(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸入企業を中心とした企業業績や雇用情勢の改善が続き、緩やかな回復基調での推移となったものの、原油価格の下落や中国をはじめとした新興国等の景気減速、年明けからの急速な円高や市場の不安定な動きにより、先行きの不透明感が増しております。個人消費についても、これら不透明感を背景として将来不安が高まったことにより、消費マインドの悪化が継続しており、依然として厳しい環境が続いております。
こうした環境の下、当社グループでは、放送業界、音楽業界における市場環境や消費者ニーズの変化に対応するため、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの制作及びCS放送を使った音楽専門チャンネルの放送をベースとしつつ、ライブイベント展開、デジタルコンテンツ制作や各種デジタルサービス展開、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至る展開まで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、総合音楽エンタテインメント企業への転換を図ることを基本方針として経営を行ってまいりました。
これに伴い、当社グループでは今後の中長期的な成長の実現を目指し、新たに再編したSPACE SHOWER TV事業、SPACE SHOWER MUSIC事業、SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業の3つのビジネスユニットにて事業活動を行うこととし、連結子会社㈱セップ並びに㈱Pヴァインとともに、新たな分野での成長施策の推進、事業領域の拡大への取り組み、積極的な先行投資を実行いたしました。
SPACE SHOWER TV事業においては、有料放送収入において、引き続き加入者数の停滞傾向が見られる中、視聴率分析等に基づく効果的なコンテンツ投下により、「スペースシャワーTV」、「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」ともに、スカパー!サービスの配分単価が前期比で上昇することで前年度並みを維持しました。イベント関連においては、当社のフラッグシップイベントである野外フェス「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2015 -20thANNIVERSARY-」を3日間開催し、当社のスマートフォンアプリ「スペシャアプリ」における生配信に加え、海外向け日本コンテンツ専門チャンネル「WAKUWAKU JAPAN」にて、インドネシア・ミャンマー・シンガポールを含む4ヶ国同時放送、「スカパー!4K総合」チャンネルにおける超高画質の4K放送を実施いたしました。
また、「SWEET LOVE SHOWER」に続く大型コンテンツとして新たに、音楽を中心とし、音楽と親和性の高い映画やアート等のカルチャーを包含した複合イベント、「TOKYO MUSIC ODYSSEY 2016」を立ち上げました。この一環として新たに開催された「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」は、当社視点で2015年の音楽シーンを総括し、アーティストとクリエイターに感謝と敬意を込めて贈る、当社ならではの完全招待制の受賞イベントであり、豪華アーティストのライブ演奏をはじめ、合計26部門の各受賞アーティストの発表並びに授与が行われました。授賞式の模様は、LINEのライブ映像配信サービス「LINE LIVE」、「スペシャアプリ」、当社動画配信サイト「SPACE SHOWER ON DEMAND」における生配信を実施、多くの視聴者を集めました。
加えて、デジタル関連において、より濃度の高いアーティストとファンのコミュニティの場を創ること並びに、マネタイズ領域を拡大することを目的として、㈱EVENTIFYから会社分割のスキームによりファンクラブ事業を譲り受け、当社出資比率82%の連結子会社「コネクトプラス㈱」を設立、平成28年2月29日より事業を開始いたしました。
SPACE SHOWER MUSIC事業においては、アーティストマネジメント関連において、当社所属アーティストの認知度向上や、人気の急拡大によるライブ会場規模の拡大により、ライブへの観客動員数やオリジナルグッズの販売、ファンクラブ会員数が大きく伸長し、売上高を伸ばしたものの、売上高の伸長以上にライブ制作費の増加を招いたことで、想定外の損失を計上しました。一方で、次なる人気アーティストの育成・新規マネジメント契約の締結など、積極的な投資を実行いたしました。なお、デジタル配信関連につきましては、定額制音楽配信サービスの拡大等、外部環境の変化に牽引され、当社の管理する膨大な楽曲カタログを有効活用できたことにより、引き続き堅調な伸びを見せました。加えて、前期より着手した受託パッケージやレーベルの採算管理の徹底、発売タイトルを厳選する取り組みにより、音楽ソフト関連の損益は改善いたしました。
SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業においては、平成27年3月、原宿に開店したエンタテインメント・コラボカフェ「AREA-Q (エリア・キュー) 」にて、従来の当社になじみの深いロックバンドのコンテンツに加え、アイドル、アニメ、ゲーム等の多彩なコンテンツとのコラボレーションを実現いたしました。
加えて、平成28年2月29日、秋葉原を代表する老舗メイドカフェ「@ほぉ~むカフェ」5店舗を展開するインフィニア㈱の全株式取得による連結子会社化及び同店の営業に必要な商標権の取得を実施し、ポップカルチャー領域への本格参入をはたしました。今後は、現状の店舗運営を基盤とし、ソーシャルメディア展開、隣接領域との融合、マーチャンダイズ展開、コンテンツの海外展開等の取り組みを加速させてまいります。
また、第1四半期連結会計期間には、㈱フジ・メディア・ホールディングスとの資本業務提携及び第三者割当による新株式発行を行い、放送高度化などに関する制作面・技術面における協業や、インターネット動画配信などの新規ビジネスに対応するコンテンツ制作に関する戦略提携、ライブイベントなどの提携・共催、アジアを中心とした海外コンテンツ展開等における業務提携を推進することとなりました。
第3四半期連結会計期間には、当社の中長期的経営戦略の一つとして掲げる「アーティストやクリエイターの才能・魅力を活かして付加価値をあらゆる場・形で最大化」することの実現に向け、㈱MCIPホールディングスの株式を取得 (出資参画) し、アジアで開催する各種イベントにおいて、音楽・エンタテインメントコンテンツでの参加や、アジア各国での番組共同制作における参画、音楽・エンタテインメントコンテンツ分野における情報発信拠点の創出、新たなコンテンツ発掘育成プロジェクト実施を推進することとなりました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高につきましては、当社所属アーティストのライブ会場規模拡大、デジタル配信の堅調な伸び、原宿コラボカフェ「AREA-Q」の開業及びインフィニア㈱の連結子会社化などが貢献した結果12,896,180千円となり、前期比1,137,042千円増(同9.7%増)の大幅増収となった一方、利益につきましては、SPACE SHOWER TV事業・MUSIC事業・ENTERTAINMENT事業の3つのビジネスユニットにおける先行投資や、一部大型ライブイベントの制作費増加などにより前期を大幅に下回り、営業利益は118,851千円と前期比107,940千円減(同47.6%減)、経常利益は136,692千円と前期比95,010千円減(同41.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は57,412千円と、前期比55,856千円減(同49.3%減)の減益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、従来の「音楽事業」から「メディア・コンテンツ」へ、「映像制作事業」から「映像制作」へとセグメントの名称を変更しております。なお、セグメント名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。
A.メディア・コンテンツ セグメント
当セグメントにつきましては、SPACE SHOWER TV事業において、スカパー!標準画質サービスの終了により有料放送収入が前年同期比で減少したものの、スカパー!サービスの配分単価が、「スペースシャワーTV」、「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」ともに、前年同期比で上昇したことにより、放送関連の経常利益は前年同期並みを維持いたしました。また、デジタルサービス「スペシャアプリ」関連で、高画質配信に向けた機材・回線などへの対応や、「SPACE SHOWER ON DEMAND (スペシャオンデマンド) 」の開発及びライブ・生配信コンテンツの強化に向けた先行投資を行ったことなどによりコストが増加し、事業の経常損益は前年同期を下回る結果となりました。SPACE SHOWER MUSIC事業においては、定額制聴き放題の音楽配信サービスの普及によりデジタル音楽配信の収入・経常利益が前年同期比で増加いたしました。また、レーベル・パッケージ関連においては、CDやDVDパッケージ市場の縮小に対応すべく、事業構造改革に着手したことにより、前年同期比で経常損益を改善させました。アーティストマネジメント関連においても、自社マネジメントアーティストの想定を超える急速な人気の伸長に牽引され、ライブイベント収入やグッズ販売収入並びに著作隣接権収入などの権利収入が、前年同期比で大幅に増加したものの、ライブイベント規模の拡大に対する制作体制の構築が後手に回ったことによるステージ制作費の増加や、次世代のブレイクアーティスト育成や、新規マネジメントアーティストの発掘に向け、積極投資を行ったことにより、事業の経常利益は前年同期比で大きく下回り、損失が増加いたしました。また、SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業においては、主に「AREA-Q」開業 (平成27年3月) により、前年同期比で大きく収入を増加させたものの、「AREA-Q」の内装や設備などの固定資産取得に伴う減価償却費の増加や、新規事業展開に向けた人員強化、ECサイト「SPACE SHOWER STORE」関連のシステム開発投資を行ったことなどによりコストが増加し、経常利益は前年同期を大幅に下回り、損失が増加いたしました。この結果、売上高は11,259,150千円と前年同期比1,057,897千円増(同10.4%増)、経常利益(セグメント利益)は、73,443千円と前年同期比82,454千円減(同52.9%減)と、増収減益となりました。
B.映像制作 セグメント
当セグメントにつきましては、当連結会計年度は、ミュージックビデオ制作やライブ映像制作、CM制作の大型案件の受注が前年同期比で増加したことなどにより、売上高は1,637,029千円と前年同期比79,145千円増(同5.1%増)、経常利益(セグメント利益)についても、93,414千円と前年同期比2,810千円増(同3.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、549,512千円の使用となり、資金の期末残高は、2,341,573千円となりました。これは、営業活動により369,579千円、財務活動により14,909千円獲得した一方で、投資活動により934,003千円使用したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の獲得は、369,579千円(前連結会計年度は440,645千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益により132,401千円、減価償却費の計上により114,340千円、無形固定資産償却費の計上により80,459千円、たな卸資産の減少により72,333千円、仕入債務の増加により61,909千円、退職給付に係る負債の増加により54,923千円獲得した一方で、法人税等の支払により100,463千円、売上債権の増加により83,227千円使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の使用は、934,003千円(前連結会計年度は168,793千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得により255,627千円、有形固定資産の取得により216,541千円、事業の譲受けにより209,832千円、投資有価証券の取得により200,025千円使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の獲得は、14,909千円(前連結会計年度は162,584千円の使用)となりました。これは主に、株式の発行により242,406千円獲得した一方で、配当金の支払により106,908千円、借入金の返済により92,607千円使用したことによるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
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(単位:千円) |
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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映像制作 |
1,508,739 |
106.6% |
(注)1.金額は、制作原価で記載しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては受注に相当する事項がないため、受注状況に関する記載はしておりません。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
映像制作 |
1,638,951 |
103.1% |
67,713 |
57.3% |
(注)1.受注高については、売上金額で記載しております。また、受注残高については、金額が確定していないため、当連結会計年度末までに発生している制作原価で記載しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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(単位:千円) |
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当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
セグメントの名称 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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メディア・コンテンツ |
11,259,150 |
110.4% |
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映像制作 |
1,637,029 |
105.1% |
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合計 |
12,896,180 |
109.7% |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
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スカパーJSAT㈱ |
1,571,261 |
13.4 |
1,591,447 |
12.30 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、経営の基本方針及び中期的な経営戦略を推進し、企業価値と企業の存在意義を継続的・持続的に高めていくためには、主に以下に示す課題があることを認識しております。当社グループとしては、こうした課題に対する具体的施策を着実に実行していくために、推進体制を一層強化していきたいと考えております。
(1)放送事業基盤の維持とコンテンツ制作力の強化
放送事業関連においては、視聴者による選択性が強まっており、視聴者からより支持される魅力ある番組コンテンツを生み出すために、編成・制作力を強化することが放送事業関連収益の維持・拡大する上での重要な課題であると考えております。
また、魅力あるコンテンツの創造とともに、「スペースシャワーTV」及び「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」の潜在的な顧客層に対し、効果的にプロモーションを行うことは、そのコンテンツの存在価値を高めるための重要な課題だと考えております。従来同様、当社グループのコンテンツの提供先であります「スカパー!」やケーブルテレビ局による宣伝・加入活動との連携を深めつつ、今後は当社グループとしても、当社の潜在顧客に向けて当社チャンネルやそのコンテンツの魅力について主体的にプロモーションを行っていくことも重要だと考えております。
さらに、4Kをはじめとする“放送サービスの高度化”への対応も不可欠であると認識しております。
(2)企画営業力の範囲拡大と推進
インターネットの普及による若者を中心としたライフスタイルの変化に伴い、一般企業クライアントの広告出稿に対する考え方も大きく変わってきております。当社グループでは、こうした企業クライアントのニーズに対応し、従来のCS放送メディアだけでなく、ライブイベントやインターネット、デジタルサイネージ(屋外電子広告)、他社媒体など様々なメディアを組み合わせ、付加価値の高い広告・販促企画を提案できる企画営業力を強化することが重要な課題だと考えております。
(3)コンテンツのマルチユース推進と発展・展開
インターネットやモバイル等の通信インフラの進展やスマートフォンやタブレット端末などの受信端末の多様化は、我々のライフスタイルを一変させ、音楽や映像の楽しみ方に劇的な変革を生み出しております。そうした激しい環境変化の中、当社グループといたしましては、競争力があり、ユーザーに永く支持されるコンテンツやサービスを開発・提供するとともに、これらをマルチネットワーク・マルチデバイスに対応していくことが大きな課題であると考えております。そのために、当社グループといたしましては、編成・制作体制の見直し、クリエイティブで活発な風土の醸成、優秀なスタッフの発掘及び育成並びに権利許諾、権利獲得体制の強化などを今後逐次進めていきたいと考えております。
(4)ヒット作品の創出とアーティストマネジメントの強化
当社グループは、平成26年4月1日付で音楽ソフト事業関連を集約し、また統合したブランド名称として、「SPACE SHOWER MUSIC」を発足させました。新しい体制のもと、アーティストマネジメント、原盤制作、プロモーション、CD・DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信を一気通貫するコンテンツビジネスが可能となりました。当社グループといたしましては、アーティストビジネスを展開し、コンテンツホルダーとしてヒットコンテンツの創出・拡大を図るためには、有望アーティストの確保、ビジネスを支える人材の成長と活性化が課題であると考えております。
(5)デジタル音楽流通の推進
音楽配信市場は、世界的な規模で月額定額制などの新しい音楽配信サービス・音楽配信事業者が台頭し、CD・DVDなどの音楽ソフトパッケージに代わる形で普及が進んでおります。
当社グループでは、既に取扱楽曲が約200万曲にも及ぶことから、より効率的なシステム化とプロモーション展開の強化を図り、こうした楽曲をより多くの音楽ファンに流通させることが課題であります。また、デジタル環境の変化を確実に捉え、当社コンテンツを最大限に活かした新規ビジネスを創出することも課題であると考えております。
(6)新規事業の発展・展開
当社グループは、音楽を中心とした当社独自の強みやポジションを活かし、今後成長が見込まれるアニメ、アイドル、キャラクター、ファッション市場等、ポップカルチャー領域に対しても事業展開を進めてまいります。これらの事業領域において、積極的に他社との提携を検討し、当社の独自性や機能と他社のノウハウを融合して、新規事業を展開していく必要があると考えております。
(7)内部統制の推進
当社グループの内部統制の整備につきましては、会社法及び金融商品取引法等関係法令に基づき、順次対応を続けてまいりました。内部統制を整備し、不祥事や不正会計処理などを未然に防ぐことは、当社グループが培ってきた信用と信頼を維持するためにも重要な課題であると認識しております。
また、当社グループでは、コーポレート本部、内部監査室、J-SOX事務局などが協力し、グループ各社の内部統制の整備、業務の適正性を確保するための体制構築を行うとともに、業務フローの見直しや業務効率の改善を継続的に図っております。
(8)コンプライアンス対応(個人情報管理を含む)の強化
当社グループは、創業以来長い年月をかけて顧客など関係各ステークホルダーと信頼関係を築いてまいりましたが、虚偽の報告などの不正行為や、個人情報の漏洩などの事故を起こすことは、一瞬にしてこの関係を破壊し、ひいては、企業経営に甚大なダメージを与えることになります。このため、当社グループは、コンプライアンス対応の強化が重要な課題であると認識しており、当社代表取締役は全取締役及び従業員に対し、当社コンプライアンスポリシーの遵守を繰り返し徹底させ、高い倫理観と社会的責任に基づいて行動する企業風土の醸成を指導するとともに、適宜外部の専門家との情報交換を行うことにより、法令・定款違反行為を未然に防止するよう努めております。
当社グループの事業展開において、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りであります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではなく、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
1. 衛星デジタル多チャンネル放送事業について
衛星デジタル多チャンネル放送事業は、放送番組を制作・編成する「放送事業者」、チャンネル全体を放送事業者へ供給する「番組供給事業者」、通信衛星等から個人受信者に配信する「電気通信事業者」に加えて、個人受信者からの料金徴収を代行し、その他放送データのアップリンクや多チャンネル放送全体の宣伝などを行うプラットフォーム会社と呼ばれる「顧客管理代行会社」の4者の密接な相互依存関係で成立しております。
当社は、「番組供給事業者」として、「スペースシャワーTV」及び「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」を放送事業者に供給しております。「スペースシャワーTV」につきましては、スカパー!プレミアムサービス高画質(HD)放送上の「スペースシャワーTV」を㈱スカパー・ブロードキャスティングに、110度CS放送「スカパー!サービス」上の「スペースシャワーTV」を㈱スカパー・エンターテイメントに、それぞれ番組供給を行い、また、「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」につきましては、スカパー!プレミアムサービス高画質(HD)放送上の「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」を㈱スカパー・ブロードキャスティングに、110度CS放送「スカパー!サービス」上の「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」を㈱シーエス日本に、それぞれ番組供給を行っております。このような場合、供給先の放送事業者が放送法上のチャンネル全体の編集権や価格決定などの権利及び義務を保有しており、放送事業者の方針が当社にとって不利益な方向に変更されることや、放送関連の法令改正や新たな法規制が制定されることなどにより、当社グループの経営成績等に悪影響を受ける可能性があります。
また、電気通信事業者であるスカパーJSAT㈱が所有する衛星に隕石が衝突する等の不可避の事故や人為的なミスによる故障が生じた場合、新たな衛星が計画通りに調達されなかった場合や何らかの理由により同社が人工衛星局として総務省から与えられている免許が更新されなかった場合など、当社の番組が個人受信者及びケーブルテレビ局に配信できなくなることで、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
2. スカパーJSAT㈱の加入動向について
当社は、衛星デジタル多チャンネルサービス「スカパー!」の加入者のうち、当社と視聴者契約を締結する個人受信者より番組視聴料を収受しております。したがって、「スカパー!」への加入動向によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、番組視聴料は、複数チャンネルをまとめたパック販売が主流であり、こうした収入は他の放送事業者との間で人気度合いに応じた配分を行っておりますが、視聴者からの支持が得られない、または、その基準が見直されることやパックの再編により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
3. ケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との関係
当社は、全国のケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との間で番組販売契約を締結しており、多くの事業者とは毎年契約更新を行っております。今後、こうした事業者の経営判断などにより、多チャンネルベーシックパックの販売形態が変更された場合、当社の放送事業関連収入に重要な影響を与え、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。さらに、ケーブルテレビ局においては昨今、局の合併による大手MSO(ケーブルテレビの統括運営会社)の規模拡大が進み、こうしたケーブルテレビ局は視聴者数も相対的に多いことから、経営に与える影響度合いがさらに強まる可能性があります。
4. アーティストや楽曲のヒット動向について
当社グループは、音楽ソフトに関連する事業として、アーティストマネジメントを中核に据え、レーベル、音楽出版、CD・DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進しております。これらの事業において、マネジメントアーティストや音楽作品がヒットするか否かは、消費者の趣味、嗜好、流行の変化に大きく影響を受けます。当社グループは、コンテンツホルダーとして、ヒットアーティストやヒットコンテンツの創出・拡大を図るとともに、有望アーティストの発掘・育成に努めておりますが、アーティストの人気・契約の継続、新人アーティストの発掘・成長等については予測することが困難であり、これらの不確実性により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
5. 音楽CDパッケージ及び書籍出版物について
当社グループが扱う音楽CD・DVDパッケージ及び書籍出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)に規定する著作物再販制度の適用対象であり、音楽CD・DVDパッケージ及び書籍出版物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が再販売価格(小売価格)を決定できる状態にあります。法令の改正等により、著作物再販制度が廃止され、小売業者が再販売価格(小売価格)の価格決定権を持つようになった場合、音楽CD・DVDパッケージ及び書籍出版物の売上が減少し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが扱う音楽CD・DVDパッケージ及び書籍出版物については、小売事業者との取引条件において、一定の範囲で返品が可能になっており、小売事業者の販売状況によって、通常想定される返品枠を超える返品が生じた場合には、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
6. 小売事業者・配信事業者との関係
当社グループの扱う音楽ソフトを販売する小売事業者は、チェーン展開する比較的規模の大きな事業者が中心となります。市況等により、小売事業者の撤退もあり得ることから、今後、小売事業者が撤退した場合、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、配信事業においては、今後の成長が見込まれ、現在まで多くの新規参入の音楽配信プラットフォーム事業者が現れておりますが、デジタル化・ネットワーク化の進展を背景に、世界的規模でいくつかの事業者に集約される可能性があります。こうした事業者の価格決定の方針などにより、今後、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
7. 通信販売事業について
当社グループは、放送や音楽を始めとした様々なコンテンツビジネスと連動し、インターネット上でTシャツやオリジナル商品などの通信販売を行っております。このような通信販売を行う事業者は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)や「特定商取引に関する法律」(特商法)の規制を受け、虚偽や誇大な商品説明ができないのはもちろんのこと、所定の事業者の表示などが細かく規定されております。
当社では、通販事業に伴う商品管理及び物流運用を専門のノウハウを有した第三者に委託しておりますが、当社が法的リスクを負っており、通販事業を展開する上で何らかの瑕疵が生じ関係法令に違反した場合、当社の社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
8. 食品の安全性及び衛生管理について
当社グループは、コンセプトカフェの出店に際し、「食品衛生法」に準拠し、保健所の確認により営業許可を受ける必要がありますが、店舗の営業において食中毒の発生等、食品衛生法に違反した場合に、営業停止などの処分を受ける可能性があります。これに対し、当社グループは法定の食品衛生に加え、衛生管理指導専門スタッフによる定期チェックの実施、食品衛生責任者の設置、従業員の健康状態確認や手洗い励行等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底しております。
9.情報の流出について
当社グループは、プレゼント応募等で寄せられる個人情報やファンクラブ会員の個人情報など、様々な形でお客様の個人情報を収集しております。これらの個人情報の管理につきましては、厳重なセキュリティ対策を講じ、当該情報は利用目的の範囲においてのみ利用し、その管理には細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等予期せぬ事態により、個人情報が流出した場合、顧客の信用や社会的信用低下を招き、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、昨今のソーシャルネットワークサービスの普及を受け、ツイッターやフェイスブックなどに業務上知り得た個人情報等を掲載して関係者が損害を受けるという問題につきましては、当社グループでもアーティスト情報など、情報解禁以前において、こうした問題が起こらないよう、適宜情報管理を行っております。
10. 知的財産権の侵害
当社グループの事業活動において、第三者から意図せずに、著作権、著作隣接権、商標権等の知的財産権を侵害される可能性や第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。このような事態により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
11. 自然災害等の不可抗力
当社グループは、野外フェスイベントの主催、ライブハウスの運営、コンセプトカフェの運営などを行っておりますが、これらの事業活動は、地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症をはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策を策定し、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損失を補填できるという保証はありません。
12. 人材の確保
当社グループの事業展開において、アーティスト・クリエイターの価値を高め、広げることのできる優秀な人材を確保することの重要性を認識しております。しかしながら、当社の求める水準にある優秀な人材は限られているため、かかる人材の獲得に向けた競争は熾烈であり、当社グループが優秀な人材を確保できない可能性があります。
13. 減損損失について
当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
14. 戦略的提携及び企業買収
当社グループは、既存の事業領域に加え、今後成長が見込まれるアニメ、アイドル、ゲーム等のポップカルチャー領域における新規事業の展開に努めており、第三者との間で、戦略的提携や企業買収を実施することがあります。当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な側面から検討しておりますが、経営戦略などについて提携先との不一致が生じたり、提携先において事業上の問題が生じた際に、提携関係を維持できなくなる可能性があります。また、事業環境の急激な変化や、事業開始以前に予測不可能であった問題等により、提携や買収が当初の期待通りの目的を達成できない可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)経営成績の分析
経営成績の分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(1)業績をご参照ください。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、主にのれんが246,700千円、投資有価証券が202,677千円、商標権が177,664千円、建物及び構築物が118,224千円、受取手形及び売掛金が104,208千円、工具、器具及び備品が50,578千円増加し、一方で現金及び預金が543,502千円、仕掛品が61,875千円減少し、減価償却累計額及び減損損失累計額が109,718千円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ344,947千円増加し、7,015,244千円となりました。
負債につきましては、主に預り金が132,939千円、買掛金が70,997千円、退職給付に係る負債が54,923千円増加し、一方で流動負債のその他が97,270千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ131,222千円増加し、3,072,660千円となりました。また、純資産は資本金が131,520千円、資本剰余金が131,520千円増加し、一方で利益剰余金が49,495千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ213,724千円増加し、3,942,583千円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローをご参照ください。