンやタブレット型端末の普及により、動画視聴形態が多様化しました。また、ビッグデータ解析技術、5G、AI技術の活用等は、放送業界でも重要性が高まっており、これらの技術の研究開発に、以下の2つを柱として取り組んでおります。
①放送・配信分野におけるビジネスモデルを支える技術についての研究開発
②番組制作分野における新たな制作技術手法による働き方改革に向けての研究開発
放送・配信分野では、広告ニーズの高度化への対応や、テレビだけでなくスマートフォンなどへのマルチデバイス展開を効率的に実施できる「統合放送・配信連携基盤」の開発を成し遂げました。また、大規模なテレビ視聴データを安全に収集できるシステムを開発、機械学習を応用した分析などにより、視聴者ニーズを捉えた番組制作や、マーケティング戦略への活用方法を研究しています。
番組制作分野においては、通信キャリアや放送機器メーカーと連携して、高速・大容量・低遅延・高信頼性を有する5Gの利活用に向けた共同実験を実施しました。又、AI画像認識技術を用いた新たな番組制作技術の研究にも取り組んでおり、働き方改革に寄与するものと考えています。
総務省情報通信審議会やARIB(電波産業会)やA-PAB(放送サービス高度化推進協会)での4K・8K超高精細度テレビジョン放送の標準化や地上デジタル放送の高度化技術の検討、IPTVフォーラムでの放送通信連携技術の標準化、ITU-R(国際電気通信連合 無線通信委員会)での国際標準化等の活動に積極的に取り組んでいます。
今後も研究開発を事業戦略の一環として捉え、継続的に取り組んで参ります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は