文中の将来に関する事項は、提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。
当社グループは、当社の役員等が社外の関係者から金品を受け取っていた問題および役員退任後の嘱託等の報酬に係る問題(以下、金品受取り問題等)により、お客さまや社会のみなさまから賜わる信頼を失墜させた。
本問題については、電気事業法に基づく業務改善命令に対する業務改善計画を取りまとめ、2020年3月30日に経済産業大臣に提出し、その実行状況を、2020年6月29日、10月13日、2021年3月2日および12月27日に報告した。
この金品受取り問題等を踏まえ、2021年3月に、新たに「関西電力グループ経営理念Purpose & Values」を策定し、健全な組織風土の醸成に向けて、理解・浸透・実践に努めている。
また、この経営理念のもと、変化する事業環境にも対応し、持続的成長を遂げていくため、5ヵ年の実行計画である「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提とし、2021年2月に策定した「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた「ゼロカーボンへの挑戦」、「サービス・プロバイダーへの転換」および「強靭な企業体質への改革」に全力で取り組んでいる。
しかしながら、特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反や新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等のコンプライアンスに関わる不適切な事案が相次いでいることを極めて重く受け止めており、お客さまや社会のみなさまからの信頼回復が最重要の課題であると考えている。
これまで、金品受取り問題等を受けガバナンス・コンプライアンス体制を強化し、様々な取り組みを進めてきたが、今一度、コンプライアンスの徹底を経営の大前提に、一人ひとりが「自分事」として真摯に向き合い、かつ、実践する組織風土への改革を断行するとともに、今後も発生しうる様々な環境変化とリスクに確実に対応すべく、内部統制を抜本的に強化し、再発防止策にグループ一丸で取り組む。
(経営理念)
これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、2021年3月に「関西電力グループ経営理念Purpose & Values」を策定した。
この経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての『「あたりまえ」を守り、創る』という存在意義のもと、『「公正」「誠実」「共感」「挑戦」』という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。
(ゼロカーボンビジョン2050)
国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があるとの考えのもと、2021年2月、当社グループは「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定し、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを宣言した。ビジョンにおいては、ゼロカーボン実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。
また、2022年3月には、ビジョン実現に向けた道筋である「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点として2030年度の目標を設定するとともに、ゼロカーボン社会の実現に向けて取り組む内容を、「当社グループ自ら取り組むこと」「お客さまや社会の皆さまと取り組むこと」の2つの観点で整理した。
具体的には、関西電力グループ自ら取り組むこととして、再エネの主力電源化や、原子力の最大限の活用、火力のゼロカーボン化などにより、発電によるCO2排出量削減を着実に進めるとともに、ゼロカーボン水素については水素自体の製造・輸送・供給および発電用燃料としての利用に取り組んでいく。また、電化や蓄電池などの多種多様なソリューションの提案により、お客さまや社会の皆さまと共に社会全体のCO2排出量を削減していく。
今後、お客さまや事業パートナー、自治体など、あらゆるステークホルダーの皆さまと力を合わせ、様々な取組みを進めていく。
(関西電力グループ中期経営計画(2021-2025))
当社グループは、2021年3月に「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定し、ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提と位置付けるとともに、以下の3つの取組みの柱を掲げ、これらを実行することで、当社グループの一大改革「Kanden Transformation(KX)」を成し遂げるべく、グループ一丸となって取り組んでいる。
脱炭素化の潮流が世界規模で加速し、持続可能な社会の実現への貢献が期待されるなか、関西電力グループ「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた取組みを推進する
従来の大規模アセット中心のビジネスに留まらず、徹底してお客さま視点に立ち、ニーズや課題と向き合うことで、お客さまに新たな価値を提供し続ける企業グループに生まれ変わる
コスト構造改革やイノベーション、デジタル化、そして働き方改革を加速する
財務目標(連結)(2021年3月公表)
(注) ROA=事業利益〔経常利益+支払利息〕÷総資産〔期首・期末平均〕
(関西電力グループ 2023年度計画)
事業運営の大前提として、「ガバナンス確立とコンプライアンス推進」を改めて掲げ、真にコンプライアンスを徹底できる企業グループへと再生できるよう、グループ一丸となって、全力で取り組む。その実現に向け、グループ全体の組織風土改革を断行するとともに、内部統制の強化を行う。
また、経営環境や昨年度の進捗状況を踏まえ、引き続き、中期経営計画で掲げた3つの柱に沿った取組みをグループ一丸となって推進する。2023年度計画で策定した具体的な取組みを着実に進め、当社グループを安定的な成長軌道にのせ、次なる飛躍につなげていく。
・ガバナンス確立とコンプライアンス推進に向けた取組み
① 組織風土改革
社長を議長とする「組織風土改革会議」を新設し、全役員・全従業員が、職位や所属の垣根を越えて自身の思いや気付きを率直に語り合えるような組織風土を創り上げるとともに、一連の改革を統括し、推進していく。
取組み例:トップメッセージの発信、対話活動を通じた従業員の声の一元的な把握・分析と部門横断的な課題解決。
② 内部統制の強化
内部統制の抜本的な強化に向けた取組みを一元的に推進する「コンプライアンス推進本部」を新設、コンプライアンス推進の最高責任者としてCCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を設置し、グループ全体のコンプライアンス推進やリスクマネジメントに取り組む。
取組み例:・内部統制部会を設置し、専門性を有するコーポレート部門と業務執行箇所の連携によるリスク管理計画を統括。
・実績把握・評価・改善を通じた関係法令遵守や不適切事案の未然防止に向けた取組みを推進。
加えて、経営監査室の体制充実・強化等を行うとともに外部の知見(国際基準に基づく定期的な外部評価の実施等)も活用し、監査品質の向上を図る。
③ 外部人材を活用した検証体制
取締役会による特別監督(改革モニタリング)として、取締役会開催に併せて、一連の改革の達成状況の報告を義務付け、個別の取組み状況についてもフォローアップし、追加対策等について助言・指導を行う。
監査委員会による特別監査として、法令等の遵守状況に加え、定期的かつ必要に応じて、一連の改革の取組み状況について、報告を求め、その実効性、浸透・定着度合いを監査する。
文中の将来に関する事項は、提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) ガバナンス
当社グループは、経営の最上位概念である「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」において、お客さまや社会にとっての 『「あたりまえ」を守り、創る』という存在意義のもと、『「公正」「誠実」「共感」「挑戦」』という価値観を大切にして事業活動を行うことで持続可能な社会を実現することを掲げている。また、この経営理念のもと、具体的にどのように行動すべきかを「関西電力グループ行動憲章」において定めており、当社グループの全ての役員、従業員が本憲章に基づいて行動することで、当社グループの持続的成長ならびに持続可能な社会の実現を目指している。
・「関西電力グループ行動憲章」
(基本的な考え方 抜粋)
「関西電力グループ行動憲章」は、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」のもと、関西電力グループの役員、従業員が、具体的にどのように行動すべきかを示したものであり、全ての社内規程等の前提として、私たちの事業活動における判断の拠り所となるものです。関西電力グループの事業活動は、お客さま、社会のみなさま、株主・投資家のみなさま、ビジネスパートナー、従業員といった様々なステークホルダーのみなさまによって支えられています。こうしたみなさまから頂戴する信頼こそが、関西電力グループが企業としての使命を果たし、持続的に成長を遂げていくための基盤です。 関西電力グループは、コンプライアンスを実践・徹底すること、すなわち、法令遵守はもとより時代の要請する社会規範とは何かを常に考え、経営理念に基づき行動し続けることで、社会の一員としての責務を果たします。また、グループの事業活動に対して様々なステークホルダーのみなさまから寄せられる期待に誠実にお応えすることにより、みなさまからの信頼を確固たるものとしていきます。このような認識のもと、関西電力グループは、全ての役員、従業員がそれぞれの持てる知恵を結集し、協働することで、社会の持続的発展に貢献します。
1.コンプライアンスの実践・徹底
2.公正な事業活動
3.適正な情報開示・管理と対話
4.人権の尊重とダイバーシティの推進
5.安全の確保
6.お客さまに選ばれる商品・サービスの提供
7.よりよき環境の創造を目指した取組み
8.地域社会の課題解決・発展に向けた取組み
9.危機管理の徹底
10.役員の責任と本憲章の徹底
・経営理念・行動憲章の実践に向けた活動
当社は、2021年3月に策定した経営理念および行動憲章を従業員一人ひとりが真に理解し、日々の業務において実践していくための活動計画を定めており、本計画に基づいて、経営層と従業員とのコミュニケーション、各種研修、各職場でのディスカッション、グループ会社支援等の活動を積極的に行っている。この活動の一環として、「経営理念」、「コンプライアンスチェック」、「安全行動の誓い」を記載した携帯用のコンダクトカードを全従業員に配布しており、従業員は、このカードの裏面に自らの行動宣言を明記し、日々の業務における行動や目標の確認に活用している。
・サステナビリティ推進体制
当社グループは、お客さまと社会のお役に立つ企業グループとして持続的な成長・発展をとげるとともに、グローバルな社会課題の解決を通じた持続可能な社会の実現を目指してサステナビリティに資する取組みを推進している。こうした取組みをより一層推進するため、社長を議長とした「サステナビリティ推進会議」を設置し、社会の持続的な発展に貢献するためのサステナビリティ推進活動に関する総合的方策の策定を行い、具体的な活動を展開している。また、専門的な課題については、「サステナビリティ推進部会」など下部組織にて検討を重ねている。こうした体制のもと、各事業本部などはサステナビリティ推進会議で策定された方針に基づき、それぞれの活動を展開している。グループ会社においても、当社とコミュニケーションを取りながら、自律的にサステナビリティ活動を展開している。
(体制図)

<気候変動>
当社グループは、気候変動問題を経営上の重要課題として認識し、当社が主体となって以下の会議体にて評価・管理し、必要に応じて、各業務執行部門に対して、助言・指導を行っている。
・サステナビリティ推進会議
社長を議長とし、気候変動に関する事項(戦略・マテリアリティ・リスク・機会等)を含む当社グループ全体のサステナビリティに関する総合的方策の策定や、実践状況の確認を行っている。
・リスク管理委員会
副社長を委員長とし、気候変動に関するリスクを含む重要リスク項目の抽出、各重要リスク項目の重要性評価、管理状況の把握・管理を行っている。リスク評価結果については、定期的に執行役会議および、適宜、取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。
*2023年6月末で、リスク管理委員会を廃止。今後、内部統制部会を新設予定。
・ゼロカーボン委員会
社長を委員長とし、「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けて、「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、ゼロカーボンに係る各部門の取組み共有および進捗状況の確認を行っている。
https://www.kepco.co.jp/sustainability/environment/zerocarbon/index.html
https://www.kepco.co.jp/sustainability/environment/zerocarbon/pdf/zerocarbon_roadmap_01.pdf
・取締役会
上記会議体での評価・管理結果については、適宜取締役会に付議・報告し、グループ全体の計画・方針に反映している。至近の例として、2022年3月に公表した「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」策定にあたっては、ゼロカーボン委員会にて議論を行い、取締役会へと付議・報告している。
(気候変動に関するガバナンス体制図)

また、社内取締役および執行役においては、気候変動目標と報酬を連動させることで、気候変動に対するガバナンス体制強化に努めている。
役員の報酬等については、P.71「
(2) 戦略
<気候変動>
当社グループは、地球環境に配慮したエネルギーの安全かつ安定的なお届け等を通じて当社の持続的な成長を遂げるだけでなく、グローバルな社会課題の解決を通じて社会の持続的発展に貢献していくため、関西電力グループ中期経営計画に掲げている「ゼロカーボンへの挑戦」に向けた取組みを進めている。
また、「金融市場の不安定化リスクを低減するため、中長期にわたる気候変動に起因する事業リスク・事業機会を分析し、開示する」とのTCFD提言の趣旨に賛同し、情報開示を推進していくことで、ステークホルダーとの信頼関係を強固にするとともに、持続可能な経営基盤の構築を図っている。
当社グループは、気候変動に関するリスク・機会について以下のとおり特定し、当社グループ戦略に適切に反映している。これらのリスク・機会は、TCFD提言の分類を参考に、サステナビリティ推進会議での議論を経て、特定したものである。
(リスク・機会の抽出)
※1 短中期: 〜2030年、長期: 〜2050年と定義している。
2 本評価は確定的なものではなく、国の政策やエネルギー情勢などの外部環境変化により変動するものである。
3 慢性的に生じうるリスクであるため、発現時期については評価していない。
上記のリスク・機会を踏まえ、当社グループは気候変動戦略を策定している。至近の例として、2021年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」を、2022年3月に「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」を策定した。
・2050年に向けたシナリオ
(シナリオ分析結果)
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」、「関西電力グループ ゼロカーボンロードマップ」をはじめとする当社グループ戦略のレジリエンスを評価するため、シナリオ分析を実施した。 以下の2つのシナリオを前提に、IEA等が公表している将来的な人口動態や電力需要等のデータを基に分析を行っている。

1.5℃シナリオは、需要側では、省エネの進展および電化率の向上が必要との結果となった。供給側では、原子力の現状水準での稼動が維持され、さらには火力の脱炭素技術の活用により、すべての電源がゼロカーボン化されたうえで、再エネの新規開発拡大がなければ実現不可能な結果となった。このように、1.5℃シナリオは2℃シナリオと比べて、強力な施策・規制の実施とイノベーションが無ければ実現が難しいシナリオだと考えている。
・財務インパクト
以上のシナリオ分析結果を踏まえた、当社グループの財務に影響を与える要因とそれに伴う当社グループの取組み状況は以下のとおりである。

このように、ゼロカーボンビジョン・ロードマップをはじめとした当社グループ戦略で宣言している取組みを着実に実行することで、当社グループの事業は、2℃シナリオ、および1.5℃シナリオいずれにおいても、レジリエンスを確保できると評価している。加えて、1.5℃シナリオの実現には、原子力のさらなる活用、火力の脱炭素技術の活用、再エネの新規開発拡大が不可欠であるところ、当社グループはこれらの取組みを着実に推進していることから、2050年カーボンニュートラルをS+3Eの観点で比較的優位なポジションで達成できる可能性がある。今後も取組みの進捗状況や、技術開発、政策動向等を踏まえ、戦略を柔軟に見直しながら、S+3Eを大前提としたカーボンニュートラルの実現を図っていく。
<人的資本・多様性>
当社グループは、「働き方」改革・健康経営による労働環境の整備を土台として、「人財力」改革とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進に取り組むことで、経営理念の大切な価値観である「公正」「誠実」「共感」「挑戦」を体現しながら、個人と組織が共に成長する好循環を生み出していく。
これら人財戦略を経営戦略と連動させることで、中期経営計画の達成に貢献し、持続的な企業価値の向上、経営理念の企業文化への浸透を図っていく。
(「人財基盤の強化」の全体像)

(「人財力」改革)
関西電力グループ中期経営計画で取組みの柱として掲げている、EX・VX・BXを遂行するため、従業員の自律性を高めながらめざすキャリアへの挑戦を促進し、専門性の伸長に資する教育を実施することで、多様な経験の獲得・専門性の実践機会を提供する。また、キャリア採用の拡大に加えて、副業・兼業人財の公募を開始するなど、労働市場から積極的に人財を獲得し、人財の多様性・専門性をさらに充実、向上させることで、経営戦略に連動した人財を育成・確保する。
(D&I推進)
一人ひとりの「ちがい」を強みとし、物事の捉え方や発想の多様性を組織の「ちから」に変換することで、組織全体の創造性・柔軟性を向上させるとともに、このような組織が自律性・専門性を備えた多様な個人を惹きつけることで、共感を通じて個人と組織が共に成長する関係を構築する。
(「働き方」改革・健康経営)
デジタル技術活用による業務の高付加価値化や、多様な働き方を実現するための職場整備、職場一体となった健康活動の継続的な展開等に取り組んでいる。より良い就労環境を追求することで、「従業員一人ひとりが活き活きと輝き、豊かな人生を歩む」ことをめざす。
当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであり、指標及び目標については、上記の3つの取り組みおよび事業活動の前提から代表的な指標を1つずつ選定するとともに、各種方針等にもとづく取組みの実現度を総合的に測定できる項目を加えることで、計5項目の指標及び目標を設定している。
・人財育成方針・社内環境整備方針
関西電力グループが経営理念のもと、変化する事業環境に対応し、持続的成長を実現していくためには、従業員一人ひとりの成長を通じた、人財基盤の強化が不可欠である。
関西電力グループアカデミーでは、「Kanden Transformation」の実現をめざし、従業員の「自律的なキャリア形成」を支援するとともに、従業員一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもって自身の能力伸長に取り組むことができるような能力伸長施策を展開する。
具体的には、経営理念を体現するための意識・行動面の変革や、個々人の更なる強みの伸長に向けた支援、多様なキャリアやフィールドに自発的にチャレンジできる社内公募型の仕組みの拡充、専門技術の確実な継承、デジタル技術を活用した生産性向上・付加価値創出等に資する育成施策を実施する。
また、ハラスメント防止やコンプライアンス遵守の取組みを大前提として、ダイバーシティ&インクルージョン推進により、多様な価値観や発想を受容する組織を作り上げていくとともに、誰もが心身ともに健康で、活き活きと活躍できる働き方の実現や職場風土の醸成を通じて、よりよい社内環境を整備する。
具体的には、「関西電力グループ ダイバーシティ&インクルージョン推進方針」にもとづき、意見の多様性推進に関する研修内容の充実・強化や、ライフスタイルに合わせた勤務制度の拡充に取り組む。また、業務の抜本的な廃止やプロセスの見直し、デジタルツールのより一層の活用等により「働き方」改革を推進するとともに、健康管理意識の改善啓発や管理職向けのラインケア研修等、健康の保持・増進に資する施策を実施する。
(3) リスク管理
・リスク管理の基本的な考え方
当社グループは、2006年4月に定めた「関西電力グループリスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理している。
サステナビリティ関連を含む当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門(グループ会社含む)が自律的に管理することを基本としつつ、組織横断的に重要とされるリスクに関しては、専門性を備えたリスク管理箇所が、各業務執行部門に助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。
当社グループのリスク管理体制、リスク管理状況、事業等のリスクについては、P.24「
<気候変動>
気候変動に起因する各種リスクを適切なレベルに管理するよう取り組んでいる。具体的には、財務リスク等、気候変動以外のリスクと共に全社のリスク管理体制のなかで、影響度、発生可能性の観点から重要性を評価し、リスクマップ上に表示することで、俯瞰的にリスク管理状況を把握・管理している。加えて、定期的に執行役会議および、適宜、取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。さらに、リスク管理体制の整備と運用に関して、経営監査室による内部監査を受け、監査結果を基に改善を図っている。
(4) 指標及び目標
<気候変動>
「関西電力グループ ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向け、あらゆるステークホルダーのみなさまと力を合わせて、社会全体のゼロカーボン化に向けた取組みを進め、持続可能な社会の実現に向けて貢献していく。

(GHG排出量(Scope1,2,3))
※1 「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関するガイドライン(ver.2.4)」(環境省/経済産業省)に基づきサプライチェーン全体の温室効果ガスの排出量を算定。
※2 直接的な温室効果ガス排出量(スコープ1)では、「地球温暖化対策の推進に関する法律(以下、温対法という)」に基づく報告(事業者)中の直接的な温室効果ガス排出量(エネルギー起源CO2、SF6、N2O)と、温対法に基づく報告(事業者)に含まれない車両燃料由来のCO2排出量を合算。なお、ここで考慮しているSF6は暦年値である。
※3 間接的な温室効果ガス排出量(スコープ2)では、温対法に基づく報告(事業者)のうち、間接的なCO2排出として、他社から購入した電気と熱によるCO2排出量を合算。
※4 スコープ1およびスコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
※5 (自社が購入・取得した製品またはサービスの金額データ)×(排出原単位)
※6 (資本財価格)×(排出原単位)
※7 (燃料消費量)×(排出原単位)および(他社購入電力量)×(排出係数)
※8 (燃料消費量)×(排出原単位)
※9 (廃棄物処理(量)×(排出原単位)および(燃料消費量)×(排出原単位)
※10 (従業員数)×(排出係数)
※11 (都市階級別)Σ(従業員数×営業日数×排出原単位)
※12 事業特性上の理由等から該当なし
※13 (ガス総販売量)×(排出原単位)2021年度から算定対象に追加
※14
https://www.kepco.co.jp/corporate/report/esg/pdf/2022/esg2022.pdf
<人的資本・多様性>
上記(2)戦略において記載した、人財の多様性の確保を含む人財育成方針および社内環境整備に関する方針に基づき、当社および関西電力送配電株式会社では、以下の指標を用いている。
なお、連結ベースでの指標及び目標の開示については、各社毎に事業内容および事業環境が多岐に亘るため、連結グループに属する全ての会社を総合した指標は、設定していない。
(注)1 実践研修受講後に実施するアンケートにおいて、研修を契機とする習得した知識の業務での実践や、DXに関する自律的な学習の実施等、従業員の自律性に基づく追加アクションを行ったと回答した者の比率を表す。
2 実践研修とは別に、全従業員を対象として、2023年度中にDXリテラシー向上に関する基礎的な研修を実施する。
3 運輸・医療職員を除く。
4 延べ100万労働時間あたりの労働災害による休業1日以上の死傷者数のことで、災害の発生頻度を表す。
5 社内アンケートにおける、以下3設問に対して「(かなり+わりと)あてはまる」と回答した者の比率。
①「あなたは、自分の仕事にやりがいや誇りを感じている。」
②「あなたは、将来において、会社での仕事のやりがいが高まっていると思う。」
③「あなたは関西電力・関西電力送配電が好きですか。」
当社グループ(当社および連結子会社)は、2006年4月に定めた「関西電力グループリスク管理規程」に則り、組織目標の達成に影響を与える可能性のある事象をリスクとして認識、評価したうえで、必要な対策を実施するとともに、対策後にその評価を行い、改善していく一連のプロセスにより、当社グループへの影響を適切なレベルに管理している。
当社グループの事業活動に伴うリスクについては、各業務執行部門が自律的に管理することを基本とし、組織横断的かつ重要なリスク(情報セキュリティ、子会社の経営管理、安全・健康、市場リスク、財務報告の信頼性、環境、災害、コンプライアンス)については、必要に応じてリスクの分野ごとに専門性を備えたリスク管理箇所を定め、業務執行部門に対して、助言・指導を行うことで、リスク管理の強化を図っている。さらに、リスクを統括的に管理する「リスク管理委員会(*)」を設置し、リスク管理委員会の委員長を「リスク管理統括責任者」とする体制のもと、当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理するよう努めている。*2023年6月末で、リスク管理委員会を廃止。今後、内部統制部会を新設予定。
リスク管理委員会は、リスク評価結果を定期的に執行役会議および、適宜、取締役会へ報告し、必要に応じてリスク管理の仕組み、体制の改善を行っている。さらに、リスク管理体制の整備と運用に関して、経営監査室による内部監査を受け、監査結果を基に改善を図っている。

リスク管理体制 (2023年6月末時点)
リスク管理委員会は2022年度中に3回開催し、当社グループの事業活動に大きく影響を与える重要リスク項目を抽出し、その管理状況を全社的視点から把握・評価している。重要リスク項目は、当社グループの持続的成長を遂げるだけでなく、SDGs等のグローバルな社会課題の解決を通じて、社会の持続的な発展に貢献していくESGの観点と財務目標達成の観点から、体系立てて整理するとともに、評価にあたっては、影響度や発生可能性の観点から重要性を評価し、リスクマップ上に分類・整理したうえで、俯瞰的にリスク管理状況を把握・管理・評価し、その結果に基づき、必要に応じて業務執行部門への改善指示を行っている。
重要リスク項目については、内容が近しい項目を統廃合し、経営層での俯瞰的な議論のしやすさの観点から再検討し、24項目から13項目に見直している。なお、削除した重要リスク項目については、変更後の13項目の中で引き続き管理している。
前年度から重要度区分の変更を行った重要リスク項目は、《4》人財基盤、《11》送配電事業の利益低下、《12》情報通信事業の利益低下、《13》生活・ビジネスソリューション事業の利益低下であり、変更理由は以下のとおりである。
<重要度区分の変更理由>
《4》人財基盤
上述の重要リスク項目の統廃合に伴い、今回よりリスク事象を、多様で優秀な人財の安定的な確保に支障をきたすことと定義し、改めて評価した結果、リスクの重要度区分を中に設定
《11》送配電事業の利益低下
新たな託送料金制度が導入され、外生的要因に起因する収支変動等が事後調整される仕組みが整備されたことなどにより、リスクが低減していることを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更
《12》情報通信事業の利益低下
至近年度にリスクが発生していないことを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更
《13》生活・ビジネスソリューション事業の利益低下
至近年度にリスクが発生していないことを踏まえ、リスクの重要度区分を下方に変更

重要リスク項目
※2022年度の重要度区分については、統廃合前の重要リスク項目の中で、もっとも重要度区分が高い評価を記載している。

リスクマップ
リスクマップにおける各重要リスク項目のマッピング根拠については、以下のとおりである。

(3) 事業等のリスク
当社グループの経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性のある「重要リスク項目」の具体的な内容は、以下に記載のとおりである。なお、本記載内容は、提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものであり、今後、経済状況や、原子力発電を含むエネルギー政策、ならびに環境政策の変化等の影響を受ける可能性がある。なお、影響額については、一定の前提に基づき算定した理論値であり、前提諸元が急激かつ大幅に変動する場合等には、影響額により算出される変動影響が実際の費用変動と乖離する場合がある。
補足)《数字》は該当する重要リスク項目、背景色は重要度を示す。
① 気候変動《1》
当社グループは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の趣旨に賛同し、中長期にわたる気候変動に関するリスクの分析を行い、経営計画・方針に適切に反映している。気候変動に関するリスクとして、下記の移行リスクと物理リスクを認識しており、これらのリスクによって、社会的信用の低下が生じる事象、電源構成の大幅な変化に伴うエネルギー事業資産の価値毀損、他事業者との競争のさらなる拡大、各種市場からの収益変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
<移行リスク>
政策:炭素価格導入等のCO2排出規制による、火力発電稼動率の低下、再エネ開発における競争激化・制度変更等による投資予見性の低下等
技術:分散型電源導入拡大等による系統電力需要の減少等
市場:環境負荷の高い商品の売上低下等
評判:原子力発電に対する社会的受容の低下、炭素排出量や係数悪化に伴う顧客評判変化等
<物理リスク>
異常気象激甚化に伴う発電・送配電設備の復旧および対策費用の増加、降水量の変化による、水力発電の稼動率の低下等
上記2種類のリスクのうち、<移行リスク>に対応し、持続可能な社会を実現するため、『ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー』として、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとすることを「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」において宣言している。
今後、デマンドサイドの役割が拡大していく中で、ゼロカーボンソリューションプロバイダーとして、全ての部門(家庭・業務、産業、運輸)において、お客さまのゼロカーボン化を実現する最適なソリューションを提案・提供していく。また、分散型エネルギーリソースの活用やレジリエンスの強化等、多様化する社会ニーズも踏まえて再エネを最大限導入・主力電源化し、それを可能にする送配電系統の高度化、出力安定性に優れエネルギー密度が高い原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限活用、再エネ大量導入に必要な調整力等に優れた火力のゼロカーボン化に取り組む。加えて、水素社会の実現に向けて、非化石エネルギーを活用したゼロカーボン水素の製造・輸送・供給、発電用燃料としての使用に挑戦していく。
さらに、2022年3月には、ゼロカーボンビジョン2050実現に向けた道筋を定めた「ゼロカーボンロードマップ」を策定し、中間地点として2030年度目標も設定することで、ゼロカーボンの取組みを加速していく。(なお、<物理リスク>への対応は、S社会①自然災害・国際情勢の変化等に記載している。)
② 環境問題《2》
当社グループは、気候変動問題への取組みをはじめ、資源循環の推進や地域環境保全等といった事業活動に密接に関係する環境問題への対応について、中長期的にめざす方向性を、「関西電力グループ環境方針」として定め、環境コンプライアンスの実践・徹底に取り組んでいるが、重大な環境コンプライアンス違反等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
環境コンプライアンス違反を防止するため、事業活動において周辺環境や人の健康に影響をおよぼすことのないよう社内ルールの整備や、実務知識付与のための専門教育等を実施している。また、ISO14001の考え方を取り入れた環境管理システムを構築し、環境問題への先進的な取組みおよび環境リスク管理を推進している。
③ 放射性物質の放出《3》
原子力発電は、エネルギーセキュリティ(安全保障)、地球温暖化問題への対応、経済性の観点から優れた特性を有しており、エネルギー資源の乏しい我が国において、将来にわたって経済の発展や豊かな暮らしを支えるための重要な電源である。一方で、原子力発電は、大量の放射性物質を取扱い、運転停止後も長期間にわたり崩壊熱を除去し続ける必要があるなどの固有の特性を有する。このため、原子力施設の建設・運転・廃止措置、使用済燃料や放射性廃棄物の輸送・貯蔵・処理・処分等の全ての局面において、自然現象、設備故障、人的過誤、破壊・テロ活動、核燃料物質の転用・拡散等により、放射線被ばくや環境汚染を引き起こすリスクがある。原子力発電において、適切な管理を怠って重大な事故を起こせば、長期にわたる環境汚染を生じさせ、立地地域をはじめ社会のみなさまに甚大な被害をおよぼすだけでなく、我が国のみならず世界に対し経済・社会の両面で影響を与えうるなど、社会的信用の低下が生じる事象等が発生し、当社グループの存続可能性に疑義が生じる重大な影響を与える可能性がある。
原子力発電の安全性を向上させるため、全ての役員および原子力発電に携わる従業員が、「ここまでやれば安全である」と過信せず、原子力発電の特性とリスクを十分認識し、絶えずリスクを抽出および評価して、それを除去ないし低減する取組みを継続する。こうした取組みを深層防護の各層において実施することにより、事故の発生防止対策を徹底し、そのうえで万一、事故が拡大し、炉心損傷に至った場合の対応措置も充実させる。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進している。さらに、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映している。
① 自然災害・国際情勢の変化等《5》
台風・豪雨(気候変動に起因する異常気象等)・地震・津波等の自然災害や武力攻撃等により、当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や、他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
従業員とその家族の安全を確保するとともに、電力・ガスを始めとする当社グループサービスの安定供給の責務を果たすため、さまざまな自然災害に対し、「災害に強い設備づくり」や「早期復旧に向けた防災体制の確立」を基本に「設備・防災部会」等を定期的に開催し、災害関連主要リスクに適切に対策を講じるなど、防災対策に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の停滞、それに関連した小売販売電力量・エリア需要の変動や原油価格等の動向による火力燃料費・購入電力料の変動、分譲住宅市況の悪化や賃貸物件の空室率増加、ホテル稼働率の大幅な悪化に加え、当社グループ設備の操業への支障や、他社からの電気・資機材の調達等への支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、5類感染症に移行となり、リスクは低減していると考えられる。感染症リスクに対しては、引き続き、新型インフルエンザ等対策業務計画に基づき、対応していく。
なお、新型コロナウイルス感染症による環境変化を新たな価値を提供する大きなチャンスととらえ、デジタル技術の活用や、他事業者やベンチャー企業とも連携しながら、新規事業・新サービスの創出に取り組んでいく。
国家間の関係悪化や紛争発生等の国際情勢の変化により、投資先の国・地域の経済停滞や治安悪化が発生し、海外事業の継続や計画遂行が困難となった場合や、火力燃料の確保困難、サプライチェーン寸断等の事象が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
海外事業に対しては、投資先の国・地域の経済停滞や治安悪化等のリスクとその影響について多角的に評価し、新規投資の判断や既存プロジェクトの運営、事業ポートフォリオの最適化検討などを行っている。
火力燃料の確保に対しては、調達地域、契約期間、契約相手先、価格指標の分散により、安定調達に資する調達ポートフォリオの構築を行うとともに、多様な取引先との継続的な情報交換ネットワークを構築し、国際情勢の変化と影響の迅速な把握に努めている。
サプライチェーンに対しては、平常時から、主要な生産拠点の把握、情報収集を間断なく行うとともに、新規取引先を積極的に開拓することで、複数取引先の確保を図る等、安定調達の実現に向けた取組みを進めている。
② 情報セキュリティ《6》
外部からのサイバー攻撃等により、当社が保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報についての社外への流出が発生する、または当社グループ設備への被害・損害、操業への支障や、他社からの電気・資機材の調達等に支障が生じ、当社グループサービスの提供が困難になることで、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは、電気事業・ガス事業・情報通信事業を営む重要インフラ事業者として、万全のサイバーセキュリティ対策のもと、安全・安定供給を確保することが重要な責務と考えている。このため、関係法令・サイバーセキュリティ経営ガイドライン・社内規程等に則り、セキュリティ対策を強化するとともに、サイバー攻撃の手法が日々高度化、巧妙化していることから、社外で発生したサイバー攻撃の事例や最新のセキュリティ技術の情報を入手し、早期対策に努めている。
当社グループにおける情報管理の観点では、他の小売電気事業者のお客さま情報の不適切な取扱いおよびお客さま情報の漏洩が2022年12月に発覚し、社会的信用の低下が生じる事象が発生したが、2023年5月12日に提出した業務改善計画に基づき、対策を着実に実行していく。また当社グループが保有するお客さま情報をはじめ、業務上取扱う重要情報について、組織的・人的・物理的・技術的対策も継続して実施していく。
③ 人財基盤《4》
従業員の意欲の低下や、多様で優秀な人財の安定的な確保に支障をきたすなど、人財基盤の強化が進まず、当社グループの持続的な成長を妨げ、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
人財基盤強化の前提として、2021年に策定した「関西電力グループ人権方針」に基づき、あらゆる事業活動において、人権を尊重する取組みを推進している。その上で、人財基盤強化のため、女性・外国人・中途採用者について、今後も性別や国籍や職歴等にとらわれることなく積極的な採用を進めるとともに、管理職への登用についても、個人の能力や適性に応じて公平・公正に実施している。こうした取組みにより、人財の多様性を確保し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進するとともに、労働市場の変化や事業環境の変化に即した多様な採用コースの構築を図ることで、優秀な人財の獲得につなげている。また、2018年に設立した「関西電力グループアカデミー」の中で体系化した研修や育成制度を通じて、従業員の自律的なキャリア形成を促し自発的な成長を支援するとともに、「働き方」改革・健康経営の推進責任者である社長のもと、人事労務担当役員が委員長を務める「『働き方』改革・健康経営委員会」での議論を通じて、より柔軟に働ける勤務制度の整備や従業員の健康づくりに取り組むなど、一人ひとりが成長意欲や挑戦意欲をもち、健康で活き活きと活躍できる環境整備をグループ大で推進している。
労働災害の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
美浜発電所3号機事故をはじめとする事故や災害から得た数々の教訓から、「安全を守る。それは私の使命、我が社の使命」との社長の宣言のもと、当社グループの事業活動にかかわるすべての人の安全を守ることを第一に、安全活動を続けている。この宣言に込めた思いを継承していくため、「関西電力グループ安全行動憲章」をグループワイドで共有し、「安全行動の誓い」を規範として安全行動をたゆまず実践することで、安全の実績を着実に積み重ね、ゆるぎない安全文化を構築していく。さらに、グループワイドで災害防止に向けた取組みをより一層促進するため、「安全・品質部会」や「安全衛生委員会」にて安全活動の継続的な改善を行うとともに、協力会社を含めたグループ会社と”相方向”の情報共有やコミュニケーションを深めることで、「災害ゼロ」を目指している。
④ イノベーション《7》
当社グループは、イノベーション推進によりめざす状態を、「新事業、新サービスを生み出す力」と「既存事業のオペレーション変革力」の双方が優れていること、かつ、「イノベーションが自律的かつ持続的に巻き起こせる仕組み(システム)」が確立されていることと定義しており、これらを推進するための体制強化や仕組みの構築を行っている。特に、デジタル技術を活用した既存事業の変革や新事業・新サービスの創出に向けては、「デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略委員会」を設置し、同戦略のもと、各部門がDXに関する具体的な取組みを検討し、順次展開している。また、オープンイノベーション推進のため、コーポレートベンチャーキャピタル「合同会社K4Ventures」を投資主体に、順次ベンチャー企業等への投資を実施しており、当社やグループ各社との協業を促進している。加えて、2023年7月以降、「イノベーション推進本部」の設置を機に、将来の事業環境変化により的確に対応するため、中長期的な技術・社会動向等を調査し、事業機会・脅威を考察する機能を強化予定であり、これを起点に事業アイデア創出・技術開発等を適時に進めることで、当社グループとして、従前以上に先手を打った事業活動を展開していきたいと考えている。
しかしながら、それらに適切に対応できない場合は、技術革新への対応が遅れるなど、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
① 情報開示
コーポレート・ガバナンスに係る基本的な考え方・基本方針、経営陣幹部・取締役の報酬を決定するにあたっての方針と手続、経営陣幹部の選解任と取締役候補の指名を行うにあたっての方針と手続等、株主・投資家のみなさま等が求める非財務情報の開示が不足するなど、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
情報開示の充実を図るため、コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて適切な情報開示と透明性の確保に関する考え方を定め、これに基づき、株主のみなさまをはじめとしたステークホルダーのみなさまに向けて、有価証券報告書やコーポレート・ガバナンス報告書、統合報告書等にて会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る非財務情報等について、積極的に開示を行っている。
② ガバナンス・コンプライアンス
求められるガバナンスを十分に実現できないなど、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」(2021年3月策定)に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献していく。その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレート・ガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレート・ガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用し、取締役会議長は社外取締役、構成委員の過半数は、社外取締役としている。また、取締役会直下に法定外の「コンプライアンス委員会」を設置している。さらに、当社はグループ各社に対して、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること等により、企業集団の業務の適正を確保している。
重大なコンプライアンス違反の発生等、社会的信用の低下が生じる事象等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。なお、コンプライアンスに関わる当社グループの不適切な事案の詳細については、以下に記載のとおりである。
(金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題)
当社グループは、当社の役員等が社外の関係者から金品を受け取っていた問題および役員退任後の嘱託等の報酬に係る問題により、お客さまや社会のみなさまから賜わる信頼を失墜させた。
本問題については、第三者委員会を設置し、2020年3月14日に調査報告書を受領した。その報告書の内容を厳粛かつ真摯に受け止め、電気事業法に基づく業務改善命令に対する業務改善計画を取りまとめ、2020年3月30日に経済産業大臣に提出した。
その後、2020年6月に指名委員会等設置会社に移行し、外部の客観的な視点を取り入れた新たな経営管理体制のもと、ガバナンス改革をはじめとする業務改善計画の取組みを進めており、その実行状況を、2020年6月29日、10月13日、2021年3月2日および12月27日に経済産業大臣へ報告した。
今後も取組みを確実に実行するとともに、外部の客観的な視点を踏まえ実行状況を検証し、必要に応じて改善策を加えるなど、引き続き、新たな関西電力グループの創生に向け、全力で取り組んでいく。
(特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反)
当社は、特別高圧電力および高圧電力の取引に関し、2021年4月13日および同年7月13日に、独占禁止法違反に係る被疑事実があるとして、公正取引委員会による立入検査を受け、2023年3月30日に、同委員会から、不当な取引制限を禁止する独占禁止法第3条に違反する行為があったと認定された。なお、当社は排除措置命令および課徴金納付命令のいずれも受けていない。当社は、2023年4月にコンプライアンス委員会から、原因究明および再発防止策の提言を受け、当社再発防止策を決定した。当社は、二度とこのような事態を起こさないとの強い決意のもと、再発防止策を徹底していく。
(保安伐採業務における不適切処理)
保安伐採業務等について、2022年6月にコンプライアンス委員会から、不適切な処理の事実、その原因究明および再発防止対策の提言に関する報告を受領した。報告の指摘・提言を真摯に受け止め、再発防止に取り組んでいく。
(施工管理技術検定の実務経験不備の問題)
当社およびグループ会社における施工管理技術検定の実務経験不備の問題について、2022年12月に第三者委員会から、不適切な資格取得の事実、その原因究明および再発防止対策の提言に関する報告を受領した。資格不備者が配置されていた内販物件については、第三者委員会から、施工品質に問題はないとの評価を受けている。現在も、資格不備者が配置された外販物件とその施工品質の調査を実施しているところであるが、報告の指摘・提言を真摯に受け止め、再発防止に取り組んでいく。
(新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等)
他の小売電気事業者のお客さま情報の不適切な取扱いおよびお客さま情報の漏洩に係る問題について、2022年12月27日に電力・ガス取引監視等委員会から、2023年1月13日に個人情報保護委員会および経済産業省から報告徴収を受領し、それぞれ翌月に回答した。さらに、本件に関し、経済産業省から2023年2月21日に緊急指示を、2023年4月17日に業務改善命令を受領した。この間、当社および関西電力送配電の各社社長を本部長・委員長とする「緊急対策本部」・「調査検証・改革委員会」をそれぞれ2023年1月末に設置し、本件に関する事実調査や原因究明を実施した。判明した事実や原因に基づき業務改善計画を取りまとめ、当社コンプライアンス委員会の確認を経て、2023年5月12日に経済産業大臣に提出した。本改善計画では、コンプライアンス推進本部の新設およびコンプライアンス推進の最高責任者であるCCО(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)の設置、内部監査の強化、組織風土改革会議の新設等を行うとともに、一連の改革の実行性を高めるべく外部人材を活用した検証を行うこととしている。業務改善命令の指摘を真摯に受け止め、本改善計画を着実に実行していく。
① 政策動向
2021年10月に策定された第6次エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラルの実現および2030年度に温室効果ガス排出量の2013年度比46%削減に向けたエネルギー政策の方針が示された。また、2030年におけるエネルギー需給見通しで示されたエネルギーミックス(電源構成)では、原子力は20~22%、再エネは36~38%の割合を目指すとされている。
将来のエネルギーミックスのあり方や、小売全面自由化を踏まえた競争政策、容量市場や非化石価値取引市場といった電力システム改革に関する制度の見直し動向等により、電源構成の大幅な変化に伴うエネルギー事業資産の価値毀損や、他事業者との競争のさらなる拡大、各種市場からの収益変動等が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらのリスクに対応するため、国の電力システムにかかる政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、審議会等の場を通じて当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。
② 収支リスク
エネルギー事業に係る小売販売電力量が、冷暖房需要の主たる変動要因である気象(特に気温)や、景気の動向、省エネルギーの進展、技術革新による電気の利用形態の変化および他事業者との競争状況等により変動し、また、販売価格が、他事業者との競争状況や日本卸電力取引所の取引価格等により変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。ガス販売量および販売価格についても、上記に準じ変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらのリスクに対応するため、徹底したコスト構造改革を推進するとともに、安全・安定運転を大前提とした原子力7基体制の確立による競争力強化により、エネルギー事業の収益力回復に取り組む。また、「電化推進」への取組みや、多様なソリューションを通じた新たな価値の提供により、収益の拡大を図る。
エネルギー事業における主要な火力燃料はLNG・原油・石炭等であるため、燃料価格や外国為替相場等の動向によって火力燃料費・購入電力料が変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。燃料価格や外国為替相場の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」によって一定の調整が図られることから、当社グループの業績への影響は緩和されるものの、ウクライナ情勢の悪化以降のような、燃料価格の高騰が継続する場合、燃料費調整制度において平均燃料価格が上限を超えることにより、燃料価格の上昇を一部、料金反映できない可能性がある。
また、小売販売電力量の変動や、年間の降雨降雪量の変動による水力発電所の発電量の増減等によって、火力燃料費・購入電力料が変動した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、小売販売メニューの変更等による対策を講じることで、影響を緩和することも検討していく。また、水力発電所の発電量の増減については、「渇水準備引当金制度」によって一定の調整が図られることから、当社グループの業績への影響は緩和される。
ESG、SDGsの観点の広がりに伴う電源の脱炭素化やデジタル化、自由化等の経営環境の変化の中、新たな事業領域の拡大が期待でき、当社がこれまで培ってきた技術力、ノウハウを活用できる分野での取組みを進めており、再エネ電源においては、洋上風力を中心に、2040年までに、国内で新規開発500万kW、累計開発900万kW規模をめざし、1兆円規模の投資を見込んでいる。
しかしながら、これらの投資において、市場規模や規制等の市場に係る動向、開発計画の遅延等に加え、国内外の政治・経済・社会の状況変化、マクロ経済低迷等により、投資済プロジェクトの収入減および当社への配当減が発生するなど、想定していた収益性が確保できない場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらの投資リスクに対応するため、投資の妥当性の評価に加えて、投資後のモニタリングと撤退・再建策の検討・実施も含めた一連のマネジメントプロセスを構築・運用し、事業推進部門およびコーポレート部門の役員で構成される社内会議体(投資評価部会)において、専門的知見に基づく審議・検討を行っている。これにより、個別案件の意思決定における適切な判断を支援するとともに、リスク顕在化時にはタイムリーな対処を促し、投資リスクの適正な管理に努めている。こうしたマネジメント状況は定期的に執行役会議に報告するとともに、必要に応じて評価・管理の枠組みや手法を改善している。
③ 原子力発電
当社は他の電力会社と比較して原子力発電の比率が高く、新規制基準への対応や訴訟等の結果により、発電所の停止が長期化した場合には、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性がある(2022年度実績ベースでは、原子力利用率が1%悪化する場合の費用増加影響は79億円程度)。
また、原子力施設の廃止措置や使用済燃料の再処理・処分などの原子力バックエンド事業について、超長期の事業であり、不確実性を伴うが、国による制度措置等により事業者のリスクが軽減されている。原子力バックエンドコストについては、今後の制度の見直しや将来費用の見積額の変動等により、費用負担額が増加した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
原子力発電の燃料となるウランは、政情の安定した国々に埋蔵されていることから安定確保が可能である。また、少しの燃料で長期間発電に使うことが可能なうえ、使い終わった燃料は再処理することで再び燃料として使用できることなどから、準国産のエネルギー資源になる。原子力発電所で使用した燃料中のウラン、プルトニウムを燃料として再利用する「原子燃料サイクル」を進めることは、資源に乏しい我が国にとって、エネルギー資源の有効活用およびエネルギーを安定的に確保していくために効果的であるといえる。
使用済燃料は、発電所内の使用済燃料プールで一定期間貯蔵したあと、再処理工場へ搬出する。万が一、プールが満杯になれば発電所を運転できなくなるため、計画的に搬出する必要があり、使用済燃料を一時的に貯蔵できる中間貯蔵施設を設置することで、将来にわたって発電所を安定的に運転できる。当社では、「使用済燃料対策推進計画」を策定し、福井県外の中間貯蔵施設について、2023年末までに計画地点を確定、2030年頃の操業開始に向けて取り組んでいる。2023年6月12日、使用済MOX燃料の再処理実証研究に伴い、当社の原子力発電所に貯蔵されている使用済燃料約200トンの搬出が決定した。これは、使用済燃料が福井県外へ搬出されるという意味で、中間貯蔵と同等の意義がある。したがって、福井県外の中間貯蔵における計画地点の確定は達成され、福井県との約束はひとまず果たすことができたと考え、同日、福井県へご報告した。当社としては、引き続き、発電所の将来の安定運転に必要な使用済燃料の搬出容量を確保するため、国、電気事業連合会とも連携を密にし、あらゆる可能性を追求し、最大限の取組みを行っていく。
原子力損害賠償・廃炉等支援機構一般負担金については、今後の負担総額や負担金率の変動等により、当社の負担額が増加した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
資源に乏しい我が国においては、3E(エネルギーセキュリティの確保、経済性、地球環境問題への対応)のバランスに優れる原子力発電の果たす役割は大変大きく、安全の確保、技術・人財基盤の維持の観点からも、将来にわたって原子力発電を一定規模確保することが必要であり、これらを実現するためには、安全性の確認された40年超プラントの運転に加えて新増設・リプレースが必要になると考えている。当社としては、原子力発電所の安全確保を大前提として、有効に活用していきたいと考えている。また、廃止措置は大きく4段階に分け、約30年かけて実施することとしている。廃止措置の実施にあたっては、必要な対策等を講じ、安全の確保を最優先に着実に行っている。現在、美浜発電所1、2号機は、廃止措置計画の変更認可を取得し、計画どおり、2022年度から第2段階の「原子炉周辺設備解体撤去期間」へ移行した。管理区域内での解体は、適切にクリアランス処理を行いながら進める計画であり、これを確実に実現すべく準備を進めている。一方、大飯発電所1、2号機は、第1段階の「解体準備期間」であり、タービン建屋内機器等解体工事等の作業を計画どおり進めるとともに、第2段階への移行に必要な炉内外の放射能調査も計画通り進めている。
④ 商品・サービスの提供支障・品質低下
当社グループ設備の事故等による操業支障や、電力・資機材の調達支障等により、当社グループサービスの提供が困難となることで、当社グループは、社会的信用の低下や業績の悪化等の影響を受ける可能性がある。
特に、厳気象(猛暑および厳寒)による需給ひっ迫や操業支障、調達支障に伴う電力の需給変動リスクに臨機応変に対応する必要がある。具体的には、「需給ひっ迫を予防するための発電用燃料に係るガイドライン」に基づき必要な燃料在庫の確保に努めるとともに、LNGの取引ハブであるシンガポールの子会社を活用した燃料トレーディングによる経済的かつ柔軟性の高い火力燃料の調達や、卸電力取引市場での積極的な電力取引を通じた電力トレーディングによる安価で機動的な電力調達などに取り組んでいる。
また、発電所の適切な運転管理や巡視に努めていることに加えて、事故の再発防止を徹底している。
さらに、国や電力広域的運営推進機関と連携しながら、具体的な需給対策の事前整理や当社グループ大の体制構築等にも努める等、需給ひっ迫が発生した場合の緊急時の対策に取り組んでいく。
2023年度より、一般送配電事業者における、必要な投資の確保と、コスト効率化を両立させ、高経年化する送配電設備の確実な増強と更新の実施、再生可能エネルギー主力電源化やレジリエンス強化を含む安定供給等を実現することを目的として、新たな託送料金制度が導入された。本制度下において、第1規制期間(2023-2027年度)に達成すべき目標を明確にした事業計画を策定するとともに、その実施に必要な見積費用(収入の見通し)を算定し、国に申請した。これにより、高経年化設備の更新等にかかる必要な費用は見積費用に織り込まれ確保されること、エリア需要の変動は翌規制期間に調整されること、また、災害復旧にかかる突発的な費用増および需給調整市場にかかる調整力費用増等は、申請内容に応じて事後検証のうえ翌規制期間に調整されることとなったため、従前より認識していたこれらのリスクは低減され、中長期的な事業運営の安定性および予見性が一定程度向上した。
なお、収入の見通しについては、一般送配電事業者間の横比較による査定および生産性向上見込み率(効率化係数)等を用いた査定が行われたことから、事業計画に織り込んだ効率化施策を着実に実施したうえで、トップランナーに向けた施策展開やカイゼン活動・デジタルトランスフォーメーション(DX)両輪による業務改革といったコスト構造改革に取り組んでいく。
※送配電事業は関西電力送配電(株)が担う。
お客さまのニーズに応じた幅広いメニューを迅速に取りそろえ、デジタル技術を活用し、家庭向け、企業向けに総合的な情報通信サービスを提供している。
しかしながら、情報通信分野においては、5G(第5世代移動通信システム)等のように、新しい技術による情報通信市場における競争環境やビジネスモデルの変化等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。また、国の競争政策によって、料金値下げ競争や新規事業者の参入など競争環境が大きく変化した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
これらのリスクに対応するため、変化するお客さまニーズを的確にとらえてデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や新サービスの開発、既存サービスの拡充を実施していく。
加えて、競争激化等の環境変化に備えて、コスト削減の取組みにも注力していく。また、国の情報通信政策や規制動向について必要な情報収集を実施するとともに、パブリックコメントやヒアリング等の場で当社グループの考え方を主張するなど必要な対応を実施していく。
お客さまの生活やビジネスのさまざまなシーンでお役に立てるよう、賃貸・分譲・管理・レジャー等の総合不動産事業に加え、ヘルスケア等の個人さま向けサービス、コールセンター等の事業者さま向けサービスを品質第一で幅広く提供している。
しかしながら、景気の動向や不動産市況の低迷等、分譲住宅市況の悪化による販売の不振、賃貸物件の空室率の増加による賃料収入の減少、ホテルや商業施設等の売上の減少による保有物件の価値の毀損、旅行・出張需要が減少しホテル稼働率の悪化等の事象が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。
不動産事業における投資については、過去から将来にわたる不動産市況の把握・予測を行いながら、競争力のあるエリアでの事業を推進するとともに、資産の入れ替えを進めることにより、安定した収益と一定の自己資本比率を確保することを基本としている。また、市況の急激な変化が発生した場合においても、経営への影響を一定程度に抑えることができるよう、リスク評価を行ったうえで投資予算を策定・管理している。
事業活動に伴い、通貨や各種商品の価値・価格の変動、金利や為替の変動および気候の変動に起因する収支変動等の不確実性があるが、デリバティブ取引の活用等により、一定以上の損失の回避、収支の安定化および向上を図っている。なお、電力需要増加に対応する追加燃料調達を行う際、燃料価格等が高騰している場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があるが、その場合には小売販売メニューの変更等による対策を講じることで、影響を緩和することも検討していく。
当社グループの有利子負債残高(連結)は、2023年3月末時点で、5,009,408百万円(総資産の57.1%に相当)であり、有利子負債残高の93.7%(4,691,887百万円)は長期借入金、社債の長期資金である。長期資金の多くは固定金利であるが、一部は変動金利での調達であり、今後調達する長期借入金、社債等を含め、市場金利の動向は、当社グループの業績に影響を与える可能性があり、引き続き、その動向を注視する。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
<経営成績等の状況の概要>
当社グループは、「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」および「関西電力グループ2022年度計画」に掲げた諸施策について、総力を結集し、取り組んできたが、特別高圧電力および高圧電力の取引に関する独占禁止法違反や新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等のコンプライアンスに関わる不適切な事案が相次いでいることを極めて重く受け止めている。こうした中、当社は、2023年2月24日から5月12日までの間、能動的な営業活動を全面的に自粛し、業務運用やシステムの総点検、行為規制等の法令に関する理解とコンプライアンス意識の再徹底に向けた研修・教育に集中的に取り組んだ。
当連結会計年度の小売販売電力量は、需要数が増加したことなどから、1,116億kWhと前連結会計年度に比べて10.8%増加した。その内訳を見ると、「電灯」については、309億kWhと前連結会計年度に比べて4.4%減少した。また、「電力」については、807億kWhと前連結会計年度に比べて18.0%増加した。
収入面では、電灯電力料収入が増加したことなどから、売上高は3,951,884百万円と、前連結会計年度に比べて1,099,989百万円の増収(+38.6%)となった。
支出面では、徹底した経営効率化に努めたものの、原子力利用率の低下や為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加したことや、卸電力取引市場からの調達費用の増加などにより他社購入電力料が増加したことなどから、営業費用は4,003,940百万円と、前連結会計年度に比べて1,251,370百万円の増加(+45.5%)となった。
この結果、当連結会計年度の営業損失は52,056百万円と、前連結会計年度に比べて151,381百万円の減益、経常損失は6,666百万円と、前連結会計年度に比べて142,621百万円の減益となった。また、税務上の繰越欠損金について当期に繰延税金資産を計上したことなどにより法人税等が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は17,679百万円と、前連結会計年度に比べて68,156百万円の減益(△79.4%)となった。
セグメントの経営成績(相殺消去前)は、次のとおりである。
(注) 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要は、次のとおりである。
<生産、受注及び販売の状況>
当社および連結子会社における生産、受注及び販売の実績については、その大半を占めるエネルギー事業のうち当社の数値を記載している。
(注) 1 自社の発電電力量については、送電端電力量を記載している。
2 火力発電電力量は、汽力発電電力量と内燃力発電電力量の合計である。
3 新エネルギー発電電力量は、汽力発電設備におけるバイオマスと新エネルギー等発電設備における太陽光による発電電力量である。
4 他社受電電力量と総販売電力量は、提出日(2023年6月29日)現在において把握している電力量を記載している。
5 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力量である。
6 2021年度出水率は、1990年度から2019年度までの30カ年平均に対する比である。
2022年度出水率は、1991年度から2020年度までの30カ年平均に対する比である。
7 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
8 発受電電力量の合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。なお、第2四半期連結会計期間より発受電電力量の合計を、従来の小売販売電力量から総販売電力量に対応するよう見直している。
(注) 1 他社販売電力量と総販売電力量は、提出日(2023年6月29日)現在において把握している電力量を記載している。
2 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
自社発電認可最大出力
主要燃料の受払状況
(注) 四捨五入の関係で、合計が一致しない場合がある。
<財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析>
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。重要な会計方針については、「第5 経理の状況」に記載している。
連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の計上額に影響を与える見積りを行う必要がある。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、特に重要なものについては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)に記載している。
[エネルギー事業]
社会の変化に着実に対応すべく、「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、再エネの主力電源化や原子力の最大限活用、火力のゼロカーボン化、ゼロカーボン水素の活用も含めた電源のゼロカーボン化に取り組み、また、お客さまのゼロカーボン化を実現する最適なソリューションをご提案・ご提供するとともに、水素社会に向けた検討・実証にも取り組むなど、お客さまや社会のゼロカーボン化の実現に向けて当社グループのリソースを結集していく。また、安全・安定運転を大前提とした原子力7基体制の確立に加え、競争力のある電源ポートフォリオの構築、燃料調達や需給運用の合理化、DXを活用した状態監視保全の導入拡大等により、コスト構造改革を完遂し、中期経営計画で掲げた目標の達成に取り組む。加えて、エネルギー・環境分野での新たな市場を開拓し、多様なソリューションを通じた新たな価値のご提供を本格化させることで、さらなる収益の拡大を図る。
(業績)
収入面では、電灯電力料収入が増加したことなどから、外部顧客への売上高は3,109,708百万円と、前連結会計年度に比べて1,016,898百万円の増収(+48.6%)となり内部売上高を含めた売上高は3,462,114百万円と、前連結会計年度に比べて1,084,234百万円の増収(+45.6%)となった。
支出面では、徹底した経営効率化に努めたものの、原子力利用率の低下や為替・燃料価格の影響などにより火力燃料費が増加したことや、卸電力取引市場からの調達費用の増加などにより他社購入電力料が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント損失は27,405百万円と、前連結会計年度に比べて98,029百万円の減益となった。
(当連結会計年度の取組み)
原子力プラントについては、7基中、美浜発電所3号機、高浜発電所3、4号機、大飯発電所3、4号機の5基が運転を行っている。高浜発電所4号機は、2023年1月に制御棒挿入による中性子束急減に伴い原子炉が自動停止したが、原因を調査し必要な対策を講じた後、3月に運転を再開した。また、運転期間延長の認可を受けた高浜発電所1、2号機は、2023年度の運転再開に向け定期検査を継続している。なお、特定重大事故等対処施設については、美浜発電所3号機は2022年7月に、大飯発電所3号機は12月に、4号機は8月に運用を開始しており、高浜発電所1、2号機は、早期完成に向け引き続き最大限努力していく。
再生可能エネルギーの開発等については、国内においては、福島いわきバイオマス発電所およびパシフィコ・エナジー和歌山メガソーラー発電所は2022年4月に、南木曽吾妻発電所(水力発電)は7月に、播州メガソーラー発電所、秋田港および能代港洋上風力発電所は2023年1月に、相生バイオマス発電所は3月に営業運転を開始した。また、五島市沖洋上風力発電事業で風車組立てを開始するなど、既存のプロジェクトを着実に推進するとともに、コーポレートPPA(電力購入契約)による太陽光発電開発・電力供給等、新規プロジェクトにも取り組んだ。
また、国外においても、建設中であったフィンランドのピーパリンマキ陸上風力発電事業は商業運転を開始し、ノイコネクト英独連系送電線事業は工事着工を迎えた。
ご家庭のお客さまへのサービスについては、従来のオール電化住宅向けなどのメニューに加え、太陽光発電設備と電気をセットにしたサブスクリプション(定額)サービス「はぴeセットソラレジ」の提供を開始した。
また、法人のお客さまへのサービスについては、脱炭素の計画策定から具体策実行までをサポートする「ゼロカーボンパッケージ」活動を展開するとともに、お客さまが所有する分散型リソースの最適制御等を行うエネルギーマネジメントシステムである「SenaSon(Smart energy aggregate Solution)※」の提供を開始した。
ガス事業については、販売量は153万トンと、前年度実績と同水準となった。また、家庭用分野においては、多くのお客さまに「関電ガス」をお選びいただくため、当社の電気とガスをセットにした「なっトクパック」の提案活動を展開し、当年度末時点での契約件数は162万件となった。
また、中核会社の株式会社関電エネルギーソリューションにおいては、ユーティリティサービス事業について、収益の拡大に向け、大型案件の受注推進に加え、中小規模案件の獲得や首都圏での活動強化など顧客基盤の構築に取り組むとともに、空調制御サービス「おまかSave-Air」等のサービスを推進した。
※お客さまが所有する分散型リソースの最適制御等を行うエネルギーマネジメントシステム
[送配電事業]
送配電事業の一層の中立性を確保しつつ、安全かつ安定した電気を低廉な価格でお届けするため、電力系統の運用、送電、変電、配電の計画・工事などを行い、生活や産業の基盤を支える電力を供給している。
また、脱炭素化やレジリエンス強化をはじめ、エネルギーに関する社会ニーズは多様化する中、それを支える基盤である送配電事業の重要性はこれまで以上に高まっていると認識しており、電力ネットワークの次世代化を進めるとともに、分散型電源などの多様な系統利用者の要請にも柔軟に系統利用サービスを提供し続け、お客さまや社会のご期待にお応えし続けていく。
(業績)
収入面では、需給調整取引の増加による収益の増加があったことなどから、外部顧客への売上高は469,975百万円と、前連結会計年度に比べて70,998百万円の増収(+17.8%)となり、内部売上高を含めた売上高は1,138,438百万円と、前連結会計年度に比べて140,627百万円の増収(+14.1%)となった。
支出面では、燃料価格の高騰などの影響により、需給調整に伴う費用が大幅に増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント損失は45,186百万円と、前連結会計年度に比べて51,250百万円の減益となった。
(当連結会計年度の取組み)
関西電力送配電株式会社において、高経年化設備の計画的更新や次世代化を着実に進め、電力の安全・安定供給に取り組んだ。また、2023年度から導入される新たな託送料金制度に向け、脱炭素化・レジリエンス強化に資する電力ネットワークの次世代化やサービスレベル向上などの取組目標を反映した5ヶ年の事業計画を策定するとともに、カイゼンを通じた生産性向上や徹底した効率化によるコスト削減などを推進した。需給調整取引の収支悪化に対しては、調整力調達費用の適正化に向けて取り組んだ。
[情報通信事業]
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの3つのサービスをeo光ブランドで関西一円に展開しているほか、全国をターゲットにモバイル事業「mineo(マイネオ)」および、法人ソリューション事業を展開している。
(業績)
収入面では、eo電気において燃料費調整額が増加したことなどから、外部顧客への売上高は222,828百万円と、前連結会計年度に比べて12,132百万円の増収(+5.8%)となり、内部売上高を含めた売上高は291,683百万円と、前連結会計年度に比べて12,314百万円の増収(+4.4%)となった。
支出面では、燃料価格の高騰などの影響により、eo電気において電力調達費用が増加したことなどから、経常費用は増加した。
この結果、セグメント利益は43,029百万円と、前連結会計年度に比べて2,978百万円の増益(+7.4%)となった。
(当連結会計年度の取り組み)
中核会社の株式会社オプテージにおいて、FTTHサービス「eo光」新規申込者の約6割に選ばれている10ギガ/5ギガコースをeo光ネットの全エリアで利用可能としたほか、モバイル事業「mineo」についても、データ使い放題となるプラン「マイそく」の新コース投入やeSIMの提供開始などお客さまのご期待に応えるため新たなメニューや機能を充実した。さらに、新サービスとして、家電製品を一括でひとつのアプリで操作することができるスマートホームIoT「IOPT(アイオプト)」の提供を開始した。
[生活・ビジネスソリューション事業]
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、リース、コールセンター運営、メディカル・ヘルスケア、ホームセキュリティなど、お客さまの安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開している。
(業績)
収入面では、不動産分野において、賃貸事業における新規物件取得により賃料収入が増加したことや、ホテル事業における稼働率の向上などがあったものの、株式の譲渡により、4社を連結の範囲から除外したことなどから、外部顧客への売上高は149,370百万円と、前連結会計年度に比べて39百万円の減収(△0.0%)となり、内部売上高を含めた売上高は190,710百万円と、前連結会計年度に比べて1,806百万円の減収(△0.9%)となった。
支出面では、徹底したコスト削減に努めたことなどから、経常費用は減少した。
この結果、セグメント利益は20,908百万円と、前連結会計年度に比べて1,250百万円の増益(+6.4%)となった。
(当連結会計年度の取り組み)
中核会社の関電不動産開発株式会社において、超高層タワーマンション「シエリアタワー中之島」や、首都圏のオフィス建て替えプロジェクト「関電不動産渋谷ビル」の開発を推進した。また、海外においても住宅開発・賃貸事業を展開しており、米国・豪州・東南アジアで6案件に事業参画した。
当期経常損失6,666百万円を計上したことなどから、税金等調整前当期純損失は5,828百万円となった。一方、税務上の繰越欠損金について当期に繰延税金資産を計上したことなどにより法人税等が減少したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は17,679百万円となり、前連結会計年度に比べて68,156百万円の減益(△79.4%)となった。
資産は、設備投資額が減価償却費を上回ったことなどから、前連結会計年度末に比べて117,994百万円増加(+1.4%)し、8,774,425百万円となった。
負債は、設備投資などに対応するために有利子負債が増加したものの、その他の流動負債が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べて16,230百万円減少(△0.2%)し、6,934,642百万円となった。
純資産は、その他の包括利益累計額が増加したことや、親会社株主に帰属する当期純利益(17,679百万円)を計上したことなどから、前連結会計年度末に比べて134,225百万円増加(+7.9%)し、1,839,782百万円となった。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて1.2%上昇し、20.4%となった。
また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて144円75銭増加し、2,004円24銭となった。
当社グループは、電気事業等を行うための設備投資や債務償還などに必要な資金を可能な限り自己資金にて賄い、不足する資金については主に社債や借入金によって資金調達を行い、コマーシャル・ペーパー等により短期的な運転資金を調達することにより、流動性を確保している。
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純損失を計上したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が282,277百万円減少(△68.8%)し、128,038百万円の収入となった。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて支出が114,745百万円減少(△21.5%)し、417,884百万円の支出となった。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の増加額が減少したことなどから、前連結会計年度に比べて収入が201,664百万円減少(△63.3%)し、117,104百万円の収入となった。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて168,255百万円減少(△34.3%)し、322,235百万円となった。
(5)中期経営計画の財務目標および進捗状況
連結財務目標および進捗状況
(注) ROA=事業利益〔経常損益+支払利息〕÷総資産〔期首・期末平均〕
セグメント別財務目標および進捗状況
(注) 1 各セグメント損益には、連結子会社および持分法適用会社からの受取配当金を含まない。
2 ROA=事業利益〔セグメント損益+支払利息〕÷セグメント資産〔期首・期末平均〕
該当事項なし。
当社および連結子会社における研究開発活動としては、中期経営計画の達成に向け、「安全・安定供給の確保のための研究開発」、「コスト削減・競争力の強化に資する研究開発」および「グループ全体の新たな成長につながる研究開発」を中心に取り組んでいる。
それぞれの取組みについては次のとおりである。
1.安全・安定供給の確保のための研究開発
原子力安全、地震・津波対策、作業・公衆安全、放射性廃棄物処理、廃炉など事業継続のために必要な安全確保を主目的とした研究や、再生可能エネルギーの導入拡大やレジリエンス強化のための研究開発などに取り組んでいる。
2.コスト削減・競争力の強化に資する研究開発
発電効率向上や設備の寿命延伸、作業効率化などのコスト削減につながる研究や、ガスを含めた省エネ、エネルギー診断などのエネルギー事業に必要な商品・サービスに関する研究開発に取り組んでいる。
3.グループ全体の新たな成長につながる研究開発
保有技術の活用などによる事業領域の拡大に関する研究開発や、水素などゼロカーボンを見据えた研究開発、将来の成長の源となる基盤技術の探索・調査・開発に取り組んでいる。
なお、当連結会計年度における当社および連結子会社の研究開発費の金額は、エネルギー事業について主として上記1~3の研究課題に関して