第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクは、次のとおりです。

なお、文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

(7)その他

④ 新株予約権(第三者割当て)による株式の希薄化について

当社は、平成28年7月12日開催の取締役会決議に基づき、平成28年7月28日に第3回新株予約権(第三者割当て)210,000個(21,000,000株)を発行しました。当該新株予約権の行使期間は平成30年7月28日までであり、当第3四半期連結会計期間の末日現在の当該新株予約権の潜在株式数は14,070,000株となっています。当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は次のとおりです。

なお、同期間において、変更又は終了した経営上の重要な契約はありません。

 

会社名

相手方の名称

国名

契約名称

契約内容

契約期間

日本通信㈱

株式会社U-NEXT

日本

共同事業契約書

MVNOサービスにおける共同事業に関する契約(「b-mobile」のブランドで提供される個人向けサービスの一部の賃貸を含む)

平成28年10月1日から

平成33年9月30日まで

(1年単位の自動更新)

 

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

(日本事業)

 当第3四半期連結会計期間(2016年10月から12月)は、前四半期に引き続き格安SIMの需要が旺盛であるものの、短期間に多くの事業者が参入し、過当競争の状況にありました。当社は、このような状況において、MVNO市場の現状を打破するための施策として、以下の3つの課題に取り組んでまいりました。

 

① ソフトバンクとの接続

② 大手MVNO事業者との協業(販売力のあるMVNOへのイネイブラー・サービスの提供)

③ SIMサービスの高度化(差別化)

 

① ソフトバンクとの接続

 当社は、2015年8月にソフトバンクに相互接続の申入れをしており、当初は、当期第1四半期中(2016年6月まで)のサービス開始を想定していました。しかしながら、両者間の接続協議は不調に終わったため、2016年9月29日に総務省に「接続協定に関する命令申立書」を提出いたしました。この申立を受け総務大臣は、2016年12月8日に紛争処理委員会に諮問を行い、2017年1月27日には紛争処理委員会から総務大臣に対して答申が行われました。その結果、両者は協議を行い、2017年1月31日、2017年3月22日にサービス提供を開始することで合意しました。詳細は、2017年2月1日に公表した「日本通信、ソフトバンクと相互接続に関して合意 3月22日にサービス開始」をご参照ください。

 ソフトバンクとの相互接続が合意に至り、3月22日にサービス開始することが確定したため、2018年3月期の期初からソフトバンクのSIMロックiPhone/iPadを始めとした端末利用者向けに当社SIMサービスを利用していただける環境が整いました。これにより、2018年3月期には、売上高60億円、利益6億円程度の業績を実現できるための事業計画を策定し、通期決算時に業績予想を公表する予定です。

 なお、総務省からの接続協定にかかる命令を待たず、ソフトバンクとの早期の合意を優先したことから、来期は、期初からソフトバンクのSIMロック端末向け格安SIMによる収益への貢献を想定することができます。

 

② 大手MVNO事業者との協業(販売に特化したMVNOへのイネイブラー・サービスの提供)

 当社は、2016年11月7日に、販売およびマーケティングに強みを持つ大手MVNO事業者である株式会社U-NEXT(以下、「U-NEXT」という)との協業を開始しました。詳細は、2016年11月7日に公表した「U-NEXTと日本通信、MVNO事業に関する協業について合意」をご参照ください。

 当社は、MVNO制度を作ってきたパイオニアですが、強固な販売力を持つMVNO事業者と連携することで、引き続き、技術基盤に強みを有するイネイブラー事業者としての存在意義を活かすことができます。MVNO事業者が600社に及ぶ現在では、各社が全ての機能を自社で提供することにこだわるのではなく、自社の強みを最大限に活かし、弱みを補完していくことが求められます。そもそもMVNOは、基地局等の設備はそれを強みとするMNOから借り、設備以外に強みを持つことで補完関係を築くものであり、この考え方は、MVNO事業モデルの延長線上にあるものです。

 なお、当社の月額課金型SIMの売上は、継続的な収益の源泉として重要ですが、当社がソリューション事業へのフォーカスを開始した2015年8月頃から減少傾向となっておりました。しかし、U-NEXTとの協業を開始した2016年11月には、前月比で増加に転じており、2016年10月を底にして成長に反転したものと考えられます。

 また、U-NEXTは、2017年1月に、家電量販店最大手の株式会社ヤマダ電機とMVNO事業を行う合弁会社を設立することで合意した旨を公表しています。当社がイネイブラーとして提供する格安SIMは、U-NEXTとの協業により、ヤマダ電機の販売力でさらに成長することが期待されます。

 

③ SIMサービスの高度化(差別化)

 現在、MVNO事業者は、ドコモ等のMNOからSIMの貸与を受けて顧客に提供していますが、この方法では、SIMサービスの高度化(差別化)には限界があります。そこで当社は、当社がSIMメーカーから直接当社仕様のSIMを調達し、国内外の複数の携帯網との接続に必要な認証情報等を書き込んで提供する日本通信SIMの実現を目指しています。これを最短で実現するため、当社は、2017年1月16日に、欧州の通信事業者であるBICS S.A.との間で、当社が独自のHLR / HSS及びGGSN / PGWを保有する「フルMVNO」として、1つの契約で世界中で利用できる独自SIMを提供することが可能となる相互接続にむけた基本合意書を締結しました。詳細は、2017年1月16日に公表した「日本通信、欧州通信事業者BICSと「フルMVNO」で合意」をご参照ください。実現時期は2017年夏頃を目指して、両者で鋭意取り組んでいるところです。

 これにより、2017年夏頃までには、当社が持つHLR/HSS等のコア・ネットワークを使った日本通信SIMの提供が可能になります。このことは、当社として、長年求めてきたMVNOとしてのサービス開発力の点で、制約が一切なくなることを意味し、ようやく当社が創業時から描いてきた真の日本通信の姿を実現できるようになります。

 

(海外事業)

 ③は当社の欧州事業における進捗でもあり、同様の取り組みは、米国の携帯事業者とも進めております。当社はセキュアかつ信頼できるネットワークをグローバルに構築し、これを各国のパートナー企業と共に展開していく考えです。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,059百万円(前年同四半期は3,304百万円)となりました。営業損失は1,346百万円(前年同四半期は1,424百万円)、経常損失は1,298百万円(前年同四半期は1,446百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,362百万円(前年同四半期は1,595百万円)となりました。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は4,213百万円となり、前連結会計年度末に比べ88百万円減少しました。これは主に売掛金が86百万円、貸倒引当金が308百万円増加した一方、商品が50百万円、未収入金が48百万円減少したことによるものです。固定資産は1,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ10百万円増加しました。

この結果、総資産は5,696百万円となり、前連結会計年度末に比べ67百万円減少しました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は2,829百万円となり、前連結会計年度末に比べ521百万円増加しました。これは主に買掛金が153百万円、未払金が100百万円、訴訟損失引当金が47百万円増加したことによるものです。固定負債は267百万円となり、前連結会計年度末に比べ485百万円減少しました。これは主に長期借入金が451百万円減少したことによるものです。

この結果、負債は3,096百万円となり、前連結会計年度末に比べ36百万円増加しました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は2,599百万円となり、前連結会計年度末に比べ103百万円減少しました。

この結果、自己資本比率は44.3%(前連結会計年度末は46.0%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は1,357百万円となり、前連結会計年度末に比べ145百万円減少しました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは473百万円の支出(前年同四半期は860百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失1,317百万円を計上した一方、減価償却費223百万円、たな卸資産の減少51百万円、未収入金の減少48百万円、未収消費税等の減少164百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは327百万円の支出(前年同四半期は1,490百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは661百万円の収入(前年同四半期は333百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は46百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。