当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(以下、「当四半期」という)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。景気の先行きについては、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクや、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要など、当面極めて不透明な状況が続くものと思われます。
このような環境の中、当社は、安全・安心にデータを運ぶ(通信する)ことを自らの使命(ミッション)として事業を展開しています。当社は、当連結会計年度においても、引き続き、SIM事業の収益改善を図りながら、中長期的な成長ドライバーであるFinTechプラットフォーム「FPoS」(Fintech Platform over SIM、エフポス)の商用化に向けた取り組みを進めています。
① SIM事業
当四半期においては、携帯電話料金の引下げを政策に掲げる政府の主導により、大手携帯電話事業者がようやく料金を引下げ、携帯電話料金の価格競争がスタートしました。2020年12月、NTTドコモが2021年3月から20GBプランを2,980円で提供することを発表し、ソフトバンク及びKDDIも同一の料金で追随することを発表しています。
このような大手携帯電話事業者による料金引下げは、経営体力に劣るMVNOには大きな打撃であり、MVNOは淘汰を免れないという報道も多くみられます。
しかしながら、当社は、携帯電話料金の引下げが政策として打ち出される前の2019年11月に音声卸料金を原価ベースとすることを求めて総務大臣裁定を申立て、2020年6月30日に当社の主張を認める大臣裁定を得ています(その後、2021年2月にNTTドコモと音声卸料金について合意)。すなわち、当社は、大手携帯電話事業者の料金引下げにかかわらず、少なくともドコモからは原価ベースで音声卸役務を調達することが可能であり、大手携帯電話事業者に対抗することのできる仕入競争力を確保しています。
当社は、NTTドコモが2,980円という新料金を発表した翌日に、同様のプランを1,980円で提供することを発表し、2020年12月10日から提供を開始しましたが、想定を超える数のお申込みをいただいています。おそらくは、コロナ禍における固定費の見直し、および、携帯電話料金の引下げ政策の浸透により、潜在的な需要が高まっていたところ、大手携帯電話事業者が料金引下げを発表したことで現時点における携帯電話料金の水準が明らかになり、相当数の携帯電話利用者が料金の見直しに動いているものと思われます。
当社は、創業以来、携帯電話業界における公正な競争環境の実現に取り組み、MVNO業界を創出してまいりました。大手携帯電話事業者の料金引下げは、競争の激化を意味しますが、携帯電話料金が注目され、MVNOが乗り換えの選択肢となることは大きな事業機会でもあります。当社は、引き続き、仕入競争力を生かして大手携帯電話事業者に対抗できる料金プランを提供し、今後もさらに競争力のあるサービスを投入してまいります。
② FPoS事業
当社は、SIM事業の事業モデルを進展させ、安定的な収益基盤を構築しながら、同時に、FPoS事業を大きな柱に育てるべく推進しています。コロナ禍により、社会全体のデジタル化が急がれていますが、デジタル化した社会においては、インターネット上で、(ⅰ) 本人であること(本人性)、および、 (ⅱ) 本人の意思表示であること(真正性)、の2点が証明できなければなりません。
FPoSは、元々はスマートフォンで安全に金融取引を行うことを目的として開発されたものであり、例えばインターネットバンキングで振込指示をする場合、本人性を証明することでなりすましによる盗難を防ぐことができ、真正性を証明することで中間者攻撃等による盗難を防ぐことができます。
FPoSは、このような高い安全性を確保した仕組みを備えているため、金融取引に限らず、デジタル化した社会で個人を識別するためのデジタルIDとしての役割を担うことも可能です。
以上の背景のもと、当社は、「FPoS」を電子署名法による法的な裏付けを備えた安全なデジタルIDとして商用化することを目指しており、2021年1月、当社の子会社であるmy FinTech株式会社(日本ATM株式会社との合弁)が、iPhone及びAndroidのスマートフォンに電子証明書を発行する「my電子証明書」サービスについて、電子署名法に基づく特定認証業務の認定を主務大臣(総務大臣、経済産業大臣、法務大臣)に申請し、主務大臣が指定する指定調査機関である一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)による調査が開始されています。
my電子証明書サービスは、主に一般消費者向けに電子証明書を発行するもので、認定電子証明書をスマートフォンに発行する最初のサービスです。my電子証明書サービスはスマートフォンでの金融取引に対しては「高度化・巧妙化する犯罪手法への対応」を実現するセキュリティ・プラットフォームとなり、同時に、社会全体で幅広く使われるデジタルIDのコアになりうるものです。
以上の結果、当四半期の売上高は2,421百万円(前年同四半期は2,705百万円)となりました。累計期間で前年対比減収となった理由は、2019年9月以前において、MNPインセンティブ獲得のための超短期解約者による転入・転出手数料収入があったためです。直近では、2020年6月の総務大臣裁定を受けて2020年7月に発売した新プランが伸長し、当第3四半期会計期間は、当第2四半期会計期間に比べて60百万円の増収になりました。
売上原価は1,522百万円(前年同四半期は1,998百万円)に留まりますが、これは主に、総務大臣裁定により、NTTドコモから音声卸料金を原価ベースで仕入れることが可能となったためです。
営業利益は244百万円の損失(前年同四半期は529百万円の損失)、経常利益は256百万円の損失(前年同四半期は529百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は287百万円の損失(前年同四半期は558百万円の損失)となりました。
(2)資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,145百万円となり、前連結会計年度末に比べ135百万円減少しました。これは主に現金及び預金が113百万円、売掛金が14百万円減少したことによるものです。固定資産は237百万円となり、前連結会計年度末に比べ41百万円増加しました。これは主に有形固定資産が12百万円、無形固定資産が27百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は1,389百万円となり、前連結会計年度末に比べ92百万円減少しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,037百万円となり、前連結会計年度末に比べ134百万円増加しました。これは主に買掛金が146百万円、短期借入金が30百万円増加した一方、未払金が35百万円減少したことによるものです。固定負債は20百万円となり、前連結会計年度末に比べ8百万円減少しました。これは主に長期借入金が9百万円減少したことによるものです。
この結果、負債は1,058百万円となり、前連結会計年度末に比べ125百万円増加しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は331百万円となり、前連結会計年度末に比べ217百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は18.7%(前連結会計年度末は36.0%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の期末残高は940百万円となり、前連結会計年度末に比べ297百万円増加しました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは125百万円の支出(前年同四半期は373百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前四半期純損失284百万円を計上した一方、仕入債務が147百万円増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは48百万円の支出(前年同四半期は78百万円の支出)となりました。これは主に固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは720百万円の収入(前年同四半期は176百万円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入によるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は98百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。