当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクは、次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(7)その他
④ 新株予約権(第三者割当て)による株式の希薄化について
当社は、平成28年7月12日開催の取締役会決議に基づき、平成28年7月28日に第3回新株予約権(第三者割当て)210,000個(21,000,000株)を発行しました。当該新株予約権の行使期間は平成30年7月28日までであり、当第2四半期連結会計期間の末日現在の当該新株予約権の潜在株式数は14,070,000株となっています。当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。
(1)業績の状況
(日本事業)
当第2四半期連結累計期間におけるMVNO市場は、昨年度に引き続き堅調に推移しています。総務省によれば、2016年3月末時点の移動系通信の契約数に占めるSIMカード型MVNOの契約数比率は4.0%でしたが、同年6月末時点では4.5%に伸長しています。また、MVNO事業者数も、2016年3月末時点の551事業者から同年6月末には580事業者に増加しています。このように、MVNO市場は成長過程にあるものの、業界関係者からは、収益力の低い事業モデルであるという評価を受けています。これは、最近までわずか3~4事業者しか存在していなかった携帯市場に、極めて短期間に多くの事業者が参入した結果、600近い事業者が格安SIMという単一商品を販売する過当競争に陥っているためです。
当社は、このような現状を踏まえ、今年の1月に発表した新事業戦略を推進しています。すなわち、自らMVNO事業者として顧客開拓を行うだけではなく、イネイブラーとして、MVNO事業者、メーカーまたはシステムインテグレータに対して、通信サービス、ソリューション、その他業務受託サービスを提供することに集中していく戦略です。今日のMVNO事業者は、当社を含め、自らネットワーク設備を保有し、通信サービスおよび商品を開発し、販売または販売チャネルのサポートを行うというように、全ての業務を一社で提供しています。しかしながら、多くのMVNO事業者が存在する今日では、適切な分業を図り、自らの強みに集中し、弱い部分はその領域に強い事業者と提携することで、全体としての事業効率を高める必要があります。これを早期に実現しなければ、MVNO市場が本格的な成長を遂げることはできません。
この観点で当第2四半期連結会計期間を見ますと、格安SIM関連の事業において、当該事業の売上高に占めるイネイブラー比率は、前年同四半期は0.3%でしたが、当四半期は、13.6%に成長しています。現時点では、当社がMVNOとして直接顧客にサービスを提供する従来型のMVNO事業が86.4%を占めていますが、当社は、この比率をなるべく早く逆転させるべく、引き続きイネイブラー事業を推進していきます。
同様に、MSP(モバイル・ソリューション・プラットフォーム)事業では、前年同四半期は11.7%であったイネイブラー比率は、当四半期には32.8%に増加しました。MSP事業は、様々なIoT案件において、市場全体で試行錯誤が続いており、ノウハウや経験を積み重ねるために、当社が直接サービスを提供していく必要がありますが、当社はパートナー開拓に注力し、パートナー経由で案件を獲得しているため、結果としてイネイブラー比率が増加しています。
また、当社はイネイブラー事業の大きな柱として、ドコモ以外の携帯事業者のネットワーク調達を進めています。前述の通り、SIMカード型MVNOのシェアは2016年6月末時点で4.5%ですが、その多くはドコモのMVNOであり、ドコモが販売した携帯端末で格安SIMを使用している利用者です。日本において最も人気の高い携帯端末であるiPhoneは、ソフトバンクが最初に日本で販売したため、ソフトバンクでiPhoneを購入し、現在も使い続けている利用者は推定2千万人に達しています。しかしながら、現在数多く販売されている格安SIMは、旧モデルのiPhoneでは使用できず、従前購入したiPhoneを使い続けながら格安SIMに移行して月額の通信コストを下げるという選択肢は存在しないのです。格安SIMのメリットは報道等で周知されていますが、まだ、誰もが使うことができるという状況には至っていません。
このような状況を踏まえ、当社は、2015年8月にソフトバンクにレイヤー2接続を申し入れ、時間をかけながらも順調に協議を重ねてまいりました。しかし、ソフトバンクは、一転し、当社が申し入れた接続には応じられないとして、接続拒否の姿勢を明確にしたため、当社は2016年9月、総務省に接続協定に関する命令を申立てました。この問題が解決した場合、格安SIMの市場規模はほぼ倍増しますが、当社はそれまでに販売力を持つ事業者との提携を強化し、ソフトバンク版の格安SIMの発売と同時に積極的な市場展開を仕掛けるべく、準備を進めています。ドコモの格安SIMは当社が市場を生み、業界の成長を見守る役割に徹しましたが、ソフトバンクの格安SIMに関しては、サービス提供が可能になり次第、最大シェアを目指します。
(海外事業)
当社は現在、米国においてMVNO事業を展開するとともに、欧州におけるMVNO事業の準備を進めています。米国におけるMVNO事業は、主に金融機関向けの無線専用線(注:「無線専用線」は当社の登録商標です)を主軸に、POS向け等の関連分野への展開、さらには教育向けや小売店舗等の設置型金庫のマネジメント等に領域を横展開しています。戦略は日本と同様で、当社が直接サービスを提供することでノウハウを獲得し、技術開発を行い、実績を重ね、その実績をもとにパートナーを開拓し、パートナーによる販売拡大を狙うというものです。米国事業においては、当社が開発したソリューション、具体的には無線専用線を活かした教育分野向けSecurED(セキュア・エド)等を大手携帯キャリアの法人営業が仕入れて拡販しています。前年同四半期には32.0%だったイネイブラー比率は、当四半期には40.0%に成長しており、引き続きイネイブラー比率を高める戦略を遂行しながら売上拡大を図ってまいります。
また、2016年4月にダブリン(アイルランド)に欧州子会社を設立したことで、欧州の携帯事業者との接続協議を加速しています。特に欧州では、MVNOが独自のSIMを発行し、携帯事業者とは異なるサービスを提供する、いわゆるフルMVNOという事業形態が可能になっています。当社は、日本においてフルMVNOを実現する取り組みを進めながら、欧州及び米国においても同様の取り組みを進めており、今年度内に合意を締結する予定です。この取り組みが実現すれば、当社は、世界のどこでも無線専用線という当社にしかできないサービスを提供することができます。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は1,382百万円(前年同四半期は2,393百万円)となりました。営業損失は612百万円(前年同四半期は143百万円)、経常損失は581百万円(前年同四半期は168百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は625百万円(前年同四半期は163百万円)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は4,438百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円増加しました。これは主に現金及び預金が483百万円増加した一方、売掛金が117百万円、商品が53百万円、未収入金が51百万円減少したことによるものです。固定資産は1,417百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円減少しました。
この結果、総資産は5,864百万円となり、前連結会計年度末に比べ100百万円増加しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は2,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ136百万円減少しました。これは主に訴訟損失引当金が45百万円増加した一方、買掛金が24百万円、短期借入金が92百万円、一年内返済予定の長期借入金が70百万円減少したことによるものです。固定負債は400百万円となり、前連結会計年度末に比べ351百万円減少しました。これは主に長期借入金が328百万円減少したことによるものです。
この結果、負債は2,571百万円となり、前連結会計年度末に比べ488百万円減少しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は3,292百万円となり、前連結会計年度末に比べ588百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は54.8%(前連結会計年度末は46.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は1,986百万円となり、前連結会計年度末に比べ483百万円増加しました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは134百万円の支出(前年同四半期は786百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失626百万円を計上した一方、減価償却費149百万円、売上債権の減少111百万円、たな卸資産の減少50百万円、未収入金の減少51百万円、未収消費税等の減少160百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは135百万円の支出(前年同四半期は1,403百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは813百万円の収入(前年同四半期は529百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は34百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。