当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
インターネットを利用する端末がPCからスマートフォンに移行する中、モバイルの重要性は高まり、モバイル市場の競争環境を整備し、より公平な環境でMNOとMVNOが切磋琢磨することで通信サービスの低廉化と多様化を促進する政策が推進されています。MVNOは2018年9月末現在で962社に達し、MNOに対する競争事業者として認識されるようになりましたが、実質的に大手3社による寡占状態だったモバイル市場において、短期間で900を超える競争事業者が誕生したことは、MVNO事業モデルの有用性を示しています。
通信サービスの低廉化については、既に多くのMVNO事業者が格安SIMとして取り組んでいるため、当社は引き続き、他のパートナーにモバイル・ソリューションを提供するイネイブラー事業者として、通信サービスの多様化に重点を置いて業界をリードしていく方針です。
当社は、イネイブラー事業について、安全・安心な通信の提供、および、5G時代を見据えたLTE技術を利用した事業という二つの軸で取組みを進めています。
安全・安心な通信の提供については、いわゆる格安SIMが主に一般消費者向けのインターネット・サービスを提供しているところ、当社は、セキュリティが極めて重要な領域でモバイル・ネットワークを提供するIoTサービスの展開・拡充を図っています。具体的には、銀行のATM(現金自動預支払機)向けの無線専用線サービスや都道府県警察向けのセキュア通信サービス、またはクレジットカード決済の新たな規制に対応した決済システムの提供などです。
また、インターネットによる銀行取引や証券取引、または店舗におけるキャッシュレスな支払など、スマートフォンの使い方が多種多様に広がる中、どのようにセキュリティを確保するかが、日本のみならず世界でも大きな課題となっています。当社は、この課題を解決するための手段として、独自SIMに電子証明書等のセキュリティ機能を搭載して、スマートフォンで安全・安心なインターネット取引を実現するためのプラットフォームとして、「FPoS」(エフポス、FinTech Platform over SIM)を開発しました。
FPoSは、昨年5月に金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件に決定し、同年8月から10月にかけて群馬銀行、千葉銀行、徳島銀行、マネーフォワードおよびサイバートラストによる実証実験が行われました。本年1月24日、金融庁はこの実証実験の結果として、FPoSが「インターネット等の通信手段を利用した非対面取引を行う場合の本人認証の観点で特段の問題はない」ことを公表し、これにより、銀行等がFPoSを採用するための制度的なハードルがなくなりました。さらに、金融庁の監督指針で指摘されている「高度化・巧妙化する犯罪手口(「中間者攻撃」や「マン・イン・ザ・ブラウザ攻撃」など)」への対策になりうるとの回答も公表しました。今日、高度化・巧妙化する犯罪手口に対して有効な対策を一般消費者向けに採用している金融機関はないため、FPoSが唯一の選択肢になっています。当社は、世界で最も安全な金融取引をスマホで実現するFPoSを、日本で展開を行うとともに、海外展開を積極的に進めてまいります。
当社は、FPoSの商用化に向けた取り組みを並行して進めており、昨年11月にFPoSの事業会社としてmy FinTech株式会社(以下、「my FinTech」という)を設立し、同年12月には、日本エー・ティー・エム株式会社(以下、「日本ATM」という)の資本参加により、my FinTechを当社と日本ATMの合弁会社としました。日本ATMは、ATMの監視・運用を多くの金融機関から受託しており、FPoSの事業パートナーとして最適であると考えています。
もう一つの軸となるLTE技術を利用した事業については、日本及び米国の事業機会についての実証及び検討を進めた結果、まずは米国における取組みを優先することとしました。米国では、2019年初めに、3.5GHz帯のうち約150MHzという広大な帯域が、CBRS(Citizens Broadband Radio Service)として新たに商用サービスに開放され、実質的に周波数免許なしで利用が可能になることが見込まれています。当社は既に当該周波数帯を使う許可を取得し、実験を開始していますが、近く、商用サービスとして提供可能な許可を受け、米国の法人顧客と提携して、広大なショッピングモール内での商用テストサービスを開始するための準備を進めています。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期と比較し312百万円増の2,560百万円(前年同四半期は2,247百万円)となりました。また、当第3四半期連結会計期間の売上高は当第2四半期連結会計期間と比較し62百万円増となりました。営業損失は462百万円(前年同四半期は946百万円)、経常損失は457百万円(前年同四半期は954百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は460百万円(前年同四半期は2,185百万円)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,401百万円となり、前連結会計年度末に比べ435百万円減少しました。これは主に現金及び預金が250百万円、未収入金が168百万円、売掛金が40百万円減少したことによるものです。固定資産は304百万円となり、前連結会計年度末に比べ101百万円増加しました。これは主に有形固定資産が36百万円、無形固定資産が65百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は1,714百万円となり、前連結会計年度末に比べ335百万円減少しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は969百万円となり、前連結会計年度末に比べ115百万円減少しました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が60百万円、未払金が56百万円減少したことによるものです。固定負債は46百万円となり、前連結会計年度末に比べ15百万円減少しました。これは主に長期借入金が16百万円減少したことによるものです。
この結果、負債は1,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ130百万円減少しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は698百万円となり、前連結会計年度末に比べ204百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は39.2%(前連結会計年度末は43.6%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は709百万円となり、前連結会計年度末に比べ213百万円減少しました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは311百万円の支出(前年同四半期は1,100百万円の支出)となりました。これは主に未収入金が168百万円減少した一方、税金等調整前四半期純損失を457百万円計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは78百万円の支出(前年同四半期は100百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは176百万円の収入(前年同四半期は1,037百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は58百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。