第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資については踊り場状態が続いたものの、企業収益や雇用環境、個人消費については、緩やかながら回復基調となりました。また、世界経済は、アジア新興国を中心とした経済成長の減速懸念や、欧州における英国のEU離脱問題、米国新政権発足に伴う政策運営動向などを背景として、為替や株価変動の不安定な状況が拡がり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

こうした環境の下、当社グループでは、放送業界、音楽業界、エンタテインメント業界における市場環境や消費者ニーズの変化に対応するため、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの企画制作及び有料多チャンネル放送プラットフォームにおける音楽専門チャンネルの運営をベースとしつつ、ライブイベント、デジタルコンテンツ制作や各種デジタルサービス、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至るまで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、総合音楽エンタテインメント企業への転換を図ることを基本方針とし、前連結会計年度に連結子会社化した、ファンサイト事業を展開するコネクトプラス㈱及びコンセプトカフェ運営を行うインフィニア㈱の2社、これまでの㈱セップ、㈱Pヴァインとともに、新たな分野での成長施策の推進、事業領域の拡大に向けた企業グループ経営を推進してまいりました。

当連結会計年度においては、コネクトプラス㈱、インフィニア㈱の2社が連結子会社に加わったことや、自社関連アーティストの権利収入やライブツアー収入など、前連結会計年度における取り組みの成果が大きく業績へ貢献したことに加え、定額制聞き放題のサブスクリプションサービス市場の拡大や取扱楽曲のヒットによりデジタル音楽配信収入が増加し、売上高は大幅に拡大いたしました。

また、当社所属のアーティスト「Suchmos」が、企業CMの楽曲タイアップを獲得したことに加え、ラジオ・テレビ等のメディアにおける注目度を高める中、2017年1月に発売された新譜アルバム「THE KIDS」においては、CDの出荷数及び店頭における販売数、デジタル配信のダウンロード・ストリーミング回数ともに、極めて順調に推移し、当社アーティストビジネスにおける成功事例となり、経常利益大幅増の大きな誘因になりました。

更には、デジタル領域への取組拡大として、携帯電話キャリア等の通信事業者に加え、サービス参入の増えたOTT事業者の新規プラットフォーム向けにオリジナル配信コンテンツの提供を行う等、インターネットにおける音楽コンテンツ提供ウィンドウの拡大に努めるとともに、前連結会計年度に続く第二回開催となった「TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017」の受賞イベント「SPACE SHOWER MUSIC AWARDS」の模様は、スペースシャワーTVでの生放送のみならず、auの動画配信サービス「ビデオパス」、当社のモバイル配信サービス「スペシャアプリ」における生配信を実施し、多くの視聴者を集めました

加えて、当社コンテンツの海外展開への布石として、当社が主催する新人アーティストの登竜門的イベント「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」の10周年を記念し、㈱MCIPホールディングスとの共同主催による初のアジアツアー公演「SPACE SHOWER RETSUDEN ASIA TOUR 2017 powered by MCIP」を、タイ、シンガポール、台湾にて開催いたしました。

引き続き、コンテンツ及びメディアの両面から今後に向けた新たな取り組みを推進してまいります。

 

これらの取り組みの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は14,799,568千円と前期比1,903,388千円増(同14.8%増)、営業利益は588,540千円と前期比469,688千円増(同395.2%増)、経常利益は626,643千円と前期比489,950千円増(同358.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は349,603千円と前期比292,191千円増(同508.9%増)と、増収増益となりました

 

セグメント別の業績は次のとおりであります

 

A.メディア・コンテンツ セグメント

当セグメントにつきましては、音楽チャンネルの運営を中心に関連イベントやコンテンツプロデュースを展開するSPACE SHOWER TV事業、アーティストマネジメントからレーベル及びディストリビューションまでアーティストビジネスを360度展開するSPACE SHOWER MUSIC事業、音楽周辺のポップカルチャー領域を開拓するSPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業並びにデジタルサービス分野の推進・開拓をめざすSPACE SHOWER DIGITAL事業の主に4つの事業ユニットを中心として、各事業分野の成長施策の推進にあたっております。

SPACE SHOWER TV事業においては、有料放送におけるスカパー!サービスの加入世帯数は減少傾向にあるものの、「スペースシャワーTV」配分単価が前期比で上昇したことにより、売上を拡大いたしました

SPACE SHOWER MUSIC事業においては、2016年12月末日で専属マネジメント契約を満了いたしました「ゲスの極み乙女。」・「indigo la End」につき、主に契約満了に伴う商品在庫の調整等を行ったことによる一時費用が発生したものの、人気を拡大させつつある「Suchmos」につきまして、企業CMの楽曲タイアップ効果もあり、旧譜(前年度発売済作品)の売上が大きく伸長したことに加え、当第4四半期連結会計年度に発売された新譜アルバムが当初予想を上回るヒットを記録したこと、自社関連アーティストの原盤印税や放送二次使用料等の著作隣接権収入が前年同期を上回り、アーティストマネジメント関連並びにライツ関連が好調に推移したこと、サブスクリプションサービス事業者の参入拡大に牽引され、デジタル音楽配信収入が増加したことにより、売上高、経常利益ともに前期を大きく上回りました

SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業においては、前連結会計年度に連結子会社化したインフィニア株式会社の運営するコンセプトカフェ「@ほぉ~むカフェ」の集客が堅調に推移し、売上高、経常利益ともに、前期を大きく上回りました

この結果、当セグメントの売上高は13,393,473千円と前期比2,134,322千円増(同19.0%増)となり、経常利益(セグメント利益)につきましても558,317千円と前期比484,874千円増(同660.2%増)と増収増益となりました。

 

B.映像制作 セグメント

当セグメントにつきましては、ミュージックビデオ制作やライブ映像制作、CM制作の大型案件の受注が前期比で減少したことなどにより、売上高は1,406,094千円と前期比230,934千円減(同14.1%減)となり、経常利益(セグメント利益)は72,968千円と前期比20,445千円減(同21.9%減)となりました

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、332,395千円の獲得となり、資金の期末残高は、2,673,968千円となりました。これは、営業活動により1,004,584千円獲得した一方で、投資活動により533,088千円、財務活動により139,099千円使用したことによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の獲得は、1,004,584千円(前連結会計年度は369,579千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益により553,273千円、仕入債務の増加により175,858千円、減価償却費の計上により131,502千円、無形固定資産償却費の計上により131,002千円、賞与引当金の増加により96,050千円、その他の流動負債の増加により91,064千円、退職給付に係る負債の増加により63,388千円獲得した一方で、売上債権の増加により219,007千円、たな卸資産の増加により118,228千円、法人税等の支払により107,341千円使用したことによるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の使用は、533,088千円(前連結会計年度は934,003千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により452,885千円、無形固定資産の取得により84,369千円使用したことによるものであります

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の使用は、139,099千円(前連結会計年度は14,909千円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払により113,308千円使用したことによるものであります

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

(単位:千円)

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

映像制作

1,298,672

86.1

(注)1.金額は、制作原価で記載しております。

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては受注に相当する事項がないため、受注状況に関する記載はしておりません。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

映像制作

1,622,528

99.0

213,396

315.1

(注)1.受注高については、売上金額で記載しております。また、受注残高については、金額が確定していないため、当連結会計年度末までに発生している制作原価で記載しております。

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

 

当連結会計年度

前年同期比(%)

セグメントの名称

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

メディア・コンテンツ

13,393,473

119.0

映像制作

1,406,094

85.9

合計

14,799,568

114.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

スカパーJSAT㈱

1,591,447

12.3

1,673,345

11.3

3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

(企業理念)

1.私たちは、音楽の魅力と感動をより多くの人々に届け、心豊かな文化の創造と発展に貢献します。

2.私たちは、アーティストやクリエイターへの敬意を忘れず、その価値を高め、魅力を伝える良きパートナーであり続けます。

3.私たちは、感度の高い良質なコンテンツやサービスを提供し、常に個性的かつ進取的なライフスタイルの提案を行います。

 

当社グループは、この3つの理念に基づき、放送・通信業界、音楽業界、広告業界、エンタテインメント業界における、市場環境、消費者ニーズの変化といった、様々なパラダイムシフトへの対応を目指し、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの制作および音楽専門チャンネルの放送をはじめ、ライブイベント、デジタルコンテンツや各種デジタルサービス、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至るまで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、総合音楽エンタテインメント企業として転換を推進することを経営の基本方針としております。

この基本方針に基づき、当社における新規事業領域の成長を図るとともに、連結経常利益水準を安定させ、さらに向上させることを経営の目標としております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、アーティストやクリエイターの才能・魅力を活かして付加価値をあらゆる場・形で最大化することを重点戦略とし、2014年4月に音楽ソフト事業を集約しスタートさせたSPACE SHOWER MUSIC事業に続き、2015年4月に当社のメディア・コンテンツ セグメントにおけるビジネスユニットを三つに再編し、新たなビジネスユニットとして、アニメ、アイドル等の新規事業領域の拡大を推進するSPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業をスタートさせました。各ビジネスユニットの運営方針は以下のとおりです。

 

<SPACE SHOWER TV事業>

従来からある放送番組をはじめ、ライブイベント、スマートフォン向けアプリ等のデジタルサービスを強化して、様々なコンテンツを展開し、ブランド認知がより高まるようなコンテンツ事業を運営します。

 

<SPACE SHOWER MUSIC事業>

アーティストマネジメントを中核とし、レーベル、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進します。

 

<SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業>

アニメ、アイドル、キャラクター、ファッション、リアルスペースビジネス等のエンタテインメント領域を新規開拓し、従来行ってきた放送や書籍出版事業などともシナジーを追求しながら、事業領域の拡大を図ります。

 

上記の他、連結子会社につきましては、既存事業を堅持しながら、事業展開を行ってまいります。映像制作セグメントの㈱セップにおきましては、従来のミュージックビデオ制作に加え、ライブ映像制作や一般企業クライアント向けの映像制作の受注拡大を図ります。また、メディア・コンテンツセグメントの㈱Pヴァインにおきましては、主力の洋楽ソフトに加え、邦楽ソフトのシェア向上に努めてまいります。

これらの事業において、当社独自の強みを活かし、従来の放送ビジネスや音楽ビジネスといった枠組みにとらわれることなく、全く新しい存在感のある総合音楽エンタテインメント企業を目指すことにより、中長期的な企業価値の最大化を図ってまいります。

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、アーティストやクリエイターの才能・魅力を活かして付加価値をあらゆる場・形で最大化することを重点戦略とし、当社独自の強みを活かし、従来の放送ビジネスや音楽ビジネスといった枠組みにとらわれることなく、様々な側面におけるパラダイムシフトを追い風として、全く新しい存在感のある総合音楽エンタテインメント企業を目指すことにより、継続的・持続的に企業価値の最大化を図ってまいります。当社グループは、戦略の実現に向けた課題として、主に以下に示す課題があることを認識しております

 

放送事業基盤の維持とコンテンツライツビジネスの強化

放送事業関連においては、市場環境の変化に伴い、視聴者による選択性が強まっており、視聴者からより支持される魅力ある番組コンテンツを生み出すために、編成・制作力を強化することが放送事業関連収益を維持する上での重要な課題であると考えております。また、4K・8K、VR/ARといった“放送サービスの高度化”や、IPリニア放送への対応も不可欠であると認識しておりますさらに、インターネットやモバイル等の通信インフラの発達やスマートフォンやタブレット端末などの受信端末の多様化による、ライフスタイルの変化が進行する中、当社グループといたしましては、競争力があり、ユーザーに永く支持されるコンテンツやサービスを開発・提供するとともに、これらをマルチネットワーク・マルチデバイスに対応していくことが大きな課題であると考えております。そのために、当社グループといたしましては、編成・制作体制の見直し、あらゆるウィンドウに向けたコンテンツ供給を可能とする権利許諾・権利獲得体制の強化、クリエイティブで活発な風土の醸成、優秀なスタッフの発掘及び育成を今後逐次進めていきたいと考えております

 

② 企画営業力の範囲拡大と推進

インターネットの普及による若者を中心としたライフスタイルの変化に伴い、一般企業クライアントの広告出稿に対する考え方も大きく変わってきております。当社グループでは、こうした企業クライアントのニーズに対応し、当社グループの持つ諸機能を活用し、従来のCS放送メディアのみにとどまらず、ライブイベントやSNSサービスを含むインターネット、デジタルサイネージ(屋外電子広告)、他社媒体など様々なメディアを組み合わせ、360度全方位への展開を行うことで、付加価値の高い広告・販促企画を提案可能とする企画営業力を強化することが重要な課題であると考えております。企画営業を通じて、有力なアライアンスパートナーの獲得を目指してまいります

 

③ ヒット作品の創出と音楽出版ビジネスへの取り組み強化

当社グループの音楽ソフト事業関連事業ユニット「SPACE SHOWER MUSIC」は、アーティストマネジメント、原盤制作、プロモーション、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信の一気通貫の取り組みを可能とする機能を有しております。当社グループの経営方針である、「アーティスト・作品の魅力の最大化」に向け、有望アーティストの発掘、育成の価値を高め、「SPACE SHOWER MUSIC」をはじめとした当社グループの諸機能を駆使して、その魅力の拡散を目指すことこそが、音楽出版ビジネスであると考えております

音楽出版ビジネスを展開し、コンテンツライツホルダーとしてヒットコンテンツの創出・拡大を図るためには、有望アーティストの確保、ビジネスを支える人材の成長と活性化が重要課題であると認識しております

 

 

④ 新規事業の発展・展開

 

当社グループは更なる成長を目指すべく、音楽を中心とした当社独自の強みやポジションを活かし、今後も成長が見込まれるアニメ、アイドル、キャラクター、ファッション、ゲーム市場等、ポップカルチャー領域に対しても事業展開を進めてまいります。これらの事業領域において、積極的に他社との提携を検討し、当社の独自性や機能と他社のノウハウの融合を通して新規事業を展開し、事業規模の拡大を目指してまいります。また、アジアを中心とする海外事業展開についても試行を継続してまいります

 

当社グループでは、すべての事業を有機的に連動させることを通じて、これら重要課題の解決に向け取り組み、安定的な収益の獲得、持続的な成長を目指してまいります

 

4【事業等のリスク】

当社グループの事業展開において、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りであります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではなく、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

1. 衛星デジタル多チャンネル放送事業について

衛星デジタル多チャンネル放送事業は、放送番組を制作・編成する「放送事業者」、チャンネル全体を放送事業者へ供給する「番組供給事業者」、通信衛星等から個人受信者に配信する「電気通信事業者」に加えて、個人受信者からの料金徴収を代行し、その他放送データのアップリンクや多チャンネル放送全体の宣伝などを行うプラットフォーム会社と呼ばれる「顧客管理代行会社」の4者の密接な相互依存関係で成立しております。

当社は、「番組供給事業者」として、「放送事業者」に番組を供給しております。この場合、供給先の放送事業者が放送法上のチャンネル全体の編集権や価格決定などの権利及び義務を保有しており、放送事業者の方針が当社にとって不利益な方向に変更されることや、放送関連の法令改正や新たな法規制が制定されることなどにより、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、「電気通信事業者」であるスカパーJSAT㈱が所有する衛星に隕石が衝突する等の不可避の事故や人為的なミスによる故障が生じた場合、新たな衛星が計画通りに調達されなかった場合や何らかの理由により同社が人工衛星局として総務省から与えられている免許が更新されなかった場合など、当社の番組が個人受信者及びケーブルテレビ局に配信できなくなることで、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

2. スカパーJSAT㈱の加入動向について

当社は、衛星デジタル多チャンネルサービス「スカパー」の加入者のうち、当社と視聴者契約を締結する個人受信者より番組視聴料を収受しております。したがって、「スカパー」への加入動向によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、番組視聴料は、複数チャンネルをまとめたパック販売が主流であり、こうした収入は他の放送事業者との間で人気度合いに応じた配分を行っておりますが、視聴者からの支持が得られない、または、その基準が見直されることやパックの再編により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

3. ケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との関係

当社は、全国のケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との間で番組販売契約を締結しており、多くの事業者とは毎年契約更新を行っております。今後、こうした事業者の経営判断などにより、多チャンネルベーシックパックの販売形態が変更された場合、当社の放送事業関連収入に重要な影響を与え、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。さらに、ケーブルテレビ局においては昨今、局の合併による大手MSO(ケーブルテレビの統括運営会社)の規模拡大が進み、こうしたケーブルテレビ局は視聴者数も相対的に多いことから、経営に与える影響度合いがさらに強まる可能性があります。

 

4. アーティストや楽曲のヒット動向について

当社グループは、音楽ソフトに関連する事業として、アーティストマネジメントを中核に据え、レーベル、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進しております。これらの事業において、マネジメントアーティストや音楽作品がヒットするか否かは、消費者の趣味、嗜好、流行の変化に大きく影響を受けます。当社グループは、コンテンツホルダーとして、ヒットアーティストやヒットコンテンツの創出・拡大を図るとともに、有望アーティストの発掘・育成に努めておりますが、アーティストの人気・契約の継続、新人アーティストの発掘・成長等については予測することが困難であり、これらの不確実性により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

5. 音楽CDパッケージ及び書籍出版物について

当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)に規定する著作物再販制度の適用対象であり、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が再販売価格(小売価格)を決定できる状態にあります。法令の改正等により、著作物再販制度が廃止され、小売業者が再販売価格(小売価格)の価格決定権を持つようになった場合、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物の売上が減少し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物については、小売事業者との取引条件において、一定の範囲で返品が可能になっており、小売事業者の販売状況によって、通常想定される返品枠を超える返品が生じた場合には、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

6. 小売事業者・配信事業者との関係

当社グループの扱う音楽ソフトを販売する小売事業者は、チェーン展開する比較的規模の大きな事業者が中心となります。市況等により、小売事業者の撤退もあり得ることから、今後、小売事業者が撤退した場合、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、配信事業においては、今後の成長が見込まれ、現在まで多くの新規参入の音楽配信プラットフォーム事業者が現れておりますが、デジタル化・ネットワーク化の進展を背景に、世界的規模でいくつかの事業者に発展的に集約される可能性があります。こうした規模を拡大した事業者の価格決定方針などにより、今後、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

7. 通信販売事業について

当社グループは、放送や音楽を始めとした様々なコンテンツビジネスと連動し、インターネット上でTシャツやオリジナル商品などの通信販売を行っております。このような通信販売を行う事業者は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)や「特定商取引に関する法律」(特商法)の規制を受け、虚偽や誇大な商品説明ができないのはもちろんのこと、所定の事業者の表示などが細かく規定されております。

当社では、通販事業に伴う商品管理及び物流運用を専門のノウハウを有した第三者に委託しておりますが、当社が法的リスクを負っており、通販事業を展開する上で何らかの瑕疵が生じ関係法令に違反した場合、当社の社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

8. 食品の安全性及び衛生管理について

当社グループは、コンセプトカフェの出店に際し、「食品衛生法」に準拠し、保健所の確認により営業許可を受ける必要がありますが、店舗の営業において食中毒の発生等、食品衛生法に違反した場合に、営業停止などの処分を受ける可能性があります。これに対し、当社グループは法定の食品衛生に加え、衛生管理指導専門スタッフによる定期チェックの実施、食品衛生責任者の設置、従業員の健康状態確認や手洗い励行等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底しております。

 

9. ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」)による情報拡散について

当社グループは、アーティストや番組の情報を、より多くの方々へ届けするためのツールとして、SNSを活用しております。当社グループでは、当社の発信した情報を見た方々に、誤解を与えるような言動を慎むよう、社員及びアーティストへの教育の徹底、ならびにガイドラインの設定を実施しております。しかしながらSNS上においては、アーティスト情報や当社の情報等が真意に関わらずネガティブな情報として受け止められ、拡散する可能性があり、その場合当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

10. 個人情報の流出について

当社グループは、プレゼント応募等で寄せられる個人情報やファンクラブ会員の個人情報など、様々な形でお客様の個人情報を収集しております。これらの個人情報の管理につきましては、厳重なセキュリティ対策を講じ、当該情報は利用目的の範囲においてのみ利用し、その管理には細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等予期せぬ事態により、個人情報が流出した場合、顧客の信用や社会的信用低下を招き、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、2015年10月に施行された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)の下で、当社グループは仕入取引先を中心として、マイナンバーの取得を順次行っておりますが、マイナンバーを含む特定個人情報の取扱いにおきましては、一般の個人情報よりも厳格な安全管理措置が必要とされております。顧客情報等の紛失・漏洩・不正利用等が発生した場合、当社グループのレピュテーションリスクが大きく拡大する可能性があります。

 

11. 知的財産権の侵害

当社グループの事業活動において、第三者から意図せずに、著作権、著作隣接権、商標権等の知的財産権を侵害される可能性や第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。このような事態により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

12. 自然災害等の不可抗力

当社グループは、野外フェスイベントの主催、ライブハウスの運営、コンセプトカフェの運営などを行っておりますが、これらの事業活動は、地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症をはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策を策定し、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損失を補填できるという保証はありません。

 

13. 人材の確保

当社グループの事業展開において、アーティスト・クリエイターの価値を高め、広げることのできる優秀な人材を確保することの重要性を認識しております。しかしながら、当社の求める水準にある優秀な人材は限られているため、かかる人材の獲得に向けた競争は熾烈であり、当社グループが優秀な人材を確保できない可能性があります。

 

14. 減損損失について

当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

15. 戦略的提携及び企業買収

当社グループは、既存の事業領域の発展拡張を目指すことに加え、今後成長が見込まれるアニメ、アイドル、ゲーム等のポップカルチャー領域における新規事業の展開に努めており、第三者との間で、戦略的提携や企業買収を実施することがあります。当社グループでは、これらの提携や買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な側面から検討しておりますが、経営戦略などについて提携先との不一致が生じたり、提携先において事業上の問題が生じた際に、提携関係を維持できなくなる可能性があります。また、事業環境の急激な変化や、事業開始以前に予測不可能であった問題等により、提携や買収が当初の期待通りの目的を達成できない可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

経営成績の分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(1)業績をご参照ください。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における総資産は、主に建物及び構築物が377,591千円、現金及び預金が338,407千円、受取手形及び売掛金が219,007千円、仕掛品が164,354千円、リース資産が68,940千円増加し、一方で減価償却累計額及び減損損失累計額が116,951千円増加し、投資有価証券が50,911千円、のれんが50,020千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ897,699千円増加し、7,912,944千円となりました。

負債につきましては、主に買掛金が175,858千円、未払法人税等が172,311千円、その他流動負債が71,193千円、賞与引当金が96,050千円、退職給付に係る負債が63,388千円増加し、一方で預り金が24,650千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ661,583千円増加し、3,734,244千円となりました。また、純資産は主に利益剰余金が236,295千円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ236,115千円増加し、4,178,699千円となりました

 

(3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの分析については、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況をご参照ください。