「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。
(1)業績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比10.8%減の6兆699億円、経常利益は同56.7%増の3,259億円となった。
販売電力量は、特定規模需要の減少に加え、冬期の気温が高めに推移し、暖房需要が減少したことから、前連結会計年度比3.9%減の2,471億kWhとなった。
内訳としては、電灯は前連結会計年度比1.4%減の894億kWh、電力は同2.7%減の96億kWh、特定規模需要は同5.4%減の1,481億kWhとなった。
収入面では、燃料費調整制度の影響などにより電気料収入単価が低下したことなどから、電気料収入は前連結会計年度比12.8%減の5兆2,370億円となった。
これに地帯間販売電力料や他社販売電力料などを加えた売上高は、前連結会計年度比10.8%減の6兆699億円、経常収益は同10.4%減の6兆1,410億円となった。
一方、支出面では、原子力発電の全機停止や為替レートの円安化といった増加要因に対し、原油安等の影響で燃料費が大幅に減少したことに加え、引き続き全社を挙げてコスト削減に努めたことなどから、経常費用は前連結会計年度比12.5%減の5兆8,151億円となった。
特別利益は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金6,997億円や退職給付制度改定益610億円など7,730億円を計上した。
一方、特別損失は、原子力損害賠償費6,786億円のほか、全面自由化及びホールディングカンパニー制移行を踏まえた競争基盤構築に伴う減損損失2,333億円を加えた9,119億円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比68.8%減の1,407億円となった。
また、当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較している。
[フュエル&パワー]
売上高は、前連結会計年度比29.1%減の2兆4,521億円となり、営業利益は前連結会計年度比10.7%減の3,339億円となった。
[パワーグリッド]
売上高は、前連結会計年度比11.7%増の1兆6,854億円となり、営業利益は前連結会計年度比52.8%増の1,461億円となった。
[カスタマーサービス]
売上高は、前連結会計年度比11.6%減の5兆9,501億円となり、営業利益は前連結会計年度比69.7%減の1,064億円となった。
[コーポレート]
売上高は、前連結会計年度比70.3%増の7,453億円となり、営業損失は2,147億円(前連結会計年度は5,045億円の営業損失)となった。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ474億円(3.7%)増加し、1兆3,399億円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比23.4%増の1兆775億円となった。これは、火力燃料購入に関する支出が減少したことなどによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比18.5%増の6,209億円となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の支出は、前連結会計年度比37.0%減の3,943億円となった。これは、短期借入れによる収入が増加したことなどによるものである。
当社グループは、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「カスタマーサービス」及び水力・原子力発電等を行う「コーポレート」の4つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の状況については、電気事業のみを記載している。
(1)需給実績
|
種別 |
平成27年度 |
前年同期比(%) |
||
|
発 受 電 電 力 量 |
連 結 会 社 |
水力発電電力量(百万kWh) |
11,720 |
102.5 |
|
火力発電電力量(百万kWh) |
198,179 |
93.6 |
||
|
原子力発電電力量(百万kWh) |
- |
- |
||
|
新エネルギー等発電電力量 (百万kWh) |
66 |
133.4 |
||
|
他社受電電力量(百万kWh) |
55,138 |
102.0 |
||
|
△4,578 |
83.5 |
|||
|
融通電力量(百万kWh) |
14,801 |
102.8 |
||
|
△7,866 |
101.0 |
|||
|
揚水発電所の揚水用電力量(百万kWh) |
△1,869 |
140.3 |
||
|
合計(百万kWh) |
265,591 |
95.8 |
||
|
総合損失電力量(百万kWh) |
18,516 |
92.4 |
||
|
販売電力量(百万kWh) |
247,075 |
96.1 |
||
|
出水率(%) |
102.3 |
- |
||
(注)1.連結会社の水力発電電力量には、東京発電㈱からの受電電力量852百万kWhが含まれている。
2.他社受電電力量及び融通電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。
3.揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
4.販売電力量の中には、自社事業用電力量(平成26年度425百万kWh、平成27年度425百万kWh)を含んでいる。
5.平成27年度出水率は、昭和59年度から平成25年度までの30か年平均に対する比である。
なお、平成26年度出水率は、昭和58年度から平成24年度までの30か年平均に対する比であり、101.9%である。
(2)販売実績
① 契約高
|
種別 |
平成28年3月31日現在 |
前年同期比(%) |
|
|
契約口数 |
電灯 |
27,492,738 |
100.9 |
|
電力 |
1,956,640 |
98.6 |
|
|
計 |
29,449,378 |
100.8 |
|
|
契約電力(千kW) |
電灯 |
100,562 |
101.2 |
|
電力 |
13,129 |
98.1 |
|
|
計 |
113,692 |
100.8 |
|
(注) 電力には、特定規模需要は含まれていない。
② 販売電力量
|
種別 |
平成27年度 (百万kWh) |
前年同期比 (%) |
||
|
特
定
規
模
需
要
以
外
の
需
要 |
電
灯 |
定額電灯 |
278 |
113.7 |
|
従量電灯A・B |
60,212 |
98.0 |
||
|
従量電灯C |
11,444 |
97.0 |
||
|
その他 |
17,486 |
101.7 |
||
|
計 |
89,421 |
98.6 |
||
|
電
力 |
低圧電力 |
8,119 |
97.6 |
|
|
その他 |
1,479 |
95.7 |
||
|
計 |
9,598 |
97.3 |
||
|
電灯電力合計 |
99,018 |
98.5 |
||
|
特定規模需要 |
148,057 |
94.6 |
||
|
電灯電力・特定規模合計 |
247,075 |
96.1 |
||
|
他社販売 |
3,810 |
76.1 |
||
|
融通 |
7,855 |
101.0 |
||
③ 料金収入
|
種別 |
平成27年度 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
電灯 |
2,295,394 |
90.3 |
|
電力 |
2,941,705 |
84.9 |
|
電灯電力合計 |
5,237,099 |
87.2 |
|
他社販売 |
59,589 |
69.8 |
|
融通 |
122,640 |
85.1 |
(注)1.電力には、特定規模需要を含む。
2.上記料金収入には、消費税等は含まれていない。
④ 産業別(大口電力)需要実績
|
種別 |
平成27年度 |
|||
|
販売電力量 |
||||
|
(百万kWh) |
前年同期比(%) |
|||
|
鉱
工
業 |
鉱業 |
156 |
94.0 |
|
|
製
造
業 |
食料品 |
5,814 |
101.6 |
|
|
繊維工業 |
254 |
79.1 |
||
|
パルプ・紙・紙加工品 |
2,079 |
89.4 |
||
|
化学工業 |
8,811 |
97.3 |
||
|
石油製品・石炭製品 |
507 |
87.4 |
||
|
ゴム製品 |
537 |
94.6 |
||
|
窯業土石 |
2,039 |
94.6 |
||
|
鉄鋼業 |
7,232 |
87.7 |
||
|
非鉄金属 |
3,499 |
97.0 |
||
|
機械器具 |
14,339 |
94.5 |
||
|
その他 |
8,680 |
95.0 |
||
|
計 |
53,791 |
94.6 |
||
|
計 |
53,947 |
94.6 |
||
|
そ
の
他 |
鉄道業 |
5,703 |
99.3 |
|
|
その他 |
11,733 |
98.4 |
||
|
計 |
17,436 |
98.7 |
||
|
合計 |
71,383 |
95.5 |
||
(3)資材の状況
重油及び原油等の受払状況
|
種別 |
平成27年度 |
||||||
|
期首残高 |
受入量 |
前年同期比 (%) |
払出量 |
前年同期比 (%) |
期末残高 |
||
|
石炭 |
(t) |
539,501 |
8,498,879 |
113.9 |
8,336,364 |
110.6 |
702,016 |
|
重油 |
(kl) |
429,696 |
1,511,660 |
61.6 |
1,602,336 |
63.6 |
339,020 |
|
原油 |
(kl) |
678,623 |
636,314 |
91.8 |
879,642 |
152.2 |
435,295 |
|
LNG |
(t) |
707,614 |
21,528,848 |
91.6 |
21,549,708 |
91.8 |
686,754 |
|
LPG |
(t) |
55,298 |
198,714 |
67.4 |
156,367 |
47.2 |
97,645 |
当社グループは、「責任と競争」の両立を目的としたホールディングカンパニー制のもと、賠償、福島復興、廃炉の責務を全うすべく、燃料・火力発電事業、送配電事業及び小売電気事業の各基幹事業会社の自律的経営による競争力の発揮や持株会社である当社の適切なガバナンスに基づくグループの経営資源の最適配分により、厳しい競争を勝ち抜きグループ全体の企業価値を高めるとともに、早期に株主のみなさまのご期待に沿うことができるよう懸命に努めていく。
(1)福島復興に向けた取り組み
被害者の方々が一刻も早く生活・事業を再建できるよう、引き続き、福島復興の加速に向けて賠償をすすめるとともに、いまだ請求されていない方々への呼びかけを実施し、被害者の方々に徹底して寄り添い、最後のお一人まで賠償を貫徹する。
また、賠償の徹底と同時に、一日も早い福島復興を実現するため、国や自治体、さらには官民合同ですすめる産業基盤の再建に向けた取り組みに全面的に協力していく。具体的には、放射線に関する不安を解消するための情報提供に対する技術的な協力や国や自治体の実施する除染の加速化へ向けた協力など、ご帰還に向けた安全・安心対策等に人的・技術的資源を集中投入する。
さらに、福島復興の中核になりうる産業基盤の整備や雇用機会の創出に向け、世界最新鋭の石炭火力発電所を建設・運転するプロジェクトの実現、再生可能エネルギー事業への貢献、中小経年水力発電所の継続的な設備の改修、また国の復興策(福島・国際研究産業都市構想)の実現に向けた検討にも引き続き参画するなど、グループ一丸となって福島復興の加速化に取り組んでいく。
(2)福島第一原子力発電所の廃炉と原子力安全
汚染水対策に一定の目処がついたことから、今後は燃料の取り出しや燃料デブリの調査など、廃炉に関する本格的な取り組みをすすめていく。使用済燃料プールからの燃料取り出しに関しては、引き続きガレキ撤去、除染、燃料取り出し設備の設置等の作業をすすめる。燃料デブリ取り出しに関しては、引き続き格納容器の内部調査を実施するとともに、取り出し方針の決定に向けた検討をすすめる。
また、作業を安全かつ着実にすすめていくために、設備の恒久化対策による信頼度向上や専門的知見・スキルを有する人財の育成、日本原子力発電株式会社との協力関係の拡大をはじめとした廃炉推進体制の充実、労働環境のさらなる改善など、長期にわたる廃炉を支えるための基盤を強化していく。
原子力安全の徹底に向けた取り組みについては、経営トップから現場まで一体となって「原子力安全改革プラン」に示された改革をおしすすめ、過酷事故対策など多重かつ多様な安全対策の強化・充実をはかっていく。
柏崎刈羽原子力発電所においては、新規制基準適合性審査への対応はもとより、さらなる安全性向上対策に取り組む。こうした安全対策の状況等については、引き続き、新潟本社が中心となって広報活動及び地域のみなさまへの説明や原子力防災の充実に向けた取り組みなどを実施していく。
なお、福島第一原子力発電所の事故に係る通報・報告の問題については、緊急時の通報・広報の実効性を高めるための訓練や教育内容の充実、情報共有のあり方や情報を見つけ出す仕組みなどを一層強化していく。
(3)ホールディングカンパニー制のもとでの事業運営
持株会社である当社は、賠償、廃炉、除染、復興推進等に責任を持って取り組むとともに、グループ全体の経営戦略の策定や経営資源の最適配分を行うことで、効率的な事業運営と競争力強化に努めていく。
また、生産性倍増による利益拡大と財務体質の改善のため、生産性倍増委員会において取りまとめた「合理化レポート」に基づき目標を設定し、その達成に向けた持続的なコスト削減と生産性向上を実行するため、さまざまな取り組みを強化していく。
各基幹事業会社は、相互に連携しつつ、以下の事業戦略に基づき各事業領域における最適な事業展開に取り組み、福島への責任を持続的に果たすための経営基盤を確立するとともに、企業価値の向上をめざしていく。
当社グループとしては、一刻も早く株主のみなさまのご期待に応えられるよう、総力をあげて取り組んでいく所存である。
a.東京電力フュエル&パワー株式会社(燃料・火力発電事業)
他社による発電所の建設、再生可能エネルギーの増加、温室効果ガス削減に向けた規制の検討、さらには近年の油価の急激な下落など、今後の火力発電事業を取り巻く市場環境は不透明さを増している。こうしたなか、国際競争力のあるエネルギーを安定的に供給すると同時に、グループの企業価値を向上させることをめざし、さまざまな取り組みを展開していく。
中部電力株式会社との包括的アライアンスについては、本年7月に予定されている燃料事業及び海外発電・エネルギーインフラ事業等の統合を着実に実現するとともに、さらなるバリューチェーン全体のフロー最適化、競争力ある資産形成をめざして、両社の既存火力発電事業の統合に関する具体的な検討をすすめていく。
また、世界トップの火力発電所の運営とグローバルでの新ビジネス展開をめざすバリューアップ・プロジェクトにより、生産性を倍増していく。さらに、改革を通じて得られたリソースを国内における発電所のリプレースや海外事業などの成長領域に適用するとともに、設備の高効率化等を通じて温室効果ガスの削減にも取り組み、発電原価の低減・収益力の拡大と環境規制の遵守とを両立していく。
b.東京電力パワーグリッド株式会社(送配電事業)
人口の減少や省エネルギーの進展に伴い、中長期的には国内の電力需要が伸び悩み、託送料金収入の減少が見込まれる一方、再生可能エネルギーの普及加速などによる電源構造等の変化に応じた送配電ネットワークの構築が求められている。
こうしたなか、電力の安定供給や公衆安全の確保のため、経年劣化がすすむ設備のリスクを定量評価し、修繕・取替工事の費用対効果を最大化することで、長期的な設備信頼度の向上をはかっていく。また、国内トップの託送原価の実現に向け、事業所を含めた幅広い業務に生産性倍増に向けた改善活動を導入するほか、保全技術の高度化・合理化をすすめ、バリューチェーン最適化等によりさらなるコスト削減を推進し、送配電事業基盤の強化に取り組む。
あわせて、平成32年度までにすべてのお客さまへスマートメーターの設置完了をめざすとともに、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた系統線容量の増強などクリーンエネルギー普及のための土台の構築や、東京中部間連系設備の増強等による広域連系の強化など、送配電ネットワークの高度化による利便性のさらなる向上をすすめる。
加えて、送配電事業で培った技術力やノウハウ等を活用した新規サービスの開発や、ガスとの共同検針をすすめるなど、事業領域の拡大にも取り組んでいく。
c.東京電力エナジーパートナー株式会社(小売電気事業)
小売全面自由化を受け、業種を問わずさまざまな企業が小売市場に参入しており、関東エリアでは特に激しい競争が想定されるなか、収益を拡大していくことが不可欠となっている。
こうしたなか、「顧客価値」を高めることに全力を注ぎ、電力販売を超えて、お客さまにとって最も効率的なエネルギー利用を提案していく。具体的には、他社とのアライアンスも活用しながら、全国のお客さまにワンストップで多彩なエネルギー商品やサービスを提供していく。
また、都市ガスの小売全面自由化を見据え、ガス販売の拡大に挑戦し、直販に加え電気とのセットプランの開発をすすめていく。
一方、電気・ガスに加えてエネルギー関連設備の導入・運転・保守等も含めたトータルエネルギーソリューションの提供など新サービスの拡大にも取り組んでいく。さらに、ビッグデータやIoT技術、省エネルギー技術を活用しながら、安全・安心をキーワードに、スピ―ド感をもってエネルギーの利用価値を高めるサービスを検討していく。
これらの取り組みを支える人財の育成をすすめるなど営業力の強化をはかりながら、電気専業の企業から総合エネルギーサービス企業へと進化し、競争を勝ち抜いていく。
(注) 本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載している。また、必ずしもこれに該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示している。
平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震及び津波に伴う福島第一原子力発電所事故により、放射性物質の放出や電気の安定供給の支障等、広く社会のみなさまにご迷惑をおかけするとともに、当社グループの経営状況は大幅に悪化した。
これに対し当社は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」)とともに策定し、平成26年1月に国の認定を受けた新・総合特別事業計画のもと、株主や投資家のみなさまをはじめ多くの関係者の方々からのご協力をいただきながら、賠償の円滑化や廃炉の促進を最優先課題として、様々な経営改革に全力で取り組んでいる。
また、「責任と競争」の両立を目的としたホールディングカンパニー制のもと、賠償、福島復興、廃炉の責務を全うすべく、東京電力フュエル&パワー株式会社(燃料・火力発電事業)、東京電力パワーグリッド株式会社(送配電事業)及び東京電力エナジーパートナー株式会社(小売電気事業)の各基幹事業会社の自律的経営による競争力の発揮や持株会社である当社の適切なガバナンスに基づくグループの経営資源の最適配分により、厳しい競争を勝ち抜きグループ全体の企業価値の向上に取り組んでいる。
しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にあり、以下のリスクが顕在化した場合、事業に大きな影響を与える可能性がある。
本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。
(1)福島第一原子力発電所事故
福島第一原子力発電所では、安全確保を最優先に、「東京電力㈱福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(以下「中長期ロードマップ」)に沿って、国や関係機関の協力を得ながら廃止措置等に向けた取り組みを進めている。しかしながら、汚染水の処理・保管や地下水の流入抑制などの汚染水対策や、これまで経験のない技術的困難性を伴う燃料デブリの取り出しなど、廃止措置等には多くの課題があること等から、中長期ロードマップ通りに取り組みが進まない可能性がある。その場合、当社グループの業績、財政状態及び事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
また、原子力事故の発生による格付の低下等により、資金調達力が低下していることから、当社グループの業績、財政状態及び事業運営は影響を受ける可能性がある。
(2)電気の安定供給
東北地方太平洋沖地震の影響等による福島第二及び柏崎刈羽原子力発電所の全号機停止により、当社グループは電気の供給力が低下していることから、供給力の確保と需要面の対策を進めている。しかしながら、自然災害、設備事故、テロ等の妨害行為、燃料調達支障などにより、長時間・大規模停電等が発生し、安定供給を確保できなくなる可能性がある。これらの場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があるとともに、社会的信用を低下させ、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(3)原子力発電・原子燃料サイクル
原子力事故を踏まえ、国による原子力政策の見直しや原子力規制委員会による安全規制の見直し等が行われ、その内容を踏まえた安全性向上策等を実施していくこととなる。これらにより、持株会社である当社及びその関係会社の原子力発電事業や原子燃料サイクル事業の運営は影響を受ける可能性があるとともに、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
原子力発電所については、どのような事態が起きても過酷事故には至らないようにするという決意のもと、安全対策の強化や組織の改革に取り組んでいる。なお、柏崎刈羽原子力発電所については、現段階では再稼働の時期は見通せない状況にあり、この状況が続いた場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
また、原子力発電・原子燃料サイクルは、使用済燃料の再処理、放射性廃棄物の処分、原子力発電施設等の解体等に、多額の資金と長期にわたる事業期間が必要になるなど不確実性を伴う。バックエンド事業における国による制度措置等によりこの不確実性は低減されているが、制度措置等の見直しや制度外の将来費用の見積額の増加、六ケ所再処理施設等の稼働状況、同ウラン濃縮施設に係る廃止措置のあり方などにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
(4)事業規制・環境規制
電気事業における制度変更を含めたエネルギー政策の見直し、地球温暖化に関する環境規制の強化など、当社グループを取り巻く規制環境の変化により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。また、環境規制の強化等による再生可能エネルギーの大幅な増加により電力品質が低下するなど、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(5)販売電力量
販売電力量は、経済活動や生産活動を直接的に反映することから、景気の影響を受けることがある。また、冷暖房需要は夏季・冬季を中心として天候に影響されることがある。加えて、平成28年4月から始まった小売の全面自由化による競争の激化、節電や省エネルギーの進展等により影響を受ける可能性がある。これらにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
(6)お客さまサービス
当社グループは、お客さまサービスの向上に努めているが、不適切なお客さま応対等により、お客さまの当社グループのサービスへの満足度や社会的信用等が低下し、当社グループの業績、財政状態及び円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(7)金融市場の動向
企業年金資産等において保有している国内外の株式や債券は、株式市況や債券市況等により時価が変動することから、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
また、支払利息に関しては、今後の金利動向等により影響を受けることがある。
(8)火力発電用燃料価格
火力発電用燃料であるLNG、原油、石炭等の価格は、燃料国際市況や外国為替相場の動向等により変動し、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。ただし、一定の範囲内の燃料価格の変動については、燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、業績への影響は緩和される。
(9)安全確保、品質管理、環境汚染防止
当社グループは、安全確保、品質管理、環境汚染防止、透明性・信頼性の高い情報公開の徹底に努めているが、作業ミス、法令・社内ルール違反等による、事故や人身災害、大規模な環境汚染の発生や、不適切な広報・情報公開により、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(10)企業倫理遵守
当社グループは、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取り組みに努めているが、法令違反等の企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(11)情報管理
当社グループは、大量のお客さま情報をはじめ、業務上の重要な情報を保有している。社内規程の整備や、従業員教育等を通じ情報の厳正な管理に留意しているが、これらの情報の流出等が発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。
(12)電気事業以外の事業
当社グループは、海外事業を含む電気事業以外の事業を実施している。これらの事業は、当社グループの経営状況の変化、他事業者との競合の進展、規制の強化、外国為替相場や燃料国際市況その他の経済状況の変動、政情不安、自然災害などにより、投融資時点で想定した結果をもたらさない可能性がある。この場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。
(13)機構による当社株式の引受け
当社は、平成24年7月31日に機構を割当先とする優先株式(A種優先株式及びB種優先株式。以下A種優先株式及びB種優先株式をあわせて「本優先株式」という。)を発行した。
A種優先株式には、株主総会における議決権のほか、B種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。また、B種優先株式には、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会における議決権は付されていないが、A種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。
機構は、本優先株式の引受けにより総議決権の2分の1超を保有しており、株主総会における議決権行使等により、当社グループの事業運営に影響が生じる可能性がある。
今後、機構によりB種優先株式のA種優先株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合、又は本優先株式について、普通株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合には、既存株式の希釈化が進む可能性がある。特に、普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、既存株式の希釈化が進む結果として、持株会社である当社の株価が下落する可能性があるほか、当該普通株式を機構が市場売却した場合には、売却時の市場環境等によっては、さらに持株会社である当社の株価に影響を及ぼす可能性がある。
当社は、平成27年5月1日の取締役会決議により、電力システム改革によるライセンス制の導入にあわせて平成28年4月1日に、当社が営む燃料・火力発電事業(燃料輸送事業及び燃料トレーディング事業を除く)、一般送配電事業及び小売電気事業等を、それぞれ会社分割の方法によって「東京電力燃料・火力発電事業分割準備株式会社」、「東京電力送配電事業分割準備株式会社」及び「東京電力小売電気事業分割準備株式会社」に承継させることとし、平成27年5月1日、各承継会社との間で吸収分割契約を締結した(以下、この会社分割を「本件吸収分割」という)。
これに基づき、平成27年6月25日開催の第91回定時株主総会において関連議案が承認可決されるとともに、平成28年3月29日、一般送配電事業及び小売電気事業の分割について、電気事業法に基づく経済産業大臣の認可を取得し、平成28年4月1日、本件吸収分割の効力が発生した。
なお、本件吸収分割に伴い、本件吸収分割の効力発生日付で当社の商号を「東京電力ホールディングス株式会社」に、「東京電力燃料・火力発電事業分割準備株式会社」の商号を「東京電力フュエル&パワー株式会社」に、「東京電力送配電事業分割準備株式会社」の商号を「東京電力パワーグリッド株式会社」に、「東京電力小売電気事業分割準備株式会社」の商号を「東京電力エナジーパートナー株式会社」に、それぞれ変更している。
(1)本件吸収分割の背景・目的
わが国の電力市場は、節電や省エネルギーの進展等により電力需要が減少するなか、平成28年4月には小売市場の全面自由化、平成32年には送配電部門の法的分離が予定されるなど、大きな変革期を迎えつつある。
このような環境において、当社が引き続き福島原子力事故の責任を果たすとともに、低廉で安定的な電力供給を維持していくためには、各事業部門がそれぞれの特性に応じた最適な事業戦略を適用し、東京電力グループ全体の企業価値向上に取り組むことが不可欠である。
具体的には、燃料・火力発電事業部門は、中部電力株式会社との包括的アライアンスをはじめ、燃料上流から発電までのサプライチェーン全体において事業構造の抜本的見直しに踏み込み、世界とダイナミックに渡り合えるエネルギー事業者への変革をめざしていく。
送配電事業部門は、今後とも電力供給の信頼度を確保したうえで、国内トップの託送原価を実現するとともに、事業運営の中立・公平性を向上しつつ、送配電ネットワーク利便性向上、運用の最効率化、他電力との協調等を推進していく。
小売電気事業部門は、お客さまの立場に立った効率的なエネルギー消費を軸とした商品・サービスや、電力・ガスのワンストップサービスを、他社とのアライアンスを活用しつつ、全国のお客さまへ提案・提供していく。
当社は、これらの戦略を実現し、自由化後の新たな事業環境に柔軟かつ迅速に適応できるよう、「責任と競争」の両立を基本に、電力システム改革の第2段階としてライセンス制が導入される平成28年4月に、他の電力会社に先駆けて3つの事業部門を分社化し、ホールディングカンパニー制に移行した。
ホールディングカンパニー制移行後は、持株会社が賠償、廃炉、除染、復興推進等に責任を持って取り組むとともに、グループ全体の経営戦略の策定や経営資源の最適配分等を行うことで、効率的な事業運営と競争力の強化に努めていく。
当社は、こうした事業運営体制の構築を通じ、持続的な再生に向けた収益基盤を確立し、東京電力グループ全体として福島原子力事故の責任を全うするとともに、福島復興に向けた原資の創出とグループ全体の企業価値の向上をめざしていく。
(2)本件吸収分割の要旨
① 本件吸収分割の日程
吸収分割契約承認取締役会(当社) 平成27年5月1日
吸収分割契約承認取締役決定(各承継会社) 平成27年5月1日
吸収分割契約締結 平成27年5月1日
吸収分割契約承認定時株主総会(当社) 平成27年6月25日
吸収分割契約承認臨時株主総会(各承継会社) 平成27年6月25日
吸収分割効力発生日 平成28年4月1日
(注) 東京電力フュエル&パワー株式会社及び東京電力エナジーパートナー株式会社を承継会社とする会社分割については、会社法第784条第2項の規定に基づき、当社の株主総会の承認を経ずに行っている。
② 本件吸収分割の方式
当社を分割会社とし、当社の100%子会社である東京電力フュエル&パワー株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社及び東京電力エナジーパートナー株式会社を承継会社とする吸収分割である。
③ 本件吸収分割に係る割当ての内容
本件吸収分割に際し、承継会社である東京電力フュエル&パワー株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社及び東京電力エナジーパートナー株式会社は、それぞれ普通株式1,530万株、4,660万株、410万株を発行し、それらをすべて当社に対して割当て交付した。
④ 本件吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
承継会社は、いずれも当社の100%子会社であり、本件吸収分割により承継会社が発行する全株式を当社に割当て交付するため、当社と承継会社間で協議し、割当てる株式数を決定している。
⑤ 本件吸収分割により増減する資本金
当社の資本金に変更はない。
⑥ 承継会社が承継する権利義務
東京電力フュエル&パワー株式会社は、当社との間で締結した平成27年5月1日付の吸収分割契約の定めに従い、当社が営む火力発電事業(離島におけるものを除く)、火力発電に係る燃料調達事業・資源開発事業・蒸気供給事業及びこれらに対する投資事業に関して有する権利義務を効力発生日に承継した。
東京電力パワーグリッド株式会社は、当社との間で締結した平成27年5月1日付の吸収分割契約の定めに従い、当社が営む一般送配電事業、不動産賃貸事業及び離島における発電事業に関して有する権利義務を効力発生日に承継した。
東京電力エナジーパートナー株式会社は、当社との間で締結した平成27年5月1日付の吸収分割契約の定めに従い、当社が営む小売電気事業、ガス事業、蒸気供給事業(火力発電に係るものを除く)、エネルギー設備サービス事業及びインターネットサービス事業に関して有する権利義務を効力発生日に承継した。
なお、本件吸収分割による各承継会社への債務の承継については、免責的債務引受の方法によるものとする。
また、当社の既存の公募社債に係る債務等については、各承継会社へ承継しない。
(3)分割する資産、負債の項目及び金額(平成28年4月1日現在)
① 東京電力フュエル&パワー株式会社へ分割する資産、負債の項目及び金額
|
資産 |
負債 |
||
|
項目 |
金額 |
項目 |
金額 |
|
固定資産 |
1,441,116百万円 |
固定負債 |
74,020百万円 |
|
流動資産 |
207,738百万円 |
流動負債 |
181,493百万円 |
|
合計 |
1,648,854百万円 |
合計 |
255,513百万円 |
② 東京電力パワーグリッド株式会社へ分割する資産、負債の項目及び金額
|
資産 |
負債 |
||
|
項目 |
金額 |
項目 |
金額 |
|
固定資産 |
4,903,793百万円 |
固定負債 |
364,911百万円 |
|
流動資産 |
374,235百万円 |
流動負債 |
179,482百万円 |
|
合計 |
5,278,028百万円 |
合計 |
544,393百万円 |
③ 東京電力エナジーパートナー株式会社へ分割する資産、負債の項目及び金額
|
資産 |
負債 |
||
|
項目 |
金額 |
項目 |
金額 |
|
固定資産 |
81,656百万円 |
固定負債 |
47,291百万円 |
|
流動資産 |
554,102百万円 |
流動負債 |
173,896百万円 |
|
合計 |
635,758百万円 |
合計 |
221,187百万円 |
(4)本件吸収分割後の承継会社の状況(平成28年4月1日現在)
|
|
承継会社 |
|
(1)商号 |
東京電力フュエル&パワー株式会社 |
|
(2)所在地 |
東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 |
|
(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 佐野 敏弘 |
|
(4)事業内容 |
燃料・火力発電事業 等 |
|
(5)資本金 |
30,000百万円 |
|
|
承継会社 |
|
(1)商号 |
東京電力パワーグリッド株式会社 |
|
(2)所在地 |
東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 |
|
(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 武部 俊郎 |
|
(4)事業内容 |
一般送配電事業 等 |
|
(5)資本金 |
80,000百万円 |
|
|
承継会社 |
|
(1)商号 |
東京電力エナジーパートナー株式会社 |
|
(2)所在地 |
東京都千代田区内幸町一丁目1番3号 |
|
(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 小早川 智明 |
|
(4)事業内容 |
小売電気事業 等 |
|
(5)資本金 |
10,000百万円 |
当社グループの技術開発については、「東京電力㈱福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」(現 東京電力㈱福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ)ならびに「新・総合特別事業計画」のとりまとめを受けて、「中長期ロードマップに基づいた廃炉の推進に向けた技術開発」及び「原子力安全の確保と電気の安定供給の達成に資する技術開発」に重点化して取り組んでいる。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、20,327百万円である。なお、セグメント毎の研究開発費の内訳は、パワーグリッドが15百万円、カスタマーサービスが0百万円、コーポレートが20,310百万円である。
「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、当連結会計年度より、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としている。
(1)経営成績の分析
[概要]
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比10.8%減の6兆699億円、営業利益は前連結会計年度比17.6%増の3,722億円、経常利益は前連結会計年度比56.7%増の3,259億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比68.8%減の1,407億円となった。
[売上高]
当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、フュエル&パワーが2兆4,521億円(前連結会計年度比29.1%減)、パワーグリッドが1兆6,854億円(前連結会計年度比11.7%増)、カスタマーサービスが5兆9,501億円(前連結会計年度比11.6%減)、コーポレートが7,453億円(前連結会計年度比70.3%増)となった。
販売電力量は、電灯は前連結会計年度比1.4%減の894億kWh、電力は同2.7%減の96億kWh、特定規模需要は同5.4%減の1,481億kWhとなった。
[営業損益]
売上高から営業費用を差し引いた当連結会計年度における各セグメントの営業損益(セグメント間取引消去前)は、フュエル&パワーが3,339億円の営業利益(前連結会計年度比10.7%減)、パワーグリッドが1,461億円の営業利益(前連結会計年度比52.8%増)、カスタマーサービスが1,064億円の営業利益(前連結会計年度比69.7%減)、コーポレートが2,147億円の営業損失(前連結会計年度は5,045億円の営業損失)となった。
[経常利益]
当連結会計年度の経常利益は、営業利益が3,722億円、営業外収益が前連結会計年度に比べ221億円増加し711億円となり、営業外費用が前連結会計年度に比べ400億円減少し1,174億円となったことから、3,259億円となった。
[親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、原賠・廃炉等支援機構資金交付金6,997億円や、退職給付制度改定益610億円、持分変動利益122億円を特別利益に計上する一方で、原子力損害賠償費6,786億円のほか、全面自由化およびホールディングカンパニー制移行を踏まえた競争基盤構築に伴う減損損失2,333億円を特別損失に計上したことなどから、1,866億円となった。ここから法人税、住民税及び事業税460億円、法人税等調整額17億円、非支配株主に帰属する当期純利益15億円を加減し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,407億円となった。なお、1株当たり当期純利益は87円86銭となった。
(2)流動性及び資金の源泉
[キャッシュ・フローの状況]
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ474億円(3.7%)増加し、1兆3,399億円となった。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度比23.4%増の1兆775億円の収入となった。これは、火力燃料購入に関する支出が減少したことなどによるものである。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度比18.5%増の6,209億円の支出となった。これは、固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものである。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度比37.0%減の3,943億円の支出となった。これは、短期借入れによる収入が増加したことなどによるものである。
[資産・負債・純資産の状況]
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ5,529億円減少し、13兆6,597億円となった。これは、電気事業固定資産および未収原賠・廃炉等支援機構資金交付金が減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ6,688億円減少し、11兆4,416億円となった。これは、有利子負債および原子力損害賠償引当金が減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,159億円増加し、2兆2,181億円となった。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどによるものである。この結果、自己資本比率は16.1%と前連結会計年度末に比べ1.5ポイント上昇した。
[財務政策]
東北地方太平洋沖地震により被災した福島第一原子力発電所の事故等に伴う多額の損失の発生や原子力発電所の停止等による燃料費の増加等により財務基盤と収益構造が大幅に悪化するとともに、自律的な資金調達力が低下したことを受け、総合特別事業計画(平成24年5月に主務大臣より認定。)に基づき、原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下、「機構」)から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し、追加与信及び借換え等による与信の維持等をお願いし、ご協力をいただいてきた。
新・総合特別事業計画(平成26年1月に主務大臣より認定。)等においても、取引金融機関に対し、前回総特での協力要請の通り引き続き与信を維持することなどをお願いし、ご協力をいただいている。
上記の機構による資本増強と金融機関の支援・協力のもとで、社債市場への復帰を可能とする財務指標の改善や格付の確保に努めていく。
また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。