第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

(企業理念)

1.私たちは、音楽の魅力と感動をより多くの人々に届け、心豊かな文化の創造と発展に貢献します。

2.私たちは、アーティストやクリエイターへの敬意を忘れず、その価値を高め、魅力を伝える良きパートナーとなることを使命とします。

3.私たちは、感度の高い良質なコンテンツやサービスを提供し、常に個性的かつ進取的なライフスタイルの提案を行ってまいります。

 

当社グループは、この3つの理念に基づき、放送・通信、音楽、広告、エンタテインメントの各業界における、市場環境、消費者ニーズの急速な変容への対応を目指し、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、音楽エンタテインメント企業として転換を推進することを経営の基本方針としております。

この基本方針に基づき、当社における新規事業領域の成長を図るとともに、連結経常利益水準を安定させ、さらに向上させることを経営の目標としております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、グループ内機能の複合的な活用により、アーティストやクリエイターの才能・魅力を見出し、付加価値をつけ、多様なメディア機能を駆使してあらゆる場・形で展開して行くことで、その価値を最大化することを重点戦略としております

当社におきましては、昨今の事業環境変化に対応し、業務推進速度の向上を実現するため、2019年4月に、当社のメディア・コンテンツ セグメントにおけるビジネスユニットを、機能別・役割別フラット型組織へ再編するとともに、分散している機能の統合による効率化を目指し、2020年3月期中に、渋谷オフィスの東京本社への移転統合を計画しております。

 

上記の他、連結子会社につきましては、既存事業を堅持しながら、新たな事業展開を行ってまいります。

 

<映像制作セグメント 連結子会社>

㈱セップにおきましては、従来のミュージックビデオ制作やライブ映像制作に加え、一般企業クライアント向け映像制作の受注拡大を図りつつ、CGやVRなどの新たな分野にも領域を広げています。

 

<メディア・コンテンツセグメント 連結子会社>

㈱Pヴァインにおきましては、主力の洋楽ソフトに加え、邦楽ソフトのシェア向上にも努めてまいります。インフィニア㈱におきましては、コンセプトカフェ「@ほぉ~むカフェ」の運営のみならず、所属メイドからアイドルやモデルなどのタレントを発掘、育成する、新たな事業展開を進めてまいります。さらに、コネクトプラス㈱におきましては、当社グループの各種機能と連携しながら、ファンクラブ会費ビジネスに限定されない、グッズ・チケット販売等様々な展開を行ってまいります。また、新たに連結子会社となったGROVE㈱におきましては、インフルエンサーを活用したメディアプロモーションの領域を、海外に拡げるべく努めてまいります。

 

これらの事業において、当社グループ独自の強みを活かし、従来の放送ビジネスや音楽ビジネスといった枠組みを超えた、存在感のある音楽エンタテインメント企業を目指すことにより、中長期的な企業価値の最大化を図ってまいります。

(3)会社の対処すべき課題

当社グループは、当社既存事業である音楽CD/DVD販売や、有料放送市場の縮小に対応を行いつつ、今後の安定的な収益獲得、持続的な企業価値向上の実現に向けて、主に以下の課題があることを認識しております。

 

① ヒット作品創出に向けた取り組み

 

当社グループの音楽ソフト関連事業「SPACE SHOWER MUSIC」は、アーティストマネジメント、原盤制作、プロモーション、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信を一気通貫で提供する機能を有しております。当社グループの経営方針である、「アーティスト・作品の魅力の最大化」に向け、有望アーティストの発掘・育成を継続的に進めるとともに、「SPACE SHOWER MUSIC」のみにとどまらない当社グループの諸機能を駆使した価値の向上、魅力の拡散を目指すことが、重要課題であると認識しております。

 

② 市場環境激変への対応

 

スマートフォンやタブレットを始めとする受信端末の多様化により、消費者が音楽や映像を楽しむスタイルの変化が急速に進行しております。また、近年のソーシャルメディア利用の普及により、マーケティング戦略の複雑さが増しております。

また、インターネット環境の発展に伴うボーダレス化により、音楽や映像コンテンツは容易に国境を越えることができるようになりました。国内の音楽市場が低迷し、人口減少の懸念が拡大する一方で、アジアを中心とするグローバル市場でのニーズの高まりもあり、日本ではまだ無名のアーティストが海外で人気を博すケースも稀ではなくなっております。

これらの変化へ対応するため、音楽ファンにとって魅力のあるアーティストの発掘、楽曲・映像コンテンツ制作力の強化、デジタルマーケティング機能のさらなる強化、音楽×テクノロジーを切り口としたM&Aや、他社とのアライアンス展開により、新たなメディアを活かした収益獲得基盤の構築を目指すことが大きな課題と認識しております。

 

③ 新規事業領域への展開拡大

 

当社グループはさらなる成長を目指すべく、音楽エンタテインメント企業としての当社独自の強みやポジションを活かし、今後も成長が見込まれるアニメ、アイドル、キャラクター、ファッション、ゲーム市場等、ポップカルチャー領域に対しても、引き続き事業展開を進めてまいります。

これらの事業領域において、積極的にM&Aや他社とのアライアンスを検討し、当社の独自性や機能と他社ノウハウの融合による、新たな事業を展開し、事業規模の拡大を目指してまいります。

 

④ 人材育成の強化

以上のような様々な課題に対応し、今後一層の事業拡大を目指すにおいて、当社グループの人材の強化が必須です。当社グループの所属する音楽エンタテインメント業界のみならず、激変する市場環境へも適応でき、今後の企業価値向上に必要な人材の確保を行うとともに、優秀な人材を育成していくことが継続的な課題であります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業展開において、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下のとおりであります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではなく、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

1. 衛星デジタル多チャンネル放送事業について

衛星デジタル多チャンネル放送事業は、放送番組を制作・編成する「放送事業者」、チャンネル全体を放送事業者へ供給する「番組供給事業者」、通信衛星等から個人受信者に配信する「電気通信事業者」に加えて、個人受信者からの料金徴収を代行し、その他放送データのアップリンクや多チャンネル放送全体の宣伝などを行うプラットフォーム会社と呼ばれる「顧客管理代行会社」の4者の密接な相互依存関係で成立しております。

当社は、「番組供給事業者」として、「放送事業者」に番組を供給しております。この場合、供給先の放送事業者が放送法上のチャンネル全体の編集権や価格決定などの権利及び義務を保有しており、放送事業者の方針が当社にとって不利益な方向に変更されることや、放送関連の法令改正や新たな法規制が制定されることなどにより、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、「電気通信事業者」であるスカパーJSAT㈱が所有する衛星に隕石が衝突する等の不可避の事故や人為的なミスによる故障が生じた場合、新たな衛星が計画どおりに調達されなかった場合や何らかの理由により同社が人工衛星局として総務省から与えられている免許が更新されなかった場合など、当社の番組が個人受信者及びケーブルテレビ局に配信できなくなることで、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

2. スカパーJSAT㈱の加入動向について

当社は、衛星デジタル多チャンネルサービス「スカパー」の加入者のうち、当社と視聴者契約を締結する個人受信者より番組視聴料を収受しております。したがって、「スカパー」への加入動向によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、番組視聴料は、複数チャンネルをまとめたパック販売が主流であり、こうした収入は他の放送事業者との間で人気度合いに応じた配分を行っておりますが、視聴者からの支持が得られない、または、その基準が見直されることやパックの再編により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

3. ケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との関係

当社は、全国のケーブルテレビ局及びブロードバンド系多チャンネル事業者との間で番組販売契約を締結しており、多くの事業者とは毎年契約更新を行っております。今後、こうした事業者の経営判断などにより、多チャンネルベーシックパックの販売形態が変更された場合、当社の放送事業関連収入に重要な影響を与え、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。さらに、ケーブルテレビ局においては昨今、局の合併による大手MSO(ケーブルテレビの統括運営会社)の規模拡大が進み、こうしたケーブルテレビ局は視聴者数も相対的に多いことから、経営に与える影響度合いがさらに強まる可能性があります。

 

4. アーティストや楽曲のヒット動向について

当社グループは、音楽ソフトに関連する事業として、アーティストマネジメントを中核に据え、レーベル、音楽出版、CD/DVDなどの音楽ソフトパッケージ流通、デジタル音楽配信などアーティストの総合支援やプロデュース事業を推進しております。これらの事業において、マネジメントアーティストや音楽作品がヒットするか否かは、消費者の趣味、嗜好、流行の変化に大きく影響を受けます。当社グループは、コンテンツホルダーとして、ヒットアーティストやヒットコンテンツの創出・拡大を図るとともに、有望アーティストの発掘・育成に努めておりますが、アーティストの人気・契約の継続、新人アーティストの発掘・成長等については予測することが困難であり、これらの不確実性により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

5. 音楽CDパッケージ及び書籍出版物について

当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)に規定する著作物再販制度の適用対象であり、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物を発行する事業者又はその発行する物を販売する事業者が再販売価格(小売価格)を決定できる状態にあります。法令の改正等により、著作物再販制度が廃止され、小売業者が再販売価格(小売価格)の価格決定権を持つようになった場合、音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物の売上が減少し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、当社グループが扱う音楽CD/DVDパッケージ及び書籍出版物については、小売事業者との取引条件において、一定の範囲で返品が可能になっており、小売事業者の販売状況によって、通常想定される返品枠を超える返品が生じた場合には、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

6. 小売事業者・配信事業者との関係

当社グループの扱う音楽ソフトを販売する小売事業者は、チェーン展開する比較的規模の大きな事業者が中心となります。市況等により、小売事業者の撤退もあり得ることから、今後、小売事業者が撤退した場合、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、配信事業においては、今後の成長が見込まれ、現在まで多くの新規参入の音楽配信プラットフォーム事業者が現れておりますが、デジタル化・ネットワーク化の進展を背景に、世界的規模でいくつかの事業者に発展的に集約される可能性があります。こうした規模を拡大した事業者の価格決定方針などにより、今後、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

7. 通信販売事業について

当社グループは、放送や音楽を始めとした様々なコンテンツビジネスと連動し、インターネット上でTシャツやオリジナル商品などの通信販売を行っております。このような通信販売を行う事業者は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)や「特定商取引に関する法律」(特商法)の規制を受け、虚偽や誇大な商品説明ができないのはもちろんのこと、所定の事業者の表示などが細かく規定されております。

当社では、通販事業に伴う商品管理及び物流運用を専門のノウハウを有した第三者に委託しておりますが、当社が法的リスクを負っており、通販事業を展開する上で何らかの瑕疵が生じ関係法令に違反した場合、当社の社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

8. 食品の安全性及び衛生管理について

当社グループは、コンセプトカフェやライブハウスの出店に際し、「食品衛生法」に準拠し、保健所の確認により営業許可を受ける必要がありますが、店舗の営業において食中毒の発生等、食品衛生法に違反した場合に、営業停止などの処分を受ける可能性があります。これに対し、当社グループは法定の食品衛生に加え、衛生管理指導専門スタッフによる定期チェックの実施、食品衛生責任者の設置、従業員の健康状態確認や手洗い励行等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底しております。

 

9. ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」)による情報拡散について

当社グループは、アーティストや番組の情報を、より多くの方々へ届けするためのツールとして、SNSを活用しております。また、SNSマーケティング事業を行う連結子会社においては、多数のクリエイターが、日々情報発信を行っております。当社グループでは、当社の発信した情報を見た方々に、誤解を与えるような言動を慎むよう、社員及びアーティスト・クリエイターへの教育の徹底、ならびにガイドラインの設定を実施しております。しかしながらSNS上においては、アーティスト・クリエイターや当社の情報等が真意に関わらずネガティブな情報として受け止められ、拡散する可能性があり、その場合当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

10. 個人情報の流出について

当社グループは、プレゼント応募等で寄せられる個人情報やファンクラブ会員の個人情報など、様々な形でお客様の個人情報を収集しております。これらの個人情報の管理につきましては、厳重なセキュリティ対策を講じ、当該情報は利用目的の範囲においてのみ利用し、その管理には細心の注意を払っております。しかしながら、第三者による不正アクセス等予期せぬ事態により、個人情報が流出した場合、顧客の信用や社会的信用低下を招き、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

また、2015年10月に施行された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)の下で、当社グループは仕入取引先を中心として、マイナンバー(個人番号)の取得を順次行っておりますが、マイナンバー(個人番号)を含む特定個人情報の取扱いにおきましては、一般の個人情報よりも厳格な安全管理措置が必要とされております。顧客情報等の紛失・漏洩・不正利用等が発生した場合、当社グループのレピュテーションリスクが大きく拡大する可能性があります。

 

11. 知的財産権の侵害

当社グループの事業活動において、第三者から意図せずに、著作権、著作隣接権、商標権等の知的財産権を侵害される可能性や第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。このような事態により、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

12. 自然災害等の不可抗力

当社グループは、野外フェスイベントの主催、ライブハウスの運営、コンセプトカフェの運営などを行っておりますが、これらの事業活動は、地震、台風、洪水などの自然災害、事故、テロ、感染症をはじめとした当社グループがコントロールできない事由によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。当社グループでは、こうしたリスクに備えて、BCP(事業継続計画)を策定し、各種保険に加入しておりますが、それにより全ての損失を補填できるという保証はありません。

 

13. 人材の確保

当社グループの事業展開において、アーティスト・クリエイターの価値を高め、広げることのできる優秀な人材を確保することの重要性を認識しております。しかしながら、当社の求める水準にある優秀な人材は限られているため、かかる人材の獲得に向けた競争は熾烈であり、当社グループが優秀な人材を確保できない可能性があります。

 

14. 減損損失について

当社グループが保有している資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

15. アライアンス及び企業買収

当社グループは、既存の事業領域の発展拡張を目指すことに加え、今後成長が見込まれるアニメ、アイドル、ゲーム等のポップカルチャー領域における新規事業の展開に努めており、第三者との間で、アライアンスや企業買収を実施することがあります。当社グループでは、これらのアライアンスや企業買収にあたって、投資回収や収益性などの可能性について様々な側面から検討しておりますが、経営戦略などについてアライアンスや企業買収にかかる関係先との不一致が生じた場合、または当該関係先において事業上の問題が生じた場合に、関係を維持できなくなる可能性があります。また、事業環境の急激な変化や、事業開始以前に予測不可能であった問題等により、当初の期待どおりの目的を達成できない可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益や、雇用環境改善の維持などを背景として、引き続き緩やかな回復基調で推移いたしましたが、個人消費には力強さが見られず、世界経済においても、米国の通商政策に端を発する米中貿易摩擦問題への懸念や、海外の政治情勢不安が強まりを見せており、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

また、当社グループの事業に関連する、放送、音楽、エンタテインメントの各業界においては、市場環境や消費者ニーズが急速に変容を遂げております。とりわけ、デジタル化やグローバル化の進展に伴う事業環境の激変は、当社の既存ビジネスである有料放送事業や音楽CD/DVD販売事業においても大きな影響を及ぼしつつあります。

 

こうした環境の下、当社グループでは、創業以来行ってきた音楽映像コンテンツの企画制作及び有料多チャンネル放送プラットフォームにおける音楽専門チャンネルの運営をベースとしつつ、ライブイベント展開、デジタルコンテンツ制作や各種デジタルサービス展開、音楽レーベルからアーティストマネジメントに至る展開まで、当社グループが有するあらゆる機能を複合的に活用しながら、多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、音楽エンタテインメント企業へと事業転換を図ってまいりました。また、ファンクラブ事業を展開するコネクトプラス㈱、コンセプトカフェ運営を行うインフィニア㈱、映像制作プロダクションの㈱セップ、老舗インディーレーベル運営の㈱Pヴァイン、2019年3月に新たに当社グループに加わったインフルエンサーマーケティング事業を行うGROVE㈱といった連結子会社とともに、新たな分野での成長施策の推進、事業領域の拡大に向けた企業グループ経営を推進しております。

 

当連結会計年度においては、当社主催野外ライブイベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2018」が過去最大となる7万5千人の動員を記録し成功を収めたことや、当社所属アーティストがアジア地域で開催されるライブイベントに招聘されるなど、主にライブビジネスの領域において、大きな成果を得るとともに、今後の事業拡大への布石を打つことができました。

また、2018年7月に当社の関連会社となった、インフルエンサーを利用したメディアプロモーションを主業とするGROVE㈱につき、さらなる事業シナジー形成を目指して同社の株式を追加取得し、2019年3月に同社を連結子会社化いたしました。

一方で、音楽ソフト関連においては、CD/DVDパッケージ商品販売市場の縮小や、デジタル音楽配信市場における、定額聞き放題のサブスクリプションサービスの拡大に伴う、アラカルトダウンロード販売の急速な減少といった市場環境の変化に加え、対前期比でヒットタイトル数が減少したことなどにより、低調な推移となりました。引き続き、サブスクリプションサービスを始めとする成長市場でのポジショニング確立に向けた取り組みや、ヒットの創出に向けた取り組みを推進してまいります。

 

これらの取り組みの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高は14,930,347千円と前期比155,672千円減(同1.0%減)、営業利益は258,824千円と前期比331,098千円減(同56.1%減)、経常利益は288,979千円と前期比347,387千円減(同54.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は147,041千円と前期比185,984千円減(同55.8%減)と、減収減益となりました。

なお、前述の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にて記載のとおり、経営の目標としております連結経常利益水準は安定的に推移しております。

 

当社グループの最近5連結会計年度に係る主な連結業績は以下のとおりであります。

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

売上高(千円)

11,759,137

12,896,180

14,799,568

15,086,020

14,930,347

営業利益(千円)

226,791

118,851

588,540

589,923

258,824

経常利益(千円)

231,703

136,692

626,643

636,367

288,979

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

113,269

57,412

349,603

333,026

147,041

売上高経常利益率(%)

2.0

1.1

4.2

4.2

1.9

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

A.メディア・コンテンツ セグメント

当セグメントにつきましては、音楽チャンネルの運営を中心に関連イベントやコンテンツプロデュースを展開する「SPACE SHOWER TV事業」、アーティストマネジメントからレーベル及びディストリビューションまでアーティストビジネスを360度展開する「SPACE SHOWER MUSIC事業」、音楽周辺のポップカルチャー領域を開拓する「SPACE SHOWER ENTERTAINMENT事業」及び「WWW」「WWW X」を運営する「ライブハウス事業」の4つの事業ユニットを中心に、連結子会社である㈱Pヴァインのレーベル事業、コネクトプラス㈱のファンクラブ事業、インフィニア㈱のコンセプトカフェ事業等を加えて、各事業分野の成長施策の推進にあたっております。

SPACE SHOWER TV事業においては、当社主催イベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2018」が、前年に引き続き過去最大の動員を達成したことなどにより売上高は増加しましたが、有料放送収入におけるスカパー!サービスの「スペースシャワーTV」チャンネルのHD(高精細度)化に伴う衛星回線費用の増加、デジタル動画配信サービスや新規事業への先行投資コストが増加したことにより前期比で減益となりました。

SPACE SHOWER MUSIC事業においては、定額制音楽配信サービスの普及に伴いデジタル配信収入が増加したものの、楽曲のヒットタイトル数が減少したことにより、パッケージ販売収入が減少し、前期比で減収減益となりました。

その他、ライブハウス事業、インフィニア㈱が運営する「@ほぉ~むカフェ」につきましては、引き続き好調に推移いたしました。

この結果、当セグメントの売上高は13,319,646千円と前期比26,253千円減(同0.2%減)となり、経常利益(セグメント利益)は190,575千円と前期比313,111千円減(同62.2%減)となりました。

 

当セグメントの最近5連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

10,201,253

11,259,150

13,393,473

13,345,900

13,319,646

セグメント間の内部売上高又は振替高

130

420

120

10,201,253

11,259,280

13,393,893

13,345,900

13,319,766

セグメント利益

155,898

73,443

558,317

503,686

190,575

 

B.映像制作 セグメント

当セグメントにつきましては、大型LIVE映像制作受注や、企業案件の映像制作受注が、回復傾向にあるものの、前期比で減少したことなどにより、売上高は1,610,700千円と前期比129,418千円減(同7.4%減)となりましたが、利益率が向上したことにより、経常利益(セグメント利益)は124,282千円と前期比11,668千円増(同10.4%増)となりました。

当セグメントの最近5連結会計年度に係る主な業績は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

1,557,883

1,637,029

1,406,094

1,740,119

1,610,700

セグメント間の内部売上高又は振替高

57,954

58,556

52,780

41,608

66,405

1,615,838

1,695,585

1,458,874

1,781,727

1,677,106

セグメント利益

90,604

93,414

72,968

112,613

124,282

 

②生産、受注及び販売の実績

生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては生産に相当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

映像制作 セグメント

1,459,728

93.6

(注)1.金額は、制作原価で記載しております。

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。なお、他のセグメントについては受注に相当する事項がないため、受注状況に関する記載はしておりません。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

映像制作 セグメント

1,632,120

98.2

69,253

63.9

(注)1.受注高については、売上金額で記載しております。また、受注残高については、金額が確定していないため、当連結会計年度末までに発生している制作原価で記載しております。

2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

販売実績

前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す
る割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

スカパーJSAT㈱

1,683,479

11.2

1,645,016

11.0

(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における総資産は、主に工具、器具及び備品が117,612千円、その他 (流動資産) が91,756千円、のれんが80,931千円、敷金及び保証金が56,226千円、その他 (投資その他の資産) が32,727千円増加し、一方で現金及び預金が226,834千円、リース資産が126,213千円、仕掛品が41,816千円、受取手形及び売掛金が34,282千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ16,495千円減少し、8,029,158千円となりました。

負債につきましては、主に未払金が63,886千円、その他 (流動負債) が46,501千円、退職給付に係る負債が45,691千円、役員退職慰労引当金が32,083千円増加し、一方で未払法人税等が104,486千円、賞与引当金が79,765千円、預り金が49,044千円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ60,599千円減少し、3,586,636千円となりました。また、純資産は利益剰余金が前連結会計年度末に比べ33,733千円増加したことなどにより、4,442,522千円となりました。

 

当社グループの最近5連結会計年度に係る主な財政状態は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

総資産

6,670,297

7,015,244

7,912,944

8,045,653

8,029,158

負債

2,941,437

3,072,660

3,734,244

3,647,235

3,586,636

純資産

3,728,859

3,942,583

4,178,699

4,398,417

4,442,522

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、233,340千円の使用となり、資金の期末残高は、2,615,159千円となりました。これは、営業活動により404,536千円獲得した一方で、投資活動により512,890千円、財務活動により124,988千円使用したことによるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の獲得は、404,536千円(前連結会計年度は651,949千円の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払により291,170千円、賞与引当金の減少により79,765千円、仕入債務の減少により75,244千円使用した一方で、税金等調整前当期純利益により245,830千円、減価償却費の計上により168,540千円、売上債権の減少により153,117千円、無形固定資産償却費の計上により70,102千円、のれん償却額の計上により50,189千円、退職給付に係る負債の増加により45,691千円獲得したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の使用は、512,890千円(前連結会計年度は341,815千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により163,393千円、貸付による支出により105,000千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得により77,632千円、無形固定資産の取得により58,074千円使用したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の使用は、124,988千円(前連結会計年度は135,599千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払により113,308千円使用したことによるものであります。

 

当社グループの最近5連結会計年度に係るキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(単位:千円)

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

営業活動によるキャッシュ・フロー

440,645

369,579

1,004,584

651,949

404,536

投資活動によるキャッシュ・フロー

△168,793

△934,003

△533,088

△341,815

△512,890

財務活動によるキャッシュ・フロー

△162,584

14,909

△139,099

△135,599

△124,988

現金及び現金同等物の期末残高

2,891,086

2,341,573

2,673,968

2,848,500

2,615,159

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

決算年月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

自己資本比率(%)

55.9

56.2

52.8

54.7

55.2

時価ベースの自己資本比率(%)

66.2

66.1

97.8

118.7

87.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

0.3

0.3

0.2

0.1

0.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

149.1

233.1

620.9

583.3

474.5

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※ キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、経営計画に照らして、必要な資金(銀行借入)を調達するようにしております。なお、当連結会計年度末時点の借入金はありません。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

該当事項はありません。