第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

 当社は、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。当社は、当連結会計年度においても、引き続き、SIM事業の収益改善を図りながら、中長期的な成長ドライバーであるFinTechプラットフォーム「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)の商用化に向けた取り組みを進めています。

 当第2四半期連結累計期間は、新型コロナ問題により、私たちの生活のあらゆる面で変革を迫られ、様々な社会・経済上の課題が明らかとなりました。このような状況において、2020年9月に発足した新政権は、コロナ後の世界を構築するための規制緩和、特に、①携帯電話料金の引き下げと②デジタル化の推進を強く打ち出しています。前者について、当社は、創業以来、携帯電話業界における公正な競争環境の実現に取り組んできましたが、引き続き、さらなる進展に向けて貢献してまいります。後者についても、スマートフォンで安全な金融取引を実現するプラットフォームである「FPoS」の商用化を推進することで、行政を含む社会のデジタル化に貢献してまいります。

 当社が進めてきた携帯電話料金引き下げ及びデジタル化推進のコアとなる安全なデジタルIDへの取り組みという2つの当社戦略が、新政権の2本柱として位置付けられたことにより、当社は極めて大きな責任が課せられたことを自覚し、今後さらなる強化を進めてまいります。

 

① 携帯電話料金の引き下げについて

 携帯電話料金は許認可制ではなく、料金の引き下げは事業者間の競争によって実現されるものです。しかしながら、実際のところ、携帯電話事業者が提供する料金およびサービスに大きな違いは認められません。このような状況において、2007年にNTTドコモとの接続を求めて当社が申し立てた総務大臣裁定は、携帯電話事業者のデータ通信を原価ベースで調達することを認め、MVNOという新たな業態を生み出しました。MVNOは、携帯電話事業者による寡占状態が続く携帯電話業界における競争者としての役割を期待されていましたが、コスト構造を熟知する携帯電話事業者は、音声サービスにおいて、自らは定額サービスを提供する一方、MVNOの調達料金の引き下げに応じないことで、長期にわたり、MVNOが競争可能なサービスを提供することを妨げていました。当社は、この状況を打破するため、2019年11月に音声卸料金を原価ベースとすることを求めて総務大臣裁定を申立て、2020年6月30日に当社の主張が認められました。これにより、MVNOは、携帯電話事業者から乗り換えた場合、「安くなるかもしれない」サービスから、「必ず安くなる」サービスを提供することができるようになりました。

 当社は、2020年6月の総務大臣裁定を受け、同年7月に、データ通信(3GB)と音声通話のかけ放題をセットにした「合理的かけほプラン」を携帯電話事業者の半額以下の月額2,480円(税別)で発売しました。また、同年10月には、健康アプリサービスを提供するFiNCとの一体型サービスである「Wスマートプラン」の提供を開始しました。このサービスは、健康アプリサービスであるFiNCプラス(月額480円)、3GBのデータ通信及び70分の音声通話を含めて月額1,580円というもので、新型コロナ問題で健康への関心が高まる中、両分野のパイオニア企業のコラボレーションによる商品です。

「合理的かけほプラン」及び「Wスマートプラン」のいずれも発売から間もない段階ではありますが、主回線としてのご利用、すなわち、番号ポータビリティにより他社回線から乗り換えていただくお客様が8割を占めています。当社としては、引き続き、主回線として長期にわたってご利用いただけるサービスの拡充に努めてまいります。

 なお、携帯電話料金の引き下げを目指す政府の意向を受け、携帯電話事業者は、2020年10月末にデータ容量20GBの料金プランの投入を発表しました。現在のデータ通信接続料では、携帯電話事業者が提供する50GB以上の大容量プラン及び使い放題プランにMVNOが対抗することは難しい状況ですが、20GB のプランであれば競争可能な料金を提示することが可能であり、当社は、対抗する商品を投入する予定です。

 

② デジタル化の推進について

 行政を含む社会のデジタル化を推進するにあたっての最重要課題は、従来は対面によってまたは書面に押捺された印鑑によって実施していた本人確認をどのようにデジタル化するのかという点にあります。デジタル化を推進するには、安全でかつ利便性に優れたデジタルIDの普及が求められています。

 当社は、従来から、スマートフォンで安全な金融取引を実現することを掲げ、FinTechプラットフォームである「FPoS」を開発し、商用化に向けた取り組みを進めていますが、「FPoS」はまさにデジタルIDそのものです。デジタルIDは低コストで作成して拡散させることもできるため、現在は、利便性を重視したデジタルIDが乱立しています。しかしながら、安全性を担保した技術及び仕組みを備えなければ、社会的に甚大な被害をもたらすことは、最近のドコモ口座等の不正利用問題によって明らかとなりました。

 当社は「FPoS」について、電子署名法による法的な裏付けを持つ安全なデジタルIDとして商用化することを目指し、当社子会社であるmy FinTech株式会社及びセキュアID株式会社、さらにパートナー企業とともに、金融プラットフォームのみならず、安全なデジタルIDとしての「FPoS」の商用化に向けた取り組みを進めてまいります。

 

 以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,558百万円(前年同四半期は1,872百万円)、売上原価は前年同四半期と比較し155百万円減少の1,187百万円となりました。これは主に携帯電話事業者に支払うデータ通信の接続料金の単価が下がったことによるものです。なお、携帯電話事業者に支払う音声卸料金は、現時点では従来の卸料金から変更がないため増加しています。新たな音声卸料金は、本年12月29日までにNTTドコモと当社との間で合意し、本年6月30日に遡及して適用される予定です。そのため、当年度第3四半期からは、新たな音声卸料金の計上による原価率の改善が見込まれます。営業利益は390百万円の損失(前年同四半期は304百万円の損失)、経常利益は396百万円の損失(前年同四半期は310百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、経常損失に加え、特別損失に米国子会社における和解金28百万円を計上したことにより426百万円の損失(前年同四半期は338百万円の損失)となりました。

 

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

(資産)

当第2四半期連結会計期間末における流動資産は1,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ193百万円減少しました。これは主に売掛金が40百万円、未収入金が127百万円減少したことによるものです。固定資産は228百万円となり、前連結会計年度末に比べ32百万円増加しました。これは主に有形固定資産が11百万円、無形固定資産が19百万円増加したことによるものです。

この結果、総資産は1,323百万円となり、前連結会計年度末に比べ158百万円減少しました。

 

(負債)

当第2四半期連結会計期間末における流動負債は1,124百万円となり、前連結会計年度末に比べ220百万円増加しました。これは主に買掛金が292百万円増加した一方、未払金が44百万円減少したことによるものです。固定負債は20百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円減少しました。これは主に長期借入金が9百万円減少したことによるものです。

この結果、負債は1,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ211百万円増加しました。

 

(純資産)

当第2四半期連結会計期間末における純資産は178百万円となり、前連結会計年度末に比べ370百万円減少しました。

この結果、自己資本比率は8.7%(前連結会計年度末は36.0%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は616百万円となり、前連結会計年度末に比べ35百万円減少しました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは59百万円の支出(前年同四半期は374百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失424百万円を計上した一方、仕入債務が292百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは25百万円の支出(前年同四半期は39百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは48百万円の収入(前年同四半期は396百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の増加、非支配株主からの払込みによる収入によるものです。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

当第2四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は62百万円です。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。