文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針、経営環境
当社グループは、2016年3月に策定した「関西電力グループビジョン」のありたい姿の実現に向けて、これまで2016年4月に策定した実行計画「関西電力グループ中期経営計画(2016-2018)」のもと、グループの総力を結集し電力の安全・安定供給の全うに努めるとともに、電力・ガスの小売全面自由化等の厳しい競争環境の中でも着実に成果を上げ、この中期経営計画に掲げた2018年度の財務目標についても概ね達成することができた。
さらには、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献に対する要請が高まる中、厳しい競争に打ち勝つための取組みを徹底しつつ、将来を見据えてあらゆる分野で変革に取り組むことで、お客さまや社会に新たな価値を提供していきたいと考え、当社グループは、このたび、その実現に向けた3ヵ年の実行計画として、新たに「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」を策定した。
(2)財務目標(連結)(2019年3月公表)
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項目 |
2019~2021年度 |
2028年度(目指す水準) |
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経常利益 |
3ヵ年平均 2,000億円 以上 |
3,000億円 以上 |
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自己資本比率 |
20% 以上 |
30% 以上 |
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ROA(注) |
3ヵ年平均 3.0% 以上 |
4.0% 以上 |
(注)事業利益〔経常利益+支払利息〕÷総資産〔期首・期末平均〕
(3)経営課題
2030年代に向けて、「脱炭素化」「分散化」「デジタル化」の3つの「D」に、「電化(Denka)」を加えた「3D+D」を軸に社会が変わる中、この新たな中期経営計画においては、「将来を見据え、一歩先へ。FORWARD!!!」をキーフレーズに、これまで培った「強み」を活かして、将来の社会の変化に先手を打った取組みを進めていくことで、エネルギー分野における日本のリーディングカンパニーとして、さらには「持続可能な未来社会の実現を支える共通基盤」の主要な担い手として、お客さまと社会のお役に立ち続けていくことを目指していく。
<これからの取組みの方向性>
「目指す姿」の実現に向けて、安全・安定供給の責務を果たすとともに経営基盤の強化を進めた上で、デジタルトランスフォーメーションにより生産性の向上と新たな価値の創出を実現しつつ、「安心・快適・便利」で経済的なエネルギーサービスのお届けや、「社会課題」「環境性」「技術革新」の新たな潮流を捉えた戦略を展開していく。
[お客さまや社会の皆さまから信頼されお選びいただくための取組み]
「安全最優先・社会的責任の全う」を経営の基軸に位置づけ、災害の激甚化等の環境変化や社会のご期待にしっかりと向き合い、引き続き、安全・安定供給の責務を果たし続けるとともに、経営基盤の強化に取り組む。
①「低炭素」のリーディングカンパニーとして、気候変動問題への対応をはじめ、環境負荷の低減に取り組む。
原子力発電の強みをベースに、再生可能エネルギーは、設備容量を2030年代に600万kWとすることを目指して開発を進め、非化石電源の「両輪」としていく。
こうした取組みを通じて、CO2フリー発電量国内No.1であり続け、2030年度に、国内発電事業に伴うCO2排出量を半減 (2013年度比) する。
②これまで培ったソリューション力を活かして、「安心・快適・便利」で経済的なエネルギーサービスをお届けしていく。
世界的な電化の潮流とともに、お客さま・社会のニーズの多様性が拡大する中、オール電化や電気・ガスセットに加えて、様々なサービスも拡充し、「安心・快適・便利」で経済的なエネルギーサービスを幅広くお届けし続けていく。
また、これまでグループで培ってきたエンジニアリング力をコアに、お客さまの課題を解決するソリューションを提供していく。
③グループ総合力を発揮して新たな事業・サービスを創出し、お客さまや社会の幅広い課題の解決に貢献していく。
少子高齢化・人口減少をはじめとする社会課題の高まりに対して、「グループ総合力」という強みを活かしつつ、イノベーションをさらに加速することで、より幅広く解決策を提供していく。
④新たな価値の創出に向けて、デジタルトランスフォーメーションを実現する。
デジタル技術の活用により、生産性の飛躍的向上を実現するとともに、新たな価値を創出して、お客さまや社会の皆さまにお届けできる企業に変革していく。それにより、上記に掲げる取組みをはじめ、当社グループの「目指す姿」の実現に向けた取組みを加速する原動力としていく。
当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがある。
なお、本記載内容は、提出日(2019年6月21日)現在において当社グループが判断したものであり、今後、経済状況や、原子力発電を含むエネルギー政策、ならびに環境政策の変化などの影響を受ける可能性がある。
①電気事業を取り巻く環境の変化について
電気事業については、将来のエネルギーミックスのあり方や、小売全面自由化を踏まえた今後の状況変化、送配電部門の法的分離等の今後の電力システムに関する詳細制度設計の動向により、電源構成の大幅な変化や、他事業者との競争のさらなる拡大等の可能性がある。
使用済燃料の再処理等の原子力バックエンド事業については、超長期の事業であり、不確実性を伴うが、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されている。原子力バックエンドをはじめとした核燃料サイクルに関するコストについては、今後の制度の見直しや将来費用の見積額の変動等により、費用負担額が増加する可能性がある。
また、原子力損害賠償・廃炉等支援機構一般負担金については、今後の負担総額や負担金率の変動等により、当社の負担額が増加する可能性がある。
さらに、気候変動問題に関して、今後のわが国の環境政策及び国際枠組みの動向などによっては、将来的に当社グループの事業運営に影響を受ける可能性がある。
以上のような電気事業を取り巻く環境の変化により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
②総販売電力量、販売価格の変動について
総販売電力量は、冷暖房需要の主たる変動要因である気象(特に気温)や、景気の動向、省エネルギーの進展、技術革新による電気の利用形態の変化及び他事業者との競争状況等により変動し、また、販売価格も他事業者との競争状況や日本卸電力取引所の取引価格等により変動し、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
③燃料費、購入電力料の変動について
電気事業における主要な火力燃料はLNG、原油、石炭等であるため、原油価格、外国為替相場や価格交渉等の動向によって火力燃料費・購入電力料は変動し、当社グループの業績はその影響を受ける可能性がある。
ただし、原油価格や外国為替相場等の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」により、燃料価格の変動が一定範囲の場合には、電気料金を調整することが可能であることから、当社グループの業績への影響は緩和される。
また、総販売電力量の変動や、年間の降雨降雪量の変動による水力発電所の発電量の増減等によって、火力燃料費や購入電力料が変動することにより、当社グループの業績はその影響を受ける可能性がある。
ただし、水力発電所の発電量の増減については、「渇水準備引当金制度」によって一定の調整が図られることから、当社グループの業績への影響は緩和される。
④その他事業について
当社グループは、持続的な成長に向け、海外電気事業に加え、ガス・その他エネルギー事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業など、さまざまな事業を国内外で展開している。法規制や技術革新、他事業者との競合の進展、原油価格や外国為替相場等の変動、海外展開に伴う固有のリスク、その他事業環境の変化により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
⑤金利変動について
当社グループの有利子負債残高(連結)は、2019年3月末時点で、3,853,472百万円(総資産の53.1%に相当)であり、今後の市場金利の動向によって、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
ただし、有利子負債残高の89.2%(3,437,376百万円)は長期借入金、社債の長期資金であり、その殆どは固定金利で調達していることから、金利の変動による当社グループの業績への影響は限定的と考えられる。
⑥操業リスクについて
電気事業を中心とする当社グループは、電力供給設備をはじめ多くの設備を保有しており、電気を中心とする商品・サービスの安全・安定供給を確保するため、原子力をはじめとした設備の形成・保全、安全最優先の事業運営、及びコンプライアンスの徹底等に取り組んでいる。しかしながら、台風・豪雨(気候変動に起因する異常気象など)や地震・津波などの自然災害やサイバー攻撃、設備事故、コンプライアンス上の問題等により、当社グループの設備の形成・操業や他社からの電気や資機材の調達等に支障が生じた場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
加えて、原子力については、新規制基準への対応や訴訟等の結果により、発電所の停止が長期化する場合、当社は他の電力会社と比較して原子力発電の比率が高く、代替の火力燃料費の増加等により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある。
⑦情報の管理について
当社グループが保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報については、サイバー攻撃への対応を含めた情報セキュリティ対策の強化や社内ルールの整備、従業員教育を実施し、情報の厳正な管理に努めているが、社外への流出が起こるなど問題が発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績
当連結会計年度の当社グループは、さらなる成長の実現を目指した「関西電力グループ中期経営計画(2016-2018)」の達成に向け、グループの総力を結集して取り組んできた。
当社グループの主たる事業である電気事業では、当連結会計年度の小売販売電力量は、電灯分野において、需要数の減少等があったものの、電力分野において、契約電力が増加したことなどから、1,178億3千万kWhと前連結会計年度に比べて2.2%の増加となった。その内訳を見ると、「電灯」については、376億7千万kWhと前連結会計年度を9.8%下回った。また、「電力」については、801億5千万kWhと前連結会計年度を9.1%上回った。
収入面では、電気事業において、小売販売電力量が増加したものの、電気料金の値下げなどにより、電灯電力料収入が減少したが、地帯間・他社販売電力量の増加により地帯間・他社販売電力料が増加したことに加え、ガス・その他エネルギー事業や情報通信事業の売上高が増加したことなどから、売上高は3,307,661百万円と、前連結会計年度に比べて174,028百万円の増収(+5.6%)となった。
一方、支出面では、経営効率化により徹底した諸経費の節減に努めたことに加え、原子力プラントの運転再開による費用の低減効果があったものの、小売販売電力量及び地帯間・他社販売電力量が増加したことや燃料価格が上昇したことなどから、営業費用は3,102,807百万円と、前連結会計年度に比べて196,726百万円の増加(+6.8%)となった。
この結果、当連結会計年度の営業利益は204,853百万円と、前連結会計年度に比べて22,697百万円の減益(△10.0%)、経常利益は203,636百万円と、前連結会計年度に比べて13,468百万円の減益(△6.2%)となった。また、平成30年台風第21号の被災に伴う損失12,828百万円、ならびに国際事業の投資案件における損失18,093百万円を特別損失に計上した。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は115,077百万円と、前連結会計年度に比べて36,803百万円の減益(△24.2%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
|
セグメント |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較増減 |
||
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
増減金額 (百万円) |
増減率 (%) |
||
|
電気事業 |
売上高 |
2,612,979 |
2,688,870 |
75,891 |
2.9 |
|
営業費用 |
2,442,644 |
2,548,293 |
105,648 |
4.3 |
|
|
営業利益 |
170,335 |
140,577 |
△29,757 |
△17.5 |
|
|
ガス・その他 エネルギー事業 |
売上高 |
174,158 |
284,086 |
109,928 |
63.1 |
|
営業費用 |
173,216 |
288,572 |
115,356 |
66.6 |
|
|
営業利益又は 営業損失(△) |
941 |
△4,486 |
△5,428 |
- |
|
|
情報通信事業 |
売上高 |
243,410 |
267,447 |
24,036 |
9.9 |
|
営業費用 |
217,141 |
234,911 |
17,770 |
8.2 |
|
|
営業利益 |
26,269 |
32,535 |
6,266 |
23.9 |
|
|
その他 |
売上高 |
423,232 |
444,696 |
21,463 |
5.1 |
|
営業費用 |
392,801 |
406,034 |
13,233 |
3.4 |
|
|
営業利益 |
30,431 |
38,661 |
8,230 |
27.0 |
|
(注) 本表の金額には、消費税等を含まない。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
|
科目 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
比較増減 |
|
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
増減金額 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
623,266 |
449,716 |
△173,549 |
△27.8 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△447,237 |
△537,846 |
△90,608 |
20.3 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△162,277 |
103,073 |
265,350 |
- |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
144,176 |
158,978 |
14,801 |
10.3 |
生産、受注及び販売の状況
当社及び連結子会社における主たる事業は電気事業である。電気事業以外の事業には多種多様な事業が含まれており、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難であるため、生産規模及び受注規模等を金額あるいは数量で示すことはしていない。
主たる事業である電気事業の状況は以下のとおりである。
(1)需給実績
|
種別 |
2017年度 (2017年4月~ 2018年3月) (百万kWh) |
2018年度 (2018年4月~ 2019年3月) (百万kWh) |
前年度比 (%) |
||
|
発受電電力量 |
自社 |
水力発電電力量 |
13,761 |
13,496 |
98.1 |
|
火力発電電力量 |
67,787 |
61,207 |
90.3 |
||
|
原子力発電電力量 |
12,865 |
30,092 |
233.9 |
||
|
新エネルギー発電電力量 |
80 |
19 |
23.5 |
||
|
他社送受電電力量 |
27,525 |
21,353 |
77.6 |
||
|
揚水発電所の揚水用電力量 |
△1,490 |
△2,284 |
153.3 |
||
|
合計 |
120,528 |
123,884 |
102.8 |
||
|
小売販売電力量 |
115,244 |
117,826 |
102.2 |
||
|
出水率(%) |
107.2 |
103.1 |
- |
||
(注)1 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
2 火力は汽力と内燃力の合計である。
3 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
4 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
5 小売販売電力量の中には自社事業用電力量(2017年度 205百万kWh、2018年度 268百万kWh)を含んでいる。
6 2017年度出水率は、1986年度から2015年度までの30カ年平均に対する比である。2018年度出水率は、1987年度から2016年度までの30カ年平均に対する比である。
7 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
(2)販売実績
① 総販売電力量(小売、地帯間・他社 計)
|
|
2017年度 (2017年4月~ 2018年3月) (百万kWh) |
2018年度 2019年3月) (百万kWh) |
前年度比(%) |
||
|
総販売電力量(小売、地帯間・他社 計) |
122,540 |
132,722 |
108.3 |
||
|
|
小売販売電力量 |
115,244 |
117,826 |
102.2 |
|
|
|
電灯 |
41,767 |
37,671 |
90.2 |
|
|
|
電力 |
73,477 |
80,155 |
109.1 |
|
|
地帯間・他社販売電力量 |
7,296 |
14,896 |
204.2 |
||
(注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
② 料金収入
|
|
2017年度 (2017年4月~ 2018年3月) (百万円) |
2018年度 2019年3月) (百万円) |
前年度比(%) |
|
|
電灯料・電力料 |
2,236,621 |
2,212,270 |
98.9 |
|
|
|
電灯料 |
995,959 |
899,541 |
90.3 |
|
|
電力料 |
1,240,661 |
1,312,728 |
105.8 |
|
地帯間・他社販売電力料 |
68,459 |
150,214 |
219.4 |
|
(注) 本表には、消費税等を含まない。
(3)生産能力
自社発電認可最大出力
|
区分 |
水力 (kW) |
火力 (kW) |
原子力 (kW) |
新エネルギー (kW) |
合計 (kW) |
|
2018年3月31日現在 |
8,226,445 |
19,430,400 |
6,578,000 |
11,000 |
34,245,845 |
|
2019年3月31日現在 |
8,228,445 |
19,441,400 |
6,578,000 |
11,000 |
34,258,845 |
(4)資材の状況
主要燃料の受払状況
|
区分 |
重油(kl) |
原油(kl) |
LNG(t) |
石炭(t) |
|
|
2017年3月末在庫量 |
115,266 |
217,183 |
274,361 |
629,433 |
|
|
2017年度 |
受入量 |
179,597 |
296,122 |
8,059,647 |
4,069,609 |
|
払出量 |
175,434 |
375,468 |
7,945,765 |
4,511,578 |
|
|
2018年3月末在庫量 |
119,428 |
137,838 |
388,243 |
187,464 |
|
|
2018年度 |
受入量 |
173,203 |
196,511 |
7,540,551 |
3,749,081 |
|
払出量 |
150,391 |
193,982 |
7,578,775 |
3,654,197 |
|
|
2019年3月末在庫量 |
142,240 |
140,367 |
350,020 |
282,349 |
|
(注)四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。
その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
(2)経営成績
① 営業損益(セグメントの経営成績)
[電気事業]
収入面では、小売販売電力量が増加したものの、電気料金の値下げなどにより、電灯電力料収入が減少したが、地帯間・他社販売電力量の増加により地帯間・他社販売電力料が増加したことなどから、外部顧客への売上高は2,668,312百万円と、前連結会計年度に比べて72,197百万円の増収(+2.8%)となった。
一方、支出面では、経営効率化により徹底した諸経費の節減に努めたことに加え、原子力プラントの運転再開による費用の低減効果があったものの、小売販売電力量及び地帯間・他社販売電力量が増加したことや燃料価格が上昇したことなどから、営業費用は増加した。
この結果、営業利益は140,577百万円と、前連結会計年度に比べて29,757百万円の減益(△17.5%)となった。
[ガス・その他エネルギー事業]
ガスなどのエネルギー販売やユーティリティサービスなどを提案し、お客さまにとって最適なエネルギー・ソリューションを提供している。
収入面では、ガス販売量が増加したことや、ガス販売価格が上昇したことなどから、外部顧客への売上高は210,819百万円と、前連結会計年度に比べて69,579百万円の増収(+49.3%)となった。
一方、支出面では、ガス事業費用が増加したことなどから、営業費用が増加した。
この結果、営業損失は4,486百万円と、前連結会計年度に比べて5,428百万円の減益となった。
[情報通信事業]
関西一円に整備された光ファイバー網を活用し、お客さまのニーズに応じた幅広いメニューを取り揃え、家庭向け、企業向けに総合的な情報通信サービスを提供している。
主力となるFTTHサービスについては、近畿2府4県の90%を超えるエリアカバー率の強みを活かしながら、「光インターネット+光電話+光テレビ」の3つのサービスを「eo光」ブランドで提供している。
収入面では、FTTHサービス「eo光」、携帯電話サービス「mineo(マイネオ)」及び電力小売サービス「eo電気」の加入者が増加していることなどから、外部顧客への売上高は217,757百万円と、前連結会計年度に比べて14,589百万円の増収(+7.2%)となった。
一方、支出面では、徹底したコスト削減に努めたものの、売上の増加に伴い営業費用が増加した。
この結果、営業利益は32,535百万円と、前連結会計年度に比べて6,266百万円の増益(+23.9%)となった。
[その他]
不動産・暮らし事業では、省エネルギーに配慮したマンションやビルの開発をはじめとする不動産関連サービスと、ホームセキュリティやヘルスケア・介護関連など、お客さまの安心・快適・便利な暮らしをサポートする暮らし関連サービスを提供している。
また、電気事業をはじめ各事業の円滑かつ効率的な遂行をサポートするとともに、培った技術・ノウハウを活かしグループ外のお客さまへの販売を展開する会社などがある。
収入面では、不動産・暮らし事業において、住宅事業分野及びビル事業分野における売上が増加したこと、また、当社グループの事業をサポートする会社において、工事の受注が増加したことなどから、外部顧客への売上高は210,771百万円と前連結会計年度に比べて17,661百万円の増収(+9.1%)となった。
一方、支出面では、徹底したコスト削減に努めたものの、売上の増加に伴い営業費用が増加した。
この結果、営業利益は38,661百万円と、前連結会計年度に比べて8,230百万円の増益(+27.0%)となった。
② 経常利益
営業外収益は、前連結会計年度に比べて16,620百万円増加(+46.3%)の52,490百万円となった。これに売上高を合わせた経常収益合計は、前連結会計年度に比べて190,648百万円増収(+6.0%)の3,360,151百万円となった。
営業外費用は、前連結会計年度に比べて7,390百万円増加(+16.0%)の53,707百万円となった。これに営業費用を合わせた経常費用合計は前連結会計年度に比べて204,116百万円増加(+6.9%)の3,156,515百万円となった。
以上の結果、経常利益は203,636百万円と前連結会計年度に比べて13,468百万円の減益(△6.2%)となった。
③ 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は、渇水準備引当金558百万円の取崩しがあったものの、平成30年台風第21号の被災に伴う損失12,828百万円、ならびに国際事業の投資案件における損失18,093百万円を特別損失に計上したことから173,272百万円となった。ここから法人税等合計と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引きした親会社株主に帰属する当期純利益は115,077百万円となり、前連結会計年度に比べて36,803百万円の減益(△24.2%)となった。
(3)財政状態
① 資産・負債の状況
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことに加え、2018年4月1日に「原子力発電施設解体引当金に関する省令等の一部を改正する省令」が施行され、「原子力発電施設解体引当金に関する省令」が改正されたことに伴い、特定原子力発電施設の廃止措置に係る資産除去債務の算定に用いる使用見込期間を変更したことにより、資産除去債務相当資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて272,275百万円増加(+3.9%)し、7,257,363百万円となった。
負債は、工事代金や税金の支払いなどに対応するために有利子負債が増加したことに加え、資産と同じ理由により資産除去債務が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて212,126百万円増加(+3.8%)し、5,724,417百万円となった。
② 純資産の状況
純資産は、配当金の支払いなどによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益(115,077百万円)を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて60,148百万円増加(+4.1%)し、1,532,946百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて0.1%上昇し、20.9%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて67円70銭増加し、1,695円36銭となった。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① 資金調達
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益が減少したことや消費税の支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が173,549百万円減少(△27.8%)し、449,716百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が90,608百万円増加(+20.3%)し、537,846百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債が増加したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が265,350百万円増加し、103,073百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて14,801百万円増加(+10.3%)し、158,978百万円となった。
当連結事業年度において、該当事項なし。
なお、当社は、2019年4月25日開催の取締役会において、2020年4月1日(予定)に当社が営む一般送配電事業を会社分割の方法によって「関西電力送配電株式会社」に承継させることを決議し、同日、承継会社との間で吸収分割契約を締結した。
詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりである。
当社及び連結子会社における研究開発活動は主として当社で総合的に行っており、中期経営計画に基づき、「必達すべき安全確保のための研究開発」、「コスト削減や競争力強化による収益拡大のための研究開発」及び「グループ全体の新たな成長につながる研究開発」の3項目を研究重点課題として設定し、効率的に研究を実施している。
研究重点課題それぞれの取組みについては次のとおりである。
1.必達すべき安全確保のための研究開発
安全確保を主目的に原子力安全、地震・津波対策、作業・公衆安全などに取り組んでおり、原子力では主に設備の安全性や耐震設計の高度化に関する研究開発に取り組んでいる。
2.コスト削減や競争力強化による収益拡大のための研究開発
電力設備の寿命延伸や新技術導入によるコスト削減、放射性廃棄物処理、廃炉など中長期的に必要となる原子力研究、配電線の電圧変動対策や出力予測、需給想定など再生可能エネルギーの大量導入に対応できる電力系統、ガスを含めた総合エネルギー事業に必要な商品・サービスに関する研究開発に取り組んでいる。
3.グループ全体の新たな成長につながる研究開発
保有技術の活用などによる事業領域の拡大に関する研究開発や将来の成長の源となる技術及び持続的成長を支える技術の探索・調査・開発に取り組んでいる。
なお、当連結会計年度における当社及び連結子会社の研究開発費の金額は、電気事業について主として上記1~3の研究重点課題に関して