1 有価証券の評価基準及び評価方法
移動平均法による原価法
時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定している。)
移動平均法による原価法
2 棚卸資産の評価基準及び評価方法
貯蔵品
総平均法(一部は移動平均法)による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定している。)
3 固定資産の減価償却の方法
法人税法に規定する方法と同一の基準に基づく定額法
法人税法に規定する方法と同一の基準に基づく定額法
4 引当金の計上基準
貸倒れによる損失に備えるため、期末金銭債権に対して実績率等による回収不能見込額を計上している。
退職給付に充てるため、将来の退職給付見込額を基礎とした現価方式による額を計上している。
退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については、期間定額基準によっている。
過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により費用処理している。
数理計算上の差異は、各事業年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(3年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌事業年度から費用処理することとしている。
債務保証に係る損失に備えるため、被保証先の財政状態等を勘案し、損失見込額を計上している。
渇水による費用の増加に備えるため、「電気事業法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定により、なおその効力を有するものとされる改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定により、「渇水準備引当金に関する省令」(平成28年経済産業省令第53号)に基づき計算した額を計上している。
5 収益の計上基準
当社の顧客との契約から生じる収益に関する主要な事業における主な履行義務の内容および当該履行義務を充足する通常の時点(収益を認識する通常の時点)は以下のとおりである。
電気事業においては、主に小売・卸売の電気販売を行っている。
小売の電気販売は、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、電気事業会計規則に従い、毎月の検針により計量された使用量等に基づき算定される料金を当月分の収益とする検針日基準により収益(電灯料・電力料)を認識している。なお、これに伴い期末月に実施した検針の日から期末日までの使用量等に係る収益は翌事業年度に計上されることとなる。
また、小売の電気料金の一部である「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(平成23年法律第108号)第36条第1項の再エネ特措法賦課金は、第三者のために回収する額に該当することから収益(電灯料・電力料)に含めていない。
卸売の電気販売は、契約期間にわたり電気の供給を行うことが履行義務であり、供給した電力量等に応じて履行義務を充足し、毎月の供給量等に基づき算定される料金により収益(他社販売電力料)を認識している。
ガス事業においては、主にガス販売を行っている。
ガス販売は、契約期間にわたりガスの供給を行うことが履行義務であり、時の経過に応じて履行義務を充足し、毎月の使用量等に基づき算定される料金により収益(ガス事業営業収益)を認識している。
なお、期末月に実施した検針の日から期末日までの使用量等に係る収益については、同種の契約をまとめた上で、当事業年度の収益として使用量および単価を見積り認識している。
6 ヘッジ会計の方法
繰延ヘッジ処理を採用している。
なお、為替予約および通貨スワップについて振当処理の要件を満たしているものは振当処理を、金利スワップについて特例処理の要件を満たしているものは特例処理を採用している。
通常業務から発生する債権債務などを対象として、為替予約取引、通貨スワップ取引、金利スワップ取引、商品(燃料)スワップ取引などを利用している。
これらの取引は、為替、金利および燃料価格の変動によって生じるキャッシュ・フローの変動リスクまたは債権債務の時価変動リスクを、回避・軽減する目的に限って実行している。
事後テストは決算日ごとに有効性の評価を行っている。なお、ヘッジ対象とヘッジ手段の間に高い有効性が認められるものについては事後テストは省略している。
7 その他財務諸表作成のための基礎となる事項
(1)原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号 以下「再処理法」という。)第5条第2項に規定する拠出金(再処理法第2条第4項第1号に規定する再処理関連加工の業務に係る拠出金を除く。)の額を原子力発電所の運転に伴い発生する使用済燃料の量に応じて使用済燃料再処理等拠出金費として計上している。
なお、再処理関連加工の業務に係る拠出金については、使用済燃料再処理関連加工仮勘定に計上している。
(2)実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する費用の計上方法
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」(平成17年法律第48号)第11条第2項に規定する当事業年度に係る拠出金の額を廃炉拠出金費として計上している。
(3)廃炉円滑化負担金の概要及び原子力廃止関連仮勘定の償却方法
廃炉会計制度は、廃炉の円滑な実施等を目的として措置されており、エネルギー政策の変更や安全規制の変更等に伴い廃止した原子炉の残存簿価等(原子力特定資産簿価、原子力廃止関連仮勘定簿価(原子力廃止関連費用相当額を含む。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)附則第2条の規定による廃止前の原子力発電施設解体引当金に関する省令における原子力発電施設解体引当金の要引当額)について、同制度の適用を受け、一般送配電事業者の託送料金により、廃炉円滑化負担金として回収している。
同制度の適用にあたり、当社は改正省令による改正前の「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の12の規定により、経済産業大臣宛に廃炉円滑化負担金承認申請書を提出し、経済産業大臣の承認を受けている。また、経済産業大臣から回収すべき廃炉円滑化負担金の通知を受けた関西電力送配電株式会社は、「電気事業法施行規則」(平成7年通商産業省令第77号)第45条の21の11の規定により、廃炉円滑化負担金の回収ならびに当社および日本原子力発電株式会社への払い渡しを行っている。
原子力廃止関連仮勘定は、「電気事業法施行規則等の一部を改正する省令」(平成29年経済産業省令第77号)附則第5条、第8条および改正省令附則第9条の規定により、関西電力送配電株式会社から払い渡される廃炉円滑化負担金相当金に応じて償却している。
(4)退職給付に係る会計処理
退職給付に係る未認識過去勤務費用および未認識数理計算上の差異の会計処理の方法は、連結財務諸表における会計処理の方法と異なっている。
(重要な会計上の見積り)
前事業年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 1,281,997 百万円
連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)「市場価格のない有価証券の評価」の内容と同一である。
当事業年度
市場価格のない有価証券の評価
(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額 1,195,891 百万円
連結財務諸表の注記事項(重要な会計上の見積り)「市場価格のない有価証券の評価」の内容と同一である。
1 電気事業会計規則の改正
財務諸表は、電気事業会計規則が改正されたため、改正後の電気事業会計規則により作成している。
2 「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」の施行に伴う
電気事業会計規則の改正
2024年4月1日に「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号 以下「改正法」という。)および「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」(令和6年経済産業省令第21号 以下「改正省令」という。)が施行されたことにより、「原子力発電施設解体引当金に関する省令」(平成元年通商産業省令第30号 以下「解体省令」という。)が廃止され、電気事業会計規則が改正された。
実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に必要な費用は、従来、資産除去債務に計上し、資産除去債務相当資産(解体省令第5条第3項ただし書の要引当額の相当額を含む。)については、「資産除去債務に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第21号 平成20年3月31日)を適用し、解体省令の定める積立期間(運転を廃止した特定原子力発電施設に係る積立期間については、解体省令第5条第6項による経済産業大臣から通知を受けた期間)にわたり、定額法により費用化し原子力発電施設解体費として計上していたが、改正省令の施行日以降は、改正法第3条の規定による改正後の「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」第11条第2項に規定する廃炉拠出金を、廃炉拠出金費として計上することとなった。
原子力事業者は、従来、その各々が保有する実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に要する資金を確保する責任を負っていたが、改正法に基づき、毎年度、使用済燃料再処理・廃炉推進機構(以下「機構」という。)に対して廃炉拠出金を納付することで費用負担の責任を果たすこととなり、機構は廃炉に要する資金の確保・管理・支弁を行う経済的な責任を負うこととなった。
これにより、改正省令の施行時点において、原子力発電設備(資産除去債務相当資産)20,065百万円および資産除去債務537,568百万円を取崩している。
改正法附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため機構に支払わなければならない金銭の総額526,880百万円は、改正省令附則第7条の規定により未払廃炉拠出金に計上し、このうち19,732百万円を1年以内に期限到来の固定負債に振り替えている。これによる損益への影響はない。
また、改正省令附則第8条の規定により9,377百万円を原子力廃止関連仮勘定に計上している。
3 執行役及び執行役員に対する株式報酬制度
執行役および執行役員に対する株式報酬制度については、連結財務諸表の注記事項(追加情報)に記載している。
4 電気・ガス価格激変緩和対策事業、酷暑乗り切り緊急支援及び電気・ガス料金負担軽減支援事業に係る補助金
当社は、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」および「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」、「酷暑乗り切り緊急支援」および「電気・ガス料金負担軽減支援事業」により、国が定める値引き単価による電気料金・ガス料金の値引きを行っており、その原資として受領する補助金を、前事業年度において、「電気事業雑収益」に262,273百万円、「ガス事業営業収益」に12,047百万円、「その他附帯事業営業収益」に0百万円、当事業年度において、「電気事業雑収益」に100,526百万円、「ガス事業営業収益」に4,947百万円、「その他附帯事業営業収益」に0百万円、それぞれ計上している。
1 固定資産の工事費負担金等の受入れによる圧縮記帳額
2 貸付有価証券
有価証券消費貸借契約に基づく貸付有価証券は次のとおりである。
3 会社の財産は、以下の社債および㈱日本政策投資銀行からの借入金の一般担保に供している。
4 1年以内に期限到来の固定負債
5 未払税金
未払税金には、次の税額が含まれている。
6 渇水準備引当金
「電気事業法等の一部を改正する法律」(平成26年法律第72号)附則第16条第3項の規定により、なおその効力を有するものとされる改正前の電気事業法(昭和39年法律第170号)第36条の規定により計上している。
7 偶発債務
8 附帯事業に係る固定資産の金額
ガス事業
1 関係会社に対する事項
2 特別損失の内容
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
和歌山発電所建設計画の中止
当社は、2023年12月19日に、和歌山発電所建設計画の中止を決定したことに伴い、固定資産に係る減損損失126,495百万円を発電所建設中止損失として計上している。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
3 減損損失
前事業年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(1) 減損損失の金額及び内訳
(2) 減損損失を認識するに至った経緯
当社は、1990年代当時、電力需要の大幅な伸びに対応すべく和歌山発電所建設計画を進めていたが、その後の需要低迷などの要因により、2004年から工事を中断していた。今般、電気事業を取り巻く事業環境の変化を踏まえると、和歌山発電所建設計画を推進できる見通しが得られないことから、2023年12月19日に建設計画の中止を決定した。
当社では、電気事業固定資産および建設仮勘定を一つの資産グループとしているが、建設計画の中止を決定したことに伴い、当該建設仮勘定は電気事業の用に供さないことが確定したため、別個の資産グループとして扱うこととした。また、建設計画の中止が当該資産グループの回収可能価額を著しく低下させる事象にあたり、減損の兆候があると判断した。
(3) 回収可能価額の算定方法
回収可能価額は、正味売却価額により算定しており、当該資産グループの大半を占める土地および土地と一体の構築物については不動産鑑定士による鑑定評価額から、処分費用見込額を控除した価額としている。
当事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
該当事項なし。
子会社株式及び関連会社株式
前事業年度(2024年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
当事業年度(2025年3月31日)
(注)上記に含まれない市場価格のない株式等の貸借対照表計上額
1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳
(注)「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第44号)附則第10条第1項の規定により、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため使用済燃料再処理・廃炉推進機構に支払わなければならない金銭に係る繰延税金資産を「未払廃炉拠出金」に計上している。また、「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号)附則第43条第2項の規定により、原子力発電施設解体準備金の金額を30年にわたり均等に取り崩し益金に算入することとなったため、翌事業年度以降に益金に算入される金額に係る繰延税金負債を「原子力発電施設解体準備金」に計上している。
2 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳
(注)前事業年度は法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため注記を省略している。
3 法人税等の税率の変更による繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の修正
「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が成立したことに伴い、当事業年度の繰延税金資産および繰延税金負債の計算に使用した法定実効税率は前事業年度から変更されている。
これにより、繰延税金資産は7,813百万円増加し、法人税等調整額は7,818百万円、評価・換算差額等は5百万円それぞれ減少している。
4 法人税及び地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理
当社は、グループ通算制度を適用しており、「グループ通算制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(実務対応報告第42号 2021年8月12日)に従って、法人税および地方法人税の会計処理またはこれらに関する税効果会計の会計処理ならびに開示を行っている。