第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

(変更理由)

ソフトバンク株式会社(旧 ワイモバイル株式会社)のモバイル通信網等のネットワークを利用したPHSデータ通信サービスは、2015年9月10日をもって終了したため、該当記載は削除しました。

 

(2) 当社サービスの仕組みについて

① モバイル通信網等について

当社は、携帯電話事業者から調達したデータ通信サービスに、音声通話サービス、セキュリティ技術、IP電話等の各種アプリケーション、または通信端末等を組み合わせることで当社独自の通信サービスを設計し、一般消費者を含む様々な顧客層及びパートナー企業にモバイル通信のソリューションを提供しています。

当社サービスの基盤となっているのはデータ通信サービスですが、現時点において、データ通信サービスを提供する仕組みは、下図のとおり、株式会社NTTドコモ(以下、「ドコモ」という)のモバイル通信網等のネットワーク(以下、「モバイル通信網等」という)、専用線接続部分並びに当社グループのデータセンター等から構成されています。なお、当社グループのデータセンターにおける主要なシステムは、株式会社インターネットイニシアティブが運営するデータセンター内に収容しています。

 

図1 データ通信サービスを提供する仕組み

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(後略)

 

④ 技術革新について

当社グループが提供するデータ通信サービスでは、LTE・3Gのモバイル通信、無線LAN技術、TCP/IPネットワーク技術、マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム、認証技術において業界標準になっているRadius認証システム等を使用しています。これらの技術標準等が急激に大きく変化した場合、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が生じ、当社グループの収益を圧迫し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術標準の変化への対応が遅れた場合、または、当社サービスに使用している技術もしくはサービスが陳腐化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当社グループは、当第2四半期連結累計期間において、引き続き、モバイル通信サービスを利用したソリューション事業(以下、「MSP(モバイル・ソリューション・プラットフォーム)事業」といいます)の立ち上げに注力しました。

当社の現在の主力事業となっているSIM事業には多くのMVNO事業者が参入していますが、SIMすなわちモバイル通信サービスの料金競争に終始し、差別化が極めて難しい分野となっています。当社は日本にSIM事業を生み出しましたが、今日の状況はある意味で予見されたものであり、当初からSIM事業で中長期的な成長を図ることは想定していませんでした。

 一方、当社グループが中長期的な成長を実現する分野として注力しているMSP事業は、まさにこれからの事業領域であり、多種多様なサービスが求められ、大いに差別化の余地があります。当社グループは、モバイル・ソリューション事業に参入しようとする多くの企業に対し、そのベースとなるソリューションを提供しますが、MNOや他のMVNO事業者とは差別化したソリューションを提供することで、中長期的な成長を目指しています。

 

(日本事業)

 当社は、当第2四半期連結累計期間において、当社の経営資源をMSP事業に集中させるための環境を整えました。すなわち、創業時からの事業である法人向け携帯電話サービス(テレコム・サービス)の提供を2015年7月31日で終了し、また、2001年8月から世界初のデータ通信MVNOとして実現したPHSサービスの提供を2015年9月10日をもって終了しました。これにより、携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを利用して、当社グループ独自のモバイル通信サービスを提供するという、当社の事業領域をより明確化することができました。さらに、人材配置においても、当社の上級マネジメントチームのメンバーの過半をMSP事業のパートナー開拓及び担当に任命し、全社を挙げてMSP事業に集中できる体制を構築しました。

 この結果、日本事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,210百万円となりました。

このように、当社グループのMSP事業は、順調に立ち上がってきています。なお、当社は、日本におけるMSP事業として、以下の3つの戦略を中心に推進しています。

 

① モバイルIP電話

 モバイルIP電話が普及しない原因として、音声通話の品質と消費電力という2つの課題がありましたが、当社が提供する通信端末であるVAIO® Phoneは、これらの課題を解決する技術を実装し、ビジネス利用にも堪えるモバイルIP電話を実現しています。

 当社は、このVAIO® Phoneを法人向けに3つの形態(ソリューション)で提供いたします。1つめは大企業向けで、当社グループが自ら利用している形態です。企業が持つ電話システムに当社のモバイルIP電話技術を組み合わせ、さらには当社の特許技術である無線専用線を使うことで、会社の電話番号をそのまま利用して、会社の電話を外出時にもスマホで発呼及び受話できます。2つめは中小企業向けで、企業が持つ小型の電話交換システム(IP-PBX)に当社のモバイルIP電話技術を組み合わせることで、やはり会社の電話をスマホで利用できるようになります。3つめはSOHO向けで、オフィスの電話及びブロードバンド回線と当社のモバイルIP電話技術を接続する小型の装置を使って、会社の電話機をスマホに置き換えることができます。当社は、これらの3つの形態のソリューションを法人向けに提供するため、パートナー企業の開拓を進めています。

 

② 無線専用線

 当社グループは、特許技術である無線専用線を利用したセキュアなネットワークを米国でATM向けに提供し、高い評価を得ていますが、昨今のIoTブーム及びサイバーセキュリティに対する関心の高まりから、無線専用線には、現在、様々な分野から商談をいただいています。当社グループは、現在、無線専用線を提供する地域の拡大、及び、無線専用線を提供する分野の拡大という2つの取組みを行っています。提供する地域の拡大としては、米国での提供実績を日本に持ち込むべく、日本のネットワークでのPCI-DSS認定を取得しました。日本の金融機関は、従来、安全性を重視して高コストの有線サービスに甘んじていましたが、無線通信の採用が実現した場合、そのコスト構造への影響は非常に大きく、日本の金融業界にとっても新たな一歩になるものと思われます。

 

③ モバイル端末セキュリティ

 サイバーセキュリティ問題が日ごとに喧伝される中、セキュアなネットワークを望むお客様の声も日増しに大きくなっています。前述の無線専用線によって、ネットワークそのもののセキュリティを保つことは可能ですが、端末自身のセキュリティ対策も必須です。しかしながら、現在は、PC向けに様々なセキュリティ対策が提供されているものの、スマートフォンやタブレット向けには、ウィルス対策ソフトの提供に留まり、端末に対する不正侵入を検知し、防御するという基本的かつ不可欠の機能を備えたサービスが未だ存在していません。当社は、2006年に買収したArxceo社の技術をベースに技術開発を進め、2015年9月18日、スマートフォンに対する不正侵入等を検知する機能をVAIO® Phoneに搭載しました。これにより、法人向けのスマートフォンの商談が促進されているほか、スマートフォンでクレジットカード決済を行う等の特定業務向けスマートフォンの商談も動き始めています。スマートフォンの法人利用が進まない理由はセキュリティへの不安が根底にあるものと思われますが、VAIO® Phone向けの端末セキュリティ対策を打ち出した後の商談の進捗状況は、順調に推移しています。

 

(米国事業)

 当社グループは、現在、無線専用線を提供する地域の拡大、及び、無線専用線を提供する分野の拡大という2つの取組みを行っています。当社グループが米国で提供しているATM向けの無線専用線サービスは高い評価を得ており、2015年10月には、隣国のカナダでもサービスを開始しました。当社の米国子会社の顧客である大手ATM事業者は、米国以外の諸外国でもサービスを展開しており、当社の米国子会社は、米国以外の地域でもATM向け無線専用線サービスを提供するよう要望を受けています。当社は、グローバルなモバイル・ネットワークを有する海外携帯事業者と提携することで、無線専用線を提供できる地域の拡大を進めていきます。

 この結果、米国事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は、183百万円となりました。

 

 以上の結果、当社グループの当第2四半期連結会計期間の売上高は、第1四半期比50.0%増の1,436百万円、営業利益は46百万円となりました。第1四半期はMSP事業で期待通りの結果を出せず189百万円の営業損失となりましたが、当四半期は特にMSP事業の成長が寄与し、第1四半期から236百万円の改善となり、黒字転換を果たしています。経常利益は、支払利息及び為替差損等の影響により38百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、米国子会社における人員削減に伴う事業構造改善費用の計上により34百万円となりました。

 当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同四半期比2.2%減の2,393百万円(前年同四半期は2,446百万円)、営業損失は143百万円(前年同四半期は130百万円の営業利益)、経常損失は168百万円(前年同四半期は147百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は163百万円(前年同四半期は126百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における流動資産は6,629百万円となり、前連結会計年度末に比べ625百万円減少しました。これは主に現金及び預金が403百万円、売掛金が120百万円、有価証券が200百万円減少したことによるものです。固定資産は1,561百万円となり、前連結会計年度末に比べ133百万円増加しました。

この結果、総資産は8,191百万円となり、前連結会計年度末に比べ492百万円減少しました。

 

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における流動負債は2,328百万円となり、前連結会計年度末に比べ、50百万円増加しました。これは主に短期借入金が959百万円増加した一方、買掛金が591百万円、一年内返済予定の長期借入金が109百万円、未払金が93百万円減少したことによるものです。固定負債は1,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ419百万円減少しました。これは主に長期借入金が398百万円減少したことによるものです。

この結果、負債は3,472百万円となり、前連結会計年度末に比べ369百万円減少しました。

 

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産は4,719百万円となり、前連結会計年度末に比べ122百万円減少しました。

この結果、自己資本比率は57.0%(前連結会計年度末は55.2%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は2,614百万円となり、前年同四半期に比べ、1,414百万円減少しました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは786百万円の支出となりました。(前年同四半期は521百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失161百万円を計上したこと、仕入債務が591百万円減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは1,403百万円の支出(前年同四半期は222百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入による支出1,089百万円、固定資産の取得による支出309百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは529百万円の収入(前年同四半期は1,036百万円の収入)となりました。これは主に銀行借入によるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は41百万円です。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。