当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
(1)業績の状況
当第1四半期連結会計期間(以下、「当四半期」という)は、前第4四半期連結会計期間(以下、「前四半期」という)に続いて格安SIMの市場が堅調な推移を見せる中、2017年3月末時点では684社(総務省公表値)のMVNO事業者が主にドコモ利用者向けの格安SIMを提供し、過当競争の状況が続いています。
当社はこのような状況を打破するため、ソフトバンク利用者、特にソフトバンクのiPhone利用者向けの格安SIMを市場投入することで、ドコモ利用者とは異なる市場セグメントの創出を進めています。まずは本年3月22日にソフトバンクのiPhone向けデータ通信専用SIMを発売し、音声サービス付きのSIMについては、SIMを差し替えるだけで従来と同様に使用できるSIMを本年8月16日に発売することでソフトバンクと合意しました。
また、現状打破のためのもう一つの施策として、他社と明確に差別化したサービスの開発・提供を進めています。
以上の方針は、2016年1月22日に発表した新事業戦略に則ったものであり、当社は、引き続き新事業戦略の推進に取り組んできたものです。
(日本事業)
当社は、ソフトバンク網との相互接続により、本年3月22日から、ソフトバンクのiPhone及びiPadの利用者向けに、データ通信専用SIMの提供を開始しました。このサービスは、当社のブランドであるb-mobileのほか、株式会社U-NEXT(以下、「U-NEXT」という)その他のパートナー企業を通して提供しています。
今日のMVNO市場における格安SIMは、現在、お客様がメインで使用しているスマートフォンをそのまま使いながら、SIMを携帯事業者との契約から、MVNO事業者との契約に変更する、すなわち格安SIMを購入し、差し替えて使うというのが、主たる顧客ニーズになっています。これは、ドコモ網を使用した格安SIMは、ドコモ網を使った音声サービスとデータ通信サービスの両方が使えるにようになっているからです。
このような今日の市場の状況を踏まえ、当社は、ソフトバンクのデータ通信網との相互接続を求めると同時に、ソフトバンクの音声サービスに関する卸契約を依頼しておりました。この両者には順序がありますが、前者、すなわちデータ通信の相互接続は本年3月22日に実現し、その結果、データ通信専用SIMを発売したものです。
当四半期は、ソフトバンクのiPhone及びiPad用のデータ通信専用SIMの最初の四半期となりましたが、端的に言えば、計画値を下回った結果となりました。これは大きく2つの理由によるものと捉えています。1つには、上述の通り、今日、格安SIMを求めているお客様は、音声サービスが付いているSIMを要望されていることがあります。これは商品発表直後から、お客様及び販売店様から音声サービス付きのSIMへのご要望を強く頂戴していることからも明らかです。
またもう1つの理由として、販売店における初期段階の混乱があります。当社は、昨年11月にU-NEXTとの提携を行い、特にコンシューマ向け販売店政策において連携強化することで合意しました。これにより月額課金型SIMの顧客数は増加傾向に転じたことからも、提携効果が出ている面と、一方で、ソフトバンクのiPhone及びiPad向けのSIMの発売にあたり、スムーズな移行ができたとは言えない状況が発生しました。特に大手販売店が先行して発売するとの情報などにより、販売店の足並みを揃えることができなかったという反省があります。
以上の状況を踏まえ、当社は、音声サービス付きのSIMを提供開始できるようソフトバンクとの協議に注力しました。その結果、本年8月16日に音声サービス付きの格安SIMをソフトバンクのiPhone利用者向けに発売できるところに漕ぎ着けました。
サービス内容は後日発表いたしますが、基本的には格安SIMとしてお客様がご要望されている中身を備えています。すなわち、ソフトバンクのiPhoneを使っているお客様が、SIMを差し替えるだけでそのまま使え、料金は概ね半額であること、そして現在使っている電話番号を移行して(MNP)そのまま使い続けることができることなどです。もちろん、SIMロックを外す必要は一切ありませんので、SIMロックがかかっているiPhoneでそのままご利用いただけます。
当社が短期的に月次の黒字化を達成できるか否かは、ソフトバンクiPhone用格安SIMの成否にかかっていますので、現在、全社一丸となって取り組んでいます。特に販売店における取り扱いにおいて、強力な販売網を構築できるよう最重点課題として取り組み、そのための社内体制も整えております。
また、他社と明確に差別化した通信サービスの開発への取り組みとして、デュアル・ネットワーク戦略を推し進め、本年7月19日に、「無線固定網」として発表しました。
このサービスは、ドコモ網及びソフトバンク網の両方を利用することで、日本で最も広いサービスエリアを提供するものです。サービスエリアは、銀行の支店やATMが存在していない地域に移動して使われる移動ATM車にとっては最も重要な採用基準であり、この点をご評価いただいて、既に移動ATM車で採用され、運用が開始されています。今後、金融分野以外でも、警察や消防、水道事業等の公共セクターを中心に、様々な分野におけるIoTでの活用が広がっていくものと考えます。
また、デュアル・ネットワーク戦略は、サービスエリアの広さだけでなく、2つの携帯網の冗長構成によってファイブ・ナイン(99.999%)の信頼性を提供することが可能なため、固定網の置き換えニーズに対応することができます。特にISDNは、2025年にサービス廃止が予定されており、企業及びシステムインテグレータにおいては、代替策の検討が進められています。
本年4月に発表した大興電子通信株式会社(以下、「大興電子」という)との提携は、この「無線固定網」によるサービスエリアの広さ及び信頼性の高さを活用してIoT事業に参入するものです。大興電子の約20,000社という幅広い法人顧客向けに、ISDN回線の代替として、また新たなIoTニーズへの対応として提案してまいります。
さらに他社と差別化したサービスの大きな柱の一つとして、SIM認証を用いたプラットフォームの開発・提供を進めています。本年5月に、改正銀行法が成立しました。これにより、日本においても新たなFintechサービスの登場・普及が期待されます。その際、Fintech企業とエンドユーザとの間のセキュリティが極めて重要な課題となりますが、当社は、当社が持つ通信セキュリティの技術及び基盤を活用することで、Fintechプラットフォームを構築し、提供してまいります。
SIMは世界で最も普及しているICチップです。当社は当社の独自SIMを提供することで、強固なSIM認証を構築でき、これを活用することで、Fintechを始め、Medtech(医療と技術の融合領域)やRegtech(規制と技術の融合領域)、あるいはIoTなど、様々な領域での活用を進めていきます。
以上により、個別売上高は、月額課金型SIM事業の増収により、前四半期比20.4%増(108百万円増)の639百万円(前四半期は531百万円)となりました。営業損失は、前四半期並みの339百万円となりましたが、これはソフトバンクとの相互接続に伴う先行投資的費用として65百万円を計上したことによるもので、この影響を考慮すると前四半期337百万円から62百万円改善しています。
(海外事業)
米国においては、ATM向けサービスをさらに拡大するともに、ATM向け事業のパートナー企業との提携による店舗内設置金庫管理サービスの提供を開始しています。Fintechが進む米国では、新たな金融向けサービスが誕生していますが、当社が提供するセキュアな無線通信へのニーズは高く、引き続きパートナー企業とともに新サービスを開発・提供してまいります。また、欧州においては、欧州携帯事業者との提携により「フルMVNO」に向けた準備を進めています。当社は、世界を一つのエリアとして捉え、当社のコア・ネットワークを地球規模で一元化することで欧州のフルMVNO機能を日本でも活用する方針であるため、そのための布石としての重要な取組みです。
また、この方針により、日本において開発・提供するFintech向けサービスを、米国及び欧州他で提供していく予定です。
以上により、海外事業の売上高は、前四半期並みの67百万円(前四半期は69百万円)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は前四半期比106百万円増の706百万円(前四半期は600百万円)となりました。営業損失は、380百万円(前四半期は354百万円)、経常損失は385百万円(前四半期は351百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は342百万円(前四半期は835百万円)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は3,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ115百万円増加しました。これは主に商品が149百万円増加したことによるものです。固定資産は1,430百万円となり、前連結会計年度末に比べ34百万円減少しました。
この結果、総資産は4,870百万円となり、前連結会計年度末に比べ78百万円増加しました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は2,324百万円となり、前連結会計年度末に比べ570百万円減少しました。これは主に一年内返済予定の長期借入金が131百万円、未払金が349百万円、前受収益が39百万円、預り金が23百万円減少したことによるものです。固定負債は93百万円となり、前連結会計年度末に比べ48百万円減少しました。これは主に長期借入金が45百万円減少したことによるものです。
この結果、負債は2,417百万円となり、前連結会計年度末に比べ618百万円減少しました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は2,452百万円となり、前連結会計年度末に比べ697百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は50.0%(前連結会計年度末は35.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は1,140百万円となり、前連結会計年度末に比べ81百万円増加しました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは878百万円の支出(前年同四半期は31百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失の計上341百万円、訴訟和解金の支払342百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは66百万円の収入(前年同四半期は73百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは891百万円の収入(前年同四半期は205百万円の支出)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(6)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は13百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。