当社においては、泊発電所の停止が長期化しているなか、電力小売における激しい競争が依然として続いている。このような状況のもと、当社は、「ほくでんグループ経営ビジョン2030」で掲げた経営目標の達成に向け、電力販売や都市ガス事業への参入をはじめとする収入拡大やカイゼン活動などの費用低減を通じた経営基盤の強化に取り組んできた。
2020年度の連結経常利益は、前年度に実施した高圧供給の一部契約における検針日変更の影響や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などはあったが、今冬の寒波の影響に加え、修繕工事の減少や燃料・資機材調達の効率化などによる費用低減に取り組んだことなどにより、411億50百万円となった。
ほくでんグループは、「人間尊重・地域への寄与・効率的経営」の経営理念のもと、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視し、北海道の経済やお客さまの暮らしを支え、事業の持続的な成長と持続可能な社会の実現に努める。
<「ほくでんグループ経営ビジョン2030」における主な利益・財務目標>
また、経営ビジョンで定めた2030年度までの環境目標(発電部門からのCO2排出量の2013年度比半減以上)達成に加え、2050年の北海道におけるエネルギー全体のカーボンニュートラルの実現に最大限挑戦していく。
[2021年度の取り組み事項]
(1) 経営基盤の強化
① 収入拡大に向けた営業活動の展開
新電力との競争が厳しさを増すなかでもお客さまに「ほくでんの電気」をお選びいただけるよう「ほくでんガス」とのセット販売や、北海道エネルギー株式会社、KDDI株式会社との業務提携なども活用し、サービスの拡充に努める。
また、ご家庭向けには、「エネとくポイントプラン」をはじめとする多様な料金メニューの提案のほか、「スマート電化」をはじめとする高効率電化機器による省エネ・省CO2で快適な暮らしをお客さまに提案し、電力需要の拡大を図る。
法人のお客さまには、引き続き、ニーズを捉えたきめ細かな営業活動を展開していく。ご使用状況に応じた料金プランを提案するとともに、エネルギーの調達から運転・保守、管理までを一括して提供するESP(エネルギー・サービス・プロバイダー)事業やタンクローリーによるLNG供給事業などと合わせてトータルエネルギーソリューションの充実に努め、契約獲得につなげていく。また、100%再生可能エネルギー由来の電力をお届けする「カーボンFプランプレミアム」など環境対応型メニューの提案やZEB※コンサルを通じ、CO2排出削減をサポートしていく。
※ ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル):快適な室内環境を保ちながら、建物で消費する年間の一次エネ
ルギーの収支をゼロにすることを目指す建物。
② 費用低減に向けた取り組み
カイゼン活動を強力に推進するなど、あらゆる業務について不断の見直しを行い、抜本的な効率化・費用低減を実現していく。
新たにDX(デジタルトランスフォーメーション)専任組織を設置し、デジタル技術を活用した保守点検をはじめとするさまざまな業務の高度化・効率化に取り組み、業務変革を推進していく。
(2) 泊発電所の早期再稼働と安全性向上
泊発電所は供給の安定性や収支・財務面、CO2の排出削減などに寄与する重要な基幹電源であり、安全確保を大前提に早期再稼働の実現に向けて、引き続き、総力をあげて新規制基準適合性審査への対応を進めていく。
福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、原子力のリスクを一層低減させるため、「泊発電所安全性向上計画」を策定している。東日本大震災から10年が経過したなかで、事故の経験や教訓を風化させることなく、世界最高水準の安全性を目指し、継続的な改善に取り組む。新規制基準への適合はもとより、原子力防災訓練の実施、他の原子力事業者との技術協力や良好事例の調査・取り込みなど、不断の努力を重ねるとともに、北海道のみなさまに泊発電所の安全性をご理解いただけるよう努めていく。
(3) 電力の安定供給確保に向けた取り組み
当社は、昨年12月中旬以降の寒波の到来に対して、全国的に電力の需給状況が厳しくなるなか、北海道内の電力需要にしっかりと対応したうえで、北海道外の電力供給にも最大限協力した。北海道のみなさまに安心して電気をお使いいただくため、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底するとともに、事業継続に向けた体制整備に取り組み、電力の安定供給を確保した。引き続き、設備の保守・運用や燃料調達などに万全を期していく。
また、S+3E(安全性の確保を大前提に、エネルギーの安定供給、経済効率性、環境適合)の観点から、バランスの取れた電源構成の構築に取り組んでいく。
送配電事業を担う北海道電力ネットワーク株式会社は、再生可能エネルギーの主力電源化や分散型電源のさらなる拡大が予想されるなかで、今後も中立性、公平性を保ちながら、安定供給の維持に取り組んでいく。また、レジリエンス(災害等に対する回復力・復元力)の向上のため、昨年7月に策定した「災害時連携計画」に基づき、他の一般送配電事業者や地方自治体などと連携を図り、より迅速な復旧に向けた取り組みを強化していく。加えて、あらかじめご登録いただいた地域における停電の発生・解消を自動的にお知らせする「LINE公式アカウントによる停電情報メッセージ配信サービス」や、電話でのお問い合わせにAIがお答えする「停電情報自動応答サービス」を本年3月から開始している。
(4) ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する取り組み
CO2排出削減に向け、泊発電所の早期再稼働を目指すとともに、再生可能エネルギー発電事業の拡大を進める。今後の普及・拡大が期待される洋上風力発電については、株式会社グリーンパワーインベストメントとの連携協定に基づく石狩湾における事業などを進めている。また、森地熱発電所で使用した熱水を再利用する森バイナリー発電所の建設や、当別町における地域のバイオマス資源を活用した発電事業への参画などを進めている。
さらに、北海道におけるエネルギー全体のカーボンニュートラルの実現に最大限挑戦していくため、革新的技術の導入などにより2050年までに「発電部門からのCO2排出ゼロ」を目指す。また、暖房・給湯などの熱源のほか運輸・産業部門などにおける電化の拡大により化石燃料からの転換に貢献していくとともに、CO2フリー電気から製造した水素などの活用、再生可能エネルギーの受け入れのさらなる拡大に向けた送配電における需給運用の高度化などの調査・研究を進めていく。
「ほくでんグループの成長は北海道の発展とともにある」との認識に立ち、地域課題の克服や経済活性化に向けた「共創」の取り組みを進める。地方自治体、他企業、大学などとの連携を通じて新技術・知見を活用し、新たなビジネスにつなげていく。
当社が変わらぬ使命を果たしていくための一番の原動力は人であり、従業員の健康の保持・増進や働きがいを向上させていく。また、人材の多様化や女性活躍推進などを通じて、従業員の能力を最大限に発揮できる職場づくりを進める。
コンプライアンスのさらなる徹底を図り、信頼の醸成に努める。「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に則り、ステークホルダーのみなさまに適時・適切な情報開示を行うとともに、透明・公正かつ迅速果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンスのさらなる充実に努める。
当社は以上の取り組みを通じて、総合エネルギー企業として、企業価値の向上を図る。
2021年度は当社にとって創立70周年の節目の年であり、さらなる成長のきっかけとなるよう、グループ一丸となってさまざまな事業環境の変化に的確に対応し、北海道の発展と持続可能な社会の実現に貢献していく。
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである。
ほくでんグループの業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがある。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において判断したものである。
ほくでんグループでは、これらのリスクを認識した上で、発現の回避や発現した場合の対応に努めていく。
(1) 原子力発電の状況
泊発電所の安全確保を経営の最重要課題と位置づけ、社長のトップマネジメントのもと、「安全性向上計画」に基づき、安全性のより一層の向上に取り組んでいる。具体的には、原子力発電所の新規制基準への適合はもとよりさらなる安全性・信頼性向上に向けた安全対策工事や、重大事故などを想定した原子力防災訓練の実施など、安全対策の多様化や重大事故等対応体制の強化・充実に取り組んでいる。また、新規制基準の施行を受け、原子炉設置変更許可申請などを提出し、適合性審査への対応に取り組んでおり、「発電所敷地内断層の活動性評価」「積丹半島北西沖の断層による地震動評価」「日本海東縁部に想定される地震による津波の再評価」「火山活動の可能性評価、降下火砕物の層厚の再評価」「地震による防潮堤地盤の液状化の影響評価」「津波により防波堤が損傷した場合の発電所設備への影響評価」などへの対応を進めている。
しかしながら、今後の審査の状況などによって泊発電所の停止がさらに長期化し燃料費の増大が続く場合などには、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(2) 設備障害
発電設備や流通設備については、点検・保守の着実な実施などにより設備の信頼性維持に努めているが、自然災害や故障等により設備に障害が生じた場合には、その復旧工事や発電所の停止に伴う他の発電所の焚き増しなどのために費用が増加する可能性がある。
(3) 販売電力量の変動
他事業者との競争の進展や、景気の影響による経済活動・生産活動の低下、省エネルギーの進展、気温の影響などにより販売電力量が変動した場合には、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(4) 電気事業を取り巻く制度の変更等
さらなる競争活性化等に向けた市場・ルールの整備など、電気事業に関わる国の制度変更により、業績に影響が及ぶ可能性がある。原子力発電や原子力バックエンド事業などについて制度見直しや費用の変動などがあった場合にも、業績に影響が及ぶ可能性がある。
また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO2排出原単位の低減に努め、2030年度に発電部門からのCO2排出量の2013年度比半減以上(1,000万トン以上低減)を目指しているが、地球温暖化防止に関する環境規制などが導入された場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(5) 降雨降雪量の変動
年間の降雨降雪量により、豊水の場合は燃料費の低減要因、渇水の場合は燃料費の増加要因となることから、業績に影響が及ぶ可能性がある。
なお、「渇水準備引当金制度」により一定の調整が図られるため、業績への影響は軽減される。
(6) 燃料・卸電力市場価格の変動
燃料および卸電力購入費用については、燃料価格および為替レート、卸電力市場価格の変動により影響を受ける。そのため、バランスのとれた電源構成を目指すとともに、契約方法の多様化やデリバティブ取引の活用などによって価格変動リスクの分散・回避に努めている。また、燃料価格の変動を電気料金に反映させる「燃料費調整制度」があるが、燃料価格の著しい変動などにより、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(7) 金利の変動
ほくでんグループの有利子負債残高は、2020年度末で1兆3,973億円であり、今後の市場金利の動向によっては、業績に影響が及ぶ可能性がある。
ただし、ほくでんグループの有利子負債残高の大部分は固定金利で調達していることなどから、業績への影響は限定的と考えられる。
(8) 電気事業以外の事業
電気事業以外の事業については、事業内容の事前評価、事業運営の適切な管理に努めているが、事業環境の悪化などにより、当初の見込みどおりの事業遂行が困難になる可能性がある。
(9) 感染症の拡大
電力の安定供給確保に向け、主に以下の新型コロナウイルス感染症への感染防止対策を実施しているが、感染拡大により業務遂行への支障が生じた場合は、業績に影響が及ぶ可能性がある。
・社内体制を整備し、感染防止対策や事業継続等に必要な指示・情報を適宜周知・発信
・電力供給上重要な施設において、感染者が発生した場合に備え、代替の直勤務編成や応援体制等を構築
・社内において、会議・出張の制限やテレワーク・時差出勤、執務スペースの分離、従業員の分散配置などを実施
・受付窓口において、仕切りや消毒用アルコールの設置など、感染防止対策を徹底
また、経済活動・生産活動の低下により電力需要が減少した場合など、業績に様々な影響が及ぶ可能性がある。
(10) コンプライアンスの遵守
「ほくでんグループCSR行動憲章」や「コンプライアンス行動指針」を定め、コンプライアンスの遵守を徹底しているが、法令違反や企業倫理に反する行為が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。
(11) 情報の管理
ほくでんグループが保有するお客さま等に関する業務情報については、情報セキュリティの確保や社内ルールの整備、従業員教育の実施により厳正な管理に努めているが、情報流出により問題が発生した場合、社会的信用が低下し、業績に影響が及ぶ可能性がある。
なお、上記のリスクのうち、合理的に予見することが困難であるものについては、可能性の程度や時期、影響額を記載していない。
(1) 経営成績の分析
① 経営成績
当連結会計年度の連結決算の売上高は、前連結会計年度に比べ76億77百万円(△1.0%)減の7,407億90百万円となり、これに営業外収益を加えた経常収益は、91億4百万円(△1.2%)減の7,424億87百万円となった。これは、今冬の寒波の影響による増加などはあったが、燃料価格の低下による燃料費調整制度の影響や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などによるものである。小売販売電力量は、お客さまニーズを捉えた営業活動の推進により当社に切り替えていただく高圧・特別高圧のお客さまが増加したことに加え、今冬の寒波の影響はあったものの、前年度に実施した高圧供給の一部契約における検針日変更の影響や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などから、対前連結会計年度伸び率△4.3%となった。他社販売電力量は、新型コロナウイルス感染症の影響などはあったが、今冬の寒波の影響や再生可能エネルギーの買取に伴う市場取引販売量が増加したことなどから、対前連結会計年度伸び率36.6%となった。
一方、経常費用は、前連結会計年度に比べ176億14百万円(△2.4%)減の7,013億37百万円となった。
以上により、経常利益は、前連結会計年度に比べ85億10百万円(26.1%)増の411億50百万円となった。これは前年度に実施した高圧供給の一部契約における検針日変更の影響や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などはあったが、寒波の影響に加え、修繕工事の減少や燃料・資機材調達の効率化などによる費用低減に取り組んだことなどによるものである。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ94億34百万円(35.3%)増の361億55百万円となった。
セグメント別の経営成績(セグメント間取引消去前)は、次のとおりである。
なお、当連結会計年度より、セグメント区分を変更しており、前連結会計年度との比較は行っていない。
[北海道電力]
売上高は、6,695億15百万円となり、経常利益は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などはあったが、今冬の寒波の影響に加え、燃料・資機材調達の効率化など費用低減に取り組んだことから、362億26百万円となった。
[北海道電力ネットワーク]
売上高は、2,684億84百万円となり、経常利益は、節電や省エネルギー意識の定着に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う電力需要の減少などはあったが、資機材調達の効率化など費用低減に取り組んだことから、11億97百万円となった。
[その他]
売上高は、1,396億54百万円となり、経常利益は、主に電気通信事業の伝送業務受託収入などにより、47億45百万円となった。
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、「北海道電力」が担う発電・小売事業や「北海
道電力ネットワーク」が担う一般送配電事業、離島における発電事業が事業の大半を占めることから、当該事業の発受電実績、販売実績及び資材の状況についてのみ記載している。
(注) 1 他社受電電力量には、連結子会社の北海道パワーエンジニアリング㈱及びほくでんエコエナジー㈱からの
受電電力量が含まれている。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 出水率は、自社の1989年度から2018年度までの当該累計期間の30ヶ年平均に対する比である。
(注) 1 上記料金収入には、消費税等は含まれていない。
2 販売電力量及び料金収入には、連結子会社の北海道電力コクリエーション㈱の販売実績が含まれている。
石炭、重油及びLNGの状況
(注) 本表には、当社及び北海道電力ネットワーク㈱の主な使用燃料を記載している。
[資産]
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ425億89百万円増の2兆16億50百万円となった。これは、減価償却による電気事業固定資産の減少などはあったが、現金及び預金や受取手形及び売掛金などの流動資産の増加などによるものである。
[負債]
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億37百万円増の1兆7,119億16百万円となった。これは、有利子負債の減少はあったが、支払手形及び買掛金などの増加によるものである。
[純資産]
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ423億51百万円増の2,897億33百万円となった。これは、配当金の支払いなどはあったが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などによるものである。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末の12.0%から1.8ポイント増加し、13.8%となった。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ262億77百万円増の837億67百万円となった。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ338億60百万円増の1,365億47百万円の収入となった。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加などによるものである。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ411億38百万円減の856億7百万円の支出となった。これは、固定資産の取得による支出の減少などによるものである。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(98億23百万円の収入)に比べ344億86百万円減の246億62百万円の支出となった。これは、有利子負債が減少したことなどによるものである。
(4)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ほくでんグループの資金需要は、主に電気事業に係る設備投資や債務償還に必要な資金であり、自己資金のほか、社債の発行及び金融機関からの借入により調達を行っている。また、短期的な資金需要にはコマーシャル・ペーパーを活用している。
資金調達にあたっては、月次での資金繰計画に基づく適切な資金管理を行っており、緊急の資金需要に対しては、現金及び現金同等物の保有に加え、当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保している。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
ほくでんグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたり採用する重要な会計方針については「第5経理の状況」に記載している。
ほくでんグループは、連結財務諸表を作成するにあたり、繰延税金資産の回収可能性、退職給付に係る負債及び資産、資産除去債務などに関して、過去の実績等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っているが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。このうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載している。
(6)経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ほくでんグループは、2020年度は「ほくでんグループ経営ビジョン2030」で示した第Ⅰフェーズの経営目標「連結経常利益230億円以上/年」を目指し、都市ガス事業を開始するなど総合エネルギー企業としての営業活動のさらなる強化や、カイゼン活動を通じた生産性向上により、一層の経営基盤強化に取り組んだ。
2020年度の連結経常利益は、前年度に実施した高圧供給の一部契約における検針日変更の影響や新型コロナウイルス感染症の影響に伴う減少などはあったが、今冬の寒波の影響に加え、修繕工事の減少や燃料・資機材調達の効率化などによる費用低減に取り組んだことなどにより、前連結会計年度に比べ85億10百万円増の411億50百万円となった。また、連結自己資本比率は13.8%となった。
2030年度までに目指す経営目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」へ記載している。
該当事項なし
当連結会計年度における研究開発費の総額は
ほくでんグループにおける研究開発は、当社の総合研究所が中心となって推進しており、経営計画等に基づいた研究開発を重点的に実施している。当連結会計年度における主な研究開発は次のとおりである。
(1)電力の安定供給とコストダウン
・新たな時代の安定供給に向けて地域マイクログリッド構築支援に取り組み、自治体支援を通じて地域特性に応じたモデルを構築し、他地域への展開を目指している。
・保守高度化・コストダウンを目的に、送配電設備においては、電柱元位置建替工法、簡易着雪検知装置の開発などに関する研究に取り組んでいる。また、発電設備においては、火力設備への改良型溶接補修適用、フライアッシュコンクリート利用拡大などに関する研究に取り組んでいる。
(2)収入拡大に向けた取り組み
・電力小売、トータルソリューションの強化として、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)コンサル活用に向けた寒冷地に適した先進空調システムの実証、EMS(エネルギーマネジメントシステム)の実用化などの研究に取り組んでいる。
・事業領域のさらなる拡大に向けて、高性能脱硫剤の開発、農業分野における新たな光利用の実用化などの研究に取り組み、海外への事業展開を進めている。
(3)地域との共創とデジタル化の推進
・地域社会と連携したオープンイノベーションの推進を目指して、オープンラボを活用した地域との産学官連携を図る。
・新たな技術開発・知見獲得に向けて、VPP(バーチャルパワープラント)モデルの検討、ブロックチェーン技術活用の可能性検討、ドローン空撮画像の高度利用、寒冷地に適した新たな植物工場システムの実証などの研究に取り組んでいる。