(1)会社の経営の基本方針
(企業理念)
1.私たちは、音楽の魅力と感動をより多くの人々に届け、心豊かな文化の創造と発展に貢献します。
2.私たちは、アーティストやクリエイターへの敬意を忘れず、その価値を高め、魅力を伝える良きパートナーであり続けます。
3.私たちは、感度の高い良質なコンテンツやサービスを提供し、常に個性的かつ進取的なライフスタイルの提案を行います。
当社グループは、この3つの理念に基づき、放送・通信業界、音楽業界、広告業界、エンタテインメント業界における、市場環境、消費者ニーズの変化といった、様々なパラダイムシフトへの対応を目指し、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの制作および音楽専門チャンネルの放送をはじめ、ライブイベント、デジタルコンテンツや各種デジタルサービス、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至るまで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、総合音楽エンタテインメント企業として転換を推進することを経営の基本方針としております。
この基本方針に基づき、当社における新規事業領域の成長を図るとともに、連結経常利益水準を安定させ、さらに向上させることを経営の目標としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、アーティストやクリエイターの才能・魅力を活かして付加価値をあらゆる場・形で最大化することを重点戦略とし、2014年4月に音楽ソフト事業を集約しスタートさせたSPACE SHOWER MUSIC事業に続き、2015年4月に当社のメディア・コンテンツ セグメントにおけるビジネスユニットを三つに再編し、新たなビジネスユニットとして、アニメ、アイドル等の新規事業領域の拡大を推進するSPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業をスタートさせました。各ビジネスユニットの運営方針は以下のとおりです。
<SPACE SHOWER TV事業>
従来からある放送番組をはじめ、ライブイベント、スマートフォン向けアプリ等のデジタルサービスを強化して、様々なコンテンツを展開し、ブランド認知がより高まるようなコンテンツ事業を運営します。
<SPACE SHOWER MUSIC事業>
アーティストマネジメントを中核とし、レーベル、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進します。
<SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業>
アニメ、アイドル、キャラクター、ファッション、リアルスペースビジネス等のエンタテインメント領域を新規開拓し、従来行ってきた放送や書籍出版事業などともシナジーを追求しながら、事業領域の拡大を図ります。
上記の他、連結子会社につきましては、既存事業を堅持しながら、新たな事業展開を行ってまいります。映像制作セグメントの㈱セップにおきましては、従来のミュージックビデオ制作やライブ映像制作に加え、一般企業クライアント向け映像制作の受注拡大を図りつつ、CGやVRなどの新たな分野にも領域を広げています。また、メディア・コンテンツセグメントの㈱Pヴァインにおきましては、主力の洋楽ソフトに加え、邦楽ソフトのシェア向上にも努めてまいります。同じくメディア・コンテンツセグメントのインフィニア㈱におきましては、コンセプトカフェ「@ほぉ~むカフェ」の運営のみならず、所属メイドからアイドルやモデルなどのタレントを発掘、育成する、新たな事業展開を進めてまいります。さらに、メディア・コンテンツセグメントのコネクトプラス㈱におきましては、当社グループの各種機能と連携しながら、ファンクラブ会費ビジネスに限定しない様々な展開を行ってまいります。
これらの事業において、当社独自の強みを活かし、従来の放送ビジネスや音楽ビジネスといった枠組みにとらわれることなく、全く新しい存在感のある総合音楽エンタテインメント企業を目指すことにより、中長期的な企業価値の最大化を図ってまいります。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは、アーティストやクリエイターの才能・魅力を活かして付加価値をあらゆる場・形で最大化することを重点戦略とし、当社独自の強みを活かし、従来の放送ビジネスや音楽ビジネスといった枠組みにとらわれることなく、様々な側面におけるパラダイムシフトを追い風として、全く新しい存在感のある総合音楽エンタテインメント企業を目指すことにより、継続的・持続的に企業価値の最大化を図ってまいります。当社グループは、戦略の実現に向けた課題として、主に以下に示す課題があることを認識しております。
① 放送事業基盤の維持とコンテンツライツビジネスの強化
放送事業関連においては、市場環境の変化に伴い、視聴者による選択性が強まっており、視聴者からより支持される魅力ある番組コンテンツを生み出すために、編成・制作力を強化することが放送事業関連収益を維持する上での重要な課題であると考えております。また、4K・8K、VR/ARといった“放送サービスの高度化”や、IPリニア放送への対応も不可欠であると認識しております。
さらに、インターネットやモバイル等の通信インフラの発達やスマートフォンやタブレット端末などの受信端末の多様化による、ライフスタイルの変化が進行する中、当社グループといたしましては、競争力があり、ユーザーに永く支持されるコンテンツやサービスを開発・提供するとともに、これらをマルチネットワーク・マルチデバイスに対応していくことが大きな課題であると考えております。そのために、当社グループといたしましては、編成・制作体制の見直し、あらゆるウィンドウに向けたコンテンツ供給を可能とする権利許諾・権利獲得体制の強化、クリエイティブで活発な風土の醸成、優秀なスタッフの発掘及び育成を今後逐次進めていきたいと考えております。
② アライアンスの強化と推進
インターネットの普及による若者を中心としたライフスタイルの変化に伴い、一般企業クライアントの広告出稿に対する考え方も大きく変わってきております。当社グループでは、こうした企業クライアントのニーズに対応し、当社グループの持つ諸機能を活用し、従来のCS放送メディアのみにとどまらず、ライブイベントやSNSサービスを含むインターネット、デジタルサイネージ(屋外電子広告)、他社媒体など様々なメディアを組み合わせ、360度全方位への展開を行うことで、付加価値の高い広告・販促企画を提案可能とする企画営業力を強化することが重要な課題であると考えております。このような企画営業活動を通じて、有力なアライアンスパートナーの獲得を目指してまいります。
③ ヒット作品の創出と音楽出版ビジネスへの取り組み強化
当社グループの音楽ソフト事業関連事業ユニット「SPACE SHOWER MUSIC」は、アーティストマネジメント、原盤制作、プロモーション、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信の一気通貫の取り組みを可能とする機能を有しております。当社グループの経営方針である、「アーティスト・作品の魅力の最大化」に向け、有望アーティストの発掘、育成の価値を高め、「SPACE SHOWER MUSIC」をはじめとした当社グループの諸機能を駆使して、その魅力の拡散を目指すことこそが、音楽出版ビジネスであると考えております。
音楽出版ビジネスを展開し、コンテンツライツホルダーとしてヒットコンテンツの創出・拡大を図るためには、有望アーティストの確保、ビジネスを支える人材の成長と活性化が重要課題であると認識しております。
④ デジタルマーケティングへの取り組み強化
デジタル技術の発展により、市場分析、プロモーション、マーケティング、リテール等、それぞれの活動はシームレスになってきております。また、若者を中心にSNSサービスから情報を得る傾向が強まっており、SNSを駆使したバイラルプロモーションは必須となっております。一方で、YouTuberなどのインフルエンサーから次世代のタレントが登場するようになるなど、エンタテインメント業界を取り巻く環境は大きく変化しております。こうした変化に対応し、先取りするため、新しい技術やサービスを当社グループだけでなく、M&Aや他社とのアライアンスなどにより獲得することが重要な経営課題であると認識しております。
⑤ グローバルビジネス展開
インターネットの普及により、音楽などのコンテンツは容易に国境を越える事ができるようになりました。国内の音楽市場が低迷する一方で、アジアを中心とするグローバル市場のニーズの高まりもあり、日本ではまだ無名のアーティストが海外で人気を博しているケースも出てきております。こうしたニーズに対応するため、人材の育成や他社とのアライアンスを展開していくことが、グローバルビジネスを展開するにあたっての重要な課題と認識しております。
⑥ 新規事業領域の発展・展開
当社グループはさらなる成長を目指すべく、音楽を中心とした当社独自の強みやポジションを活かし、今後も成長が見込まれるアニメ、アイドル、キャラクター、ファッション、ゲーム市場等、ポップカルチャー領域に対しても事業展開を進めてまいります。これらの事業領域において、積極的に他社とのアライアンスを検討し、当社の独自性や機能と他社のノウハウの融合を通して新規事業を展開し、事業規模の拡大を目指してまいります。
当社グループでは、すべての事業を有機的に連動させることを通じて、これら重要課題の解決に向け、取り組み、安定的な収益の獲得、持続的な成長を目指してまいります。
当社グループの事業展開において、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下のとおりであります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではなく、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
1. 衛星デジタル多チャンネル放送事業について
衛星デジタル多チャンネル放送事業は、放送番組を制作・編成する「放送事業者」、チャンネル全体を放送事業者へ供給する「番組供給事業者」、通信衛星等から個人受信者に配信する「電気通信事業者」に加えて、個人受信者からの料金徴収を代行し、その他放送データのアップリンクや多チャンネル放送全体の宣伝などを行うプラットフォーム会社と呼ばれる「顧客管理代行会社」の4者の密接な相互依存関係で成立しております。
当社は、「番組供給事業者」として、「放送事業者」に番組を供給しております。この場合、供給先の放送事業者が放送法上のチャンネル全体の編集権や価格決定などの権利及び義務を保有しており、放送事業者の方針が当社にとって不利益な方向に変更されることや、放送関連の法令改正や新たな法規制が制定されることなどにより、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、「電気通信事業者」であるスカパーJSAT㈱が所有する衛星に隕石が衝突する等の不可避の事故や人為的なミスによる故障が生じた場合、新たな衛星が計画どおりに調達されなかった場合や何らかの理由により同社が人工衛星局として総務省から与えられている免許が更新されなかった場合など、当社の番組が個人受信者及びケーブルテレビ局に配信できなくなることで、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
2. スカパーJSAT㈱の加入動向について
当社は、衛星デジタル多チャンネルサービス「スカパー!」の加入者のうち、当社と視聴者契約を締結する個人受信者より番組視聴料を収受しております。したがって、「スカパー!」への加入動向によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、番組視聴料は、複数チャンネルをまとめたパック販売が主流であり、こうした収入は他の放送事業者との間で人気度合いに応じた配分を行っておりますが、視聴者からの支持が得られない、または、その基準が見直されることやパックの再編により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
3. ケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との関係
当社は、全国のケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との間で番組販売契約を締結しており、多くの事業者とは毎年契約更新を行っております。今後、こうした事業者の経営判断などにより、多チャンネルベーシックパックの販売形態が変更された場合、当社の放送事業関連収入に重要な影響を与え、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。さらに、ケーブルテレビ局においては昨今、局の合併による大手MSO(ケーブルテレビの統括運営会社)の規模拡大が進み、こうしたケーブルテレビ局は視聴者数も相対的に多いことから、経営に与える影響度合いがさらに強まる可能性があります。
4. アーティストや楽曲のヒット動向について
当社グループは、音楽ソフトに関連する事業として、アーティストマネジメントを中核に据え、レーベル、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進しております。これらの事業において、マネジメントアーティストや音楽作品がヒットするか否かは、消費者の趣味、嗜好、流行の変化に大きく影響を受けます。当社グループは、コンテンツホルダーとして、ヒットアーティストやヒットコンテンツの創出・拡大を図るとともに、有望アーティストの発掘・育成に努めておりますが、アーティストの人気・契約の継続、新人アーティストの発掘・成長等については予測することが困難であり、これらの不確実性により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
5. 音楽CDパッケージ及び書籍出版物について
当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)に規定する著作物再販制度の適用対象であり、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が再販売価格(小売価格)を決定できる状態にあります。法令の改正等により、著作物再販制度が廃止され、小売業者が再販売価格(小売価格)の価格決定権を持つようになった場合、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物の売上が減少し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物については、小売事業者との取引条件において、一定の範囲で返品が可能になっており、小売事業者の販売状況によって、通常想定される返品枠を超える返品が生じた場合には、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
6. 小売事業者・配信事業者との関係
当社グループの扱う音楽ソフトを販売する小売事業者は、チェーン展開する比較的規模の大きな事業者が中心となります。市況等により、小売事業者の撤退もあり得ることから、今後、小売事業者が撤退した場合、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、配信事業においては、今後の成長が見込まれ、現在まで多くの新規参入の音楽配信プラットフォーム事業者が現れておりますが、デジタル化・ネットワーク化の進展を背景に、世界的規模でいくつかの事業者に発展的に集約される可能性があります。こうした規模を拡大した事業者の価格決定方針などにより、今後、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
7. 通信販売事業について
当社グループは、放送や音楽を始めとした様々なコンテンツビジネスと連動し、インターネット上でTシャツやオリジナル商品などの通信販売を行っております。このような通信販売を行う事業者は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)や「特定商取引に関する法律」(特商法)の規制を受け、虚偽や誇大な商品説明ができないのはもちろんのこと、所定の事業者の表示などが細かく規定されております。
当社では、通販事業に伴う商品管理及び物流運用を専門のノウハウを有した第三者に委託しておりますが、当社が法的リスクを負っており、通販事業を展開する上で何らかの瑕疵が生じ関係法令に違反した場合、当社の社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
8. 食品の安全性及び衛生管理について
当社グループは、コンセプトカフェの出店に際し、「食品衛生法」に準拠し、保健所の確認により営業許可を受ける必要がありますが、店舗の営業において食中毒の発生等、食品衛生法に違反した場合に、営業停止などの処分を受ける可能性があります。これに対し、当社グループは法定の食品衛生に加え、衛生管理指導専門スタッフによる定期チェックの実施、食品衛生責任者の設置、従業員の健康状態確認や手洗い励行等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底しております。
9. ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」)による情報拡散について
当社グループは、アーティストや番組の情報を、より多くの方々へ届けするためのツールとして、SNSを活用しております。当社グループでは、当社の発信した情報を見た方々に、誤解を与えるような言動を慎むよう、社員及びアーティストへの教育の徹底、ならびにガイドラインの設定を実施しております。しかしながらSNS上においては、アーティスト情報や当社の情報等が真意に関わらずネガティブな情報として受け止められ、拡散する可能性があり、その場合当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
10. 個人情報の流出について
当社グループは、プレゼント応募等で寄せられる個人情報やファンクラブ会員の個人情報など、様々な形でお客様の個人情報を収集しております。これらの個人情報の管理につきましては、厳重なセキュリティ対策を講じ、当該情報は利用目的の範囲においてのみ利用し、その管理には細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等予期せぬ事態により、個人情報が流出した場合、顧客の信用や社会的信用低下を招き、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
また、2015年10月に施行された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)の下で、当社グループは仕入取引先を中心として、マイナンバー(個人番号)の取得を順次行っておりますが、マイナンバー(個人番号)を含む特定個人情報の取扱いにおきましては、一般の個人情報よりも厳格な安全管理措置が必要とされております。顧客情報等の紛失・漏洩・不正利用等が発生した場合、当社グループのレピュテーションリスクが大きく拡大する可能性があります。
11. 知的財産権の侵害
当社グループの事業活動において、第三者から意図せずに、著作権、著作隣接権、商標権等の知的財産権を侵害される可能性や第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。このような事態により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
12. 自然災害等の不可抗力
当社グループは、野外フェスイベントの主催、ライブハウスの運営、コンセプトカフェの運営などを行っておりますが、これらの事業活動は、地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症をはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、各種事前対策を策定し、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損失を補填できるという保証はありません。
13. 人材の確保
当社グループの事業展開において、アーティスト・クリエイターの価値を高め、広げることのできる優秀な人材を確保することの重要性を認識しております。しかしながら、当社の求める水準にある優秀な人材は限られているため、かかる人材の獲得に向けた競争は熾烈であり、当社グループが優秀な人材を確保できない可能性があります。
14. 減損損失について
当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。
15. アライアンス及び企業買収
当社グループは、既存の事業領域の発展拡張を目指すことに加え、今後成長が見込まれるアニメ、アイドル、ゲーム等のポップカルチャー領域における新規事業の展開に努めており、第三者との間で、アライアンスや企業買収を実施することがあります。当社グループでは、これらのアライアンスや企業買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な側面から検討しておりますが、経営戦略などについてアライアンスや企業買収にかかる関係先との不一致が生じた場合、または当該関係先において事業上の問題が生じた場合に、関係を維持できなくなる可能性があります。また、事業環境の急激な変化や、事業開始以前に予測不可能であった問題等により、当初の期待どおりの目的を達成できない可能性があります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)業績
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績や雇用環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外では米国の通商政策や欧州の政治情勢、中東などでの地政学的リスクの不安感から経済の先行きは不透明な状況が続いております。
こうした環境の下、当社グループでは、放送業界、音楽業界、エンタテインメント業界における市場環境や消費者ニーズの変化に対応するため、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの企画制作及び有料多チャンネル放送プラットフォームにおける音楽専門チャンネルの運営をベースとしつつ、ライブイベント、デジタルコンテンツ制作や各種デジタルサービス、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至るまで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、総合音楽エンタテインメント企業への転換を図ることを基本方針としてまいりました。また、映像制作プロダクションの㈱セップ、老舗インディーズレーベル運営の㈱Pヴァイン、ファンサイト事業を展開するコネクトプラス㈱及びコンセプトカフェ運営を行うインフィニア㈱等、連結子会社とともに新たな分野での成長施策の推進、事業領域の拡大に向けた企業グループ経営を推進しております。
当連結会計年度においては、2017年4月に当社所属の主力アーティスト「Suchmos(サチモス)」が㈱ソニー・ミュージックレーベルズとのパートナーシップ契約により、新レーベル『F.C.L.S.』を立ち上げ、新たなステージへ踏み出すなど、アーティストマネジメント関連全般に成果拡大が見られました。また、当社主催野外ライブイベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017」が過去最大となる7万人の動員を記録し成功を収めたことや、定額のサブスクリプション音楽配信サービスの拡大に伴い、配信売上が増加したこと、前連結会計年度にオープンしたライブハウス2号店「WWW X」が通年で業績に寄与したことなどにより、売上高、経常利益ともに前期比で増加いたしました。
新たなプロジェクトとしては、クラウドファンディングを活用したノベル出版&コンテンツ育成プロジェクト「スーパーノヴァブックス」や「音楽好きからはじめるフード&カルチャーイベント“GOOD VIBES NEIGHBORS”」、Billboard JAPANとの共同開催で、大手音楽配信サービス各社の協力により、サブスクリプション音楽配信サービスからヒットを生み出す本邦初のプロジェクト「NOW PLAYING JAPAN」などがスタートいたしました。
さらに、インターネット上の音素材マーケット「オーディオストック」を運営する㈱クレオフーガへ出資参画し、協業による新たな事業展開への取り組みの検討を開始いたしました。
引き続き、コンテンツ及びメディアの両面から今後に向けた新たな取り組みを推進してまいります。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は15,086,020千円と前期比286,452千円増(同1.9%増)、営業利益は589,923千円と前期比1,382千円増(同0.2%増)、経常利益は636,367千円と前期比9,723千円増(同1.6%増)となったものの、投資有価証券評価損を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は333,026千円と前期比16,577千円減(同4.7%減)となりました。
なお、前述の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて記載のとおり、経営の目標としております連結経常利益水準は安定的に推移しております。
当社グループの最近5連結会計年度に係る主な連結業績は以下のとおりであります。
|
回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
|
決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
売上高(千円) |
11,638,932 |
11,759,137 |
12,896,180 |
14,799,568 |
15,086,020 |
|
営業利益(千円) |
211,900 |
226,791 |
118,851 |
588,540 |
589,923 |
|
経常利益(千円) |
227,752 |
231,703 |
136,692 |
626,643 |
636,367 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (千円) |
86,200 |
113,269 |
57,412 |
349,603 |
333,026 |
|
売上高経常利益率(%) |
2.0 |
2.0 |
1.1 |
4.2 |
4.2 |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
A.メディア・コンテンツ セグメント
当セグメントにつきましては、音楽チャンネルの運営を中心に関連イベントやコンテンツプロデュースを展開するSPACE SHOWER TV事業、アーティストマネジメントからレーベル及びディストリビューションまでアーティストビジネスを360度展開するSPACE SHOWER MUSIC事業、音楽周辺のポップカルチャー領域を開拓するSPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業、及び「WWW」「WWW X」を運営するライブハウス事業の4つの事業ユニットを中心に、連結子会社㈱Pヴァインのレーベル事業、コネクトプラス㈱のファンクラブ事業、インフィニア㈱のコンセプトカフェ事業等を加えて、各事業分野の成長施策の推進にあたっております。
SPACE SHOWER TV事業においては、当社主催の野外ライブイベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017」が過去最大となる7万人の動員を記録し成功を収めたことや、有料放送におけるスカパー!サービスの加入世帯数が減少傾向にあるなかで、加入推進施策が奏功し、「スペースシャワーTV」への配分単価が前年同期比で上昇したことなどにより、売上高、経常利益ともに、前期を上回りました。
SPACE SHOWER MUSIC事業においては、定額のサブスクリプション音楽配信サービスの拡大に伴い、配信売上が増加したものの、前連結会計年度に大躍進した当社所属アーティスト関連売上の反動減もあり、売上高、経常利益ともに前期を下回りました。
SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業においては、インフィニア㈱の運営するコンセプトカフェ「@ほぉ~むカフェ」で、新店オープンなどの効果により来店客が増加し、売上高、経常利益ともに、前期を上回りました。
その他、ライブハウス事業においては、2号店「WWW X」が好調に推移し、1号店「WWW」との一体運営によるコストの効率化が実現し、売上高、経常利益ともに前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は13,345,900千円と前期比47,572千円減(同0.4%減)となり、経常利益(セグメント利益)は503,686千円と前期比54,630千円減(同9.8%減)となりました。
当セグメントの最近5連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。
|
(単位:千円) |
|
回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
|
決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
10,029,708 |
10,201,253 |
11,259,150 |
13,393,473 |
13,345,900 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
100 |
- |
130 |
420 |
- |
|
計 |
10,029,808 |
10,201,253 |
11,259,280 |
13,393,893 |
13,345,900 |
|
セグメント利益 |
145,618 |
155,898 |
73,443 |
558,317 |
503,686 |
B.映像制作 セグメント
当セグメントにつきましては、大型LIVE映像制作の受注が増加したことなどにより、売上高は1,740,119千円と前年同期比334,025千円増(同23.8%増)となり、経常利益(セグメント利益)は112,613千円と前年同期比39,644千円増(同54.3%増)となりました。
当セグメントの最近5連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。
|
(単位:千円) |
|
回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
|
決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
売上高 |
|
|
|
|
|
|
外部顧客への売上高 |
1,609,223 |
1,557,883 |
1,637,029 |
1,406,094 |
1,740,119 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
36,353 |
57,954 |
58,556 |
52,780 |
41,608 |
|
計 |
1,645,577 |
1,615,838 |
1,695,585 |
1,458,874 |
1,781,727 |
|
セグメント利益 |
90,182 |
90,604 |
93,414 |
72,968 |
112,613 |
②生産、受注及び販売の実績
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
(単位:千円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
映像制作 セグメント |
1,559,300 |
120.1 |
(注)1.金額は、制作原価で記載しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては受注に相当する事項がないため、受注状況に関する記載はしておりません。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
映像制作 セグメント |
1,661,764 |
102.4 |
108,409 |
50.8 |
(注)1.受注高については、売上金額で記載しております。また、受注残高については、金額が確定していないため、当連結会計年度末までに発生している制作原価で記載しております。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
販売実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す
る割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
スカパーJSAT㈱ |
1,673,345 |
11.3 |
1,683,479 |
11.2 |
(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、主に現金及び預金が180,036千円、受取手形及び売掛金が148,864千円、建物及び構築物が115,603千円、工具、器具及び備品が65,041千円、繰延税金資産 (固定資産) が64,400千円増加し、一方でリース資産が254,162千円、仕掛品が90,126千円、敷金及び保証金が86,407千円、のれんが50,359千円減少し、減価償却累計額及び減損損失累計額が56,256千円増加したことにより、前連結会計年度末に比べ132,709千円増加し、8,045,653千円となりました。
負債につきましては、主に退職給付に係る負債が52,028千円増加し、一方でリース債務 (固定負債) が96,063千円、未払法人税等が72,949千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ87,008千円減少し、3,647,235千円となりました。また、純資産は利益剰余金が前連結会計年度末に比べ219,718千円増加したことにより、4,398,417千円となりました。
当社グループの最近5連結会計年度に係る主な財政状態は以下のとおりであります。
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(単位:千円) |
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回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
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決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
総資産 |
6,448,460 |
6,670,297 |
7,015,244 |
7,912,944 |
8,045,653 |
|
負債 |
2,712,599 |
2,941,437 |
3,072,660 |
3,734,244 |
3,647,235 |
|
純資産 |
3,735,861 |
3,728,859 |
3,942,583 |
4,178,699 |
4,398,417 |
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、174,531千円の獲得となり、資金の期末残高は、2,848,500千円となりました。これは、営業活動により651,949千円獲得した一方で、投資活動により341,815千円、財務活動により135,599千円使用したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の獲得は、651,949千円(前連結会計年度は1,004,584千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益により507,051千円、減価償却費の計上により153,208千円、投資有価証券評価損の計上により100,210千円、無形固定資産償却費の計上により90,865千円、たな卸資産の減少により90,713千円、退職給付に係る負債の増加により52,028千円、のれん償却額の計上により50,359千円、賞与引当金の増加により33,061千円、有形固定資産除売却損の計上により25,150千円、役員退職慰労引当金の増加により23,770千円、役員賞与引当金の増加により17,429千円獲得した一方で、法人税等の支払により332,652千円、売上債権の増加により148,864千円、その他の流動負債の減少により31,528千円、持分法による投資利益の計上により25,894千円使用したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の使用は、341,815千円(前連結会計年度は533,088千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により185,679千円、投資有価証券の取得により80,060千円、無形固定資産の取得により52,046千円使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の使用は、135,599千円(前連結会計年度は139,099千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払により113,308千円使用したことによるものであります。
当社グループの最近5連結会計年度に係るキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:千円)
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回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
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決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
142,813 |
440,645 |
369,579 |
1,004,584 |
651,949 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△258,110 |
△168,793 |
△934,003 |
△533,088 |
△341,815 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△174,388 |
△162,584 |
14,909 |
△139,099 |
△135,599 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
2,782,324 |
2,891,086 |
2,341,573 |
2,673,968 |
2,848,500 |
キャッシュ・フロー関連指標の推移
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回次 |
第20期 |
第21期 |
第22期 |
第23期 |
第24期 |
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決算年月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
平成29年3月 |
平成30年3月 |
|
自己資本比率(%) |
57.9 |
55.9 |
56.2 |
52.8 |
54.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
63.2 |
66.2 |
66.1 |
97.8 |
118.7 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) |
1.3 |
0.3 |
0.3 |
0.2 |
0.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
27.8 |
149.1 |
233.1 |
620.9 |
583.3 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※ キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、経営計画に照らして、必要な資金(銀行借入)を調達するようにしております。なお、当連結会計年度末時点の借入金はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。