第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営の基本方針

当社は平成8年の創業時に、MVNO事業モデルという新たな通信事業の在り方を考案し、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命として事業を展開して参りました。当社は、この使命を遂行するため、以下の方法によるセキュアかつ信頼できる通信の開発及び提供に注力する方針です。

 

① 情報を運ぶための通信網の構築及び運用

通信網の構築・運用には、当社が創業時から提唱・実践しているMVNO事業モデルを採用しています。MVNO事業モデルには、①既存の通信事業者の通信網を活用するため巨額投資が不要である、②複数の通信事業者の通信網を活用することで、二重、三重に信頼性を高めた通信を提供ことが可能である、③海外の通信事業者の通信網を活用することでグローバルな事業展開が可能である、などの利点があります。

 

② セキュアなプラットフォームの構築及び運用

セキュアなプラットフォームの構築及び運用には、隔離された通信経路の確立と通信内容の暗号化が根幹となります。当社は、ICチップとしての側面を持つSIMを活用し、鍵生成ロジックや電子証明書等を搭載することで、現在インターネットで広く利用されているSSL/TLS等の暗号化通信方式の弱点を克服した、セキュアな通信を提供します。

 

(2)経営環境及び経営戦略

当社は、平成28年1月、高収益・高成長企業に転換するための新事業戦略として、格安SIM事業者から、他のMVNO事業者や金融機関、システムインテグレーター、メーカー等のパートナーに安全・安心な通信に基づくモバイル・ソリューションを提供するイネイブラー事業者に転換する方針を決定し、この戦略に沿って事業を遂行しています。MVNO事業者は令和2年12月末日時点で1,476社に達し、その多くが格安SIMという単一セグメントに集中することで、MVNO業界は過当競争の状況になっています。しかしながら、このような経営環境においても、MVNO事業モデルには、上記(1)①に記載したとおり、多くの利点があります。当社はこの利点を活かして差別化したサービスを開発し、強力なパートナー企業と共にお客様に提案していきます。

また、当社は、SIMの認証基盤を発展させることで、上記(1)②のプラットフォームを、インターネットで安全・安心な金融取引を行うことができるプラットフォーム、FPoS(FinTech Platform over SIM、エフポス)として開発しました。FPoSについては、平成30年に金融庁の支援のもとで実証実験が行われ、平成31年1月に金融庁が公表した実験結果において、金融庁の監督指針に準拠していることが示されています。

FPoSは、スマートフォンで安全に送金や取引を行うなど、金融取引全般に活用することができるほか、実印と同様の効力がある電子署名をスマートフォンでできるようにするもので、行政、医療、教育、小売等の様々な分野で活用することができるものです。当社は、各分野のパートナー企業とともに、事業展開を図っていく戦略です。

当社は、以上の経営方針・経営戦略に基づいた取組みを積極的に進め、その結果としての売上拡大及び収益化の実現を目指しています。現時点では、当社の売上の大部分は格安SIMによるものですが、FPoSを活用したイネイブラー事業者として他にはない機能を持つSIM商品等の提供を行うことで、より幅広いパートナー企業に対して多様な通信及びプラットフォームを提供していきます。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、上記の経営方針・経営戦略等を踏まえ、以下の点を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識しています。

 

① 公正な競争環境の確保のための取組み

当社は、創業以来、利用者のニーズに合った多様なサービスの提供を可能とし、電気通信事業をさらに成長・発展させることのできる事業モデルとして、MVNO事業を提唱しており、MVNO事業が成立した後は、MNOとMVNOとの間で公正な競争環境を確保するための取組みを進めています。公正な競争環境の確保は、MVNOが本来の目的を果たして成長するための最大の課題であり、将来にわたり、長期的に取り組むべきものと認識しています。

競争環境のうち、携帯電話の販売手法については、令和元年10月に改正電気通信事業法が施行され、高額なキャッシュバックの提供等のMNOによる行き過ぎた囲い込みに一定の歯止めがかかるようになりました。また、SIMロック(特定のSIMカードが差し込まれた場合にのみ動作するよう設定された端末上の制限)については、令和2年4月にSIMロック解除ガイドラインが全面適用されました。このように、MNOとMVNOの間の競争環境は改善が進みつつあります。

一方、MVNOがMNOから調達する音声通話サービスの卸料金は10年前から据え置かれた状態となっていましたが、令和2年6月の総務大臣裁定により、音声通話サービスについても原価ベースで調達することができるようになりました。これにより、MVNO事業モデルはようやく整いましたが、MVNOが将来にわたり、利用者のニーズに合った多様なサービスを提供していくためには、MVNO自身でSIMを発行するなど、より自由度の高い環境が求められます。

当社は、引き続き、MNOとMVNOとの間の公正な競争環境の確保に取り組んでまいります。

 

② MVNO事業モデルの進化による黒字化の達成

当社は、前連結会計年度まで5期連続で損失を計上しており、早期に安定的な黒字化を達成することは喫緊の課題です。そのため、公正な競争環境の確保のための取組みを進めつつ、MVNO事業の本来の役割に立ち返ってその事業モデルを進化させることに取り組んでいます。

まず、SIM事業の月額課金商品については、令和2年7月に「日本通信SIM」という新たなブランドで発売した音声定額プランが多くのお客様の支持を獲得し、当連結会計年度下半期の収益に大きく貢献しました。SIM事業は、MNO4社及び多数のMVNO事業者により今後も激しい価格競争が想定されますが、当社は令和2年6月の総務大臣裁定によりNTTドコモから原価ベースで音声通話サービスを調達することができるため、当面の間、MNOに対抗することのできる競争力を確保しています。当社は、引き続き、利用者の利便性の向上に着目し、MNOとの差別化を図ることのできる商品の拡充に取組みます。

SIM事業のプリペイド商品については、新型コロナウイルスの影響下で訪日旅行者向け商品の売上が見込めない中、在宅勤務及び在宅学習の拡大により需要が高まっているテレワーク向け商品及びGIGAスクール向け商品の販売に注力しています。当社は、機動的にサービス設計及び商品調達ができる強みを生かし、引き続き、この分野の開拓を進める計画です。

また、MSP事業については、決済代行事業者向けクレジットカード情報非保持化支援サービスやモバイル専用線を用いたソリューション・サービスの提供を推進していきます。MSP事業には、新型コロナウイルスの感染拡大による影響はなく、むしろ、インターネットの活用が進み、セキュリティへの要請が高まるにつれ、商機は拡大するものと想定されます。当社は、引き続き、この分野の開拓を進めます。

以上の取り組みにより、当社は、当連結会計年度の第3四半期及び第4四半期において、四半期単体では黒字化を達成しました。当社は、引き続き、MVNO事業モデルを進化させることにより、通期での安定的な黒字化の達成を目指します。

 

③ 早期黒字化とのバランスを考慮した戦略的な取組み

当社は、早期の安定的な黒字化を目指す一方で、イネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みとして、FPoS事業及びローカル4G/5Gによるソリューション事業に注力しています。

まず、FPoS事業については、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」を活用して平成30年8月から10月にかけて実証実験を行ったほか、平成30年11月にはサービス提供主体となるmy FinTech株式会社を、令和2年1月にはFPoSの肝となるサブSIMの開発及び供給を担うセキュアID株式会社を設立しました。my FinTech株式会社は、現在、電子認証局の構築準備を進めていますが、新型コロナウイルスの影響下においてデジタル化の機運が高まる中、FPoSが備えている高度な安全性は、当初想定していた金融取引に限らず、社会全体で利用されるデジタルIDとしての役割を期待されるようになっています。

また、ローカル4G/5Gによるソリューション事業については、当社は当連結会計年度の第4四半期において、ローカル5Gの実証プロジェクトに参画し、地域の中核病院でローカル5Gに求められている課題を体験することができました。また、米国においては、ローカル4G/5Gの先駆的な仕組みであるCBRS(市民ブロードバンドサービス)向けに、ハイブリッドSIM、すなわちローカル基地局と大手携帯事業者の基地局の両方を使うことができるSIMの提供を開始しています。

これらの戦略的な取組みを断念すれば、早期の安定的な黒字化は容易に実現できますが、それでは、当社がイネイブラー事業者として成長することができません。従って、当社は、早期の安定的な黒字化とのバランスを取りながら、これらの戦略的な取組みを進めていく必要があります。当社マネジメントには、同様の課題に取り組んだ経験を持つ者が多く、着実に対処していけるものと考えています。

 

④ 優秀な人材の確保及び育成

当社がイネイブラー事業者として成長するための戦略的な取組みには、多種多様な調査や企画、さらに技術開発や事業開発が必要であり、これを担うことができる人材の確保及び育成が極めて重要となります。例えば、FPoS事業に関して言えば、金融業界に関する法律、制度、経営課題、技術課題等、顧客の事業領域に対する一定の知見が必要です。当社グループは、そのために優秀な人材の採用を進めるとともに、採用した人材に会社の優先順位に応じた多様な業務を担当させることによって、様々なノウハウや技術を身に付けさせています。当社が直面する課題は前例のないもので、既に知識や経験のある企業がどこかに存在するわけではありません。一方、当社には、MVNO事業モデルを定着させるに至るまでに、法制度の活用、携帯事業者との交渉やネットワーク構築などを通じて培った経験とノウハウがあるため、これらを活用して人材を育成し、戦略的な取組みを推進していきます。

 

⑤ 技術開発及び設備投資等の先行投資資金の確保

財務上の課題としては、安定的な通期黒字化を実現するまでの技術開発及び設備投資等の先行投資のための資金の確保が挙げられます。当社は、平成28年1月の新事業戦略の策定後、同戦略を実現するための資金を確保する手段として、平成28年7月に日本通信株式会社第3回新株予約権(第三者割当て)を、平成30年3月に日本通信株式会社第4回新株予約権(第三者割当て)を、いずれもクレディ・スイス証券株式会社を割当先として発行しており、これらの新株予約権が行使されたことにより、これまでに3,704百万円の資金を調達しました。さらに、当社は、令和2年4月にクレディ・スイス証券株式会社を割当先として日本通信株式会社第5回新株予約権(第三者割当て)を発行しました。当社は、割当先が同新株予約権を行使する時期及び数量をコントロールすることができるため、当社の資金ニーズに応じ、株式価値の希薄化に配慮した柔軟な資金調達を実現することが可能です。

 

当社は、上記のような課題に取り組みながら、安全・安心な通信及びプラットフォームを提供する事業者として成長していく計画です。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクとしては以下のようなものがあります。必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載していますが、当社株式への投資に関連するリスクのすべてを網羅するものではありません。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 市場について

① 技術の進歩及び制度の整備について

 当社は創業以来、モバイル通信の市場で事業を展開しています。モバイル通信のうち、音声通話の市場は、携帯電話の普及が進み、飽和状態にあります。一方、データ通信の市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及が急速に進んでいますが、その普及の速さゆえに、セキュリティやプライバシーに関わる課題が広く認識されるようになっています。モバイル通信の活用範囲及び市場規模の更なる拡大の成否は、これらの課題が技術及び制度の両面において適切に解決され、誰もが安心して利用できる通信手段になりうるか否かにかかっています。

 無線通信やセキュリティ等の技術は日進月歩の発展を遂げているため、技術面の課題はいずれ克服されていくものと考えますが、技術の進歩が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。また、無線通信やセキュリティ等の制度面の課題については、行政及び各事業者が高度な問題意識を持って取り組むことで早期に整備されていくものと考えますが、制度の整備が停滞または遅延した場合には、当社グループが事業を展開する市場規模の拡大も停滞または遅延する可能性があります。いずれの場合も、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 訪日旅行者向け商品の市場について

 当社は、SIM事業のプリペイド商品において訪日旅行者向け商品を販売しており、近年は、政府のインバウンド推進政策を受け、順調な売上成長を続けてきました。しかしながら、訪日旅行者向け商品の販売は当該旅行者数の増減に左右されるため、国内外の社会経済状況に大きく影響されます。国内外で大規模な自然災害が発生した場合、国内外で危険な感染症が蔓延した場合、諸外国との外交関係が悪化した場合、為替レートが急激に変化した場合、世界経済の後退が深刻化した場合などは、訪日旅行者数が減少し、当社の訪日旅行者向け商品の販売が低迷するため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、令和2年1月以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により訪日旅行者数が大幅に減少し、令和2年3月期第4四半期以降、訪日旅行者向け商品の売上はほとんど見込めない状態となっています。同商品の売上が従前のレベルに回復するには相当の時間を要することが想定されるため、当社グループは、テレワーク向け商品及びGIGAスクール向け商品等の新たな分野を開拓することで、訪日旅行者向け商品の減少が当社グループの業績に与える悪影響を最小限に留める計画です。

 

(2) 当社サービスの仕組みについて

① モバイル通信網等について

 当社は、携帯電話事業者から調達したモバイル通信サービスを活用して、音声通話サービス、セキュリティ技術、IP電話等の各種アプリケーション、または通信端末等を組み合わせることで当社独自の通信サービスを設計し、一般消費者を含む様々な顧客層及びパートナー企業にモバイル通信のソリューションを提供しています。

 当社サービスの基盤となっているのはモバイル通信サービスですが、現時点において、モバイル通信サービスを提供する仕組みは、下図のとおり、ドコモ及びソフトバンクのモバイル通信網等のネットワーク(以下、「モバイル通信網等」という)、専用線接続部分並びに当社グループのデータセンター等から構成されています。なお、当社グループのデータセンターにおける主要なシステムは、株式会社インターネットイニシアティブが運営するデータセンター内に収容しています。

 

図1 モバイル通信サービスを提供する仕組み

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 モバイル通信サービスを提供する仕組みのうち最も主要な部分は、携帯電話事業者のモバイル通信網等ですが、これは、当社が携帯電話事業者と締結した契約に基づいて調達しています。

 従って、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない場合は、当社はモバイル通信サービスを提供することができません。また、当社が携帯電話事業者とモバイル通信網等を調達する契約を締結した場合も、当社が当該契約を同様の条件で継続することができる保証はなく、当該契約が携帯電話事業者によって解除される等により終了した場合は、当社はモバイル通信サービスの提供を継続することができない事態に陥ります。

 当社は、携帯電話事業者が積極的に訴求しない分野での潜在需要を喚起する等により、通信市場全体の拡大を図り、携帯電話事業者に対する交渉力の維持・増強に努めています。しかし、当社が将来にわたり携帯電話事業者との契約を更新することができるという保証、または、従前と同様の条件で調達を受けられるという保証はなく、今後、調達条件の改善に成功するという保証もありません。さらに、携帯電話事業者の事業方針の変更等により、当社が従前より不利な条件での調達を余儀なくされる可能性があるほか、携帯電話事業者自身が顧客にとってより魅力的な自社サービスを展開し、それを当社に対する提供条件には反映させないこと等により、当社と携帯電話事業者との契約が維持されたとしても、結果的に当社サービスの競争力が失われる事態となる可能性もあります。当社が携帯電話事業者からの調達条件を維持もしくは改善することができなかった場合、または携帯電話事業者からの調達条件が悪化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、上記のリスクを最小限に留めるため、携帯電話事業者からデータ通信のモバイル通信網等を調達するにあたっては、電気通信事業法上の制度である相互接続に基づく契約を締結し、安定した事業基盤を確保するために最大限の努力をしています。そのため、5G等の新たなモバイル通信網等を調達する契約を締結することができない可能性、及び、既存のモバイル通信網等の調達に関する契約を解除される可能性は、いずれも高くないものと認識しています。また、携帯電話事業者から音声通話サービスを調達するにあたっては、相互接続より携帯電話事業者の裁量の余地がより大きい卸契約によっていますが、卸契約も電気通信事業法の規律を受けることから、電気通信事業法に基づく総務大臣裁定により、携帯電話事業者から原価ベースの卸料金で音声通話サービスを調達するなど、モバイル通信網等の調達条件の改善に努めています。

 なお、モバイル通信網等の調達にかかわらず、当社グループの今後の事業展開において、携帯電話事業者に依存する側面が大きいことは否定できません。すなわち、当社サービスの利用可能地域の拡大は、携帯電話事業者のモバイル通信網等における通信可能地域の拡大が前提となり、通信速度または通信容量の向上は、携帯電話事業者におけるモバイル通信網等の性能の向上が前提となります。

 

② モバイル通信網等のネットワーク設備の障害について

 携帯電話事業者のモバイル通信網等の維持管理は携帯電話事業者において行われており、当社グループが顧客に当社サービスを確実に提供するためには、携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していることが前提となります。携帯電話事業者のモバイル通信網等が適切に機能していないことにより、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、携帯電話事業者においてモバイル通信網等の適切な維持・管理が行われていた場合でも、アクセスの集中等の一時的な過負荷、外部からの不正な手段による侵入、内部者の過誤、または大規模地震を含む自然災害、停電もしくは事故等の原因により、携帯電話事業者のモバイル通信網等に障害が発生する可能性があります。このような障害により、当社サービスの全部もしくは一部が停止し、または当社サービスの水準が低下する事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、耐震構造または免震構造を有し停電対策を備えた施設にデータセンターを収容しています。さらに、データセンター内のネットワークシステムについては、その通信状態を終日監視する体制を整備し、継続的に通信状態をテストすることにより、障害等の発生を早急に感知することに努めています。また、携帯電話事業者との障害連絡体制を整え、障害発生時にも極力短時間で復旧できる準備体制を整えています。

 しかしながら、大規模地震を含む自然災害、停電または事故等の原因による障害の発生を完全に防ぐことはできません。また、障害が発生した場合、迅速に対処するためには多大なコスト負担が必要となるため、発生した障害の規模等によっては、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、自社開発を含め、多数のネットワーク機器及びコンピュータ・システム(ソフトウェアを含む)を使用しています。これらの機器及びシステムにおいて、不適切な設定、バグ等の不具合(外部から調達する一般的なソフトウェアの不具合を含む)が顕在化した場合には、サービスの全部もしくは一部の停止、またはサービスの水準の低下が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ ネットワークシステムについて

 当社グループが提供するモバイル通信サービスは、モバイル通信網を使用するため、利用場所、利用時間帯、利用時の電波の状況、及び基地局の混雑度等により、通信速度が異なります。また、インターネット接続を利用する場合には、インターネットの通信速度に依存します。さらに、携帯電話事業者から当社グループのデータセンターまでを接続する専用線の通信速度並びにデータセンター内のネットワーク設備及びコンピュータ・システムの処理速度にも依存します。加えて、当社グループのデータセンターから法人顧客までを専用線で接続している場合には、当該専用線の通信速度にも依存します。

 当社グループは、現在の顧客数及びその利用実態を把握し、また今後の顧客数及び利用実態を予測することにより、必要かつ十分なネットワークシステムの容量を確保するよう努めています。しかしながら、当社グループが機動的にネットワークシステムの容量を確保することができず、当社グループが確保したネットワークシステムの容量が需要に対して不足した場合には、通信速度が低下する原因となる可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 一方、このような事態を回避するために、需要に対して必要以上にネットワークシステムの容量を増強した場合にも、過大な費用が発生することで、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新について

 当社グループが提供するモバイル通信サービスでは、LTE・3Gのモバイル通信技術、無線LAN技術、TCP/IPネットワーク技術、マイクロソフトWindowsオペレーティングシステム、認証技術において業界標準となっているRadius認証システム等を使用しています。これらの技術標準等が急激に大きく変化した場合、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が生じ、当社グループの収益を圧迫し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、技術標準等の変化への対応が遅れた場合、または、当社サービスに使用している技術もしくはサービスが陳腐化した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業の内容について

① 通信端末の調達について

 当社グループは、モバイル通信サービスで使用する通信端末を複数の企業から調達していますが、調達条件はその時点の市場環境の影響を受けます。

 当社グループは、通信端末の調達条件を改善するよう努めていますが、そのような努力にもかかわらず、調達条件が悪化した場合には、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、通信端末に品質上の問題があった場合には、サービスを継続できない等の事態が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、令和2年1月以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、しばらくの間、通信端末は品薄状態となり、サプライチェーンも混乱しました。今後再びこのような事態が発生し、長期間継続する場合は、事業原価の上昇や通信端末を適時に顧客に供給できないことによる事業機会の逸失により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 通信端末の陳腐化リスク等について

 モバイル通信サービスで使用する通信端末は、通信端末メーカーまたは代理店から調達しますが、最低発注量が大きく、需要に対し過大な発注をせざるを得ない場合もあり、このような場合、在庫の陳腐化リスクを負うことになります。当社グループでは、通信端末メーカーと緊密な情報交換を行い、販売状況を見極めながら必要数量の予測を的確に行うよう努めていますが、調達した通信端末が陳腐化した場合、または発注時期の遅延により適時に顧客に供給できず事業機会を逸失した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 通信端末の製造物責任等について

当社は、モバイル通信サービスで使用する通信端末を通信端末メーカーまたは代理店から調達して販売しています。当社は、通信端末を調達するにあたり、品質等の検査を行っていますが、それにもかかわらず、当該通信端末に検収時に判明しない欠陥があり、事故等の被害が生じた場合には、当社は、製造物責任法に基づく損害賠償責任を負う可能性があります。また、製品事故に至らなくても、当該通信端末の技術基準等に問題があった場合は、製品の回収義務を負う可能性があります。これらの場合は、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信用を大きく毀損し、売上の低下や収益の悪化など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ マーケティング力及び技術開発力について

 当社グループの業績は、顧客が求め、または顧客に受け入れられるサービスを的確に把握し、新たなサービスを提供していくこと、すなわち激変する業界にあって迅速に動向を把握し、あるいは予測しながら経営を行っていくためのマーケティング力及び技術開発力に依拠すると考えています。当社グループが、かかる能力を適切に維持し、または向上できない場合には、事業機会を逸し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人材の確保について

 当社グループは、新たな領域で事業を行っているため、少数の個人の経験、スキル及びノウハウに負うところが大きく、そのような人材を失うことによる事業への影響の可能性は否定できません。当社グループは、事業の拡大に伴い、適切な人材を確保し、体制の充実に努める方針ですが、優秀な人材を適時に採用することは容易ではありません。当社グループが、事業の拡大に必要な適切な人材を確保することができなかった場合、採用した従業員が短期間で退職した場合、または、限られた人材に依存している業務において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 競合について

 当社が提供するモバイル通信サービスは、その市場が成長期にあることから、現在の競合に加え、今後の更なる新規参入による競争激化が予想されます。特に、当該サービス分野は、通信事業者が提供する通信サービスの側面と、コンピュータ関連業者が提供するシステムサービスの側面とを併せ持つことから、以下のとおり、通信事業及びコンピュータ関連事業から、競合するサービスが現れる可能性があると考えています。

 

① 携帯電話事業者について

 通信回線設備を有する携帯電話事業者は当社グループと比較して圧倒的に潤沢な経営資源を有し、それらを活用することで、より低価格・高機能な商品を単独で提供することが可能です。

 従来、携帯電話事業者の収益源は音声通話によっていましたが、昨今のスマートフォン等の急速な普及からデータ通信による収益が音声通話を上回るようになっており、現在、データ通信市場では、携帯電話事業者を含めた競争が激化しています。

 このような状況において、携帯電話事業者は、自社または自社と資本関係のあるグループ内のMVNOにより、当社グループと競合するサービスの展開を強化しています。また、令和2年4月には、既存事業における安定的な顧客基盤及び事業基盤を活用してモバイル通信サービスに参入した事業者が新たな携帯電話事業者となり、従来の携帯電話事業者より低価格なサービスを展開しています。このような携帯電話事業者が、その強大な資本力を背景に、当社グループより商品力に優れたサービスを提供した場合、当社グループの競争力の低下または価格競争の激化による売上高の減少が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、携帯電話事業者は、当社グループにとってモバイル通信網等の調達先でもあります。携帯電話事業者が提供するサービスと当社グループが提供するサービスの競合が激化した場合、携帯電話事業者は、自己のサービスを拡大するため、当社との取引条件を変更する可能性があり、その場合、当社グループの価格設定や提供しうるサービスが制限されることにより、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② MVNOについて

 当社グループと競合するMVNOの多くは、固定回線系ネットワークサービスを提供する事業者、大規模小売店を展開する事業者等がモバイル通信サービスに新規参入したものです。これらの事業者は、既存事業において安定的な顧客基盤及び事業基盤を有しており、これらを活用して新規事業であるモバイル通信サービスを拡大する機会に恵まれています。これらの事業者が、既存事業の収益を源泉にモバイル通信サービスのシェア拡大を優先する場合、または、モバイル通信サービスを専ら既存事業を維持・拡大する手段として活用する場合は、モバイル通信サービスにおいて戦略的な価格政策を打ち出す可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ SI(システムインテグレーター)について

 SIは、コンピュータ・システム領域において、顧客ごとに最適化したシステムのカスタマイズを事業としているため、システムの企画・立案からプログラムの開発、必要なハードウェア・ソフトウェアの選定・導入、及び完成したシステムの保守・管理までを総合的に行い、システム導入後においても保守業務が継続することから、顧客との結び付きは深いものになります。また、多種多様なシステムを統合するため、高いネットワークスキルを有しています。SIが携帯電話事業者と提携する等により、通信サービスの提供能力を獲得した場合には、当社グループにとって強力な競合相手となる可能性があり、そのような場合、既存顧客を失う事態、または新規顧客の獲得が伸び悩む事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは、イネイブラー事業者として、SIを含むパートナー企業にモバイル・ソリューションを提供する戦略を推進しています。当社グループとSIがパートナーシップを構築することは、両者に利益をもたらし、結果的に、競合による上記のリスクの低減につながります。

 

(5) パートナービジネスへの依存について

 当社グループは、イネイブラー事業者として、パートナー企業にモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションを提供することを事業の中核に据えています。そのため、当社事業の中長期的な成長の成否は、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができるか、また、構築した信頼関係を維持・拡大することができるか否かにかかっています。当社は、パートナー企業との協業を成功させるため、最大限の経営資源を投入して、競争力のあるモバイル通信サービス及びモバイル・ソリューションの開発に努めるとともに、パートナー企業のオペレーションを支援するためのパートナープラットフォームの開発を強化しています。しかしながら、パートナー企業との間で、取引関係・契約関係を含めた信頼関係を構築することができなかった場合、信頼関係の構築に当社が想定する以上の時間を要した場合、または構築した信頼関係を維持・拡大することができなかった場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権及び法的規制等について

① 知的財産権の保護について

 当社グループに帰属する知的財産の保護は、関連法規及び契約の規定に依存しています。当社グループは、知的財産を保護するため、他社の技術やノウハウの動向を把握し、必要に応じて特許出願等を行うよう努めていますが、出願した特許等が必ず権利登録されるという保証はありません。

 また、当社グループが出願した特許等が権利登録された場合でも、取得した権利が十分なものではない可能性、または、第三者によって侵害される可能性があります。このような場合には、他社により、当社グループと同様の技術が開発され、または当社グループのサービスが模倣されることで、当社グループの事業の継続に支障を来す可能性があります。また、かかる侵害者に対する訴訟その他の防御策を講じるため、限られた経営資源を割くことを余儀なくされる事態が生じ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 第三者からのライセンスについて

 当社グループは、モバイル通信サービスの提供にあたり、複数の第三者から、技術またはブランド(商標)等のライセンスを受けています。将来において、当社グループが現在供与されているライセンスを更新することができない事態、新たなサービスや通信端末を提供するために必要なライセンスの供与を受けることができない事態、または適切な条件でライセンスの更新もしくは供与を受けることができない事態が生じる可能性があり、そのような事態が生じた場合には、当社サービスの優位性が失われ、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 法的規制等について

 当社グループの事業は、電気通信事業法をはじめとする各種法令に基づく規制を受けています。これらの規制が変更され、または新たな法令が適用されることにより事業に対する制約が強化された場合、事業活動が制限され、またはコストの増加につながる可能性があります。他方、事業に対する制約が緩和された場合、新規参入の増加により競争が激化し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、令和元年10月の改正電気通信事業法の施行により、携帯電話事業者の過度なキャッシュバックが規制の対象となったことで、当該キャッシュバックを目的とする超短期の契約者が減少し、令和2年3月期下半期の当社グループの売上は大きく減少しました。しかしながら、改正電気通信事業法による悪影響は短期的なものに留まり、中長期的には、電気通信業界における公正な競争環境が整備されることで利用者の流動性が高まり、当社グループの業績に好影響を及ぼすものと認識しています。

 

④ 個人情報の保護について

 当社は、当社サービスを提供するにあたり、顧客の氏名、住所、生年月日、電話番号等の個人情報を取得することがあり、個人情報保護法に基づき、個人情報取扱事業者としての義務を負っています(なお、当社は、個人情報の第三者提供は行っておりません。また、現時点において、匿名加工情報や仮名加工情報を活用する計画はありません。)。

 当社が取得した個人情報は、当社並びに当社連結子会社であるクルーシステム株式会社及びJCI US Inc.において業務上取扱いますが、当社グループでは、取得した個人情報について、業務上必要な範囲内のみで利用し、適正な権限を持った者のみがアクセスできるようにしています。また、社員、契約社員及び派遣社員の全員が入社時及び毎年、秘密保持誓約書を提出するものとし、個人情報に接する機会の多いコールセンターの構成員は原則として正社員のみとしています。しかしながら、このような個人情報保護のための対策を施しているにもかかわらず、当社グループからの個人情報の漏洩を完全に防止できるという保証はありません。万一、当社グループが保有する個人情報が社外に漏洩した場合には、顧客からの信用を喪失することによる販売不振や、当該個人からの損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) その他

① 業績の予測について

 MVNO事業の歴史はまだ浅く、特に、当社グループが展開するデータ通信MVNOは新たな事業領域であることから、当社グループが今後の業績を予測するにあたり、過去の実績や、通信事業の業界一般の統計に必ずしも依拠することができません。また、今後のMVNO事業の業績に影響を与える可能性のある同事業の利用者数の推移、市場の反応等を正確に予測することも極めて困難です。従って、現時点において当社グループが想定する収益の見通しに重大な相違が生じる可能性があるほか、今後予想し得ない支出等が発生する可能性もあり、かかる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 資金調達について

 当社グループは、ネットワーク設備、ソフトウェア、システム等の開発及び調達等に投資し、当社サービスの更なる差別化を推進して事業拡大を図る計画ですが、計画を実行する上で必要な投資資金の確保が困難な場合、事業機会を逸し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは6期連続して親会社株主に帰属する当期純損失を計上していますが、当連結会計年度末において現金及び預金1,025百万円を保有し、必要な運転資金を確保しています。また、令和2年4月6日に発行した第5回新株予約権(第三者割当て)177,700個により、資金需要に応じた資金調達手段も確保しています。

 

③ 新株予約権(第三者割当て)による株式の希薄化について

 当社は、令和2年3月19日開催の取締役会決議に基づき、令和2年4月6日に第5回新株予約権(第三者割当て)177,700個(17,770,000株)を発行しており、当連結会計年度末現在の当該新株予約権の潜在株式数は17,770,000株となっています。当該新株予約権の行使期間は令和5年4月6日までであり、当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社は、当該新株予約権の割当先が当該新株予約権を行使する時期及び数量をコントロールすることができるため、当社の資金ニーズに応じ、株式価値の希薄化に配慮した柔軟な資金調達を実現することが可能です。

 

④ ストックオプションによる株式の希薄化について

 当社グループは、当社グループに対する貢献意欲及び経営への参加意識を高めるため、ストックオプションによるインセンティブ・プランを採用しており、令和2年3月19日開催の当社取締役会決議に基づき、当社並びに当社連結子会社の取締役、監査役、執行役員及び従業員に対し、令和2年4月10日に第20回新株予約権(ストックオプション)33,522個(3,352,200株)を発行しており、当連結会計年度末現在の当該新株予約権の潜在株式数は3,351,200株となっています。当該新株予約権の行使期間は令和9年4月10日までであり、当該新株予約権が行使された場合、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、株価に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当該新株予約権の行使価格は、同新株予約権の発行日前日の当社株式終値の2倍であるため、当該新株予約権が行使されることは、当社の株主価値が増大したことを意味します。そのため、当該新株予約権は、その行使による相応の希釈化を伴ったとしても、結果として中長期的な企業価値・株主価値の向上に寄与し、既存株主の利益にも貢献できるものと判断しています。

 

⑤ 新型コロナウイルスの感染拡大による影響について

 新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、国内外でワクチンの開発及び接種が進められているものの、事態が収束する見通しは立っていません。当社グループにおいては、在宅勤務制度の導入による出社の抑制、出社する場合の時差出勤の推奨、パーティション及び空気清浄機を設置するとともに、マスクの着用及び消毒を徹底し、新型コロナウイルスの感染防止に努めています。しかしながら、これらの対策によっても新型コロナウイルスの感染を完全に防ぐことはできません。当社グループの役員または従業員が新型コロナウイルスに感染し、または隔離措置等によって業務からの離脱を余儀なくされた場合には、業務遂行上の支障が生じるほか、場合によっては当社グループの事業活動の一部が停止し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社並びに連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は1,521百万円となり、前連結会計年度末に比べ240百万円増加しました。これは主に未収入金が128百万円減少した一方、現金及び預金が374百万円増加したことによるものです。固定資産は330百万円となり、前連結会計年度末に比べ134百万円増加しました。これは主に有形固定資産が84百万円、無形固定資産が42百万円増加したことによるものです。

この結果、総資産は1,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ375百万円増加しました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ588百万円増加しました。これは主に買掛金が456百万円、未払金が51百万円増加したことによるものです。固定負債は23百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円減少しました。これは主に長期借入金が9百万円減少したことによるものです。

この結果、負債は1,516百万円となり、前連結会計年度末に比べ583百万円増加しました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は341百万円となり、前連結会計年度末に比べ207百万円減少しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失273百万円を計上したことによるものです。

 この結果、自己資本比率は14.2%(前連結会計年度末は36.0%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により、社会生活は多くの制約を受け、経済活動も縮小した1年となりました。

 このような状況において、当社は、引き続き、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開していますが、2021年3月期は2016年3月期以来のターニングポイントとなりました。当社は、2016年1月に公表した新事業戦略に基づき、SIM事業の収益改善を図りながら、中長期的な成長ドライバーであるFinTechプラットフォーム「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)の商用化に向けた取り組みを進めていますが、当連結会計年度下半期にSIM事業の収益が大きく改善し、当第3四半期には5年ぶりに四半期の黒字決算を実現することができました。このことは、当社が、今後の収益安定化に向けて大きく前進したことを示しています。

 当社は1996年の創業時から、MVNO事業モデルという新たな通信事業の在り方を提唱し、以来一貫して自ら実践してまいりました。当社が、2007年11月の総務大臣裁定によりデータ通信を原価ベース(原価に適正利潤を加えた額を超えない額)で調達できるようになったことは第1次MVNO規制緩和であり、2016年5月の電気通信事業法及び関連法令の改正により接続ルールの充実が図られたことは第2次MVNO規制緩和と言えますが、今回、2020年6月の総務大臣裁定により音声通信についても原価ベースで調達できるようになったことは、第3次MVNO規制緩和であり、MVNO事業モデルがようやく整ったものと言えます。

 

(ⅰ)SIM事業について

当社は、2020年6月の総務大臣裁定を受け、同年7月に「日本通信SIM」という新たなブランドにより、音声定額プランを発売しました。このプランは、多くのお客様の支持を受け、当連結会計年度後半の収益を押し上げる結果となりました。

2019年11月に音声卸交渉に関する総務大臣裁定を申請した時点では、モバイルネットワークの主な利用用途はもはやデータ通信であるとして、音声通信の調達に注力することへの疑問も指摘されていましたが、「日本通信SIM」への評価は、音声定額の利用者にとって同等のサービスでなければ乗り換えの選択肢にならないこと、すなわち、音声定額を実装したことで、大手携帯事業者で音声定額を利用している8,000万人を超える方々にとって、当社のサービスがようやく選択肢となったことを示しています。

「日本通信SIM」では、大手携帯事業者から番号ポータビリティ制度(MNP)で乗り換えるお客様が8割以上を占めています。一般に、MNPで転入されたお客様は、そうでない方に比べて長く利用していただけるため、当社の収益基盤の安定化に大きく貢献するものと期待しています。

 

(ⅱ)FPoSによるデジタル化の推進について

当社は、SIM事業による安定的な収益基盤を構築しながら、同時に、FPoSの商用化に向けた準備を進めています。

FPoSは、本来はフィンテックのプラットフォームとして、スマートフォンで安全に金融取引を行うことを目的として開発されたものですが、新型コロナウイルスの影響下においてデジタル化の機運が高まる中、FPoSが備えている高度な安全性は、金融取引に限らず、社会全体で利用されるデジタルIDとしての役割を期待されるようになっています。

 世の中には、いわゆるスマホID、つまりスマートフォンのアプリケーションでIDを作成する仕組みが広く普及しています。しかしながら、スマホIDは、利用者数の増加による規模の利益を目指す提供者側の論理により、本人確認が厳格ではなく、本人性(表示された者が本人であること)が脆弱です。また、スマホIDは、アプリケーション、すなわちソフトウェアでIDを作成するため、ハッキングされる可能性があり、真正性(表示された意思が本人の意思であること)にも劣ります。したがって、今後、社会のデジタル化が進展した場合、スマホIDを高度な安全性が求められる用途に使用することはできず、より信頼度の高いデジタルIDが必要となります。

 FPoSは、スマートフォン内部のICチップにIDを作り出す仕組みであり、ICチップによって安全性を担保しているキャッシュカード、クレジットカード、マイナンバーカード等と同等の安全性を備えています。したがって、信頼度が高く、社会全体で利用されるデジタルIDしての役割を果たすことができるものです。

 現在、内閣府の国家戦略特区制度では、デジタル化が進んだ未来都市を丸ごと作ることを目指すスーパーシティ構想を推進しており、多くの地方自治体が国家戦略特区の認定を申請していますが、複数の申請において、FPoSを基盤とするデジタルIDが想定されています。スーパーシティで使用するデジタルIDは、スーパーシティの一員として本人であることを担保する機能に加え、スーパーシティで提供されるサービスの対価を決済する機能が求められます。スーパーシティには、メガバンクや地方銀行等の金融機関が参画している場合が多く、当社は、FPoSの本来の目的である金融プラットフォームとしての実績を作りながら、社会全体で利用されるデジタルIDとしての実績を作っていくことを目指しています。

 

(ⅲ)ローカル4G/5Gについて

 2020年12月にプライベートLTE(sXGP)の周波数帯域幅が3倍に増加したことで、ローカル4G/5Gに対する現実的なソリューションとしての期待が高まっています。当社は当第4四半期において、ローカル5Gの実証プロジェクトに参画し、地域の中核病院でローカル5Gに求められている課題を体験することができました。一方、新型コロナウイルスの影響下において、GIGAスクール構想により、急遽、小中学生にタブレット端末等が配布されましたが、地方自治体が通信料金を負担する仕組みが長続きしないことは明らかです。地方自治体には、市内全域にプライベートLTEを設置する想定で申請をしている事例もありますが、地方自治体がプライベートLTEを運営し、地域内の通信を提供することができれば、子供たちに安定した学習機会を提供することができるため、実現した場合の波及効果は大きいものとなります。当社は引き続き、ローカル4G/5Gの事業分野を強化していきます。

なお、米国においては、ローカル4G/5Gの先駆的な仕組みであるCBRS向けに、ハイブリッドSIM、すなわちローカル基地局と大手携帯事業者の基地局の両方を使うことができるSIMの提供を開始しています。CBRSは、大学やオフィス等の環境において、WiFiに代わる無線通信として位置付けられていますが、WiFiとは異なり、SIMによる認証が必要となるため、当社米国子会社は、CBRSを推進する大手企業にSIM及びSIMによる認証の仕組みを提供する準備を進めています。

 

以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,497百万円(前連結会計年度は3,510百万円)となりました。累計期間では前年対比では若干の減収ですが、これは音声サービスを中心とした新サービス及びローカル5G実証プロジェクトの増収効果があった一方、新型コロナウイルスの影響により、訪日外国人向けサービスの減収が大きかったためです。

売上原価は2,223百万円(前連結会計年度は2,511百万円)となりました。これは主に、帯域増強によりコスト増になった一方、データ通信のキャリアとの接続料の単価が下がったことや、総務大臣裁定により、NTTドコモからの音声通信を原価ベースで調達できるようになり、原価率が改善したためです。

営業利益は248百万円の損失(前連結会計年度は670百万円の損失)、経常利益は242百万円の損失(前連結会計年度は669百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は273百万円の損失(前連結会計年度は840百万円の損失)となりましたが、当第3四半期には5年ぶりに四半期ベースで黒字転換を果たしています。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は1,025百万円となり、前連結会計年度末に比べ374百万円増加しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは419百万円の収入(前連結会計年度は633百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失270百万円を計上した一方、仕入債務が456百万円増加、未収入金が128百万円減少、未払又は未収消費税等が73百万円増加したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは53百万円の支出(前連結会計年度は57百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは6百万円の収入(前連結会計年度は702百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出が21百万円あった一方、非支配株主からの払込みによる収入が24百万円あったことによるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当社グループのサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致していますので、生産実績に関しては(d) 販売実績の項をご参照ください。

(b) 仕入実績

当社グループの当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

なお、セグメントについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)セグメント情報」をご参照ください。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

前年同期比(%)

日本事業(千円)

1,646,110

89.7

海外事業(千円)

44,514

38.5

合計(千円)

1,690,625

86.7

  (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

  2.金額は仕入価額で表示しています。

 

(c) 受注実績

当社グループは 、受注から販売までの所要日数が短く常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しています。

(d) 販売実績

当社グループの販売実績は、出荷金額に基づいており、当連結会計年度販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

前年同期比(%)

日本事業(千円)

3,358,123

100.7

海外事業(千円)

129,605

65.5

合計(千円)

3,487,729

98.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上である相手先は次のとおりです。


 
相手先

前連結会計年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

当連結会計年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

 

 金額(千円)

   割合(%)

 金額(千円)

   割合(%)

株式会社U-NEXT

552,081

15.6

411,228

11.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計基準に基づいて作成しています。その作成は経営者による会計方針の選択及び適用、並びに資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の会計方針に関する事項が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えます。

 

(ⅰ)収益の認識

 当社グループは、次のサービスラインごとに売上の計上基準を分けています。

(a)プリペイド・サービス(bモバイル)及び機器向けサービス

 当該期間の通信サービスを提供するもの(例:12ヶ月間使い放題のSIM)は当該期間にわたって売上高を按分して計上。

 

(b)月額課金サービス

 移動体通信端末の売上は出荷基準

 通話料及びその他付加価値サービスの売上は役務提供基準

 

(ⅱ)貸倒引当金

 当社グループは、債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案して、回収不能見込額を計上しています。販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅲ)たな卸資産の評価

 当社グループは、総平均法に基づく原価法(貸借対照表価額については、収益性の低下による簿価切下げの方法)により評価しています。将来の市場環境に重要な変動が生じた場合、これらのたな卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅳ)固定資産の減損

 当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減損する会計処理を適用しています。経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ)経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は前期比0.4%減の3,497百万円(前連結会計年度は3,510百万円)となりました。これは、音声の新サービスである音声かけ放題サービスや音声70分のサービスを提供開始したこと、GIGAスクール構想により教育委員会にデータ通信サービス導入件数が増加したこと等による月額課金サービスの増収があったこと、及びローカル5G実証プロジェクト等により増収効果があった一方、新型コロナウイルス感染症の影響により、訪日外国人向けプリペイドSIMの販売額の減少と2019年10月に改正電気通信事業法が施行されたことによるMNPキャッシュバックを目的とする超短期契約者数が減少したことによる関連手数料の減収が大きく、前連結会計年度に比べ微減となりました。

 売上原価は2,223百万円(前連結会計年度は2,511百万円)となりました。これは主に、帯域増強によりコスト増になったものの、大手携帯各社がMVNO向けに設定する接続料単価の年次改定による原価低減、並びに2020年6月の音声に関する総務大臣裁定により、NTTドコモから音声通信を原価ベースで調達できるようになったことから原価率は改善しました。

 販売費及び一般管理費(研究開発費を含む)は前期比8.7%減の1,523百万円(前連結会計年度は1,669百万円)となり、営業利益は248百万円の損失(前連結会計年度は670百万円の損失)となりました。

 経常利益は営業損失に加え、持分法による投資利益を計上したことなどにより242百万円の損失(前連結会計年度は669百万円の損失)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、米国子会社における元従業員との雇用契約に関する申立てに基づく元従業員との和解金の支払い28百万円を計上したことにより273百万円の損失(前連結会計年度は840百万円の損失)となりましたが、当第3四半期には5年ぶりに四半期ベースで黒字転換を果たしています。

 

(ⅱ)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、事業上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

 運転資金は基本的に内部資金より充当しています。また、開発費用や設備投資に係る長期に亘る資金需要に関しては、令和2年3月19日開催の取締役会において、クレディ・スイス証券株式会社を引受人とする日本通信株式会社第5回新株予約権(第三者割当て)177,700個(目的である株式の数17,770,000株)の発行を決議し、令和2年4月6日に同新株予約権を発行しました。

4【経営上の重要な契約等】

会社名

相手方の名称

国名

契約名称

契約内容

契約期間

 日本通信㈱

株式会社インターネットイニシアティブ

日本

広域複合ネットワークサービス契約

データセンターの運営・管理

平成14年2月4日から

平成15年2月3日まで

(1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

株式会社NTTドコモ

日本

相互接続協定書

レイヤー2による3Gネットワークの相互接続に関する協定

契約期間の定めなし

(締結日:平成21年3月13日)

 JCI US Inc.

(旧 Contour

Networks Inc.)

Sprint Spectrum L.P.

米国

Private Label PCS Services Agreement

レイヤー2接続に関する契約

開始日:平成22年3月17日
終了日:商用化実施日から起算して5年間が経過する日

(その後は1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

株式会社NTTドコモ

日本

卸電気通信役務の提供に関する契約書

3G音声卸サービスに関する契約

平成22年4月15日から

平成25年4月30日まで

(3年単位の自動更新)

 日本通信㈱

株式会社NTTドコモ

日本

第3種Xiサービスの提供に関する契約書

LTE音声卸サービスに関する契約

平成25年1月16日から

第3種Xiサービスの

廃止がなされるまで

 JCI US Inc.

(旧 Contour

Networks Inc.)

Verizon

Wireless

LLC

米国

Telematics

Agreement

無線による音声通話サービス及びデータ通信サービスの仕入れ

平成25年10月29日から

平成26年12月31日まで

(1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

VAIO株式会社

日本

VAIO商標ライセンス契約書

商標のライセンス

平成26年12月24日から

平成27年12月23日まで

(1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

Quanta Computer

Inc.

台湾

ORIGINAL DESIGN MANUFACTURER AGREEMENT

通信端末の生産委託契約

平成27年3月17日から

令和2年3月16日まで

(2年単位の自動更新)

 日本通信㈱

ディーリンクジャパン株式会社

日本

基本取引契約書

通信端末の仕入れ

平成28年2月5日から

平成29年2月4日まで

(1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

株式会社U-NEXT

日本

MVNE業務委託基本契約書

MVNE業務の受託契約

平成28年7月18日から

平成29年7月17日まで

(1年単位の自動更新)

 日本通信㈱

ソフトバンク株式会社

日本

相互接続協定書

レイヤー2による3G及びLTEネットワークの相互接続に関する協定

契約期間の定めなし

(締結日:平成29年1月31日)

 日本通信㈱

ソフトバンク株式会社

日本

L2接続に係る卸電気通信役務の基本契約

卸音声サービス及び卸SMSに関する契約

契約期間の定めなし

(締結日:平成29年8月16日)

 日本通信㈱

Taisys Technologies Co., Ltd

台湾

Master Agreement for Purchase and Sale of Product and Service

海外ローミングサービスの仕入れ

平成30年1月19日から

令和2年1月18日まで

(2年単位の自動更新)

 (注)上記契約の相手方名称は、すべて令和3年3月31日現在の商号によります。

    また、本書提出日現在、上記契約は有効に更新されています。

5【研究開発活動】

当社グループは、携帯電話事業者の設備を借用して、他社には技術的に模倣困難なサービスを開発し、提供しています。従って、そうした当社独自のサービスが、携帯電話事業者のサービスに比べて如何に差別化されているかは極めて重要です。

当連結会計年度における研究開発費は137,665千円で、通信サービスの新たな認証方式、課金方式、制御方式他、当社グループが長期に渡って差別化を実現するための基本的な研究開発を行っています。

なお、このような研究開発活動で得られた技術及び知見は、日本事業、海外事業のセグメントを超えて共用されていますので、セグメントの内訳金額はありません。