第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、本文中の記載金額は、億円単位の表示は億円未満四捨五入とし、百万円単位の表示は百万円未満切捨てとし
ております。

 

(1) 経営成績

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しの動きや、雇用環境の改善を背景として、緩やかな回復基調が続いております。

当社グループを取り巻く環境としては、メディア事業の分野では既存の有料放送市場が成熟している一方で、定額制または無料のインターネット動画配信サービスが台頭しており、コンテンツ獲得及び顧客獲得の両面で国内外の事業者との競争が激化しております。宇宙事業の分野では船舶・航空機向けの移動体衛星通信や携帯電話基地局向けバックホール回線の需要が拡大する一方で、グローバルマーケットにおいて海外衛星オペレーターとの厳しい価格競争に直面しております。また、ベンチャー投資の増加に伴い、世界レベルで新たな事業者が宇宙ビジネスに参入し、安価なロケットの開発や大規模な低軌道衛星通信システムプロジェクトを推進するなど、ビジネスの環境が大きく変化しております。

このような経済状況の下、当第3四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。

 

区分

前第3四半期
連結累計期間
(百万円)

当第3四半期
連結累計期間
(百万円)

前年同四半期比
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

128,555

103,823

△24,731

△19.2

営業利益

12,648

12,302

△346

△2.7

経常利益

13,659

13,041

△617

△4.5

税金等調整前四半期純利益

13,743

13,041

△702

△5.1

親会社株主に帰属する四半期純利益

8,900

8,526

△374

△4.2

 

なお、EBITDAは前年同四半期比4億円増加し、326億円となっております。

(注)EBITDAは、親会社株主に帰属する四半期純利益、法人税等合計、支払利息、減価償却費、のれん償却額の合計として算定しております。

 

当社グループのセグメント別の概況は次のとおりです。(業績については、セグメント間の内部営業収益等を含めて記載しております。)

なお、第2四半期連結会計期間より、セグメント利益を「営業利益」から「親会社株主に帰属する四半期純利益」に変更しております。

 

<メディア事業>

・サービスの拡充及び差別化

(サービスの拡充)

テレビ1台分の料金で3台まで追加料金なしで50チャンネルが見放題となる「スカパー 基本プラン」の契約件数は、2019年12月末では479千件(前期末比177千件増加)となりました。引き続き視聴環境を整備することにより、接触人数・接触時間の増加及び満足度の向上を図り、解約抑止と加入者数の増加を目指してまいります。

「スカパー4K」では、2019年9月から11月にわたり開催された「ラグビーワールドカップ2019」全48試合4K生中継などのコンテンツを提供いたしました。また、テレビ視聴サービス(光ファイバーによる地上デジタル・BSデジタル等の再送信サービス)では、2019年9月よりBS/110度CS左旋4K8K放送の提供を開始し、現在放送されている新4K8K衛星放送全チャンネルを視聴することが可能となりました。

お客様のさらなる利便性拡大に向けた取り組みとして、従来のスカパープレミアムサービスに加え、スカパーサービスでも2019年10月よりWOWOWの放送を開始いたしました。今後、スカパーの豊富なチャンネルとWOWOWのコンテンツを連動させ視聴料の拡大を図ってまいります。

(コンテンツの差別化)

プロ野球ではセ・パ12球団の公式戦全試合のテレビの生中継に加え、2019年シーズンから「スカパー オンデマンド」でも同時ライブ配信いたしました。またサッカーでも、2019年8月より新シーズンが開幕した「ドイツ ブンデスリーガ」の全試合を放送するほか、初のオンデマンド専用商品である「ブンデス・ポルトガルLIVE」を配信しております。

・新たな収益の獲得及び事業領域の拡大

新たな顧客体験を提供する“次世代型テレビ”の商用化を目標として、2019年6月にLINE㈱(以下「LINE社」)及び伊藤忠商事㈱(以下「伊藤忠商事」)との間で協業基本合意書を締結いたしました。今後当社グループが提供する映像サービスと、LINE社のAIアシスタント「Clova」及び「LINE BRAIN」(「Clova」や「LINE」などの各サービスにおいて、これまでLINE社が培ってきたAI技術を外部企業等に向けて提供していく新規事業)の技術を活用し、伊藤忠商事や様々な事業者との連携を通じて、あらゆる生活情報サービスを融合した新たな顧客体験を提供していく予定です。

また、スカパー契約者のパーソナルデータ流通・活用による情報銀行プラットフォーム『スカパー!情報銀行』の実現を目指し、㈱DataSign、㈱サイバー・コミュニケーションズ及び㈱インテージとの共同研究・実証実験を2019年7月より開始いたしました

 

当第3四半期連結累計期間における加入件数は次のとおりとなりました。

 

新規(注)

解約

純増減

累計

当期

434千件

510千件

△76千件

3,172千件

前年同四半期比

△9千件

7千件

△16千件

△30千件

 

(注)従来の「新規加入件数」及び「再加入件数」を合算して表示しております。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間のメディア事業の業績は次のとおりとなりました。


 

前第3四半期
連結累計期間
(百万円)

当第3四半期
連結累計期間
(百万円)

前年同四半期比
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

74,037

71,547

△2,490

△3.4

セグメント間の内部営業収益等

2,348

2,475

126

5.4

76,386

74,022

△2,364

△3.1

営業利益

2,872

3,871

999

34.8

セグメント利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)

2,159

2,800

641

29.7

 

テレビ視聴サービス(光ファイバーによる地上デジタル・BSデジタル等の再送信サービス)の収入が14億円増加いたしましたが、視聴料収入が30億円減少いたしました。

また、スカパー東京メディアセンターの放送設備の拡充等により減価償却費が10億円増加しましたが、視聴料収入の減少に伴う番組供給料の減少14億円や、コンテンツ費の減少10億円等により営業費用が減少いたしました。

 

 

<宇宙事業>

・既存事業の強化

航空機向けインターネット接続サービス事業者への衛星回線の提供は、導入機数の増加や機内利用の拡大により、引き続き堅調に推移しております。

グローバル・モバイルビジネスの拡大及び競争力の強化のため、2019年12月にハイスループット衛星(従来よりも伝送容量を大幅に拡張した衛星。以下「HTS衛星」)であるJCSAT-18(軌道位置:東経150度、軌道上名称:JCSAT-1C)の打ち上げを実施いたしました。今後、静止軌道上での性能確認試験を経て運用を開始する予定です。また、前期に打ち上げたHTS衛星Horizons 3eは、順調に収益を拡大しております。

・新たな技術の活用や事業領域拡大への取り組み

Planet Labs Inc.の保有する多数の超小型地球観測衛星群により高頻度で撮影された衛星画像販売サービスに関しては、政府系機関や民間の農業・災害対策・遠隔監視等の分野で順調に契約を獲得しております。さらに2019年11月より、高頻度に船舶動静把握ができる「高頻度船舶検出サービス」の提供を開始いたしました。

宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」)が公示した「技術試験衛星9号機(ETS-9)バスの定常運用及び相乗りペイロードの追加搭載等」について、2019年7月に当社グループが契約先として選定されました。今後は当該衛星の運用を請け負うとともに、当社グループの静止軌道光学モニタを同衛星に相乗りさせ、新たなサービスの検討などに活用いたします。また、JAXAより小型実証衛星4型を2019年12月に譲り受けました。これにより当社グループは低軌道衛星を初めて自ら保有・運用することとなりました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の宇宙事業の業績は次のとおりとなりました。


 

前第3四半期
連結累計期間
(百万円)

当第3四半期
連結累計期間
(百万円)

前年同四半期比
(百万円)

増減率
(%)

営業収益

 

 

 

 

 

外部顧客への営業収益

54,517

32,276

△22,240

△40.8

セグメント間の内部営業収益等

5,512

6,367

855

15.5

60,030

38,644

△21,385

△35.6

営業利益

10,287

8,956

△1,330

△12.9

セグメント利益(親会社株主に帰属する四半期純利益)

7,092

6,144

△948

△13.4

 

Xバンド事業衛星1号機引渡の売上230億円の剥落等により、営業収益が減少いたしました。また、Horizons 3eの収益は順調に拡大しておりますが、同衛星にかかる固定費の発生等により、連結子会社であるJSAT International Inc.の利益は減少しております。

  

(2) 財政状態

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は3,714億円となり、前連結会計年度末比(以下「前期比」)47億円減少いたしました
(流動資産)

現金及び現金同等物の減少38億円に加え、Xバンド事業に関する債権回収等により売掛金が56億円減少いたしましたが、JCSAT-17の調達等により仕掛品が101億円増加いたしました。

(有形固定資産及び無形固定資産)

設備投資により137億円増加いたしましたが、減価償却費及びのれん償却額により181億円減少いたしました。

(投資その他の資産)

投資有価証券が4億円、長期貸付金が7億円減少いたしました。 

 

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は1,464億円となり、前期比57億円減少いたしました
 主な要因はXバンド事業に関する借入金の返済等による有利子負債の減少55億円であります。

 

 

当第3四半期連結会計期間末における非支配株主持分を含めた純資産は2,250億円となり、前期比10億円増加いたしました

主な増加は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等による利益剰余金の増加32億円であり、主な減少は子会社であるWAKUWAKU JAPAN㈱の株式を追加取得したこと等による非支配株主持分の減少17億円であります。なお、2019年5月8日開催の取締役会決議に基づき、2019年5月20日付で、自己株式47,595,852株の消却を実施いたしました。これにより、資本剰余金及び自己株式がそれぞれ262億円減少しております。また、自己資本比率は60.3%となり、前期比1.4ポイント増加いたしました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、のれん償却額の合計312億円に加え、売上債権の減少56億円がありましたが、たな卸資産の増加102億円及び法人税等の支払42億円等により、238億円の収入(前年同四半期は221億円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出144億円等により151億円の支出(前年同四半期は248億円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出51億円、配当金支払による支出53億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出19億円等により124億円の支出(前年同四半期は91億円の収入)となりました。 

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前期比38億円減少し、443億円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
 
 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
 なお、前連結会計年度に掲げた課題のうち、「<宇宙事業>(5) 既存事業の強化 ⅲ)グローバル・モバイルビジネス」については、当第3四半期連結累計期間において、次のとおり対応しております。
 グローバル・モバイルビジネスの拡大及び競争力の強化のため、2019年12月にJCSAT-18の打ち上げを実施いたしました。本衛星は当社グループにおける2機目のHTS衛星であり、アジア太平洋からロシアまでをカバーし、拡大するブロードバンド需要に対応してまいります。

 

(6) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、145百万円であります。

 

(7) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間における宇宙事業の販売実績は32,276百万円であり、対前年同四半期比22,240百万円40.8%)減と著しく変動いたしました。内容については「(1)経営成績」に記載のとおりであります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。