第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第20期

第21期

第22期

第23期

第24期

決算年月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

平成31年3月

令和2年3月

売上高

(千円)

4,109,488

2,659,403

3,034,234

3,518,395

3,510,611

経常損失(△)

(千円)

1,993,754

1,650,009

1,115,963

495,239

669,894

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(千円)

2,158,512

2,198,682

2,348,635

499,104

840,772

包括利益

(千円)

2,191,131

2,197,659

2,336,961

507,076

840,845

純資産額

(千円)

2,703,574

1,755,437

903,067

657,689

548,861

総資産額

(千円)

5,763,681

4,792,159

2,049,751

1,687,608

1,481,882

1株当たり純資産額

(円)

18.86

11.36

5.64

3.94

3.24

1株当たり当期純損失(△)

(円)

15.36

15.16

15.14

3.13

5.17

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

46.0

35.0

43.6

37.5

36.0

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,206,703

425,089

1,159,270

338,733

633,322

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,547,109

427,122

1,016,497

109,876

57,925

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

22,838

426,300

6,450

169,948

702,902

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,502,694

1,058,411

922,732

643,054

651,419

従業員数

(名)

115

103

98

98

99

〔ほか、平均臨時雇用者数〕

8

7

7

9

7

 (注)1. 売上高には消費税等は含まれていません。

2. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。

3. 自己資本利益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。

4. 株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失であるため記載していません。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第20期

第21期

第22期

第23期

第24期

決算年月

平成28年3月

平成29年3月

平成30年3月

平成31年3月

令和2年3月

売上高

(千円)

3,741,138

2,372,634

2,796,975

3,322,745

3,316,320

経常損失(△)

(千円)

1,834,756

1,534,153

941,758

476,125

735,915

当期純損失(△)

(千円)

2,419,218

2,068,683

2,488,036

479,927

1,004,937

資本金

(千円)

2,636,405

3,253,925

4,034,830

4,157,896

4,528,440

発行済株式総数

(株)

140,623,239

147,728,239

158,328,239

160,428,239

164,258,239

純資産額

(千円)

2,796,839

1,977,678

974,234

739,555

466,634

総資産額

(千円)

5,860,712

5,305,248

2,428,605

2,082,262

1,682,232

1株当たり純資産額

(円)

19.52

12.86

6.09

4.55

2.84

1株当たり配当額

(円)

(内、1株当たり中間配当額)

()

()

()

()

()

1株当たり当期純損失(△)

(円)

17.21

14.27

16.03

3.01

6.17

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

46.8

35.8

39.7

35.1

27.7

自己資本利益率

(%)

株価収益率

(倍)

配当性向

(%)

従業員数

(名)

95

89

82

79

85

〔ほか、平均臨時雇用者数〕

4

6

4

2

1

株主総利回り

(%)

38.3

38.5

23.8

22.6

32.1

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(89.2)

(102.3)

(118.5)

(112.5)

(101.8)

最高株価

(円)

504

259

198

249

273

最低株価

(円)

148

143

101

98

103

 (注)1. 売上高には、消費税等は含まれていません。

2. 1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため記載していません。

3. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載していません。

4. 自己資本利益率については、当期純損失であるため記載していません。

5. 株価収益率については、当期純損失であるため記載していません。

6. 最高株価及び最低株価は、平成27年5月31日までは東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)、平成27年6月1日以降は東京証券取引所(市場第一部)におけるものです。

 

2【沿革】

年月

概要

平成8年5月

平成8年5月24日、携帯電話の法人向けサービス・プロバイダーとして東京都千代田区に設立

 

 

平成8年10月

米国コロラド州に、技術開発のための子会社(Communication Computer Technologies Inc.(後にComputer and Communication Technologies Inc.に商号変更、以下、「CCT社」という))を設立(当社議決権比率100%、令和元年6月にJCI US Inc.に統合)

 

 

平成8年12月

郵政省(現 総務省)に一般第二種電気通信事業者の届出(関電通第7504号)

 

 

平成9年1月

法人向け携帯電話サービス(テレコム・サービス)を提供開始

 

 

平成9年9月

東京都品川区に本社移転

 

 

平成12年6月

「bモバイル(ビーモバイル)」の名称で、各種アプリケーションやコンテンツを携帯電話ブラウザで提供するアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)事業を開始

 

 

平成13年8月

DDIポケット株式会社(現 ソフトバンク株式会社、以下、「ソフトバンク」という)からPHSデータ通信のネットワークを調達し、世界初となるデータ通信MVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業を開始

 

 

平成13年10月

「bモバイル・データ・サービス」の名称で法人向けモバイルデータ通信サービスを提供開始

 

 

平成13年12月

「bモバイル・プリペイド・サービス(現 bモバイル)」の名称でデータ通信カードと1年間のモバイルインターネット使用料をパッケージ化した商品をPC量販店等で提供開始

 

 

平成14年12月

京セラ株式会社との提携により、6ヶ月間使い放題の通信サービスが組み込まれているPDAを実現し、機器への通信組み込み分野への取り組みを開始

 

 

平成17年3月

「bモバイル hours(bモバイル アワーズ)」の名称で150時間まで1分単位で使えるプリペイド・サービスを提供開始

 

 

平成17年4月

大阪証券取引所ニッポン・ニュー・マーケット-「ヘラクレス」(現 東京証券取引所JASDAQ)(市場区分:グロース)に上場

 

 

平成18年3月

ネットワーク不正アクセス防御システムで優れた技術を持つArxceo Corporation(米国アラバマ州、以下、「Arxceo社」という)を買収(買収完了時当社議決権比率58%、平成22年11月に同社を完全子会社化、令和元年6月にJCI US Inc.に統合)

 

 

平成18年4月

米国でMVNO事業を開始するため、子会社(Communications Security and Compliance Technologies Inc.(平成25年7月、Contour Networks Inc.に商号変更、以下、それぞれ「CSCT社」「CNI社」という))を米国ジョージア州に設立(当社議決権比率100%、令和元年6月にJCI US Inc.に統合)

 

 

平成18年8月

ネットワーク・セキュリティに関するソリューションの開発・販売子会社(アレクセオ・ジャパン株式会社(現 コントゥアー・ネットワークス・ジャパン株式会社、以下、「CNJ社」という))を東京都品川区に設立(当社議決権比率100%)

 

 

平成19年4月

CSCT社が、米国第6位(当時)の携帯電話事業者U.S. Cellular Corporation(米国イリノイ州)とMVNOサービスのための、第3世代携帯電話(以下、「3G」という)ネットワークとのレイヤー2による相互接続契約を締結

 

 

年月

概要

平成19年11月

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現 株式会社NTTドコモ、以下、「ドコモ」という)との相互接続についての総務大臣裁定

 

 

平成20年6月

CSCT社(ブランド名:Contour Networks(コントゥアー・ネットワークス))がクレジットカード業界の情報セキュリティ基準「PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard、以下、「PCI DSS」という)(注)」認定を取得

 

 

平成20年8月

ドコモとレイヤー3による3Gネットワークの相互接続に関する協定を締結

 

 

平成20年8月

「bモバイル3G」の名称で個人向けに3Gデータ通信サービスの提供を開始

 

 

平成20年8月

「I・Care3G」の名称で法人向けに3Gデータ通信サービスの提供を開始

 

 

平成20年11月

CSCT社が提供する無線専用線を、米国のATM(現金自動支払機)メーカーが採用

 

 

平成21年3月

ドコモとレイヤー2による3Gネットワークの相互接続に関する協定を締結

 

 

平成22年3月

CSCT社が、米国第3位(当時)の携帯電話事業者Sprint(米国カンザス州、現 T-Mobile)とMVNOサービスのための、3Gネットワークとのレイヤー2による相互接続契約を締結

 

 

平成22年4月

「b-mobile SIM(ビーモバイル・シム)」の名称でSIM製品(SIMカードによる3Gデータ通信サービス)の提供を開始

 

 

平成22年7月

「talkingSIM(トーキングシム)」の名称でデータ通信サービスと音声通話サービスを利用できるスマートフォン用SIM製品の提供を開始

 

 

平成22年10月

大阪証券取引所「JASDAQ」市場(ヘラクレス、旧JASDAQ及びNEOの市場統合により新設)において、市場区分をスタンダードに移行

 

 

平成23年6月

イオンリテール株式会社との協業により、イオン限定のサービスとして、国内初の「月額定額980 円」等のSIM製品の提供を開始(以降、他のイオングループ各社と協業を開始)

 

 

平成24年2月

丸紅株式会社との合弁会社として、丸紅無線通信株式会社(現 丸紅ネットワークソリューションズ株式会社)を設立(法人直販データ通信サービス事業を同社に承継、平成26年3月に当社が保有する同社の全株式を丸紅株式会社へ譲渡し、資本関係は解消)

 

 

平成24年3月

ドコモとレイヤー2によるLTEネットワークの相互接続に関する協定を締結

 

 

平成24年7月

「VISITOR SIM」の名称で、訪日旅行者向けSIM製品の提供を開始

 

 

平成24年10月

東京都港区に本社移転

 

 

平成25年7月

無線専用線事業強化のため、CSCT社の商号を同社のサービス名称に合わせてContour Networks Inc.に変更

CNI社が、日本においても同事業を展開するため、CNJ社を完全子会社とする

 

 

平成25年7月

米国の事業統括会社として JCI US Inc.を米国コロラド州に設立(当社議決権比率100%)

(CNI社、CCT社、Arxceo社は同社の完全子会社となる)

 

 

年月

概要

平成26年5月

電気通信事業における受注・出荷・回線開通等のオペレーション業務を提供する子会社として、クルーシステム株式会社を東京都港区に設立(当社議決権比率100%)

 

 

平成27年3月

VAIO株式会社との協業によりスマートフォン「VAIO Phone」の提供を開始

 

 

平成27年6月

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)から同取引所市場第一部へ市場変更

 

 

平成27年12月

ドコモ網を主回線、ソフトバンク網を副回線とすることで無線の信頼性を高めた「2SIMルータ」の提供を開始

 

 

平成28年1月

総務省によるMVNO規制緩和を受け、当社の役割をMSEnabler(モバイル・ソリューション・イネイブラー)として再定義する新事業戦略を発表

 

 

平成28年4月

ヨーロッパの携帯網を使用するMVNO事業を開始するため、JCI Europe Communications Limitedをアイルランド・ダブリンに設立(当社議決権比率100%)

 

 

平成28年9月

「モバイルISDN」の名称で、固定デジタル回線であるISDNをモバイル専用線(携帯網による専用線サービスを指し、以下同様とする)に置き換えるソリューションの提供を開始

 

 

平成28年11月

株式会社U-NEXTとMVNO事業に関する協業について合意

 

 

平成29年1月

ソフトバンクと3G及びLTEネットワークの相互接続に関する協定を締結

 

 

平成29年3月

「b-mobile S 開幕SIM」の名称で、ソフトバンクのiPhone及びiPadでデータ通信サービスを利用できるSIM製品の提供を開始

 

 

平成29年8月

「b-mobile S スマホ電話SIM」の名称で、ソフトバンクのiPhoneでデータ通信サービスと音声通話サービスを利用できるSIM製品の提供を開始

 

 

平成29年11月

「b-mobile S 990ジャストフィットSIM」の名称で、ソフトバンクのiPhoneで月額990円からデータ通信サービスと音声通話サービスを利用できるSIM製品の提供を開始

 

 

平成30年1月

GMOペイメントゲートウェイ株式会社との協業により、タブレット端末を用いたクレジットカード情報非保持化支援サービスの提供を開始

 

 

平成30年2月

株式会社エイチ・アイ・エスとの合弁会社として、H.I.S.Mobile株式会社を設立(当社議決権比率40%)

 

 

平成30年5月

当社が開発したFinTechプラットフォーム「FPoS (FinTech Platform over SIM)」(以下、「FPoS」という)が、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件に決定(同年8月から10月までに当社を含む6社による実証実験を実施)

 

 

平成30年11月

安全・安心なFinTechプラットフォームを運営する子会社として、my FinTech株式会社(以下、「my FinTech社」という)を東京都港区に設立(設立時当社議決権比率100%)

 

 

平成30年12月

当社が「PCI DSS(注)」認定を取得

 

 

平成30年12月

my FinTech社に日本エイ・ティー・エム株式会社が資本参加(当社議決権比率76.9%)

 

 

年月

概要

平成31年1月

金融庁がFPoSの実証実験の結果を公表(当社のFPoSが金融庁の監督指針で求められているセキュリティ要件を充足することが認められる)

 

 

平成31年3月

FPoSの基盤技術に関する3つの特許を取得

 

 

平成31年4月

米国子会社の再編を行うため、JCI US Inc.の商号をContour Inc.に変更し、CNI社の商号をJCI US Inc.に変更

 

 

令和元年5月

JCI US Inc.(旧 CNI社)がFCC(米国連邦通信委員会)からCBRS(周波数免許不要の市民ブロードバンド無線サービス)の商用基地局に関する認可を取得

 

 

令和元年6月

米国子会社4社(JCI US Inc.(旧 CNI社)、Contour Inc.(旧 JCI US Inc.)、CCT社及びArxceo社)を1社(JCI US Inc.(旧 CNI社))に統合する子会社再編が完了

 

 

令和2年1月

当社の特許技術であるFPoSが採用するサブSIM(貼るタイプのSIM)ソリューションの開発及び販売を推進する子会社としてセキュアID株式会社を東京都港区に設立(当社議決権比率100%)

(注)PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)とは、クレジットカード業界における情報保護の国際基準で、JCB、American Express、Discover、MasterCard及びVISAの世界大手カードブランド5社が共通して採用するグローバルセキュリティ基準です。

 

*「bモバイル」、「無線専用線」、「VISITOR SIM」、「2SIMルータ」、「モバイルISDN」及び「モバイル専用線」は当社の登録商標です。

*「VAIO」はVAIO株式会社の登録商標です。

 

3【事業の内容】

当社グループ(当社並びに連結子会社6社及び持分法適用関連会社1社を指し、以下同様とする)は、携帯電話事業者のモバイル通信ネットワーク(注1)を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、モバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業を営んでいます。

当社グループが提供しているモバイル・ソリューションには、当社の特許技術であるモバイル専用線によるセキュアなネットワーク、マルチキャリアとの接続による冗長性を備えたデュアル・ネットワーク製品、ネットワークをEnd to Endで保守するための機器監視サービスなどがあります。

 

(1) 当社グループが提供する事業の種類及び概要(セグメント情報及び主要な関係会社との関連を含む)は、以下のとおりです。

 ① MVNO事業

 携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループがMVNO(注2)としてモバイル通信サービスを提供する事業で、日本国内で展開しています。

事業の種類

事業の概要

報告セグメント

主要な関係会社

SIM事業(MVNO)

(商標:bモバイル等)

日本国内において、主に個人顧客(訪日旅行者や中小法人顧客を含むものとし、以下同様とします)に対して、SIMカードや通信端末の形態で、モバイル通信サービスを提供する事業

(平成13年12月個人向けサービスとして提供開始)

日本事業

H.I.S.Mobile株式会社

 

 ② イネイブラー事業

 携帯電話事業者のモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループがイネイブラーとしてモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業で、日本国内及び海外(米国)で展開しています。

事業の種類

事業の概要

報告セグメント

主要な関係会社

(ⅰ)SIM事業

(MVNE(注3))

日本国内において、主に個人顧客にMVNO事業を提供するパートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル通信サービスを提供する事業

(平成26年11月サービス開始)

日本事業

(ⅱ)MSP事業(日本)

日本国内において、MVNO、金融機関、決済代行会社、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業

(平成28年1月サービス提供開始)

日本事業

(ⅲ)MSP事業(海外)

米国において、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーに対して、各顧客またはパートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業

(平成19年11月サービス開始)

海外事業

JCI US Inc.

 

(2) 当社グループの事業系統図(セグメント情報との関連を含む)は、以下のとおりです。

 

0101010_001.png

 

(3) 当社グループが提供する事業の詳細は、以下のとおりです。

① MVNO事業

 当社は日本国内において、携帯電話事業者(ドコモ及びソフトバンク)のモバイル通信ネットワーク(LTE及び3G通信網)を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、MVNOとして、「bモバイル(ビーモバイル)」のブランドで主に個人顧客にモバイル通信サービスを提供する事業を営んでいます。

 MVNO事業は、SIMカードや通信端末にインターネット接続サービス及び音声通話サービス等を組み合わせて提供する「SIM事業(MVNO)」として展開しており、顧客はSIMカードをスマートフォン等に挿入するだけで手軽にインターネットを利用することができます。

 

② イネイブラー事業

 当社グループは日本国内及び海外(米国)において、携帯電話事業者(日本においてはドコモ及びソフトバンク、米国においてはVerizon Wireless及びSprint Corporation)のモバイル通信ネットワーク(LTE及び3G通信網)を活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、イネイブラーとして、主にパートナーや法人顧客にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供する事業を営んでいます。

 当社グループが提供しているモバイル・ソリューションには、当社の特許技術であるモバイル専用線によるセキュアなネットワーク、マルチキャリアとの接続による冗長性を備えたデュアル・ネットワーク製品、ネットワークをEnd to Endで保守するための機器監視サービスなどがあります。

 イネイブラー事業は、(ⅰ)日本国内において、主に個人顧客向けのMVNO事業を提供するパートナー(MVNO)にモバイル通信サービスを提供する「SIM事業(MVNE)」、(ⅱ)日本国内において、パートナー(MVNO、金融機関、決済代行会社、システムインテグレーター、メーカー等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(日本)」及び(ⅲ)米国において、法人顧客(金融機関等)またはパートナー(システムインテグレーター等)にモバイル・ソリューションを提供する「MSP事業(海外)」として展開しています。

 

 (ⅰ)SIM事業(MVNE)

 個人顧客向けMVNO事業を展開するパートナーのイネイブラーとして、パートナーにモバイル通信サービスを提供するとともに、パートナーがMVNO事業を円滑に運用するためのソリューションを提供する事業です。

 当社は、「SIM事業(MVNE)」において、パートナーであるMVNOの要望に応じてモバイル通信サービスを企画・開発し、モバイル通信ネットワーク、通信端末、端末用ソフトウェア、認証システム、課金・請求システム及び顧客管理システム等を提供するとともに、パートナーから、モバイル通信サービスの運用にかかるネットワーク・マネジメント、コールセンター及び物流等に関する業務を受託しています。当社は、これらの業務にかかるパートナープラットフォームをソリューションとして提供することで、MVNOの事業活動を後方から強力に支援しています。

 

 (ⅱ)MSP事業(日本)

 MVNO、金融機関、システムインテグレーター、機器メーカー等のパートナーのイネイブラーとして、パートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。

 当社は、「MSP事業(日本)」において、数多くのモバイル・ソリューションを企画・開発しています。

代表例の一つとして、デュアル・ネットワーク製品による固定通信の無線通信への置き換えがあります。デュアル・ネットワーク製品は、複数の携帯電話事業者の回線によるモバイル専用線を冗長構成したもので、主回線に何らかの障害が発生した場合は自動的に副回線に切り替わり、常に通信を維持することができるものです。無線通信は、固定通信に比べて導入費用及び維持費用を抑えることができる一方で、セキュリティ、エリアカバレッジ、安定した通信の確保等が課題であったところ、デュアル・ネットワーク製品によれば、専用線による信頼性及び冗長化による安定性を確保することでこれらの課題を解決しつつ、コストの低減化を享受することができます。

 また、当社は、決済代行業を営むパートナー企業との協業により、当社のモバイル専用線と専用タブレット端末を組み合わせて、クレジットカードの非対面加盟店におけるクレジットカード情報の非保持化を支援するサービスを提供しています。このサービスは、平成30年6月の割賦販売法の改正を受け、クレジットカードの非対面加盟店がクレジットカード情報の非保持化を実現するためのソリューションとしてご利用いただいています。

 当社は、これらのサービスを含めた様々なモバイル・ソリューションを開発・提供することで、パートナーとともに市場を開拓しています。

 

 ()MSP事業(海外)

 当社の連結子会社で主に米国においてMVNO事業を展開するJCI US Inc.が、Verizon Wireless及びSprint Corporationのモバイル通信ネットワークを活用し、当社グループが開発したサービスと組み合わせて、金融機関等の法人顧客またはシステムインテグレーター等のパートナーのイネイブラーとして、パートナーに対して、各パートナーの要望に応じたモバイル・ソリューションを提供する事業です。

 JCI US Inc.は、米国及びカナダで、金融情報やPOSデータなど、極めて重要な情報をやりとりする顧客に、VPNを使用しないモバイル専用線サービスを提供しています。このサービスの強みは、ATM(現金自動支払機)等の端末から決済センターまでのEnd to Endを無線の専用線で完結させることで、インターネットに出ることなく、強固なセキュリティを確保した通信サービスを提供することができることです。当社グループは、「MSP事業(海外)」において、ATMを中心に、POS(店頭端末)、自動販売機、KIOSK(設置型情報端末)、店舗内設置型銀行金庫など、モバイル専用線サービスの利用用途を拡大しています。

 

 

(注)1.モバイル通信ネットワークとは、携帯電話等の移動体通信で使用される無線ネットワーク網をいいます。

2.MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)とは、MNO(Mobile Network Operator移動体通信事業者)が保有する無線ネットワークを利用し、独自のサービスを企画・構築し、独自の販売ルートでサービスを提供する事業者をいいます。

3.MVNE(Mobile Virtual Network Enabler)とは、MVNOとの契約に基づき、当該MVNOの事業の構築を支援する事業を営む企業をいいます。

 

MVNO/MVNE概念図

     0101010_002.jpg

     出典:MVNOに係る電気通信事業法及び電波法の適用関係に関するガイドライン(総務省、令和2年5月最終改定)に掲載されている図に基づく

 

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業の内容

議決権の所有

(被所有)割合

関係内容

所有割合

(%)

被所有割合(%)

 (連結子会社)

 

 

 

 

 

 

JCI US Inc.

米国コロラド州
イングルウッド

(US$)

424.34

米国の携帯網を使用するMVNO事業

100.0

モバイル通信サービスに関する提携、技術及びサービスの開発委託並びに当社サービスの一部の運用委託

役員の兼任あり

貸付金あり

コントゥアー・
ネットワークス・
ジャパン株式会社

東京都港区

(千円)

50,000

ネットワーク・セキュリティに関するソリューションの開発及び販売

100.0

(100.0)

モバイル通信サービス及びセキュリティ・ソリューションに関する提携

役員の兼任あり

クルーシステム
株式会社

東京都港区

(千円)

150,000

電気通信事業にかかるオペレーション業務の受託

100.0

電気通信事業にかかるオペレーション業務の委託

役員の兼任あり

借入金あり

JCI Europe Communications Limited

アイルランド

ダブリン

(ユーロ)

500,000

欧州の携帯網を使用するMVNO事業

100.0

モバイル通信サービスに関する提携

役員の兼任あり

my FinTech株式会社

東京都港区

(千円)

33,227

インターネット取引のための認証プラットフォームの構築及び運営

76.9

FinTechプラットフォーム事業に関する提携

役員の兼任あり

セキュアID株式会社

東京都港区

(千円)

12,750

日本及び海外向けサブSIM及び関連ソリューションの開発及び販売

100.0

セキュリティ・ソリューションに関する提携

 (持分法適用関連会社)

H.I.S.Mobile株式会社

東京都新宿区

(千円)

50,000

日本国内及び日本国外の携帯網を使用するMVNO事業

40.0

モバイル通信サービスに関する提携

役員の兼任あり

 (注)1. 議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合で内数です。

2. 当社は、当連結会計年度において、米国事業の効率化を図るため、米国子会社4社(JCI US Inc.、Contour Networks Inc.、Computer and Communication Technologies Inc.及びArxceo Corporation)を1社に統合する子会社再編を行いました。再編の方法は、平成31年4月に、事業統括会社であるJCI US Inc.の商号をContour Inc.に変更し、事業会社であるContour Networks Inc.の商号をJCI US Inc.に変更したうえで、令和元年6月までに、JCI US Inc.(旧 Contour Networks Inc.)が存続会社となり、他の3社(Contour Inc.(旧 JCI US Inc.)、Computer and Communication Technologies Inc.及びArxceo Corporation)を吸収合併したものです。これにより、米国事業はJCI US Inc.(旧 Contour Networks Inc.)に一本化され、同社が引き続き米国における事業展開を推進します。

3. クルーシステム株式会社は、特定子会社に該当します。

4. 令和2年1月30日にセキュアID株式会社を設立しました。

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

令和2年3月31日現在

セ グ メ ン ト の 名 称

従 業 員 数 (名)

日本事業

66

7

海外事業

0

0

報告セグメント計

66

7

全社(共通)

33

0

合計

99

7

 (注) 1.従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は年間の平均人員を〔 〕に外数で記載しています。

     2.全社(共通)として記載されている従業員数は、経営管理部門及び研究開発部門に所属しているものです。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

令和2年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

85

1

40.1

8.9

7,008

 

セ  グ  メ  ン  ト  の  名  称

従  業  員  数  (名)

日本事業

65

1

報告セグメント計

65

1

全社(共通)

20

0

合計

85

1

 (注) 1.従業員数は就業人員です。なお、臨時従業員数は年間の平均人員を〔 〕に外数で記載しています。

     2.全社(共通)として記載されている従業員数は、経営管理部門に所属しているものです。

 

(3) 労働組合の状況

 労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しています。