第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

2018年度においては、泊発電所の長期停止に加え、電力小売全面自由化以降の競争激化に伴う販売電力量の減少など、厳しい経営環境が続いている。また、「平成30年北海道胆振東部地震」(以下、「胆振東部地震」という。)の影響から北海道全域にわたる停電が発生し、お客さまには大変なご不便をおかけした。

このような状況の中、ほくでんグループは、「2018~2020年度3ヵ年の利益について、平均で小売全面自由化後の実績(2016~2017年度平均160億円程度)を上回る水準を目指す」との経営目標を掲げ、競争力の向上や収支改善などによる経営基盤の強化に重点的に取り組んできた。

2018年度の連結経常利益については、胆振東部地震に伴う石油火力発電所の焚き増しなどはあったが、豊水による水力発電量の増加に加え、経営基盤強化推進委員会のもとでのさらなる効率化・コストダウンの成果の上積みなどにより、301億円となった。

2019年度以降の経営目標については、厳しい経営環境下において、経営基盤強化の取り組みにより収入の拡大と費用の低減を進め、自己資本の回復や競争力の向上を図っていくことを念頭に、次なるステップとして連結ベースで東日本大震災前2ヵ年の実績である経常利益230億円/年を上回る水準を目指す。

電力小売における厳しい競争や2020年4月からの送配電部門の別会社化(法的分離)に向けた対応など、事業環境が大きく変化するなか、泊発電所の再稼働前においても安定して利益を生み出し、財務基盤の強化を図るとともに、さらなる成長を遂げていくためグループ一体となって中長期を見据えて下記の施策に取り組んでいく。

 

[重点的に取り組む項目]

 

(1) 経営基盤の強化

 ① 収入拡大に向けた取り組み

  北海道内の電力小売については、競争力のある料金メニューを充実させ、対面営業を中心とした営業活動を強力に展開し、当社からの契約切り替えに歯止めをかけるとともに、契約を切り替えられたお客さまにも改めて当社を選択いただけるよう取り組む。

  加えて、価格以外のお客さまニーズにお応えできるよう、ご家庭向けには最新のデジタル技術を活用した省エネ、安心、快適な暮らしに役立つ「エネモLIFE」や他企業との提携によるさまざまな商品やサービスを提供する。法人のお客さまには省エネや省COに資するソリューションなど、お客さまのニーズにお応えする付加価値を合わせて提案し、契約の獲得に努める。
  また、首都圏での電力小売を積極的に展開するとともに、2020年に運転を開始する福島天然ガス発電所の供給力も活用し、さらなる収益拡大を目指す。

 ガス供給事業については、昨年12月に石狩LNG基地からタンクローリーによるLNG供給を開始した。今後もLNG販売を強化するとともに、都市ガス事業への参入や電気とガスのセット販売に向けた検討も進める。

 さらに、ほくでんグループ各社の事業を組み合わせたソリューション営業を展開し、グループ全体の収益拡大を図る。

 国内外の水力発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電事業にも積極的に取り組み、事業機会の拡大につなげていく。

 

 ② 費用低減に向けた取り組み

  資機材調達コストの低減や創意工夫による工事工程の見直しなど、経営基盤強化推進委員会のもとでの費用低減の取り組みが、着実に成果として現れてきており、収支改善の一翼を担っている。

 新技術の活用により設備保守の高度化・効率化を図り、設備関連費用を低減するなど、これまでの取り組みをさらに深化させていくとともに、昨年12月に導入した「カイゼン活動」の取り組み状況も踏まえながら、抜本的な効率化・コスト低減を進める。

 本年4月には、北海電気工事株式会社に北海道計器工業株式会社を合併し、ほくでんサービス株式会社の配電事業を統合した。配電事業を1社に集約することにより、配電設備の設計・施工の一体的業務運営を行うとともに、新規事業領域の拡大を目指す。

 今後もグループ一体となって、効率性の高いスリムで強靭な業務運営体制のもと労働生産性の向上と要員の適正化を図り、競争力のある事業構造を実現する。

 

(2) 泊発電所の早期再稼働と安全性向上

  泊発電所の早期再稼働の実現に向けて、新規制基準適合性審査における最優先課題である敷地内断層の活動性評価については、新たに追加調査を行い、得られたデータに基づき、できるだけ早く検討結果を取りまとめ、審査会合で説明していく。また、残る課題についても原子力規制委員会の理解を得られるよう、総力をあげて取り組んでいく。 

  福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、原子力のリスクを一層低減させるため、「泊発電所安全性向上計画」を策定している。新規制基準への適合はもとより、「世界最高水準の安全性(エクセレンス)」を目指し、不断の努力を重ねるとともに、北海道のみなさまに泊発電所の安全性をご理解いただけるよう努めていく。

 

(3) 電力の安定供給確保に向けた取り組み

 胆振東部地震の影響により離島を除く北海道全域が停電したことについては、社内外の検証を踏まえて策定した「アクションプラン」に基づき、再発防止に取り組むとともに、PDCAを展開しながら具体的な対策を進めていく。

 また、本年2月には、北海道初の大型LNGコンバインドサイクル発電所である石狩湾新港発電所1号機(56.94万キロワット)が営業運転を開始した。発電効率が高く、環境特性に優れた電源であり、既設火力発電設備の経年化へ対応するとともに、燃料種の多様化や電源の分散化に寄与する。さらに、北海道内電源の緊急停止リスクへの対応力を高めることを目的に新北海道本州間連系設備(30万キロワット)が本年3月に運転を開始し、北海道本州間の連系容量は60万キロワットから90万キロワットに増加した。これらの設備を活用しながら、引き続き、電力の安定供給の確保及び信頼度の向上に取り組んでいく。

 発電・流通設備の保全にあたっては、適切なリスク管理により、安定供給と低コスト化の両立を図り、電気事業者としての使命を全うしていく。

 

[引き続き取り組む項目]

 

 (4) 送配電部門の分社化への対応

 2015年6月改正の電気事業法において、送配電事業の中立性を一層高めるとの目的から、2020年4月までに送配電部門の別会社化(法的分離)の実施を求められている。当社は、昨年4月に「送配電カンパニー」を設置する社内分社化を実施し、本年4月には北海道電力送配電事業分割準備株式会社を設置するなど、円滑な体制移行に向けた準備を着実に進めている。

 法的分離の実施にあたっては、法の趣旨を踏まえつつ、コーポレート機能(グループにおける本社機能)及び発電・小売電気事業を保有する事業持株会社のもとに2020年4月に100%出資会社として送配電会社を設置し、グループの総合力・効率性を発揮していく。送配電事業については、安定供給を確保しつつ、効率的な事業運営に取り組み、低廉な託送料金の実現を図る。また、発電・小売電気事業については、経営資源を効率的に活用しつつ、両事業が一体となって競争力の確保・強化に取り組み、利益拡大を図り、法的分離後もグループ全体の企業価値の持続的な向上を目指していく。

 会社分割は、当社の一般送配電事業を分割準備会社に承継させる吸収分割により行うこととし、本年6月26日開催の第95回定時株主総会において吸収分割契約の承認に関する議案を上程し、同定時株主総会にて承認可決された。

 

(5) ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)への取り組み

 環境負荷の低減に向けては、本年5月に下川町のバイオマス発電所が運転を開始するなど、国内外問わず積極的に再生可能エネルギー発電事業を展開するとともに、電力系統への再生可能エネルギーの接続量の最大化と道内の電力品質の維持の両立に取り組んでいく。また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO排出原単位の低減に努める。
 業務効率化への取り組み、適正な労働時間管理及び休暇取得の推進を通じた「働き方改革」を進め、健康の保持・増進や従業員の働きがいの向上を図る。また、人材の多様化や女性の活躍推進などを通じて、従業員の能力を最大限に活用できる職場作りを進める。

 

 
 北海道とともに歩む企業として、エネルギー分野に関する自治体等の取り組みに協力するとともに、当社総合研究所のノウハウを活用した農水産業への支援など、北海道の経済発展に向けたさまざまな取り組みを進めていく。
 「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に則り、透明・公正かつ迅速果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンスのさらなる充実を図る。

 
 
 当社は今後も、経営理念である「人間尊重」「地域への寄与」「効率的経営」のもと、「ほくでんグループが目指す企業像」を全従業員が共有し、以上の取り組みを進めながら、総合エネルギー企業として新たな「ほくでんブランド」を創り上げ、持続的な企業価値の向上を図る。
 

 

 

<ほくでんグループが目指す企業像>

  ・「ともに輝く明日のために。Light up your future.」をコーポレート・スローガンに掲げ、責任あるエ

  ネルギー供給の担い手としての役割を全うすることで、地域の持続的な発展を支えていきます。

  ・総合エネルギー企業として、さらなる成長と発展を遂げるために、新たな視点を取り込みながら、果敢

    にチャレンジしていきます。

  ・スピード感や柔軟性のある事業運営を進め、事業基盤をゆるぎないものとし、ステークホルダーのみな

  さまのご期待に応えていきます。

 

 


      なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

 

2 【事業等のリスク】

ほくでんグループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月27日)現在において判断したものである。

ほくでんグループでは、これらのリスクを認識した上で、発現の回避や発現した場合の対応に努めていく。

 

(1) 原子力発電の状況

 泊発電所の安全確保を経営の最重要課題と位置づけ、社長のトップマネジメントのもと、「安全性向上計画」に基づき、安全性のより一層の向上に取り組んでいる。具体的には、原子力発電所の新規制基準への適合はもとよりさらなる安全性・信頼性向上に向けた安全対策工事や、重大事故などを想定した原子力防災訓練の実施など、安全対策の多様化や重大事故等対応体制の強化・充実に取り組んでいる。また、2013年7月の新規制基準の施行を受け、原子炉設置変更許可申請などを提出し、適合性審査への対応に取り組んでおり、「発電所敷地内断層の活動性評価」「積丹半島北西沖に仮定した活断層による地震動評価」「地震による防潮堤地盤の液状化の影響評価」「津波により防波堤が損傷した場合の発電所設備への影響評価」などへの対応を進めている。 
 しかしながら、今後の審査の状況などによって泊発電所の停止がさらに長期化し燃料費の増大が続く場合などには、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(2) 設備障害

 発電設備や流通設備については、点検・保守の着実な実施などにより設備の信頼性維持に努めているが、自然災害や故障等により設備に障害が生じた場合には、その復旧工事や発電所の停止に伴う他の発電所の焚き増しなどのために費用が増加する可能性がある。

 

(3) 販売電力量の変動

  他事業者との競争の進展や、景気の影響による経済活動・生産活動の低下、省エネルギーの進展、気温の影響などにより販売電力量が変動した場合には、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(4) 電気事業を取り巻く制度の変更等

 電力システム改革におけるさらなる競争活性化等に向けた市場・ルールの整備など、電気事業に関わる国の制度変更により、業績に影響が及ぶ可能性がある。原子力発電や原子力バックエンド事業などについて制度見直しや費用の変動などがあった場合にも、業績に影響が及ぶ可能性がある。 

 また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO排出原単位の低減に努めているが、地球温暖化防止に関する環境規制などが導入された場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(5) 降雨降雪量の変動

 年間の降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の低減要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となることから、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(6) 燃料価格の変動

 燃料購入費用については、燃料価格および為替レートの変動により影響を受ける。そのため、バランスのとれた電源構成を目指すとともに、燃料購入における契約方法の多様化などによって価格変動のリスク分散に努めている。また、燃料価格の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」があるが、燃料価格の著しい変動などにより、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

(7) 金利の変動

 ほくでんグループの有利子負債残高は、2018年度末で1兆4,007億円であり、今後の市場金利の動向によっては、業績に影響が及ぶ可能性がある。
 ただし、ほくでんグループの有利子負債残高の大部分は固定金利で調達していることなどから、業績への影響は限定的と考えられる。

 

(8) 電気事業以外の事業

 電気事業以外の事業については、事業内容の事前評価、事業運営の適切な管理に努めているが、事業環境の悪化などにより、当初の見込みどおりの事業遂行が困難になる可能性がある。

 

(9) 情報の管理

 ほくでんグループが保有するお客さま等に関する業務情報については、情報セキュリティの確保や社内ルールの整備、従業員教育の実施により厳正な管理に努めているが、情報流出により問題が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

① 経営成績

 当連結会計年度の連結決算の売上高は、前連結会計年度に比べ191億88百万円(2.6%)増の7,522億38百万円となり、これに営業外収益を加えた経常収益は、193億39百万円(2.6%)増の7,546億19百万円となった。

 一方、経常費用は、前連結会計年度に比べ85億79百万円(1.2%)増の7,244億37百万円となった。

 以上により、経常利益は、前連結会計年度に比べ107億60百万円(55.4%)増の301億81百万円となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ58億7百万円(35.1%)増の223億57百万円となった。

 

 セグメントの経営成績(内部取引消去後)は、次のとおりである。

 

 [電気事業]

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ181億16百万円(2.6%)増の7,196億42百万円となった。これは、販売電力量の減少はあったが、燃料価格の上昇による燃料費調整制度の影響などによるものである。販売電力量は、他事業者への契約切り替えの影響や、平成30年北海道胆振東部地震以降、引き続き無理のない範囲での節電にご協力をいただいたことに加え、前年の春先および10月から11月の高気温による暖房需要の減少などにより、販売電力量合計では、前連結会計年度に比べ8.2%の減少となった。

営業利益は、前連結会計年度に比べ87億29百万円(29.4%)増の384億24百万円となった。これは、平成30年北海道胆振東部地震に伴う石油火力発電所の焚き増しなどはあったが、豊水による水力発電量の増加に加え、経営基盤強化推進委員会のもとでの資機材調達コストの低減や創意工夫による工事工程の見直し等、更なる効率化・コストダウンの成果の上積みなどにより費用の増加を抑制したことによるものである。 

 

 [その他]

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ10億71百万円(3.4%)増の325億96百万円となった。これは、建設用資機材の販売増加などによるものである。

営業利益は、前連結会計年度に比べ2億38百万円(△5.9%)減の37億92百万円となった。これは、売上高が増加したものの、電気通信事業における修繕費の増加などによるものである。

 

 生産、受注及び販売の実績

   当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、電気事業が事業の大半を占めることから、電気

 事業の需給実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。

 

    a.需給実績

 

種別

 

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

発受電電力量

自社

水力発電電力量

(百万kWh)

4,083

124.5

火力発電電力量

(百万kWh)

19,082

90.7

原子力発電電力量

(百万kWh)

新エネルギー等発電電力量

(百万kWh)

145

97.7

融通・他社受電電力量

(百万kWh)

6,829

△4,311

100.1

130.4

揚水発電所の揚水用電力量

(百万kWh)

△325

135.6

合計

(百万kWh)

25,503

92.0

損失電力量等

(百万kWh)

△2,729

93.2

販売電力量

(百万kWh)

22,774

91.8

出水率(自流)

(%)

112.6

 

 (注) 1 他社受電電力量には、連結子会社の北海道パワーエンジニアリング㈱及びほくでんエコエナジー㈱からの

          受電電力量が含まれている。

 2 融通・他社受電電力量の上段は受電電力量、下段は送電電力量を示す。

 3 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。

 4 販売電力量の中には、自社事業用電力量58百万kWhを含んでいる。

 5 出水率は、自社の1987年度から2016年度までの30ヶ年平均に対する比である。

   

  b.販売実績

  販売電力量及び料金収入

 

種別

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

販売電力量

(百万kWh)

低圧

電灯

9,485

92.7

電力

2,188

91.2

低圧計

11,673

92.4

高圧・特別高圧

11,101

91.2

合計

22,774

91.8

融通・他社販売

3,128

123.3

料金収入
(百万円)

電灯料

267,682

97.8

電力料

287,316

97.4

電灯電力合計

554,998

97.6

融通・他社販売

46,945

138.3

 

 (注) 上記料金収入には消費税等は含まれていない。

 

   c.資材の状況

  石炭、重油及びLNGの状況

 

品名

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

期首残高

受入量

前年同期比(%)

払出量

前年同期比(%)

期末残高

石炭(t)

732,028

5,233,475

98.4

5,273,389

98.7

692,114

重油(kℓ)

233,396

920,883

65.3

973,648

70.0

180,631

LNG(t)

122,530

87,760

34,770

 

 (注) 1 本表には、当社の主な使用燃料を記載している。

 2 LNGは、2018年8月より受入を開始した。

   

(2)財政状態の分析

 [資産]

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ390億77百万円増の1兆9,549億81百万円となった。これは、現金及び預金の減少などはあったが、石狩湾新港発電所1号機新設による固定資産の増加などによるものである。       

 [負債]

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ236億51百万円増の1兆7,265億64百万円となった。これは、有利子負債の減少はあったが、「原子力発電施設解体引当金に関する省令」の改正に伴う資産除去債務の計上や、未払債務の増加などによるものである。   

 [純資産]

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ154億25百万円増の2,284億17百万円となった。これは、配当金の支払いなどはあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものである。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末の10.5%から0.6ポイント増加し、11.1%となった。  

  

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ443億61百万円減の717億25百万円となった。

   

    [営業活動によるキャッシュ・フロー]

          当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ67億54百万円増の1,138億

       8百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによるものである。

 

      [投資活動によるキャッシュ・フロー]

       当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ184億22百万円減の1,269

億32百万円の支出となった。これは、固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものである。

 

    [財務活動によるキャッシュ・フロー]

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(663億60百万円の収入)に比べ975億98百万円減の312億38百万円の支出となった。これは、有利子負債の減少などによるものである。なお、当連結会計年度においては、B種優先株式の発行により調達した資金をA種優先株式の取得資金の一部に充当している。

 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ほくでんグループの資金需要は、主に電気事業に係る設備投資や債務償還に必要な資金であり、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入により調達を行っている。また、短期的な資金需要にはコマーシャル・ペーパーを活用している。

資金調達にあたっては、月次での資金繰計画に基づく適切な資金管理を行っていることに加え、当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保している。

 

(5)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ほくでんグループは、「2018~2020年度3ヵ年の利益について、平均で小売全面自由化後の実績(2016~2017年度平均160億円程度)を上回る水準を目指す」との経営目標を掲げ、競争力の向上や収支改善などによる経営基盤の強化に重点的に取り組んできた。

2018年度の連結経常利益については、平成30年北海道胆振東部地震に伴う石油火力発電所の焚き増しなどはあったが、豊水による水力発電量の増加に加え、経営基盤強化推進委員会のもとでのさらなる効率化・コストダウンの成果の上積みなどにより、301億円となった。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項なし

 

5 【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発費の総額は2,348百万円であり、このうち電気事業は2,342百万円である。

 ほくでんグループにおける電気事業に係る研究開発は総合研究所が中心となって推進しており、経営計画等に基づいた研究開発を重点的に実施している。当連結会計年度における主な研究開発は次のとおりである。

 

 (1)競争を勝ち抜くための販売活動を支える研究

 お客さまに当社を選択していただけるよう、各種戦略策定に資する「エネルギー市場やエネルギー消費形態等の調査・分析」、電化市場の拡大やお客さまのサービス向上を目的とした「高効率電化機器性能分析」や「業種別のお客さま空調設備の実測評価」など販売活動に直接・間接的に貢献する研究開発に取り組んでいる。 

  総合エネルギー企業への発展に向け、太陽光発電や蓄電池を装備した「寒冷地型スマートハウスのエネルギー収支と室内環境の分析」など、将来のエネルギーサービスの具体化に備える研究に取り組んでいる。

 

 (2)電力の安定供給やコストダウンに直結する研究

 安定かつ低廉な電力供給に資する設備の保全・運用・構築に関する研究について、発電・流通設備の急速な経年化の進展や火力発電所の高稼働に対応した研究開発を進めている。特に、不具合発生原因の究明、新工法・自社診断技術などに関する研究を着実に進めている。 

  電力品質の維持と再生可能エネルギー接続量の最大化との両立に向け、国や地域と一体となって推進している蓄電システムや家畜系バイオマス発電などの実証事業を着実に進めるとともに、再生可能エネルギーの導入拡大に資する新技術について調査・研究を進めている。

 

 (3)新たな経営環境に対応する研究

 水素の利活用やAI、IoTなどの将来課題や新技術を想定し、当社への適用可能性などの調査・研究に取り組んでいる。