第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営環境及び経営方針等

 当社グループを取り巻く経営環境は、カーボンニュートラルの実現をめざす世界的な潮流、激甚化・広域化する自然災害に対応したレジリエンス強化の要請、ウクライナ情勢を受けた全世界的な燃料価格の高騰など、大きく変化している。

 このような事業環境の変化に対応していくため、第四次総合特別事業計画(以下、「四次総特」という。)のもと、原子力事業における一連の不適切事案等により毀損した地域や社会のみなさまからの信頼回復に最優先で取り組むほか、ALPS処理水の海洋放出については、2021年4月に国から示された基本方針を踏まえ、安全性の確保と風評影響を最大限抑制するための取り組みを主体的に行っていく。

 加えて、カーボンニュートラルや防災を軸とした新たな価値を提供するビジネスモデルへと転換をはかり、更なる収益力拡大と企業価値向上を実現していく。

(https://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210804004/20210804004-1.pdf)

 

 なお、カーボンニュートラルの実現に向けては、「販売電力由来のScope1・2・3を2013年度比で2030年度に50%削減」、さらには「2050年におけるエネルギー供給由来のCO排出実質ゼロ」という目標を掲げ取り組んでいく。

 

[カーボンニュートラルに向けた取り組み一覧]

0102010_001.png

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

 小売事業の競争激化や原子力発電所の長期停止、ESG・SDGsに代表される社会的課題に対する意識の高まり、自然災害の激甚化・広域化に伴う防災・電力レジリエンスの強化に向けた社会的要請に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済・社会活動の変容など、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化している。

 

 このような事業環境変化のなかでも、当社グループは一丸となって、福島第一原子力発電所の事故を決して風化させることなく、福島への責任を全うするため、「復興と廃炉の両立」を推進していく。

 2021年4月に国から示された「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」を踏まえ、安全を最優先として海洋放出に向けた準備をすすめるとともに、関係者のみなさまの理解醸成に向けた丁寧な説明を積み重ねていく。

 また、柏崎刈羽原子力発電所で発生した一連の不適切な事案により、事業をすすめるうえで最も大切な社会の皆さまからの信頼を大きく損なうことになった。発電所の喫緊の課題である一連の不適切事案に対する改善措置計画を着実にすすめるとともに、改革の実績を一つひとつ積み上げ、地域の皆さまから信頼され、原子力事業者として受け入れていただけるよう全力で取り組んでいく。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき策定した業務計画・行動計画等に則り、電力を安定的に供給するための対応を行うとともに、引き続き、With/Afterコロナ時代を見据えた働き方改革をすすめていく。

 2022年3月には、福島県沖地震の影響による一部の発電所の停止や気温の低下により、一時、電力需給が大変厳しいものとなった。今後の電力需給の見通しは依然として厳しい状況であるが、社会のみなさまに安心して電気をお使いいただけるよう、グループ一丸となって供給力の確保に努めていく。

 加えて、多様化する社会的な要請にお応えするために、当社グループは安定供給の継続に最大限尽力しながら、「カーボンニュートラル」と「防災」を軸とした、新たな価値を提供するビジネスモデルへと事業構造の変革を図り、収益力向上につなげていく。

 

①当年度の施策

[ホールディングス]

<福島事業>

イ.福島復興に向けた取り組み

 当社は、「3つの誓い」として掲げた「最後の一人まで賠償貫徹」、「迅速かつきめ細やかな賠償の徹底」、「和解仲介案の尊重」に基づき、被害者の方々の個別のご事情を丁寧にお伺いしながら賠償をすすめ、当年度末までに累計10兆4,110億円をお支払いした。

 また、特定復興再生拠点区域での準備宿泊が始まるなど、復興の進展がみられるなか、帰還に向けた環境整備等を行い、当年度末までに環境再生・復興推進活動の人数は累計104万人となった。

 加えて、風評被害の抑制や払拭に向けた流通促進活動については、小売店や飲食店と連携した催事等を開催し、「常磐もの」と呼ばれる水産物を中心とした福島県産品の取り扱いの拡大に取り組んできた。

 

ロ.福島第一・第二原子力発電所の廃炉

 福島第一原子力発電所については、2号機の燃料デブリの試験的な取り出しのために、イギリスで開発をすすめていたロボットアームを国内に輸送して、取り出し作業に向けた性能試験を行うなど、安全最優先で廃炉作業を戦略的かつ計画的にすすめてきた。

 また、多核種除去設備等処理水の扱いについては、政府の基本方針を踏まえ、ALPS処理水の希釈放出設備の基本設計等を取りまとめ、2021年12月に実施計画の変更認可申請を原子力規制委員会に提出したほか、関係者のみなさまの理解醸成に向けた、丁寧な説明を積み重ねている。加えて、国際原子力機関の専門家によるレビューを受けるなど、透明性をもった取り組みも実施している。

 福島第二原子力発電所については、廃止措置計画の認可を取得し、各設備・機器等の汚染状況の調査や放射線管理区域外の建屋の解体などの廃止措置に着手した。

 

<経済事業>

ハ.原子力発電事業の取り組み

 柏崎刈羽原子力発電所における一連の不適切事案については、2021年9月に根本的な原因分析や発電所における業務実態を踏まえた改善措置計画を取りまとめ、社外委員のみで構成される独立検証委員会の評価をいただいたうえで、原子力規制委員会に報告し、改善措置活動を着実にすすめてきた。加えて、信頼していただける発電所をめざし、豊富な経験を有する外部人財の登用や本社と発電所の一体的な運営の実現に向けた本社機能の移転などの原子力改革の骨子を取りまとめ、実行してきた。

 また、東通村と共同で設立した協議会を通じて、安全・安心で暮らしやすい地域づくりの検討を重ね、2022年2月には東通村との間で地域の災害対応力の向上を目的とした協定を締結するなど、地域のみなさまとの連携をすすめてきた。

 

ニ.持続的な成長の実現に向けた取り組み

 持続的な成長の実現に向けて、「カーボンニュートラル」と「防災」を軸とした事業を展開してきた。具体的には、日本郵政グループとの間で、事業の垣根を越えてカーボンニュートラルを革新的にすすめていくための戦略的提携を行ったほか、山梨県等と共同してグリーン水素に関する技術開発をすすめ、安全・安心にグリーン水素を利用できるPower to Gasシステムを構築した。

 加えて、非常時にご家庭内へ複数の電源から電気を供給する多機能パワコンシステムを開発するなど、防災の産業化をめざした取り組みを加速してきた。

 

[フュエル&パワー]

 東京電力フュエル&パワー株式会社は、株式会社JERAへの人財の転籍に伴いスリム化した体制のもと、同社に対するガバナンスを効率的に実施してきた。

 株式会社JERAは、2050年時点において国内外の事業から排出されるCOを実質的にゼロにすることに挑戦する「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、再生可能エネルギー発電の導入と、アンモニアや水素を活用して発電時にCOを排出しないゼロエミッション火力発電の技術開発に取り組んでいる。

 ゼロエミッション火力発電については、碧南火力発電所5号機において燃料アンモニアの利用試験を開始するなど、大型の商用石炭火力発電所における大規模混焼の技術開発に着手した。また、燃焼時にCOを排出しない水素のサプライチェーン構築をめざして、水素を貯蔵・運搬する独自技術を有するドイツのHydrogenious LOHC Technologies社に出資したほか、国内火力発電所においても水素利用の実用化に向けた実証事業に取り組んでいる。再生可能エネルギー発電については、アメリカのエル・サウズ陸上風力発電事業への参画を公表したほか、国内における太陽光発電の開発に向けて株式会社ウエストホールディングスとの業務提携について基本合意するなど、国内外において積極的に取り組んでいる。

 

[パワーグリッド]

イ.安定供給と託送原価低減の両立

 電力供給の信頼度確保と低廉な託送原価水準の実現に向けて、設備保全の省力化・自動化、他事業者との連携等により、さらなる事業運営基盤の構築やレジリエンスの強化をすすめ、効率的でサステナブルな事業運営に取り組んできた。こうしたなか、2021年夏に開催された東京オリンピック・パラリンピックでは競技会場への安定的な電力供給に努めるとともに、厳しい見通しが続く電力需給に対し、発電事業者が有する燃料の在庫や調達状況等の情報を的確に把握する仕組みを構築するなど、供給力確保に向けた対策をすすめてきた。特に、2022年3月に発生した福島県沖の地震により一部の発電所が停止している中で、3月としては非常にまれな寒気に伴い需給ひっ迫が発生したが、国や広域機関などと連携し、総力をあげた最大限の追加供給力対策を実施した上で、広く地域や社会のみなさまから、節電や需要抑制、自家用発電機の稼働など多大なご協力をいただくことで、電力の供給を保つことができた。

 

ロ.事業領域の拡大に向けた取り組み

 電力使用データを活用した新サービスの事業化検討やドローン航路プラットフォームの構築に向けたドローン目視外飛行等、他社とのアライアンスを通じて、地域・社会のさまざまな活動を支えるプラットフォームの構築に継続的に取り組むなど、事業領域の拡大をはかってきた。また、2021年10月にはイギリスの洋上風力発電所における送電事業の優先交渉権を獲得し、出資参画の準備をすすめたほか、海外での事業機会の発掘やコンサルティング事業等に幅広く取り組んできた。

 

[エナジーパートナー]

イ.安心で快適なくらしの実現

 毎月の定額料金をお支払いいただくことにより、東京電力エナジーパートナー株式会社が設置した太陽光発電設備で発電された電気をご自由にお使いいただける「エネカリプラスサービス」や、太陽光発電設備で発電された電気を有効活用することができる新電気料金プラン「くらし上手」を創設した。これらを通じて、太陽光発電設備および主に昼間時間帯に沸き上げを行うエコキュート等の導入を促進し、非常災害時にも生活を継続できるという「安心」や「カーボンニュートラル」などの価値をご家庭のお客さま向けに提供してきた。

 

ロ.「カーボンニュートラル」価値の提供

 横浜市において、地域の再生可能エネルギーから生み出される環境価値を活用した市内の事業者さま向け電気料金プラン「はまっこ電気」を創設し、市内の13の事業者さまにご採用いただいたほか、カーボンニュートラルの実現に向けて先進的に取り組む事業者さまのニーズに合わせ、新たな再生可能エネルギー電源の開発に直接貢献できる電気料金プラン「サンライトプレミアム」を創設し、サービスの提供を開始するなど、地域や事業者さまとともにカーボンニュートラルを推進する取り組みを積極的に展開してきた。

 

ハ.消費者庁からの行政処分への対応

 2021年6月、消費者庁から電話勧誘販売業務に関する業務停止命令等の行政処分を受けた。東京電力エナジーパートナー株式会社は、従前、委託先による不適切な営業行為の再発防止に取り組んできたが、これを受け、委託先に同社社員を常駐させること等により管理を強化するなど、新たな再発防止策及びコンプライアンス体制の構築を実施してきた。

 

[リニューアブルパワー]

イ.国内水力事業の基盤強化

 経年水力発電所について、発電電力量の増加と設備信頼度向上に向けたリパワリングを計画的にすすめる

とともに、ロボットを活用した点検の導入による作業停止期間の短縮や、IoT活用による設備トラブルの

未然防止に向けたシステム整備を推進するなど、国内水力事業の基盤強化を着実にはかっている。

 揚水式水力発電については、再生可能エネルギーの導入拡大に伴って重要性が増している調整電源として

の強みを活かし、一般送配電事業者の調整力として活用するほか、その蓄電機能を活用し、新電力等のお客

さまのオフピーク時間帯に余剰電力で揚水し、ピーク時間帯に発電してお客さまに送電する「電力預かりサ

ービス」の提供をすすめている。

 

ロ.事業領域の拡大に向けた取り組み

 アジアでの海外事業の拡大を目的として、2022年2月、水力発電事業子会社3社を保有するインドネシア上場企業であるクンチャナ・エナジー・レスタリ社に出資参画するなど、海外発電事業を加速させている。

 風力発電事業については、ノルウェー沿岸におけるRWE Renewables社やRoyal Dutch Shell社などとの共同実証プロジェクトをすすめ、2021年11月、テトラ・スパー型浮体式洋上風力発電の実証運転を開始したほか、国内においては、2022年1月、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が募集するグリーンイノベーション基金「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」における浮体式関連の3つの開発事業に採択されるなど、国内外で普及が見込まれる浮体式洋上風力発電の技術獲得による事業基盤の強化をめざしている。

 

ハ.再生可能エネルギー発電事業の拡充に向けた資金調達

 こうした取り組みを支えるため、2021年9月及び2022年3月に合計400億円のグリーンボンドを発行する等、再生可能エネルギー発電事業の拡充に向けた資金確保に努めている。

 

(参考)

・当年度の新型コロナウイルス感染症への対策と働き方改革の取り組み

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき策定した業務計画・行動計画等に則り、社員の出社前検温の徹底や地域をまたぐ往来の制限等、徹底した感染予防策を講じてきた。また、そうした経験を踏まえ、With/Afterコロナ時代における在宅勤務下でも社員が自律性を発揮し、多様な働き方を実現できるよう、危機管理の強化と社員の幸福度・仕事の生産性・お客さまの満足度の向上を同時に達成する新しいワークスタイル「TEPCO Work Innovation」の確立に向けた取り組みをすすめてきた。具体的には、リモートワークやサテライトオフィスの拡充、コミュニケーションツールの充実化、ペーパーレス・ハンコレス化等の業務プロセスの見直しを行っており、今後はこれらの取り組みをさらに推進し、時間・場所・組織にとらわれない働き方を実現していく。

 

②優先的に対処すべき課題

[ホールディングス]

<福島事業>

イ.「3つの誓い」に基づく賠償と復興に向けた取り組み

 当社は引き続き「3つの誓い」に基づき、個別のご事情を丁寧にお伺いし、最後のお一人まで賠償を貫徹していく。また、特定復興再生拠点区域の避難指示解除をはじめとした復興のステージに合わせ、地域のニーズを的確にとらえ、取り組みをすすめていく。

 加えて、「発見!ふくしま」キャンペーンの開催などを通じて、福島県産品等の流通促進に向けた取り組みを強化・拡充していく。

 

ロ.地域と共生した福島第一原子力発電所の廃炉の貫徹

 燃料デブリ取り出しなどの難易度の高い取り組みを着実に遂行するため、協力企業の方々と連携し、現場・現物を踏まえた安全・品質管理やプロジェクト管理の機能を強化するとともに、自ら設計して、発注を行うなどのオーナーズ・エンジニアリング事業者への変革をはかり、長期にわたる廃炉作業を安全かつ計画的にすすめていく。

 加えて、「復興と廃炉の両立」の方針のもと、廃炉事業を通じて地元の発展に貢献するべく、引き続き、地元企業の廃炉事業への参画の拡大や高度な技術をもつ域外企業の誘致などをすすめていく。

 

ハ.ALPS処理水の扱い

 ALPS処理水の扱いについては、原子力規制委員会の審査や国際原子力機関のレビューなどに真摯に対応するとともに、関係者のみなさまの理解醸成に向けて、丁寧な説明を積み重ねていく。

 加えて、風評影響を受けうる産業の生産・加工・流通・消費の各段階への取り組みの強化・拡充等をすすめ、それらの対策を講じてもなお起こりうる風評被害への賠償については、関係する方々のご意見を丁寧にお伺いしながら、適切に対応していく。

 

<経済事業>

ニ.原子力発電事業の取り組み

 原子力改革を成し遂げるためには、柏崎刈羽原子力発電所の改革だけでなく、発電所の運営を支える本社と発電所が一体となり、現場を重視した事業運営に転換するとともに、地域のみなさまの声を事業に反映させる仕組みを構築しなければならない。

 そのためにまず、発電所の喫緊の課題である一連の不適切事案に対する改善措置計画を着実にすすめるとともに、品質・安全・設備診断などの担当要員を中心とした64名を発電所と柏崎市に配置している。将来的には発電所の運営に必要な本社スタッフの大半にあたる300名程度の要員の配置を検討しているほか、さまざまな分野の専門知識を有する外部人財を積極的に採用するなどの取り組みを実施していく。

 安定供給の継続に加え、カーボンニュートラルの実現に向けて、ゼロエミッション電源である原子力発電は重要な電源の一つと考えており、原子力事業者として信頼していただけるよう、原子力改革を断行し、信頼の回復に努めていく。

 

ホ.当社グループの事業戦略と収益力向上への取り組み

 エネルギー利用のあり方において、自家発電・自家消費や地産地消といったお客さま側での分散・自立型の設備形成の動きが加速していく。こうした社会的要請をビジネスにつなげていくため、電気の供給・販売を中心とした事業にとどまらず、電化設備等の導入から長期運用まで含めたエネルギーサービスを提供していくモデルへと事業構造を変革していく。

 さらに、蓄電池や電動車両を用いたエネルギーサービスを、家庭・法人のお客さまの範囲を超えて地域社会やコミュニティに展開し、カーボンニュートラルで災害に強いまちづくりの実現に取り組んでいく。

 これらの施策を強力に推進していくため、組織体制の整備や技術開発をすすめるとともに、自治体との連携、他企業とのアライアンスの推進をはかっていく。

 

[フュエル&パワー]

 東京電力フュエル&パワー株式会社は、カーボンニュートラルに対する潮流の高まりや、新型コロナウイルスのまん延、ウクライナ情勢を背景にした燃料価格の世界的な高騰など、株式会社JERAを取り巻く事業環境が急激に変化していることを踏まえ、同社における事業計画の策定への関与と事業計画の進捗に対するモニタリングなどによる質の高いコミュニケーションを通じて、株主として適切なガバナンスを実施していく。特に事業計画の策定にあたっては、計画の進捗管理や長期トレンドの把握を通じて抽出した課題を共有するとともに、その課題への対策が株式会社JERAの経営に随時、柔軟に反映されるよう、支援・監督していく。

 

[パワーグリッド]

 省エネルギーの進展等により、託送事業の規模・収入が伸び悩む可能性がある一方で、送配電ネットワーク設備は更新時期に入りつつあり、これらの修繕・更新・革新を効率的にすすめる必要がある。こうした状況下でも、安定的かつ低廉な電力供給を支え続けるため、送配電ネットワークを健全な状態で効率的に維持し続け、その強靭性も高めていく。レジリエンス強化に加え、カーボンニュートラル、電化などの課題解決にあたり、他企業との協業・連携により送配電ネットワークの新たな価値の創造に挑戦するとともに、人財、設備、データという面的に広がる経営資源を活用して事業領域をさらに拡大し、世の中の変化に的確に対応して、持続的に成長していく。

 また、2022年度も夏季・冬季ともに厳しい需給見通しが示されているなか、関係機関と連携して供給力対策をすすめるなど、今後とも電力の安定供給確保に努めていくとともに、よりわかりやすい需給状況の発信や、需給ひっ迫レベルの判断方法と迅速な情報公開の改善に向け、取り組んでいく。

 なお、新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、出社前の検温、通勤・就業時におけるマスク着用やリモートワークの推進等の徹底した感染予防策を講じ、電力の供給等に影響が及ばないよう、引き続き適切に対応していく。

 

[エナジーパートナー]

イ.販売戦略全体

 依然として厳しい電力小売事業の競争や変化の激しいエネルギー情勢に柔軟に対応しつつ、災害の激甚化や世界的なカーボンニュートラルの流れのなかで変化し続けるお客さまの期待に応えるため、事業構造の転換を図り、お客さまへ新たな価値を提供していく。

 法人分野では、ユーティリティ設備全体に係るエネルギーサービスの展開などを通じて、従前からの「省エネ」・「省コスト」に加え、「安心」・「省力化」の価値を提供するとともに、カーボンニュートラルの価値提供を実現するため、東京電力エナジーパートナーグループの再生可能エネルギーやグリーン電力証書の最適な組み合わせの提案などを行っていく。

 家庭分野では、「エネカリプラスサービス」に新技術を組み合わせることなどによりサービスを拡充し、より一層の「安心」の価値などを提供していく。

 

ロ.燃料価格高騰を受けた対応

 燃料価格の高騰が続き、経営環境は予断を許さない状況にあるものの、引き続き動向を注視しながら、グループ一丸となって安定供給に向け最大限努力していく。燃料市況や需給状況の見通しが不透明な当面の間においては、エネルギーの効率的なご使用について積極的に情報発信するとともに、お客さまのサポートに努めていく。

 東京電力エナジーパートナー株式会社は、お客さまがエネルギーに対して期待する、「安心」「カーボンニュートラル」「省エネ」「省力化」を新たな価値として届けるために営業活動を展開しているが、エネルギーの省エネ・省力化を推進していくにあたり、お客さまの省エネルギーの取り組みをサポートすることを目的とした「TEPCO省エネプログラム2022」(以下、「当プログラム」という。)を実施していく。

 当プログラムは、昨今のウクライナ情勢の影響等を背景とした世界的な燃料費の高騰や、それに伴う卸電力市場価格の高騰影響などにより、燃料市況や需給の見通しが不透明な状況の中、より多くのお客さまに参加いただきながら、省エネを実践いただくサポートプログラムである。

 第1弾として「夏の節電チャレンジ2022」「わたしの省エネ行動宣言」の2つのアクションへ、指定の電気料金プランに加入中のお客さまを対象に参加いただいているが、今後はより幅広いお客さまにご参加いただく。

 また、賢く省エネに取り組めるコンテンツや季節に合わせた節電情報等を、Web等を通じてご提供していくことで、社会全体の省エネルギーを推進していく。

 法人分野では、業種・業態に合わせた、「無理のない節電」の実施をご支援させていただくため、様々なシーンごとの節電ポイントをまとめたリーフレット等を作成し発信していく。なお、今後想定される需給ひっ迫時の緊急事態に備え、既存のデマンドレスポンスメニューに加え、新たな契約メニューを用意した。

 

[リニューアブルパワー]

 国内水力事業では、引き続き経年水力発電所のリパワリングを通じた発電所の近代化・効率化やAIなどを活用したスマートO&M等に取り組み、事業基盤を一層強化していく。加えて、開発ポテンシャルが高い国・地域において、国内水力事業で培った技術力を活用し、発電所のバリューアップに直結する提案力を活かした開発を推進していく。

 洋上風力事業については、地域に根ざした国内案件の開発を積み重ね、海外も含めた事業展開を行うとともに、今後の普及を見据えた浮体式洋上風力発電の技術開発をすすめるなど、将来の事業展開の礎を築いていく。これらの成長を実現するため、引き続きグリーンボンドの発行を行うとともに、多様な資金調達を検討し、成長投資を着実に実施していく。

 

(注)本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載している。また、必ずしもこれに該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示している。

 当社グループにおいて、取締役及び執行役は、当社及びグループ会社の事業活動に関するリスクを定期的に、また必要に応じて把握・評価し、毎年度の経営計画に適切に反映している。また、グループ全体のリスク管理が適切になされるよう社内規程を整備している。

 当該リスクは、社内規程に従い、業務所管箇所が、職務執行の中で管理することを基本とし、複数の所管に関わる場合は、組織横断的な委員会などで審議の上、適切に管理している。

 経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクについては、執行役社長を委員長とする「リスク管理委員会」において、リスクの現実化を予防するとともに、万一現実化した場合には迅速かつ的確に対応することにより、経営に及ぼす影響を最小限に抑制する。加えて、従業員に対して、関係法令教育や社内規程・マニュアルの教育を定期的に実施している。

 しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にあり、以下のリスクが現実化した場合、事業に大きな影響を与える可能性がある。なお、各リスク項目の記載順序については、事業への影響度や発現可能性などを踏まえて判断した重要度に基づいている。

 本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。

 

①福島第一原子力発電所の廃炉

 

影響度

特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 当社では、「東京電力HD(株)福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に基づき安全・着実かつ計画的に廃炉作業を進めているが、これまでに経験のない燃料デブリの取り出しなど、技術的に不透明で未解明な課題があり、30~40年後の廃止措置が計画通りに進捗しない可能性がある。

 また、廃炉作業では、地域や社会の皆さまのご理解が必要であるが、情報発信の不十分さやヒューマンエラー、トラブルの発生により、地域や社会の皆さまからの信頼が得られず、着実な実施が困難となる可能性がある。

 多核種除去設備等処理水は、政府の基本方針を踏まえ処分する予定であるが、準備工事の遅延や、地域や社会の皆さまからのご理解が得られず、これを着実に実施できない可能性がある。

 これらの廃炉の取り組みが円滑に進まない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

廃炉作業は世界でも前例のない取り組みであり、今後の進むべき大きな目標である中長期ロードマップなどをベースに、徐々に得られる新たな情報や知見を踏まえ「廃炉中長期実行プラン」を策定している。今後も1号機原子炉格納容器内部調査や2号機燃料デブリ試験的取り出しなどから、新たな情報や知見を一つひとつ集め、「廃炉中長期実行プラン」を柔軟に見直し、30~40年後の廃止措置終了に向け、計画的に対応を進めていく。

また、体制面では廃炉推進カンパニー内に「廃炉情報・企画統括室」を設置し、地域や社会の皆さまのことを常に考え、迅速かつ透明性の高い情報発信を行うようにするとともに、保全方法の見直しやリスクの先取りをした対応を取ることにも取り組んでいる。

多核種除去設備等処理水の処分については、政府の基本方針を踏まえ、安全性の確保を大前提に、設備の設計や運用などの検討の具体化を進めていく。また、風評影響を最大限抑制するための取組みを強化・拡充し、地域の皆さま、関係する皆さまのご意見などを丁寧に伺い、適宜対策を講じていく。

さらに、建屋屋根の補修や陸側遮水壁内側におけるフェーシングなど重層的な対策を講じ、汚染水の発生量の抑制を図っていく。

 

 

 

②電気の安定供給

 

影響度

特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 大規模自然災害、設備事故、テロ・暴動などの妨害行為、燃料調達支障、感染症の発生などにより、長時間・大規模停電などが発生し、安定供給を確保できなくなる可能性がある。これらの場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があるとともに、社会的信用を低下させ、事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 電気の安定供給を確保するため、国の関係機関などとも連携し、長期供給計画を策定するとともに、需給対策部会などにより短期的需給状況をきめ細かく確認し、必要な対策を適宜実施している。

 特に昨今の予備率不足や需給ひっ迫に関しては、国や電力広域的運営推進機関とも連携しながら、安定供給維持に向けた供給側の対策及び需要側の対策(デマンドレスポンスなど)についても取り組んでいく。

 自然災害の激甚化・広域化については、電力レジリエンスの強化を軸に据え、内閣府中央防災会議などの被害想定をベースとした設備の補強を促進している。設備事故の未然防止の観点からは、計画的かつ効率的に経年設備の更新を進めることで安定供給の維持に取り組んでいる。テロ・暴動などの妨害行為へは、関係機関との平時からの緊密な連携により備えている。被害軽減の観点からは、複数の送電系統を連携する設備の多重化により、設備の故障時に停電範囲や停電時間を極小化する取り組みを進めるとともに、被災設備の早期復旧に向けては、デジタル技術の積極的活用や、分散型電源として蓄電池・電動車両なども活用した電力供給手段の多様化、復旧資機材の確保や当社グループ一体での災害対応体制の整備、各種ハザードを想定した社内訓練や海上・陸上自衛隊、さらには国・自治体・一般送配電事業者などの関係者との連携・協働の強化などを図っている。

 燃料調達については、引き続き、株式会社JERAにおいて燃料ポートフォリオの柔軟性やJERA Global Marketsによる燃料トレーディングを活用し、可能な限り安定的かつ柔軟な燃料調達に努めていくとともに、当社としてモニタリングに努めていく。

 感染症対策については、引き続き基本的な感染対策の徹底やテレワーク・時差出勤の活用により社員の健康と安全を確保するとともに、感染症拡大に伴うエネルギー産業の構造変化、社会の動向を踏まえたビジネスモデルへの変化についても注視しながら必要な対応を適切に実施していく。

 

 

③原子力発電・原子燃料サイクル

 

影響度

特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 国による原子力政策の見直しや原子力規制委員会による安全規制の見直しなどにより、当社グループの原子力発電事業や原子燃料サイクル事業の運営は影響を受ける可能性があるとともに、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

 原子力発電は、カーボンニュートラル実現に加え、低廉で安定的な電力の供給、レジリエンス強化の観点からも重要な電源であり、二度と過酷事故を起こさないという決意のもと、安全対策の強化や組織の改革に取り組んでいる。しかしながら、2020年度に発生した核物質防護に関する事案や安全対策工事未完了問題などにより、現場での工事や検査といった技術的な対応が長期化したり、立地地域をはじめ広く社会の皆さまからの信頼回復が進まなかった場合、原子力発電の再稼働の見通しが立たず、火力燃料費の増加や不要となる核燃料資産の発生、発電設備の資産性の評価などにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

 使用済燃料の再処理、放射性廃棄物の処分、原子力発電施設などの解体のバックエンド事業については、多額の資金と長期にわたる事業期間が必要になるが、その処理が滞ることなく適切に実施されるよう制度措置がされている。具体的には、使用済燃料の再処理や放射性廃棄物の処分については、それに要する費用を拠出する制度が、また、原子力発電施設などの解体については、それに要する費用を引当金として積み立てる制度が措置されている。こうした国による制度措置などによりバックエンド事業に関する不確実性は低減されているが、制度措置などの見直しや制度外の将来費用の見積額の増加、日本原燃株式会社の六ケ所再処理施設などの稼働状況、同ウラン濃縮施設に係る廃止措置のあり方などにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

対応策

 原子力発電に関しては、発電所の喫緊の課題である核物質防護機能の強化のため、2021年9月に原子力規制委員会へ提出した改善措置計画を着実に遂行するとともに、外部人材の登用を含む人的リソースの拡充を行っていく。また、設備対策へさらなるリソースを投入し、持続的な核セキュリティ向上を図っていく。

 さらに、本社機能の一部を発電所の立地する新潟県柏崎市へと移転し、本社と発電所の一体的な運営により、現場重視の事業運営を進めていく。そして、地域の皆さまの声を発電所運営に活かすことができる体制を構築していく。

 バックエンド事業に関しては、国の政策や関連する制度措置に則って適切に対応していくことで不確実性の低減を図るともに、今後の政策、制度の動向を注視していく。また、六ケ所再処理事業やウラン濃縮事業などの原子燃料サイクル事業の推進に協力していく。

 高レベル廃棄物の最終処分については、当社は、廃棄物の発生者として基本的な責任を有する立場から、お問い合わせ窓口を設置するなど、国や原子力発電環境整備機構(NUMO)と連携しながら、地層処分の実現に向け、理解活動に積極的に取り組んでいる。

 

 

④販売電力量・販売価格

 

影響度

特大

発現可能性

想定されるリスク内容

 販売電力量は、夏季・冬季を中心とした天候や経済活動、生産活動の影響を直接的に受けることに加え、節電や省エネルギー、今後のカーボンニュートラルの進展などによる影響を受ける。

 また、販売価格は、燃料市場や卸電力取引所における取引動向、あるいは小売市場の競争状況による影響を受ける可能性がある。これらにより、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

対応策

 送配電系統からの電力小売販売にとどまらず、カーボンニュートラルの潮流をとらえ、省エネのご提案やお客さまの事業所・工場やご自宅への発電設備や蓄電設備、高効率機器の導入などのお客さまのニーズに応えるサービスをご提案・ご提供していく。

[家庭分野のお客さま]

 太陽光発電、EV、エコキュートなどの電化設備のサブスク型サービスや、新しい電気料金プランをパッケージで提供することにより、環境に優しい電気をいつでも安心してご利用いただける姿を実現していく。

[法人分野のお客さま]

 電気の供給のみならず、お客さま設備まで入り込み、ユーティリティ設備全体のエネルギーサービスを展開していく。加えて、環境への配慮を強く意識されるお客さまに対しては、一層のカーボンニュートラル価値の提供に取り組んでいく。

 販売価格については、料金に電源調達にかかる費用変動などを適正に反映していく。

 

⑤火力発電用燃料価格

 

影響度

特大

発現可能性

想定されるリスク内容

LNG、原油、石炭などの価格は、燃料国際市況や外国為替相場の動向などにより変動し、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。特にウクライナ情勢を受けた全世界的な燃料価格の高騰により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

ただし、一定の範囲内の燃料価格の変動については、燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、業績への影響は緩和される。

対応策

 株式会社JERAにおいては、世界最大級の調達規模を梃子に構築している価格競争力、価格変動リスク対応力に優れた燃料ポートフォリオ、JERA Global Marketsによる燃料トレーディング及び先物市場におけるヘッジの活用などにより燃料価格変動に伴うリスク対応に努めていく。

 東京電力エナジーパートナーにおいては、電力デリバティブを活用したヘッジ取引の導入などによりリスクを適切に管理しつつ、調達先の拡大などによりコスト削減を進め、競争力の高い電源ポートフォリオを構築していく。

 

⑥電気事業制度・エネルギー政策変更

 

影響度

特大

発現可能性

想定されるリスク内容

 電気事業における制度変更を含めたエネルギー政策の見直し、地球温暖化に関する環境規制の強化など、当社グループを取り巻く環境の変化により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

対応策

 エネルギー政策や電気事業に係る制度、環境規制に関する動向など必要な情報を網羅的・積極的に収集し、関係箇所で連携しながら様々な場を通じて当社グループの考え方を説明するとともに、必要な対応を実施していく。

 

 

⑦安全確保・品質管理・環境汚染防止

 

影響度

大-特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 当社グループは、安全確保、品質管理、環境汚染防止、透明性・信頼性の高い情報公開の徹底に努めているが、作業ミス、法令・社内ルール違反などによる事故や人身災害、大規模な環境汚染の発生、不適切な広報・情報公開により、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 当社グループは、企業の社会的責任を果たすため「東京電力グループ企業行動憲章」を制定し、安全の最優先と企業倫理の徹底のもと、高い倫理意識をもって法令やルールを遵守し、誠実に行動することにグループ一体となって取り組んでいる。

 事業活動のあらゆる場面において安全を最優先に掲げ、安全管理の取り組みについて、法令の遵守及び安全活動に実効性があるルール・施策を策定・展開し、継続的に評価・改善している。

 品質管理や環境管理についても、規程・マニュアルなどにより遵守すべきルールを定め徹底するとともに、内部監査などによりその遵守状況を確認し、必要な改善を適宜実施している。

 情報公開については、お客さまや地域、社会の皆さまに必要な情報が正確に迅速に伝わることを意識して取り組んでいる。

 原子力事業は、管理者が現場における設備・人の状況を定期的に確認・改善するなど、現地現物を重視した安全・品質の向上に取り組んでいる。また、外部専門家による指導・助言なども踏まえて、取り組みを継続的に改善していく。

 

⑧企業倫理遵守

 

影響度

大-特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 当社グループは、企業倫理を遵守した業務運営を定着させるための取り組みに努めているが、法令違反などの企業倫理に反した行為が発生した場合、当社グループへの社会的信用が低下するなど、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。また、原子力事業においては、安全文化醸成の方針のもと、従事者に具体的に求められる行動を明確化し、一人ひとりが実践できるよう教育や対話活動などに取り組んでいる。しかしながら、これらの取り組みが不十分な場合には、当社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 「東京電力グループ企業行動憲章」及び「東京電力グループ企業倫理遵守に関する行動基準」を定め、会社としての方向性や役員・社員が遵守すべき具体的行動を明確にするとともに、社長を委員長とし社外有識者を含めた委員で構成する東京電力グループ企業倫理委員会を設置し、企業倫理の定着を図るための諸施策の審議・決定及びその実践状況について指導・助言を受け、組織毎に企業倫理責任者・企業倫理担当者を配置することにより、東京電力グループ一体となった定着活動を実施している。

 また、定期的に実施する意識調査において定着度合いを確認し、その結果を踏まえ、今後の活動方針を決定している。さらに、東京電力グループ大で利用できる企業倫理相談窓口を社内外に設置し、グループ全体で企業倫理に反する行為の未然防止を図っている。

 原子力事業においては、柏崎刈羽原子力発電所における核物質防護事案などを受け、経営層と所員による対話活動やそれによる「柏崎刈羽原子力発電所の志」の作成、外部人材の登用により、内部コミュニケーションや所員のモチベーションの改善を行い、地域の皆さまから信頼される発電所を実現するための取り組みを行っている。

 

⑨情報管理・セキュリティ

 

影響度

大-特大

発現可能性

想定されるリスク内容

 当社グループは、大量のお客さま情報をはじめ、業務上の重要な情報を保有している。社内規程の整備や、社員教育などを通じ情報の厳正な管理に留意しているが、サイバー事案などにより、これらの情報の流出などが発生した場合には、当社グループの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 高度化、巧妙化するサイバー事案に対処するため、防御対策、常時監視、対応・復旧訓練などあらゆる手段を用いてセキュリティ強化に努めている。

 また、お客さま情報の保護は特に重要であると認識しており、外部記憶媒体への情報書き出しを制限するなどのシステム上の対策を実施するとともに、情報流出などによって生じるお客さまや社会への影響について社員へ教育・啓発している。

 

 

⑩四次総特に基づく経営改革

 

影響度

大-特大

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

 当社グループは、福島への責任を果たしていくため、賠償・廃炉の資金確保や企業価値の向上を目指して、生産性改革、再編・統合を含めた連携などの推進及び事業基盤の強化などの非連続の経営改革に取り組んでいくとともに、原子力発電所を運営する主体として、地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまからの信頼回復の取り組みを最優先事項として位置付け、抜本的な改革に取り組んでいくが、信頼回復が十分に進まず、経営改革が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績、財政状態及び事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 四次総特に基づく経営改革を実現していくために、責任者・期限・達成すべき内容などをアクションプランとして作成し、取り組みを進めている。また、各アクションプランの進捗状況については重要度に応じたモニタリングを実施し、PDCAを回すことで計画を達成していく。

 地域の皆さまをはじめ広く社会の皆さまからの信頼回復に向けて、経営層を含む組織全体で自己の弱点・課題を認識し、自律的に改善が進む組織になるよう原子力をはじめ経営改革を着実に進めるとともに、カイゼンを基軸とした生産性改革などによる経営合理化や、カーボンニュートラルや防災を軸とした新たな価値の提供などにより、企業価値の向上を実現していく。

 

⑪原子力損害賠償・廃炉等支援機構による当社株式の引き受け

 

影響度

発現可能性

中-高

想定されるリスク内容

当社は、2012年7月31日に原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」という。)を割当先とする優先株式(A種優先株式及びB種優先株式。以下A種優先株式及びB種優先株式をあわせて「本優先株式」という。)を発行した。A種優先株式には、株主総会における議決権のほか、B種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。また、B種優先株式には、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会における議決権は付されていないが、A種優先株式及び普通株式を対価とする取得請求権が付されている。

 機構は、本優先株式の引受けにより総議決権の2分の1超を保有しており、株主総会における議決権行使などにより、当社グループの事業運営に影響が生じる可能性がある。今後、機構によりB種優先株式のA種優先株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合、又は本優先株式について、普通株式を対価とする取得請求権の行使がなされた場合には、既存株式の希釈化が進む可能性がある。特に、普通株式を対価とする取得請求権が行使された場合には、既存株式の希釈化が進む結果として、持株会社である当社の株価が下落する可能性があるほか、当該普通株式を機構が市場売却した場合には、売却時の市場環境などによっては、さらに持株会社である当社の株価に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

当社グループ一体となって福島への責任貫徹を第一に、社会からの信頼回復、 企業価値向上に向けて、引き続き最大限の努力を行っていく。

 

⑫お客さまサービス

 

影響度

発現可能性

想定されるリスク内容

当社グループは、お客さまサービスの向上に努めているが、法令に反するお客さま応対などにより、お客さまの当社グループのサービスへの満足度や社会的信用が大きく低下し、当社グループの業績、財政状態及び円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性がある。

対応策

当社グループは、2021年7月に新経営理念を定め、四次総特に示す具体的戦略の実現に向けて、お客さまのために変革を恐れず挑戦する新たな企業文化を確立し、信頼され、選ばれ続ける企業になることを目指している。

 販売活動などを担う東京電力エナジーパートナーにおいては、お客さまサービスの向上のために、実務に即した研修・教育やスクリプトの整備などを行うとともに、電話・訪問の機会を通じて収集した「お客さまの声」を業務改善に活かし、主な改善事例をホームページに掲載している。

 また、東京電力エナジーパートナー社長を委員長とする営業品質管理委員会にて社内横断的に取り組みの評価、改善方針の立案を行い、CX向上室が各部署の改善の取り組みに対する支援と牽制の役割を担い、不適切事例の発生防止に努めている。

 

 

⑬気候変動等に関する取り組み

 

影響度

発現可能性

想定されるリスク内容

当社グループは、「販売電力由来のCO排出量を2013年度比で2030年度に50%削減」「2050年におけるエネルギー供給由来のCO排出実質ゼロ」という目標を宣言し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて貢献できるよう挑戦しているが、規制見直し・強化、系統対策コストの増加、分散型電源の増加や脱炭素な電気を求める市場ニーズによる販売電力量の低下などにより、当社グループの業績、財政状態及び事業運営、企業イメージに影響を及ぼす可能性がある。

また、ESGに関連した投資者の行動変化などにより、当社グループの業績、財政状態及び事業運営、企業イメージに影響を及ぼす可能性がある。

対応策

 長期的な安定供給とCO削減を両立させつつ、ビジネスの軸を「カーボンニュートラル」にシフトし、当社グループ一体となり再エネ電源などのゼロエミッション電源の開発とエネルギー需要の電化促進の両輪での取り組みを展開していく。

 具体的には、「エリアエネルギーイノベーション事業室」を設置し、「カーボンニュートラルで災害に強い“まちづくり”を通じ、安心で快適なくらしを実現する事業」を推進していく。また、電化設備・ユーティリティ設備の導入から長期運用まで含めたエネルギーサービスを軸に、防災・防犯といった安心で快適なくらしを実現するサービスを、家庭・法人のお客さまの範囲を超え、社会・コミュニティなどまで含め面的に提供し、さまざまなビジネスパートナーとの連携強化を図っていく。

 さらに、ESG委員会やESG担当役員の設置など世界的なESGの潮流を経営に取り込む体制を整備し、ESG課題の抽出と対策、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に則ったESG情報開示の充実及び株主・投資家の皆さまとのエンゲージメントにも取り組んでいる。

 

⑭金融市場の動向

 

影響度

発現可能性

想定されるリスク内容

 企業年金資産などにおいて保有している国内外の株式や債券は、株式市況や債券市況などにより時価が変動することから、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。また、支払利息に関しては、今後の金利動向などにより影響を受けることがある。

対応策

 企業年金資産の分散投資や、確定拠出年金制度の導入による退職給付債務の削減を通じて、当社グループ全体での財務リスクの軽減を図り、業績への影響緩和に努めている。

 また、支払利息に関しては、固定金利の社債発行で資金調達を実施するなど、金利変動リスクの低減に努めている。

 

⑮電気事業以外の事業

 

影響度

発現可能性

想定されるリスク内容

 当社グループは、海外事業を含む電気事業以外の事業を実施している。これらの事業は、当社グループの経営状況の変化、他事業者との競合の進展、規制の強化、外国為替相場や燃料国際市況その他の経済状況の変動、政情不安、制度変更、自然災害などにより、投融資時点で想定した結果をもたらさない可能性がある。この場合、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性がある。

対応策

 新たな事業領域への投資などについては、四次総特における事業ポートフォリオの戦略に基づき、一定の経営資源の範囲内で優先順位付けを行い実施している。個別のプロジェクトの投資判断については、予め設定したハードルレート基準に従い、投資管理委員会においてプロジェクトの収益性や戦略性などを評価し投資判断を行っている。事業開始後のプロジェクトについては四半期ごとのモニタリングを行っており、不採算の事業は撤退・縮小するなど、選択と集中を行い投資パーフォーマンスの向上を図っている。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態

[資産・負債・純資産]

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ7,603億円増加し、12兆8,535億円となった。これは、現金及び預金が増加したことなどによるものである。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ6,809億円増加し、9兆6,313億円となった。これは、社債、短期借入金が増加したことなどによるものである。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ793億円増加し、3兆2,221億円となった。これは、その他の包括利益累計額の増加などによるものである。この結果、自己資本比率は24.9%と前連結会計年度末に比べ0.9ポイント低下した。

 

ロ.経営成績

[概要]

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比9.5%減の5兆3,099億円、経常利益は同76.3%減の449億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同96.9%減の56億円となった。

[売上高]

 当連結会計年度における各セグメントの売上高(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが6,200億円(前連結会計年度比0.7%減)、フュエル&パワーが51億円(前連結会計年度比40.9%減)、パワーグリッドが1兆9,623億円(前連結会計年度比2.1%減)、エナジーパートナーが4兆3,606億円(前連結会計年度比13.4%減)、リニューアブルパワーが1,531億円(前連結会計年度比6.7%増)となった。

 総販売電力量は、前連結会計年度比1.0%増の2,338億kWhとなった。

[経常利益]

 当連結会計年度における各セグメントの経常損益(セグメント間取引消去前)は、ホールディングスが730億円(前連結会計年度△79億円)、フュエル&パワーが96億円(前連結会計年度比86.2%減)、パワーグリッドが1,183億円(前連結会計年度比30.0%減)、エナジーパートナーが△664億円(前連結会計年度64億円)、リニューアブルパワーが459億円(前連結会計年度比4.5%減)となった。

[親会社株主に帰属する当期純利益]

 当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、特別利益に原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,166億円を計上した一方、特別損失に原子力損害賠償費1,177億円や、インバランス収支還元損失158億円、また、2022年3月16日に福島県沖で発生した地震により、被災した資産の復旧等に要する費用として、災害特別損失128億円を計上したことなどから、140億円となった。ここに、法人税、住民税及び事業税80億円、法人税等調整額△4億円、非支配株主に帰属する当期純利益8億円を計上し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、56億円となった。なお、1株当たり当期純利益は3円52銭となった。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,075億円(89.7%)増加し、8,618億円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の収入は、前連結会計年度比69.5%増の4,064億円となった。これは、購入電力料の支出が減少したことなどによるものである。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の支出は、前連結会計年度比3.0%減の5,597億円となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の収入は、5,605億円(前連結会計年度は203億円の支出)となった。これは、短期借入れによる収入が増加したことなどによるものである。

 

③ 生産及び販売の実績

 当社グループは、原子力発電等を行う「ホールディングス」、火力発電等を行う「フュエル&パワー」、送電・変電・配電による電力の供給等を行う「パワーグリッド」、電気の販売等を行う「エナジーパートナー」及び再生可能エネルギー発電等を行う「リニューアブルパワー」の5つのセグメントがコスト意識を高めるとともに自発的に収益拡大に取り組みつつ、一体となって電気事業を運営している。加えて、電気事業が連結会社の事業の大半を占めており、また、電気事業以外の製品・サービスは多種多様であり、受注生産形態をとらない製品も少なくないため、生産及び販売の実績については、電気事業のみを記載している。

 

イ.発電実績

種別

2021年度

(百万kWh)

前年同期比

(%)

水力発電電力量

13,662

109.3

火力発電電力量

157

99.3

原子力発電電力量

新エネルギー等発電電力量

66

117.8

発電電力量合計

13,886

109.2

 (注)1.上記発電実績には、連結子会社の一部を含んでいる。

2.2019年4月1日付けで㈱JERAが承継会社となり、東京電力フュエル&パワー㈱の燃料受入・貯蔵・送ガス事業及び既存火力発電事業等を吸収分割により承継させた。これにより、火力発電電力量は東京電力パワーグリッド㈱の離島における発電電力量である。

 

ロ.販売実績

(a) 総販売電力量

種別

2021年度

(百万kWh)

前年同期比

(%)

 

小売販売電力量

186,494

91.1

卸販売電力量

47,318

176.4

総販売電力量

233,812

101.0

(注)連結子会社の一部を含んでいる。

 

(b) 電気料収入

種別

2021年度

(百万円)

前年同期比

(%)

電気料収入

3,310,453

86.6

(注)1.連結子会社の一部を含んでいる。

2.電気料収入は小売販売電力量に相当する。

 

   (c) 託送収入

種別

2021年度

(百万円)

前年同期比

(%)

託送収益

1,548,254

95.7

(注)セグメント間取引消去前。

 

 

 

 

 

④ 託送供給料金

 東京電力パワーグリッド株式会社は、2020年7月28日、電気事業法第18条第1項に規定された「託送供給等約款」の変更に係る認可申請(電気事業法施行規則第45条の21の2及び第45条の21の5の規定による経済産業大臣からの通知並びに原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律附則第3条第3項の規定による積立ての終了に基づく新たな料金を設定)を経済産業大臣に行い、2020年9月4日に経済産業大臣の認可を受け、2020年10月1日から実施している。なお、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経済・社会情勢に配慮し、託送料金引上げ相当分の適用期間の始期及び終期を1年間延期することとし、料金は2020年10月1日から1年間据え置き、2021年10月1日から1kWhあたり+0.03円の見直しをしている。

 約款実施の日から2021年9月30日までの期間における主要託送供給料金は下記のとおりである。

 

託送供給料金表

(消費税等相当額を含む料金単価)

 

 

単位

料金単価(円)

接続送電サービス

低圧

電灯定額接続送電サービス

電灯

料金

10Wまで

1灯    1か月につき

35.54

10W超過 20Wまで

71.09

20W 〃 40W 〃

142.19

40W 〃 60W 〃

213.28

60W 〃 100W 〃

355.47

100W 〃 100Wまでごとに

355.47

小型

機器

料金

50VAまで

1機器   1か月につき

106.17

50VA超過 100VAまで

212.34

100VA 〃 100VAまでごとに

212.34

電灯標準接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

214.50

SB・主開閉器契約

1kVA  1か月につき

143.00

SB契約;5Aの場合

1契約   1か月につき

71.50

SB契約;15Aの場合

214.50

電力量料金

1kWhにつき

7.45

電灯

時間帯別接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

214.50

SB・主開閉器契約

1kVA  1か月につき

143.00

SB契約;5Aの場合

1契約   1か月につき

71.50

SB契約;15Aの場合

214.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

8.20

夜間時間

  〃

6.55

電灯従量接続送電サービス

  〃

10.97

動力標準接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

704.00

主開閉器契約

445.50

電力量料金

1kWhにつき

5.17

 

 

 

 

単位

料金単価(円)

接続送電

サービス

低圧

動力

時間帯別接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

704.00

主開閉器契約

445.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

5.69

夜間時間

4.57

動力従量接続送電サービス

16.71

高圧

高圧標準

接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

555.50

電力量料金

1kWhにつき

2.34

高圧

時間帯別接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

555.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

2.57

夜間時間

2.04

高圧従量接続送電サービス

  〃

11.45

ピークシフト割引

1kW   1か月につき

471.90

特別

高圧

特別

高圧標準接続送電サービス

基本料金

379.50

電力量料金

1kWhにつき

1.30

特別高圧時間帯別接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

379.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

1.39

夜間時間

1.17

特別高圧従量接続送電サービス

7.52

ピークシフト割引

1kW   1か月につき

322.30

予備送電サービス

高圧

予備送電サービスA

71.50

予備送電サービスB

88.00

特別

高圧

予備送電サービスA

66.00

予備送電サービスB

77.00

近接性

評価割引

受電電圧が標準電圧6,000V以下の場合

1kWhにつき

0.69

受電電圧が標準電圧6,000Vをこえ140,000V以下の場合

0.41

受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合

0.21

 

(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、

需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。

2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。

3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。

4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。

5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。

 

      なお、2021年10月1日以降における主要託送供給料金は下記のとおりである。(2021年4月1日実施の託送供給等約款にて一部メニュー単価を誤って変更したため、2021年7月に当該部分の変更を取り消し)

 

託送供給料金表

(消費税等相当額を含む料金単価)

 

 

単位

料金単価(円)

接続送電サービス

低圧

電灯定額接続送電サービス

電灯

料金

10Wまで

1灯    1か月につき

35.67

10W超過 20Wまで

71.34

20W 〃 40W 〃

142.71

40W 〃 60W 〃

214.05

60W 〃 100W 〃

356.76

100W 〃 100Wまでごとに

356.76

小型

機器

料金

50VAまで

1機器   1か月につき

106.56

50VA超過 100VAまで

213.11

100VA 〃 100VAまでごとに

213.11

電灯標準接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

214.50

SB・主開閉器契約

1kVA  1か月につき

143.00

SB契約;5Aの場合

1契約   1か月につき

71.50

SB契約;15Aの場合

214.50

電力量料金

1kWhにつき

7.48

電灯

時間帯別接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

214.50

SB・主開閉器契約

1kVA  1か月につき

143.00

SB契約;5Aの場合

1契約   1か月につき

71.50

SB契約;15Aの場合

214.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

8.23

夜間時間

  〃

6.58

電灯従量接続送電サービス

  〃

11.00

動力標準接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

704.00

主開閉器契約

445.50

電力量料金

1kWhにつき

5.20

動力

時間帯別接続送電サービス

基本

料金

実量契約

1kW   1か月につき

704.00

主開閉器契約

445.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

5.72

夜間時間

4.60

動力従量接続送電サービス

16.74

 

 

 

単位

料金単価(円)

接続送電

サービス

高圧

高圧標準

接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

555.50

電力量料金

1kWhにつき

2.37

高圧

時間帯別接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

555.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

2.60

夜間時間

2.07

高圧従量接続送電サービス

  〃

11.48

ピークシフト割引

1kW   1か月につき

471.90

特別

高圧

 

特別

高圧標準接続送電サービス

基本料金

379.50

電力量料金

1kWhにつき

1.33

特別高圧時間帯別接続送電サービス

基本料金

1kW   1か月につき

379.50

電力量料金

昼間時間

1kWhにつき

1.42

夜間時間

1.20

特別高圧従量接続送電サービス

7.55

ピークシフト割引

1kW   1か月につき

322.30

予備送電サービス

高圧

予備送電サービスA

71.50

予備送電サービスB

88.00

特別

高圧

予備送電サービスA

66.00

予備送電サービスB

77.00

近接性

評価割引

受電電圧が標準電圧6,000V以下の場合

1kWhにつき

0.69

受電電圧が標準電圧6,000Vをこえ140,000V以下の場合

0.41

受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合

0.21

(注)1.上記契約種別のほか、臨時接続送電サービス、発電量調整受電計画差対応電力、接続対象計画差対応電力、

需要抑制量調整受電計画差対応電力、給電指令時補給電力がある。

2.SBとは、電流制限器又はその他適当な電流を制限する装置。

3.時間帯別接続送電サービスにおける「昼間時間」とは、毎日午前8時から午後10時までの時間をいい、「夜間時間」とは、「昼間時間」以外の時間をいう。ただし、日曜日、祝日(「国民の祝日に関する法律」に規定する休日)及び1月2日・3日、4月30日、5月1日・2日、12月30日・31日は、全日「夜間時間」扱いとする。

4.近接性評価割引とは、近接性評価地域に立地する発電場所における発電設備を維持し、及び運用する発電契約者から当該発電設備に係る電気を受電し、接続供給を利用する場合に行う割引をいう。

5.これまで近接性評価割引対象とされていた地域において、現に割引の適用を受けている電源についても、暫定的に、引き続き割引くこととし、受電電圧が標準電圧140,000Vをこえる場合の単価を適用する。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものである。

 

① 経営成績等

 当連結会計年度の当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞による電力需要の落ち込みからの回復がみられたものの、ウクライナ情勢を受けた世界的な燃料価格の高騰や小売事業におけるさらなる競争の激化などにより、一層厳しい状況にある。

 こうした状況のなか、当社グループは、福島への責任を貫徹するため、第四次総合特別事業計画に基づき、信頼回復に最優先で取り組むとともに、カイゼン活動をはじめとした経営合理化をすすめたほか、「カーボンニュートラル」や「防災」を軸とした事業を展開し、収益力と企業価値の向上に努めてきた。

 当社グループの当連結会計年度の小売販売電力量は、厳しい競争の継続や気温の影響などにより、前連結会計年度比8.9%減の1,865億kWhとなったが、卸販売電力量が増加したことから、総販売電力量は、前連結会計年度比1.0%増の2,338億kWhとなった。

 当連結会計年度の連結収支については、収益面では、収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用などにより、売上高(営業収益)は前連結会計年度比9.5%減の5兆3,099億円となり、その他の収益を加えた経常収益合計は10.1%減の5兆3,744億円となった。

 一方、費用面では、原子力発電が引き続き全機停止するなか、グループをあげたコスト削減の徹底などにより、経常費用合計は前連結会計年度比7.9%減の5兆3,294億円となった。

 この結果、経常利益は前連結会計年度比76.3%減の449億円となった。

 また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの資金交付金1,166億円を特別利益として計上する一方、原子力損害賠償費など1,464億円を特別損失として計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は56億円となった。

 当連結会計年度の自己資本比率については前連結会計年度の25.8%から24.9%に、デット・エクイティ・レシオについては前連結会計年度の1.56から1.70となった。また、資本効率の指標であるROE/ROAについては、それぞれ0.2%/0.4%となった。

当連結会計年度における各セグメントの業績(セグメント間取引消去前)は次のとおりである。
[ホールディングス]

 売上高(営業収益)は、前連結会計年度と同水準の6,200億円(前連結会計年度比0.7%減)となった。

 また、基幹事業会社からの受取配当金が増加したことなどから、経常利益は前連結会計年度比809億円増の730億円となった。

[フュエル&パワー]

 持分法適用関連会社である株式会社JERAが、燃料費調整制度に起因する期ずれによる悪化影響を受け減益となったことなどから、経常利益は前連結会計年度比86.2%減の96億円となった。

[パワーグリッド]

 託送収入が減少したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比2.1%減の1兆9,623億円となった。

 加えて、修繕費や固定資産除却費が増加したことなどから、経常利益は前連結会計年度比30.0%減の1,183億円となった。

[エナジーパートナー]

 新たな会計基準の適用に加え、競争の激化や小売販売電力量の減少などにより、売上高(営業収益)は前連結会計年度比13.4%減の4兆3,606億円となった。

 加えて、燃料価格高騰等による調達コストが増加したことなどから、経常損益は前連結会計年度比729億円減の664億円の損失となった。

[リニューアブルパワー]

 販売電力料収入が増加したことなどから、売上高(営業収益)は前連結会計年度比6.7%増の1,531億円となった。

 一方、固定資産税が増加したことなどから、経常利益は前連結会計年度比4.5%減の459億円となった。

 

 

 電力需要へのコロナ影響は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置はあったものの、前年同期と比較すると緩やかな回復傾向がみられた。

 当連結会計年度のエリア需要は、前年同期比で24億kWh(0.9%)程度の増加となった。新型コロナウイルスの影響分を正確に算定することは難しいが、一定の仮定をおいた試算を行うと、エリア電力需要は前年同期比で36億kWh程度が新型コロナウイルス影響の反動増分と考えられる。

 小売販売電力量については、競争激化等により前年同期比で182億kWh(9%)程度の減少となった。新型コロナウイルスの影響分を正確に特定することは難しいが、一定の仮定を置いた試算を行うと、新型コロナウイルス影響の需要減影響の反動増は前年同期比で19億kWh程度と考えられる。

 長期的な構造変化も含めた、全体的な電力需要への影響について、楽観視することなく影響を注視しつつ、引き続き電力の安定供給維持に努める。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況

イ.キャッシュ・フロー等

(a) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

 

(b) 有利子負債

 2022年3月31日現在の社債、長期借入金、短期借入金については、以下のとおりである。

 

当連結会計年度(2022年3月31日)

 

1年以内

(百万円)

1年超

2年以内

(百万円)

2年超

3年以内

(百万円)

3年超

4年以内

(百万円)

4年超

5年以内

(百万円)

5年超

(百万円)

社債

473,835

260,000

230,806

210,000

190,000

1,735,769

長期借入金

23,765

57,102

28,091

10,657

2,718

47,100

短期借入金

2,170,398

合計

2,668,000

317,102

258,897

220,657

192,718

1,782,869

 上記については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)2.金融商品の時価等に関する事項(注2)社債、長期借入金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額」にも記載。

 

ロ.財務政策

 当社グループとして、総合特別事業計画(2012年5月に主務大臣より認定。)において機構から1兆円の出資を受けるとともに、取引金融機関に対し追加与信及び借換え等による与信を維持することなどをお願いしており、ご協力をいただいている。これらの機構や金融機関の支援・協力のもとで、自己資本比率の改善、公募社債市場への復帰を2017年3月に実現しており、 2021年度はパワーグリッドにおいて4,500億円の公募社債を発行し、リニューアブルパワーにおいて400億円のグリーンボンドを発行した。引き続き社債の発行を継続するなど、当社グループの自律的な資金調達力の回復もはかっていく。

 金融機関からの借入金や社債の発行により調達した資金は、電気事業等に必要な設備資金、借入金返済及び社債償還等に充当している。設備投資計画については、「第3 設備の状況」のとおりであり、借入金返済及び社債償還の予定については、「② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況 イ.キャッシュ・フロー等 (b) 有利子負債」のとおりである。

 また、当社グループでは、グループ全体でより効率的な資金の運用を図る観点からグループ金融制度を採用している。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等

  四次総特のとおり、賠償・廃炉に関して、当社グループ全体で年間約5,000億円程度の資金を確保する。加えて、年間約4,500億円規模の利益創出も可能な収益基盤を目指す。

  当連結会計年度における経常利益は449億円となった。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

5【研究開発活動】

 当社グループの技術開発については、「東京電力ホールディングス㈱福島第一原子力発電所の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」並びに「四次総特」に基づき、「中長期ロードマップに基づいた廃炉の推進に向けた技術開発」、「原子力安全の確保と電気の安定供給の達成に資する技術開発」及び「カーボンニュートラル実現に向けた技術開発」を中心として取り組んでいる。

 当連結会計年度の研究開発費の総額は、18,160百万円である。なお、セグメント毎の研究開発費の内訳は、ホールディングスが8,611百万円、パワーグリッドが7,870百万円、エナジーパートナーが1,048百万円、リニューアブルパワーが630百万円である。